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JP7249326B2 - 単一分子局在化顕微鏡法によって取得された回折限界画像からの高密度超解像度画像の再構築を改善する方法、装置、及びコンピュータプログラム - Google Patents

単一分子局在化顕微鏡法によって取得された回折限界画像からの高密度超解像度画像の再構築を改善する方法、装置、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、一般に、顕微鏡法及び画像処理の分野に関する。更に詳しくは、本発明は、再構築される画像の品質及び解像度に大きな影響を及ぼすことなしに、高密度超解像度画像を再構築するべく使用される回折限界画像の取得時間を減少させることを可能にする、単一分子局在化顕微鏡によって取得された回折限界画像からの、高密度超解像度画像、即ち、回折限界を超えた解像度を有する画像、の再構築を改善する方法、装置、及びコンピュータプログラムに関する。
解像度の回折限界(約200~300nm)を克服する蛍光顕微鏡法の方法は、分子スケールに近接した分子的特異性を有する生物学的構造の撮像を許容している。超解像度顕微鏡法の方式のうち、PALM(Photo-Activated Localization Microscopy)、STORM(STochastic Optical Reconstruction Microscopy)、又はPAINT(Point Accumulation for Imaging in Nanoscale Topography)などの、単一分子局在化に基づいたものは、その極端な空間解像度及び実装の容易性に起因し、特に魅力的である。
これらの単一分子局在化顕微鏡法(SMLM:Single Molecule Localization Microscopy)の方法によれば、フルオロフォアの小さなランダムサブセットを多数の連続した回折限界画像として撮像し、演算によって検出し、且つ、高精度で局在化し、且つ、組み合わせられたフルオロフォア局在化を使用することにより、例えば、独立的な局在化の2Dヒストグラム(xi,yi)として定義された高密度の超解像度画像(又は、高密度画像)を生成している。
実際には、Kと表記される、単一高密度超解像度画像の基礎をなす(未加工画像とも呼称される)回折限界画像の数は、通常、1000~10000である。この制約は、
-回折限界スポットの間のオーバーラップを回避するための、且つ、個々の分子の正確な局在化を許容するための、ρと表記される、回折限界画像当たりの活性化されたフルオロフォアの小さな数:ρの値は、通常、10~100である(この数は、センサのサイズ及び解像度に依存しており、これは、活性化されたフルオロフォアからの回折限界スポットがオーバーラップしない、或いは、まれにしかオーバーラップしない、ように、十分に小さいことを要する)と、
-基礎をなす生物学的構造の十分に高密度のサンプリングを保証するための、Nと表記される、多数の独立的なフルオロフォア局在化、即ち、別個のフルオロフォアに対応した局在化(ここで、N=K×ρ)と、
という、高空間解像度を保証するべく同時に充足することを要する2つの条件によるものである。
図1は、一例として、STORM画像処理を取り上げた場合の、回折限界蛍光スポットとして出現する少数の活性フルオロフォアをそれぞれが有する回折限界画像からの高密度超解像度画像の再構築を示している。
図示されているように、110と表記されたSTORM画像処理(高密度超解像度画像115は、STORM画像と呼称されうる)、即ち、フルオロフォアの検出、サブピクセル及びサブ回折精度を伴うフルオロフォアの局在化、及び独立的な局在化の2Dヒストグラム(xi,yi)の表示、に従って、高密度超解像度画像115を再構築するべく、時間t1~tkにおいて取得されたK個の回折限界画像(又は、未加工画像)を有する組105の画像100-1~100-Kが、それぞれ、使用されている。
例示を目的として、未加工の画像当たりの回折限界蛍光スポットとして出現するフルオロフォアの平均数nは、ほぼ、15に等しく、且つ、STORM画像を再構築するべく使用される未加工画像の数Kは、80000に等しいものになりうる。
SMLM画像の取得及び処理については、具体的には、(非特許文献1)において記述されている。STORM画像の取得及び処理については、具体的には、(非特許文献2)において記述されている。
サンプリングに起因した解像度の限界は、1つの早期の研究において、最も近接した独立的局在化の間の平均距離の2倍である、と定義されている。Rと表記される所与の解像度を実現するべく、ナイキスト基準は、NNyq(R)と表記される、フルオロフォア局在化の最小数をもたらしている。但し、最近の再解析及び電子顕微鏡法データとの比較は、実際には、少なくとも5倍だけ多い分子局在化(N5×Nyq(R)=5×NNyq(R))が必要とされていると結論付けている。
上述の2つの条件によって示唆されている多数の画像(K=n/ρ)は、単一分子局在化顕微鏡法を本質的に非効率且つ低速なものとし、これにより、研究対象視野の多くの視野(FOV:Field of View)の撮像を要する高スループット撮像における、且つ、生細胞動力学の撮像における、その潜在性が制限されている。この結果、大部分の単一分子局在化顕微鏡法の研究は、少数(通常は、10個未満)の細胞の分析と、取得時間との比較において低速で運動する物体の生細胞撮像と、に制限されている。
局在化顕微鏡法を加速化させるべく、複数の方式が探求されている。
高速スイッチング動力学を有する明るい色素、ハイパワーレーザー、及び高速カメラの使用は、信号対ノイズ比の喪失を伴わない、露光時間の極小化を可能にしているが、サブミリ秒露光への到達が課題として残っており、且つ、強烈な照射は、生細胞撮像における光毒性及び光ブリーチングを悪化させ、これにより、観察期間が低減される。
別の方式は、画像当たりの回折限界蛍光スポットとして出現する活性フルオロフォアの数ρを増大させ、これにより、独立的なフルオロフォア局在化の数Nを低減することなしに画像の数Kを低減する、且つ、オーバーラップした蛍光スポットを処理しうる局在化アルゴリズムを適用する、ことを可能にする、というものである。但し、これらのオーバーラップは、必然的に、フルオロフォア局在化の検出精度を損なうことになり、これは、時間解像度のすべての利得が、空間解像度の劣化という犠牲の下に得られることを意味している。
Betzig, E. et al., "Imaging intracellular fluorescent proteins at nanometer resolution", Science (80-.), 313, 1642-1645 (2006) Rust, M. J., Bates, M. & Zhuang, X. "Sub-diffraction-limit imaging by stochastic optical reconstruction microscopy (STORM)", Nat Methods 3, 793-795 (2006)
従って、全体的なプロセス時間と、特に、高密度超解像度画像を再構築するべく使用される未加工画像を取得するために必要とされる時間と、を減少させるべく、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像からの高密度超解像度画像の再構築を改善するというニーズが存在している。
これらの制約及び制限に直面し、本発明者らは、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された回折限界画像からの高密度超解像度画像の再構築を改善する方法、装置、及びコンピュータプログラムを提供している。
上述の従来技術の欠点を修正することが、本発明の広い目的である。
本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つの低情報コンテンツ画像から少なくとも1つの合成高密度超解像度画像を再構築するコンピュータ方法が提供され、方法は、
-少なくとも1つの低情報コンテンツ画像を取得するステップと、
-少なくとも1つの取得された低情報コンテンツ画像を人工ニューラルネットワークに入力するステップと、
-人工ニューラルネットワークから合成高密度超解像度画像を取得するステップと、
を有し、
この場合に、人工ニューラルネットワークは、高密度超解像度画像と人工ニューラルネットワークの対応する出力を比較するトレーニング目的関数の関数として、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された回折限界画像、少なくとも部分的に対応する低解像度広視野画像、及び対応する高密度超解像度画像のシーケンスから取得された低密度局在化画像、のトリプレットを有するトレーニングデータによってトレーニングされている。
具体的には、特許請求されている方法は、格段に小さな数の未加工画像が格段に短い取得期間に結び付く状態において、例えば、高密度超解像度画像とほぼ同一の品質の合成高密度SMLM画像、例えば、標準的アルゴリズムに従って再構築された高密度SMLM画像、例えば、STORM画像処理に従って再構築された高密度SMLM画像、などの、合成高密度超解像度画像の再構築を可能にしている。再構築された低密度局在化画像は、再構築された低密度SMLM画像であってよい。
実施形態によれば、少なくとも1つの低情報コンテンツ画像は、単一分子局在化顕微鏡法画像処理に従って回折限界画像のシーケンスから再構築された低密度局在化画像を有する。
実施形態によれば、方法は、
-回折限界画像のシーケンスを取得するステップと、
-取得された回折限界画像のシーケンスから低密度局在化画像を再構築するステップと、
を更に有する。
実施形態によれば、少なくとも1つの低情報コンテンツ画像は、低解像度広視野画像を有する。
実施形態によれば、低解像度広視野画像は、低密度局在化画像を再構築するべく使用される回折限界画像に、少なくとも部分的に対応している。
実施形態によれば、方法は、エラーマップを演算するステップを更に有し、エラーマップは、エラーが合成高密度超解像度画像内の場所の関数として発生する確率を表している。
実施形態によれば、エラーマップを演算するステップは、合成高密度超解像度画像から低解像度画像を生成するステップを有し、生成された低解像度画像は、人工ニューラルネットワークに入力される低解像度広視野画像と比較されている。
実施形態によれば、低解像度画像を生成するステップは、低解像度エスティメータネットワーク内において実行されている。
実施形態によれば、低解像度エスティメータネットワークは、複数の畳込み層を有する。
実施形態によれば、方法は、低解像度エスティメータネットワークの学習のステップを更に有する。
実施形態によれば、トレーニング目的関数は、人工ニューラルネットワークに入力されるトレーニングデータのサブセットを選択するための少なくとも1つのパラメータを有する。
実施形態によれば、トレーニング目的関数は、LIノーム、L2ノーム、ダイス係数、並びに、敵対的生成ネットワークタイプの、或いは、条件付き敵対的生成ネットワークタイプの、人工ニューラルネットワークに基づいた目的関数のうちの少なくとも1つを有する。
実施形態によれば、トレーニング目的関数は、条件付き敵対的生成ネットワークタイプの人工ニューラルネットワークに基づいた目的関数のうちの少なくとも1つを有し、且つ、この場合に、人工ニューラルネットワークに入力される低解像度広視野画像は、条件付き敵対的生成ネットワークの条件として使用されている。
実施形態によれば、人工ニューラルネットワークに入力される低解像度広視野画像は、蛍光顕微鏡を介して取得された回折限界画像である。
本発明の第2の態様によれば、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された回折限界画像のシーケンスから少なくとも1つの合成高密度超解像度画像を再構築するコンピュータ方法が提供されており、方法は、
-単一分子局在化顕微鏡法によって取得された回折限界画像のシーケンスを取得するステップと、
-単一分子局在化顕微鏡法画像処理に従って、取得された回折限界画像のシーケンスから低密度局在化画像を再構築するステップと、
-再構築された低密度局在化画像を人工ニューラルネットワークに入力するステップと、
-人工ニューラルネットワークから合成高密度超解像度画像を取得するステップと、
を有し、
この場合に、人工ニューラルネットワークは、高密度超解像度画像と人工ニューラルネットワークの対応する出力を比較するトレーニング目的関数の関数として、低密度局在化画像と対応する高密度超解像度画像のペアを有するトレーニングデータにより、トレーニングされている。
具体的には、特許請求されている方法は、格段に小さな数の未加工画像が格段に短い取得期間に結び付く状態における、例えば、高密度超解像度画像とほぼ同一の品質の合成高密度SMLM画像、例えば、標準的アルゴリズムに従って再構築された高密度SMLM画像、例えば、STORM画像処理に従って再構築された高密度SMLM画像、などの、合成高密度超解像度画像の再構築を可能にしている。再構築された低密度局在化画像は、再構築された低密度SMLM画像であってよい。
実施形態によれば、単一分子局在化顕微鏡法は、光活性化局在化顕微鏡法(PALM:Photo-Activated Localization Microscopy)、確率的光学再構築顕微鏡法(STORM:Stochastic Optical Reconstruction Microscopy)、或いは、ナノスケール構造の画像観察のための点集積法(PAINT:Point Accumulation for Imaging in Nanoscale Topoguraphy)である。
実施形態によれば、取得された回折限界画像のシーケンスは、300枚未満の回折限界画像を有し、回折限界画像のそれぞれは、1~100個のフルオロフォア局在化を有する。
実施形態によれば、人工ニューラルネットワークをトレーニングするべく使用される高密度超解像度画像のうちの少なくとも1つは、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された少なくとも30000枚の回折限界画像のシーケンスから構築されている。
実施形態によれば、取得されたシーケンスの回折限界画像は、研究対象視野の第1視野に対応しており、回折限界画像を取得するステップ、取得された回折限界画像のシーケンスから低密度局在化画像を再構築するステップ、再構築された低密度局在化画像を人工ニューラルネットワークに入力するステップ、及び人工ニューラルネットワークから合成高密度超解像度画像を取得するステップは、研究対象視野の少なくとも1つの第2視野について反復され、第1及び第2視野は、異なっている。
実施形態によれば、第1視野及び第2視野は、研究対象視野内において連続しており、方法は、人工ニューラルネットワークから得られた合成高密度超解像度画像を縫合することにより、結果的に得られる画像を生成するステップを更に有する。
従って、本発明の方法は、多数の視野を有する大きな研究対象視野の超解像度撮像を可能にしており、具体的には、数個の細胞のみを撮像するべく一般的に使用されている時間スケールにおいて数百個の細胞の超解像度撮像を可能にしている。
実施形態によれば、取得されたシーケンスの回折限界画像は、既定の視野に対応しており、回折限界画像のシーケンスを取得するステップ、取得された回折限界画像のシーケンスから低密度局在化画像を再構築するステップ、再構築された低密度局在化画像を人工ニューラルネットワークに入力するステップ、及び人工ニューラルネットワークから合成高密度超解像度画像を取得するステップは、同一の視野について周期的に反復されている。
従って、本発明の方法は、動的な超解像度撮像を促進する高スループット撮像、具体的には、相対的に大きな励起パワーを必要とする、或いは、更なる光毒性及び光ブリーチングの問題を有する、ことなしに、生細胞内の動的な超解像度撮像、を可能にしており、これにより、過剰な光損傷を伴うことなしに、相対的に高速且つ長期の生細胞超解像度撮像を許容している。
実施形態によれば、人工ニューラルネットワークは、エンコーダネットワークと、デコーダネットワークと、を有し、エンコーダネットワークは、複数の畳込み層と、複数のダウンサンプリング層と、を有し、且つ、デコーダネットワークは、複数の逆畳込み層と、複数のアップサンプリング層と、を有する。人工ニューラルネットワークは、Uネットタイプのものであってよい。
実施形態によれば、方法は、人工ニューラルネットワークをトレーニングするステップを更に有する。
実施形態によれば、方法は、人工ニューラルネットワークをトレーニングするべく、低密度局在化画像及び対応する高密度超解像度画像をペア化するステップを更に有する。この低密度局在化画像及び対応する高密度超解像度画像をペア化するステップは、
-単一分子局在化顕微鏡法によって取得された回折限界画像のトレーニングシーケンスを取得するステップと、
-単一分子局在化顕微鏡法画像処理に従って、取得された回折限界画像のトレーニングシーケンスの第1サブセットから複数の低密度局在化画像を再構築するステップと、
-単一分子局在化顕微鏡法画像処理に従って、取得された回折限界画像のトレーニングシーケンスの第2サブセットから複数の高密度超解像度画像を再構築するステップであって、第2サブセットのそれぞれは、第1サブセットのそれぞれよりも多くの回折限界画像を有する、ステップと、
を有しうる。
実施形態によれば、低密度局在化画像及び対応する高密度超解像度画像をペア化するステップは、
-シミュレーション条件を初期化するステップと、
-シミュレーション条件の変化をシミュレーションするステップと、
-シミュレーションステップの結果から高密度超解像度画像を構築するステップと、
-構築された高密度画像から複数の低密度局在化画像を構築するステップと、
を有する。
従って、本発明の方法は、再構築された合成高密度超解像度画像の品質の検証を可能にしている。
実施形態によれば、方法は、複数の低密度局在化画像のうちの少なくとも1つの低密度局在化画像を変換することにより、更なる低密度局在化画像を構築するステップを更に有する。少なくとも1つの低密度局在化画像を変換するステップは、少なくとも1つの低密度局在化画像にノイズを追加するステップ、少なくとも1つの低密度局在化画像を回転させるステップ、少なくとも1つの低密度局在化画像をクロッピングするステップ、少なくとも1つの低密度局在化画像を変更するステップ、少なくとも1つの低密度局在化画像の強度スケールを変更するステップ、少なくとも1つの低密度局在化画像を剪断するステップ、及び/又は、弾性変形を少なくとも1つの低密度局在化画像に適用するステップを有しうる。この結果、人工ニューラルネットワークをトレーニングするべく使用される画像の数及び可変性の増大が可能となる。
実施形態によれば、トレーニング目的関数は、L1ノーム、L2ノーム、ダイス係数、及び敵対的生成ネットワークタイプ又は条件付き敵対的生成ネットワークタイプの人工ニューラルネットワークに基づいた目的関数のうちの少なくとも1つを有する。
本発明の第3の態様によれば、上述の方法のそれぞれのステップを実行するべく構成された手段を有する装置が提供されている。本発明の第3の態様は、上述の第1及び/又は第2の態様のものに類似した利点を有する。
本発明の一部分は、ソフトウェアにおいて実装されうることから、本発明の一部分は、任意の適切な担持媒体上において、プログラム可能な装置に提供されるコンピュータ可読コードとして実施することができる。有体の担持媒体は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM、ハードディスクドライブ、磁気テープ装置、又は半導体メモリ装置、並びに、これに類似したものなどの、ストレージ媒体を有しうる。一時的な担持媒体は、電気信号、電子信号、光信号、音響信号、磁気信号、或いは、マイクロ波又はRF信号などの、電磁信号などの、信号を含みうる。
一実施形態においては、コンピュータコードは、大きなマトリックスデータの並列処理を許容する、グラフィック処理ユニット(GPU:Graphic Processing Unit)を活用している。
本特許又は出願ファイルは、色において実行される少なくとも1つの図面を含んでいる。この1つ又は複数のカラー図面を有する特許又は特許出願公開明細書の複写は、要求及び必要な料金の支払の際に、特許商標庁によって提供されることになる。
本発明の更なる利点については、添付図面及び詳細な説明を参照した際に、明らかとなろう。任意の更なる利点が本明細書には内蔵されているものと解釈されたい。
以下、例としてのみ、且つ、以下の添付図面を参照し、本発明の実施形態について説明することとする。
STORM画像処理を例として取り上げた場合の、回折限界蛍光スポットとして出現する少数の活性フルオロフォアをそれぞれが有する回折限界画像(又は、未加工画像)からの高密度超解像度画像の再構築を示す。 トレーニングデータセットを生成するべく、未加工画像の組から低密度SMLM画像及び高密度SMLM画像を再構築する方法の第1実施形態を示す。 L2ノームの使用に基づいて、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像から合成高密度SMLM画像を再構築するべく使用される人工ニューラルネットワークをトレーニングするシステムのアーキテクチャの第1例を概略的に示す。 本発明の実施形態に従ってトレーニングされた人工ニューラルネットワークを使用することにより、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像から合成高密度SMLM画像を再構築するシステムのアーキテクチャの第1例を概略的に示す。 図3及び図4において示されている人工ニューラルネットワークのアーキテクチャの一例を示す。 図3において表されている人工ニューラルネットワークをトレーニングするべく使用される画像を生成するステップの第1例を示しており、この場合に、生成された画像は、実験結果に基づいている。 図3において表されている人工ニューラルネットワークをトレーニングするべく使用される画像を生成するステップの第2例を示しており、この場合に、生成された画像は、シミュレーションに基づいている。 cGAN/L1損失に基づいて、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像から合成高密度SMLM画像を再構築するべく使用される人工ニューラルネットワークをトレーニングするシステムのアーキテクチャの第2例を概略的に示す。 図8において示されている人工ニューラルネットワークのトレーニングフェーズにおいて使用されるディスクリミネータネットワークのアーキテクチャの一例を示す。 単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像の一例を示す。 単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像の一例を示す。 250枚の未加工画像からSTORM画像処理によって再構築された低密度SMLM画像の一例を示す。 図11aの画像の一部分のズームを表す。 149687枚の未加工画像からSTORM画像処理によって再構築された高密度SMLM画像の一例を示す。 図12aの画像の一部分のズームを表す。 図3を参照して記述されているように、使用される人工ニューラルネットワークがトレーニングされた後に、本発明の実施形態に従って再構築された合成高密度SMLM画像の一例を示す。 図13aの画像の一部分のズームを表す。 図8を参照して記述されているように、使用される人工ニューラルネットワークがcGAN/L1損失によってトレーニングされた後に、本発明の実施形態ンに従って再構築された合成高密度SMLM画像の一例を示す。 図14aの画像の一部分のズームを表す。 L2及びcGAN/L1損失に応じて、高密度STORM画像によって定義される、ANNA-STORM又はSTORM画像とグラウンドトルスの間の画像(フレーム)番号又は取得時間の関数として、平均二乗誤差を示す。 図16a~図16dを有し、数百個の細胞を収容する1.8mm×1.8mmのエリアの高スループット撮像に対する本発明の実施形態の使用を示す。 図17a~図17lを有し、実験的摂動に対する本発明の実施形態の安定性を示す。 図18a~図18fを有し、異なる生物学的構造に対する本発明の実施形態の使用を示す。 本発明の実施形態が少なくとも部分的に実装されうる、処理装置のコンポーネントを示すブロック図である。 単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像から合成高密度SMLM画像を再構築するべく使用される人工ニューラルネットワークをトレーニングするシステムのアーキテクチャの第3例を概略的に示す。 本発明の実施形態に従ってトレーニングされた人工ニューラルネットワークを使用することにより、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像から、且つ、低解像度広視野画像から、合成高密度SMLM画像を再構築するシステムのアーキテクチャの第2例を概略的に示す。 図20において示されているジェネレータネットワークのアーキテクチャの一例を示す。 図20において示されている低解像度エスティメータネットワークのアーキテクチャの一例を示す。 図20に示されているcGANディスクリミネータネットワークのアーキテクチャの一例を示す。 図20~図24を参照することによって記述されている、本発明の実施形態の使用の例を示す。 図20~図24を参照することによって記述されている、本発明の実施形態の使用の例を示す。 図20~図24を参照することによって記述されている、本発明の実施形態の使用の例を示す。 図20~図24を参照することによって記述されている、本発明の実施形態の使用の例を示す。
例示を目的として、以下の説明は、全体として、STORM画像処理に基づいている。但し、本発明は、例えば、PALM画像処理及びPAINT撮像などの、単一分子局在化顕微鏡法(SMLM)によって取得された回折限界画像(未加工画像とも呼称される)から高密度超解像度画像を再構築するその他の方法にも適用されることを理解されたい。PALM画像処理、STORM画像処理、及びPAINT画像処理は、一般に、単一分子局在化顕微鏡法撮像と呼称されている。
実施形態によれば、合計数Nの独立的なフルオロフォア局在化が、未加工画像当たりの回折限界蛍光スポットとして出現する活性化されたフルオロフォアの数ρを増大させることなしに、低減され、これにより、標準的な単一分子局在化顕微鏡法画像処理方法との比較において、取得される未加工画像の合計数(K=N/ρ)が低減される。
実際に、大部分の生物学的画像の構造的冗長性を活用することにより、大幅にアンダーサンプリングされた局在化顕微鏡法データから高品質高密度超解像度画像を構築することが可能であることが観察された。
実施形態によれば、数値的入力及び出力の間の複雑な非線形マッピングを学習し、且つ、これにより、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像から、合成高密度超解像度画像(ANNA-SMLM画像(Artificial Neural Network Accelerated SMLM image)、合成高密度SMLM画像、合成高密度画像、合成画像、或いは、対応する未加工画像がSTORMによって取得されている際には、ANNA-STORM画像、とも呼称される)を構築するべく、人工ニューラルネットワーク(ANN:Airtificial Neural Network)を利用する機械学習の一部門である深層学習が使用されている。
本発明は、局在化の平均密度ρを変更することなしに、格段に少数kの未加工画像(k<<K)から、即ち、格段に少数のフルオロフォア局在化から(n=ρ×k<<ρ×K=N)、(K枚の画像及びN個のフルオロフォア局在化を有する)標準的な高密度超分解画像(又は、高密度SMLM画像)とほぼ類似した情報コンテンツの合成高密度SMLM画像を再構築することを可能にしている。
例えば、SMLM又は広視野顕微鏡法によって取得される所与の画像から得られた情報コンテンツは、相互情報量(MI:Mutual Information)によって定量化することができる。MIは、生物学的構造の画像と実験における観察画像、という2つのランダム変数の間の相互依存性を計測している。例えば、SMLM画像を構築するべく、多くの未加工画像のフレームが使用されるほど、MI値が大きくなり、且つ、SMLM画像内において収容される基礎をなす生物学的構造に関する情報が大きくなる。これに基づいて、以下において定義されている「低密度局在化画像」又は「低解像度広視野画像」は、「低情報コンテンツ画像」として見なされている一方で、「高密度超解像度画像」及び「合成高密度超解像度画像」は、「高情報コンテンツ画像」として見なされている。
図2は、トレーニングデータセット(又は、トレーニングデータサブセット)を生成するべく、未加工画像の組から低密度SMLM画像(低密度画像と呼称される)及び高密度SMLM画像を再構築する方法の第1実施形態を示している。
図示されているように、SMLM(Ki)として一般的に表記されている高密度SMLM画像の組205が、例えば、確率的光学再構築顕微鏡法画像処理によるなどの、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像の組200から、再構築されている。高密度SMLM画像の組205は、1~数十枚の高密度画像を有しうる。それぞれの高密度SMLMは、例えば、STORM画像処理などの、標準的な方法に従ってK枚の未加工画像の組から構築されており、値Kは、既定されているか、或いは、動的に判定されている。値Kは、通常、数千枚の未加工画像~数十万枚の未加工画像である。
未加工画像の組200は、有利には、異なる高密度SMLM画像が再構築されうるように、K超枚の未加工画像を有する。或いは、この代わりに、1つの高密度SMLM画像を再構築するべく、組200の未加工画像のすべてが使用される。
図6及び図7を参照して後述するように、トレーニングデータセットを生成するべく、未加工画像のいくつかの組を使用することができる。
同様に、SMLM(kj)として一般的に表記されている低密度SMLM画像の組210が、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工データの組200から再構築されている。低密度SMLM画像の組210は、例えば、20000などの、数百~数万枚の画像を有しうる。それぞれの低密度SMLM画像は、例えば、STORM画像処理などの、標準的な方法に従って、k枚(kは、Kとの比較において非常に小さく(k<<K)、例えば、100分の1である)の未加工画像の組から再構築されており、値kは、既定されているか、或いは、動的に定義されている。低密度SMLM画像を再構築するべく使用される方法は、好ましくは、高密度SMLM画像のそれぞれを再構築するべく使用されているものと同一である。値kは、通常、数十枚の未加工画像~数百枚の未加工画像である。
上述のように、STORM画像処理は、例えば、全体として、
-未加工画像のピクセルレベルにおける蛍光スポットの数及び概略場所を判定する検出ステップであって、通常、未加工画像のなんらかの種類のスムージングされたバージョンの閾値化と、接続されたコンポーネントの識別と、により、実行されているステップと、
-サブピクセル及びサブ回折精度を有する、相対的に正確にそれぞれのフルオロフォアの位置を演算する局在化ステップであって、しばしば、例えば、最大尤度推定(MLE:Maximum Likelihood Estimation)を使用することにより、画像に対する点広がり関数のモデルのフィッティングにより、実行されているステップと、
-以前の2つのステップの結果として得られた座標(x,y)のリストから高密度STORM画像を再構築するレンダリングステップであって、通常、このレンダリングは、予測される解像度(通常は、10nm又は20nmのようなもの)よりも小さいビン(ピクセル)のグリッドを使用することにより、局在化の2Dヒストグラムを表示することにより、実行される、ステップと、
に基づいたものであってよい。
これは、低密度SMLM画像及び高密度SMLM画像の両方の再構築のために使用することができる。
実施形態によれば、それぞれの低密度SMLM画像SMLM(kj)は、トレーニングデータ{(SMLM(kj),SMLM(ki)}を生成するべく、未加工画像の組ごとに、それぞれの高密度SMLM画像SMLM(Ki)とペア化されている。
図3は、L2ノームの使用に基づいて、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像から合成高密度SMLM画像を再構築するべく使用される人工ニューラルネットワークをトレーニングするシステムのアーキテクチャの第1例を概略的に示している。
図示されているように、人工ニューラルネットワーク300をトレーニングするべく、例えば、図2、図6、又は図7を参照して記述されている方法に従って、判定された低密度SMLM画像SMLM(k)及び高密度SMLM画像SMLM(K)が使用されている。
低密度SMLM画像SMLM(k)は、ANNA-SMLMと表記されている合成高密度SMLM画像を出力するジェネレータネットワークとして見なされうる人工ニューラルネットワーク300の入力として使用されている一方で、望ましい出力に対応する高密度SMLM画像SMLM(K)は、実際の出力が望ましい出力とどれだけ良好にマッチングしているかを計測する損失エラーを反復的に極小化するべく、例えば、確率的勾配降下法アルゴリズムを使用することにより、相応してそのパラメータ(通常は、重み及びバイアス)を適合させるべく、人工ニューラルネットワーク300の出力と比較されている。このような人工ニューラルネットワーク300のパラメータを適合させるステップは、学習又はトレーニングフェーズと呼称されている。
実施形態によれば、データのトレーニングセットのそれぞれのペアは、トレーニングフェーズにおいて、少なくとも1回だけ、使用されている。
例えば、SMLM(ki)が人工ニューラルネットワーク300に入力された後に、人工ニューラルネットワーク300のパラメータを補正するために使用されるエラーを演算するべく、ANNA-SMLM(ki)(略して、Aki)と表記された結果が、対応する望ましいSMLM(Ki)(略して、Ski)と比較されている。
人工ニューラルネットワーク300の出力と、対応する望ましい出力の間のエラーは、モジュール305において演算されている。図3に示されている実施形態によれば、人工ニューラルネットワーク300のパラメータは、取得された結果(Aki)と、対応する望ましい結果(Ski)の間の平均二乗誤差(L2ノーム)を計測するL2損失に従って、調節されている。
図5を参照して後述するように、人工ニューラルネットワーク300は、例えば、16個の畳込み層と、約5千5百万個のパラメータと、を含むUネットなどの、Uネットタイプものであってよい。Uネットは、全体として、「アップサンプリング」(デコーダ)ネットワークに接続された「ダウンサンプリング」(エンコーダ)ネットワークから構成された畳込み型ニューラルネットワークの特別なタイプであり、これは、等しいサイズのエンコーダ及びデコーダ特徴マップの間の層スキップ接続を含む。層スキップ接続は、例えば、セグメント化又は修復などの、画像回復のような、局所的情報の保存を必要とするタスクにおける、正確な、ピクセルワイズな、マッピングを可能にしている。
Uネットタイプの人工ニューラルネットワークは、例えば、「“U-net: Convolutional networks for biomedical image segmentation”, Ronneberger, O., Fischer, P. & Brox, T., Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention - MICCAI 2015. Lecture Notes in Computer Science, 9351, 234-241 (Springer International Publishing, 2015)」という名称の文献において記述されている。
図4は、本発明の実施形態に従ってトレーニングされた人工ニューラルネットワークを使用することにより、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像から合成高密度SMLM画像を再構築するシステムのアーキテクチャの第1例を概略的に示している。
図示されているように、低密度SMLM画像SMLM’(k)は、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された、未加工画像’1~未加工画像’kと表記された、k個の未加工画像の組から取得されている。これは、ANNA-SMLM’(k)と表記された対応する合成高密度SMLM画像を出力する人工ニューラルネットワーク300への入力として使用されている。
上述のように、低密度SMLM画像SMLM’(k)は、好ましくは、例えば、STORM画像処理などの、トレーニングデータセットを生成するために低密度SMLM画像を取得するべく使用されているものと同一の画像処理方法に従って、未加工画像の組から取得されている。
図5は、図3及び図4に示されている人工ニューラルネットワークのアーキテクチャの一例を示している。
この例によれば、人工ニューラルネットワーク300は、スキップ接続を伴って、エンコーダネットワークと、デコーダネットワークと、を有する。これは、16個の畳込み層と、54408832個のパラメータと、を有するUネットである。その入力及び出力は、(256m)×(256m)個のピクセルを含む画像パッチであり、この場合に、mは、整数である。入力は、例えば、低密度STORM画像などの、(低密度SMLMと表記された)低密度SMLM画像であり、且つ、出力は、(ANNA SMLMと表記された)同一のサイズの合成高密度SMLM画像である。
エンコーダネットワークは、互いに上下において積層された、(2に設定されたストライドを有する畳込み層の使用の結果として得られる)ダウンサンプリング層と交互に変化している複数の畳込み層を収容しており、その結果、半分のサイズ及び2倍の数の特徴マップをもたらしている。デコーダネットワークは、(この場合にも、2に設定されたストライドを有する転置型畳込み層の使用の結果として得られる)アップサンプリング層と交互に変化している(逆畳込みとも呼称される転置型の畳込みを適用するための)複数の畳込み層を収容しており、これは、結果的に、2倍のサイズ及び半分の数の特徴マップをもたらしている。Uネットは、ほぼ対称的であり、且つ、デコーダネットワークの最後の層は、エンコーダネットワークに供給される入力画像と同一サイズの出力画像を生成している。
このような一実施形態によれば、(オリジナルのUネットとは異なり)、(最大プーリング層の代わりに)2のストライドを有する畳込み層が使用されている。更には、正規化線形ユニット層が、好ましくは、エンコーダ内において、漏れ正規化線形ユニット層によって置換されている。
上述のように、Uネットは、エンコーダ及びデコーダ内において、対称的に配置された特徴マップの間の直接的接続を収容している。同一のサイズを有する、これらの特徴マップは、デコーダの対応する層内において連結されている。スキップ層接続は、ネットワークが、局所的なピクセルワイズな情報を連続的な畳込み層を通じて伝播する相対的に大きなコンテキスト情報と組み合わせることを許容している。
図5の例において示されているように、エンコーダ500は、8つの畳込み層を有し、これらの層のそれぞれは、Conv(a,b,c,d)と表記された、2D畳込みを実行しており、この場合に
-aは、入力特徴マップ数であり、例えば、値1は、入力が1つのチャネル上の既定の数のビットにおいてエンコーディングされることを通知することができ、
-bは、出力特徴マップ数であり、例えば、値64は、出力が、64個のチャネル上の既定数のビットにおいてエンコーディングされることを通知することができ、
-cは、カーネルサイズに対応しており、例えば、値4は、4×4の畳込みカーネルが使用されることを通知することができる。畳込みカーネルは、学習フェーズにおいて調節されており、且つ、
-dは、畳込みカーネルのストライド又は移動ステップを定義しており、例えば、値2は、出力サイズを半分に低減している。
第2~第8層は、LReLUと表記された漏れ正規化線形ユニットを有しており、これは、以下の活性化関数を以前の層の出力に適用しており、
Figure 0007249326000001
ここで、例えば、
Figure 0007249326000002
である。
図示されているように、BNと表記されたバッチ正規化は、好ましくは、データを正規化するべく、第2~第8層のそれぞれごとに、畳込みの出力に対して適用される。
同様に、デコーダ505は、8個の畳込み層を有し、これらの層のそれぞれは、TConv(a,b,c,d)と表記された、2D逆畳込み又は転置型の畳込みを実行しており、この場合に、a、b、c、及びdの意味は、エンコーダの畳込み層を参照して記述されている畳込みのものと同一である。
図示されているように、逆畳込みユニットのそれぞれにおいて処理されるデータは、以下の関数を適用するべく、ReLUと表記された正規化線形ユニット内において予め処理されている。
Figure 0007249326000003
デコーダ505の第1層に関連して、正規化線形ユニットの入力は、エンコーダの最後の層の出力に対応している。デコーダ505のその他の層との関連において、正規化線形ユニットの入力は、Catと表記された連結ユニット内のエンコーダの対称的な層の出力(図5において示されている、エンコーダの最後から2番目の層の出力と連結されているデコーダの第1の層の出力、エンコーダの最後から3番目の層の出力と連結されているデコーダの第2の層の出力、など)と連結されたデコーダの以前の層の出力に対応している。
バッチ正規化(BN:Batch Normalization)が、好ましくは、データを正規化するべく、最後の層のものを除いて、逆畳込みユニットのそれぞれのものの出力に適用されており、且つ、例えば、例えば、0.5、に等しい、ドロップアウト確率を有する(ドロップアウトと表記された)ドロップアウト層が、ネットワークが、オーバーフィットする、且つ、新しいデータに対するその性能を改善する、ことを防止するべく、デコーダの第2、第3、及び第4層のバッチ正規化の出力において使用されている。
最後の層の逆畳込みユニットの出力は、Uネットの出力を取得するべく、Tanhと表記された双曲線正接ユニットに進入している。
図3に示されている例によれば、人工ニューラルネットワーク300のトレーニングは、取得された結果と、対応する望ましい結果の間の平均二乗誤差に基づいている。
付与された式におけるわかりやすさを目的として、低密度SMLM入力画像は、Sと表記され、対応する高密度SMLM画像(例えば、高密度STORM画像)、即ち、人工ニューラルネットワーク300の望ましい出力(又は、ターゲット)は、Tと表記され、且つ、人工ニューラルネットワーク300の実際の出力、即ち、合成高密度SMLM画像は、A=F(S)と表記され、この場合に、Fは、人工ニューラルネットワーク300を表記している。従って、画像S、T、及びAは、それぞれ、SMLM(k)、SMLM(K)、及びANNA-SMLM(k)に対応している。
人工ニューラルネットワークをトレーニングするべくしばしば使用される、取得された結果と、対応する望ましい結果の間の平均二乗誤差(MSE:Mean Square Error)の使用は、ネットワーク出力とターゲットの間のMSEを罰しており、
Figure 0007249326000004
ここで、
Figure 0007249326000005
は、期待値を表記し、
Figure 0007249326000006
は、トレーニングデータセットからの低密度及び超解像度画像のペアの結合確率密度であり、且つ、
Figure 0007249326000007
は、L2ノーム、即ち、画像A及びTの間の二乗平均平方根誤差であり、以下のとおりである。
Figure 0007249326000008
人工ニューラルネットワーク300は、この損失関数を極小化するべくトレーニングされている。
Figure 0007249326000009
実施形態によれば、人工ニューラルネットワーク300は、例えば、「“A method for stochastic optimization”, Kingma, D.P. & Ba, J. Adam, 2014」という名称の文献において記述されているように、確率的勾配降下法(SGD:Stochastic Gradient Descent)と、80000~120000の範囲の反復(バックプロパゲーション)の数を有する5のミニバッチサイズと、を使用することにより、エンドツーエンドでトレーニングされている。
図6は、図3の人工ニューラルネットワーク300をトレーニングするべく使用される画像を生成する第1の例を示しており、この場合に、生成された画像は、実験的結果に基づいている。
第1ステップ(ステップ600)は、インデックスi及びjをゼロに初期化することを目的としている。インデックスiは、低密度SMLM画像SMLM(k)及び高密度SMLM画像SMLM(K)のペアと関連付けられており、且つ、インデックスjは、低密度及び高密度SMLM画像を再構築するべく使用される未加工画像の組と関連付けられている。
次いで、r枚の未加工画像の組が取得されており(ステップ605)、rは、高品質高密度SMLM画像の再構築を可能にするべく、即ち、r≧K>>kとなるようなk及びKの選択を可能にするべく、十分大きくなるように選択されている(例えば、rは、STORM撮像の場合には、10000~200000から選択されている)。これらの未加工画像は、単一分子局在化顕微鏡法により、或いは、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像が保存されているメモリから、直接的に取得することができる。
次いで、r枚の未加工画像の組から、k枚の未加工画像が選択されており、k枚の未加工画像は、好ましくは、連続的な未加工画像であり(ステップ610)、且つ、例えば、STORM画像処理に従って、低密度SMLM画像SMLM(ki)が、k個の選択された未加工画像から再構築されている(ステップ615)。
並行して、同時に、或いは、その他の方式により、r枚の未加工画像の組から、K枚の未加工画像が選択され、K枚の未加工画像は、好ましくは、連続的な未加工画像であり(ステップ620)、且つ、例えば、STORM画像処理に従って、K個の選択された未加工画像から高密度のSMLM画像SMLM(Ki)が再構築されている(ステップ625)。
次いで、再構築された低密度SMLM画像SMLM(ki)及び高密度SMLM画像SMLM(Ki)から、ペアが形成され、且つ、好ましくは、この形成されたペアから、いくつかのペアが生成されている(ステップ630)。例示を目的として、これは、人工ニューラルネットワーク300をトレーニングするために使用される画像の数及び可変性を増大させるべく、(0°~360°の同一のランダムな角度だけ)ペアのそれぞれの画像にランダム回転を適用することにより、(例えば、512×512個のピクセルの)ランダムなクロッピングにより、ランダムノイズを追加することにより、強度スケールを変更する(剪断又は弾性変形などのその他の変換のタイプが使用されうる)などにより、実行することができる。換言すれば、トレーニングデータセットを改善するべく、画像変換の組が、形成されたペアのそれぞれの画像に対して適用されている。
次いで、形成されたペア及び生成されたペアが、トレーニングデータセットに追加されている(ステップ635)。
以下のステップにおいては、iが、1だけ、増分され(ステップ640)、且つ、インデックスiが、maxiと表記された、既定の閾値に到達したかどうかを判定するべく、試験が実行されている(ステップ645)。
ステップ610~640は、更なるペア(SMLM(ki);SMLM(Ki))を生成するべく、インデックスiが、この既定の閾値に到達する時点まで、反復される。ここでは、未加工画像の数rは、好ましくは、未加工の画像の数Kが変化するように、高密度SMLM画像を再構築するべく選択される未加工画像の数Kを上回っていることに留意されたい。
或いは、この代わりに、同一の未加工画像の組から形成されたすべての再構築された低密度SMLM画像について、1つの高密度SMLM画像SMLM(Kj)のみが再構築されるように、インデックスiが、この既定の閾値に到達する時点まで、ステップ610、615、630、635、及び640のみが反復される。
次いで、インデックスjが、1だけ、増分されており(ステップ650)、且つ、インデックスjが、maxjと表記された、既定の閾値に到達したかどうかを判定するべく、試験が実行されている(ステップ655)。
インデックスjが既定の閾値maxjに到達していない場合には、インデックスiは、ゼロにリセットされ(ステップ660)、新しいr枚の未加工画像の組が取得され(ステップ605)、且つ、ステップ610~645が反復される。
例示を目的として、インデックスiの最大値は、200に等しくてもよく、インデックスjの最大値は、6に等しくてもよく、且つ、形成されたペアに適用される画像変換の数(ステップ630)は、100に等しくてもよい。
一代替肢として、低密度SMLM画像は、例えば、ポアソンノイズ及びその他のノイズのソースから得られたノイズを適用することにより、高密度SMLM画像から直接的に導出することができる。
図7は、図3の人工ニューラルネットワーク300をトレーニングするべく使用される画像を生成するステップの第2例を示しており、この場合に、生成された画像は、シミュレーションに基づいている。
インデックスiが低密度SMLM画像SMLM(k)と関連付けられ、且つ、インデックスjが高密度SMLM画像SMLM(K)と関連付けられた状態において、インデックスi及びjをゼロに初期化した後に(ステップ700)、シミュレーション条件が初期化されている(ステップ705)。例示を目的として、このようなシミュレーション条件を初期化するステップは、複数のポリマー鎖をランダムウォークとして初期化するステップを有しうる。
次いで、既定の法則に従ってシミュレーション条件の変化をシミュレートすることにより、シミュレーションが実行されている(ステップ710)。依然として、例示を目的として、シミュレーションは、複数のポリマー鎖の確率的な時間的変化をシミュレーションするべく使用される、ランジュバン動力学シミュレーションを対象としたものであってよい。
次いで、シミュレーションの結果が、例えば、STORM画像などの、SMLM画像(ステップ715)内の局在化イベントの確率密度を好ましくは定義する高密度SMLM画像に変換されている。この画像は、上述の高密度画像SMLM(K)であるものと見なされる。このような変換は、例えば、(特に、それが、ゼロの太さの曲線を有する場合には)シミュレーションの結果をガウスカーネルと畳み込むことにより、実行することができる。
次いで、以前のステップ(ステップ720)において得られた画像から、上述の低密度SMLM画像SMLM(k)に匹敵する低密度SMLM画像を導出することができる。これは、例えば、ポアソンノイズ及び更なるバックグラウンドノイズを適用することにより、実行することができる。このステップは、望ましい数の低密度画像を取得するべく、即ち、インデックスjがmaxjと表記された既定の閾値に到達する時点まで、反復される(ステップ725及び730)。同様に、ステップ705~730も、必要とされる数の高密度SMLM画像を取得するべく、且つ、対応する低密度画像を取得するべく、即ち、インデックスiが、maxiと表記されている既定の閾値に到達する時点で、反復される。
低密度SMLM画像及び高密度SMLM画像を取得した後に、低密度SMLM画像及び高密度SMLM画像のペアのリストが構築されている(ステップ745)。実施形態によれば、それぞれの低密度SMLM画像は、ペアを形成するべく、それぞれの高密度SMLM画像と関連付けられている。
依然として、特定の実施形態によれば、トレーニングデータセット及びデータの可変性を増大させるべく、画像変換が低密度SMLM画像及び高密度SMLM画像のペアに適用されている。この場合にも、これは、例えば、ランダム回転を適用することにより、ランダムクロッピングにより、ランダムノイズを追加することにより、強度スケールを変更するなどにより、実行することができる。
図8は、cGAN/L1損失に基づいて、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像から合成高密度SMLM画像を再構築するべく使用される人工ニューラルネットワークをトレーニングするシステムのアーキテクチャの第2例を概略的に示している。
図3及び図8に示されているアーキテクチャの間の主要な相違点は、人工ニューラルネットワーク300をトレーニングするべく使用される目的関数にある。
図8において示されている実施形態によれば、人工ニューラルネットワーク300のパラメータは、800と表記された、敵対的ジェネレータ及びディスクリミネータ損失を、取得された結果と、対応する望ましい結果の間のL1ノームの重み付けされた合計と組み合わせる、cGAN損失の関数として調節されている。
敵対的生成ネットワーク(GAN:Generative Adversarial Network)及び条件付き敵対的ネットワーク(cGAN)は、例えば、「“Generative Adversarial Nets”, Goodfellow, I. et al., 2672-2680 (2014) and “Image-to-Image Translation with Conditional Adversarial Networks”, Isola, P., Zhu, J.-Y., Zhou, T. & Efros, A. A.. (2016)」という名称を有する文献において記述された既知の人工ニューラルネットワークである。
cGAN損失に関する演算は、観察された例の組に基づいて実際の画像分散から新しいサンプルを生成するべく学習しうる敵対的生成ネットワーク(GAN)に基づている。ディスクリミネータネットワーク805は、入力として、低密度SMLM画像SMLM(k)(略して、Sk)及び対応する実際の又は合成の高密度SMLM画像、即ち、高密度SMLM画像SMLM(K)(略して、SK)、或いは、人工ニューラルネットワーク300の出力ANNA-SMLM(k)(略して、Ak)、を取得し、且つ、画像(SMLM(K)又はANNA-SMLM(k))が、実際のものである、又は合成のものである、確率を出力している。
ここでは、ジェネレータネットワークとして見なされている、人工ニューラルネットワーク300と、ディスクリミネータネットワーク805と、は、同時にトレーニングされており、この場合に、ディスクリミネータは、合成データから実際のものを弁別するべく試み、且つ、ジェネレータは、ディスクリミネータを騙すべく試みる。
図9は、図8の人工ニューラルネットワーク300のトレーニングフェーズにおいて使用されるディスクリミネータネットワーク805のアーキテクチャの一例を示している。
ディスクリミネータネットワークの入力は、画像のペアである。第1入力画像は、実験的なフルオロフォア局在化データに、或いは、図6及び図7を参照して記述されているシミュレーションデータに、由来する低密度SMLM画像である。第2画像は、(第1入力画像を入力として使用した)人工ニューラルネットワーク300の出力、或いは、例えば、STORM画像処理などの、SMLM画像処理から得られた、或いは、シミュレーションから得られた、高密度SMLM画像である。ディスクリミネータネットワークの出力は、そのピクセルが入力画像の画像パッチに対応している、小さな画像である。ピクセル値は、パッチが、SMLM撮像から得られた、或いは、シミュレーションから得られた、高密度SMLM画像に対応しているとディスクリミネータネットワークが考えた際には、大きく、且つ、パッチが人工ニューラルネットワーク300によって生成された画像に対応するとディスクリミネータネットワークが考えた際には、小さい。
実施形態によれば、ディスクリミネータネットワーク805は、5個の畳込み層と、2764544個のパラメータと、を有する。その入力は、2つの(256m)×(256m)個のピクセル画像パッチ(低密度SMLM画像及びそのANNA-SMLM再構築又は対応する高密度SMLM画像)であり、且つ、その出力は、そのピクセル値が、対応する入力パッチが、実際のものであるのか、又は生成されたものであるのか、を通知する、(30m)×(30m)の画像であり、ここで、mは、整数である。第2、第3、及び第4の畳込み層には、バッチ正規化が後続している。この場合にも、活性化関数は、以下のように表現されうる、漏れ正規化線形ユニットであり、
Figure 0007249326000010
ここで、
Figure 0007249326000011
である。
図9の畳込みユニット、漏れ正規化線形ユニット、及びバッチ正規化ユニットの表記は、図5を参照して記述されているものと類似している。
この場合にも、低密度SMLM入力画像は、Sと表記され、対応する高密度SMLM画像(例えば、高密度STORM画像)、即ち、人工ニューラルネットワーク300の望ましい出力は、Tと表記され、且つ、人工ニューラルネットワーク300の実際の出力は、A=g(S)と表記され、ここで、gは、ジェネレータ、即ち、人工ニューラルネットワーク300、を表記するものと見なされたい。この場合にも、画像S、T、及びAは、それぞれ、画像SMLM(k)、SMLM(k)、及びANNA-SMLM(k)に対応している。
図8に示されている実施形態において使用されている目的関数は、敵対的生成ネットワーク(GAN)に関する最近の研究から導出されたものである。GANにおいては、ジェネレータネットワークgは、(確率密度p(z)から導出された)ランダム入力ベクトルzをデータ確率密度pdata(x)の新しいサンプルに変換するべく、学習している。図8に示されている実施形態によれば、データサンプルxは、高密度SMLM画像Tである。ジェネレータネットワークgは、オリジナルデータサンプルとジェネレータネットワークgによって生成されたサンプルの間を弁別するべく同時に学習するディスクリミネータネットワークDとは反対の方式によって機能することにより、学習している。従って、敵対的トレーニングは、
Figure 0007249326000012
という形態の目的関数を伴って、或いは、等価的に、
Figure 0007249326000013
という2つの結合された損失関数の同時最適化により、次式のようになるように、ミンマックスゲーム(minmax game)を実行するステップを有する。
Figure 0007249326000014
条件付きGAN(cGAN))においては、ジェネレータ及びディスクリミネータネットワークは、ジェネレータが条件付き確率密度pdata(x|c)を学習するように、以下の目的関数に結び付く、余分な入力ベクトルcを有することに留意されたい。
Figure 0007249326000015
図8に示されている実施形態によれば、入力cは、低密度SMLM画像Sである。cGANの目的の充足に加えて、ターゲット画像に類似した人工ニューラルネットワーク300出力画像を有することが好ましい。従って、スカラー係数μ=100によって重み付けさた状態において、ジェネレータ出力とターゲット画像の間のL1ペナルティが追加されている(L2よりもL1が好ましい理由は、L2が不鮮明化を罰しているからである)。
上述の対数損失は、良好な結果を付与することが証明されている最小二乗損失によって置換することができる。
従って、ジェネレータネットワークg(即ち、人工知能ネットワーク300)のパラメータを調節する最適化問題は、次式として表現することができる。
Figure 0007249326000016
図10~図14は、図3及び図8を参照して記述されている実施形態に従ってトレーニングされた後の、図4に示されているシステムの性能を示している。例示を目的として、システムは、免疫標識を有する微小管の実際の画像に関して試験されている。図10a、図10b、図11a、図12a、図13a、及び図14aは、同一の視野について取得された、未加工画像、低密度STORM画像、高密度STORM画像、及びANNA-STORM画像の例を示している。
依然として例示を目的として、人工ニューラルネッワーク300のトレーニングは、それぞれが、微小管の60000枚の未加工画像(10分のシーケンスを表す)からのSTORM画像処理から得られた6枚の高密度SMLM画像と、それぞれが、高密度SMLM画像(7.5秒のシーケンスを表す)を取得するべく使用されたものと同一の組のうちから選択された300枚の未加工画像からのSTORM画像処理から得られた約20000枚の低密度SMLM画像と、に基づいている。未加工画像当たりのフルオロフォア局在化の数は、約3~25で変化している。
図10a及び図10bは、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像の一例を示している。それぞれの画像は、少数のフルオロフォア局在化を示している。
図11aは、250(k=250)枚の未加工画像からSTORM画像処理によって再構築された低密度SMLM画像の一例を示している。図11bは、図11aにおいて示されている画像の小さな部分(対象の領域)のズームを表している。
微小管フィラメントは、既に、この低密度STORM画像内において観察されうる一方で、局所的な構造の詳細は、識別が困難であり、これにより、個々のフィラメントの経路を辿る、且つ、フィラメントの交差などの局所的特徴を識別する、ことが困難になっている。この低密度STORM画像は、ナイキスト基準によって計測される最適下限解像度を有する。
図12aは、149687(K=149687)枚の未加工画像からSTORM画像処理によって再構築された高密度SMLM画像の一例を示している。図12bは、図12aに示されている画像の小さな部分(対象の領域)のズームを表している。
観察されうるように、膨大な数の未加工画像から再構築された画像は、フィラメントの詳細の分析を可能にしている。
図13aは、人工ニューラルネットワーク300が、図3を参照して記述されているように、L2損失目的関数によってトレーニングされた後の、本発明の実施形態に従って再構築された合成高密度SMLM画像(ANNA-SMLM画像)の一例を示している。
表されている画像は、図11aに示されているように、250(k=250)枚の未加工画像からSTORM画像処理によって得られた低密度SMLM画像を入力した後の、人工ニューラルネットワーク300の出力である。
図13bは、図13aにおいて示されている画像の小さな部分(対象の領域)のズームを表している。
図14aは、人工ニューラルネットワーク300が、図8を参照して記述されているように、cGAN/L1損失目的関数によってトレーニングされた後の、本発明の実施形態に従って再構築された合成高密度SMLM画像(ANNA-SMLM)の一例を示している。
表されている画像は、図11aにおいて示されている250(k=250)枚の未加工画像からSTORM画像処理によって得られた低密度SMLM画像を入力した後の、人工ニューラルネットワーク300の出力である。
図14bは、図14aにおいて示されている画像の小さな部分(対象の領域)のズームを表している。
図15は、L2及びcGAN/L1損失に応じて、K=149687を有する高密度STORM画像によって定義される、合成高密度STORM画像(ANN-STORM)又は高密度STORM画像とグラウンドトルスの間の画像(又は、フレーム)の数(k)又は取得時間の関数として、平均二乗誤差(MSE)を示している。
1500と表記されている曲線は、STORMと表記されている標準的なSTORM画像(例えば、図11aにおいて表されているSTORM画像)とグラウンドトルス(例えば、図12aにおいて表されている高密度STORM画像)の間の平均二乗誤差を表している。
1505と表記された曲線は、ANNA-STORM(L2)と表記されている、人工ニューラルネットワーク300をトレーニングするべくL2損失を使用しつつ本発明の実施形態に従って得られた合成高密度SMLM画像(ANNA-SMLM)(例えば、図13aに表されている合成高密度SMLM画像)とグラウンドトルス(例えば、図12aにおいて表されている高密度STORM画像)の間の平均二乗誤差を表している。
1510と表記されている曲線は、ANNA-STORM(cGAN)と表記されている、人工ニューラルネットワーク300をトレーニングするべくcGAN/L1損失を使用しつつ本発明の実施形態に従って得られた合成高密度SMLM画像(ANNA-SMLM)(例えば、図14aにおいて表されている合成超解像度画像)とグラウンドトルス(例えば、図12aにおいて表されている高密度STORM画像)の間の平均二乗誤差を表している。
図15から明らかなように、本発明の実施形態は、例えば、格段に短い取得期間に結び付く格段に小さな数の未加工画像から、例えば、STORM画像処理に従って再構築された高密度SMLM画像などの、標準的なアルゴリズムに従って再構築された高密度SMLM画像とほぼ同一の品質の合成高密度SMLM画像を再構築することを可能にしている。図示されているように、ANNA-STORM(cGAN)画像の再構築が必要としうるのは、16分の1という、少ない未加工画像であり、従って、標準的な高密度STORM画像の再構築よりも、(品質がほぼ同一でありつつも)取得時間が16分の1に短縮されうる。この画像又は時間の比率は、撮像される構造のタイプ及び画像ノイズ、並びに、再構築エラーメトリックの定義、などの要因に応じて、変化しうる。
人工ニューラルネットワーク300をトレーニングするための2つの異なる目的関数が記述されているが、その他の目的関数も使用されうることに留意されたい。更には、人工ニューラルネットワーク300のトレーニングを改善するべく、いくつかの目的関数を相互に組み合わせることもできる。具体的には、上述のように、cGANの使用をL1ノームと組み合わせる、且つ、cGANの使用をL2ノームと組み合わせる、ことが可能である。
又、その他のタイプ及び/又はその他のアーキテクチャの人工ニューラルネットワークが使用されうることにも留意されたい。
低密度でサンプリングされた、迅速に取得された、単一分子局在化データから高品質超解像度画像を再構築するための深層学習に基づいた演算的方法の使用は、標準的な局在化顕微鏡法との比較において、取得時間の相当な利得を可能にしており、且つ、(その他の方式とは異なって)相対的に大きなフルオロフォア活性化の密度を必要としておらず、且つ、従って、空間解像度を損なうことがない。
本発明の実施形態によって提供されている撮像効率の劇的な改善は、局在化顕微鏡法と高スループット撮像の間における非互換性を軽減し、且つ、数個の細胞のみを撮像するべく一般に使用されている時間スケールにおいて、数百個の細胞の超解像度撮像を可能にしている。これは、まれなイベント、細胞の不均質性、並びに、その特徴付けが多くの構成に関する統計を必要としている、細胞骨格ポリマー又は染色体などの、部分的に確率的な構造、の超解像度撮像研究を促進する。又、本発明の実施形態は、例えば、薬剤処理又は遺伝子ノックアウトなどの、多数の実験条件の高スループット撮像に対しても適用可能である。これに加えて、これらは、空間的に隣接した視野の複数の画像を1つに縫合することにより、高解像度における大きなサンプルの撮像にも適用することができる。例えば、下方に約2mmから約20nmまで、スケールにおいてほぼ5桁に跨る画像を生成するのに、本発明の実施形態が所要するのは、わずかに数時間である。この能力は、サンプルサイズを物理的に増大させ、且つ、しばしば、場合によって、単一の細胞の撮像のために多くの視野のタイリングを必要としている、代替超解像度技法である、拡張顕微鏡法に対して、十分に適合させることができよう。従って、本発明の実施形態は、マルチスケール超解像度撮像に対して適合されている。
実際に、本発明の実施形態によって提供される(特に、全体的な取得及び処理時間に関する)撮像効率の劇的な改善は、単位時間当たりの相対的に多くの細胞及び多くの視野(FOV)の撮像に対するドアを開いている。これは、千個超(33×33=1089)の、部分的にオーバーラップした、FOVにおいて、免疫標識を有する微小管を有する細胞を撮像するための自動化された取得プロトコルを使用することにより、実証されている。FOV当たりに約10秒の撮像(例えば、k=1000枚の画像)のみを使用することにより、それぞれが55.3μm×55.3μmである、1089枚の低密度STORM画像が、合計で約3時間のみにおいて、取得されている。これらの低密度SMLM画像は、小さなスケールの情報をほとんど提供してはいない。但し、本発明の実施形態は、具体的には、トレーニングフェーズにcGAN損失を使用する際には、高品質の合成高密度SMLM画像をもたらしており、これにより、明瞭に微小管ネットワークを観察することと、低密度STORM画像内において構造化されていない領域として出現する高密度エリアにおいて微小管フィラメントを弁別することと、を可能にしている。これらの画像を1つに縫合することにより、数百の細胞を示す単一合成高密度SMLM画像が得られた。この画像は、ほぼ70億個の20×20nmピクセルを収容すると共に、1.8mm×1.8mmのエリアをカバーしており、これにより、空間長においてほとんど5桁に跨っていた。従って、本発明の実施形態は、標準的な局在化顕微鏡法が、格段に小さな数の細胞を撮像するべく、通常、消費している、時間の範囲内において、数百個の細胞を含む、大きな視野のマルチスケール画像の取得を可能にしている。
本発明の実施形態は、ドリフト補正のニーズを強力に低減しており、その理由は、未加工画像の取得時間が低減され、これにより、空間ドリフトの影響の低減に結び付いているからである、ことに留意されたい。
実際に、SMLM顕微鏡法における一般的な問題点は、適切に補正又は防止されない場合に空間解像度を劣化させうる、画像シーケンスの取得の際の試料のドリフトである。取得の後のドリフトの演算補正には、高度なアルゴリズム及び/又は蛍光ビードなどの基準マーカーが必要とされる。ドリフトのリアルタイム補正は、更なる光学及び電子装置を必要としている。
図16は、図16a~図16dを有し、数百個の細胞を含む1.8mm×1.8mmのエリアの高スループット撮像に対する本発明の実施形態の使用を示している。
更に詳しくは、図16aは、それぞれが(画像当たりにΔt=10862msの露光時間を伴う)1000枚の未加工画像から得られた個々の視野の33×33=1089枚の低密度STORM画像からモザイクを組み立てることによって得られた、1.8mm×1.8mmのエリアの低密度STORM画像である。これらの画像のすべてを取得するべく必要とされた時間は、約3時間である。画像の稀薄性は、この大きなスケールにおいては明らかではない。
図16cには、図16aの緑色の囲まれた領域の拡大図が示されている。この挿入図は、囲まれた領域の拡大図を示しており、画像の稀薄性を強調表示している。
図16bは、本発明の実施形態に従って取得された、図16aにおいて表されているものと同一のエリアの合成高密度STORM画像(ANNA-STORM(cGAN))である。これは、1089枚の個々の再構築された合成高密度STORM画像(視野当たりに1つずつ)のモザイクを組み立てることにより、得られたものである。
図16dには、図16bの囲まれた領域の拡大図が示されている。この場合にも、この挿入図は、囲まれた領域の拡大図を示しており、これにより、画像の稀薄性を強調表示している。微小管に跨るラインプロファイルは、FWHM<50nm(FWHM:Full Width at Half Maximum(半値全幅))により、示されている。
本発明の実施形態は、実験の摂動に対して安定している。実際には、高度に詳細な合成高密度SMLM画像を低密度局在化データから再構築する能力は、類似の画像に関するその事前のトレーニングに依存している。これは、1つの実験条件においてトレーニングされた人工ニューラルネットワークが、別の条件に対して成功裡に適用されうるかどうか、という疑問を提起する。これを試験するべく、細胞骨格ネットワークに影響を及ぼす薬剤に暴露された細胞の画像を分析するために、(図10~図14を参照して記述されているように)人工ニューラルネットワーク300を微小管についてトレーニングした。まず、U373細胞を1μMのタキソールによって処理したが、タキソールは、微小管の解重合を妨げる抗分裂剤であり、且つ、その折り曲げ剛性を増大させることが知られている。本発明による実施形態によって得られた結果は、複雑な微小管ネットワークを明瞭に表示しており、且つ、K=30000枚の画像(5~15分のシーケンスを表す)から再構築された高密度STORM画像との比較により、検証された。これらの再構築において可視状態にある微小管の構成は、処理されていない標準細胞のものよりも、明白な交差が少ない、相対的にまっすぐな、且つ、相対的に平行な、相対的に高密度の微小管を特徴としており、これは、微小管の解重合の防止及び剛性の増大という、予測された効果と一貫性を有する。
次いで、細胞を1μMのノコダゾールによって処理したが、ノコダゾールは、微小管の解重合を促進する、且つ、細胞骨格ネットワークを相対的に劇的に変更するものと予想される、薬剤である。この場合にも、低密度STORM画像は、利用可能な情報をほとんど含んでいない一方において、本発明の実施形態によって得られた結果は、ばらばらになった微小管ネットワークの、明瞭な、且つ、詳細な、図を提供しており、これにより、処理されていない細胞よりも、大きな曲率を有する、格段に少数のフィラメントを示している。これらの再構築は、(5分のシーケンスを表す)K=30000枚の画像から得られた高密度STORM画像と良好に合致していた。従って、1つの実験条件における微小管に関するトレーニングに基づいて、本発明の実施形態は、なんらの再トレーニングを伴うことなしに、新しい実験条件において、細胞に対して成功裡に適用されてもよく、これは、この方法の安定性を強調している。
図17は、図17a~図17lを有し、実験の摂動に対する本発明の実施形態の安定性を示している。
更に正確には、図17は、処理されていない細胞(図17a~図17d)内の微小管及び1μMのタキソール(図17e~図17h)或いは1μMのノコダゾール(図17i~図17l)によって処理された細胞のSTORM及びANNA-STORM画像である。
図17a、図17e、及び図17iは、第1の、k=400(図17a)、k=500(図17e)、又はk=200個(図17i)、の未加工画像から得られた低密度STORM画像である。55μm×55μmの視野全体が示されている。
図17b、図17f、及び図17jは、L2損失によって得られたANNA-STROM画像である。
図17c、図17g、及び図17kは、cGAN損失によって得られたANNA-STORM画像である。
図17d、図17h、図17lは、K=60000(図17d)又はK=30000(図17h及び図17l)の未加工画像から得られた高密度STORM画像である。
低密度及び高密度STORM画像における局在化の数は、図17aは、n=283103個、図17dは、N≒6百万個、図17eは、n=422248個、図17hは、N≒5.7百万個、図17iは、n=72316個、図17lは、N≒2.6百万個、いうものである。
本発明の実施形態は、様々な生物学的構造に対して適合されている。実際に、本発明による深層学習方式は、微小管又はその他のフィラメントに限定されるものではなく、原則的に、相応してトレーニングされた場合には、任意のタイプの画像に適合させることができる。この柔軟性を示すべく、非常に異なる生物学的構造であり、且つ、超解像度撮像研究の別のポピュラーなターゲットである、核孔を検討した。本発明の実施形態は、画像品質を劇的に改善することを可能にし、これにより、ほとんどすべての個々の孔と、その正しい場所におけるその内部のほとんどすべての個々のヌクレオポリンと、の(ある程度のエラーを伴いつつも)明確な識別を可能にしていることが観察された。
本発明の実施形態をアフリカツメガエルの卵の免疫標識を有する核膜内のヌクレオポリンgp210の実験画像について試験した。トレーニングフェーズにおいて、それぞれK=30000個の画像を有する、且つ、約2千万個のフルオロフォア局在化を含む、2つの高密度STORM画像を使用した。次いで、本発明の実施形態を第1のk=6000枚の画像から得られたgp210の低密度STORM画像に適用した。画像の稀薄性が、個々の核孔を明瞭に弁別することを困難にしている。本発明の実施形態は、核孔について予想されるように、多くのリング様の構造を含む、格段にクリアな画像を提供している。
図18は、図18a~図18fを有し、異なる生物学的構造に対する本発明の実施形態の使用を示している。
更に詳しくは、図18は、模擬的な(図18a~図18c)並びに実際の(図18d~図18f)核孔に対する本発明の実施形態の適用を示している。
図18aは、n=544404個の局在化を有する模擬的な低密度STORM画像である。個々の核孔は、識別が困難である。
図18bは、L2損失によって得られたANNA-STORM画像である。8個のヌクレオポリンを含む、個々の核孔が、わずかな例外を伴って、明瞭に可視状態にある。
図18cは、(無限数N=∞の局在化に対応する)グラウンドトルスの模擬的STORM画像である。
図18dは、第1のk=6000枚の未加工画像から得られた、Alexa647という免疫標識を有するアフリカツメガエルのヌクレオポリンgp210の低密度STORM画像である(図示された対象の8μm×8μmの領域については、n=25920であり、54μm×54μmの視野全体については、n=3665498である)。
図18eは、L2損失を使用した、図18dの画像のANNA-STORM(L2)画像である。
図18fは、すべてのK=30000枚の未加工画像から得られたSTORM画像である(図示の領域については、N=115669であり、FOVの全体については、N=15345116である)。
上述の微小管に関する結果と共に、これは、本発明の実施形態の多様性と、非常に異なる構造コンテンツの画像に対するその適用可能性と、を示している。
図20は、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像から合成高密度SMLM画像を再構築するべく使用される人工ニューラルネットワークをトレーニングするシステムのアーキテクチャの第3例を概略的に示している。
図示されているように、このシステムは、ジェネレータネットワーク2000、低解像度エスティメータネットワーク2015、及びcGANディスクリミネータネットワーク2020、という3つのネットワークに基づいている。
トレーニングステージのために、標準的なSMLM撮像を使用することにより、即ち、高度にサンプリングされた(高密度の)SMLM画像を結果的にもたらす、標準的な局在化ソフトウェアを使用した処理によって後続される、長い画像シーケンス(例えば、約10000~100000個のフレーム、並びに、約100000~10000000個の局在化)の取得により、対象の分子構造(例えば、チューブリン、アクチン、又はヌクレオポリン)を表すいくつかの超解像度画像を取得することができる。これに加えて、図20に示されている実施形態によれば、単一分子の撮像の前に事前活性化されたフルオロフォアをブリーチングする際に、通常、実行されているように、(例えば、蛍光顕微鏡を介して得られる回折限界画像などの)低解像度広視野画像を取得することができる。未加工画像として、低解像度広視野画像は、回折限界画像であるが、最大ですべてのフルオロフォアという、相対的に大きな数のフルオロフォアが、低解像度広視野画像内において活性を有する。次いで、単純に、格段に小さな数(1...k,k<<K)の入力フレームを使用することにより、これらの高密度SMLM画像を強力にアンダーサンプリングし、これにより、同一のデータから低密度SMLM画像が得られる。次いで、これらの低密度SMLM画像及び低解像度広視野画像から高密度のSMLM画像の近似を回復するべく、ANNをトレーニングする。トレーニングされたら、ANNは、図21を参照して記述されているように、推定のための準備が整っており、即ち、これは、これまで観察されてはいない、高品質の超解像度画像(合成高密度SMLM画像)を再構築するべく、小さな数のフレーム(k<<K)を有する画像シーケンスから、且つ、従って、格段に短い時間において、得られた、新しい低密度SMLM画像と、新しい低解像度広視野画像と、を処理するべく、使用することができる。
更に詳しくは、図20において示されているように、人工ニューラルネットワーク2000をトレーニングするべく、低密度SMLM画像SMLM(k)、例えば、図2、図6、又は図7を参照して記述された方法に従って判定された高密度SMLM画像SMLM(K)、並びに、低解像度広視野画像Lが使用される。
低密度SMLM画像SMLM(k)及び低解像度広視野画像Lは、ANNA-SMLMと表記された合成高密度SMLM画像を出力する、人工ニューラルネットワーク2000、即ち、ジェネレータネットワーク、の入力として使用されている一方で、望ましい出力に対応する高密度SMLM画像SMLM(K)は、例えば、実際の出力が望ましい出力とどれだけ良好にマッチングしているかを計測する損失エラーを反復的に極小化するために、確率的勾配降下法アルゴリズムを使用することにより、相応してそのパラメータ(通常は、重み及びバイアス)を適合させるべく、人工ニューラルネットワーク2000の出力と比較されている。
これらの低密度SMLM画像SMLM(k)、低解像度広視野画像L、及び高密度SMLM画像SMLM(K)は、そのそれぞれのトリプレットが、好ましくは、トレーニングフェーズにおいて、少なくとも1回だけ、使用される、トレーニングセットとして使用されている。
図22を参照し、人工ニューラルネットワーク2000のアーキテクチャの一例について説明する。
参照符号2005によって示されているように、最適な方式によって重みの値を変更するべく、いくつかのエラー関数が、学習フェーズにおいて使用されている。例示を目的として、
-低解像度における再構築エラーを表す低解像度再構築エラー、
-高解像度における再構築エラーを表す超解像度再構築エラー、並びに、
-条件付きGANエラー、
というエラー関数が使用されている。
従って、SMLM(ki)(略して、Ski)及びLiが、人工ニューラルネットワーク2000に入力された後に、ANNA-SMLM(ki)(略して、Aki)と表記された結果が、参照符号2010によって示されている、且つ、更に詳細に後述される、ように、人工ニューラルネットワーク2000のパラメータを補正するべく使用される超解像度を演算するべく、対応する望ましい結果SMLM(Ki)(略して、SKi)と比較されている。例示を目的として、この比較は、L1ノーム及び/又はマルチスケール構造類似性インデックス(MS-SSIM)と呼称される方法に基づいたものであってよい。更には、Akiが得られた後に、その解像度は、参照符号2015によって示されているように、且つ、更に詳細に後述されるように、こちらも人工ニューラルネットワーク2000のパラメータを補正するべく使用される低解像度エラーを演算するべく、例えば、MS-SSIM方法に従って、対応する低解像度広視野画像Liと比較されうるように、低減される。特定の実施形態においては、Akiが取得された後に、Aki及びSKi解像度は、対応する低解像度広視野画像Liと比較されうるように、低減されている。次いで、画像SKi、Ski、AKi、及びLiは、参照符号2020によって示されるように、且つ、更に詳細に後述されるように、図8を参照して記述されているディスクリミネータネットワーク805と同様に、画像SKi又はAkiが実際のものである又は合成のものである確率を出力するディスクリミネータネットワーク2020の入力として使用されている。
ジェネレータネットワーク2000、低解像度エスティメータネットワーク2015、及びcGANディスクリミネータネットワーク2020は、同時にトレーニングされており、この場合に、cGANディスクリミネータは、合成データから実際のデータを弁別するべく試みており、且つ、ジェネレータは、ディスクリミネータを騙すべく試みている。
それぞれ、図23及び図24を参照し、低解像度エスティメータネットワーク2015の、且つ、ディスクリミネータネットワーク2020の、アーキテクチャの一例について説明する。
図22を参照して記述されているように、人工ニューラルネットワーク2000は、Uネット及び条件付き敵対的生成ネットワーク(cGAN)という、2つの最近成功を収めている深層学習方式においてそれ自体が構築されている、Pix2Pixのものであってもよい。
上述のように、Uネットは、等しいサイズのエンコーダ及びデコーダ特徴マップの間において層スキップ接続を含む、全体として「アップサンプリング」(デコーダ)ネットワークに接続された「ダウンサンプリング」(エンコーダ)ネットワークから構成された、畳込みニューラルネットワークの特別のタイプである。層スキップ接続は、例えば、セグメント化又は修復などの、画像の回復のような、局所的な情報の保存を必要とするタスク用の、正確な、ピクセルワイズの、マッピングを含んでいる。
条件付き敵対的生成ネットワークは、合成画像を出力するジェネレータネットワーク(例えば、Uネットタイプのネットワーク)と、(その出所の知識を伴うことなしに)実際の又は合成の画像を入力として取得し、且つ、画像が実際のものである又は合成のものである確率を出力する、ディスクリミネータネットワークと、という2つの競合する人工ニューラルネットワークを有する。2つのネットワークは、ディスクリミネータが合成データから実際のデータを弁別するべく試み、且つ、ジェネレータがディスクリミネータを騙すべく試みる状態において、同時にトレーニングされている。
Pix2Pixタイプの人工ニューラルネットワークは、例えば、「“Image-to-Image Translation with Conditional Adversarial Networks” Isola, P., Zhu, J.-Y., Zhou, T. & Efros, A. A., 2016 (http://arxiv.org/abs/1611.07004)」という名称の文献において記述されている。
図21は、本発明の実施形態に従ってトレーニングされた人工ニューラルネットワークを使用することにより、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された未加工画像から、且つ、低解像度広視野画像から、合成高密度SMLM画像を再構築するシステムのアーキテクチャの第2例を概略的に示している。
図示されているように、低密度SMLM画像SMLM’(k)は、時間t1~tkにおいて単一分子局在化顕微鏡法によって取得された、未加工画像’1~未加工画像’kと表記された、k枚の未加工画像の組から取得されている。これは、ANNA-AMLM’(k)と表記された対応する合成高密度SMLM画像を出力する人工ニューラルネットワーク2000に対する第1入力として使用されている。又、時間期間t1~tkを表す、L(k)と表記された、低解像度広視野画像も、取得され、且つ、(図20を参照して記述されているように、予めトレーニングされた)人工ニューラルネットワーク2000への第2入力として使用されている。
上述したように、低密度SMLM画像SMLM’(k)は、好ましくは、例えば、STORM画像処理などの、トレーニングデータセットを生成するために低密度SMLM画像を取得するべく使用されているものと同一の画像処理方法に従って、未加工画像の組から取得されている。
特定の実施形態によれば、取得された合成高密度SMLM画像ANNA-SMLM’(k)は、エラーが発生する可能性が相対的に高い場所を表すエラーマップを生成するために、エラーマップジェネレータ2100内において、取得された合成高密度SMLM画像ANNA-SMLM’(k)を生成するべく使用されている低解像度広視野画像と比較されるように、低解像度エスティメータネットワーク2015内においてダウンコンバージョンされている。
図22は、図20に示されているジェネレータネットワーク2000のアーキテクチャの一例を示しており、この場合に、それぞれのラインは、ニューラルネットワークの別個の層に対応している。ラインは、層の間の接続を示している。ネットワークの入力は、低密度PALM画像S(S_SMLM)、低解像度広視野画像W(LR_L)、及びスイッチ値M(SWITCH)である。出力g(S,W,M)は、同一サイズの再構築されたANNA PALM画像(A_SMLM)である。
スイッチ値は、ネットワークが、分子構造(例えば、ヌクレオポリン又は微小管)などの、画像の異なるタイプの間においてスイッチングすることを可能にしている。
図5を参照して記述されている人工ニューラルネットワーク300と同様に、人工ニューラルネットワーク2000は、スキップ接続を伴って、エンコーダネットワーク(上部部分)と、デコーダネットワーク(下部部分)と、を有する。これは、16個の畳込み層と、数千万個のパラメータと、を有するUネットである。その入力及び出力は、(256m)×(256m)個のピクセルを含むSMLM画像パッチを有し、この場合に、mは、整数である。具体的には、入力は、例えば、低密度STORM画像などの、(S_SMLMと表記された)低密度SMLM画像を有する。入力は、入力低密度SMLM画像のサイズと同一のサイズとなるようにリサイズされた(LR_Lと表記された)低解像度広視野画像を更に有する。出力は、入力低密度SMLM画像と同一サイズの(A_SMLMと表記された)合成高密度SMLM画像である。
エンコーダネットワークは、半分のサイズ及び2倍の数の特徴マップを結果的にもたらす、互いに上下において積層された、ダウンサンプリング(例えば、2のストライドを有する2×2最大プーリングなどの、最大プーリング)と交互に変化する、(Convと表記され、且つ、図5を参照して記述されたものと同一のタイプのパラメータを有する)複数の畳込み層を含む。エンコーダは、入力として、2つの画像、即ち、低密度超解像度画像(S_SMLM)及び低解像度広視野画像(LR_L)、と、これに加えて、スイッチ(SWITCH)と、を取得している。所与の例によれば、低解像度広視野画像LR_Lは、バイリニア補間を使用することにより、アップサンプリングされ、且つ、次いで、異なる入力チャネルとして、低密度超解像度画像S_SMLMと連結されている(Cat:例えば、それぞれのチャネル又は特徴次元に沿って、入力特徴マップの2つのグループを連結している)。スイッチ値は、(1-HOTと表記された、ワンホット表現を使用することによって整数の数をエンコーディングする)ワンホットエンコーディングを使用することにより、表されており、且つ、次いで、(Conv1と表記された、例えば、1×1畳込みカーネル及び1のストライドを有する2D畳込みの特別なケースである)1×1のカーネルサイズを有する畳込み層を介して、エンコーダに結合されている。それぞれの畳込み層ごとに、この結果は、(例えば、それぞれのチャネル又は特徴次元に沿った、+によって表記されているように)対応する畳込みの1つに追加されている。
デコーダネットワークは、(UpConvと表記された)複数のアップサンプリング畳込み層を含んでおり、この結果、2倍のサイズ及び半分の数の特徴マップをもたらしている(実施形態によれば、アップサンプリング畳込み層のパラメータのタイプは、エンコーダの畳込み層のものに類似している)。デコーダネットワークの最後の層は、エンコーダネットワークに供給される入力画像と同一のサイズの出力画像を生成している。
Pix2Pixにおけると同様に、(最大プーリング層の代わりに)2のストライドを有する畳込み層が使用されており、且つ、(ReLUと表記された、例えば、x→max(x,0)のような)エンコーダ内の正規化線形ユニット層は、(ReLUと表記された、例えば、ε=0.2である状態において、x→max(x,0)+min(εx,0)などの)「漏れReLU」によって置換されている。Uネットにおけると同様に、ジェネレータは、エンコーダ及びデコーダ内において対称的に配置された特徴マップの間の直接的(スキップ層)接続を含んでいる。同一のサイズを有する、これらの特徴マップは、デコーダの対応する層(Cat)内において連結されている。スキップ層接続は、ネットワークが、局所的な、ピクセルワイズの、情報を連続的な畳込み層を通じて伝播する相対的に大きなコンテキスト情報と組み合わせることを可能にしている。
図23は、図20に示されている低解像度エスティメータネットワーク2015のアーキテクチャの一例を示している。
図示されているように、且つ、所与の例によれば、低解像度エスティメータネットワーク2015のアーキテクチャは、4つの畳込み層と、2つの最大プーリング層と、に基づいている。ドロップアウト層及び漏れReLUが、最後の層を除いて、それぞれの折り畳み層の後に、使用されており、この場合には、(例えば、x→(1+exp(-x))-1などの)シグモイド活性化関数が使用されている。低解像度エスティメータネットワーク2015は、(INPUT_LDと表記された)入力として、実験的に取得された高密度SMLM画像T又はジェネレータの出力g(S,W,M)を取得し、且つ、(OUTPUT_LDと表記された)出力として、所与の例においては、4分の1である、入力よりも小さな低解像度画像を提供している。畳込み層及び最大プーリング層は、入力及び出力画像の間の異なるサイズ比率を考慮するべく、追加又は除去されうることに留意されたい。
例示を目的として、低解像度エスティメータネットワークは、(256m)×(256m)の高密度SMLM画像パッチ又はANNA-SMLM再構築パッチを入力として取得し、且つ、(64m)×(64m)個のピクセルを有する再構築された低解像度画像を出力している
図24は、図20に示されているcGANディスクリミネータネットワーク2020のアーキテクチャの一例を示している。
特定の実施形態によれば、このアーキテクチャは、最後の層を除いて、Pix2Pixネットワークのディスクリミネータネットワークに類似しており、この場合には、シグモイド関数が除去されているが、その理由は、目的関数内の対数損失が、最小二乗損失によって置換されているからである。cGANディスクリミネータネットワーク2020は、入力として、低解像度広視野画像(W)、低密度SMLM画像(S)、及びジェネレータネットワークによって出力された再構築g(S,W,M)又は対応する高密度SMLM画像(T)を取得し、3つの画像(S、g(S,W,M)又はT、W)は、例えば、(INPUT_GDと表記された)3チャネル画像として連結されている。ディスクリミネータの出力は、cGANディスクリミネータネットワークが、低密度SMLM画像内の対応するパッチが、実験的に取得された実際の高密度PALM画像Tである(例えば、大きな値)又は再構築g(S,W,M)である(例えば、低い値)ことを信じるかどうかをそのピクセルが通知している、(OUTPUT_GDと表記された)小さな画像である。
図示の例によれば、cGANディスクリミネータネットワークは、5つの畳込み層を有する。その入力は、2つの(256m)×(256m)のピクセル画像パッチ(低密度SMLM画像及びそのANNA-SMLM再構築又は対応する高密度SMLM画像)と、これに加えて、アップスケーリングされた低解像度広視野画像と、であり、且つ、その出力は、そのピクセル値が、対応する入力パッチが実際のものであるか又は生成されたものであるか、を通知する、(30m)×(30m)の画像である。すべての畳込み層は、バッチ正規化によって後続されている。
トレーニングの目的及びエラーマップ
ジェネレータネットワーク、低解像度エスティメータネットワーク、及びcGANディスクリミネーションネットワークのそれぞれは、別個の目的関数(損失とも呼称される)と関連付けられている。ジェネレータの目的関数
Figure 0007249326000017
は、それ自体が、3つの別個の項から構成されており、これらは、それぞれ、(Qと表記された)低解像度エスティメータネットワーク及び(Dと表記された)cGANディスクリミネータネットワーク用の目的関数
Figure 0007249326000018
及び
Figure 0007249326000019
と共に、以下において規定されている。以下の式においては、低密度入力画像は、Sとして、低解像度広視野入力画像は、Wとして、対応する高密度SMLM画像(即ち、ターゲット)はTとして、且つ、ジェネレータ出力は、A=G(S,W)として、表記されており、この場合に、Gは、ジェネレータネットワークを表記している。
図20においては、画像W、S、T、及びAは、それぞれ、L、SMLM(k)(又は、Sk)、SMLM(K)(又は、SK)、及び(ANNA-SMLM(k)(又は、Ak)というラベルが付与されている。画像A及びTから低解像度エスティメータネットワーク2015(Q)によって再構築された低解像度画像は、それぞれ、WA=Q(A)及びWT=Q(T)と表記されている。
Figure 0007249326000020
の第1項は、以下において
Figure 0007249326000021
と呼称される、超解像度再構築エラーである。この項は、ジェネレータ出力Aとターゲット画像Tの間の差を罰している。この差は、画像A及びTとL1ノームの変更の間のマルチスケール構造類似性インデックス(MM-SSIM)の重み付けされた平均を使用してもよく、この場合に、画像A及びTの間の絶対差は、ガウスカーネルによってスムージングされており、且つ、以下のように定義することができる。
Figure 0007249326000022
ここで、
Figure 0007249326000023
は、期待値を表記し、
Figure 0007249326000024
は、低密度SMLM画像、高密度SMLM画像、広視野画像、及びトレーニングデータセットからのスイッチ設定の結合確率密度であり、
Figure 0007249326000025
は、画像A及びTの間のマルチスケール構造類似性インデックスであり、
Figure 0007249326000026
は、ガウススムージングカーネルであり、
*は、畳込みを表記し、
Figure 0007249326000027
は、絶対差画像であり(即ち、ピクセル(i,j)は、値
Figure 0007249326000028
を有する)、
Figure 0007249326000029
は、MS_SSIM及び変更されたL1ノームの相対的な寄与を均衡させる0~1のスカラー重みであり、これは、例えば、0.84(ρ=0.84)と設定することができる。
Figure 0007249326000030
の第2項は、
Figure 0007249326000031
と呼称されている。これは、低解像度エスティメータネットワーク2015によって再構築された低解像度画像WA及びWTの間の一貫性を計測するべく、使用されている。これは、以下のように表現することができる。
Figure 0007249326000032
或いは、この代わりに、画像WTは、上述の目的関数において、実際に観察された低解像度広視野画像Wにより、置換することもできる。低解像度エスティメータネットワーク2015(Q)は、観察された低解像度広視野画像Wと一貫性を有する高密度SMLM画像Tから低解像度画像を生成するべく、ジェネレータネットワーク2000
Figure 0007249326000033
により、同時にトレーニングされている。このトレーニングは、以下の目的関数に基づいて実行することができる。
Figure 0007249326000034
実施形態によれば、再構築された低解像度画像Q(T)は、高密度SMLM画像Tの4分の1と小さいことに留意されたい。入力低解像度広視野画像Wは、異なるサイズを有することから、画像Wを画像Q(T)と同一のサイズにリサイズするべく、バイリニア補間を使用することができる。当然のことならが、必要に応じて、低解像度エスティメータネットワーク内においてダウンサンプル層を追加又は除去することにより、4とは異なるスケーリング係数を実現することができる。
推定に関連し、低解像度エスティメータ2015は、図21を参照して記述されているエラーマップを生成するべく、使用されている。このエラーマップは、以下のように定義されている。
Figure 0007249326000035
エラーマップの大きな又は小さな値は、再構築された超解像度画像Aと観察された低解像度広視野画像Wの間における、それぞれ、大きな又は小さな一貫性のなさを通知している。
Figure 0007249326000036
と表記された
Figure 0007249326000037
の第3項は、敵対的生成ネットワークの最近の研究から導出されたものである(例えば、「Isola, P., Zhu, J.-Y., Zhou, T. & Efros, A. A. “Image-to-Image Translation with Conditional Adversarial Networks” (http://arxiv.org/abs/1611.07004), 2016」、「Goodfellow, I. et al. “Generative Adversarial Nets”, 2672-2680, 2014」、及び「Mao, X. et al. “Least Squares Generative Adversarial Networks”, 2016)」)。
GANにおいては、ジェネレータネットワーク
Figure 0007249326000038
は、(確率密度pz(Z)から導出された)ランダム入力ベクトルをデータ確率密度pdata(x)の新しいサンプルに変換するべく学習しており、データサンプルxは、高密度SMLM画像Tである。ジェネレータネットワーク
Figure 0007249326000039
は、オリジナルデータサンプルとジェネレータネットワーク
Figure 0007249326000040
によって生成されたサンプルの間を弁別するべく同時に学習するディスクリミネータネットワーク
Figure 0007249326000041
(例えば、cGanディスクリミネータネットワーク2020)と競合状態において機能することにより、学習している。従って、全体として、敵対的トレーニングは、以下の形態の目的関数により、
Figure 0007249326000042
或いは、等価的に、2つの結合された損失関数の同時最適化により、
Figure 0007249326000043
次式のようになるように、ミンマックスゲームを実行するステップを有している。
Figure 0007249326000044
条件付きGAN(cGAN)においては、ジェネレータネットワーク及びディスクリミネータネットワークは、余分な入力ベクトルcを有し、且つ、上述の目的関数は、ジェネレータネットワークが条件付き確率密度
Figure 0007249326000045
を学習するように、次式のとおりに記述されてもよく、
Figure 0007249326000046
且つ、第2目的関数は、同様に、以下のものとなる。
Figure 0007249326000047
実施形態によれば、上述の対数損失は、経験的により良好な結果をもたらしていることから、最小二乗損失によって置換される。従って、目的関数は、以下のとおりとなる。
Figure 0007249326000048
図20~図24を参照して記述されている実施形態によれば、入力cは、低解像度広視野画像Wと組み合わせられた低密度SMLM画像Sである。実際には、ノイズzは、Pix2Pixの実装形態におけると同様に、ドロップアウト層の使用を通じてのみ導入されることに留意されたい。従って、目的関数は、以下のとおりである。
Figure 0007249326000049
及び
Figure 0007249326000050
この結果、上述の3つの損失項を組み合わせることにより、以下の最適化問題がもたらされる。
Figure 0007249326000051
重みα、β、及びγは、ハイパーパラメータである。例示を目的として、これらは、手動的に、α=50、β=25、及びγ=1に設定することができる。
依然として例示を目的として、図20に示されている全体システムは、「Kingma, D. P. & Ba, J. Adam, “A Method for Stochastic Optimization” (2014)」において記述されている方法と、200000回以上の反復(バックプロパゲーションステップ)を伴う1のバッチサイズと、を伴って確率的勾配降下法(SGD)を使用することにより、エンドツーエンドでトレーニングすることができる。実装形態は、アファイン層のポートからPix2PixのTorch実装形態のTensorFlowに適合されている(「Abadi, M. et al. “TensorFlow: Large-Scale Machine Learning on Heterogeneous Distributed Systems”, 2016」)。
ゼロからのシステムのトレーニングは、通常、単一のGPU上において数時間から数日を所要する。トレーニングされたら、(FOVの全体に対応する)2560×2560個のピクセルの超解像度画像を再構築するのに所要するのは、約1秒のみである。トレーニング時間は、事前トレーニング(或いは、転移学習)、GPUクラスタの使用、或いは、最適化されたデータ拡張により、更に低減することができよう。
模擬画像に関する検証
図20~図24を参照して記述されているシステムを検証するために、(局在化精度
Figure 0007249326000052
に対応する)解像度
Figure 0007249326000053
により、微小管を模倣するべく意図された半柔軟なフィラメントの200個の高密度SMLM画像を生成するべく、ブラウン動力学シミュレーションが使用されている。これらは、事実上、無限数の局在化(n=∞)によって得られることになる「完全」なSMLM画像を表している。有限数の局在化(n<∞)に対応する低密度PALM画像を生成するべく、変化するレベルのポアソンノイズをこれらの完全な画像に適用した。次いで、システムが、完全な画像をターゲットして、且つ、低密度画像及び対応する低解像度広視野画像を入力として、使用することにより、大きな範囲にわたって、ノイズレベル、即ち局在化の数、を変化させつつ、トレーニングされている。次いで、トレーニング済みのシステムが、同一の確率的シミュレーションによって生成されたSMLM画像の別個の組に対して適用されている。
図25aは、低解像度広視野画像を示し、且つ、図25bは、n=6834個の局在化から得られた対応する低密度SMLM画像を示している。その稀薄性にも拘らず、この画像内においては、曲線構造が観察されうるが、小さなナスケール特徴が非常に曖昧な状態において留まっており(図25b、挿入図)、且つ、最近に提案された5倍のナイキスト基準による解像度は、
Figure 0007249326000054
へのサンプリングによって制限され、この基準によれば、23nmの解像度を実現するべく、
Figure 0007249326000055
個の局在化が必要とされる。図25cは、低解像度広視野画像のみから再構築されたANNA-SMLM画像を示しており、これは、低解像度広視野画像において認識可能ではなかった、クリアな、且つ、連続的な、フィラメントを示している。相対的に離隔したフィラメントの大部分は、図25eにおいて示されている完全なSMLM画像とほぼ合致している。但し、相対的に高密度の領域においては、多くの小さな特徴が誤っており、例えば、フィラメントは、図25cの青色矢印によって示されているように、誤って、結合され、変位され、分割され、或いは、マージされている。対照的に、組み合わせられた低密度SMLM画像及び低解像度広視野画像から再構築されたANNA-SMLM画像は、図25d、図25e、及び図25fから観察されうるように、完全なSMLM画像と非常に良好な合致状態において、連続的な、且つ、シャープな、フィラメントを示している。
これらの再構築された画像の空間解像度は、もはや、回折又はサンプリングによって制限されてはおらず、制限されているのは、局在化精度によってのみであり、且つ、従って、完全な画像におけると同様に、
Figure 0007249326000056
である。これらの結果は、高品質超解像度画像は、従来必要とされている局在化の最小数のわずかな部分(ここでは、上述の
Figure 0007249326000057
の約11%)のみから取得することが可能であり、従って、取得時間の強力な低減が可能であることを示している。但し、再構築エラーは、依然として、例えば、図25d、図25e、及び図25fの白色矢印によって示されているように、例えば、フィラメントの密度が最高である、などの、低密度局在化データが最も曖昧である、エリア内において発生しうる。これらのエラーは、局在化の数nを増大させることにより、低減させることが可能であり、これは、取得時間と再構築品質の間のトレードオフを意味している。
このトレードオフを定量化するべく、図25gにおいて示されるように、標準的なSMLM画像との比較において、例えば、
Figure 0007249326000058

Figure 0007249326000059
の、局在化数の関数として、再構築されたANNA-SMLMと完全なSMLM画像(n=∞)の間のMS-SSIMを演算することができる。所与の例によれば、MS-SSIMは、0~1であり、且つ、完全な再構築の場合には、1に到達する。
図示(図25g、黒色曲線)されているように、標準的なSMLM画像の場合には、MS-SSIMは、n=2千万個の局在化にわたって、ほぼ0.2に等しい小さな値から、ほぼ0.95に等しい相対的に大きな値まで、単調に増大している。低密度画像のみを入力として使用することにより、ANNA-SMLM再構築は、図25gにおいて、破線の青色曲線により、示されているように、n~10000個以上の局在化の場合に0.9超である、常に相対的に大きな、且つ、標準的なPALMよりも格段に迅速に局在化数nと共に増大する、MS-SSIMを実現する。ANNA-SMLMは、-60000の代わりに、n~2000の局在化により、5倍のナイキストサンプリングレベル(約0.65)において標準的なPALMと同一のMS-SSImを実現しており、これは、ほぼ30倍のスピードアップを示唆している。低解像度広視野画像が更なる入力として使用される場合には、MS-SSIMは、図25gにおいて実線の青色曲線によって示されているように、低局在化カウントの場合には、更に、且つ、劇的に、このような方式で増大している。例えば、n~7,477個の局在化の場合に、ANNA-SMLMは、n~644844を有する標準的なPALMに類似したMS-SSIM(約0.95)を実現しており、これは、ほぼ2桁のスピードアップに対応している。
任意の画像回復方法として、ANNA-SMLMは、エラーを生成しうる。図21を参照して記述されている低解像度エラーマップは、エラーが発生する可能性が最も高い場所を推定する手段を提供している。
図26は、ANNA-SMLMによって生成された低解像度エラーマップが低密度局在化画像及び/又は再構築エラーにおける曖昧さを反映する方式を示している。図26a及び図26bは、高フィラメント密度の領域(左)と、低フィラメント密度の領域(右)と、を表示する、模擬的な「完全」なSMLM画像(n=∞)を表している。画像26aは、図25eと同一である。画像26bは、フィラメントの小さな断片の人工的な変位を除いて、画像26aと同一であり、画像26a内の青色ボックスに対応する画像の部分は、図26bの白色ボックス内において再生成されている。
図26c及び図26dの画像は、それぞれ、図26a及び図26bにおいて表されている完全なSMLM画像のランダムサンプリングによって得られた低密度SMLM画像を表している。
図26e及び図26fの画像は、それぞれ、図26c及び図26dの低密度PALM画像のANNA-SMLM再構築である。図26aの画像をグラウンドトルスとして見なすことにより、青色及び白色矢印は、それぞれ、誤って失われたフィラメント(偽陰性)及び誤って追加されたフィラメント(偽陽性)を指し示している。
図26g及び図26hの画像は、それぞれ、入力として、図26e及び図26fの低密度SMLM画像を使用することにより、ANNA-SMLMによって予測された低解像度画像である。
図26i及び図26jの画像は、マージされた画像であり、図26aのグラウンドトルス画像を緑色において、示し、且つ、それぞれ、図26e及び図26fのANNA-SMLM再構築を赤色において示している。
図26k及び図26lの画像は、図26aの変更されていない完全なSMLM画像に基づいてシミュレーションされた、且つ、図25aにおいて示された、同一の低解像度広視野画像との間における図26g及び図26hの予測された低解像度画像の比較からANNA-SMLMによって生成されたエラーマップである。図26jの画像内の青色及び白色矢印によって指し示された高エラー領域は、図26fにおいて示されているANNA-SMLM再構築における偽陰性及び偽陽性の領域を反映している。平均エラー値が、示されており、且つ、変更された画像の場合に、相対的に大きい。図26k及び図26lの両方のものの画像の左側の高エラーエリアは、高フィラメント密度の領域における図26c及び図26dの低密度局在化画像の相対的に大きな曖昧さを反映している。
従って、エラーマップは、エラーを含む可能性が最も高い再構築された画像内の領域を強調表示するための、且つ、逆に、再構築が最も信頼できる領域の概要を示すための、有用なツールを提供している。これらのシミュレーション結果は、ANNA-SMLMが局在化顕微鏡法用の取得時間の相当な低減を実現しうる、且つ、再構築信頼性がマッピングされうる、ことを示唆している。
免疫染色された微小管のANNA-SMLM再構築
図20~図24を参照して記述されているシステムを免疫標識を有する微小管の実際の画像について試験するべく、システムを(低解像度広視野画像と共に)10分の長さの取得時間において取得された7つの高密度SMLM画像に関してトレーニングした(K=60000、Δt=10ms)。この結果、別個のFOV内の微小管の低密度SMLM画像が、それぞれ、図27a及び図27bにおいて示されているように、低解像度広視野画像(2×50ms露光時間)と共に、9秒の取得のみから取得された(k=300、Δt=30ms)。微小管フィラメントは、低密度SMLM画像内において既に観察されうる一方において、回折限界未満の構造的な詳細は、識別することが困難であり、これにより、相対的に高密度の領域内における個々のフィラメントの経路の追跡と、フィラメントの交差などの特徴の識別と、が困難になっている(図27b)。
対照的に、それぞれ、図27d、図27e、及び図27fに示されているように、低解像度広視野画像のみ、低密度SMLM画像のみ、又はこれらの両方、から構築されたかどうかとは無関係に、ANNA-SMLM画像は、いずれも、シャープな、且つ、連続的な、フィラメントを表示し、且つ、多くの構造的な詳細をクリアに明らかにしている。これらの解像度は、図27cにおいて示されている高密度SMLM画像に類似しているか、或いは、場合によっては、これよりも良好である。観察されうるように、微小管フィラメントが相互に離れている領域においては、低解像度広視野画像のみから再構築されたANNA-SMLM画像は、図27d及び図27gの画像から観察されうるように、高密度SMLM画像との間において良好な合致状態にある。但し、これは、図27d及び図27gにおいて灰色矢印によって示されているように、高微小管密度の場所においては、しばしば、誤っている。その代わりに、これらの再構築エラーの大部分は、図27e及び図27hの画像から観察されうるように、ANNA-SMLMを低密度SMLM画像に適用した際には、補正されている。例えば、低解像度広視野画像内においては解像されていない、且つ、図27dの画像内においては誤ってマージされている、2つの微小管の平行なセクションは、いまや、明瞭に分離され、且つ、その正しい場所において位置決めされ、且つ、その他のフィラメントの誤って失われた部分は、図27hの白色及び灰色矢印によって示されているように、低密度SMLM画像を使用する際に、回復されている。直観に反する方式により、低密度SMLM画像は、恐らくは、例えば、不特定の結合に起因した偽の局在化に起因して、高密度SMLM画像が示してはいないいくつかの場所において、高信号を示している(例えば、図27bの青色矢印を観察されたい)。このような信号は、低密度局在化データのみからのANNA-SMLM再構築においては、誤った特徴に結び付きうる(例えば、図27e及び図27hの青色の矢印を参照されたい)。
但し、低解像度広視野及び低密度SMLMデータを組み合わせた際には、これらのアーチファクトは、ほぼ除去され、その結果、図27f及び図27iにおいて観察されうるように、高密度SMLM画像との間における非常に良好な合致状態の再構築が得られている。図27jにおいて示されているように、フレームの数kが増大するのに伴って、再構築の品質も増大する。更に定量的には、上述の模擬的データのものに類似したMS-SSIM分析(但し、この場合には、グラウンドトルスは、高密度SMLM画像のANNA-SMLM出力として定義されている)は、ANNA-SMLMが、標準的なSMLMとの比較において、最大で2桁の取得時間の低減を許容することを示唆している。
上述のように、演算による再構築は、エラーを含みうる。このようなエラーの可能性が最も高い場所の予測を支援するために、エラーマップを演算するべく、低解像度広視野画像を使用することができる。このエラーマップは、ANNA-SMLM再構築が実際に高密度SMLM画像と合致していない領域を強調表示している。逆に、再構築は、エラーマップがはっきりしていない領域の大部分において、高品質を有している。従って、ANNA-SMLMは、再構築エラーの可能性が最も高い場所の推定値と共に、SMLM撮像において通常必要とされる取得時間のうちのわずかな部分において、超解像度画像の高品質近似を生成することができる。
単一の人工ニューラルネットワークによる低密度微小管及び核孔画像の再構築
図28は、(図28a、図28b、及び図28cにおいて示されている)微小管画像及び(図28d、図28e、及び図28fにおいて示されている)核孔画像の低密度局在化画像を再構築するべく、微小管及び核孔の両方に関してトレーニングされた、図20~図24を参照して記述されているものの1つなどの、人工ニューラルネットワークの使用を示している。
図28aは、k=500個のフレームから得られた微小管の低密度SMLM画像を表している。図28bは、(「MT」と表記された)微小管に対して設定された構造スイッチを伴う、図28aの画像に基づいたANNA-SMLM再構築を示している。図28cは、K=60000個のフレームから得られた高密度SMLM画像を表している。
図28dは、k=3000個のフレームから得られたヌクレオポリンgp210の低密度SMLM画像を表している。図28eは、(「NPC」と表記された)核孔に対して設定された構造を有する、図28dの画像に基づいたANNA-SMLM再構築を示している。図28fは、K=30000個のフレームから得られた高密度SMLM画像を表している。
図28gは、図28dと同一である。
図28hは、微小管(「MT」)に対して設定された構造スイッチを伴う、図28gの画像に基づいたANNA-SMLM再構築を表している。再構築された画像のアーチファクト特性に留意されたい。
図28iは、図28fと同一である。
図示されているように、システムは、再構築対象の低密度SMLM画像内のものに類似した構造を有する高密度SMLM画像に関する事前トレーニングを必要としている。最適な再構築精度は、低密度SMLM画像(並びに/或いは、低解像度広視野画像)がトレーニング画像と同一の確率分布に属している際に予想される。但し、システムは、安定しており、且つ、構造内の実験によって誘発される変化及び撮像パラメータの複数の変動に関する再度のトレーニングを必要としてはいない。(図22を参照して記述されている)スイッチ値Mに対応する、構造スイッチは、異なるスイッチ値を画像のそれぞれの組に割り当てることにより、単一システムが、例えば、異なる構造を表す画像の組などの、異なる画像の組により、トレーニングされることを許容している。有利には、スイッチの使用は、演算をトレーニングデータの選択された組に限定することにより、トレーニングの際の人工ニューラルネットワークの演算時間を低減している。
更には、本発明の実施形態は、生細胞内の動的な超解像度撮像を促進している。実際に、これは、単一の超解像度ムービーフレームを再構築するべく、SMLM又は均等な画像処理方法よりも少ない数の連続した未加工画像を使用することと、従って、空間解像度を犠牲にすることなしに時間解像度を改善することと、を可能にしている。これは、相対的に大きな励起パワーを必要とせず、且つ、従って、更なる光毒性及び光ブリーチングの問題を有しておらず、これにより、相対的に穏やかな条件における長期間にわたる観察を許容している。従って、これは、過剰な光損傷を伴うことなしに、相対的に高速且つ長期にわたる生細胞の超解像度撮像を許容している。
特定の実施形態においては、図20~図24を参照して上述したものの1つなどの、人工ニューラルネットワークが、低密度局在化画像、少なくとも部分的に対応する低解像度広視野画像、及び対応する高密度超解像度画像のトリプレットによってトレーニングされた際に、合成高密度超解像度画像を再構築するべく、入力として、低解像度広視野画像のみを使用することができる(例えば、図27dを観察されたい)。低解像度広視野画像は、通常50~500msの取得時間により、1つのフレーム内においてのみ、得られうることから、取得の速度は、生細胞撮像及び超解像度撮像を組み合わせるべく十分に高速である。又、低解像度広視野画像を入力として使用することにより、染色及びサンプルの準備も単純化される。例えば、STORMにおけるように、ブリンキングバッファを使用する必要がなく、且つ、広く使用されている緑色蛍光プロテイン(GFP:Green-Fluorescent Protein)などの、蛍光プロテインを使用することにより、ライブサンプルの摂動を低減することができる。又、入力としての低解像度広視野画像の使用は、高スループットの生細胞の超解像度撮像の実行を可能にしている。
更には、本発明の実施形態は、相対的に直接的な方式により、3D合成高密度SMLM画像の再構築に対して拡張することができる。要件は、ANNのトレーニングの後に、高密度の3DのSMLMデータ及び1つ又は複数の低密度の3DのSMLMデータから構成されたトレーニングデータセットを再構築することである。ANNアーキテクチャは、3D入力及び出力データに対応するように、変更する必要があろう。3DのSMLMデータは、点広がり関数(PSF)技法(例えば、非点収差、二重螺旋又は鞍点PSF)又はバイプレーン撮像、或いは、zステッピングを伴う又は伴わない干渉SMLM(例えば、iPALM)を含む、様々な技法を使用することにより、取得することができる。特定の実施形態においては、ANNのトレーニングの後に再構築されるトレーニングデータセット及び低密度3DSMLMデータは、対応する3D低解像度広視野画像を含む。トレーニングデータセットが対応する3D低解像度広視野画像を含んでいる際には、3D合成高密度SMLM画像を再構築するべく、入力として、3D低解像度広視野画像のみを使用することができる。
更には、本発明の実施形態は、いくつかの方法により、マルチカラー撮像に拡張することができる。
第1の方式は、1超の整数であるpにおいて取得される未加工画像から構成されたSMLMデータをp個の低密度SMLM画像を取得するべく処理される色チャネルとして見なす、というものである。この結果、p個のANNが、それぞれの色ごとに1つずつ、独立的にトレーニングされるように、(モノカラーANNA-PALM法と見なされうる)本発明の実施形態を使用することにより、それぞれの色をその他のものとは独立的に処理することが可能であり、この場合に、トレーニングデータの要件は、モノカラーANNA-PALMの場合と同一である。次いで、推定のために、低密度マルチカラーSMLM画像は、(それぞれの色が、その対応するANNに割り当てられている)これらのp個のANN内に供給され、且つ、結果的に得られるp個の合成高密度SMLM画像が、高密度マルチカラー超解像度画像として組み合わせられる。
第2の方式は、p個の低密度SMLM画像(それぞれの色ごとに1つ)を入力として取得し、且つ、p個の高密度SMLM画像を出力(それぞれの色ごとに1つずつ)として生成することにより、p個のカラーチャネルを同時に処理するべく、単一のANNを利用する、というものである。これは、入力及び出力として、p個のカラーチャネルを収容するべく、ANNアーキテクチャに対するわずかな変更を必要とすることになる。この第2の方式においては、ANNは、p個のカラーチャネルのすべての結合確率密度を同時に学習することができる。結果として、それぞれのカラーチャネルの再構築が、その他のカラーチャネルの情報コンテンツの影響を受けうることになり、これにより、再構築品質及び/又は取得効率の更なる改善を許容することができる。
第3の方式は、単一カラー入力データから出力としてマルチカラー画像を生成するべく、ANNをトレーニングする、即ち、カラーアンミキシングを実行する、というものである。この方式においては、トレーニングデータは、異なるターゲット分子にそれぞれが対応している、p個のカラーチャネルにおいて取得されたSMLM画像から構成されることになろう。p個のカラー画像は、カラーチャネルを無視することにより、単一カラー画像に単純に組み合わせることができる。ANNは、ターゲット出力としてp個のカラー画像を有する状態において、入力として(すべてのp個の分子種からの局在化を含んでいる)この単一のカラー画像を使用することにより、トレーニングすることができる。入力データは、(モノカラーANNA-PALMにおけると同様に)ターゲットデータよりも低密度であってもよく、或いは、そうでなくてもよい(取得時間の低減を伴うことのない、カラーアンミキシングの場合)。トレーニングされたら、このANNは、p個の分子種が同一のカラーチャネル内において撮像されている、画像に適用されることになる。この方式は、同時に(SMLMを伴って又は伴うことなしに)撮像されうる別個の種の数を増大させることが可能であり、その理由は、これが、もはや、スペクトル的に弁別可能な蛍光色素を必要としてはいないからである。
本発明の実施形態は、既存の局在化顕微鏡法システムに対するなんらの変更をも必要としてはおらず、且つ、トレーニングのために、例えば、STORM画像などの、いくつかの標準的なSMLM画像のみを必要としている、ことに留意されたい(システムをトレーニングするには、単一のSTORM画像で十分であるが、相対的に大きな画像の組に関してシステムをトレーニングすることにより、更に良好な結果(相対的に高い精度又は効率)が予測されうるものと観察される)。
更には、図20~図24を参照して記述されているシステムに関係する本発明の実施形態は、広視野蛍光顕微鏡法、共焦点顕微鏡法、或いは、構造化照明顕微鏡法(SIM:Structured Illumination Microscopy)、誘導放出抑制(STED:STimulated Emission Depletion)顕微鏡法、電子顕微鏡法(EM:Electron Microscopy)、又は低温電子顕微鏡法(CryoEM:Cryo-Electron Microscopy)などの、超解像度顕微鏡法のような、様々な顕微鏡法の方法によって取得される画像の解像度を改善するべく、拡張することができる。この方式は、異なる解像度を有する2つの顕微鏡法技法から得られた画像のペアを伴うシステムのトレーニングに依存しており、この場合に、入力画像は、相対的に低い解像度を有する顕微鏡法技法から得られ、且つ、対応する望ましい画像(ターゲット画像)は、相対的に高い解像度を有する顕微鏡法技法から得られている。例えば、低解像度広視野画像は、合成EM画像を出力するジェネレータネットワークとして見なるされうる、人工ニューラルネットワーク2000の入力として使用されうる一方で、望ましい出力に対応する、ターゲットEM画像は、そのパラメータを相応して適合させるべく、人工ニューラルネットワーク2000の出力と比較されている。システムをトレーニングするためには、入力及びターゲット画像を同一の視野にアライメントさせる必要があり、且つ、ピクセルごとに見当合わせする必要がある。2つの画像が同一のピクセルサイズを有していない場合には、人工ニューラルネットワークをトレーニングするべく使用される同一のピクセルサイズを有するように、相対的に小さなものを相対的に大きなものに拡大するべく、補間を使用することができる。実際に、異なる超解像度技法を混合した、アライメントされた画像は、異なるモジュールを装備した同一の顕微鏡により、取得することができる。EMのケースにおいては、光電子相関顕微鏡法技法により、光学顕微鏡法を電子顕微鏡法と組み合わせている。この方式においては、その個々の解像度が、ターゲット画像の解像度よりも低い場合には、異なる解像度を有する又は有していない、異なる顕微鏡法技法によって取得されたいくつかの画像を入力として使用することもできる。例えば、人工ニューラルネットワークは、入力としての共焦点顕微鏡及び対応するSIM画像のトリプレットと、ターゲット画像としての対応するEM画像と、により、トレーニングすることができる。
更には、図20~図24を参照して記述されているシステムに関係する本発明の実施形態は、電子顕微鏡法(EM)によって得られた画像の特異性を改善するべく、拡張することができる。この技法は、光学顕微鏡法において、マルチカラー撮像などのマルチチャネル撮像を実行するべく、異なる分子種に具体的に染色又はラベル付与することを許容してはいない。EMの特異性を改善するべく、人工ニューラルネットワークは、合成ラベル付与EM画像を再構築するために、入力としてのEM画像と、ターゲット画像としての、望ましい要素にラベル付与された、対応するアライメントされた光学顕微鏡法画像と、により、トレーニングすることができる。
図19は、例えば、図3~図9を参照して記述されているアルゴリズムのうちの1つ又はいくつかなどの、本発明の少なくとも一部分の少なくとも1つの実施形態を実装するように構成された処理装置1900を概略的に示している。処理装置1900は、マイクロコンピュータ、ワークステーション、又は高度な並列コンピュータなどの装置であってよい。装置1900は、
-CPUと表記された、マイクロプロセッサなどの、中央処理ユニット1911、
-本発明を実装するためのコンピュータプログラムを保存する、ROMと表記された、読み出し専用メモリ1907、
-本発明の実施形態の方法の実行可能コードのみならず、本発明の実施形態による単一分子局在化顕微鏡法によって取得される未加工画像の組立を改善する方法を実装するべく必要とされる変数及びパラメータを記録するように適合されたレジスタを保存する、RAMと表記された、ランダムアクセスメモリ1912、及び、
-処理対象のデジタルデータが送信されうる、通信ネットワーク1903に接続された通信インターフェイス1902、
が好ましくは接続される、通信バス1913を有する。
又、任意選択により、装置1900は、
-本発明の1つ又は複数の実施形態の方法を実装するためのコンピュータプログラムと、本発明の1つ又は複数の実施形態の実装の際に使用又は生成されるデータと、を保存する、ハードディスクなどの、データストレージ手段1904、
-ディスク1906用のディスクドライブ1905であって、データをディスク1906に書き込む、或いは、データを前記ディスク上に書き込む、ように適合されたディスクドライブ、
-キーボード1910又は任意のその他のポインティング手段を利用して、データを表示し、且つ/又は、ユーザーとの間のグラフィカルインターフェイスとして機能する、画面1909、及び、
-大きなマトリックスデータの並列処理を許容する、且つ、具体的には、1つ又は複数の人工ニューラルネットワークの動作を実行するべく、使用されうる、表されてはいない、グラフィック処理ユニット(GPU)であって、演算時間を最適化するべく重要であると証明されうる、GPU、
というコンポーネントを含みうる。
通信バスは、装置1900内に含まれている、又はこれに接続された、様々な要素の間における通信及び相互動作性を提供している。バスの表現は、限定ではなく、且つ、具体的には、中央処理ユニットは、直接的に、或いは、装置1900の別の要素を利用して、命令を装置1900の任意の要素に伝達するべく動作可能である。
ディスク1906は、例えば、再書き込み可能である又はそうではない、コンパクトディスク(CD-ROM)、ZIPディスク又はメモリカード、などの、任意の情報媒体により、且つ、一般的な用語においては、恐らくは、着脱自在である、且つ、その実行が、本発明の実施形態による単一分子局在化顕微鏡によって得られた未加工画像の組立を改善する方法が実装されることを可能にする、1つ又は複数のプログラムを保存するべく適合された、マイクロコンピュータにより、或いは、装置に統合された、又はそうではない、マイクロプロセッサにより、読み取られうる情報ストレージ手段により、置換することができる。
実行可能コードは、読み出し専用メモリ1907内において、ハードディスク1904上において、或いは、例えば、上述のディスク1906などの着脱自在のデジタル媒体上において、保存することができる。一変形によれば、プログラムの実行可能コードは、実行される前に、ハードディスク1904などの、装置1900のストレージ手段のうちの1つの内部において保存されるように、インターフェイス1902を介して、通信ネットワーク1903を利用して受け取ることができる。
中央処理ユニット1911は、本発明による1つ又は複数のプログラムのソフトウェアコードの命令又は一部分の実行を制御又は調整するように適合されており、この場合に、命令は、上述のストレージ手段のうちの1つの内部において保存されている。電源投入の際に、例えば、ハードディスク1904などの、不揮発性メモリ内において、或いは、読み出し専用メモリ1907内において、保存された、1つ又は複数のプログラムは、ランダムアクセスメモリ1912内に転送され、この結果、ランダムアクセスメモリ1912は、1つ又は複数のプログラムの実行可能コードのみならず、本発明を実装するべく必要とされる変数及びパラメータを保存したレジスタをも収容している。
この実施形態においては、装置は、本発明を実装するべくソフトウェアを使用するプログラム可能な装置である。但し、この代わりに、本発明は、(例えば、用途固有の集積回路、即ち、ASICの形態において)ハードウェア内において実装することもできる。
当然のことながら、ローカルな且つ特定の要件を充足するべく、当業者は、上述の解決策に対して多数の変更及び変形を適用しうるが、そのすべては、添付の請求項によって定義されている本発明の保護の範囲に含まれている。

Claims (15)

  1. 低解像度広視野画像(L i )を含む、少なくとも1つの低情報コンテンツ画像(SMLM(ki)、Li)から少なくとも1つの合成高密度超解像度画像(ANNA-SMLM(ki))を再構築するコンピュータによって実行される方法であって、
    -少なくとも1つの低情報コンテンツ画像を取得するステップと、
    -前記少なくとも1つの取得された低情報コンテンツ画像を人工ニューラルネットワーク(2000)に入力するステップと、
    -前記人工ニューラルネットワークから合成高密度超解像度画像を取得するステップと、
    を有し、
    前記人工ニューラルネットワークは、高密度超解像度画像と対応する前記人工ニューラルネットワークの出力を比較するトレーニング目的関数の関数として、単一分子局在化顕微鏡法によって取得された一連の回折限界画像ら得られた低密度局在化画像(SMLM(ki))、少なくとも部分的に対応する低解像度広視野画像(Li)、及び対応する高密度超解像度画像(SMLM(Ki))のトリプレットを有するトレーニングデータにより、トレーニングされている、方法。
  2. 前記少なくとも1つの低情報コンテンツ画像は、単一分子局在化顕微鏡法画像処理に従って一連の回折限界画像ら再構築された低密度局在化画像(SMLM(ki))を更に有し、
    一連の回折限界画像200)を取得するステップと、
    -前記取得された一連の回折限界画像ら前記低密度局在化画像(210)を再構築するステップと、
    を更に有する請求項1に記載の方法。
  3. 前記低解像度広視野画像は、前記低密度局在化画像を再構築するべく使用される前記一連の回折限界画像のうちの少なくとも一部である請求項2に記載の方法。
  4. エラーマップを演算するステップを更に有し、前記エラーマップは、前記合成高密度超解像度画像内の場所の関数としてエラーが発生する確率を表している請求項3に記載の方法。
  5. 前記エラーマップを演算するテップは、前記合成高密度超解像度画像から低解像度画像(L’(k))を生成するステップと、前記生成された低解像度画像、前記人工ニューラルネットワーク内に入力される前記低解像度広視野画像と比較するステップとを有する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記トレーニング目的関数は、条件付き敵対的生成ネットワークタイプの人工ニューラルネットワークに基づいた目的関数の少なくとも1つを有し、且つ、前記人工ニューラルネットワークに入力される前記低解像度広視野画像は、前記条件付き敵対的生成ネットワークの条件として使用されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記低密度局在化画像は、3D低密度局在化画像であり、且つ、前記高密度超解像度画像は、3D高密度超解像度画像であるか、
    又は、前記低密度局在化画像は、マルチカラー低密度局在化画像であり、且つ、前記高密度超解像度画像は、マルチカラー高密度超解像度画像である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 単一分子局在化顕微鏡法によって取得された一連の回折限界画像ら少なくとも1つの合成高密度超解像度画像(ANNA-SMLM’(ki))を再構築するコンピュータによって実行される方法であって、
    -単一分子局在化顕微鏡法によって取得された一連の回折限界画像取得するステップと、
    -単一分子局在化顕微鏡法画像処理に従って前記取得された一連の回折限界画像ら低密度局在化画像(SMLM’(ki))を再構築するステップと、
    -前記再構築された低密度局在化画像を人工ニューラルネットワーク(300)に入力するステップと、
    -前記人工ニューラルネットワークから合成高密度超解像度画像を取得するステップと、
    を有し、
    前記人工ニューラルネットワークは、高密度超解像度画像と前記人工ニューラルネットワークの対応する出力を比較するトレーニング目的関数の関数として、低密度局在化画像(SMLM(ki))及び対応する高密度超解像度画像(SMLM(Ki))のペアを有するトレーニングデータにより、トレーニングされている、方法。
  9. 前記取得された一連の回折限界画像は、研究対象の視野の第1視野に対応しており、一連の回折限界画像取得する前記ステップ、前記取得された一連の回折限界画像ら低密度局在化画像を再構築する前記ステップ、前記再構築された低密度局在化画像を前記人工ニューラルネットワークに入力する前記ステップ、並びに、前記人工ニューラルネットワークから合成高密度超解像度画像を取得する前記ステップは、前記研究対象の視野の少なくと1つの第2視野について反復され、前記第1視野及び前記第2視野は異なっている請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1視野及び前記第2視野は、前記研究対象の視野内において連続しており、前記方法は、前記人工ニューラルネットワークから得られた合成高密度超解像度画像を縫合することにより、結果的に得られる画像を生成するステップを更に有する請求項9に記載の方法。
  11. 前記取得された一連の回折限界画像は、既定の視野に対応しており、一連の回折限界画像取得する前記ステップ、前記取得された一連の回折限界画像ら低密度局在化画像を再構築する前記ステップ、前記再構築された低密度局在化画像を前記人工ニューラルネットワークに入力する前記ステップ、並びに、前記人工ニューラルネットワークから合成高密度超解像度画像を取得する前記ステップは、前記既定の視野と同一の視野について周期的に反復されている請求項8乃至10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記人工ニューラルネットワークをトレーニングするステップと、前記人工ニューラルネットワークをトレーニングするべく低密度局在化画像及び対応する高密度超解像度画像をペア化するステップと、を更に有し、
    低密度局在化画像と対応する高密度超解像度画像をペア化する前記ステップは、
    -単一分子局在化顕微鏡法によって取得された前記トレーニング用の一連の回折限界画像200)を取得するステップと、
    -単一分子局在化顕微鏡法画像処理に従って前記取得された前記トレーニング用の一連の回折限界画像の1サブセットから複数の低密度局在化画像(210)を再構築するステップと、
    -単一分子局在化顕微鏡法画像処理に従って前記取得された前記トレーニング用の一連の回折限界画像の2サブセットから複数の高密度超解像度画像(205)を再構築するステップであって、前記第2サブセットのそれぞれは、前記第1サブセットのそれぞれよりも多くの回折限界画像を有する、ステップと、
    を有する請求項8乃至11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記低密度局在化画像は、3D低密度局在化画像であり、且つ、前記高密度超解像度画像は、3D高密度超解像度画像であるか、
    又は、前記低密度局在化画像は、マルチカラー低密度局在化画像であり、且つ、前記高密度超解像度画像は、マルチカラー高密度超解像度画像である、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の前記方法のそれぞれのステップを実行するべく構成された手段を有する装置。
  15. プログラム可能な装置用のコンピュータプログラムあって、前記コンピュータプログラムが、プログラム可能な装置によって読み込まれ、且つ、実行された際に、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の前記方法のそれぞれのステップを実行する命令を有するコンピュータプログラム
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