以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.ゲームシステム
まず、図1(A)~図1(E)を用いて本実施形態のゲームシステムの構成例について説明する。
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1~TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1~TMnはクライアントである。なお、以下では、本実施形態のゲームシステム及びその処理を、主にサーバシステム500により実現する場合を例にとり説明するが、ゲームシステム及びその処理の一部を、端末装置TM1~TMnにより実現してもよい。また、以下では、TM1~TMnの各端末装置を、適宜、端末装置TMと記載する。
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、プレーヤ端末である端末装置TMによりSNS(Social Networking Service)などを利用するためにサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームであるソーシャルゲームや家庭用ゲームなどのネットワークゲームのプレイが可能になる。
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
端末装置TM(プレーヤ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、例えば図1(B)に示す携帯型通信端末(スマートフォン、携帯電話機)、図1(C)に示す携帯型ゲーム装置、図1(D)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、或いは図1(E)に示す業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TMとして、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型コンピュータなどの情報処理装置を用いてもよい。或いは、端末装置TMとして、プレーヤの頭部や腕などの部位に装着されるウェアラブル機器(HMD、ウォッチ型機器等)を用いてもよい。
図2に本実施形態のサーバシステム500(ゲームシステム)の構成例を示す。サーバシステム500は、処理部600、操作部660、記憶部670、通信部696を含む。なお、サーバシステム500の構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。またサーバシステム500の処理部600の各処理は、後述する図3の端末装置TMの処理部100により実現してもよいし、サーバシステム500の処理部600と端末装置TMの処理部100の分散処理により実現してもよい。
処理部600(プロセッサ)は、記憶部670(データベース)に記憶される各種の情報や、プログラムや、操作情報等に基づいて、通信処理、制限処理、行動判定処理、特典処理、ゲーム処理、表示処理、音処理、サーバに必要な各種の制御処理、或いは管理処理などを行う。
処理部600(処理部100)の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリーにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシタ等)で構成することもできる。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリー(記憶部670、170)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部600(処理部100)の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
処理部600は、通信処理部602、制限処理部604、行動判定部606、特典処理部608、ゲーム処理部610、管理部612、表示処理部620、音処理部630を含む。上述したように、これらの各部により実行される本実施形態の各処理は、プロセッサ(或いはプロセッサ及びメモリー)により実現できる。
通信処理部602は端末装置TM(TM1~TMn)との通信処理を行う。例えば通信処理部602は、通信部696及びネットワーク510を介して、端末装置TMから情報を受信する処理や端末装置TMに情報を送信する処理を行う。例えば通信処理部602は、端末装置(TM1~TMn)への情報の送信を通信部696に指示したり、端末装置(TM1~TMn)からの情報の受信を通信部696に指示する。例えば通信処理部602は、端末装置への情報のダウンロード処理や、端末装置からの情報のアップロード処理などを、通信処理として行う。また通信処理部602は、ネットワーク510を介した通信のための各種のプロトコル処理(アプリケーション層の処理)を行う。
制限処理部604、行動判定部606、特典処理部608、ゲーム処理部610は、各々、制限処理、行動判定処理、特典処理、ゲーム処理を行う。これらの処理の詳細については後述する。
管理部612は、認証処理部614、課金処理部616を含む。認証処理部614はプレーヤの認証処理を行う。例えば端末装置TMを用いてログインしたプレーヤの認証処理を行う。この認証処理は、例えばプレーヤが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。課金処理部616は、種々の課金処理(課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等)を行う。記憶部670の課金情報記憶部676は、課金処理部616の課金処理の対象となる課金情報を記憶する。また管理部612は、サーバの各種の管理処理を行う。例えば、サーバが提供する各種サービスの管理処理や、サーバ管理情報などの各種情報の管理処理を行う。
例えばプレーヤは、サーバシステム500が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、プレーヤは、ソーシャルゲームや家庭用ゲームなどのネットワークゲームのプレイや、ゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、プレーヤ間でのメッセージ交換や、フレンドプレーヤの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理部612は、このようなプレーヤのアカウント情報の管理処理等も行う。
表示処理部620は、端末装置TMなどの表示部に画像を表示するための処理を行う。例えば当該画像を生成するための画像生成用データ(HTMLデータ等)を生成する。或いは端末装置TMなどの表示部に画像を表示する制御を行ってもよい。音処理部630は、端末装置TMなどの音出力部から音を出力するための処理を行う。例えば、当該音(音声、ゲーム音、効果音)を生成するための音生成用データを生成する。或いは端末装置TMなどの音出力部から音を出力する制御を行ってもよい。ここで、画像を生成するための画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を端末装置TM等において表示するためのデータであり、画像データそのものであってもよいし、端末装置TMが画像を生成するために使用する各種データ(表示画面の設定データ、オブジェクトデータ、HTMLデータ等)であってもよい。音処理部630が生成する音生成用データについても同様である。
操作部660(操作インターフェース)は、システムの管理者(運営者)が種々の情報を入力するためのものである。
記憶部670は各種の情報を記憶する。例えばデータベース形式で各種情報を記憶する。また記憶部670は、処理部600や通信部696などのワーク領域として機能する。記憶部670の機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。
記憶部670は、ゲーム情報記憶部672、パラメータ記憶部673、特典情報記憶部674、課金情報記憶部676、ユーザ情報記憶部678を含む。ゲーム情報記憶部672は、ゲームプログラムやゲームデータなどのゲーム情報を記憶する。パラメータ記憶部673はゲームパラメータなどの各種のパラメータの情報を記憶する。特典情報記憶部674は、プレーヤに付与される特典についての情報を記憶する。例えばプレーヤに付与された特典の情報は、プレーヤのユーザIDに関連づけて特典情報記憶部674に記憶される。課金情報記憶部676は、課金処理部616により行われる課金処理の情報を記憶する。ユーザ情報記憶部678は、プレーヤの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、前述したプレーヤのアカウント情報(ユーザID)もユーザ情報として記憶される。課金情報記憶部676に記憶される課金情報は、各プレーヤの各アカウント情報(ユーザID)に対応づけられる。
情報記憶媒体680(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD、BD)、HDD、半導体メモリー(ROM)などにより実現できる。
通信部696(通信インターフェース)は、有線や無線のネットワーク510を介して端末装置TM等との通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
図3に本実施形態の端末装置TM(プレーヤ端末、クライアント装置、ゲーム装置)の構成例を示す。なお、端末装置TMの構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
端末装置TMは、処理部100、操作部160、撮像部162、記憶部170、表示部190、音出力部192、I/F部194、通信部196を含む。
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作情報やプログラムなどに基づいて、制限処理、行動判定処理、特典処理、ゲーム処理、表示処理、或いは音処理などを行う。処理部100は、前述した図2の処理部600と同様に、プロセッサ、或いはプロセッサ及びメモリーにより実現できる。
処理部100は、通信処理部102、制限処理部104、行動判定部106、特典処理部108、ゲーム処理部110、表示処理部120、音処理部130を含む。通信処理部102はサーバシステム500との通信処理を行う。例えば通信処理部102は、通信部196及びネットワーク510を介して、サーバシステム500から情報を受信する処理やサーバシステム500に情報を送信する処理を行う。制限処理部104、行動判定部106、特典処理部108、ゲーム処理部110は、各々、制限処理、行動判定処理、特典処理、ゲーム処理を行う。表示処理部120は、表示部190に画像を表示するための処理を行う。例えば端末装置側で画像を生成する場合には、処理部100で行われる種々の処理(アプリケーション処理、ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。サーバ側で画像を生成する場合には、サーバシステムからの画像情報に基づく画像を表示部190に表示する処理を行う。音処理部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音制御を行う。これにより、BGM、効果音、又は音声などが音出力部192から出力されるようになる。なお、本実施形態の制限処理、行動判定処理、特典処理、ゲーム処理、管理処理、表示処理、音処理等は、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。
操作部160は、プレーヤ(プレーヤ)が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
撮像部162(カメラ)は、被写体の撮像を行うものであり、CCDやCMOSセンサなどの画像センサと、フォーカスレンズ等により構成される光学系などにより実現される。
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部170は、ゲーム情報記憶部172、パラメータ記憶部173、特典情報記憶部174を含む。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、半導体メモリーなどにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体180に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
I/F(インターフェース)部194は、携帯型情報記憶媒体195とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。携帯型情報記憶媒体195は、プレーヤが各種の情報を保存するためのものであり、電源が非供給になった場合にもこれらの情報の記憶を保持する記憶装置である。携帯型情報記憶媒体195は、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
通信部196(通信インターフェース)は、ネットワーク510を介してサーバシステム500や他の端末装置等の外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
そして本実施形態では図2に示すように、ゲームシステムであるサーバシステム500が、ゲーム処理部610、制限処理部604、行動判定部606、特典処理部608を含む。
ゲーム処理部610はプレーヤがゲームをプレイするための種々のゲーム処理を行う。例えばゲーム処理部610(ゲーム処理部110。以下、同様)は、複数のプレーヤがグループに属してプレイを行うゲームの処理を行う。ゲーム処理は、例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、開始したゲームを進行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、或いはゲーム成績を演算する処理などである。
ブラウザゲームを例にとれば、ゲーム処理部610は、プレーヤのユーザ情報をプレーヤごとに管理することで、プレーヤごとにゲームの進行を制御する。ゲーム処理部610は、ゲームサービスを提供するウェブサイトを構成するウェブページを、端末装置TMからの要求に応じて、端末装置TMに表示させる。具体的には端末装置TMが備えるウェブブラウザにより端末装置TMの表示部190にウェブページが表示される。表示されたウェブページのハイパーリンクがプレーヤにより選択されると、ゲーム処理部610は、ハイパーリンクに対応する新たなHTMLデータを端末装置TMに送信し、端末装置TMでは新たなHTMLデータに基づくウェブページが表示される。このようにゲーム処理部610によって、記憶部670に記憶されるウェブページが、プレーヤの操作に応じて端末装置TMに順次に提供されることで、端末装置TMでのプレーヤの操作に基づきゲームを進行させることが可能になる。
ゲーム処理部610は、複数のプレーヤがグループに属してプレイを行うマルチプレーヤのゲーム処理を行う。ここでグループは、対戦ゲームや協力プレイゲームにおけるチームなどである。チームは、共通の目的や達成すべき目標のために集まった集団であるが、本実施形態のグループは、このような共通目的のためのチームには限定されず、複数のプレーヤの集団であればよい。またプレーヤによるグループの所属は、プレーヤの意思に基づく所属であってもよいし、コンピュータによる自動的な配属による所属であってもよい。
制限処理部604は、ゲームでのプレーヤのプレイ制限を行う。例えば制限処理部604(制限処理部104。以下、同様)は、グループ内の複数のプレーヤの階層レベルを判断して上位プレーヤを設定する。或いはグループ内の複数のプレーヤの階層レベルを判断して下位プレーヤも設定する。上位プレーヤは、下位プレーヤに比べて階層レベルが高いと判断されるプレーヤであり、下位プレーヤは、上位プレーヤに比べて階層レベルが低いと判断されるプレーヤである。そして制限処理部604は、グループ内の下位プレーヤに対してゲームでのプレイ制限を行う。具体的には制限処理部604は、上位プレーヤによるグループ内の下位プレーヤに対するゲームでのプレイ制限の設定処理を行う。例えば上位プレーヤの指示により、グループ内の下位プレーヤに対してゲームでのプレイ制限を行う。
階層レベルは、上位プレーヤと下位プレーヤを区分けするための指標となるレベルである。例えば階層レベルは、当該ゲームにおけるプレーヤのゲームレベルにより判断できる。ゲームレベルは、プレーヤが当該ゲームをプレイすることにより上昇するレベルである。例えばプレーヤの各ゲームプレイでのゲーム結果(ゲーム成績)に応じて、ゲームレベルの増加の度合いは変化する。そしてグループに属するプレーヤのゲームレベル等の階層レベルを比較した結果、階層レベルが他のプレーヤよりも高いと判断されるプレーヤは、上位プレーヤに区分けされ、階層レベルが他のプレーヤよりも低いと判断されるプレーヤは、下位プレーヤに区分けされる。なお、プレーヤの過去のゲーム結果の蓄積であるゲームレベル等により、階層レベルを判断するのではなく、例えばプレーヤの階層レベルを決定するためのゲームをプレーヤにプレイさせて、そのゲームでの結果に基づいて、各プレーヤの階層レベルを設定してもよい。またプレーヤの階層レベルを階層構造のデータとして記憶部670に記憶しておき、この階層構造のデータに基づいて、グループ内のプレーヤの階層レベルを判断して、上位プレーヤや下位プレーヤを設定してもよい。
プレイ制限は、プレーヤのゲームプレイの制限として設定されるゲームプレイの設定である。例えばプレイ制限が設定されていないプレーヤでは、自由に選択、決定できるゲームプレイの設定が、プレイ制限が設定されたプレーヤは、当該ゲームプレイの設定についての自由な選択、決定ができないように制限される。そして、下位プレーヤへのプレイ制限は、例えば上位プレーヤの指示に基づき行うことができる。例えば上位プレーヤが、下位プレーヤのプレイ制限を行うことを指示する要求を行うと、制限処理部604は、この指示の要求を受け付けて、下位プレーヤのゲームでのプレイ制限の設定処理を実行する。下位プレーヤのプレイ制限の設定処理は、上位プレーヤが下位プレーヤに対してゲームにおけるプレイ制限を付与するための処理であり、例えば下位プレーヤのゲームでのプレイ制限を行うための各種のパラメータ等を設定する処理である。なお、制限処理部604は、プレイ制限の指示の要求を常に受け付けるのではなく、プレイ制限の許可条件を満たしている場合に、プレイ制限の指示の要求を受け付けてもよい。
行動判定部606は、プレーヤの行動についての判定処理を行う。例えば行動判定部606(行動判定部106。以下、同様)は、下位プレーヤがプレイ制限に従って行動したか否かを判定する。例えば行動判定部606は、ゲームでの下位プレーヤの行動をモニターし、モニター結果に基づいて、下位プレーヤがプレイ制限に従って行動したかどうかを判定する。ゲームでの下位プレーヤの行動は、例えば下位プレーヤの操作情報などに基づき判断できる。例えばプレイ制限を超えたプレイが許容される場合には、行動判定部606は、下位プレーヤのゲームプレイがプレイ制限を越えた度合いを判断することで、下位プレーヤがプレイ制限に従って行動したかどうかを判定する。例えばプレイ制限を超えた度合いを表す判定用パラメータを用意し、下位プレーヤのゲームでの各行動がプレイ制限を超えた行動かどうかに応じて、当該判定用パラメータを変化させる。そして、行動判定部606は、例えばゲーム終了時での当該判定用パラメータの値と所与のしきい値とを比較することで、下位プレーヤがプレイ制限に従って行動したか否かを判定する。或いは、プレイ制限は、プレーヤに選択権や拒否権のない強制的なプレイ制限であってもよい。この場合には行動判定部606は、例えば下位プレーヤが、グループから離脱することなく、プレイ制限が設定されたゲームをプレイして、ゲームを終了した場合に、下位プレーヤがプレイ制限に従った行動を行ったと判定すればよい。一方、下位プレーヤがグループから離脱するなどして最後までゲームをプレイしなかった場合には、下位プレーヤがプレイ制限に従った行動を行わなかったと判定する。
特典処理部608は、特典に関する種々の処理を行う。例えば特典処理部608(特典処理部108。以下、同様)は、行動判定部606の判定結果に基づいて、下位プレーヤ及び上位プレーヤの少なくとも一方に対して特典を付与する処理を行う。例えばプレイ制限に従った行動を行ったと判定される下位プレーヤに特典を付与したり、グループを上手く指揮した上位プレーヤに特典を付与したり、下位プレーヤ及び上位プレーヤの両方に特典を付与する。特典は、例えばゲームプレイにおいてプレーヤを有利(優遇)にするためのものである。例えば特典はプレーヤに付与される報酬であり、一例としてはゲーム内通貨などの仮想通貨である。また特典は、プレーヤのゲームプレイをより有利に進めることを可能にするようなアイテム、キャラクタ等のゲーム要素である。例えば特典は、通常は課金アイテムとして取得されるレアアイテムやレアキャラクタなどである。また特典は、例えばガチャなどの仮想抽選器による抽選処理においてプレーヤを有利にするような特典であってもよい。また特典は、当該特典を獲得することでプレーヤがプレイ可能になる特別ステージ、特別シナリオ又は特別イベントなどであってもよい。プレーヤに特典が付与されると、付与された特典についての情報が、例えばユーザID(ユーザ情報)に関連づけて特典情報記憶部674に記憶される。
ここでプレイ制限は、プレーヤが使用するキャラクタの選択、プレーヤの行動エリア、プレーヤのアイテム購入、及びプレーヤが実行可能なコマンドの少なくとも1つについての制限である。プレーヤが使用するキャラクタの選択の制限とは、プレーヤがゲームにおいて使用するゲームプレイ要素であるキャラクタを、他のプレーヤに比べて制限することである。例えばゲームプレイの開始前などにおいて、キャラクタの選択画面が表示される場合に、プレイ制限された下位プレーヤは、プレイ制限がされていない場合には選択できるキャラクタを、ゲームの使用キャラクタとして選択できなくなる。例えば、キャラクタ選択についてのプレイ制限が行われていない場合には、第1~第Nのキャラクタの中から使用キャラクタを選択できる場合に、プレイ制限されている下位プレーヤは、第1~第Nのキャラクタのうちの第1~第Mのキャラクタ(M<N)のキャラクタの中からしか使用キャラクタを選択できない。またプレーヤの行動エリアの制限とは、ゲームにおける行動範囲についての制限である。例えばプレーヤがキャラクタを使用してゲームをプレイする場合に、例えばゲームフィールド(ゲームマップ)でのキャラクタの行動エリアが制限される。例えばプレイ制限されていない場合には行動可能なエリアにおいて、プレイ制限されている下位プレーヤのキャラクタ等の行動が制限される。例えば当該エリアにキャラクタ等が侵入することが禁止されたり、移動速度が制限されるなどの所定の制限が加えられる。プレーヤのアイテム購入の制限とは、ゲームプレイ要素であるアイテムを例えば自由に購入(取得)できない制限である。例えば下位プレーヤがアイテムを購入する際には、上位プレーヤの承認が必要などのプレイ制限が課される。或いは下位プレーヤは、上位プレーヤと一緒にショップ(ゲーム空間の仮想的なショップ)に行かないとアイテムを購入できないなどのプレイ制限が課される。或いは、プレイ制限された下位プレーヤは、購入可能なアイテムの範囲が制限される。例えばプレイ制限が加えられていない場合には購入可能なアイテムを、プレイ制限された下位プレーヤは購入できなくなる。プレーヤが実行可能なコマンドの制限とは、プレーヤがゲームにおいて実行することができるコマンドについての制限であり、プレーヤが命令できるコマンドの種類又は数等についての制限である。例えばプレイ制限された下位プレーヤは、プレイ制限されていない場合には実行できるコマンドを、ゲーム中において実行できなくなる。例えば特定の種類のコマンドを実行することが制限されたり、ゲーム中において実行できるコマンドの数に対して制限が課される。例えばプレイ制限の制限度合いが高いほど、ゲームにおいてプレーヤをより有利にする種類のコマンドが制限されて実行できなくなる。例えばプレイ制限の制限度合いが高いと、攻撃力が高いコマンドや、強力なアビリティーを発動するコマンドの実行が制限される。或いは、プレイ制限の制限度合いが高いほど、ゲーム中において実行できるコマンドの数が少なくなる。このようにプレーヤの実行可能なコマンドを制限することで、ゲームでのプレーヤの行動を制限できるようになる。
またゲーム処理部610は、上位プレーヤを決定するためのゲームである第2のゲームの処理を行う。例えばゲーム処理部610は、グループ内のアイテムの階層の上下関係を決定するための第2のゲームの処理を行う。そして制限処理部604は、第2のゲームでのゲーム結果に基づいて、上位プレーヤを設定する。即ち、第2のゲームでのゲーム結果に基づいて、どのプレーヤを上位プレーヤに設定し、どのプレーヤを下位プレーヤに設定するかを決定する。例えばグループ内のプレーヤ同士が対戦して、勝利したプレーヤが上位プレーヤになり、敗北したプレーヤが下位プレーヤに設定される。或いは、第2のゲームでのゲーム成績を判断して、よりゲーム成績が高いプレーヤを上位プレーヤに設定し、ゲーム成績が低いプレーヤを下位プレーヤに設定してもよい。
また制限処理部604は、ゲームにおいて所与のイベントが発生した場合、或いはゲーム中の所与のタイミングにおいて、下位プレーヤのプレイ制限を行う。例えば、ゲーム中の全ての期間において、下位プレーヤに対するプレイ制限を行うのではなく、ゲームにおいて所与のイベントが発生した場合や、ゲーム中の所与のタイミングにおいて、例えば上位プレーヤによる下位プレーヤのプレイ制限が可能になるようにする。例えばゲーム中の仮想的なショップに、下位プレーヤ(プレーヤに対応するキャラクタ)が入って、アイテムの購入イベントが発生した場合に、下位プレーヤに対してアイテムの購入等についてのプレイ制限が行われる。或いは、ボードゲームなどにおいて、下位プレーヤが所与のマスに止まるというゲーム中のタイミングにおいて、上位プレーヤによる下位プレーヤに対するプレイ制限が行われる。
また制限処理部604は、下位プレーヤの階層レベル、上位プレーヤの階層レベル、及び上位プレーヤと下位プレーヤの階層レベル差の少なくとも1つに基づいて、プレイ制限の内容を決定する。プレイ制限の内容は、例えば下位プレーヤに課されるプレイ制限の種類や、プレイ制限の制限度合いや、或いは複数のプレイ制限の項目がある場合に、そのうちのどのプレイ制限を下位プレーヤに対して行うかなどである。例えば下位プレーヤの階層レベルが低い場合と高い場合とで、プレイ制限の内容を異ならせる。或いは上位プレーヤの階層レベルが低い場合と高い場合とで、プレイ制限の内容を異ならせる。或いは、上位プレーヤと下位プレーヤの階層レベルの相対的な差である階層レベル差に応じて、プレイ制限の内容を異ならせる。例えば下位プレーヤの階層レベルが低いほど、或いは上位プレーヤの階層レベルが高いほど、或いは上位プレーヤと下位プレーヤの階層レベル差が大きいほど、より制限が厳しくなる種類のプレイ制限を下位プレーヤに課したり、プレイ制限の制限度合いを高めたり、或いは、複数のプレイ制限の項目がある場合に、より多くの項目のプレイ制限を下位プレーヤに課すようにする。
また特典処理部608は、特典の付与処理として、アイテムの付与処理、ゲームパラメータの変化処理、及び抽選処理のパラメータ(抽選確率等)の変化処理の少なくとも1つを行う。アイテム(ゲームアイテム、ゲーム媒体)は、ゲームに使用可能な表示物であり、ゲームプレイの要素となるものある。ゲームパラメータは、ゲーム処理に使用される各種のパラメータであり、例えばキャラクタのパラメータやプレーヤに対して直接に関連づけられたパラメータである。抽選処理は、例えばガチャなどの仮想抽選器を用いて行われる抽選処理である。
例えば特典処理部608は、特典の付与処理として、プレーヤをゲームにおいてより有利にするアイテムや、プレーヤをより優遇するアイテムを付与する。例えば、レアアイテムなどの価値が高いアイテムを付与する。例えば、通常は課金をすることによってしか手に入らないアイテム(課金アイテム)をプレーヤに付与する。或いは、プレーヤがゲームにおいてより有利になるように、或いはプレーヤをより優遇するように、プレーヤのゲームプレイの際に使用されるゲームパラメータを変化させる。例えばプレーヤが使用するキャラクタの能力パラメータやステータスパラメータを、プレーヤがより有利になるように変化させる。或いは、ガチャなどの仮想抽選器での抽選処理のパラメータを変化させる特典を付与する。例えばレアアイテムやレアキャラクタの抽選確率などの抽選処理のパラメータを変化させる特典を、プレーヤに付与する。例えばレアアイテムやレアキャラクタの抽選確率が高くなる特典をプレーヤに付与する。なおガチャは、いわゆるボックスガチャであってもよく、この場合には、抽選処理のパラメータの変化処理として、レアアイテムやレアキャラクタの個数が多いボックスが選ばれるようにする処理を行えばよい。例えば、ボックスガチャのボックスのテーブルを選択するパラメータの変化処理を行えばよい。また特典処理部608は、ゲームプレイにおいてプレーヤをより有利にする特典の付与処理として、プレーヤのゲーム進行をより有利にするようなステージやイベントの発生処理を行ってもよい。
またゲーム処理部610は、下位プレーヤのプレイ制限を越えたプレイを許容するゲーム処理を行う。例えば上位プレーヤによる下位プレーヤのプレイ制限が行われた場合に、ゲーム処理部610は、プレイ制限の対象となるゲームプレイを何らかの形で制限しながらも、下位プレーヤが当該ゲームプレイを行うことを完全には禁止しないようにする。例えば下位プレーヤが使用するキャラクタの選択についてのプレイ制限が行われた場合に、プレイ制限により選択できないキャラクタについても、例えば下位プレーヤが課金に対して対価を支払ったり、下位プレーヤのゲームプレイが所定条件を満たした場合(ゲームレベルが所定レベルになったり、ゲーム成績が所定の成績になった場合)には、当該キャラクタの選択を可能にする。或いは、ペナルティ要素を付与するなどの不利な条件を下位プレーヤに課すことを条件に、当該キャラクタの選択を可能にする。下位プレーヤの行動エリアについてのプレイ制限が行われた場合に、プレイ制限により移動等の行動が制限されたエリアにおいても、例えば下位プレーヤが課金に対して対価を支払った場合や、下位プレーヤのゲームプレイが所定条件を満たした場合に、当該エリアでの行動を可能にする。或いは、ペナルティ要素の付与や移動速度制限などの不利な条件を下位プレーヤに課すことを条件に、当該エリアでの行動を可能にする。或いは、下位プレーヤのアイテム購入についての制限が行われた場合に、購入が制限されたアイテムについても、通常よりも多くのゲーム内通貨を支払ったり、下位プレーヤのゲームプレイが所定条件を満たした場合には、当該アイテムを購入可能にする。或いは、購入日時の制限や購入数の制限などの不利な条件を課すことを条件に、アイテムを購入可能にする。
またゲーム処理部610は、下位プレーヤが所定のゲーム条件を満たした場合に、下位プレーヤのプレイ制限を越えたプレイを許容するゲーム処理を行う。例えばプレイ制限された下位プレーヤが、ゲームにおいて特定の行動を行うと、所定のゲーム条件が満たされて、プレイ制限を超えたゲームプレイが可能になる。例えばプレイ制限された下位プレーヤが、特定の行動として、所定のアイテムを使用したり、使用キャラクタを別のキャラクタに変更したり、或いはゲームにおいて所定のミッションをクリアすると、所定のゲーム条件が満たされて、プレイ制限を超えたゲームプレイが可能になる。或いは、下位プレーヤにプレイ制限が課されているときに、ゲーム状況が所定のゲーム状況になった場合に、所定のゲーム条件が満たされて、プレイ制限を超えたゲームプレイが可能になる。例えば、所定のゲーム状況として、ゲームにおいて特定のイベントが発生したり、ゲームの進行状況が所定の状況になったり、或いはプレーヤのゲームプレイ状況が所定の状況になった場合に、下位プレーヤは、プレイ制限を超えたゲームプレイが可能になる。
また制限処理部604は、プレイ制限を超えたプレイを行ったと判定された下位プレーヤに対して、ペナルティ要素を付与する処理を行う。即ち上述のように、ゲーム処理部610は、下位プレーヤのプレイ制限を越えたプレイを許容するゲーム処理を行うが、プレイ制限を越えたプレイを行った下位プレーヤに対しては、その代償としてペナルティ要素を付与する。ペナルティ要素は、ゲームにおいてプレーヤをより不利にしたり、不遇にするゲーム要素であり、特典とは逆の効果を奏するゲーム要素である。例えば制限処理部604は、下位プレーヤがプレイ制限を超えたプレイを行った場合には、プレイ制限を超えたプレイを行わなかった場合に比べて、ゲーム終了時でのゲームのレベルのランクアップ率を下げたり、ゲームの勝利により得られるゲームポイントやゲーム内通貨を減らすなどの処理を行うことで、ペナルティ要素を付与する。例えばプレイ制限を超えたプレイを行った場合には、付与される特典の価値を下げてもよい。
また制限処理部604は、プレイ制限の変更処理を行う。プレイ制限の変更処理は、プレイ制限の内容についての変更処理、プレイ制限の種類についての変更処理、プレイ制限の制限の程度についての変更処理、或いはプレイ制限を無効にする変更処理などである。例えば制限処理部604は、プレイ制限の変更条件が満たされた場合に、プレイ制限の変更処理を行う。例えば下位プレーヤのプレイ制限が行われた場合にも、下位プレーヤが、課金アイテムを購入するなどして課金に対して対価を支払うと、プレイ制限の内容や種類を変更したり、プレイ制限の制限度合い変更したり、或いはプレイ制限を無効にするなどのプレイ制限の変更処理を行う。或いは、下位プレーヤが、ゲーム内通貨を支払ったり、ゲームポイントを消費したり、又はプレーヤのゲームプレイが所定条件を満たした場合には、プレイ制限の内容や種類を変更したり、プレイ制限の制限度合いを低めたり、或いはプレイ制限を無効にするなどのプレイ制限の変更処理を行う。
また制限処理部604は、グループのゲーム結果が所定条件を満たさなかった場合に、上位プレーヤにペナルティ要素を付与する処理、及び上位プレーヤのゲームパラメータを変更する処理の少なくとも一方を行う。グループのゲーム結果が所定条件を満たさなかった場合とは、例えばグループがゲームの勝利条件を満たさなかった場合(敗北条件を満たした場合)、グループがゲームの目標を達成できなかった場合、グループのゲームの目標の達成度合いが所定の達成度を満たさなかった場合、或いはグループのゲーム成績(獲得ポイント、獲得レベル等)が所定の成績に達しなかった場合などである。このような場合には、制限処理部604は、グループを指揮した上位プレーヤに対してペナルティ要素を付与する処理を行ったり、上位プレーヤの各種のゲームパラメータを、上位プレーヤがゲームにおいてより不利になるように変更する処理を行う。例えばグループのゲーム結果が所定条件を満たさなかった場合に、ゲーム終了時での上位プレーヤのレベルのランクアップ率を下げたり、ゲームの勝利により上位プレーヤが得られるゲームポイント又はゲーム内通貨を減らすなどの処理を行うことで、ペナルティ要素を付与する。或いは上位プレーヤの使用キャラクタの攻撃力や防御力などの能力パラメータを減少させたり、ステータスパラメータをゲームにおいて不利なステータスになるように変化させるゲームパラメータの変更処理を行う。
また制限処理部604は、プレイ制限の状況及びゲーム状況の少なくとも一方に応じて、上位プレーヤに対する下位プレーヤの評価パラメータの設定処理を行う。プレイ制限の状況は、下位プレーヤに課されたプレイ制限の内容、プレイ制限の種類、又はプレイ制限の制限度合いに関する状況である。ゲーム状況は、例えばゲームの進行状況、又はゲームの達成度(ゲームのクリア状況、獲得ポイント)の状況などである。例えばゲーム状況は、キャラクタを用いたゲームでは、ゲームにおけるキャラクタの状況や、キャラクタのステータスパラメータ等に基づき特定される状況などである。評価パラメータは、自身にプレイ制限を課している上位プレーヤに対する下位プレーヤの評価を表す指標パラメータである。この評価パラメータは、上位プレーヤに対する下位プレーヤの不満度を表すパラメータでもある。例えば上位プレーヤが下位プレーヤに対して、どのような内容、種類又は制限度合いのプレイ制限を課しているかに応じて、上位プレーヤに対する下位プレーヤの評価パラメータ(不満度パラメータ)を変化させる。或いは、下位プレーヤなどのプレーヤのゲーム状況やチームのゲーム状況に応じて、上位プレーヤに対する下位プレーヤの評価パラメータ(不満度パラメータ)を変化させる。
また制限処理部604は、評価パラメータに応じて、グループ内の他のプレーヤにペナルティ要素を付与する処理、及び他のプレーヤのゲームパラメータを変更する処理の少なくとも一方を行う。他のプレーヤは上位プレーヤであってもよいし、他の下位プレーヤであってもよい。例えば上位プレーヤに対する下位プレーヤの評価パラメータ(不満度パラメータ)に応じて、上位プレーヤ等に対してペナルティ要素を付与する処理を行ったり、上位プレーヤ等のゲームパラメータを変化させる処理を行う。例えば制限処理部604は、評価パラメータにより表される評価が低かった場合(不満度が高かった場合)には、上位プレーヤ等に対してペナルティ度の高いペナルティ要素を付与する処理を行ったり、上位プレーヤ等がより不利になるようにゲームパラメータを変化させる処理を行う。
また制限処理部604は、グループのゲーム結果が所定条件を満たした場合に、上位プレーヤの評価パラメータを上昇させる処理を行う。グループのゲーム結果が所定条件を満たした場合とは、例えばグループがゲームの勝利条件を満たした場合(敗北条件を満たさなかった場合)、グループがゲームの目標を達成した場合、グループのゲームの目標の達成度合いが所定の達成度合いを越えた場合、或いはグループのゲーム成績(獲得ポイント、獲得レベル等)が所定の成績を越えた場合などである。このような場合には、上位プレーヤの評価パラメータを上昇させて、上位プレーヤに対する評価を高い評価にする。
また制限処理部604は、上位プレーヤに対応づけられたプレイ制限用パラメータの消費を条件に、上位プレーヤによる下位プレーヤのプレイ制限を許可する。例えば、各上位プレーヤに対してはプレイ制限用パラメータが対応づけられる。このプレイ制限用パラメータの情報はパラメータ記憶部673に記憶される。そして制限処理部604は、上位プレーヤが下位プレーヤに対するプレイ制限を要求した場合に、当該上位プレーヤに対応づけられたプレイ制限用パラメータの消費(パラメータ値の減少)を条件に、下位プレーヤに対するプレイ制限を許可する。例えば上位プレーヤの持ち点として与えられたプレイ制限用のパラメータの値を減少させることを条件として、下位プレーヤに対するプレイ制限を許可する。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。なお、以下では複数のプレーヤが属するグループが、対戦ゲームや協力プレイゲームにおけるチームである場合について主に例にとり説明する。また複数のプレーヤがプレイするゲームが、ネットワークを利用したネットワークゲームである場合を主に例にとり説明する。但し、本実施形態におけるグループはチームには限定されず、本実施形態の対象となるゲームもネットワークゲームには限定されない。
2.1 プレイ制限による特典の付与処理
複数のプレーヤでチームを組んで対戦等を行うゲームにおいては、ネットワーク上でマッチングされただけのプレーヤ同士では、チームの各プレーヤがバラバラに行動してしまい、チームプレイを考えた行動を皆ですることが難しいという課題があった。そこで本実施形態のゲームシステムでは、チームを勝利させるために、上位階層のプレーヤ(強いプレーヤ)である上位プレーヤには、下位階層のプレーヤ(弱いプレーヤ)である下位プレーヤに対して所定のプレイ制限を加えることを可能にする。そして下位プレーヤがそのプレイ制限を守って行動すると、チームの勝利時に所定の特典(恩恵、報酬)が得られるようするゲームシステムを実現する。
例えば図4では、ネットワークゲームにおいて参加プレーヤのマッチング処理が行われている。例えばネットワーク上の不特定多数のプレーヤの中から、所定のマッチング条件に合致するプレーヤを抽出することで、ゲームに参加するプレーヤが選択される。本実施形態で説明するゲームでは、参加プレーヤ数は6人であり、そのうちの3人のプレーヤは、例えばチームレッドと呼ばれるチーム(第1のチーム)に所属し、他の3人のプレーヤは、例えばチームブルーと呼ばれるチーム(第2のチーム)に所属する。そして、チームレッドとチームブルーの間での対戦ゲームが行われる。なお各チームには、ボット(bot)と呼ばれるAIプレーヤが所属できるようにしてもよい。
そして、このような参加プレーヤのマッチング処理が行われた後に、本実施形態では、チーム内の上位プレーヤが設定される。例えば図5では、チームレッドの中では、「ヨシダ」という名前のプレーヤが上位プレーヤに設定され、他の2人のプレーヤは、下位プレーヤに設定されている。ここでは当該ゲームでのプレーヤのレベルに基づいて、チーム内の各プレーヤの階層レベルが判断されて、上位プレーヤが設定されている。例えば上位プレーヤに設定された「ヨシダ」は、当該ゲームのレベルが他のプレーヤに比べて高く、ランクが高いプレーヤである。即ち、他のプレーヤに比べて当該ゲームの戦略などを熟知しており、上級者のプレーヤである。このように本実施形態では、複数のプレーヤがチーム(広義にはグループ)に属してプレイを行うゲームにおいて、チーム内のプレーヤの階層レベルを判断して上位プレーヤが設定される。なお、上位プレーヤの設定は、このようなゲームのレベルに基づく設定手法には限定されない。例えば後述するようにプレーヤの階層レベルを決定するためのゲームをプレーヤにプレイさせて、そのゲームでの結果に基づいてチーム内の階層レベルを判断して、上位プレーヤを設定してもよい。或いは、プレーヤの階層レベルを階層構造のデータとして記憶しておき、この階層構造のデータに基づいて、チーム内のプレーヤの階層レベルを判断して、上位プレーヤを設定してもよい。
そして図5では、「ヨシダ」というプレーヤが上位プレーヤに設定されており、この上位プレーヤの指揮に従うことが、他のプレーヤに報知されている。即ち、下位プレーヤは、上位プレーヤにより、そのゲームプレイが制限され、上位プレーヤの指揮に従うことが要求される。即ち、上位プレーヤによる下位プレーヤに対するゲームでのプレイ制限の設定処理が行われる。例えば上位プレーヤの指示により、チーム内の下位プレーヤに対してゲームでのプレイ制限が課される。
ここで下位プレーヤに課されるプレイ制限は、例えばプレーヤが使用するキャラクタの選択や、プレーヤの行動エリアや、プレーヤのアイテム購入や、プレーヤの実行可能なコマンドについてのプレイ制限である。図6は、プレーヤが使用するキャラクタの選択に対するプレイ制限を説明する図である。図6はチームレッドに属する「タナカ」というプレーヤのキャラクタ選択画面の例である。図5に示すように、「タナカ」は、上位プレーヤである「ヨシダ」に従属する下位プレーヤに設定されている。このため下位プレーヤである「タナカ」は、ゲームでの使用キャラクタとして選択可能なキャラクタが、ゲーム選択画面の枠内に表示されるキャラクタに制限されている。即ち、プレイ制限されていない場合には選択できるキャラクタを、プレイ制限されている下位プレーヤは選択することができない。一方、上位プレーヤである「ヨシダ」に対しては、このようなプレイ制限は行われておらず、図6の枠内のキャラクタに限定されることなく自由にキャラクタを選択できる。
例えば本実施形態のゲームでは、プレーヤが選択可能なキャラクタとして、戦士、魔法使い、僧侶などのタイプのキャラクタが用意されている。戦士のタイプのキャラクタは直接攻撃の戦闘力が強く、魔法使いのタイプのキャラクタは、様々な魔法を使うことができる。僧侶のタイプのキャラクタは、自身のキャラクタや味方のキャラクタを回復させる能力に優れている。そしてチームとしてゲームに勝利するためには、チームを構成する3人のキャラクタが全て同じタイプのキャラクタであることは好ましくなく、戦士、魔法使い、僧侶の全てのタイプのキャラクタが揃っていることが望ましい。しかしながら、ゲームに慣れていなく、ゲームのレベルが低い初級プレーヤは、使い慣れている戦士のキャラクタばかりを選んでしまったり、人気のあるキャラクタばかりを選んでしまう傾向にある。このため、図4のマッチング処理の後、キャラクタの選択画面に移行すると、3人のプレーヤの全てが、戦士などの同じタイプのキャラクタを選んでしまったり、人気のある同じキャラクタを選んでしまうというような事態が生じる。そこで本実施形態では、上位プレーヤが、下位プレーヤのキャラクタ選択に対してプレイ制限を加えることを可能にしている。このようにすれば、例えば上位プレーヤが、戦士のキャラクタを選択し、他の下位プレーヤが、魔法使いや僧侶のキャラクタを選択するように、プレイ制限することが可能になる。
図7は本実施形態のゲームで使用されれるゲームフィールド(ゲームマップ)の例である。ゲームフィールドには、チームレッドの本拠地と、チームブルーの本拠地と、これらの本拠地を結ぶメインエリアと、メインエリアの上下に配置されるサブエリアが設けられている。メインエリアは、ゲームの主戦場であり、レッド側エリアと、ブルー側エリアと、その間のセンターエリアを有する。サブエリアには、ショップや重要エリアが配置されている。チームレッド、チームブルーの各本拠地が配置される陣地にもショップが配置されている。これらのショップにおいてはプレーヤは各種のアイテムを購入できる。
サブエリアは、ゴールドと呼ばれるゲーム内通貨を獲得するためのエリアである。プレーヤは、自身の分身であるキャラクタを操作して、サブエリアに出現するモンスターを倒すことで、ゴールドを獲得する。プレーヤは、獲得したゴールドを消費することで、各ショップにおいて、ゲームを優位に進めるためのアイテムを購入できる。サブエリアの重要エリアには、ゴールドを発掘するモンスターが配置されおり、ゲームの戦略的に重要なエリアになる。メインエリアには、複数の重要拠点が配置されており、チームレッド、チームブルーの各チームは、これらの重要拠点の各拠点を攻略して行く。そして最終的に敵チームの本拠地を攻略したチームが勝利になる。
そして本実施形態では、上位プレーヤは下位プレーヤに対して、図7のゲームフィールドにおけるプレーヤの行動エリアについてのプレイ制限を加えることができるようになっている。例えば図8では、下位プレーヤのキャラクタCHBは、サブエリアにおいては行動可能であるが、メインエリアへの移動は禁止され、メインエリアでは行動できないようにするプレイ制限が加えられている。或いはメインエリアに移動できるが、メインエリアでの移動速度を大幅に下げるなどのプレイ制限を加えてもよい。
例えば、このゲームでは、ゲーム前半においてはサブエリアでモンスターを倒してゴールドを効率的に獲得することが重要である。そして獲得したゴールドで、ゲームに有効なアイテムを購入し、購入したアイテムを上手く利用して、各重要拠点を攻略し、最終的に敵の本拠地を攻略するというようなゲーム戦略が重要になる。ところが、ゲームに慣れていない初心者等の初級プレーヤは、例えばゲームの序盤からメインエリアに侵攻してしまうというような、ゲーム戦略を無視した勝手な行動をとってしまう。このような勝手な行動がなされると、チームとしての勝利が遠ざかる。そこで本実施形態では、上位プレーヤが、下位プレーヤの行動エリアに対してプレイ制限を加えることを可能にしている。例えば図8に示すように、主戦場であるメインエリアにおいて下位プレーヤが行動することを制限できるようにする。このようにすることで、下位プレーヤがゲーム戦略を無視したような勝手な行動をとってしまう事態を防止できる。
図9(A)は、ショップでのアイテム購入画面の例である。各プレーヤはゲームフィールド上の仮想的なアイテムのショップに入ることで、種々のアイテムを購入できる。例えば図9(A)では、下位プレーヤが、武器のアイテムの中から所望のアイテムを購入しようとしている。この場合に、アイテムの購入には上位プレーヤの決済が必要である旨が表示される。そして下位プレーヤが決済のタブを選択すると、図9(B)に示すような決済画面が上位プレーヤの端末装置に対して表示される。そして、この決済画面において、下位プレーヤによる購入を上位プレーヤが承認することで、下位プレーヤは、自身が所望するアイテムを購入できる。このように図9(A)、図9(B)では、上位プレーヤは、下位プレーヤに対して購入アイテムについてのプレイ制限を加えることができる。
例えば本実施形態のゲームでは、サブエリアでモンスターを倒すことでゴールドを獲得し、獲得したゴールドを用いて、ゲームを有利に進めるのに効果的なアイテムを購入することが、ゲーム戦略上、重要になっている。ところが、ゲームに慣れていない初級プレーヤは、このようなゲーム戦略を無視するようなアイテム購入を行ってしまう。このような勝手なアイテムの購入がなされると、限られた貴重なゲーム内通貨であるゴールドが無駄に消費されてしまい、チームとしての勝利が遠ざかる。そこで本実施形態では、上位プレーヤが、下位プレーヤのアイテム購入に対してプレイ制限を加えることを可能にしている。このようにすることで、ゴールドが無駄に消費されて、ゲームを有利に進めるのに効果的ではないアイテムが下位プレーヤによって購入されてしまうような事態を防止できる。
また本実施形態では、上位プレーヤは下位プレーヤに対して、実行可能なコマンドについてのプレイ制限を加えることができる。例えばプレイ制限されていなければ実行可能なコマンドも、プレイ制限されていると実行できなくなる。例えば上位プレーヤは、特定の種類のコマンドを実行できなくするように下位プレーヤのプレイ制限を行う。例えばゲーム戦略上、下位プレーヤにより実行されてしまうのが好ましくない種類のコマンドについて、下位プレーヤが勝手に実行できないように、プレイ制限を課す。或いは、下位プレーヤの実行可能なコマンドの数についても制限し、初級プレーヤである下位プレーヤがむやみにコマンドを実行してしまうような事態を防止する。
以上のように本実施形態では、チーム内のプレーヤの階層レベルを判断して上位プレーヤを設定し、上位プレーヤによるチーム内の下位プレーヤに対するゲームでのプレイ制限を行う。例えば図6~図9(B)で説明したように、プレーヤが使用するキャラクタの選択、プレーヤの行動エリア、プレーヤのアイテム購入、或いはプレーヤの実行可能なコマンドについてのプレイ制限を、上位プレーヤは下位プレーヤに対して加えることができる。即ち、このようなプレイ制限を行うことの権限を、上位プレーヤに付与する。そして本実施形態では、下位プレーヤが、このようなプレイ制限に従って行動したか否かを判定する。例えばプレイ制限を超えたプレイが許容される場合には、下位プレーヤのゲームプレイがプレイ制限を越えた度合いを判断することで、プレイ制限に従って行動したかどうかを判定できる。またプレイ制限は、プレーヤに選択権や拒否権のない強制的なプレイ制限であってもよい。この場合には、例えば下位プレーヤがチームから離脱することなく最後までゲームをプレイした場合に、プレイ制限に従った行動を行ったと判定できる。そしてこのような行動の判定結果に基づいて、下位プレーヤや上位プレーヤに対して特典を付与する。例えばプレイ制限に従った行動を行ったと判定される下位プレーヤに特典を付与したり、グループを上手く指揮した上位プレーヤに特典を付与したり、下位プレーヤ及び上位プレーヤの両方に特典を付与する。例えばゲームプレイにおいてプレーヤを有利にしたり、プレーヤを優遇するような特典を付与する。特典は、ゲーム内通貨などの仮想通貨であってもよいし、レアアイテムやゲームカードなどのゲーム要素であってもよい。或いはガチャなどの仮想抽選器による抽選処理においてプレーヤを有利にするような特典を付与してもよい。或いは、特別ステージ、特別シナリオ又は特別イベントなどをプレイ可能にするような特典であってもよい。
具体的には本実施形態では、特典の付与処理として、アイテムの付与処理、ゲームパラメータの変化処理、或いは抽選処理のパラメータの変化処理を行う。例えば図10ではチームレッドが勝利している。具体的には図7においてチームレッドのプレーヤが、チームブルーの本拠地の攻略に成功して、チームとしてゲームに勝利している。そして図10に示すように、下位プレーヤがプレイ制限に従った度合いを表す従属度は100%であり、当該下位プレーヤはプレイ制限に従った行動を行ったと判定されている。この場合には下位プレーヤに対して特典が付与される。或いはチームレッドを率いて勝利に導いた上位プレーヤに対しても特典を付与してもよい。例えば図10では、特典として、レアアイテムであるレアクリスタルが付与されている。即ち、特典の付与処理として、アイテムの付与処理が行われている。また仮想抽選器であるガチャにおいて抽選確率がアップするボーナスガチャ券が、特典として付与されている。即ち特典の付与処理として、抽選処理のパラメータ(抽選確率)の変化処理が行われている。なおガチャにおける抽選確率を直接に変化させるような抽選処理のパラメータの変化処理ではなく、例えばボックスガチャにおいて、レアアイテムやレアキャラクタの個数が多いボックスのテーブルが選ばれるようにする抽選処理のパラメータの変化処理を行ってもよい。
また図11では、チームレッドが勝利し、チームレッドの下位プレーヤのプレイ制限に対する従属度が100%であったため、例えばチームレッドに所属する下位プレーヤの実績パラメータがアップしている。或いはチームレッドを率いて勝利に導いた上位プレーヤの実績パラメータをアップするようにしてもよい。
例えばソーシャルゲームや家庭用ゲームなどでは、実績と呼ばれるシステムが採用されている。具体的にはGoogle Play(登録商標)やXBOX(登録商標)などにおける実績のシステムである。なお実績は、例えばPlayStation(登録商標)におけるトロフィーとも呼ばれるものであってもよい。そして図11では、下位プレーヤがプレイ制限に従った行動を行って、チームが勝利したため、ゲームの実績を達成(アンロック)したと判断されて、実績のパラメータがアップしている。このように図11では、特典の付与処理として、ゲームパラメータである実績パラメータの変化処理が行われている。なおゲームパラメータの変化処理は、このような実績パラメータの変化処理には限定されず、プレーヤがゲームにおいてより有利になるように変化させるゲームパラメータの変化処理であればよい。例えば特典の付与処理として、プレーヤが使用するキャラクタの能力パラメータやステータスパラメータなどのゲームパラメータを変化させる処理を行ってもよい。即ち特典の付与処理として、ゲーム処理に使用される各種のゲームパラメータの変化処理を行う。
以上のように本実施形態では、チーム(グループ)における下位プレーヤに対してゲームでのプレイ制限を行い、下位プレーヤがプレイ制限に従った行動を行うと、プレイ制限に従った下位プレーヤや、チームを率いた上位プレーヤに対して、図10、図11に示すような報酬である特典を付与する。即ち、複数のプレーヤでチームを組んで対戦等を行うゲームにおいて、ネットワーク上でマッチングされただけのプレーヤ同士ではバラバラに行動してしまい、チームプレイを考えた行動を皆で行うことが難しいという課題があった。この点、本実施形態のゲームシステムは、チームを勝利させるために、上位プレーヤが、下位プレーヤに対して所定の制限を加えることを可能にする。そして下位プレーヤがその制限を守って行動すると、チームの勝利時などにおいて、所定の恩恵や報酬である特典を付与する。このように本実施形態では、下位プレーヤに対してプレイ制限を課すことで、例えばゲーム戦略等を理解していない初級プレーヤが勝手な行動をとってしまい、チームが勝利できなくなってしまうという問題を解決できる。そして、上位プレーヤによるプレイ制限に従った下位プレーヤに対して、プレイ制限に従ったことの見返りとなる特典を付与することで、下位プレーヤの不満等も解消できるようになる。また下位プレーヤに加えて、上級プレーヤである上位プレーヤに対しても特典を付与すれば、チームを率いた上位プレーヤに対しても報いることができる。これにより、チーム内の各プレーヤが、チームを勝利に導くような行動をとるようになり、チームが勝利することなどにより、結果として、ゲームに対する各プレーヤの満足度や熱中度を高めることができ、これまでにないゲームシステムの実現が可能になる。
2.2 種々の処理例
次に本実施形態の種々の処理例について説明する。本実施形態では、上位プレーヤを決定するためのゲームである第2のゲームの処理を行うようにしてもよい。例えば第2のゲームの処理を行い、この第2のゲームでのゲーム結果に基づいて、チームでの階層レベルを判断して、チームでの上位プレーヤを設定する。
例えば図12(A)では、プレーヤPLAとプレーヤPLCが対戦する第2のゲームが行われている。この第2のゲームでは、プレーヤPLAは5人の部下を配下にしており、プレーヤPLCは10人の部下を配下にしており、これらの部下の人数も考慮して勝敗が決定される。具体的には図12(A)のF1に示すように、プレーヤPLAの攻撃の基準ポイントは、基礎点が10ポイントであり、部下の数が5人であることから、10ポイント+1ポイント×5人=15ポイントになる。またF2に示すように、プレーヤPLCの基準ポイントは、基礎点が10ポイントであり、部下の数が10人であることから、10ポイント+1ポイント×10人=20ポイントになる。更に、この第2のゲームでは、確率要素パラメータも加味して、対戦の勝敗判定処理を行っている。具体的にはF3に示すように、プレーヤPLA側の確率要素パラメータによる倍率が1.7倍となっており、高くなっている。一方、F4に示すように、プレーヤPLC側の確率要素パラメータによる倍数は1.0倍となっている。従って、プレーヤPLAの獲得ポイントは、1.7×15=25.5ポイントとなり、プレーヤPLCの獲得ポイントは、1.0×20=20ポイントとなるため、プレーヤPLAの勝利となる。そして、このようにプレーヤPLAが勝利すると、図12(B)に示すように、敗北したプレーヤPLCはプレーヤPLAの配下である部下になる。このように第2のゲームでは、基本的には、部下の人数が多い方のプレーヤが勝利になるが、これに加えて確率要素パラメータも勝敗に反映されるようになっている。
そして本実施形態では、プレーヤの階層構造データが用意されており、図12(A)に示すようなプレーヤ間の対戦が行われて、図12(B)に示すように階層構造の関係に変化が生じると、階層レベルを判断するための階層構造データの更新が行われる。これにより、図7のゲームフィールドを用いたゲームにおいては、プレーヤPLAが上位プレーヤに設定され、プレーヤPLCが下位プレーヤに設定される。即ち、チーム内のプレーヤの階層レベルを判断して上位プレーヤを設定する際に、図12(A)、図12(B)で更新された階層構造データが使用され、この階層構造データに基づく階層レベルの判断処理より、プレーヤPLAが上位プレーヤに設定され、プレーヤPLCが下位プレーヤに設定されるようになる。このようにすれば、第2のゲームでの勝敗結果に応じて、チーム内でのプレーヤ間の階層レベルを判断して、上位プレーヤを決定できるようになるため、ゲームの面白味やバラエティー度を増すことが可能になる。
また本実施形態では、ゲームにおいて所与のイベントが発生した場合や、或いはゲーム中の所与のタイミングにおいて、下位プレーヤのプレイ制限を行う。即ち、ゲームにおいて特定のイベントが発生した場合や、ゲーム中の特定のタイミングにおいて、上位プレーヤによる下位プレーヤのプレイ制限が可能になるようにする。例えば図9(A)、図9(B)では下位プレーヤがゲームフィールド上のショップを訪れることで、アイテムの購入イベントが発生している。そして、このようなアイテムの購入イベントが発生した場合に、下位プレーヤのアイテム購入についてのプレイ制限が行われる。また図8では、下位プレーヤのキャラクタCHBがメインエリアに移動したタイミングにおいて、下位プレーヤの行動エリアについてのプレイ制限が行われる。即ち、メインエリアへの移動タイミングが、ゲーム中の所与のタイミングであり、このタイミングにおいて下位プレーヤに対するプレイ制限が行われる。なお、これは、メインエリアへの移動イベントが発生したことにより、プレイ制限が行われたと言うこともできる。
また図13は、ボードゲームへの本実施形態の手法の適用例である。図13のボードゲームでは、各プレーヤは、仮想的なサイコロを振って、各プレーヤに対応するコマを進める。そして、コマが止まったマスでの指示に従って、様々なライフイベントを経験しつつ、ゴールを目指すゲームである。図13において、PLAは上位プレーヤに設定されており、PLB、PLCは下位プレーヤに設定されている。そして、例えば下位のプレーヤPLBのコマが特定のマスに止まったタイミングにおいて、下位のプレーヤPLBへのプレイ制限が行われる。即ち、特定のマスに止まったタイミングが、ゲーム中の所与のタイミングであり、このタイミングにおいて、上位のプレーヤPLAによる下位のプレーヤPLBへのプレイ制限が行われる。例えば、下位のプレーヤPLBは、この特定のマスに止まると、上位のプレーヤPLAの指示に従った行動を行うことが要求される。例えば、特定のマスに止まった場合には、上位のプレーヤPLAに対応する物件を購入できなかったり、通常は2個のサイコロを振れるのに、1個のサイコロしか振れないなどのプレイ制限が下位のプレーヤPLBに課される。そして、このようなプレイ制限に従った行動を下位のプレーヤPLBが行うことで、例えばゲーム終了時等に特典が付与されるようになる。以上のように、ゲームにおける特定のイベントの発生時や特定のタイミングにおいてプレイ制限を行うことで、特定のイベントや特定のタイミングに応じた適切なプレイ制限を下位プレーヤに課すことが可能になる。
また本実施形態では、下位プレーヤの階層レベル、上位プレーヤの階層レベル、及び上位プレーヤと下位プレーヤの階層レベル差の少なくとも1つに基づいて、プレイ制限の内容を決定する。例えば図14において、階層レベルHLBは、HLAよりも下位の階層レベルであり、階層レベルHLCは、HLBよりも下位の階層レベルであり、最も低い階層レベルである。即ち、HLA>HLB>HLCの関係が成り立っている。そして、例えば下位プレーヤの階層レベルがHLAであったとする。この場合には、図6で説明したキャラクタの選択についてのプレイ制限だけが下位プレーヤに対して課され、図8で説明した行動エリアについてのプレイ制限や、図9(A)、図9(B)で説明したアイテム購入についてのプレイ制限については課されない。また下位プレーヤの階層レベルが、階層レベルHLAよりも下位の階層レベルHLBである場合には、キャラクタ選択、行動エリアについてのプレイ制限は課されるが、アイテム購入についてのプレイ制限は課されない。また下位プレーヤの階層レベルが、階層レベルHLBよりも下位の階層レベルHLCである場合には、キャラクタ選択、行動エリア、アイテム購入の全てについてのプレイ制限が課される。即ち、下位プレーヤの階層レベルが低いほど、下位プレーヤに課されるプレイ制限の項目が増えており、下位プレーヤの階層レベルに応じてプレイ制限の内容が異なっている。或いは、上位プレーヤの階層レベルや、上位プレーヤと下位プレーヤの階層レベル差に応じて、プレイ制限の内容を異ならせてもよい。例えば上位プレーヤの階層レベルが高いほど、或いは上位プレーヤと下位プレーヤの階層レベル差が大きいほど、下位プレーヤに課されるプレイ制限の項目を増やすなどして、プレイ制限の内容を異ならせる。例えば上位プレーヤの階層レベルが最も高い場合や、上位プレーヤと下位プレーヤの階層レベル差が最も大きい場合には、キャラクタ選択、行動エリア、アイテム購入の全ての項目についてのプレイ制限を行う。そして上位プレーヤの階層レベルや上位プレーヤと下位プレーヤの階層レベル差が小さくなるにつれて、下位プレーヤに課されるプレイ制限の項目数を減らすようにする。また、下位プレーヤの階層レベルが低いほど、或いは上位プレーヤの階層レベルが高いほど、或いは上位プレーヤと下位プレーヤの階層レベル差が大きいほど、より制限が厳しくなる種類のプレイ制限を下位プレーヤに課したり、プレイ制限の制限度合いを高めてもよい。プレイ制限の制限度合いを高めるとは、例えば図6において下位プレーヤが選択可能なキャラクタの数や種類を減らしたり、図8において下位プレーヤが行動可能なエリアの数や種類を減らすことなどである。このように、下位プレーヤや上位プレーヤの階層レベル、或いは階層レベル差に応じて、プレイ制限の内容を異ならせることで、これらの階層レベルや階層レベル差を反映させた適切なプレイ制限を下位プレーヤに課すことが可能になる。
また本実施形態では、下位プレーヤのプレイ制限を越えたプレイを許容するゲーム処理を行う。例えば図15(A)、図15(B)では下位プレーヤに対して行動エリアについてのプレイ制限が行われている。具体的には、下位プレーヤのキャラクタCHBが、エリアARAから境界BDを越えてエリアARBに移動する行動に対して、プレイ制限が課されている。この場合に、キャラクタCHBのエリアARBへの移動を完全に禁止するのではなく、プレイ制限を超えてエリアARBに移動することを許容する。例えば図15(A)では、下位プレーヤのキャラクタCHBがエリアARBに移動することは許容されるが、エリアARBが移動禁止エリアである旨の警告がゲーム画面に表示される。このような警告表示を行うことで、エリアARBに移動することへの心理的な圧迫を下位プレーヤに対して行い、プレイ制限を超えた行動を行うことを心理的に制限している。また図15(B)では、下位プレーヤのキャラクタCHBがエリアARBに移動することは許容されるが、エリアARBでは、キャラクタCHBの移動速度が低下する。即ち、移動が許容されているエリアARAでは、通常の移動速度でキャラクタCHBは移動できるが、エリアARBでは、エリアARAでの移動速度よりも極めて低い移動速度でしか移動できないようにする。このように移動速度が低下することで、下位プレーヤは、エリアARBに移動して行動することを躊躇するようになる。また例えば図6のキャラクタ選択におけるプレイ制限を越えたプレイの許容としては、例えば課金に対する対価の支払いやペナルティ要素の付与などを条件に、下位プレーヤが枠外のキャラクタを選択することを許容することなどである。また図9(A)、図9(B)のアイテム購入におけるプレイ制限を越えたプレイの許容としては、例えば課金に対する対価の支払いやペナルティ要素の付与などを条件に、下位プレーヤが、上位プレーヤの決済を得ることなくアイテムを購入可能にすることなどである。このようにプレイ制限を越えたプレイを許容することで、下位プレーヤは、プレイ制限に従うことを完全には強要されないようになる。そして、ある程度の制限が課された状態で、自身の意思に従った行動が可能になり、下位プレーヤのゲームプレイの意欲が失われてしまうのを防止できるようになる。
また本実施形態では、下位プレーヤが所定のゲーム条件を満たした場合に、下位プレーヤのプレイ制限を越えたプレイを許容するゲーム処理を行う。例えばプレイ制限された下位プレーヤが、所定のゲーム条件に関連づけられた特定の行動を行うと、プレイ制限を越えたゲームプレイが許容されるようになる。例えば、下位プレーヤが、プレイ制限の解除の効果があるアイテムを使用したり、使用キャラクタを、プレイ制限が及ばないような種類のキャラクタにチェンジすることで、プレイ制限を超えたゲームプレイが可能になる。或いは、所定のゲーム条件に関連づけられたゲーム状況になった場合に、プレイ制限を超えた下位プレーヤのゲームプレイを許容してもよい。例えば、プレイ制限を解除するような特定のイベントが発生した場合や、下位プレーヤのゲーム進行状況やゲームプレイ状況が特定の状況になった場合に、プレイ制限を超えた下位プレーヤのゲームプレイを許容する。
また本実施形態では、プレイ制限を超えたプレイを行ったと判定された下位プレーヤに対して、ペナルティ要素を付与する処理を行う。例えばプレイ制限を越えたプレイを行った下位プレーヤに対しては、その代償としてペナルティ要素を付与する。例えば図15(B)では、行動エリアについてのプレイ制限に従わず、下位プレーヤのキャラクタCHBがエリアARBに移動している。この場合に、キャラクタCHBの移動速度を低下させるというペナルティ要素が付与されている。或いはプレイ制限を超えたプレイを行った場合に、ゲーム終了時でのレベルのランクアップ率を下げたり、チームの勝利により得られるゲームポイントやゲーム内通貨を減らすようなペナルティ要素の付与処理を行ってもよい。
図16は、ペナルティ要素の付与処理を説明するフローチャートである。まずゲーム処理を行い(ステップS1)、下位プレーヤがプレイ制限を超える行動を行った否かを判断する(ステップS2)。そしてプレイ制限を超える行動を行ったと判断された場合には、ペナルティパラメータの値をインクリメントする(ステップS3)。例えばキャラクタ選択、行動エリア又はアイテム購入などについてプレイ制限を超えた行動を行った場合には、ペナルティ要素についてのパラメータであるペナルティパラメータの値をインクリメントする。次に、ゲームが終了したか否かを判断する(ステップS4)。図7のゲームを例にとれば、どちらかのチームが敵の本拠地を攻略した場合にはゲームの終了となる。そして、ゲームが終了した場合には、下位プレーヤのペナルティパラメータの値がしきい値を超えたか否かを判断する(ステップS5)。即ち、ステップS3でインクリメントされたペナルティパラメータの値が、所定のしきい値を超えたか否かを判断する。そして、ペナルティパラメータの値がしきい値を超えた場合には、下位プレーヤに対するペナルティ要素の付与処理を行う(ステップS6)。即ち、下位プレーヤのプレイ制限を越えた行動を許容しながら、その越えた度合いを表すペナルティパラメータの値が、許容値であるしきい値を超えた場合に、当該下位プレーヤに対してペナルティを与える。
また本実施形態ではプレイ制限の変更処理を行う。例えば、プレイ制限の内容についての変更処理、プレイ制限の種類についての変更処理、プレイ制限の制限の程度についての変更処理、或いはプレイ制限を無効にする変更処理などを行う。このようなプレイ制限の変更処理を行うことで、種々の条件や状況に応じて、下位プレーヤに課されるプレイ制限の内容、種類、制限度合いや、プレイ制限の有効、無効を様々に変化させることが可能になり、多様な態様のプレイ制限を実現できるようになる。
図17は、プレイ制限の変更処理を含む本実施形態の詳細な処理例を説明するフローチャートである。まずゲームの参加プレーヤのマッチング処理を行う(ステップS11)。例えば図4で説明したように、ネットワークゲームにおける参加プレーヤを抽出して選択するためのマッチング処理を行う。次に、チームに属するプレーヤの階層レベルを判断して、上位プレーヤを設定する(ステップS12)。例えば図5で説明したように、マッチング処理により、同じチームに配属された複数のプレーヤのゲームレベル等の階層レベルを判断して、上位プレイを決定する処理を行う。そして、上位プレーヤによる下位プレーヤに対するゲームでのプレイ制限の設定処理を行う(ステップS13)。即ち、上位プレーヤが下位プレーヤに対してゲームでのプレイ制限を加えることを可能にするための処理を実行する。例えば上位プレーヤの指示により、下位プレーヤに対してプレイ制限を行う処理を実行する。具体的には、図6に示すようなキャラクタ選択におけるプレイ制限、図8に示すような行動エリアについてのプレイ制限、或いは図9(A)、図9(B)に示すようなアイテム購入についてのプレイ制限を行うためのプレイ制限の設定処理を実行する。
次にゲーム処理を行う(ステップS14)。例えばゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理や、開始したゲームを進行させる処理を実行する。そしてプレイ制限されている下位プレーヤが、課金アイテムを使用するなどして、プレイ制限の変更条件が満たされたか否かを判断する(ステップS15)。そしてプレイ制限の変更条件が満たされた場合には、プレイ制限の変更処理を行う(ステップS16)。例えば下位プレーヤのプレイ制限が行われた場合にも、下位プレーヤが、課金アイテムを購入したり、ゲーム内通貨を支払ったり、ゲームポイントを消費したり、或いは下位プレーヤのゲームプレイが所定条件を満たした場合には、プレイ制限の変更条件が満たされたと判断する。そしてプレイ制限の内容や種類を変更したり、プレイ制限の制限度合いを変更したり、或いはプレイ制限を無効にするなどのプレイ制限の変更処理を行う。
次にゲームが終了したか否かを判断する(ステップS17)。そしてゲームが終了した場合には特典の付与処理を行う。例えば図10、図11で説明したように、いずれかのチームが本拠地を攻略するなどして勝利することで、ゲームが終了すると、プレイ制限に従った下位プレーヤに特典を付与したり、或いはチームを率いた上位プレーヤに特典を付与する処理が行われる。
また本実施形態では、チーム(グループ)のゲーム結果が所定条件を満たさなかった場合に、上位プレーヤにペナルティ要素を付与する処理、及び上位プレーヤのゲームパラメータを変更する処理の少なくとも一方を行う。例えばチームが勝利できなかった場合、目標を達成できなかった場合、目標の達成が不十分であった場合、或いはゲーム成績が所定の成績に達しなかった場合などして、ゲーム結果が所定条件を満たさなかったとする。この場合には、上位プレーヤにペナルティ要素を付与したり、上位プレーヤのゲームパラメータを変更する処理を行う。例えばゲーム終了時におけるレベルのランクアップ率を下げたり、付与されるゲームポイントやゲーム内通貨を減らすなどのペナルティ要素の付与処理を行う。或いは上位プレーヤのキャラクタの能力パラメータを減少させるなどして、ゲームにおいてより不利になるようにゲームパラメータの変更処理を行う。このようにすれば、上位プレーヤに対してペナルティ要素を付与したり、ゲームパラメータを変更するなどして、チームのゲーム結果が所定条件を満たさなかったことの代償を、チームを率いた上位プレーヤに対して課すことが可能になる。
図18は、チームのゲーム結果に応じた特典の付与処理やペナルティの付与処理を説明するフローチャートである。図18のステップS21~S24は図17のステップS11~S14と同様であるため説明を省略する。図18のステップS25でゲームが終了したか否かが判断され、ゲームが終了した場合には、チームが勝利するなどしてチームのゲーム結果が所定条件を満たしたか否かを判断する(ステップS26)。図7のゲームを例にとれば、自身のチームが敵チームの本拠地を攻略すると、自身のチームの勝利となり、ゲーム結果が所定条件を満たしたと判断する。或いはゲームの目標であるミッションを達成したり、目標の達成度合いが所定の達成度合いを越えた場合や、ゲーム成績が所定の成績を越えた場合に、チームのゲーム結果が所定条件を満たしたと判断する。そしてチームのゲーム結果が所定条件を満たした場合には、特典の付与処理を行う(ステップS27)。例えばプレイ制限に従った下位プレーヤに特典を付与したり、チームを率いた上位プレーヤに特典を付与する処理を行う。一方、チームが敗戦したり、目標であるミッションを達成できなかったり、目標の達成度合いやゲーム成績が不十分であった場合には、チームのゲーム結果が所定条件を満たしていないと判断する。そして、この場合には、上位プレーヤへのペナルティ要素の付与処理や、上位プレーヤのゲームパラメータの変更処理を行う(ステップS28)。即ち、チームのゲーム結果が所定条件を満たさなかったことの代償を上位プレーヤに課すための処理が実行される。
また本実施形態では、プレイ制限の状況及びゲーム状況の少なくとも一方に応じて、上位プレーヤに対する下位プレーヤの評価パラメータの設定処理を行う。例えばプレイ制限の内容、種類又は制限度合いに関する状況であるプレイ制限の状況や、ゲームの進行状況、又はゲームの達成度の状況などのゲーム状況に応じて、上位プレーヤに対する下位プレーヤの評価パラメータが設定される。即ち、上位プレーヤに対する下位プレーヤの評価を表す指標パラメータの設定処理が行われる。このようにすることで、プレイ制限が課された下位プレーヤによる上位プレーヤに対する評価処理を実現できるようになり、上位プレーヤに対する下位プレーヤの評価や不満度などを、この評価パラメータにより数値的に定量化できるようになる。そして本実施形態では、このようにして設定された評価パラメータに応じて、チーム内の他のプレーヤにペナルティ要素を付与する処理、及びチーム内の他のプレーヤのゲームパラメータを変更する処理の少なくとも一方を行う。例えばチーム内の上位プレーヤや他の下位プレーヤなどの他のプレーヤに対してペナルティ要素を付与する処理を行ったり、他のプレーヤのゲームパラメータを変更する処理を行う。このようにすれば、例えば上位プレーヤに対する評価が低く、プレイ制限された下位プレーヤの不満度が高かった場合に、上位プレーヤ等に対して高いペナルティを付与したり、ゲームプレイがより不利になるようにゲームパラメータを変化させることが可能になる。
図19は評価パラメータに応じたペナルティの付与処理やゲームパラメータの変更処理を説明するフローチャートである。図19のステップS31~S34は図17のステップS11~S14と同様であるため説明を省略する。図19のステップS35では、プレイ制限の状況やゲーム状況に応じて、上位プレーヤに対する下位プレーヤの評価パラメータの設定処理が行われる。例えば上位プレーヤが下位プレーヤに対して、どのような内容、種類又は制限度合いのプレイ制限を課しているかに応じて、或いはプレーヤやチームのゲーム状況に応じて、上位プレーヤに対する下位プレーヤの評価パラメータが設定される。そしてゲームが終了したか否かを判断し(ステップS36)、ゲームが終了した場合には特典の付与処理を行う(ステップS37)。例えば下位プレーヤ等に特典を付与する処理を行う。そして評価パラメータに応じて、チーム内の他のプレーヤにペナルティ要素を付与する処理、或いは他のプレーヤのゲームパラメータを変更する処理を行う(ステップS38)。例えば評価パラメータにより表される評価が低かった場合には、ペナルティを付与したり、ゲームが不利になるようにゲームパラメータを変更する処理を行う。
また本実施形態では、チームのゲーム結果が所定条件を満たした場合に、上位プレーヤの評価パラメータを上昇させる処理を行う。例えばチームが勝利した場合、目標を達成した場合、目標の達成度合いが所定の達成度を満たした場合、或いはゲーム成績が所定の成績に達した場合には、上位プレーヤに対する評価が高くなるように評価パラメータを上昇させる。このようにすることで、チームのゲーム結果が所定条件を満たしたことに対する上位プレーヤの貢献度を評価して、上位プレーヤの評価を高くする評価パラメータの設定処理を実現できる。
図20は、チームのゲーム結果に応じた評価パラメータの上昇処理を説明するフローチャートである。図20のステップS41~S46は図19のステップS31~S36と同様であるため説明を省略する。図20のステップS46でゲームが終了したと判断された場合には、チームが勝利するなどしてチームのゲーム結果が所定条件を満たしたか否かを判断する(ステップS47)。例えば敵チームの本拠地を攻略するなどしてチームが勝利したり、ゲームの目標を達成したり、目標の達成度合いが所定の達成度合いを越えたり、ゲーム成績が所定の成績を越えた場合に、チームのゲーム結果が所定条件を満たしたと判断される。そして特典の付与処理、及び上位プレーヤの評価パラメータを上昇させる処理を行う(ステップS48)。例えば、プレイ制限に従うことでチームの勝利等に貢献した下位プレーヤに対して特典を付与したり、下位プレーヤを率いることでチームの勝利等に貢献した上位プレーヤの評価パラメータを上昇させる処理を行う。
また本実施形態では、上位プレーヤに対応づけられたプレイ制限用パラメータの消費を条件に、上位プレーヤによる下位プレーヤのプレイ制限を許可する。例えば、上位プレーヤが下位プレーヤに対するプレイ制限を要求した場合に、上位プレーヤに対応づけられたプレイ制限用パラメータの消費を条件に、下位プレーヤのプレイ制限を許可する。このようにすることで、上位プレーヤによる下位プレーヤに対する無制限なプレイ制限が抑制され、ゲームバランスの好適な調整が可能になる。
例えば図21(A)は、プレイ制限用パラメータの持ちポイントの例を示す図である。この持ちポイントは、各上位プレーヤに付与されるプレイ制限用パラメータの初期値に対応する。例えば図21(A)では、最上位のランクRK1の上位プレーヤに対しては、プレイ制限用パラメータの持ちポイントとして200ポイントが付与されている。またランクRK1よりも下位のランクRK2の上位プレーヤに対しては、持ちポイントとして100ポイントが付与され、ランクRK2よりも下位のランクRK3の上位プレーヤに対しては、持ちポイントとして50ポイントが付与されている。このように、ランクが高い上位プレーヤほど、プレイ制限用パラメータの持ちポイントが多くなっている。
図21(B)は、プレイ制限の種類に応じたプレイ制限用パラメータの消費ポイントの一例を示す図である。例えば上位プレーヤは、100ポイントのプレイ制限用パラメータの消費を条件に、図6に示すようなキャラクタ選択についてのプレイ制限を下位プレーヤに対して行うことができる。また上位プレーヤは、50ポイントのプレイ制限用パラメータの消費を条件に、図8に示すような行動エリアについてのプレイ制限や、或いは図9(A)、図9(B)に示すようなアイテム購入についてのプレイ制限を行うことができる。例えば図21(A)の最上位のランクRK1の上位プレーヤは、プレイ制限用パラメータの持ちポイントが200ポイントである。従って、200ポイントのプレイ制限用パラメータを消費することで、下位プレーヤのキャラクタ選択、行動エリア及びアイテム購入の全てのプレイ制限が可能である。一方、ランクRK2の上位プレーヤは、プレイ制限用パラメータの持ちポイントが100ポイントである。従って、100ポイントのプレイ制限用パラメータを消費することで、下位プレーヤのキャラクタ選択のプレイ制限が可能である。或いは100ポイントを消費することで、下位プレーヤの行動エリア及びアイテム購入の両方のプレイ制限が可能である。またランクRK3の上位プレーヤは、プレイ制限用パラメータの持ちポイントが50ポイントであるため、50ポイントのプレイ制限用パラメータを消費することで、下位プレーヤの行動エリア又はアイテム購入のいずれかのプレイ制限が可能である。このようにすれば、上位プレーヤは、持ちポイントを越えたポイント消費によるプレイ制限はできないようになり、上位プレーヤによる下位プレーヤに対する無制限なプレイ制限が行われてしまうのを防止できる。また同じ上位プレーヤであっても、プレイ制限用パラメータの持ち点に応じて、下位プレーヤに対して要求できるプレイ制限の項目が異なるようになる。従って、上位プレーヤのランクに応じた、下位プレーヤに対するプレイ制限が可能になり、多様なプレイ制限処理を実現できるようになる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(グループ等)と共に記載された用語(チーム等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、ゲーム処理、プレイ制限の設定処理、行動判定処理、特典付与処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。