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JP7243036B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、加工性およびユニフォミティを従来レベル以上に向上させた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのビードコアは、ビードインシュレーションゴムで被覆されたビードワイヤ(スチールコード)が、タイヤ周方向に巻回されて構成されることが多い。ビードインシュレーションゴムは、空気入りタイヤを加硫成形するとき、膨径や金型内面へ押圧等を受けると、加熱に伴う低粘度化により流動しやすくなり、積層されたビードワイヤがばらけ、タイヤのユニフォミティや耐久性に影響を及ぼすことがある。このため、ビードインシュレーションゴムは、粘度が高く、加硫成形時に流動しないことが求められる。一方、ビードインシュレーションゴムの粘度が高いと、ビードワイヤを被覆する押出し成形が困難になり、薄くて均質な被覆ゴム層を形成することができず、この場合にもユニフォミティや耐久性に影響を及ぼすことが懸念される。このように、ビードインシュレーションゴムには、ビードワイヤを被覆成形するときと、空気入りタイヤを加硫成形するときとで、相反する粘度特性が求められる。
特許文献1は、カーボンブラックおよび無機充填剤を配合したゴム組成物に、特定の被覆シリカを配合することにより、弾性率および破断伸びを改良することを記載する。しかし、特許文献1に記載されたゴム組成物では、上述した押出し成形および加硫成形の加工性を両立させることができず、それに伴いユニフォミティや耐久性を必ずしも十分に改良することが困難であった。
特開2013-43915号公報
本発明の目的は、加工性に優れ高品質で安定的な生産が可能であり、かつユニフォミティおよび耐久性を従来レベル以上に向上した空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、一対のビードコア間にトロイダル状に跨るカーカス層を有し、前記ビードコアがビードインシュレーションゴムで被覆されたビードワイヤを積層させてなる空気入りタイヤであって、前記ビードインシュレーションゴムを形成するゴム組成物のせん断速度30(1/sec)での粘度をVa(kPa・sec)、せん断速度300(1/sec)での粘度をVb(kPa・sec)とするとき、粘度VaおよびVbが下記式(1)~(3)を満たすと共に、前記ゴム組成物が、天然ゴムまたはイソプレンゴムを50~90質量%、スチレンブタジエンゴムを10~50質量%含むジエン系ゴム100質量%からなるジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを80質量部以上125質量部以下、シリカを20質量部以上配合し、前記カーボンブラックおよびシリカの合計が100~155質量部であることを特徴とする。
Va≧30 (1)
Vb≦12 (2)
Vb/Va≦0.28 (3)
本発明の空気入りタイヤは、ビードインシュレーションゴムを形成するゴム組成物の粘度が、ビードワイヤを被覆する押出し成形時の高せん断下での粘度Vbを低くし、加硫成形時の低せん断下での粘度Vaを高くするようにしたので、加工性に優れ高品質で安定的な生産が可能であり、かつユニフォミティおよび耐久性を従来レベル以上に向上させることができる。
空気入りタイヤの実施形態を例示する子午線方向断面図である。
空気入りタイヤは、図1に例示するように、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。ビード部3には環状のビードコア5が埋設されており、そのビードコア5の外周上に断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。一対のビードコア5間にトロイダル状に跨るカーカス層4が装架され、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7の外周側には、補強コードをタイヤ周方向に配列したベルトカバー層8が配置されている。
ビードコア5は、スチールコードからなるビードワイヤを、ビードインシュレーションゴムで被覆し、タイヤ周方向に巻回し積層することにより形成される。ビードコアの性能をより優れたものにするため、ビードワイヤにビードインシュレーションゴムを薄く均一に被覆するように押出し成形し、巻回した積層体の形状を整えることが求められる。ビードワイヤを薄く均一に被覆するには、ビードインシュレーションゴムを構成するゴム組成物の粘度が低い方が有利である。ゴム組成物の粘度が高いと、被覆ゴムの厚さが斑になりやすく、穴あき等が生じる虞がある。被覆ゴムの厚さに斑があると、ビードコアを設計通りの形状に作製するのが困難になり、ユニフォミティやタイヤ耐久性に影響を及ぼすことが懸念される。
一方、空気入りタイヤを加硫成形するとき、加熱してから加硫が始まるまでの間、ゴム組成物の温度は高くなり、粘度が低くなるので、外力が負荷されると流動しやすくなる。例えば、加硫成形が開始されると、未加硫タイヤの内腔に挿入されたブラダーが膨径することにより、未加硫タイヤが加硫金型の内面に押圧され、未加硫タイヤが加圧加熱される。未加硫タイヤのトレッド部やサイドウォール部を構成するゴム組成物は、加熱により粘度が低くなり、加硫金型の内周面とブラダーの外周面との間を隙間なく埋めるように流動した後、加硫する。一方、ビード部は、加硫成形時に外力を受けてもビードコアの形状を保持することが求められる。加硫成形時の外力により、ビードワイヤの積層構造が崩れてしまうと、ユニフォミティやタイヤ耐久性が低下したり、タイヤ故障の原因となる恐れがある。
本発明の空気入りタイヤは、ビードインシュレーションゴムを形成するゴム組成物が、ビードワイヤを被覆する押出し成形時の高せん断下での粘度Vbを低くすることにより、ビードインシュレーションゴムを薄く均一に被覆する加工性に優れ高品質なビードコアを安定的な作製することができる。また、加硫成形時の低せん断下での粘度Vaを高くすることにより、加硫成形時のビードコアのばらけを抑制し、ユニフォミティおよび耐久性を従来レベル以上に向上させることができる。
ビードインシュレーションゴムを形成するゴム組成物のせん断速度30(1/sec)での粘度をVa(kPa・sec)、せん断速度300(1/sec)での粘度をVb(kPa・sec)とするとき、粘度VaおよびVbが下記式(1)~(3)を満たすことが必要である。
Va≧30 (1)
Vb≦12 (2)
Vb/Va≦0.28 (3)
ゴム組成物のせん断速度30(1/sec)での粘度Vaは、30kPa・sec以上であり、好ましくは40~70kPa・sec、より好ましくは45~60kPa・secである。せん断速度30(1/sec)の粘度Vaが30kPa・sec未満であると、加硫成形時にビードコアの積層構造が崩れやすくなり、ユニフォミティやタイヤ耐久性が低下する。
ゴム組成物のせん断速度300(1/sec)での粘度Vbは、12kPa・sec以下であり、好ましくは3~11kPa・sec、より好ましくは7~10kPa・secである。せん断速度300(1/sec)の粘度Vbが12kPa・secを超えると、ビードワイヤを被覆する押出し成形時に、ビードインシュレーションゴムを薄く均一に被覆するのが困難になり、巻回したビードワイヤを積層し、設計通りの形状にするのが難しく、結果としてユニフォミティやタイヤ耐久性が低下する。
ゴム組成物の粘度VbおよびVaの比Vb/Vaは、0.28以下であり、好ましくは0.05~0.24、より好ましくは0.10~0.20である。粘度の比Vb/Vaが0.28を超えると、ビードワイヤを被覆する押出し成形時の加工性および加硫成形時のビードコアの形状保持性を兼備することができない。
ゴム組成物のせん断速度30および300(1/sec)における粘度VaおよびVb(kPa・sec)は、各せん断速度におけるせん断応力との比より算出されるキャピラリーせん断溶融粘度により求められる。キャピラリーせん断溶融粘度は、例えば株式会社東洋精機製作所製キャピラリーレオメータ「キャピログラフ1C」を使用し、温度90℃、保持時間5分で、直径1.5mm、長さ1.5mmのオリフィスを使用して、せん断速度30および300(1/sec)の溶融粘度VaおよびVb(kPa・sec)を測定することができる。
ビードインシュレーションゴムを構成するゴム組成物において、ジエン系ゴムは、天然ゴムまたはイソプレンゴムと、スチレンブタジエンゴムとからなる。天然ゴムおよびイソプレンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは50~90質量%、より好ましくは55~85質量%、更に好ましくは60~82質量%である。天然ゴムおよびイソプレンゴムの含有量を50~90質量%にすることにより、押出し成形性および加硫時のビードコアの形状保持性を両立しやすくなる。
スチレンブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは10~50質量%、より好ましくは15~45質量%、更に好ましくは18~40質量%である。スチレンブタジエンゴムの含有量を10~50質量%にすることにより、押出し成形性および加硫時のビードコアの形状保持性を両立しやすくなる。
ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを好ましくは80質量部以上、より好ましくは80~140質量部、更に好ましくは90~125質量部配合するとよい。カーボンブラックが80質量部以上であると、せん断速度30(1/sec)での粘度Va(kPa・sec)を適正な範囲内にするのが容易になり、加硫成形時におけるビードコアの形状保持性が優れる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2SAは、好ましくは30~80m2/gであり、より好ましくは30~50m2/gである。カーボンブラックの窒素吸着比表面積をこのような範囲にすることにより、押出成型加工性とユニフォミティを両立することができる。本明細書においてカーボンブラックのN2SAは、JIS K6217-7に準拠して、測定するものとする。
ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、無機充填剤を好ましくは20質量部以上、より好ましくは20~80質量部、更に好ましくは30~65質量部配合するとよい。無機充填剤が20質量部以上であると、せん断速度300(1/sec)での粘度Vb(kPa・sec)を適正な範囲内にするのが容易になり、押出し成形性が優れる。
無機充填剤として、例えばシリカ、クレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、層状又は板状粘土鉱物、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウムなどを挙げることができる。なかでもシリカ、クレー、炭酸カルシウム等が好ましい。これら無機充填剤のうち1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、カーボンブラックは無機充填剤に該当しないものとする。
シリカの窒素吸着比表面積N2SAは、好ましくは70~300m2/gであり、より好ましくは70~200m2/gである。シリカの窒素吸着比表面積をこのような範囲にすることにより、押出成型加工性とユニフォミティを両立することができる。本明細書においてシリカのN2SAは、JIS K6217-7に準拠して、測定するものとする。
無機充填剤およびカーボンブラックの配合量の合計は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは100~160質量部、より好ましくは120~155質量部にするとよい。無機充填剤およびカーボンブラックの合計を100質量部以上にすることにより、押出成型加工性を良化することができ好ましい。また160質量部以下にすることにより、タイヤ耐久性を良化することができ好ましい。
ゴム組成物は、有機酸コバルト塩を含有することができる。有機酸として、例えば炭素数6~24の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸が挙げられ、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。有機酸として、例えばステアリン酸、ナフテン酸、オレイン酸、ラウリン酸、リノール酸、ネオデカン酸、ロジン酸、等が挙げられ、好ましくはステアリン酸、ナフテン酸である。有機酸コバルト塩は、ホウ素を含有してもよく、例えば、Rhodia社製マノボンド C22.5及びマノボンド 680C、Jhepherd社製CoMend A及びCoMend B、大日本インキ化学工業社製DICNATE NBC-II等を例示することができる。
有機酸コバルト塩は、ジエン系ゴム100質量部に対し、コバルト量が好ましくは0.05~0.5質量部、より好ましくは0.1~0.4質量部、更に好ましくは0.15~0.3質量部になるように配合するとよい。コバルトとしての配合量が0.05質量部未満の場合、スチールコードとの接着性が悪化する虞がある。また、コバルト量が0.5質量部を超えるとスチールコードに対する耐水接着性が低下すると共に、硬度、破断強度を含む機械的物性が低下する虞がある。
ゴム組成物には、加硫剤又は架橋剤、加硫促進助剤、老化防止剤、素練促進剤、各種オイル、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
上述したゴム組成物をビードインシュレーションゴムに使用した空気入りタイヤは、ビードワイヤ(スチールコード)にビードインシュレーションゴムを被覆する押出成形性に優れ、薄く均一に被覆することによりビード部のユニフォミティおよび耐久性を従来レベル以上に向上することができる。さらに加硫成形時に積層されたビードワイヤの形状が崩れるのを抑制するので、空気入りタイヤのユニフォミティおよび耐久性を更に優れたものにすることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す配合からなる7種類のゴム組成物(実施例1~3、比較例1~4)を調製するに当たり、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く成分を秤量し、1.7L密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、そのマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.7L密閉式バンバリーミキサーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え、混合しゴム組成物を得た。無機充填剤およびカーボンブラックの配合量の合計を、表の中段の「カーボンブラックと無機充填剤の合計」の括弧内に記した。
上記で得られたゴム組成物について、粘度Vaおよび粘度Vbを以下の方法で測定した。
株式会社東洋精機製作所製キャピラリーレオメータ「キャピログラフ1C」を使用し、温度90℃、保持時間5分で、直径1.5mm、長さ1.5mmのオリフィスを使用して、せん断速度30および300(1/sec)の溶融粘度VaおよびVb(kPa・sec)を測定した。得られた結果は、表1の「粘度 Va」および「粘度 Vb」に記載した。また粘度の比Vb/Vaを算出し、「粘度の比Vb/Va」の欄に記載した。
上記で得られたゴム組成物について、押出成形性、ビードコアの形状保持性、ユニフォミティおよびタイヤ耐久性の評価を行った。
押出成形性
得られたゴム組成物を使用し、ビードワイヤ(直径1.55mm)への被覆を押出成形(引き取り速度100m/分)により行った。被覆されたビードインシュレーションゴムの厚さの均一性、穴あきの有無等を目視評価し、1~6の点数をつけた。得られた結果を、表1の「押出成形性」の欄に示した。この点数が大きいほど押出成形性が優れることを意味し、点数が4以上であればよい。
ビードコアの形状保持性
得られたゴム組成物を使用し、ビードワイヤへの被覆成形を行い、巻回し積層することによりビードコアを作製し、これを備えた空気入りタイヤ(サイズ295/75R22.5)を加硫成形した。得られた空気入りタイヤのビード部を切りだし、ビードコアの断面形状を観察し、1~6の点数をつけた。得られた結果を、表1の「ビードコア 形状保持性」の欄に示した。この点数が大きいほど押出成形性が優れることを意味し、点数が4以上であればよい。
ユニフォミティ
得られたゴム組成物を使用し、ビードワイヤへの被覆成形を行い、巻回し積層することによりビードコアを作製し、これを備えた空気入りタイヤ(サイズ11R22.5)を加硫成形した。得られた空気入りタイヤをJATMAで規定される規定リムにリム組みし、空気圧200kPaとして、ユニフォミティ測定試験装置によりラジアル・フォース・バリエーション(RFV)を計測した。但し、測定条件はJASO規格に準拠した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数として表1の「ユニフォミティ」の欄に記載した。
タイヤ耐久性
得られたゴム組成物を使用し、ビードワイヤへの被覆成形を行い、巻回し積層することによりビードコアを作製し、これを備えた空気入りタイヤ(サイズ11R22.5)を加硫成形した。得られたタイヤをJATMAで規定される規定リムにリム組みし、規定内圧に調整した。このタイヤを、ドラム径1707mmで、JIS D4230に準拠する室内ドラム試験機にかけて、規定内圧の140%、速度45km/時の条件で、ビード部が破壊するまでの走行距離を測定した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数として表1の「タイヤ耐久性」の欄に記載した。
Figure 0007243036000001
表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、STR-20
・IR:イソプレンゴム、日本ゼオン社製Nipol IR2200
・SBR:スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502
・カーボンブラック:新日化社製ニテロン#GN(GPF)、窒素吸着比表面積が35m2/g
・無機充填剤:シリカ、EVONIK UNITED SILICA INDUSTRIAL LTD.製Ultrasil VN3GR、窒素吸着比表面積が170m2/g
・アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト 4号S
・亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:NOFコーポレーション社製ステアリン酸YR
・有機酸Co塩:ネオデカン酸ホウ酸コバルト、DIC CORPORATION社製DICNATE NBC-II(コバルト含量22.2質量%)
・硫黄:軽井沢製錬所社製油処理イオウ
・加硫促進剤:N,N-ジシクロヘキシル-1,3-ベンゾチアゾール-2-スルフェンアミド、大内新興化学社製ノクセラー DZ
表1から明らかなように実施例1~3の空気入りタイヤは、押出成形性、加硫成形時のビードコアの形状保持性、ユニフォミティおよびタイヤ耐久性に優れることが確認された。
比較例1の空気入りタイヤは、ゴム組成物の粘度Vbが12kPa・secを超え、粘度の比Vb/Vaが0.28を超えるので、押出成形性が劣る。またユニフォミティおよびタイヤ耐久性が、押出成形での均一性に欠けるため劣る。
比較例2の空気入りタイヤは、ゴム組成物の粘度Vaが30kPa・sec未満であるので、ビードコアの形状保持性が劣る。またユニフォミティおよびタイヤ耐久性が、加硫時のビードコア形状が崩れるため劣る。
比較例3の空気入りタイヤは、ゴム組成物の粘度Vbが12kPa・secを超えるので、押出成形性が劣る。またユニフォミティおよびタイヤ耐久性が、押出成形での均一性に欠けるため劣る。
比較例4の空気入りタイヤは、粘度の比Vb/Vaが0.28を超えるので、押出成形性およびビードコアの形状保持性が劣る。またユニフォミティおよびタイヤ耐久性が、押出成形での均一性に欠け、加硫時のビードコア形状が崩れるため劣る。

Claims (1)

  1. 一対のビードコア間にトロイダル状に跨るカーカス層を有し、前記ビードコアがビードインシュレーションゴムで被覆されたビードワイヤを積層させてなる空気入りタイヤであって、前記ビードインシュレーションゴムを形成するゴム組成物のせん断速度30(1/sec)での粘度をVa(kPa・sec)、せん断速度300(1/sec)での粘度をVb(kPa・sec)とするとき、粘度VaおよびVbが下記式(1)~(3)を満たすと共に、前記ゴム組成物が、天然ゴムまたはイソプレンゴムを50~90質量%、スチレンブタジエンゴムを10~50質量%含むジエン系ゴム100質量%からなるジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを80質量部以上125質量部以下、シリカを20質量部以上配合し、前記カーボンブラックおよびシリカの合計が100~155質量部であることを特徴とする空気入りタイヤ。
    Va≧30 (1)
    Vb≦12 (2)
    Vb/Va≦0.28 (3)
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