以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る移管制御装置10Aを含む通信システム1の構成を示す図である。通信システム1は、移管制御装置10Aと、複数のHLR/HSS(加入者情報管理装置)20と、オペレーション装置30と、を備えている。HLR/HSS20は、通信事業者により提供される移動体通信サービスの加入者であるユーザに関する加入者プロファイル(加入者情報)を収容(管理・記憶)するデータベース装置である。加入者プロファイルは、加入者電話番号、契約内容、IMSI(SIMの識別番号)、及びユーザが保持する移動端末の位置情報(在圏エリアを示す情報)等を含んでいる。移動体通信サービスを利用する複数のユーザの加入者プロファイルは、各地に設置された複数のHLR/HSS20に分散して収容される。HLR/HSS20に収容された加入者プロファイルに対するアクセスは、例えば、移動端末からの位置登録要求時、移動端末の発信時及び着信時等に発生し得る。
ここで、例えば大規模なイベント(例えば、花火大会等)が開催される場合、当該イベントの参加者が同じ場所で移動端末(携帯電話等)を比較的多く利用することが想定される。このことに起因して、当該イベントの開催期間において、当該イベントの開催地に在圏するユーザに関する加入者プロファイル(すなわち、当該加入者プロファイルを収容するHLR/HSS20)へのアクセスが通常時よりも大幅に増加することがある。その結果、HLR/HSS20間で、トラヒック(通信量)の偏りが生じ得る。その結果、トラヒックが集中したHLR/HSS20に繋がりにくい状況が生じ、当該HLR/HSS20に加入者プロファイルが収容されている移動端末の利用が制限されるおそれがある。移管制御装置10Aは、このようなHLR/HSS20間のトラヒックの偏りを抑制するために、加入者プロファイルの収容替え(すなわち、HLR/HSS20間での加入者プロファイルの移管)を自律的に制御する。
移管制御装置10Aは、例えばインターネット等の任意の通信ネットワークを介して、複数のHLR/HSS20の各々と相互に通信可能とされている。移管制御装置10Aは、イベントに関するイベント情報、各HLR/HSS20で発生したトラヒックに関するトラヒック情報等を取得し、これらの情報を用いた分析の結果に基づいて、HLR/HSS20間での加入者プロファイルの移管を制御する。
オペレーション装置30は、例えばインターネット等の任意の通信ネットワークを介して、移管制御装置10Aと相互に通信可能とされている。オペレーション装置30は、オペレータが移管制御装置10Aに対してイベント情報を入力(登録)したり、移管制御装置10Aによる分析結果を確認したりするための管理端末である。
次に、移管制御装置10Aの各機能要素について説明する。図2に示されるように、移管制御装置10Aは、トラヒック情報取得部11と、トラヒック情報記憶部12と、イベント情報取得部13と、イベント情報記憶部14と、対象期間取得部15と、ユーザ抽出部16と、装置抽出部17と、移管対象決定部18と、移管部19と、を備えている。
トラヒック情報取得部11は、加入者プロファイル毎(すなわち、ユーザ毎)の通信量に関するトラヒック情報を取得する。トラヒック情報は、加入者プロファイルへのデータアクセスのためにHLR/HSS20にアクセスされた履歴を示す情報である。例えば、トラヒック情報は、各HLR/HSS20において、加入者プロファイルに対するアクセスが発生する度に取得及び蓄積される。トラヒック情報取得部11は、各HLR/HSS20から、各HLR/HSS20において蓄積されたトラヒック情報を定期的に収集し、当該トラヒック情報をトラヒック情報記憶部12に記憶させる。トラヒック情報記憶部12は、トラヒック情報を記憶するデータベース装置である。トラヒック情報記憶部12には、過去の任意の期間における加入者プロファイル毎のトラヒック情報が蓄積される。
図3は、トラヒック情報の一例を示す図である。本実施形態では一例として、トラヒック情報は、加入者電話番号、収容HLR/HSS、在圏エリア、在圏期間、及びHLR/HSSにおいて送受信された信号数に関する情報を含んでいる。加入者電話番号は、サービス加入者であるユーザに関連付けられた番号であり、ユーザ(すなわち、加入者プロファイル)を識別するための情報である。収容HLR/HSSは、加入者プロファイルが収容されているHLR/HSS20を識別するための情報である。在圏エリアは、加入者プロファイルに関連付けられたユーザ(移動端末)の位置情報に対応するエリアである。在圏期間は、加入者プロファイルに関連付けられたユーザ(移動端末)が在圏エリアに在圏していた期間を示す。HLR/HSSにおいて送受信された信号数は、在圏期間において発生した加入者プロファイルについての通信量の一例である。ここでは一例として、トラヒック情報は、在圏期間全体において発生した総信号数(総通信量)と共に、単位期間(ここでは一例として1時間単位)毎の信号数を含んでいる。
図3に示されるトラヒック情報は、加入者電話番号が「090-xxxx-1111」であるユーザに関する加入者プロファイルについて、「墨田A」により識別されるHLR/HSS20から定期的(例えば1時間単位)に取得されたトラヒック情報を統合した情報である。このトラヒック情報は、「墨田A」により識別されるHLR/HSS20に収容された、加入者電話番号が「090-xxxx-1111」であるユーザに関する加入者プロファイルについて、2018年11月1日の0時から24時までの間(当該ユーザが「東京A」に在圏している間)に発生した通信量(信号数)を示している。
イベント情報取得部13は、将来のイベントの開催期間及び開催エリアに関する情報を含むイベント情報を取得する。ここで、イベントとは、特定の期間及び場所に多くの人が集客されることが予想される催し全般である。イベントは、例えば、花火大会、コンサート、祭り等である。イベント情報取得部13は、例えばオペレーション装置30を介してオペレータによって登録されたイベント情報を取得する。イベント情報取得部13により取得されたイベント情報は、イベント情報記憶部14に記憶される。イベント情報記憶部14は、イベント情報を記憶するデータベース装置である。
図4は、イベント情報の一例を示す図である。本実施形態では一例として、イベント情報は、イベント名、開催期間、開催エリア、及び集客数(予定集客数、前回集客数)に関する情報を含んでいる。ここで、イベント名は、イベントを識別するための情報である。前回集客数は、定期開催されるイベント(ここでは一例として毎年同時期に開催される「○○花火大会」)の前回開催時における集客数の実績を示している。
図4に示されるイベント情報は、イベント名「第30回○○花火大会」により識別されるイベントが、2018年11月15日の19時から21時までの間、「横浜A」により識別されるエリアで開催されることを示している。また、当該イベント情報は、このイベント(○○花火大会)が定期開催されるイベントであり、予定集客数が10万人であり、前回開催時(すなわち、「第29回○○花火大会」の開催時)における集客数の実績が8万人であったことを示している。
対象期間取得部15は、特定エリアに在圏するユーザに関する加入者プロファイルについての通信量が予め定められた基準量を超えると予想される将来の対象期間を取得する。すなわち、対象期間取得部15は、特定エリアと対象期間とを互いに関連付けた情報を取得する。ここで、基準量は、例えば、予めオペレータ等によって定められ得る。基準量は、例えば、特別なイベント等が開催されていない通常時における通信量の実績(例えば、任意に設定された単位期間に発生する通信量の平均値等)に基づいて定められ得る。なお、在圏エリア毎に平常時の在圏ユーザ数及び通信量は異なるため、基準量は、在圏エリア毎に定められてもよい。
対象期間取得部15は、例えばオペレーション装置30を介してオペレータによって登録された特定エリア及び対象期間を取得してもよい。また、対象期間取得部15は、トラヒック情報記憶部12に記憶されたトラヒック情報及びイベント情報記憶部14に記憶されたイベント情報の少なくとも一方に基づいて、特定エリア及び対象期間を取得してもよい。後者の場合のいくつかの処理例について以下に説明する。
(第1の例)
対象期間取得部15は、トラヒック情報記憶部12に記憶されたトラヒック情報に基づいて、特定エリアに在圏するユーザに関する加入者プロファイルについての通信量が基準量を超えた高トラヒック期間を取得してもよい。そして、対象期間取得部15は、高トラヒック期間と同一又は類似の属性を有する将来の期間を対象期間として取得してもよい。すなわち、第1の例は、実際に通信量が基準量を超えた過去の期間(高トラヒック期間)を特定し、当該過去の期間と類似する特徴を有する将来の期間を対象期間として取得する手法である。
例えば、対象期間取得部15は、トラヒック情報記憶部12に記憶されたトラヒック情報に基づいて、在圏エリア毎の通信量(本実施形態では、HLR/HSSにおいて送受信された信号数(図3参照))を予め定められた単位期間(例えば1時間)毎に集計する。そして、対象期間取得部15は、在圏エリア毎及び単位期間毎に集計された通信量と基準量とを比較することにより、通信量が基準量を超えた在圏エリア及び期間の組み合わせ(すなわち、特定エリア及び高トラヒック期間)を特定する。
続いて、対象期間取得部15は、このようにして特定された高トラヒック期間の属性(例えば、曜日、時間帯、天候等の期間に関連付けられる特徴)を取得する。なお、天候については、対象期間取得部15は、例えば天候(気温、天気等)に関する情報を提供するサーバ(例えば気象庁等によって管理されるサーバ)にアクセスすることにより、高トラヒック期間における特定エリアの天候を示す情報を取得できる。
ここで、一の特定エリアについて複数の高トラヒック期間が取得された場合には、対象期間取得部15は、当該複数の高トラヒック期間に共通する属性(或いは、一定数以上の高トラヒック期間に共通する属性)のみを高トラヒック期間の属性として設定してもよい。この場合、複数のサンプルに基づいて、特定エリアにおいて通信量が基準量を超える要因と考えられる属性を精度良く取得することができる。
続いて、対象期間取得部15は、上記のように取得された高トラヒック期間の属性と同一又は類似する属性を有する将来の期間を取得する。例えば、対象期間取得部15は、高トラヒック期間と同一の曜日及び同一の時間帯であり、高トラヒック期間における天候と同一又は類似する天候が予測される時間帯を対象期間として取得してもよい。なお、類似の基準は、予め任意に定められ得る。例えば、「晴れ」と「曇り」とは、雨が降っていないという点で共通しているため、互いに類似すると定められてもよい。
(第2の例)
対象期間取得部15は、イベント情報記憶部14に記憶されたイベント情報に基づいて、特定エリア及び対象期間を取得してもよい。具体的には、対象期間取得部15は、イベント情報に含まれる開催エリアに対応するエリアを特定エリアとし、イベント情報に含まれる開催期間を対象期間として取得してもよい。例えば、対象期間取得部15は、図4に示されるイベント情報に基づいて、当該イベント情報の開催エリア「横浜A」に対応するエリアを特定エリアとし、当該イベント情報の開催期間「2018/11/15 19:00~21:00」を対象期間として取得してもよい。なお、対象期間取得部15は、予定集客数が予め定められた閾値以上のイベントに関するイベント情報のみを用いて、特定エリア及び対象期間を取得してもよい。この場合、特定エリアに在圏するユーザに関する加入者プロファイルについての通信量が基準量を超える可能性が高い対象期間を精度良く取得することが可能となる。
(第3の例)
対象期間取得部15は、定期開催されるイベントの過去の開催期間における加入者プロファイルに対する通信量の実績に基づいて、当該イベントの開催期間を対象期間として取得するか否かを決定してもよい。すなわち、対象期間取得部15は、過去の開催時に加入者プロファイルに対する通信量が増大した実績のあるイベント(すなわち、開催期間において開催エリアに在圏するユーザに関する加入者プロファイルについての通信量が基準量を超える可能性が特に高いイベント)に関するイベント情報に基づいて、特定エリア及び対象期間を取得してもよい。
具体的には、対象期間取得部15は、イベント情報記憶部14に記憶されたイベント情報に関連付けられたイベント(ここでは一例として、図4に示される「第30回○○花火大会」)に対応する過去のイベント「第29回○○花火大会」の開催期間におけるトラヒック情報を、トラヒック情報記憶部12から取得する。ここで、過去のイベントの開催期間を示す情報は、例えばイベント情報に関連付けて記憶されている。
対象期間取得部15は、このように取得されたトラヒック情報に基づいて、過去のイベントの開催期間に当該イベントの開催エリア(ここでは「横浜A」)に在圏していたユーザに関する加入者プロファイルについての通信量が基準量を超えたか否かを判定する。そして、対象期間取得部15は、通信量が基準量を超えたと判定された場合に、イベント情報に含まれる開催エリア「横浜A」に対応するエリアを特定エリアとし、イベント情報に含まれる開催期間「2018/11/15 19:00~21:00」を対象期間として取得する。一方、対象期間取得部15は、通信量が基準量を超えたと判定されなかった場合には、当該イベント情報に基づいて特定エリア及び対象期間を取得しなくてもよい。このような処理によれば、対象期間取得部15は、過去に加入者プロファイルに対する通信量が基準量を超えた実績のあるイベントに関するイベント情報に基づいて、特定エリアにおける通信量の増大が見込まれる対象期間を精度良く取得することができる。
図5は、上述したような対象期間取得部15の処理によって取得された特定エリア及び対象期間の一例を示す図である。図5に示されるように、複数の特定エリア及び対象期間の組が取得され得る。この場合、後述されるユーザ抽出部16、装置抽出部17、移管対象決定部18、及び移管部19の処理は、特定エリア及び対象期間の組毎に実行されてもよい。
ユーザ抽出部16は、対象期間よりも過去の期間における加入者プロファイルとHLR/HSS20との対応関係(すなわち、どのHLR/HSS20にどの加入者プロファイルが収容されているかを示す情報)に基づいて、対象期間に特定エリアに在圏すると予測されるユーザを抽出する。つまり、ユーザ抽出部16は、対象期間において特定エリアに在圏し、HLR/HSS20に対する通信量の増大に寄与する可能性の高いユーザを抽出する。
通常、各加入者プロファイルの管理状況(すなわち、加入者プロファイルとHLR/HSS20との対応関係)を示す情報は、複数のHLR/HSS20間で共有されている。ユーザ抽出部16は、このような情報を任意のHLR/HSS20から定期的に取得することにより、過去の任意の期間における加入者プロファイルとHLR/HSS20との対応関係を示す情報を取得してもよい。或いは、ユーザ抽出部16は、トラヒック情報記憶部12に記憶されたトラヒック情報を参照することにより、上記過去の期間における各加入者プロファイルの管理状況を示す情報を生成してもよい。上述したような処理により、ユーザ抽出部16は、各加入者プロファイルについて、上記過去の期間における収容HLR/HSS及び在圏エリアのリストを取得することができる。
図6は、このようにして取得されたリストの一例を示す図である。そして、ユーザ抽出部16は、上記過去の期間に特定エリアに在圏したユーザを、対象期間に特定エリアに在圏すると予測されるユーザ(以下「在圏予測ユーザ」)として抽出してもよい。例えば、特定エリアが「東京A」の場合、図6に示される1番目のレコードに関するユーザ(加入者電話番号「090-xxxx-0001」に対応するユーザ)は、在圏予測ユーザとして抽出される。
ここで、特定エリア及び対象期間がイベント情報記憶部14に記憶されたイベント情報に関連付けられたイベントの開催エリア及び開催期間である場合(すなわち、対象期間取得部15が上述した第2又は第3の例の処理を実行することによって取得された期間である場合)、ユーザ抽出部16は、例えば、対象期間の前日の同時間帯を上記過去の期間として、在圏予測ユーザを抽出してもよい。
或いは、ユーザ抽出部16は、イベント情報に関連付けられたイベント(ここでは一例として、図4に示される「第30回○○花火大会」)に対応する過去のイベント「第29回○○花火大会」の開催期間に開催エリア「横浜A」に在圏したユーザを、対象期間に特定エリア(すなわち「横浜A」)に在圏すると予測される在圏予測ユーザとして抽出してもよい。この構成によれば、リピーターの多いイベントについて、イベントに参加する可能性の高い在圏予測ユーザを、過去のイベント参加実績(具体的には、過去のイベント開催期間においてイベント開催エリアに在圏した実績)に基づいて精度良く抽出することができる。
なお、ユーザ抽出部16は、上述したような複数の手法を組み合わせて在圏予測ユーザを抽出してもよい。すなわち、ユーザ抽出部16は、複数の過去の期間に基づいて在圏予測ユーザを抽出してもよい。
装置抽出部17は、ユーザ抽出部16により抽出された在圏予測ユーザに関する加入者プロファイルである第1加入者プロファイル(第1加入者情報)を収容しているHLR/HSS20を抽出する。装置抽出部17は、対象期間よりも前の任意の時点(例えば、装置抽出部17の処理実行時点)における加入者プロファイルとHLR/HSS20との対応関係(すなわち、どのHLR/HSS20にどの加入者プロファイルが収容されているかを示す情報)に基づいて、第1加入者プロファイルを収容しているHLR/HSS20を抽出する。なお、このような対応関係を示す情報は、任意のHLR/HSS20から取得されてもよいし、トラヒック情報記憶部12に記憶されたトラヒック情報に基づいて生成されてもよい。
図7は、このようにして抽出されたHLR/HSS20と第1加入者プロファイルとの対応関係の一例を示す図である。図7の例では、第1加入者プロファイルのうちの1つである加入者プロファイル(加入者電話番号「090-xxxx-1234」に対応する加入者プロファイル)が「代々木A」により識別されるHLR/HSS20に収容されていることが示されている。他のレコードについても同様である。
移管対象決定部18は、装置抽出部17により抽出されたHLR/HSS20に収容された第1加入者プロファイルの数に基づいて、移管対象となる第1加入者プロファイルである第2加入者プロファイル(第2加入者情報)を決定する。具体的には、移管対象決定部18は、各第1加入者プロファイルの収容先であるHLR/HSS20を示す情報(図7に示される情報)に基づいて、HLR/HSS20毎の第1加入者プロファイルの収容数を算出する。このような算出処理によって得られたHLR/HSS20毎の第1加入者プロファイルの収容数及び割合の一例を表1に示す。
例えば、移管対象決定部18は、予め定められた収容基準(収容上限)に基づいて、当該収容基準を超えた収容数(或いは割合)を有するHLR/HSS20に収容された第1加入者プロファイルの一部を、他のHLR/HSS20に移管すべき第2加入者プロファイルとして決定してもよい。
収容基準は、第1加入者プロファイルの全体数に対する収容数(割合)に基づいて設定されてもよい。例えば、1つのHLR/HSS20当たりの割合の上限値(例えば全体の20%)が収容基準として設定されてもよい。この場合、移管対象決定部18は、上限値よりも大きい割合を有するHLR/HSS20(表1の例では「代々木A」)に収容されている第1加入者プロファイルのうち上限値を超えた分(すなわち全体の48%)の第1加入者プロファイルを第2加入者プロファイルとして決定してもよい。
或いは、収容基準は、第1加入者プロファイルの収容数に基づいて設定されてもよい。例えば、1つのHLR/HSS20当たりの第1加入者プロファイルの上限収容数(例えば150000)が収容基準として設定されてもよい。この場合、移管対象決定部18は、上限収容数よりも多い第1加入者プロファイルを収容したHLR/HSS20(表1の例では「代々木A」)に収容されている450000の第1加入者プロファイルのうち上限収容数を超えた分(すなわち300000)の第1加入者プロファイルを第2加入者プロファイルとして決定してもよい。
移管部19は、移管対象決定部18により決定された第2加入者プロファイルを収容しているHLR/HSS20から他のHLR/HSS20へと第2加入者プロファイルを移管させる。例えば、移管部19は、第2加入者プロファイルの移管先となるHLR/HSS20を選定する。表1の例において、1つのHLR/HSS20当たりの第1加入者プロファイルの上限収容数(例えば15万)が収容基準として設定されている場合、移管部19は、収容余力のある「岐阜D」、「大阪B」、「墨田A」の各々のHLR/HSS20を移管先として選定してもよい。また、移管部19は、現時点で第1加入者プロファイルを収容していない任意のHLR/HSS20(すなわち、表1に含まれていないHLR/HSS20)を移管先として選定してもよい。また、移管部19は、移管先となるHLR/HSS20において収容基準を超えない範囲で、各HLR/HSS20に移管する第2加入者プロファイルの数を設定してもよい。
例えば、移管部19は、「代々木A」のHLR/HSS20に収容された300000の第2加入者プロファイルについて、50000の第2加入者プロファイルの移管先として「岐阜D」のHLR/HSS20を選定し、65000の第2加入者プロファイルの移管先として「大阪B」のHLR/HSS20を選定し、120000の第2加入者プロファイルの移管先として「墨田A」のHLR/HSS20を選定し、残りの65000の第2加入者プロファイルの移管先として、現時点で第1加入者プロファイルを収容していない任意のHLR/HSS20を選定してもよい。
続いて、移管部19は、第2加入者プロファイルの移管元であるHLR/HSS20(上記例では「代々木A」)と、上述したように選定された移管先となる一以上のHLR/HSS20に対して、第2加入者プロファイルの移管(データの移動)を指示する情報を通知する。例えば、移管部19は、移管元であるHLR/HSS20に対して、移管先となる各HLR/HSS20に対して第2加入者プロファイルを移動させるように指示する。また、移管部19は、移管先となる各HLR/HSS20に対して、上記の第2加入者プロファイルの移管を受け容れるように指示する。このような移管部19による通知処理を契機として、移管元となるHLR/HSS20と移管先となるHLR/HSS20との間で、第2加入者プロファイルの移管が実現される。このような構成により、オペレータを介在させる必要なく、加入者プロファイルの収容替えを自律的に行うことができる。
なお、移管部19は、必ずしも各HLR/HSS20に対して直接的に移管を指示しなくてもよく、各HLR/HSS20に対して間接的に移管を指示してもよい。例えば、HLR/HSS20に対して具体的な動作(データの転送等)を指示する中継装置が介在する場合には、移管部19は、第2加入者プロファイルの移管の内容を示す情報を当該中継装置に対して通知してもよい。
次に、移管制御装置10Aの動作(加入者情報移管方法)の一例について説明する。図8は、移管制御装置10Aの動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、トラヒック情報取得部11は、加入者プロファイル毎の通信量に関するトラヒック情報(図3参照)を取得する。例えば、トラヒック情報取得部11は、各HLR/HSS20から定期的にトラヒック情報を収集する。取得されたトラヒック情報は、トラヒック情報記憶部12に記憶される。
ステップS2において、イベント情報取得部13は、イベント情報(図4参照)を取得する。取得されたイベント情報は、イベント情報記憶部14に記憶される。
ステップS3において、対象期間取得部15は、例えば上述した第1~第3の例の少なくとも一つの処理を実行することにより、特定エリアに在圏するユーザに関する加入者プロファイルについての通信量が予め定められた基準量を超えると予想される将来の対象期間(図5参照)を取得する。すなわち、対象期間取得部15は、特定エリア及び対象期間の組を取得する。
ステップS4において、ユーザ抽出部16は、上述した処理を実行することにより、対象期間に特定エリアに在圏すると予測されるユーザ(在圏予測ユーザ)を抽出する。
ステップS5において、装置抽出部17は、在圏予測ユーザに関する加入者プロファイルである第1加入者プロファイルを収容しているHLR/HSS20を抽出する(図7参照)。
ステップS6において、移管対象決定部18は、装置抽出部17により抽出されたHLR/HSS20に収容された第1加入者プロファイルの数に基づいて、移管対象となる第1加入者プロファイルである第2加入者プロファイルを決定する。例えば、移管対象決定部18は、上述したような収容基準に基づいて、当該収容基準を超えている分の第1加入者プロファイルを第2加入者プロファイルとして決定する。
ステップS7において、移管部19は、第2加入者プロファイルを収容しているHLR/HSS20から他のHLR/HSS20へと第2加入者プロファイルを移管させる。一例として、移管部19は、上述した処理により、第2加入者プロファイルの移管先となるHLR/HSS20を選定すると共に、各HLR/HSS20に移管すべき第2加入者プロファイルの数を決定する。そして、移管部19は、移管元となるHLR/HSS20及び移管先となるHLR/HSS20に対して第2加入者プロファイルの移管を指示する情報を通知する。このような通知がされたことを契機として、移管元となるHLR/HSS20と移管先となるHLR/HSS20との間で、第2加入者プロファイルの移管が実現される。なお、ステップS1~S7の処理は、いずれも対象期間よりも前の任意の時点において実行される。
以上述べた移管制御装置10Aによれば、対象期間における通信量の増大に寄与する可能性が高いユーザ(すなわち、ユーザ抽出部16により抽出された在圏予測ユーザ)に関する第1加入者プロファイルの収容替えを実行することができる。表1の例では、多くの第1加入者プロファイルが「代々木A」に偏って収容されている状況において、移管対象決定部18が、移管対象となる第1加入者プロファイル(第2加入者プロファイル)を適切に決定し、移管部19が、第2加入者プロファイルの移管を移管元又は移管先となるHLR/HSS20に指示する。このような構成により、第1加入者プロファイルの収容数を、HLR/HSS20間で平準化することが可能となる。すなわち、多くの第1加入者プロファイルが特定のHLR/HSS20に偏在する事態を回避できる。その結果、対象期間における第1加入者プロファイルへのアクセスに起因するHLR/HSS20に対する通信量の偏りを自律的に抑制できる。
また、上述した第1の例のように、対象期間取得部15は、トラヒック情報に基づいて、特定エリアに在圏するユーザに関する加入者プロファイルについての通信量が基準量を超えた高トラヒック期間を取得し、高トラヒック期間と同一又は類似の属性を有する将来の期間を対象期間として取得してもよい。上記構成によれば、過去に実際に通信量が基準量を超えた特定エリア及び高トラヒック期間と類似する特徴を有するか否かを基準として、通信量が基準量を超える可能性の高い特定エリア及び対象期間の組を精度良く取得できる。
また、上述した第2の例のように、対象期間取得部15は、イベント情報に含まれる開催エリアに対応するエリアを特定エリアとし、イベント情報に含まれる開催期間を対象期間として取得してもよい。上記構成によれば、イベント情報に基づいて、通信量が基準量を超える可能性の高い特定エリア及び対象期間の組を容易且つ精度良く取得できる。
また、上述した第3の例のように、対象期間取得部15は、イベント情報に関連付けられたイベントに対応する過去のイベントの開催期間におけるトラヒック情報に基づいて、過去のイベントの開催期間に開催エリアに在圏していたユーザに関する加入者プロファイルについての通信量が基準量を超えたか否かを判定してもよい。そして、対象期間取得部15は、通信量が基準量を超えたと判定された場合に、イベント情報に含まれる開催エリアに対応するエリアを特定エリアとし、イベント情報に含まれる開催期間を対象期間として取得してもよい。上記構成によれば、過去に特定エリア(開催エリア)に対応する加入者プロファイルに対する通信量が基準量を超えた実績のあるイベントに関するイベント情報に基づいて、特定エリアにおける通信量の増大が見込まれる対象期間を精度良く取得することができる。
また、ユーザ抽出部16は、イベント情報に関連付けられたイベントに対応する過去のイベントの開催期間に開催エリアに在圏したユーザ(すなわち、過去のイベントに参加していた可能性のあるユーザ)を、対象期間に特定エリアに在圏すると予測される在圏予測ユーザとして抽出してもよい。上記構成によれば、リピーターの多いイベントについて、イベントに参加する可能性の高い在圏予測ユーザを、過去のイベント参加実績に基づいて精度良く抽出することができる。
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態に係る移管制御装置10Bの機能構成を示す図である。第1実施形態に係る移管制御装置10Aは、将来において通信量の急増が見込まれる期間(対象期間)を取得し、当該対象期間よりも前にHLR/HSS20間での加入者プロファイルの移管を実行するように構成されていた。これに対し、第2実施形態に係る移管制御装置10Bは、ある特定のHLR/HSS20において基準量を超える通信量が発生したことが検知されたことを契機として、事後的に加入者プロファイルの移管を実行するように構成されている。
図9に示されるように、移管制御装置10Bは、イベント情報取得部13、イベント情報記憶部14、対象期間取得部15、ユーザ抽出部16、及び装置抽出部17を備えない代わりに、対象装置検知部51、在圏エリア抽出部52、及び装置抽出部53を備える点で、移管制御装置10Aと相違している。
移管制御装置10Bにおいて、トラヒック情報取得部11(取得部)は、複数のHLR/HSS20の各々から、各HLR/HSS20に対する通信量(本実施形態では、加入者プロファイル毎に細分化された通信量)を示すトラヒック情報を定期的に取得する。ここで、トラヒック情報取得部11は、リアルタイムに各HLR/HSS20からトラヒック情報を収集し、当該トラヒック情報をトラヒック情報記憶部12に記憶させる。
対象装置検知部51は、通信量が予め定められた基準量を超えたHLR/HSS20(対象装置)を検知する。例えば、対象装置検知部51は、上述したようにリアルタイムに各HLR/HSS20から収集されるトラヒック情報(トラヒック情報記憶部12に記憶されたトラヒック情報)に基づいて、各HLR/HSS20に対する通信量を随時監視する。例えば、対象装置検知部51は、直近の期間(例えば30分等の予め定められた単位期間)における通信量(本実施形態では、HLR/HSSにおいて送受信された信号数(図3参照))をリアルタイムで監視する。そして、対象装置検知部51は、HLR/HSS20毎に、直近の期間における通信量と基準量とを随時比較することにより、直近の期間における通信量が基準量を超えたHLR/HSS20を検知する。
在圏エリア抽出部52は、対象装置検知部51により検知されたHLR/HSS20(対象装置)に収容されている加入者プロファイル毎の通信量に基づいて、通信量の増加要因である加入者プロファイルに対応する在圏エリア(以下「特定在圏エリア」)を抽出する。例えば、在圏エリア抽出部52は、上述したようにリアルタイムに各HLR/HSS20から収集されるトラヒック情報に基づいて、対象装置に収容されている加入者プロファイル毎の通信量を把握する。
図10は、対象装置(ここでは一例として「代々木A」により識別されるHLR/HSS20)に収容されている加入者プロファイル毎の通信量(直近の期間における信号数)の一例を示す図である。この例では、加入者電話番号「090-xxxx-5678」に対応する加入者プロファイルに対応するユーザ(移動端末)が「東京A」に在圏しており、直近の期間において当該加入者プロファイルに対して「100」の通信量(信号数)が発生したことが示されている。
そして、在圏エリア抽出部52は、図10に示されるような情報(対象装置に収容されている加入者プロファイル毎の在圏エリア及び通信量を示す情報)を在圏エリア毎に集計することにより、通信量の集計値が最大となる在圏エリア(ここでは一例として「東京A」)を特定在圏エリアとして抽出することができる。
装置抽出部53は、在圏エリア抽出部52により抽出された特定在圏エリア(東京A)に在圏するユーザに関する加入者プロファイル(第1加入者プロファイル)を収容しているHLR/HSS20を抽出する。装置抽出部53による処理は、装置抽出部17による処理と同様である。
図11は、このようにして抽出されたHLR/HSS20と第1加入者プロファイルとの対応関係の一例を示す図である。図11の例では、第1加入者プロファイルのうちの1つである加入者プロファイル(加入者電話番号「090-xxxx-1234」に対応する加入者プロファイル)が「代々木A」により識別されるHLR/HSS20に収容されていることが示されている。他のレコードについても同様である。
移管対象決定部18及び移管部19の機能は、第1実施形態において説明した通りである。すなわち、移管対象決定部18は、装置抽出部53により抽出されたHLR/HSS20に収容された第1加入者プロファイルの数に基づいて、移管対象となる第1加入者プロファイルである第2加入者プロファイルを決定する。また、移管部19は、移管対象決定部18により決定された第2加入者プロファイルを収容しているHLR/HSS20から他のHLR/HSS20へと第2加入者プロファイルを移管させる。
次に、移管制御装置10Bの動作(加入者情報移管方法)の一例について説明する。図12は、移管制御装置10Bの動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS11において、トラヒック情報取得部11は、HLR/HSS20毎の通信量(本実施形態では、加入者プロファイル毎に細分化された通信量)に関するトラヒック情報(図3参照)を取得する。トラヒック情報取得部11は、各HLR/HSS20からリアルタイムにトラヒック情報を収集し、当該トラヒック情報をトラヒック情報記憶部12に記憶させる。
ステップS12において、対象装置検知部51は、上述したようにリアルタイムに収集されたトラヒック情報に基づいて、通信量が予め定められた基準量を超えたHLR/HSS20(対象装置)を検知する。
ステップS13において、在圏エリア抽出部52は、対象装置検知部51により検知されたHLR/HSS20(対象装置)に収容されている加入者プロファイル毎の通信量に基づいて、通信量の増加要因である加入者プロファイルに対応する在圏エリア(特定在圏エリア)を抽出する。在圏エリア抽出部52による処理の詳細は上述した通りである。
ステップS14において、装置抽出部53は、在圏エリア抽出部52により抽出された特定在圏エリア(ここでは一例として「東京A」)に在圏するユーザに関する加入者プロファイル(第1加入者プロファイル)を収容しているHLR/HSS20を抽出する(図11参照)。
ステップS15及びステップS16の処理は、図8におけるステップS6及びステップS7の処理と同様である。
以上述べた移管制御装置10Bによれば、定期的に各HLR/HSS20から取得されるトラヒック情報に基づいて、通信量が基準量を超えたHLR/HSS20(対象装置)を検知することができる。さらに、対象装置に収容されている加入者プロファイル毎の通信量に基づいて、通信量の増加要因である加入者プロファイルに対応する在圏エリア(特定在圏エリア)を抽出し、特定在圏エリアに在圏するユーザに関する第1加入者プロファイルの収容替えを実行することにより、特定在圏エリアに在圏するユーザに関する第1加入者プロファイルの収容数をHLR/HSS20間で平準化することが可能となる。すなわち、多くの第1加入者プロファイルが特定のHLR/HSS20(すなわち、対象装置)に偏在する事態の解消を図ることができる。その結果、第1加入者プロファイルへのアクセスに起因する対象装置に対する通信量を抑制できる。特に、移管制御装置10Bによれば、災害等の事前に予測できない事態の発生に起因して特定のHLR/HSS20に対する通信量が基準量を超えた際において、特定のHLR/HSS20に対するトラヒックの集中を緩和することができる。
なお、移管制御装置10Aと移管制御装置10Bとは、加入者プロファイルを移管させるタイミングが異なっているため、移管制御装置10Aと移管制御装置10Bとを互いに組み合わせることが可能である。すなわち、本開示に係る移管制御装置は、移管制御装置10A及び移管制御装置10Bの両方の機能を兼ね備えた装置として構成されてもよい。この場合、仮に移管制御装置10Aの移管制御によってHLR/HSS20に対する通信量の偏りが防止できなかった場合においても、移管制御装置10Bの移管制御によって事後的にHLR/HSS20に対する通信量の偏りを抑制することが可能となる。すなわち、移管制御装置10Bの機能により、移管制御装置10Aの機能を補完することが可能となる。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。
例えば、本開示の一実施の形態における移管制御装置10A,10Bは、本開示の情報処理方法を行うコンピュータとして機能してもよい。図13は、本開示の一実施の形態に係る移管制御装置10A,10Bのハードウェア構成の一例を示す図である。上述の移管制御装置10A,10Bは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。移管制御装置10A,10Bのハードウェア構成は、図13に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
移管制御装置10A,10Bにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、移管対象決定部18は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る情報処理方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、移管制御装置10A,10Bは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々な情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々な情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。