JP7135324B2 - 情報処理装置、情報処理システム及びプログラム - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明は、空気中に像を形成する像形成手段と、前記像を撮像する画像を処理して、ユーザと当該像との重なりを検出し、当該像とユーザとが空間内で重ならないように当該像の形成を制御する制御手段と、を有する情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、コンピュータに、空気中に形成される像を撮像した画像を処理して、ユーザと当該像との重なりを検出し、当該像とユーザとが空間内で重ならないように当該像の形成を制御する機能を実現させるためのプログラムである。
請求項4に記載の発明は、空気中に形成されている像が操作部を含まない像である場合、当該像とユーザとが空間内で重ならないように当該像の形成を制御する制御手段を有する情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、重ならないように前記像の表示上の大きさを縮小する、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記制御手段は、重ならないように前記像の表示の位置を移動させる、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記像は、移動前の表示面の傾きを維持したまま移動される、請求項6に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記像は、移動前の表示面の傾きを変化させるように移動される、請求項6に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記制御手段は、前記像を撮像する画像を処理して、ユーザと当該像との重なりを検出する、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記制御手段は、前記像を形成する前に当該像が形成される空間を撮像し、当該像が形成される空間にユーザが位置するか否かを検出する、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記制御手段は、前記像へのユーザの接近が予測される場合、当該像がユーザと重ならないように制御する、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項12に記載の発明は、前記制御手段は、ユーザの視線が前記像を向いているとき、当該像がユーザと重ならないように制御する、請求項11に記載の情報処理装置である。
請求項13に記載の発明は、前記制御手段は、前記像の方向にユーザが移動しているとき、当該像がユーザと重ならないように制御する、請求項11に記載の情報処理装置である。
請求項14に記載の発明は、前記制御手段は、前記像が表示される空間とユーザとの距離に基づいて当該像の形成を制御する、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項15に記載の発明は、前記制御手段は、前記像を形成する像形成手段とユーザとの距離に基づいて当該像の形成を制御する、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項16に記載の発明は、前記制御手段は、ユーザが前記像を避ける動作を行った場合に当該像がユーザと重ならないように制御する、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項17に記載の発明は、前記像が操作画面である場合、前記制御を無効にする、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項18に記載の発明は、空気中に像を形成する像形成手段と、前記像が操作部を含まない像である場合、当該像とユーザとが空間内で重ならないように当該像の形成を制御する制御手段とを有する情報処理システムである。
請求項19に記載の発明は、コンピュータに、空気中に形成されている像が操作部を含まない像である場合、当該像とユーザとが空間内で重ならないように当該像の形成を制御する機能を実現させるためのプログラムである。
請求項2記載の発明によれば、空気中に形成される像の重なりの発生を逐次検出できる。
請求項3記載の発明によれば、空気中に形成される像の重なりの発生を逐次検出できる。
請求項4記載の発明によれば、空気中に形成される像の視認性を高めることができる。
請求項5記載の発明によれば、像とユーザとの間に隙間を確保できる。
請求項6記載の発明によれば、像とユーザとの間に隙間を確保できる。
請求項7記載の発明によれば、像の傾きを変えずに隙間を確保できる。
請求項8記載の発明によれば、像の傾きは変わるが隙間を確保できる。
請求項9記載の発明によれば、重なりの発生を逐次検出できる。
請求項10記載の発明によれば、像を形成する前に重なりの発生を検出できる。
請求項11記載の発明によれば、重なりの発生を未然に予防できる。
請求項12記載の発明によれば、重なりの発生を未然に予防できる。
請求項13記載の発明によれば、重なりの発生を未然に予防できる。
請求項14記載の発明によれば、像とユーザとの間に隙間を確保できる。
請求項15記載の発明によれば、像とユーザとの間に隙間を確保できる。
請求項16記載の発明によれば、不要な制御を抑制できる。
請求項17記載の発明によれば、操作画面に対する操作を妨げないようにできる。
請求項18記載の発明によれば、空気中に形成される像の視認性を高めることができる。
請求項19記載の発明によれば、空気中に形成される像の視認性を高めることができる。
<実施の形態1>
<空中画像形成システムの概略構成>
図1は、実施の形態1に係る空中画像形成システム1Aの概略構成を説明する図である。空中画像形成システム1Aは、情報処理システムの一例である。
本実施の形態において、空中画像10とは、物体からの反射光と同等の光の状態を再現するように空気中に形成される像をいう。空中画像10は、空気中に浮かぶように形成されるので、人は、空中画像10を通り抜けることができる。
また、空中画像10には、静止画像だけでなく、動画像が表示されることもある。
また、各実施の形態では、矩形形状の全体を空中画像10として表現するが、空中画像10の外縁を規定する形状は矩形に限らず、任意でよい。例えば物体(オブジェクト)の像が形成される空間を、空中画像10が形成される空間の全てとしてもよい。例えば操作用のボタンの像、人の像、動物の像、製品の像、果物の像なども、ここでの空中画像10の一例である。図1では、空中画像10が平面形状であるが、曲面、球体、立方体などの立体的な形状でもよい。
このため、空中画像10が形成されている空間に、人体の一部が同時に存在することも可能である。
本実施の形態では、空中画像10が形成されている空間に人体の一部が同時に存在する状態を、空中画像10と人体の一部が重なっている状態という。
もっとも、本実施の形態を含め各実施の形態では、重なりとみなし得る状態も含め、空中画像10と人体の一部が重なっている状態という。
各実施の形態は、空中画像10と人20との意図せぬ接近に起因した視認性の低下を抑制することも目的としており、厳密な重なりが生じている状態は視認性の低下を招く一形態に過ぎないためである。
例えば空中画像10と人体の一部までの距離が予め定めた基準値より短い場合には、空中画像10と人体の一部が重なっている状態として扱う。
この際、人20の姿勢に応じて基準値を変更してもよい。例えば人20が腕を垂らした姿勢で空中画像10の表示面の前に立っている場合には、基準値を10cmとしてもよい。勿論、この数値は一例である。例えば1cmでも、5cmでもよい。
また、各実施の形態での位置の測定や位置の推定には誤差やマージンが許容される。このため、厳密な重なりを前提とする必然性も少ない。
ここで、おもて面とは、例えば文字が正しい向きとして視認される面や顔の左右が正しい向きで観察される面をいう。また、空中画像10が立体像の場合には、正面に定めた面が観察される方向をおもて面という。
本実施の形態の場合、人検知センサ33として、例えばサーモパイル型の赤外線センサ(例えばオムロン社製、https://www.omron.co.jp/press/2017/09/c0912.html)を使用する。サーモパイル型の赤外線センサは、二次元アレイ状に配置した赤外線センサによって赤外線画像を取得する方式のセンサである。
本実施の形態の場合、人検知センサ33は、検知面30を16分割した領域毎に人20の在/不在を検知することができる。16分割であるので1区画は、0.9m×0.9mである。従って、空中画像10と人20とのおおよその位置の関係が特定される。
ここでの人検知センサ33は検知手段の一例である。
採用する方式によっては、対象とする空間内に、複数の人検知センサ33を配置する。
ここで、空中画像形成装置31は像形成手段の一例であり、像制御装置32Aは制御手段の一例である。なお、像制御装置32Aは情報処理装置の一例でもある。
ここで、像制御装置32Aは、人検知センサ33から出力される信号に基づいて人20の位置に関する情報を取得する。
図2~図6を用いて、空中画像10の形成原理を説明する。以下に説明する原理は、いずれも既知である。
図2は、表示デバイス41から出力される光を専用の光学プレート42を透過させることで空中画像10を形成する空中画像形成装置31Aの原理図である。(A)は各部材と空中画像10との位置関係を示し、(B)は光学プレート42の断面構造の一部を示す。ここでの表示デバイス41と光学プレート42は、光学部品の一例である。
光学プレート42は、壁面を鏡として使用する短冊状のガラス42Aを配列したプレートと、ガラス42Aに対して直交する向きに短冊状のガラス42Bを配列したプレートを上下に重ねた構造を有する。
光学プレート42は、表示デバイス41から出力される光を短冊状のガラス42A及び42Bで2回反射して空気中で結像させることで、表示デバイス41に表示されている画像を空気中に再現する。なお、表示デバイス41と光学プレート42の距離と、光学プレート42と空中画像10の距離は同じである。また、表示デバイス41に表示される画像の寸法と空中画像10の寸法は同じである。
空中画像形成装置31Dの場合、表示デバイス45から出力される光は、ビームスプリッタ46によって再帰反射シート47の方向に反射され、次に再帰反射シート47で再帰反射され、ビームスプリッタ46を透過して空中で結像される。光が結像する位置に空中画像10が形成される。
空中画像形成装置31Eの場合、赤外パルスレーザ48がパルス状のレーザ光を出力し、XYZスキャナ49がパルス状のレーザ光を空気中で集光する。このとき、焦点近傍の気体が瞬間的にプラズマ化し、発光する。パルス周波数は、例えば100Hz以下であり、パルス発光時間は、例えばナノ秒オーダである。ここでの赤外パルスレーザ48とXYZスキャナ49は、光学部品の一例である。
図7は、実施の形態1に係る像制御装置32Aのハードウェア構成の一例を説明する図である。
像制御装置32Aは、ファームウェアやアプリケーションプログラムの実行を通じて各種の機能を提供するCPU(Central Processing Unit)51と、ファームウェアやBIOS(Basic Input Output System)を格納する記憶領域であるROM(Read Only Memory)52と、プログラムの実行領域であるRAM(Random Access Memory)53とを有している。ここでのCPU51、ROM52、RAM53は、いわゆるコンピュータの一例である。
また、像制御装置32Aは、アプリケーションプログラム等のデータを格納する記憶装置54を有している。記憶装置54は、例えば書き換え可能な不揮発性の記憶媒体を情報の格納に使用する。
なお、像制御装置32Aは、インタフェース(IF)56を使用して人検知センサ33と通信する。
ここで、CPU51と各部はバス57を通じて接続されている。
図8に示す機能構成は、CPU51(図7参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。
CPU51は、空中画像10(図1参照)が形成されている空間内における人20(図1参照)の位置を検知する位置検知部60と、検知された人20の位置と空中画像10が形成される位置(3次元)との関係に応じて空中画像10の形成を制御する像形成制御部61として機能する。
像形成制御部61は、空中画像10が形成される空間の情報(3次元)と、人検知センサ33の検知面30が形成される位置(2次元)の情報を有している。空中画像10が形成される位置の情報は、事前の位置合わせによって特定された初期位置からの制御の履歴に基づいて推定してもよいし、空中画像形成装置31との通信を通じて推定してもよいし、他のセンサ類から与えられてもよい。
本実施の形態の場合、移動には、例えば直線的な移動、回転による移動、直線的な移動の組み合わせ、回転による移動の組み合わせ、直線的な移動と回転による移動の組み合わせ等を使用する。
図9は、像形成制御部61(図8参照)が実行する処理動作の概要を説明するフローチャートである。概要であるので、細部については、個別の使用の形態に応じて異なる。
まず、像形成制御部61は、人を検知したか否かを判定する(ステップ1)。
ステップ1で否定結果が得られた場合、像形成制御部61は、処理を終了する。もっとも、人が検知されるまで、ステップ1の判定を繰り返してもよい。
ここでの判定は、厳密な意味での重なりの検知を必要としない。例えばマージンを加味して判定してもよい。ここでの処理動作は、人の視認性を高めることを1つの目的として実行されるためである。また、空中画像10と人20との厳密な意味での重なりは、視認性が低下する一形態に過ぎないためである。
ステップ3で肯定結果が得られた場合、像形成制御部61は、人と重ならない方向に空中画像を移動させる(ステップ4)。
この移動は、ステップ3で否定結果が得られるまで繰り返される。
なお、移動の方向と移動の距離は、例えば空中画像が形成される位置と人の位置との関係、視認に際して推奨される距離等に基づいて決定してもよい。また、空中画像が立体像である場合には、空中画像の厚みも考慮に入れる。
例えば図2に示す手法で空中画像を形成している場合、不図示の移動機構を用いて、表示デバイス41(図2参照)と光学プレート42(図2参照)を一体的に一方向に移動させることで空中画像を平行に移動できる。ここでの移動機構には、例えば一軸アクチュエータを使用する。また、表示デバイス41と光学プレート42は、案内機構に沿って移動される。移動の距離や移動後の位置は、不図示の位置検出センサによって検知する。
図10は、空中画像10と人20が重なっている状態の一例を説明する図である。
図10には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
図10の場合、人20の背中が空中画像10の一方の面にあり、人20の顔が空中画像10の他方の面にある。すなわち、体の前側が空中画像10を通り抜けた状態にある。
この状態の人20は、空中画像10に表示された内容を視認することはできない。
図11は、空中画像10の移動例1を説明する図である。
図11では、人20が向いている方向(すなわちX軸の方向)に空中画像10が移動されている。人20の顔の向きに関する情報は、別途与えられるものとする。
この移動は、いわゆる平行移動であり、空中画像10の表示面(YZ面)の傾きに変化はない。
図12は、空中画像10の移動例2を説明する図である。
図12では、人20に対して右方向(すなわちY軸の方向)に空中画像10が移動されている。
この移動も、いわゆる平行移動であり、空中画像10の表示面(YZ面)の傾きに変化はない。
図13は、空中画像10の移動例3を説明する図である。
図13では、空中画像10のうち人20から見て左側に位置する辺(すなわちZ軸)を回転軸として反時計回りに空中画像10が移動されている。
この移動は、いわゆる回転移動であり、空中画像10の表示面(YZ面)の傾きに変化はない。
一方で、空中画像10を移動できる範囲には限界もある。従って、人20の移動方向とは異なる方向に空中画像10を移動させてもよい。例えば移動例2(図12)や移動例3(図13)は、このような移動例の一例である。
また、空中画像10が形成される空間の構造(例えば通路、壁)や動線の情報も参照して人20の移動の方向を予測し、空中画像10の移動の方向や移動の距離を決定してもよい。
図14は、空中画像10の移動例4を説明する図である。
図14では、空中画像10の天井側に位置する辺(すなわちY軸)を回転軸として反時計回りに空中画像10が移動されている。
この移動は、いわゆる回転移動の一形態であり、空中画像10の表示面の寸法は変えずに表示面の傾きを変化させている。
<空中画像形成システムの概略構成>
図15は、実施の形態2に係る空中画像形成システム1Bの概略構成を説明する図である。空中画像形成システム1Bは、情報処理システムの一例である。
図15には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態に係る空中画像形成システム1Bは、人検知センサ33に代えて距離センサ34を使用する点で、実施の形態1に係る空中画像形成システム1A(図1参照)と異なっている。
なお、距離センサ34で測定された距離の情報を用いるため、空中画像形成システム1Bでは、空中画像形成装置31の制御に像制御装置32Bを使用する。像制御装置32Bは、制御手段の一例であると共に情報処理装置の一例でもある。
距離センサ34から空中画像10までの距離L0は既知とする。ここでの距離L0は、例えば空中画像10を形成する際に基準として用いる位置までの距離(いわゆる初期位置又は基準位置)、空中画像10が形成される位置を調整した時点における位置等を用いる。
距離センサ34には、例えば対象物での光の反射により距離を測定する光学式、20kHz以上の超音波を使用する超音波式、2台の撮像カメラを用いてステレオ撮影した2枚の画像から視差を利用して距離を求める方式、1台の撮像カメラを用いて距離に応じたボケと色ズレが発生する画像を撮影し、ボケと色ズレを画像処理して距離を検出する方式等を用いてもよい。
また、空間内の位置が既知である1つ又は複数の人検知センサ33(図1参照)で検知された情報を使用して距離を特定する仕組みを採用してもよい。
図16は、実施の形態2に係る像制御装置32Bのハードウェア構成の一例を説明する図である。
図16には、図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
像制御装置32Bのハードウェア構成は、基本的に、像制御装置32A(図7)と同様である。
図17に示す機能構成は、CPU51(図16参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。
図18は、像形成制御部63(図17参照)が実行する処理動作の概要を説明するフローチャートである。概要であるので、細部については、個別の使用の形態に応じて異なる。
まず、像形成制御部63は、人を検知したか否かを判定する(ステップ11)。
ステップ11で否定結果が得られた場合、像形成制御部63は、処理を終了する。もっとも、人が検知されるまで、ステップ11の判定を繰り返してもよい。
次に、像形成制御部63は、取得された距離の情報を用い、特定された位置が空中画像が重なるか否かを判定する(ステップ13)。
ここでの判定は、実施の形態1の場合と同様、厳密な意味での重なりの検知を必要としない。例えばマージンを加味して判定してもよい。
ステップ13で肯定結果が得られた場合、像形成制御部63は、人と重ならない方向に空中画像を移動させる(ステップ14)。
空中画像の移動は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。すなわち、図10~図14を用いて説明したように、空中画像の表示上の寸法はそのままに、一方向に移動又は回転させる。
<空中画像形成システムの概略構成>
図19は、実施の形態3に係る空中画像形成システム1Cの概略構成を説明する図である。空中画像形成システム1Cは、情報処理システムの一例である。
図19には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態では、空中画像形成装置31と人20との間の距離L4に基づいて空中画像10の移動を制御している。
実施の形態2で説明したように、距離L1は、距離センサ34と空中画像10との間の距離L0に、空中画像10と人20との間の距離L2を加算した関係がある。つまり、距離L4による制御は、距離L0に距離L2と距離L3を加算した値による制御と同等となる。
このように、距離L4による制御は、空中画像10と人20との間の距離L2を用いる点で実施の形態2の変形例でもある。
例えば不図示の機構を用いて空中画像形成装置31を移動させる場合には、その制御値を用いて距離L3を更新することも可能である。
なお、本実施の形態における像制御装置32Cの機能構成は、図17を用いて説明した像制御装置32B(図16参照)の機能構成と同じである。すなわち、像制御装置32Cは、距離検知部62と像形成制御部63として機能する。
図20は、像形成制御部63(図17参照)が実行する他の処理動作の概要を説明するフローチャートである。概要であるので、細部については、個別の使用の形態に応じて異なる。
まず、像形成制御部63は、人を検知したか否かを判定する(ステップ21)。
ステップ21で否定結果が得られた場合、像形成制御部63は、処理を終了する。もっとも、人が検知されるまで、ステップ21の判定を繰り返してもよい。
次に、像形成制御部63は、取得された距離の情報を用い、人と空中画像が重なるか否かを判定する(ステップ23)。
ここでの判定は、実施の形態1や実施の形態2の場合と同様、厳密な意味での重なりの検知を必要としない。例えばマージンを加味して判定してもよい。
ステップ23で肯定結果が得られた場合、像形成制御部63は、人と重ならない方向に空中画像を移動させる(ステップ24)。
空中画像の移動は、実施の形態1や実施の形態2と同様であるので説明を省略する。すなわち、図10~図14を用いて説明したように、空中画像の表示上の寸法はそのままに、一方向に移動又は回転させる。
<空中画像形成システムの概略構成>
図21は、実施の形態4に係る空中画像形成システム1Dの概略構成を説明する図である。空中画像形成システム1Dは、情報処理システムの一例である。
図21には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態における空中画像形成システム1Dは、空中画像10を空気中に形成する空中画像形成装置31と、空中画像10を含む空間を撮像する撮像カメラ35と、撮像された画像を処理して空中画像10の形成を制御する像制御装置32Dとを有している。
図21の例では、撮像カメラ35が1台であるが複数台でもよい。複数台の撮像カメラ35を用いる場合には、空中画像10が形成される空間を異なる方向から撮影することが望ましい。複数の方向から撮像することで死角が少なくなり、空中画像10と人20との重なりの検知漏れが少なくなる。
図22には、図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
像制御装置32Dのハードウェア構成は、基本的に、像制御装置32A(図7)と同様である。
図23に示す機能構成は、CPU51(図22参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。
画像解析部64は、画像の解析を通じて空中画像10と人20の重なりを認識する。例えば空中画像10と人20との間の隙間を検知の対象とし、隙間を検知できなければ重なりが生じていると判定してもよい。また、重なりとみなす画像との一致度が高い場合には重なりが生じていると判定してもよい。また、いわゆる人工知能を用いて重なりを検知してもよい。
像形成制御部65は、撮像された画像を解析した結果を用いて重なりが解消されるように空中画像10を形成する位置の移動や寸法の縮小等を空中画像形成装置31に指示する。
図24は、像形成制御部65(図23参照)が実行する処理動作の概要を説明するフローチャートである。概要であるので、細部については、個別の使用の形態に応じて異なる。
まず、像形成制御部65は、空中画像と人が重なるか否かを判定する(ステップ31)。
ステップ31で否定結果が得られた場合、像形成制御部65は、処理を終了する。
空中画像の移動は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。すなわち、図10~図14を用いて説明したように、空中画像の表示上の寸法はそのままに、一方向に移動又は回転させる。
図25は、空中画像10の寸法を縮小する例を説明する図である。図21に示す空中画像10と比べ、図25に示す空中画像10の寸法が小さくなっていることが分かる。なお、縮小後の寸法が小さくなり過ぎると、かえって視認性が低下するおそれがある。そこで、縮小後の寸法が予め定めた寸法よりも小さくならないように制限を設けることが好ましい。
<空中画像形成システムの概略構成>
図26は、実施の形態5に係る空中画像形成システム1Eの概略構成を説明する図である。空中画像形成システム1Eは、情報処理システムの一例である。
図26には、図21との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態は、実施の形態4の変形例である。
このため、像制御装置32Eのハードウェア構成と機能構成は、いずれも実施の形態4と同様である。すなわち、像制御装置32Eは、プログラムの実行を通じ、画像解析部64(図23参照)及び像形成制御部65(図23参照)として機能する。
ここでの像制御装置32Eは、制御手段の一例であると共に情報処理装置の一例でもある。
まず、像形成制御部65は、人を検知したか否かを判定する(ステップ41)。この判定も、撮像された画像の解析を通じて実現される。検知される人の数は、ゼロの場合もあれば、1人の場合も複数人の場合もある。
ステップ41で否定結果が得られた場合、像形成制御部65は、処理を終了する。もっとも、人が検知されるまで、ステップ41の判定を繰り返してもよい。
次に、像形成制御部65は、取得された移動の方向から空中画像への人の接近が予測されるか否かを判定する(ステップ43)。ここでの接近には、空中画像と人とが実際に重なることの他、移動の方向に空中画像が位置することも含む。
なお、予測は、判定の時点から予め定めた時間内に限ることが望ましい。例えば3秒以内に限る。人の移動の向きは逐次変わり得るためである。
一方、ステップ43で肯定結果が得られた場合、像形成制御部65は、空中画像を移動又は縮小又は移動と縮小の組み合わせを実行する(ステップ44)。この動作は、ステップ43で否定結果が得られるまで繰り返される。
空中画像の移動は、実施の形態4と同様であるので説明を省略する。
<空中画像形成システムの概略構成>
図28は、実施の形態6に係る空中画像形成システム1Fの概略構成を説明する図である。空中画像形成システム1Fは、情報処理システムの一例である。
図28には、図21との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態は、実施の形態4の更なる変形例である。
このため、像制御装置32Fのハードウェア構成と機能構成は、いずれも実施の形態4と同様である。すなわち、像制御装置32Fは、プログラムの実行を通じ、画像解析部64(図23参照)及び像形成制御部65(図23参照)として機能する。
ここでの像制御装置32Fは、制御手段の一例であると共に情報処理装置の一例でもある。
まず、像形成制御部65は、人を検知したか否かを判定する(ステップ51)。この判定も、撮像された画像の解析を通じて実現される。検知される人の数は、ゼロの場合もあれば、1人の場合も複数人の場合もある。
ステップ51で否定結果が得られた場合、像形成制御部65は、処理を終了する。もっとも、人が検知されるまで、ステップ51の判定を繰り返してもよい。
次に、像形成制御部65は、特定された視線が空中画像を向いているか否かを判定する(ステップ53)。空中画像を見ていない人が空中画像と重なっても視認性の低下は起こらず、視認性を高める必要もないためである。
一方、ステップ53で肯定結果が得られた場合、像形成制御部65は、空中画像への対象とする人の接近が予測されるか否かを判定する(ステップ54)。ここでの接近には、空中画像と人とが実際に重なることの他、移動の方向に空中画像が位置することも含む。
なお、予測は、判定の時点から予め定めた時間内に限ることが望ましい。例えば3秒以内に限る。人の移動の向きは逐次変わり得るためである。
一方、ステップ54で肯定結果が得られた場合、像形成制御部65は、空中画像を移動又は縮小又は移動と縮小の組み合わせを実行する(ステップ55)。この動作は、ステップ54で否定結果が得られるまで繰り返される。
空中画像の移動は、実施の形態4と同様であるので説明を省略する。
<空中画像形成システムの概略構成>
図30は、実施の形態7に係る空中画像形成システム1Gの概略構成を説明する図である。空中画像形成システム1Gは、情報処理システムの一例である。
図30には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態では、空中画像が形成される前に人20との間で重なりが生じないように空中画像を形成する位置を決定する。このため、図30では、空中画像が描画されていない。
ここでの像制御装置32Gは、制御手段の一例であると共に情報処理装置の一例でもある。
図31は、像形成制御部61(図8参照)が実行する処理動作の概要を説明するフローチャートである。概要であるので、細部については、個別の使用の形態に応じて異なる。
空中画像を形成する場合には、例えば空中画像形成装置31(図30)を起動又は再起動する場合、空中画像形成装置31をスリープ状態から復帰する場合、ポップアップ形式での空中画像の形成が指示された場合がある。
ステップ61で肯定結果が得られた場合、像形成制御部61は、人を検知したか否かを判定する(ステップ62)。検知される人の数は、ゼロの場合もあれば、1人の場合も複数人の場合もある。
ステップ62で肯定結果が得られた場合、像形成制御部61は、人の位置を特定する(ステップ63)。
次に、像形成制御部61は、空中画像が形成される予定の空間に人がいるか否かを判定する(ステップ64)。
ステップ64で肯定結果が得られた場合、像形成制御部61は、人と重ならないように空中画像を形成する位置を決定する(ステップ65)。
この後、像形成制御部61は、空中画像の形成を許可する(ステップ66)。
図32の場合、空中画像10は、人検知センサ33の真下よりもズレた位置に形成されている。このため、形成と同時に空中画像10と人20とが重なることもなく、人20による視認が低下することもない。
<空中画像形成システムの概略構成>
図33は、実施の形態8に係る空中画像形成システム1Hの概略構成を説明する図である。空中画像形成システム1Hは、情報処理システムの一例である。
図33には、図21との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態では、撮像された画像から人20の動作を解析し、空中画像10を避けるような動作(例えばのけ反る動作)を行った場合に空中画像10を形成する位置を移動させる。人20が空中画像10を通り抜ける場合には空中画像10の視認性の低下を考慮する必要がないのに対し、少なくとも避けるような動作を行う場合には、人20が空中画像10の存在を意識しており、その後も視認の対象とする可能性が高いためである。
ここでの像制御装置32Hは、制御手段の一例であると共に情報処理装置の一例でもある。
図34は、像形成制御部65(図23参照)が実行する処理動作の概要を説明するフローチャートである。概要であるので、細部については、個別の使用の形態に応じて異なる。
次に、像形成制御部65は、認識された動作が退避するような行動か否かを判定する(ステップ72)。退避するような行動には、のけ反るような動作の他、後ずさりするような動作がある。ここでの判定は、退避とみなす動作との一致度に基づいて行ってもよいし、いわゆる人工知能を用いて判定してもよい。
ステップ72で肯定結果が得られた場合、像形成制御部65は、退避の方向とは逆向きに空中画像を移動させる(ステップ73)。
次に、像形成制御部65は、空中画像と人が重ならないか否かを判定する(ステップ74)。
ステップ74で否定結果が得られている間、像形成制御部65は、ステップ73の移動を継続する。
ステップ74で肯定結果が得られると、像形成制御部65は、処理を終了する。
時点T1は、空中画像10と人20とが重なっていない状態を示している。
時点T2は、空中画像10と人20とが重なった状態を示している。ただし、この段階では単なる通り抜けの可能性もある。このため、本実施の形態では、重なりが検知されても、空中画像10を移動させていない。
時点T4は、のけ反るような動作の検知に対する反応として空中画像10を形成する位置を人20から遠ざける方向に移動させた状態を示している。
ところで、この実施の形態では、人20が空中画像10を避けるような動作の検知を条件に空中画像10を移動させているので、人20が実際に空中画像10と重なる状態を経る必要はない。
従って、仮に時点T1の段階であっても、のけ反るような動作が検知されれば、空中画像10の移動が実行される。
なお、本実施の形態でも、空中画像10の寸法の縮小を移動と組み合わせてもよいし、空中画像10の寸法の縮小を単独で実行させてもよい。
<空中画像形成システムの概略構成>
図36は、実施の形態9に係る空中画像形成システム1Iの概略構成を説明する図である。空中画像形成システム1Iは、情報処理システムの一例である。
図36には、図21との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態では、空中画像10が操作用の画面である場合を想定する。
空中画像10が操作用の画面である場合、操作に用いられる指先が空中画像10と重なるのは必然であり、このような場合にも空中画像10を移動させてしまうと操作を行えなくなる。
そこで、本実施の形態では、人20による意図的な重なりか意図しない重なりかを区別して空中画像10の形成を制御する。
ここでの像制御装置32Iは、制御手段の一例であると共に情報処理装置の一例でもある。
まず、像形成制御部65は、空中画像と人が重なるか否かを判定する(ステップ81)。
ステップ81で否定結果が得られた場合、像形成制御部65は、処理を終了する。
ステップ82で否定結果が得られた場合、像形成制御部65は、空中画像を移動させる(ステップ83)。この場合は、視認性の低下の可能性が高いためである。もっとも、空中画像の移動の実行には、実施の形態8のように空中画像を避ける動作の検知を条件としてもよい。
ステップ84で否定結果が得られた場合、像形成制御部65は、処理を終了する。操作用の画面に指先以外の部位(例えば頭や胴等)で空中画像と重なるのは、視認を意図していない蓋然性が高いためである。
ステップ84で肯定結果が得られた場合、像形成制御部65は、重なりを操作として受け付ける(ステップ85)。
前述の実施の形態では、空中画像形成装置が据え置き型である場合(ただし、空中画像の位置を移動させるために装置本体が移動される場合を含む)を想定しているが、空中画像形成装置は持ち運びの自由度が高い装置に設けられる場合もある。
図38における情報処理装置40には、ノート型のコンピュータ、スマートフォーン、ゲーム機、電子辞書等の装置の他、机や床面等の任意の場所に置いて使用する装置が想定される。
また、情報処理装置40には、例えば人20の位置の検知に用いる人検知センサ33、例えば人20との距離を検知する距離センサ34、例えば人20と空中画像10との重なりを検知する撮像カメラ35を内蔵する。これらのセンサは何れか1つが情報処理装置40に内蔵される場合に限らず、複数が情報処理装置40に内蔵されてもよい。
また、この種の装置では、据え置き型の空中画像形成装置31による空中画像10の形成とは異なり、使用の度に空気中に形成される特徴がある。このため、空中画像10が生成される空間の範囲を人20が予期することも難しい。
図39では立方体形状の空中画像10の体積が図38に示す空中画像10の体積に比して小さく制御されている。
この制御には、前述した実施の形態の技術を応用すればよい。例えば情報処理装置40と人20との位置の関係、情報処理装置40と人20の距離の関係、撮像カメラ35で撮像された画像を解析する技術を用いればよい。
また、空中画像10を縮小する制御や形成する位置を移動する制御は、実施の形態7のように、空中画像10を形成する前に決定してもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に記載の範囲に限定されない。上述の実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
前述の実施の形態1~9においては、空中画像10が専ら平面状に形成される場合について説明しているが、実施の形態10(図38及び図39参照)に示したように空中画像10が立体的に形成される場合にも応用が可能である。
Claims (19)
- 空気中に形成される像を撮像する画像を処理して、ユーザと当該像との重なりを検出し、当該像とユーザとが空間内で重ならないように当該像の形成を制御する制御手段
を有する情報処理装置。 - 空気中に像を形成する像形成手段と、
前記像を撮像する画像を処理して、ユーザと当該像との重なりを検出し、当該像とユーザとが空間内で重ならないように当該像の形成を制御する制御手段と、
を有する情報処理システム。 - コンピュータに、
空気中に形成される像を撮像した画像を処理して、ユーザと当該像との重なりを検出し、当該像とユーザとが空間内で重ならないように当該像の形成を制御する機能
を実現させるためのプログラム。 - 空気中に形成されている像が操作部を含まない像である場合、当該像とユーザとが空間内で重ならないように当該像の形成を制御する制御手段
を有する情報処理装置。 - 前記制御手段は、重ならないように前記像の表示上の大きさを縮小する、請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、重ならないように前記像の表示の位置を移動させる、請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記像は、移動前の表示面の傾きを維持したまま移動される、請求項6に記載の情報処理装置。
- 前記像は、移動前の表示面の傾きを変化させるように移動される、請求項6に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、前記像を撮像する画像を処理して、ユーザと当該像との重なりを検出する、請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、前記像を形成する前に当該像が形成される空間を撮像し、当該像が形成される空間にユーザが位置するか否かを検出する、請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、前記像へのユーザの接近が予測される場合、当該像がユーザと重ならないように制御する、請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、ユーザの視線が前記像を向いているとき、当該像がユーザと重ならないように制御する、請求項11に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、前記像の方向にユーザが移動しているとき、当該像がユーザと重ならないように制御する、請求項11に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、前記像が表示される空間とユーザとの距離に基づいて当該像の形成を制御する、請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、前記像を形成する像形成手段とユーザとの距離に基づいて当該像の形成を制御する、請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、ユーザが前記像を避ける動作を行った場合に当該像がユーザと重ならないように制御する、請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記像が操作画面である場合、前記制御を無効にする、請求項4に記載の情報処理装置。
- 空気中に像を形成する像形成手段と、
前記像が操作部を含まない像である場合、当該像とユーザとが空間内で重ならないように当該像の形成を制御する制御手段と
を有する情報処理システム。 - コンピュータに、
空気中に形成されている像が操作部を含まない像である場合、当該像とユーザとが空間内で重ならないように当該像の形成を制御する機能
を実現させるためのプログラム。
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