JP7129820B2 - 電動工具 - Google Patents
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Description
この場合、軽負荷モデル用のモータは、小型で省スペースとなるが、重負荷モデル用のモータは、軽負荷モデル用よりも大型となるため、製品のコンパクト化には不向きとなっている。
また、ステータの製造時には、短絡部材をセンサ回路基板と共にインシュレータへねじ止めする作業が必要となる上、コイルへの電源線を短絡部材の板金部材へハンダ付けする作業や、ヒュージング端子を板金部材へヒュージングする作業も必要となるため、部品点数や組立工数が多くなってしまう。この課題は、渡り線同士を短絡させない場合での金具と渡り線との接続等においても同様である。
コイル間の渡り線と電気的に接続される接続部を備えて所定の渡り線同士を短絡する短絡金具が、インシュレータにインサート成形されていると共に、
インシュレータには、ナットが固定されており、
ナットには、コイルへ給電する電源線が電気的に接続される電源端子を備えた電源端子ユニットの電源端子がネジ止めされていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、接続部は、ヒュージング端子であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、電源端子ユニットにおけるインシュレータ側の面には、ロータの回転を検出するためのセンサ回路基板が仮固定されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、電源端子ユニットはリング状で、全周に亘ってセンサ回路基板と当接していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4の構成において、電源端子ユニットにおけるセンサ回路基板側の面には、センサ回路基板が嵌合する保持凹部が形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5の構成において、電源端子ユニットには、センサ回路基板を貫通してインシュレータ側へ突出するピンが設けられ、インシュレータには、電源端子ユニットのネジ止め状態でピンが挿通する孔が形成されていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、ステータとロータとからなるモータを有し、ステータに、軸方向の前後に位置するインシュレータを介して複数のコイルが巻回される電動工具であって、
コイル間の渡り線と電気的に接続される第1の接続部及び第2の接続部と、第1の接続部と第2の接続部との間に配置される透孔とを備えて所定の渡り線同士を短絡する短絡金具が、インシュレータにインサート成形されていると共に、
コイルへ給電する電源線が電気的に接続される電源端子が、透孔を貫通してインシュレータにねじ込まれるネジによってネジ止めされていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、ステータとロータとからなるモータを有し、ステータに、軸方向の前後に位置するインシュレータを介して複数のコイルが巻回される電動工具であって、
ナットが、インシュレータにインサート成形されていると共に、
インシュレータには、コイルに接続される金具が固定されており、
ナットには、コイルへ給電する電源線が電気的に接続される電源端子を備えた電源端子ユニットの電源端子と、金具とが、ネジによって共締めされて、電源端子と金具とが電気的に接続されていることを特徴とする。
(ドライバドリルの全体説明)
図1は、電動工具の一例であるドライバドリルの全体図、図2は本体の後部の中央縦断面図である。このドライバドリル1は、前後方向に延びる本体2に、ハンドル3を下向きに形成したT字状を有し、ハンドル3の下端に形成したバッテリー装着部4には、電源となるバッテリーパック5が装着されている。
本体2のハウジングは、後述するブラシレスモータ20及び遊星歯車減速機構94を収容する筒状の本体ハウジング6の前方に、図示しないクラッチ機構及びスピンドルを収容する前ハウジング7を前方からネジ8,8・・によって組み付け、本体ハウジング6の後方に、キャップ状の後カバー9を後方から上下二カ所でネジ10,10によって組み付けて形成される。
本体ハウジング6の後部に収容されるブラシレスモータ20は、ステータ21とロータ22とからなるインナロータ型である。ステータ21は、図3~6に示すように、複数の積層鋼板から形成される筒状のステータコア23と、ステータコア23の軸方向前後の端面にそれぞれ設けられる前インシュレータ24及び後インシュレータ25と、前後インシュレータ24,25を介してステータコア23に巻回される6つのコイル26,26・・と、を有している。また、前インシュレータ24には、後述するセンサ回路基板27及び電源端子ユニット28が取り付けられている。
次に、前インシュレータ24は、ステータコア23と略同径リング状の樹脂成形品で、図7にも示すように、内周側に、軸心側へ突出してステータコア23のティース30の前方へ連続状に位置する6つの突出部32,32・・を形成している。前インシュレータ24の背面側には、ステータコア23のスロット31に嵌合する6つの嵌合部33,33・・が突設されている。
また、前インシュレータ24の上面で左右方向の中央には、位置決め凹部34が形成され、左右の側面には、上に2つ、下に2つの三角形状の切欠部35,35が形成されている。これらの位置決め凹部34及び切欠部35は、ステータコア23によって後面が塞がれるようになっている。
ナット37A~37Cは、受け部39A~39Cの背面に透孔42と同軸で当接する前後方向の向きで、それぞれ受け部39A~39Cの裏側に配置されている。
こうしてインサート成形される各短絡金具36A~36Cの一対のヒュージング端子38A~38Cは、六角形の対角上にそれぞれ位置して前インシュレータ24から露出した状態となり、各受け部39A~39Cは前面のみを前インシュレータ24から露出した状態となる。
また、センサ回路基板27の内周縁には、上部左右に2つ、下部右側に1つの切欠66,66・・が形成されている。
さらに、電源端子ユニット28の内周には、後方へ突出してセンサ回路基板27の切欠66にそれぞれ内側から係止する係止片75,75・・が形成されている。但し、係止片75を電源端子ユニット28の外周に設けてセンサ回路基板27の外周に設けた切欠66に係止させてもよい。
この電源端子ユニット28を前インシュレータ24に組み付ける際、まず裏面にセンサ回路基板27を、上下の突出片61,61を保持片70,70の位置に合わせ、位置決め片64を押さえ片72の位置に合わせた状態で保持凹部71に嵌合させる。すると、押さえ片72のピン73が位置決め片64の透孔65を貫通すると共に、電源端子ユニット28の各係止片75がセンサ回路基板27の各切欠66にそれぞれ係止する。よって、センサ回路基板27は、回り止め及び外れ止めされた状態で電源端子ユニット28に仮固定される。
こうして組み付けられるステータ21は、図2に示すように、本体ハウジング6の半割ハウジング6a,6bの内面へそれぞれ周方向に突設した支持リブ85,85・・によってステータコア23の外周が保持されると共に、半割ハウジング6aの内面に突設された図示しない突起が、前インシュレータ24に形成した位置決め凹部34及び切欠部35にそれぞれ嵌合することで、軸方向及び周方向に位置決めされた状態で収容される。
回転軸86の後端は、後カバー9に保持された軸受89に軸支されて、その前方部位には遠心ファン90が取り付けられている。ここでは遠心ファン90の中央部は前方へすり鉢状に膨出して、軸受89がその後方へ突出する格好となっている。これにより、後カバー9と遠心ファン90との距離が近くなって全長の短縮化に繋がる。本体ハウジング6の左右の側面には、吸気口91,91・・(図1)が形成され、後カバー9の左右の側面には、排気口92,92・・が形成されている。
遊星歯車減速機構94は、インターナルギア98内で公転する複数の遊星歯車100,100を支持した複数のキャリア99を軸方向に並設した周知の構造で、二段目のインターナルギヤ(区別するため98Aと表記する。)は、ギアケース93内で固定されて二段目の遊星歯車100を公転させる前進位置と、二段目の遊星歯車100と一段目のキャリア99とに同時に噛合してキャリア99と遊星歯車100とを一体回転させて二段目の減速をキャンセルする後退位置との間で軸方向へ前後移動可能に設けられている。このインターナルギア98Aに、ピン101を介して速度切替リング102が結合されて、速度切替リング102の上端の突起103が、前後のコイルバネ104,104を介して速度切替ボタン105と結合されている。よって、速度切替ボタン105の前後へのスライド操作によって、速度切替リング102を介してインターナルギア98Aを前後移動させれば、前進位置での低速モードと、後退位置での高速モードとが選択可能となる。
以上の如く構成されたドライバドリル1においては、トリガ15を押し込み操作すると、スイッチがONしてバッテリーパック5の電源によってブラシレスモータ20が駆動する。すなわち、制御回路基板に搭載したマイコンが、センサ回路基板27の回転検出素子60から出力されるロータ22の永久磁石88の位置を示す回転検出信号を得てロータ22の回転状態を取得し、取得した回転状態に応じて各スイッチング素子のON/OFFを制御し、ステータ21の各コイル26に対し順番に三相電流を流すことでロータ22を回転させる。よって、回転軸86が回転して遊星歯車減速機構94に減速された回転がスピンドルへ伝わり、チャック13を回転させる。そして、モード切替リング11の操作により、所定トルクで回転伝達が遮断されるクラッチ機構が機能するドライバモードと、クラッチ機構が機能しないドリルモードとが選択可能となり、クラッチ調整リング12の操作により、ドライバモードでクラッチ機構が作動するトルクの調整が可能となる。
また、6つのコイル26を一本のワイヤで巻回(いわゆる一筆書き)しているため、一工程で全てのコイル26を巻き切ることができる。
このように、上記形態のドライバドリル1によれば、コイル26,26間の渡り線53,53と電気的に接続される接続部(ヒュージング端子38A~38C)を備えて渡り線53,53同士を短絡する短絡金具36A~36Cが、前インシュレータ24にインサート成形されているので、ステータ21の製造時には、短絡金具36A~36Cを前インシュレータ24へ組み付ける作業が不要となり、部品点数や組立工数の削減に繋がる。
特にここでは、コイル26へ給電する電源線81U,81V,81Wを短絡金具36へ電気的に接続して前インシュレータ24へ組み付けるためのナット37A~37Cも前インシュレータ24にインサート成形しているので、電源線81U,81V,81Wの組み付け及び取り外しが容易に行え、修理等に係る作業性が良好となる。
さらに、ナット37A~37Cには、電源線81U,81V,81Wが電気的に接続される電源端子76A~76Cを備えた電源端子ユニット28の電源端子76A~76Cがネジ止めされるので、電源線81U,81V,81Wの組み付けと電気的な接続とが同時に行える合理的な構成となる。
そして、電源端子ユニット28における前インシュレータ24側の面には、ロータ22の回転を検出するためのセンサ回路基板27が仮固定されるので、電源端子ユニット28の組み付けと同時にセンサ回路基板27の組み付けも可能となり、作業が簡略化する。
加えて、電源端子ユニット28をリング状とし、全周に亘ってセンサ回路基板27と当接させているので、組み付け状態でセンサ回路基板27が安定して保持され、精度の高い回転検出が可能となる。
一方、センサ回路基板27又は電源端子ユニット28を交換等する必要が生じた場合は、ネジ82を取り外せば、ステータ21からセンサ回路基板27及び電源端子ユニット28が簡単に取り外し可能となる。よって、修理性も良い構造となっている。
また、前インシュレータ24にナット37A~37Cがインサート成形されて、ナット37A~37Cを用いて前インシュレータ24に他の部材であるセンサ回路基板27及び電源端子ユニット28がネジ固定可能となっているので、他の部材が容易に着脱でき、部品点数や組立工数の削減に繋がる上、修理性も良好となる。
短絡金具の形状は上記形態に限らない。図14~16は、各短絡金具36A~36Cのヒュージング端子38A~38Cの変更例を示すもので、ここでは折曲片41aを内板部40の後端から折り返し形成せず、内板部40の前端から前方へ延長上に形成している。よって、この変更例では、ステータ21の組み付けの際、渡り線53を内板部40の外側に通過させた状態で、折曲片41aを外側から後方へ折り返して渡り線53を挟持させ、ヒュージングすることになる。
また、短絡金具の前後位置や折曲形状、短絡金具の数等も上記形態や変更例に限らず、コイルの数や結線パターン等に応じて適宜変更可能である。渡り線との接続部もヒュージング端子に限らず、ハンダ付けやスポット溶接等が採用できる。
そして、ナットも別体のものをインサート成形する構造に限らず、予め短絡金具にナットを溶着したり、短絡金具に絞り加工した筒部にねじ切りを行う等してナットを省略したりすることもできる。
また、上記形態では前インシュレータに短絡金具をインサート成形しているが、後インシュレータにインサート成形することもできる。上記形態では前後方向にブラシレスモータを配置しているが、モータの配置形態によってはインシュレータは前後に限らないことは当然である。
なお、この結線パターンの場合は、前インシュレータ24にセンサ回路基板27をネジ止めし、このセンサ回路基板27上に6つのスイッチング素子を配置してもよい。この場合、センサ回路基板27には6つのコイル26の端部がそれぞれ接続されることになる。
そして、電動工具としてはドライバドリルに限らず、インパクトドライバやマルノコ、グラインダ等でもよいし、バッテリーパックでなく商用電源を利用するAC機であってもよい。
但し、本発明は電動工具に限らず、ブロワ等の園芸工具、クリーナや集塵機、高圧洗浄機、コンプレッサやポンプ、運搬車等の他の電動機器においても適用可能である。
Claims (8)
- ステータとロータとからなるモータを有し、前記ステータに、軸方向の前後に位置するインシュレータを介して複数のコイルが巻回される電動工具であって、
前記コイル間の渡り線と電気的に接続される接続部を備えて所定の前記渡り線同士を短絡する短絡金具が、前記インシュレータにインサート成形されていると共に、
前記インシュレータには、ナットが固定されており、
前記ナットには、前記コイルへ給電する電源線が電気的に接続される電源端子を備えた電源端子ユニットの前記電源端子がネジ止めされていることを特徴とする電動工具。 - 前記接続部は、ヒュージング端子であることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
- 前記電源端子ユニットにおける前記インシュレータ側の面には、前記ロータの回転を検出するためのセンサ回路基板が仮固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具。
- 前記電源端子ユニットはリング状で、全周に亘って前記センサ回路基板と当接していることを特徴とする請求項3に記載の電動工具。
- 前記電源端子ユニットにおける前記センサ回路基板側の面には、前記センサ回路基板が嵌合する保持凹部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電動工具。
- 前記電源端子ユニットには、前記センサ回路基板を貫通して前記インシュレータ側へ突出するピンが設けられ、前記インシュレータには、前記電源端子ユニットのネジ止め状態で前記ピンが挿通する孔が形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の電動工具。
- ステータとロータとからなるモータを有し、前記ステータに、軸方向の前後に位置するインシュレータを介して複数のコイルが巻回される電動工具であって、
前記コイル間の渡り線と電気的に接続される第1の接続部及び第2の接続部と、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に配置される透孔とを備えて所定の前記渡り線同士を短絡する短絡金具が、前記インシュレータにインサート成形されていると共に、
前記コイルへ給電する電源線が電気的に接続される電源端子が、前記透孔を貫通して前記インシュレータにねじ込まれるネジによってネジ止めされていることを特徴とする電動工具。 - ステータとロータとからなるモータを有し、前記ステータに、軸方向の前後に位置するインシュレータを介して複数のコイルが巻回される電動工具であって、
前記ナットが、前記インシュレータにインサート成形されていると共に、
前記インシュレータには、前記コイルに接続される金具が固定されており、
前記ナットには、前記コイルへ給電する電源線が電気的に接続される電源端子を備えた電源端子ユニットの前記電源端子と、前記金具とが、ネジによって共締めされて、前記電源端子と前記金具とが電気的に接続されていることを特徴とする電動工具。
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