JP7129046B2 - 機能性フィルム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、機能性組成物の被覆物を保持する、少なくとも2つの平面の水溶性フィルムを含む機能化基材を含む製品であって、前記被覆物が、前記2つのフィルム間に存在し、前記機能性組成物がマイクロカプセルを含んでなる製品が開示されている。
特許文献2では、マイクロカプセル化した香料を含有する層の上に、保護層を設けた香り付きシートが開示されている
特許文献3では、悪臭減少剤を含むパッチが開示されている。そして、特許文献3では、該悪臭減少剤はミクロカプセル内に封入されることが記載されている。
特許文献2の技術では、香料含有層を形成するバインダーとして熱可塑性樹脂を用い、該香料含有層の上に設けられる保護層が水系樹脂からなることにより、シートの耐水性の改善が見られるものの、高湿度環境下での使用には不十分であった。
特許文献3の技術では、高湿度環境下での使用を想定していない為、吸湿によりバックシートが可塑化されて変形するという問題があった。
このように特許文献1~3の技術では、高湿度環境下におけるフィルムの機械的強度が十分でないため、吸湿によりフィルムの変形や破断等により対象物が汚染されてしまい、マイクロカプセルに内包された活性成分の機能を十分に発揮させるには至っておらず、該機能を持続的に得たいという消費者のニーズに十分に応えるものではなかった。
また、高湿度着用品に活性成分を内包したマイクロカプセルを含有するフィルムを適用するには、高湿度環境下における対象物に対する高い接着性を有し、該活性成分の機能が十分に発揮され、着用者に快適性を付与することが求められている。
本発明は、高湿度環境下においても、高い機械的強度を有し、かつ接着性に優れ、マイクロカプセルに内包される活性成分を持続的に放出することができる機能性フィルムを提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、活性成分(a)を内包したマイクロカプセル(A)、及びヒドロキシ基を有する水溶性ポリマー(b)の架橋体(B)を含むマイクロカプセル担持層と、粘着層とを含有する機能性フィルムであって、
該架橋体(B)が該水溶性ポリマー(b)を架橋剤(c)で架橋されてなり、
該水溶性ポリマー(b)100質量部に対する該架橋剤(c)の含有量が、1質量部以上6質量部以下である、機能性フィルムを提供する。
本発明の機能性フィルム(以下、単に「機能性フィルム」又は「フィルム」ともいう)は、活性成分(a)を内包したマイクロカプセル(A)(以下、単に「マイクロカプセル(A)」ともいう)、及びヒドロキシ基を有する水溶性ポリマー(b)の架橋体(B)(以下、単に「架橋体(B)」ともいう)を含むマイクロカプセル担持層(以下、単に「マイクロカプセル担持層」ともいう)と、粘着層とを含有する機能性フィルムであって、該架橋体(B)が該水溶性ポリマー(b)を架橋剤(c)で架橋されてなり、該水溶性ポリマー(b)100質量部に対する該架橋剤(c)の含有量が、1質量部以上6質量部以下である。
本発明において、「水溶性ポリマー」とは、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達したポリマーを、50℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が1mg以上であるポリマーをいう。水溶性ポリマー(b)の溶解量は、好ましくは1g以上、より好ましくは5g以上である。
本発明の機能性フィルムは、活性成分を内包したマイクロカプセル、及びヒドロキシ基を有する水溶性ポリマーの架橋体を含むマイクロカプセル担持層と、粘着層とを含有する。前記架橋体が前記水溶性ポリマーを架橋剤で架橋されてなり、該水溶性ポリマーに対する該架橋剤の含有量が特定の範囲であるため、架橋構造の形成に寄与しない未反応の架橋剤がフィルム中に存在することを抑制して効率よく架橋構造を導入することができ、高湿度環境下においても、高い機械的強度を有し、かつ接着性に優れ、マイクロカプセルに内包される活性成分を持続的に放出することができると考えられる。
マイクロカプセル担持層は、マイクロカプセル(A)及び架橋体(B)を含む。
以下、マイクロカプセル(A)及び架橋体(B)について順に説明する。
マイクロカプセル(A)は活性成分(a)を内包してなる。
本発明において「活性成分(a)」とは、マイクロカプセル(A)から放出されることによりその機能を発揮することができる成分をいう。活性成分(a)としては、例えば、香料、香料前駆体、油剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、害虫忌避剤、殺虫剤、冷感剤、染料、色素、シリコーン、溶媒、油溶性ポリマー等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、香料、香料前駆体、油剤、冷感剤、害虫忌避剤、及び酸化防止剤から選ばれる1種以上、より好ましくは香料及び香料前駆体から選ばれる1種以上である。活性成分(a)は、1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
水に反応して香料成分を放出する化合物としては、香料アルコール由来のアルコキシ成分を有するケイ酸エステル化合物、香料アルコール由来のアルコキシ成分を有する脂肪酸エステル化合物、香料アルデヒド又は香料ケトン由来のカルボニル成分とアルコール化合物の反応で得られるアセタール化合物又はヘミアセタール化合物、香料アルデヒド又は香料ケトン由来のカルボニル成分と1級アミン化合物との反応で得られるシッフベース化合物、香料アルデヒド又は香料ケトン由来のカルボニル成分とヒドラジン化合物との反応で得られるヘミアミナール化合物又はヒドラゾン化合物等が挙げられる。
光に反応して香料成分を放出する化合物としては、香料アルコール由来のアルコキシ成分を有する2-ニトロベンジルエーテル化合物、香料アルデヒド又は香料ケトン由来のカルボニル成分を有するα-ケトエステル化合物、香料アルコール由来のアルコキシ成分を有するクマリン酸エステル化合物等が挙げられる。これらの香料前駆体は、例えばポリアクリル酸の一部のカルボキシ基と香料アルコールとの反応生成物等のポリマーとして用いてもよい。
マイクロカプセル(A)のシェルの構成成分は、安定的に活性成分(a)を内包できるものであれば特に制限はない。該構成成分の具体例として、メラミン樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリカ、ゼラチン、アラビアゴム、ゼラチン/アラビアゴム、寒天、セルロース、セルロース誘導体、又はこれらの組み合わせが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、シリカ、ゼラチン、アラビアゴム、寒天、セルロース、及びセルロース誘導体から選ばれる1種以上であり、より好ましくは、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、及びシリカから選ばれる1種以上であり、更に好ましくは、ポリアクリレート樹脂及びポリメタクリレート樹脂から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはポリメタクリレート樹脂である。
マイクロカプセル(A)は、従来公知の方法を適宜選択して製造することができる。例えば、シェルの構成成分がポリアクリレート樹脂及びポリメタクリレート樹脂から選ばれる1種以上を含む場合、内包する活性成分(a)、モノマー及び油溶性重合開始剤を混合して得られる油性溶液と、乳化剤及び水を混合して得られる水性溶液とを混合し、乳化してモノマー乳化液を得た後、該モノマー乳化液のモノマーを重合して製造する方法等が挙げられる。
ここで、logP値は化合物の親疎水性を表す指標であり、ClogP値はA.Leo Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4 C.Hansch, P.G.Sammens,J.B Taylor and C.A.Ramsden,Eds.,P.295,Pergamon Press,1990に記載の方法で計算される「計算logP(ClogP)」であり、プログラムCLOGP v4.01により計算したClogP値である。例えば、活性成分(a)が複数の香料成分及び油剤を含む香料組成物である場合、該香料組成物のClogP値は、各香料成分及び油剤のClogP値に香料組成物中の体積比を乗じ、それらの和とすることで求めることができる。
前記油水界面張力は、例えば、接触角計「Drop Master DM-501」(商品名、協和界面科学(株)製)により測定することができる。
なお、本発明において、マイクロカプセル(A)の体積平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA-950」(商品名、(株)堀場製作所製)を用いて測定することができる。その場合、測定はフローセルを使用し、媒体は水、屈折率は1.45-0iに設定する。マイクロカプセル(A)を含む懸濁液をフローセルに添加し、透過率が90%付近を示した濃度で測定を実施し、体積基準で平均粒径を求める。
架橋体(B)はヒドロキシ基を有する水溶性ポリマー(b)を架橋剤(c)で架橋されてなる。
架橋体(B)は、部分的に可逆的な架橋構造を有することが好ましい。架橋体(B)が可逆的な架橋構造を有する場合、水溶性ポリマー(b)は、架橋前は水溶性であるが、架橋構造の導入により、機能性フィルムの耐湿性を向上させ、機械的強度及び接着性を向上させることができる。そして、架橋構造が可逆的であるため、水等の刺激により架橋構造が切断され、粘着層が水溶性である場合には、機能性フィルムを使用後に洗濯等により除去することができる。また、洗濯時にマイクロカプセル(A)のみを衣類等に付着させたい場合には必要に応じて機能性フィルムを溶解させることができる。
本明細書において「可逆的な架橋構造」とは、ファンデルワールス結合、イオン結合、配位結合、水素結合等の非共有結合により高分子鎖間が架橋された物理架橋、及び加水分解-脱水縮合反応、Diels-Alder反応、ゾル-ゲル反応等の水、酸素、光等の日常生活環境下で可逆性の反応により高分子鎖間が架橋された化学架橋をも含むものである。架橋体(B)は、安定性、及び取扱い容易性の観点から、物理架橋により架橋構造が形成されてなることが好ましい。
本明細書において「部分的に可逆的な架橋構造」は、前記可逆的な架橋構造が架橋体(B)の構造の一部に導入されていることを意味する。
架橋体(B)を形成する水溶性ポリマー(b)は、ヒドロキシ基を有するものであり、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。水溶性ポリマー(b)は、耐湿性を損なわない限りにおいて、1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐湿性の観点から、好ましくはポリビニルアルコール類であり、より好ましくはポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくはポリビニルアルコールである。
商業的に入手しうるポリビニルアルコールの具体例としては、例えば、日本合成化学工業(株)製の「ゴーセノール」シリーズ、クラレヨーロッパ社製の「Mowiol」シリーズ等が挙げられる。
水溶性ポリマー(b)の重量平均分子量は、特に制限されないが、フィルムの機械的強度を向上させる観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは20,000以上、更に好ましくは100,000以上であり、そして、フィルムを製造する際のポリマー溶液の高粘度化を抑制し、製造容易性を向上させる観点から、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは700,000以下、更に好ましくは500,000以下である。
架橋剤(c)は、ポリマー(b)に架橋構造を導入することができるものであれば特に制限はないが、ポリマー(b)のヒドロキシ基と反応又は相互作用しうる架橋性官能基を含む化合物が好ましい。当該観点から、架橋剤(c)は、多塩基性無機酸、並びにヒドロキシ基及びカルボキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を分子中に2つ以上有する有機化合物から選ばれる1種以上が好ましい。
前記有機化合物として、例えば、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;リンゴ酸、クエン酸等のヒドロキシ酸等の多価カルボン酸及びこれらの塩が挙げられる。
これらの中でも、機能性フィルムの使用者に対する安全性の観点から、より好ましくは多塩基性無機酸及び多価カルボン酸並びにこれらの塩から選ばれる1種以上であり、温和な条件で可逆的な架橋構造を導入できる観点から、更に好ましくは多塩基性無機酸及びその塩であり、より更に好ましくはホウ酸及びその塩であり、より更に好ましくはホウ酸及びホウ砂(Na2B4O7・10H2O)から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはホウ酸である。
なお、前記ホウ酸には、オルトホウ酸(B(OH)3)だけでなく、メタホウ酸(HBO2)、テトラホウ酸(H2B4O7)、無水ホウ酸(B2O3)等も含まれる。
また、前記ホウ酸塩としては、例えば、オルトホウ酸塩(例えば、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)2、Co3(BO3)2)、二ホウ酸塩(例えば、Mg2B2O5、Co2B2O5)、メタホウ酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO2)2、NaBO2、KBO2)、四ホウ酸塩(例えば、Na2B4O7・10H2O)、五ホウ酸塩(例えば、KB5O8・4H2O、CsB5O5)等が挙げられる。
(可塑剤)
マイクロカプセル担持層には、引張強度等の機械的強度や水溶性などの機能性フィルムの物性を調整する観点から、更に可塑剤を含んでもよい。
可塑剤としては、低揮発性で、フィルムの保管時又は使用時において物性変化が少ないものであれば特に制限はない。例えば、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノt-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルラクテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテートなどが挙げられる。
前記消臭剤としては、化学反応を利用した消臭剤、物理吸着を利用した消臭剤のいずれも好適に用いることができる。
化学反応を利用した消臭剤としては、一例として、(1)中和反応を利用した無機酸、有機酸、塩基性無機化合物、塩基性有機化合物や、(2)脱水縮合に伴うシッフベース形成反応を利用したアミン化合物やカルボニル化合物、(3)マイケル付加反応を利用した不飽和カルボニル化合物やチオール化合物、(4)環状付加反応を利用したオレフィン化合物等が挙げられる。
物理吸着を利用した消臭剤としては、BET比表面積が1m2/g以上の多孔質粒子であれば好適に用いることができ、無機粒子でも有機粒子でもよい。
多孔質有機粒子として、多孔質ポリスチレン粒子、多孔質ポリアクリル(又はメタクリル)粒子、多孔質ポリエステル粒子等の多孔質ポリマー粒子が挙げられる。多孔質ポリマー粒子は、単独重合体であっても、2種以上のモノマーの共重合体であってもよく、更に改質された粒子であってもよい。
前記多孔質粒子の体積平均粒径は、マイクロカプセル担持層への埋没を防止し、機能性成分の効率的に作用させる観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.5μm以上であり、そして、フィルムからの脱落を防止し、取扱い容易性を向上させる観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
前記多孔質粒子のBET比表面積は、消臭効果を促進する観点から、好ましくは10m2/g以上、より好ましくは50m2/g以上、更に好ましくは100m2/g以上であり、そして、多孔質粒子の強度の観点から、好ましくは300m2/g以下、より好ましくは200m2/g以下である。
前記沈着助剤としては、対象物への吸着性を高めるものであれば特に制限はない。該沈着助剤の一例としては、カチオン化グアーガム、カチオン化タラガム、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化ローカストビンガム、カチオン化デンプン等が挙げられる。
機能性フィルムにおけるマイクロカプセル担持層の厚みは、機能性フィルムに十分な機械的強度を与える観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上であり、そして、例えば機能性フィルムを対象物に貼付した際の外観等の違和感を低減する観点から、好ましくは800μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは200μm以下である。マイクロカプセル担持層は、必ずしも一定の厚みである必要はなく、機能性フィルムの使用に際して十分な効果を発揮しうるのであれば、空隙があってもよい。
機能性フィルムにおいてマイクロカプセル担持層は、高湿度条件においても機械的強度の低下しないものが好ましい。例えば、マイクロカプセル担持層の厚みが50μmで、マイクロカプセル(A)の含有量が20質量%である場合、該マイクロカプセル担持層の最大引張応力は、低湿度条件(温度25±2℃、湿度25±2%)下において、機能性フィルムの機械的強度及び接着強度を向上させる観点から、好ましくは17MPa以上、より好ましくは20MPa以上、更に好ましくは23MPa以上であり、そして、好ましくは40MPa以下、より好ましくは35MPa以下、更に好ましくは30MPa以下である。
また、マイクロカプセル担持層の厚みが50μmで、マイクロカプセル(A)の含有量が20質量%である場合、該マイクロカプセル担持層の最大引張応力は、高湿度条件(温度25±2℃、湿度84±2%)下において、好ましくは16MPa以上、より好ましくは18MPa以上、更に好ましくは20MPa以上であり、そして、好ましくは40MPa以下、より好ましくは35MPa以下、更に好ましくは30MPa以下である。
なお、前記最大引張応力は、具体的にはいずれも実施例に記載の方法で測定することができる。
機能性フィルムは、粘着層を少なくとも1層含有する。
粘着層は、室温において粘着性を有する粘着剤を含有することが好ましく、粘着層は水溶性を有してもよい。また、粘着層は、必ずしも一定の厚みである必要はなく、機能性フィルムの使用に際して十分な粘着効果を発揮しうるのであれば空隙を有するものでもよい。
前記粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。中でも、接着性の観点から、アクリル系粘着剤又はゴム系粘着剤が好ましく、アクリル系粘着剤がより好ましい。
水溶性を有する粘着層を形成する粘着剤としては、澱粉等が挙げられる。
粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、そして、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。
また、機能性フィルムの一態様として、意図しない表面への接着を防ぐ観点から、マイクロカプセル担持層の外面に剥離層を設けてもよい。
前記剥離層は、マイクロカプセル担持層への剥離剤の塗工によって形成することができる。
前記剥離剤としては、剥離後の粘着層へ与える影響が少なく、有害性が低いものであれば特に制限はないが、例えば、シリコーン、ニトロセルロース、澱粉、変性澱粉、ゼイン、カゼイン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル又はその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフルオロカーボン、アクリル樹脂等が挙げられる。剥離剤は、1種を単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。また、剥離性を制御する観点から、ポリアミドや炭化水素を含むワックスを添加剤として用いてもよい。
剥離層の厚みは、特に制限されないが、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、そして、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。
本発明の機能性フィルムは、保管時又は使用時の意図しない表面への接着を防ぐ観点から、粘着層の外面に剥離ライナーを設けてもよい。
剥離ライナーは、保管時又は使用時の意図しない表面への機能性フィルムの接着を防ぎ、かつ、該機能性フィルムの粘着層から人力により容易に剥離することができるものであれば特に制限はない。剥離ライナーとしては、例えば、剥離剤を塗工した紙やフィルム、クレープ加工又はエンボス加工されたフィルム等が挙げられる。
前記剥離剤としては、前記剥離層で挙げられたものと同様のものを用いることができる。
機能性フィルムの製造方法として、特に制限はない。
例えば、基材上にマイクロカプセル担持層を形成した後、該マイクロカプセル担持層上に粘着層を形成する方法(I)、基材上にマイクロカプセル担持層を形成し、該基材からマイクロカプセル担持層フィルムとして剥離し、別途基材上に形成した粘着層上に貼付する方法(II)、基材上に粘着層を形成した後、該粘着層上にマイクロカプセル担持層を形成する方法(III)等が挙げられる。
なお、前記基材は、最終的に剥離又は除去されることが好ましい。
前記塗工層の形成方法としては、マイクロカプセル(A)、ポリマー(b)及び架橋剤(c)を含むマイクロカプセル担持層形成用組成物(1)を基材上に塗工する方法(i)、マイクロカプセル(A)及びポリマー(b)を含むマイクロカプセル担持層形成用組成物(2-1)を基材上に塗工し、マイクロカプセル(A)及びポリマー(b)を含む層を予め形成した後、該層上に架橋剤(c)を含むマイクロカプセル担持層形成用組成物(2-2)を塗工する方法(ii)等が挙げられる。中でも、ポリマー(b)と架橋剤(c)との架橋反応の観点から、方法(i)が好ましい。
基材の厚みは特に制限はなく、好ましくは10μm以上であり、そして、好ましくは800μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは200μm以下である。
マイクロカプセル担持層形成組成物の固形分濃度は、前記方法(i)の場合、フィルム形成時の乾燥を促進する観点及び作業効率の観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして、平滑な機能性フィルムを得る観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。前記組成物は、粘度等の調整の観点から、更に有機溶媒を含んでもよい。
マイクロカプセル担持層形成用組成物が溶媒を含む場合には、該組成物を塗工した後、溶媒を乾燥させる乾燥工程を有することが好ましい。乾燥は、例えば、温度50℃以上150℃以下、かつ0.5時間以上5時間以下の範囲内で行うことができる。
例えば、機能性フィルムの一実施形態として、靴やヘルメットのような高湿度かつ低通気性に晒されるような環境下において、対象物に対して賦香効果、防臭効果又は消臭効果を付与する形態が挙げられる。例えば、機能性フィルムをシール状又はテープ状に裁断して靴のインソール(中敷)に貼付してもよい。この時、靴の着用者の足とインソールとが歩行により摩擦を受け、機能性フィルムのマイクロカプセル担持層に含まれるマイクロカプセル(A)が崩壊し、着用者の足及び靴内に内包されていた活性成分(a)を付与することができる。機能性フィルムは、任意のタイミングでインソールから剥離可能であり、また、機能性フィルムが貼付された状態のインソールを洗濯機等で洗濯してもよい。このとき、機能性フィルムが水溶性を有する場合には、洗濯中に機能性フィルムを溶解させ除去することができる。
賦香、防臭又は消臭の対象物としては、例えば、アンダーシャツ、Tシャツ、Yシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ、手袋、靴のインソール(中敷)等の繊維製品;革手袋、革靴等の皮革製品などの人体と直接又は間接的に接触する物品が挙げられる。中でも、高湿度環境下における機械的強度及び接着性の観点、並びにマイクロカプセルに内包される活性成分を持続的な放出性の観点から、好ましくは高湿度着用品であり、より好ましくは靴又はヘルメットである。
該被着体としては、前述の賦香、防臭又は消臭の対象物が挙げられ、中でも、高湿度環境下における機械的強度及び接着性の観点、並びにマイクロカプセルに内包される活性成分を持続的な放出性の観点から、好ましくは高湿度着用品であり、より好ましくは靴又はヘルメットである。靴又はヘルメットに貼付する場合には、人体と直接又は間接的に接触する靴又はヘルメットの内部表面に貼付することが好ましい。
以下における体積平均粒径は、下記方法により行った。
(体積平均粒径)
乳化液中の乳化滴及びマイクロカプセル(A)の平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA-950」(商品名、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。測定はフローセルを使用し、媒体は水、屈折率は1.45-0iに設定した。乳化液又マイクロカプセル(A)を含む懸濁液をフローセルに添加し、透過率が90%付近を示した濃度で測定を実施し、体積基準で平均粒径を求めた。
合成例1
イオン交換水1575.0gに、ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGH-20、日本合成化学(株)製、ケン化度86.5~89.0モル%、20℃における4%水溶液粘度40~46MPa・s)32.5gを添加し、90℃で溶解させた後に室温に冷却し、水相とした。また、メタクリル酸(和光純薬工業(株))40.0g、エチレングリコールジメタクリレート(商品名:NKエステル1G、新中村化学工業(株))29.0g、活性成分(a)として下記表1に示す香料組成物(CLogP:4.2)805.0g、重合開始剤2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(商品名:V-65、和光純薬工業(株))1.0gを混合して溶解させて、油相とした。前記水相と油相とをホモミキサーにより乳化し、体積平均粒径27μmの乳化液を得た。乳化液を500mL4つ口フラスコに移した後、22kPaまでの減圧と窒素導入を3回繰り返すことにより、窒素置換を実施した。その後、65℃で5時間、75℃で3時間加熱して重合反応を行うことにより、マイクロカプセル(A)として体積平均粒径28μmの香料内包ポリメタクリレートマイクロカプセルを含む懸濁液(マイクロカプセル有効分:35.2%)を得た。
製造例1
10%濃度のポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGH-20、日本合成化学(株)製、ケン化度86.5~89.0モル%、20℃における4%水溶液粘度40~46MPa・s)(以下、「PVA-1」ともいう)水溶液29.0gと、合成例1で得られた香料内包ポリメタクリレートマイクロカプセルを含む懸濁液2.14g、5%濃度のホウ酸水溶液1.80g、食用青色色素0.03gを添加し混合した後、1日静置して脱泡を行い、マイクロカプセル担持層形成用組成物1を得た。
得られた組成物1を、ポリエステルフィルム(商品名:ルミラー、膜厚50μm、東レ(株)製)上でバーコーターによりキャスティングした後、80℃の恒温槽で3時間乾燥して、マイクロカプセル担持層を形成した。乾燥後、ポリエステルフィルムからマイクロカプセル担持層を剥離し、厚み50μmのマイクロカプセル担持層からなるフィルム(以下、「マイクロカプセル担持層フィルム」又は「担持層フィルム」ともいう)1を得て、各種評価に用いた。
10%濃度のPVA-1水溶液29.0gと、合成例1で得られた香料内包ポリメタクリレートマイクロカプセルを含む懸濁液2.14g、5%濃度のホウ酸水溶液2.90g、食用青色色素0.03gを添加し混合した後、1日静置して脱泡を行い、マイクロカプセル担持層形成用組成物2を得た。
得られた組成物2を、ポリエステルフィルム(商品名:ルミラー、膜厚50μm、東レ(株)製)上でバーコーターによりキャスティングした後、80℃の恒温槽で3時間乾燥して、マイクロカプセル担持層を形成した。乾燥後、ポリエステルフィルムからマイクロカプセル担持層を剥離し、厚み50μmのマイクロカプセル担持層フィルム2を得て、各種評価に用いた。
10%濃度のPVA-1水溶液30.0gと、合成例1で得られた香料内包ポリメタクリレートマイクロカプセルを含む懸濁液1.67g、特開2010-138344号公報の実施例1に記載の方法により製造した多孔質ポリマー粒子(2-ビニルピリジン/ジビニルベンゼン共重合体、体積平均粒径19.3μm、BET比表面積169m2/g)0.20g、5%濃度のホウ酸水溶液1.80g、食用青色色素0.03gを添加し混合した後、1日静置して脱泡を行い、マイクロカプセル担持層形成用組成物3を得た。
得られた組成物3を、ポリエステルフィルム(商品名:ルミラー、膜厚50μm、東レ(株)製)上でバーコーターによりキャスティングした後、80℃の恒温槽で3時間乾燥して、マイクロカプセル担持層を形成した。乾燥後、ポリエステルフィルムからマイクロカプセル担持層を剥離し、厚み50μmのマイクロカプセル担持層フィルム3を得て、各種評価に用いた。
10%濃度のポリビニルアルコール(商品名:Mowiol56-98、クラレヨーロッパ社製、ケン化度98.0~98.8モル%、20℃における4%水溶液粘度52~60mPa・s)(以下、「PVA-2」ともいう)水溶液30.0gと、合成例1で得られた香料内包ポリメタクリレートマイクロカプセルを含む懸濁液2.14g、5%濃度のホウ酸水溶液1.80g、食用青色色素0.03gを添加し混合した後、静置して脱泡を行い、マイクロカプセル担持層形成用組成物4を得た。
得られた組成物4を、ポリエステルフィルム(商品名:ルミラー、膜厚50μm、東レ(株)製)上で、バーコーターによりキャスティングを行い、80℃の恒温槽で3時間乾燥をして、マイクロカプセル担持層を形成した。乾燥後、ルミラーフィルムからマイクロカプセル担持層を剥離し、厚み50μmのマイクロカプセル担持層フィルム4を得て、各種評価に用いた。
10%濃度のPVA-1水溶液30.0gと、前記合成例1で得られた香料内包ポリメタクリレートマイクロカプセルを含む懸濁液2.14g、食用青色色素0.03gを添加し混合した後、静置して脱泡を行い、マイクロカプセル担持層形成用組成物C1を得た。
得られた組成物C1を、ポリエステルフィルム(商品名:ルミラー、膜厚50μm、東レ(株)製)上で、バーコーターによりキャスティングを行い、80℃の恒温槽で3時間乾燥して、マイクロカプセル担持層を形成した。乾燥後、ルミラーフィルムからマイクロカプセル担持層を剥離し、厚み50μmのマイクロカプセル担持層フィルムC1を得て、各種評価に用いた。
10%濃度のPVA-1水溶液29.0gと、前記合成例1で得られた香料内包ポリメタクリレートマイクロカプセルを含む懸濁液2.14g、5%濃度のホウ酸水溶液4.06g、食用青色色素0.03gを添加し混合した後、静置して脱泡を行い、マイクロカプセル担持層形成用組成物C2を得た。
得られた組成物C2を、ポリエステルフィルム(商品名:ルミラー、膜厚50μm、東レ(株)製)上でバーコーターによりキャスティングを行い、80℃の恒温槽で3時間乾燥して、マイクロカプセル担持層を形成した。乾燥後、ポリエステルフィルムからマイクロカプセル担持層を剥離し、厚み50μmのマイクロカプセル担持層フィルムC2を得て、各種評価に用いた。
10%濃度のPVA-2水溶液30.0gと、合成例1で得られた香料内包ポリメタクリレートマイクロカプセルを含む懸濁液2.14g、食用青色色素0.03gを添加し混合した後、静置して脱泡を行い、マイクロカプセル担持層形成用組成物C3を得た。
得られた組成物C3を、ポリエステルフィルム(商品名:ルミラー、膜厚50μm、東レ(株)製)上でバーコーターによりキャスティングを行い、80℃の恒温槽で3時間乾燥して、マイクロカプセル担持層を形成した。乾燥後、ポリエステルフィルムからマイクロカプセル担持層を剥離し、厚み50μmのマイクロカプセル担持層フィルムC3を得て、各種評価に用いた。
製造例及び比較製造例で得られた膜厚50μmの各マイクロカプセル担持層フィルムをJIS7号ダンベル試験片に切り出した。試験片は、温度及び湿度が調整されたデシケーター内で12時間以上静置して環境に順化させた。次いで、低湿度条件(温度25±2℃、湿度25±2%)下では5mm/minとし、高湿度条件(温度25±2℃、湿度84±2%)下では20mm/minで引き上げ、最大引張応力を測定し(n=5)、その平均値を算出した。以下表2及び表3に結果を示す。
製造例1~3及び比較製造例1,2で得られた膜厚50μmの各マイクロカプセル担持層フィルムを、3.5cm×2.5cmの開口部を有するポリエチレンテレフタレート製のスライドホルダにセットした。23±2℃の水道水800gを1,000mlビーカー(品番:1000BK1000、サイズ:外径110mm、高さ150mm、AGCテクノグラス(株))に加え、棒状スターラーチップ(品番:1-4206-27、サイズ:長さ40mm、直径8mm、アズワン(株)製)及びマグネチックスターラ―(商品名:Fine スターラー F-202、東京硝子器械(株)製、)を用いて撹拌を行った。マグネチックスターラーの回転数は、ビーカー内の撹拌状態をビーカー側面から観測したときに、撹拌によって生じる渦巻きの最底部がビーカー壁面に記載された600mLの目盛りと同じ高さになるように調節した。該スライドホルダ毎該ビーカーに浸漬し、浸漬開始から目視にてビーカー内にフィルム片の溶け残りが確認できなくなるまでの時間を、フィルム片が溶解するまでの時間として測定し(n=2)、その平均値を水溶解速度として算出した。以下表2に結果を示す。
製造例1で得られたマイクロカプセル担持層フィルム1の水溶解速度87秒、製造例2で得られたマイクロカプセル担持層フィルム2の水溶解速度は143秒、製造例3で得られたマイクロカプセル担持層フィルム3の水溶解速度119秒であり、いずれも速やかに溶解した。
厚み0.7mmの市販のポリエチレンテレフタレートシートを横3cm×縦1cmに切り出し、これを基材として用いた。アクリル系粘着剤(商品名:スプレーのりNo.55、スリーエムジャパン(株)製、粘着成分:アクリル酸/アクリル酸イソオクチル共重合体)を用いて、図1に示すように基材の短辺端から2cmまでの片面に粘着層を形成した。
一方で、製造例1で得られたマイクロカプセル担持層フィルム1を横6cm×縦1cmに切り出し、該フィルム1の短辺の一端を基材の粘着層を形成した短辺端と貼り合わせ、基材/粘着層/マイクロカプセル担持層の順に積層した機能性フィルム1-1を得た。
実施例1においてマイクロカプセル担持層フィルム1に代えて、マイクロカプセル担持層フィルム2~4及びC1~C3に変更した以外は、実施例1と同様にして、基材/粘着層/マイクロカプセル担持層の順に積層した機能性フィルム1-2~1-4及び1-C1~1-C3を得た。
実施例及び比較例で得られた、基材/粘着層/マイクロカプセル担持層の順に積層した機能性フィルムを試験サンプルとして用いた。該試験サンプルは、温度及び湿度が調整されたデシケーター内で12時間以上静置して環境に順化させた。低湿度条件は温度25±2℃、湿度25±2%とし、高湿度条件は温度25±2℃、湿度84±2%とした。
順化した試験サンプルを、テンシロン万能試験機(型式:RTC-1210A、(株)オリエンテック製)を用いて接着強度を測定した。引張速度は20mm/秒とし、各機能性フィルムについて3回試験を実施し、その平均値をもって各機能性フィルムの接着強度とした。以下表4及び表5に、マイクロカプセル担持層フィルムの最大引張応力の測定結果と共に、接着強度の測定結果を示す。
製造例2及び比較製造例1のマイクロカプセル担持層フィルム2及びC1を4cm×2cmに切り出し、該フィルム上に前記アクリル系粘着剤を用いて粘着層を形成し、マイクロカプセル担持層/粘着層の順に積層した機能性フィルム2-2及び2-C1を得た。
実施例5及び比較例4で得られた機能性フィルム2-2及び2-C1を、インソール(WORKPLUS(R)、ミドリ安全(株)製)に対して、図2に示す位置で貼付した。この時、左足側に実施例5の機能性フィルム2-2を貼付し、右足側に比較例4の機能性フィルム2-C2を貼付した。
前記機能性フィルムを貼付したインソールを男性用革靴に装着し、1日装着後の実験者の靴下の発香性、及び機能性フィルムのインソールに対する接着性を下記の評価基準に基づいて評価した。以下表6に結果を示す。
A:明確に香りが感じられた。
B:かすかに香りが感じられた。
C:香りが全く感じられなかった。
〔接着性の評価基準〕
A:貼付時のまま、完全な接着状態を保っていた。
B:フィルムの周縁部に僅かな剥離が見られた。
C:フィルムの大部分が剥離しているが、インソールへの接着は維持していた。
D:インソールから完全に剥離していた。
11:粘着層
12:基材
13:粘着面
20:インソール
21:機能性フィルム
Claims (11)
- 活性成分(a)を内包したマイクロカプセル(A)、及びヒドロキシ基を有する水溶性ポリマー(b)の架橋体(B)を含むマイクロカプセル担持層と、粘着層とを含有する機能性フィルムであって、
該架橋体(B)が該水溶性ポリマー(b)を架橋剤(c)で架橋されてなり、
該水溶性ポリマー(b)100質量部に対する該架橋剤(c)の含有量が、1質量部以上6質量部以下である、機能性フィルム。 - 前記水溶性ポリマー(b)がポリビニルアルコールである、請求項1に記載の機能性フィルム。
- 前記ポリビニルアルコールのケン化度が70モル%以上95モル%以下である、請求項2に記載の機能性フィルム。
- 前記架橋剤(c)がホウ酸である、請求項1~3のいずれかに記載の機能性フィルム。
- 前記水溶性ポリマー(b)100質量部に対する前記架橋剤(c)の含有量が、2質量部以上6質量部以下である、請求項1~4のいずれかに記載の機能性フィルム。
- 前記マイクロカプセル(A)が、シェルと、該シェルの内部に活性成分(a)を含むコアとを有し、
該シェルが、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、シリカ、ゼラチン、アラビアゴム、寒天、セルロース、及びセルロース誘導体から選ばれる1種以上を構成成分として含む、請求項1~5のいずれかに記載の機能性フィルム。 - 前記活性成分(a)が、香料、香料前駆体、油剤、冷感剤、害虫忌避剤、及び酸化防止剤から選ばれる1種以上である、請求項1~6のいずれかに記載の機能性フィルム。
- 前記マイクロカプセル(A)の体積平均粒径が0.01μm以上300μm以下である、請求項1~7のいずれかに記載の機能性フィルム。
- 前記マイクロカプセル担持層におけるマイクロカプセル(A)の含有量が0.5質量%以上50質量%以下である、請求項1~8のいずれかに記載の機能性フィルム。
- 前記マイクロカプセル担持層におけるマイクロカプセル(A)及び架橋体(B)の合計含有量が80質量%以上100質量%以下である、請求項1~9のいずれかに記載の機能性フィルム。
- 前記マイクロカプセル担持層の厚みが10μm以上800μm以下である、請求項1~10のいずれかに記載の機能性フィルム。
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