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JP7125668B2 - 車両の冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の冷却装置に関するものである。
車両においては、エンジン温度(エンジンの冷却水温度)を所定温度に維持するために、走行風によって冷却される(放熱される)ラジエータに対して、エンジンの冷却水を循環させるようにしている。特許文献1には、ラジエータの前方にグリルシャッターを装備して、エンジンの冷却水温度と車速とに応じて、グリルシャッターの開度を変更制御するものが開示されている。グリルシャッターの開度を大きくするほど、ラジエータに導入される走行風の風量が増大されて、ラジエータでの冷却能力が向上されることになる。
特開2007-1503号公報
ところで、車両用のエンジン、特にガソリンを燃料とするエンジンにあっては、あらかじめ設定された複数の燃焼形態の中から、エンジンの運転状態に応じて選択される特定の燃焼形態でもって燃焼を行わせるようにしたものが実用化されつつある。上記複数の燃焼形態としては、例えばSI燃焼、HCCI燃焼、SPCCI燃焼がある。SI燃焼は、通常行われている一般的な燃焼形態であり、点火プラグによって混合気に着火した後、火炎伝播による燃焼を行うものである(火花着火式燃焼)。HCCI燃焼は、混合気を圧縮着火させるものである(圧縮着火燃焼)。SPCCI燃焼は、混合気の一部について前記点火プラグによって着火させた後に残りの混合気について自己着火させるものである(部分圧縮着火燃焼)。
上述したように燃焼形態に応じて、それに適したエンジンの冷却水温度というものがある。特にHCCI燃焼やSPCCI燃焼を行う場合は、SI燃焼を行う場合に比して、エンジン温度をかなり高温に維持することが要求される。しかしながら、燃焼形態に応じた好ましいエンジン温度とするのに、ラジエータに対する冷却水の循環量を変更制御するのみでは、応答性が悪く、なんらの対策が望まれるものである。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、燃焼形態の相違に応じた適切なエンジン温度へすみやかに変更できるようにした車両の冷却装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような基本的な解決手法を採択してある。すなわち、
あらかじめ設定された複数の燃焼形態の中からエンジンの運転状態に応じて選択された特定の燃焼形態でもって燃焼が行われるエンジンと、
前記エンジンの冷却水が循環されて、該冷却水を冷却するためのラジエータと、
開度調整式とされ、前記ラジエータに対する走行風の導入量を変更するためのグリルシャッターと、
前記グリルシャッターの開度を、前記エンジンで実行される前記特定の燃焼形態に応じて変更制御する制御手段と、
を備えているようにしてある。
上記基本的な解決手法によれば、グリルシャッターの開度変更により、ラジエータへ導入される走行風の導入量が変更されて、ラジエータの冷却能力が変更される。したがって、エンジンで実行される燃焼形態に応じてグリルシャッターの開度を変更制御することにより、燃焼形態の相違に応じた適切なエンジン温度へとすみやかに変更することができる。
上記基本的な解決手法を前提として、本発明にあっては以下のような解決手法を採択してある。
前記冷却水の目標温度が、前記複数の燃焼形態毎に設定され、
前記制御手段は、前記目標温度となるように前記グリルシャッターの開度を変更制御する、
ようにしてある。この場合、エンジン温度を、燃焼形態に応じて設定される目標温度にする上で好ましいものとなる。
前記ラジエータに対して流れる大気の流量を調整する電動ファンをさらに備え、
前記制御手段は、前記グリルシャッターの制御に加えて前記電動ファンをも制御して、前記冷却水の温度が前記目標温度となるように制御する、
ようにしてある。この場合、電動ファンをも利用して、エンジン温度をより一層すみやかに目標温度にすることができる。
前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記冷却水温度検出手段で検出された実際の冷却水温度に基づいて前記グリルシャッターの開度を段階的に変更制御する一方、前記目標温度と該実際の冷却水温度との差に基づいて前記電動ファンを制御する、
ようにしてある。この場合、グリルシャッターの開度変更の応答性に比して、電動ファンの応答性は高いものとなる。したがって、グリルシャッターの開度変更を段階的に行うことにより、応答性の劣るグリルシャッターの開度変更を行う機会を低減しつつ、応答性の優れた電動ファンによってすみやかにエンジン温度を目標温度にすることができる。さらに、実際の冷却水温度が目標温度となるようにフィードバック制御するので、エンジン温度を燃焼形態に適した温度に精度よく変更することができる。
前記複数の燃焼形態として、少なくとも、点火プラグによって混合気を着火させて火炎伝播により燃焼を行うSI燃焼と、混合気の一部について前記点火プラグによって着火させた後に残りの混合気について自己着火させるSPCCI燃焼とが設定されている、ようにしてある。この場合、SPCCI燃焼が行えるようにして、燃費向上の上で好ましいものとなる。また、エンジン温度をSPCCI燃焼に適した温度にすみやかに変更して、SPCCI燃焼を確実に行うようにする上でも好ましいものとなる。
前記複数の燃焼形態毎に前記冷却水の目標温度が設定されて、SPCCI燃焼を行うときの目標温度がSI燃焼を行うときの目標温度よりも高くなるように設定され、
前記冷却水の実際の温度を検出する冷却水温度検出手段を備え、
前記ラジエータに対して流れる大気の流量を調整する電動ファンを備え、
前記制御手段は、前記グリルシャッターおよび前記電動ファンを制御して、前記冷却水の温度が前記目標温度となるように制御する、
ようにしてある。この場合、請求項5に対応した効果と同様の効果を得ることができる。また、グリルシャッターと電動ファンとの両方を利用して、ラジエータの冷却能力をすみやかかつ大きく変更できるようにしつつ、実際の冷却水温度が目標温度となるようにフィードバック制御することにより、エンジン温度を燃焼形態に適した温度にすみやかかつ精度よく変更する上で好ましいものとなる。勿論、SPCCI燃焼の目標温度をSI燃焼の目標温度よりも高く設定してあるので、SPCCI燃焼を確実に行うようにする上でも好ましいものとなる。
前記冷却水温度検出手段は、前記冷却水の前記エンジンへの入り口部分での温度を検出する、ようにしてある。この場合、エンジンによる冷却水加温の影響を受けることなく、冷却水温度を目標温度にする上で好ましいものとなる。
本発明によれば、燃焼形態の相違に応じた適切なエンジン温度へすみやかに変更することができる。
本発明が適用されたエンジンの一例を示す側面断面図。 図1の左側面図。 エンジンのカバー部材を部分的に開いた状態を前上方から見た斜視図。 エンジンとラジエータとグリルシャッターと電動ファンとの配設関係を示す側面図。 グリルシャッターを斜め前方から見た斜視図。 エンジンの運転状態に応じた燃焼形態の設定例を示す特性図。 本発明の制御系統例をブロック図的に示す図。 本発明の制御例を示すフローチャート。 エンジンの冷却水温度に応じたグリルシャッターの開度設定例を示す図。
図1において、エンジン1は、4つの気筒2を直列に配設した直列4気筒の往復動型エンジンとされている、また、エンジン1は、ガソリンを燃料とするものとなっている。
各気筒2には、気筒内に直接燃料噴射を行う燃料噴射弁3と、点火プラグ4とが配設されている。エンジン1には、変速機30が連結されている(例えばトルクコンバータを有する歯車式多段変速機)。
図1中、5はシリンダブロック、6はシリンダヘッド、7はシリンダヘッドカバー、8はオイルパンである。図2にも示すように、エンジン1は、変速機30を含めて、その外周面の大部分が、断熱性を高めるために、カバー部材20によって覆われている(エンジン1をカプセル式としてある)。カバー部材20は、上部カバー部材21と下部カバー部材22と変速機カバー部材23とに大別される。
上部カバー部21は、エンジン1のうち、シリンダブロック5の上部から上方部位を覆っている。下部カバー部22は、シリンダブロック5の上部から下方部位を覆っている。変速機カバー部23は、変速機30をほぼ全体的に覆っている。各カバー部21~23は、例えば耐熱性の合成樹脂により形成することができ、その内面に別途断熱材を貼着しておくこともできる。
上部カバー部21は、下側に位置する固定部材21Aと、上側に位置する可動部材21Bとの分割構成とされている。図2に示すように、可動部材21Bの後部に、車体に固定されたブラケット24の前端部が回動可能に連結されており、この回動中心が符号αで示される。
図3、図4は、エンジン1等を車両Vに搭載した状態が示される。ただし、図4では、可動部材21以外のカバー部材20を略してある。図3に示すように、ボンネット31を開いた状態で、回動中心αを中心に、可動部材21Bを上方へ揺動させることにより、シリンダヘッドカバー7等が露出されて、整備性が確保される。
図3では、エンジン1における吸入空気の取入口9が、前方に向けて開口されている状態が示される。この取入口9は、シュラウドアッパ32の直上部に位置される(後述するラジエータの直上方というラジエータ近傍に位置される)。このシュラウドアッパ32は、左右のホイールエプロンの前端部同士を連結している。また、シュラウドアッパ32の左右端部からは、図2に示すように、下方に延びる左右一対のラジエータシュラウド33が下方に延びている。このラジエータシュラウド33の下端部は、図示を略すフロントサブフレームの前端部に連結されている。なお、後述するラジエータは、左右一対のラジエータシュラウド33の間に配設される。
次に、図4を参照しつつ、エンジン1の前方部位付近の構造について説明する。まず、エンジン1の前方には、エンジン1の冷却水が循環されるラジエータ40が配設されている。このラジエータ40の直後方には、上下一対の電動ファン50が配設されている。電動ファン50の駆動モータが符号51で示される。
ラジエータ40の直前方には、グリルシャッター60が配設されている。グリルシャッター60は、実施形態では、図5にも示すように、車幅方向に延びる複数枚のフィン(ルーバ)61を上下方向に隔置して配設したものを、左右2列設けたものとなっている。各フィン61は、図示を略す連結ロッド等によって互いに連動されている。そして、グリルシャッター60の車幅方向略中間部には、フィン61を駆動する電動モータ62が配設されている。モータ62の駆動を制御することにより、フィン61つまりグリルシャッター60が、全閉状態と全開状態との間で、段階式あるいは連続可変式にその開度が変更される。グリルシャッター60(フィン61)の開度が大きいほど、ラジエータ40への走行風の導入量が増大されて、ラジエータ40の冷却能力が増大される。前述した吸入空気の取入口9は、グリルシャッター60の上端よりも若干高い位置にあって、グリルシャッター60によっては取入口9への走行風の導入が阻害されないようになっている。
図6は、エンジンの1の運転状態(運転領域)に応じて、燃焼形態を変更するための特性図である。図6では、エンジン回転数とエンジン負荷(例えばアクセル開度)とをパラメータとして、A1~A5の5つの領域が設定されている。領域A1~A3は、SPCCI燃焼を行う領域である。また、領域A4、A5は、SI燃焼を行う領域である。
SPCCI燃焼が行われる領域A1~A3は、所定エンジン回転数以下の相対的に低回転領域である。このうち、低負荷域となる領域A1では、空気過剰率λが1よりも十分に大きくされる(例えばλ=25~30で、理論空燃比よりも十分にリーンな空燃比)。また、中負荷域となる領域A2では、λ=1(つまり理論空燃比)とされる。さらに、高負荷域となる領域A3では、λが1以下(理論空燃比またはそれよりもリッチな空燃比)とされる。
SI燃焼が行われる領域A4は、低回転かつ高負荷となる領域で、λ=1とされる。また、SI燃焼が行われる領域A5は、相対的に高回領域であり、λは1以下(理論空燃比またはそれよりもリッチな空燃比)とされる。
上述したSI燃焼を行うときのエンジン1の目標温度(目標冷却水温度)が、低い温度となる例えば90℃に設定されている。また、SPCCI燃焼を行うときのエンジン1の目標温度(目標冷却水温度)が、高い温度となる例えば105℃に設定されている。各目標冷却水温度は、エンジン1に対する冷却水の入り口部位での温度とされる。
図7は、本発明の制御系統例が示される。図中、Uは、マイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラ(制御ユニット)であり、燃焼形態に応じた燃料噴射や点火の制御を行うと共に、前述した電動ファン50およびグリルシャッター60を制御する。このコントローラU(における記憶手段としてのメモリ)には、図6に示すエンジンの運転状態に応じた燃焼形態の領域分けのマップと、燃焼形態に応じた目標冷却水温度とが記憶されている。
コントローラUには、各種センサS1~S3からの検出信号が入力される。センサS1は、温度センサで、エンジン1への入り口部位での冷却水温度を検出する。センサS2は、回転数センサで、エンジン1の回転数を検出する.センサS3は、負荷センサ(例えばアクセル開度センサ)で、エンジン負荷を検出する。
コントローラUによって、燃料噴射弁3、点火プラグ4、電動ファン50(のモータ51)、グリルシャッター60(のモータ62)が制御される。
次に、図7のフローチャートを参照しつつ、コントローラUによる制御内容について説明する。なお、以下の説明でQはステップを示す。まず、Q1において、各センサS1~S3からの検出データが入力されて、現在のエンジン回転数とエンジン負荷とに応じた燃焼形態とこれに応じた目標温度(目標冷却水温度)とが決定される。
Q1の後、Q2において、行うべき燃焼形態がSI燃焼であるか否かが判別される。このQ2の判別でYESのときは、Q3において、温度センサS1で検出された実際の冷却水温度が、SI燃焼のときの目標温度(例えば90℃)よりも大きいか否かが判別される。このQ4の判別でYESのときは、Q4において、グリルシャッター60の開度が1段階だけ開くように駆動制御される。グリルシャッター60の開度が大きくされることにより、ラジエータ40の冷却能力が向上されて、実際の冷却水温度が低下する方向への制御となる。
Q4の後、Q5において、再度、温度センサS1で検出された実際の冷却水温度が、SI燃焼のときの目標温度よりも大きいか否かが判別される。このQ5の判別でYESのときは、Q6において、電動ファン50が駆動される(オン状態で、最大駆動)。これにより、ラジエータ40の冷却能力がより一層高められて、実際の冷却水温度がさらに低下させる方向への制御となる。なお、電動ファン50の駆動レベルを複数段階に設定して、Q6では、現状から1段階分だけ高いレベルで駆動するようにしてもよい。
上記Q6の後は、Q1へ戻る。そして、Q3~Q6の処理が繰り返されることにより、実際の冷却水温度が、SI燃焼を行う際の目標温度へとすみやかに低下されることになる。なお、Q4の後に、所定の遅延時間(例えば数秒~10数秒)が経過した後に、Q5の処理を行うことができる。同様に、Q6の後に、所定の遅延時間(例えば数秒~10数秒)が経過した後に、Q3の処理を行うことができる。なお、Q6の後およびQ9の後は、Q3へ戻るようにすることもできる(この場合は、冷却水温度が目標温度に収束するまでに燃焼形態が変更される可能性を考慮して、燃焼形態の決定とこれに応じた目標温度との決定は別ルーチンで行うようにして、燃焼形態の変更があった時点でQ2での処理を開始させるようにすることもできる)。
前記Q2の判別でNOのときは、Q10~Q16の処理が行われる。このQ10~Q16の処理は、SPCCI燃焼に対応して目標温度が例えば105℃と高くされるときの制御であり、Q3~Q9の処理に対応しているので、その重複した説明は省略する。
図9は、本発明の第2の実施形態を示すものである。本実施形態では、温度センサS1で検出された実際の冷却水温度に基づいて、グリルシャッター60の開度を段階的に変更するようにしてある。グリルシャッター60の開度は、段階式に0(全閉)からA1~A4(全開)の5段階での変更を行うようにしてある。また、実際の冷却水温度は、t1~t6の6段階での温度しきい値を設定してある。温度しきい値は、例えば、t1は80℃、t2は85℃、t3は90℃、t4は95C℃、t5は100℃、t6は110℃とされている。温度しきい値t4を境にして、それよりも高い温度域が主としてSPCCI燃焼を行うときに用いられ、それよりも低い温度領域が主としてSI燃焼を行うときに用いられる。
グリルシャッター60の開度増大のときは、図中実線で示すように変化される。また、グリルシャッター60の開度減少のときは、図中破線で示すように変化される。なお、グリルシャッターの開度の増大と減少との間にはヒステリシスを設定してある。
グリルシャッター60の開度は、基本的に、実際の冷却水温度が高いほど、大きくされる。このグリルシャッター60の開度調整によって、実際の冷却水温度を、燃焼形態に応じた目標温度あるいはその付近の温度に収束される。
図9に示すようなグリルシャッター60の開度調整に加えて、電動ファン50をも利用して、目標温度となるように制御するのが好ましい。より具体的には、電動ファン50を、実際の冷却水温度と目標温度との差に基づいて(差が小さくなるよう)制御することができる。なお、電動ファン50の作動レベルとしては、オン、オフの2段階での変更とすることもできるが、3段階以上での変更や、連続可変式の変更とすることもできる。なお、図9とは異なるが、グリルシャッター60の開度を、実際の冷却水温度に応じて、連続可変式に変更するように制御することもできる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。
(1)複数の燃焼形態としては、例えば、SI燃焼とSPCCI燃焼とHCCI燃焼との3つの燃焼態様のうち任意の2以上の燃焼態様を設定することができる。具体的には、SI燃焼とHCCI燃焼との2つの燃焼形態の間での切換え、SPCCI燃焼とHCCI燃焼との2つの燃焼形態の間での切換え、SI燃焼とSPCCI燃焼とHCCI燃焼との3つの燃焼形態の間での切換え、とすることができる。なお、HCCI燃焼を行う際には、例えば図6における領域A1をHCCI燃焼領域とすることができる。また、HCCI燃焼を行うときのエンジン1の目標温度(目標冷却水温度)は、SPCCI燃焼を行うときの目標温度よりもさらに高温に設定するのが好ましい。
(2)エンジン1は、その気筒数は問わないものであり、例えば3気筒、6気筒等であってもよい。また、エンジン1は、直列式に限らず、V型や水平対向等、適宜の形式を選択できる。
(3)エンジン1を覆うカバー部材20を有しないものであってもよい。
(4)ラジエータ40に導入される冷却水量の調整は、適宜の手法により行うことができる。例えば、サーモスタットを利用して、冷却水温度が高いほど上記冷却水量が多くなるように設定することができる。また、開度調整式の電磁弁を利用して、実際の冷却水温度が目標冷却水温度に対して高いほど上記冷却水量が多くなるように制御することもできる。
(5)本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、燃焼形態を変更して運転されるエンジンを搭載した車両に適用して好適である。
V:車両
1:エンジン
2:気筒
3:燃料噴射弁
4:点火プラグ
9:取入口(吸入空気用)
32:シュラウドアッパ
33:ラジエータシュラウド
40:ラジエータ
50:電動ファン
51:電動モータ
60:グリルシャッター
61:フィン
62:電動モータ


Claims (5)

  1. あらかじめ設定された複数の燃焼形態の中からエンジンの運転状態に応じて選択された特定の燃焼形態でもって燃焼が行われるエンジンと、
    前記エンジンの冷却水が循環されて、該冷却水を冷却するためのラジエータと、
    開度調整式とされ、前記ラジエータに対する走行風の導入量を変更するためのグリルシャッターと、
    前記グリルシャッターの開度を、前記エンジンで実行される前記特定の燃焼形態に応じて変更制御する制御手段と、
    を備え、
    前記冷却水の目標温度が、前記複数の燃焼形態毎に設定され、
    前記制御手段は、前記目標温度となるように前記グリルシャッターの開度を変更制御し、
    前記ラジエータに対して流れる大気の流量を調整する電動ファンをさらに備え、
    前記制御手段は、前記グリルシャッターの制御に加えて前記電動ファンをも制御して、前記冷却水の温度が前記目標温度となるように制御し、

    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記冷却水温度検出手段で検出された実際の冷却水温度に基づいて前記グリルシャッターの開度を段階的に変更制御する一方、前記目標温度と該実際の冷却水温度との差に基づいて前記電動ファンを制御する、
    ことを特徴とする車両の冷却装置。
  2. 請求項1において、
    前記冷却水温度検出手段は、前記冷却水の前記エンジンへの入り口部分での温度を検出する、ことを特徴とする車両の冷却装置。
  3. あらかじめ設定された複数の燃焼形態の中からエンジンの運転状態に応じて選択された特定の燃焼形態でもって燃焼が行われるエンジンと、
    前記エンジンの冷却水が循環されて、該冷却水を冷却するためのラジエータと、
    開度調整式とされ、前記ラジエータに対する走行風の導入量を変更するためのグリルシャッターと、
    前記グリルシャッターの開度を、前記エンジンで実行される前記特定の燃焼形態に応じて変更制御する制御手段と、
    を備え、
    前記複数の燃焼形態として、少なくとも、点火プラグによって混合気を着火させて火炎伝播により燃焼を行うSI燃焼と、混合気の一部について前記点火プラグによって着火させた後に残りの混合気について自己着火させるSPCCI燃焼とが設定されている、ことを特徴とする車両の冷却装置。
  4. 請求項3において、
    前記複数の燃焼形態毎に前記冷却水の目標温度が設定されて、SPCCI燃焼を行うときの目標温度がSI燃焼を行うときの目標温度よりも高くなるように設定され、
    前記冷却水の実際の温度を検出する冷却水温度検出手段を備え、
    前記ラジエータに対して流れる大気の流量を調整する電動ファンを備え、
    前記制御手段は、前記グリルシャッターおよび前記電動ファンを制御して、前記冷却水の温度が前記目標温度となるように制御する、
    ことを特徴とする車両の冷却装置。
  5. 請求項3において、
    前記冷却水温度検出手段は、前記冷却水の前記エンジンへの入り口部分での温度を検出する、ことを特徴とする車両の冷却装置。
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