本発明の1つの側面は、エアロゾル発生装置に係り、前記エアロゾル発生装置は、電源と、内部にサセプタが配置されたエアロゾル源を挿入可能な挿入孔と、前記サセプタに熱を発生させるためのコイルと、前記コイルへの電力の供給を制御するための回路と、前記回路を制御するMCUと、前記MCUに接続された不揮発性メモリと、前記電源の正極に電気的に接続された第1導電路に配置された抵抗器と、前記抵抗器を使って前記電源の状態を計測する計測回路と、前記第1導電路に電気的に接続され、前記電源から前記抵抗器を介して供給される電圧を受けて前記回路に供給する第1電圧を発生する第1変圧回路と、前記第1導電路に電気的に接続され、前記電源から前記抵抗器を介して供給される電圧を受けて前記MCUおよび前記不揮発性メモリに供給する第2電圧を発生する第2変圧回路と、を備える。
本発明の他の側面は、エアロゾル発生装置に係り、前記エアロゾル発生装置は、電源と、内部にサセプタが配置されたエアロゾル源を挿入可能な挿入孔と、前記サセプタに熱を発生させるためのコイルと、前記コイルへの電力の供給を制御するための回路と、前記回路を制御するMCUと、前記電源の正極に電気的に接続された第1導電路に配置された抵抗器と、前記抵抗器を使って前記電源の状態を計測する計測回路と、前記第1導電路に電気的に接続され、前記電源から前記抵抗器を介して供給される電圧を受けて前記回路に供給する第1電圧を発生する第1変圧回路と、前記第1導電路に電気的に接続され、前記電源から前記抵抗器を介して供給される電圧を受けて前記MCUに供給する第2電圧を発生する第2変圧回路と、前記第1変圧回路が配置される第1基板と、前記第1基板とは別体であり、前記第2変圧回路が配置される第2基板と、を備える。
明細書および図面に記載された発明の第1乃至第3の側面は、電源の状態を高い精度で管理するために有利な技術を提供する。
第1の側面は、第1基板を含む複数の基板を有するエアロゾル発生装置の電源ユニットに係り、前記電源ユニットは、電源から供給される電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータへの電力の供給を制御する制御部と、前記電源から出力される電流が流れる経路に配置された抵抗器と、前記抵抗器を使って前記電源の状態を計測する計測回路と、を備え、前記抵抗器および前記計測回路が前記第1基板に配置されている。
第1の側面において、前記抵抗器および前記計測回路は、前記第1基板の同一面に配置されてもよい。
第1の側面において、前記電源ユニットは、前記電源の正極に接続された第1電源コネクタと、前記電源の負極に接続された第2電源コネクタと、を更に備えてもよく、前記経路は、前記第1電源コネクタに接続された第1導電路と、前記第2電源コネクタに接続された第2導電路と、を含み、前記第2電源コネクタは、前記第1基板に配置され、前記抵抗器は、前記第2導電路に配置されてもよい。
第1の側面において、前記電源ユニットは、前記ヒータの正側端子が接続される第1ヒータコネクタと、前記ヒータの負側端子が接続される第2ヒータコネクタとを更に備えてもよく、前記第2ヒータコネクタは、前記第1基板に配置されてもよい。
第1の側面において、前記第1ヒータコネクタは、前記第1基板に配置されてもよく、かつ、前記第1ヒータコネクタおよび前記第2ヒータコネクタは、前記第1基板の同一面に配置されてもよい。
第1の側面において、前記抵抗器および前記第2ヒータコネクタは、それぞれ前記第1基板の互いに反対側の面に配置されてもよい。
第1の側面において、前記第1基板の2つの面のうちの一方に対する正射影において、前記抵抗器の少なくとも一部が前記第2ヒータコネクタの少なくとの一部と重なってもよい。
第1の側面において、前記電源ユニットは、前記第2導電路における前記抵抗器と前記第2ヒータコネクタとの間に配置されたスイッチを更に備えもよい。
第1の側面において、前記スイッチおよび前記第2ヒータコネクタは、前記第1基板の同一面に配置されてもよい。
第1の側面において、前記スイッチは、前記同一面に配置された電子部品の中で、前記第2ヒータコネクタに最も近い素子であってもよい。
第1の側面において、前記電子部品は、能動素子であってもよい。
第1の側面において、前記電源ユニットは、前記抵抗器と直列に接続されるように前記第2導電路に配置されたスイッチ部を更に備えてもよい。
第1の側面において、前記抵抗器および前記スイッチ部は、前記第1基板の同一面に配置され、前記正射影において、前記スイッチ部の少なくとも一部が前記第2ヒータコネクタの少なくとの一部と重なってもよい。
第1の側面において、前記電源ユニットは、前記第2導電路を流れる電流および前記電源の出力電圧の少なくとも一方に応じて、前記電源を保護するように前記スイッチ部を制御する保護回路を更に備えてもよい。
第1の側面において、前記スイッチ部は、前記第2導電路における前記抵抗器と前記電源の前記負極との間に配置されてもよい。
第1の側面において、前記電源ユニットは、前記抵抗器と直列接続されるように前記第2導電路に配置された第2抵抗器を更に備えもよく、前記保護回路は、前記第2導電路を流れる電流を、前記第2抵抗器を使って検出してもよく、前記抵抗器および前記第2抵抗器は、前記第1基板の同一面に配置されてもよい。
第1の側面において、前記抵抗器と前記第2抵抗器との間の最短距離は、前記抵抗器の最大寸法および前記第2抵抗器の最大寸法の少なくとも一方より小さくてもよい。
第1の側面において、前記複数の基板は、第2基板を含み、前記制御部は、前記第2基板に配置されてもよい。
第1の側面において、前記電源ユニットは、前記電源から供給される電圧を変圧して前記計測回路の電源端子に供給する第1変圧回路を更に備えもよく、前記第1変圧回路は、前記第2基板に配置されてもよい。
第1の側面において、前記電源ユニットは、前記電源から供給される電圧を変圧して前記ヒータに供給する電圧を発生する第2変圧回路を更に備えもよく、前記第2変圧回路は、前記第1基板に配置されてもよい。
第1の側面において、前記電源ユニットは、前記第2変圧回路の出力と前記ヒータとを接続する経路に配置され、前記制御部によって制御される第2スイッチを更に備えてもよく、前記第2スイッチは、前記第1基板に配置されてもよい。
第1の側面において、前記電源ユニットは、前記ヒータの温度を検出するための検出回路を更に備えもよく、前記検出回路は、前記第1基板に配置されてもよい。
あるいは、第1の側面は、第1素子配置面を含む複数の素子配置面を有するエアロゾル発生装置の電源ユニットに係り、前記電源ユニットは、電源から供給される電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータへの電力の供給を制御する制御部と、前記電源から出力される電流が流れる経路に配置された抵抗器と、前記抵抗器を使って前記電源の状態を計測する計測回路と、を備え、前記抵抗器および前記計測回路が前記第1素子配置面に配置されている。
第2側面は、エアロゾル発生装置の電源ユニットに係り、前記電源ユニットは、電源の正極に接続された第1導電路と、前記電源の負極に接続された第2導電路と、電源から供給される電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータの発熱を制御する制御部と、前記第2導電路に配置された抵抗器を使って前記電源の状態を計測する計測回路と、前記第2導電路を流れる電流を遮断可能に前記第2導電路における前記抵抗器と前記負極との間に配置されたスイッチ部と、前記第2導電路を流れる電流に応じて、前記電源を保護するように前記スイッチ部を制御する保護回路と、を備える。
第2の側面において、前記保護回路が前記スイッチ部をオフさせることによって前記制御部および前記計測回路に対する電圧の供給が停止されてもよい。
第2の側面において、前記電源ユニットは、前記電源から供給される電圧に基づいて前記制御部および前記計測回路に電圧を供給する電圧供給部を更に備えもよく、前記保護回路が前記スイッチ部をオフさせることによって前記電圧供給部に対する前記電源からの電圧の供給が停止し、これにより前記電圧供給部から前記制御部および前記計測回路への電圧の供給が停止されてもよい。
第2の側面において、前記電圧供給部には、前記第1導電路および前記第2導電路を介して前記電源から電圧が供給されてもよい。
第2の側面において、前記電圧供給部に外部機器から電圧が供給されることによって前記電圧供給部から前記制御部および前記計測回路に対する電圧の供給が再開されてもよい。
第2の側面において、前記電源ユニットは、前記外部機器から電圧の供給を受けて前記電源を充電する充電回路を更に備え、前記充電回路による前記電源の充電は、前記制御部によって制御されてもよい。
第2の側面において、前記制御部は、前記スイッチ部がオフした状態において、前記充電回路が前記外部機器から電圧の供給を受けて前記電源の充電を開始するように前記充電回路を制御してもよい。
第2の側面において、前記制御部は、前記電源の出力電圧に基づいて前記電源が充電可能と判断される場合に、前記電源の充電を開始するように前記充電回路を制御してもよい。
第2の側面において、前記保護回路は、前記充電回路による充電によって前記電源の残容量が所定値を超えた場合には、前記スイッチ部をオンさせてもよい。
第2の側面において、前記電源ユニットは、前記第2導電路における前記抵抗器と前記負極との間に配置された第2抵抗器を更に備え、前記保護回路は、前記第2抵抗器を流れる電流に応じて、前記電源を保護するように前記スイッチ部を制御してもよい。
第2の側面において、前記第2抵抗器は、前記第2導電路における前記スイッチ部と前記負極との間に配置されてもよい。
第2の側面において、前記スイッチ部は、前記第2導電路を流れる電流を遮断可能に配置されたトランジスタと、前記トランジスタに並列に接続された整流素子とを含み、前記トランジスタが前記保護回路によって制御されてもよい。
第2の側面において、前記整流素子は、前記トランジスタに付随するボディダイオードであってもよい。
第2の側面において、前記整流素子の順方向は、前記電源を充電する電流が流れる方向であり、前記スイッチ部がオフした状態であっても、前記整流素子を通して電流が流れることによって、前記電源の充電が可能であってもよい。
第2の側面において、前記電源ユニットは、前記ヒータおよび前記第2導電路を流れる電流を遮断可能に前記第2導電路に配置された遮断スイッチを更に備えてもよく、前記制御部は、前記計測回路による計測結果に基づいて前記ヒータおよび前記第2導電路を流れる電流が遮断されるように前記遮断スイッチを制御してもよい。
第2の側面において、前記第2導電路における前記遮断スイッチと前記負極との間に前記スイッチ部が配置されてもよい。
第3の側面は、エアロゾル発生装置の電源ユニットに係り、前記電源ユニットは、電源から供給される電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータへの電力の供給を制御する制御部と、前記電源から出力される電流が流れる経路に直列に配置された第1抵抗器および第2抵抗器と、前記経路に配置されたスイッチ部と、前記第1抵抗器を使って前記電源の状態を計測する計測回路と、前記第2抵抗器を使って検出される前記経路を流れる電流に基づいて、前記経路が遮断されるように前記スイッチ部を制御する保護回路と、を備え、前記第1抵抗器と前記計測回路との間の最短距離は、前記第2抵抗器と前記保護回路との最短距離よりも小さい。
第3の側面において、前記第1抵抗器と前記計測回路とは、同一の基板の同一平面に配置されてもよく、前記第2抵抗器と前記保護回路とは、同一の基板の同一平面に配置されてもよい。
第3の側面において、前記第1抵抗器、前記第2抵抗器、前記計測回路および前記保護回路は、同一の基板の同一平面に配置されてもよい。
第3の側面において、第1抵抗器、前記第2抵抗器、前記計測回路および前記保護回路は、同一の基板に配置されてもよく、前記基板は、前記ヒータが配置される側の端部を有してもよく、前記第1抵抗器と前記端部との間の最短距離は、前記計測回路と前記端部との間の最短距離よりも小さくてもよい。
第3の側面において、前記第2抵抗器と前記端部との間の最短距離は、前記保護回路と前記端部との間の最短距離よりも小さくてもよい。
第3の側面において、前記計測回路と前記端部との間の最短距離は、前記保護回路と前記端部との間の最短距離よりも小さくてもよい。
第3の側面において、前記基板には、前記ヒータの正側端子が接続される第1ヒータコネクタと、前記ヒータの負側端子が接続される第2ヒータコネクタとが配置されてもよく、前記第1ヒータコネクタと前記端部との間の最短距離、および、前記第2ヒータコネクタと前記端部との間の最短距離は、前記計測回路と前記端部との間の最短距離よりも小さくてもよい。
第3の側面において、前記第1抵抗器および前記第2抵抗器は、前記基板の第1面に配置されてもよく、前記第1ヒータコネクタおよび前記第2ヒータコネクタは、前記基板の第2面に配置されてもよい。
第3の側面において、前記第1面に対する正射影において、前記第2ヒータコネクタの少なくも一部が、前記第1抵抗器および前記第2抵抗器の少なくとも一方の少なくとも一部と重なっていてもよい。
第3の側面において、前記スイッチ部は、前記第1面に配置されてもよい。
第3の側面において、前記電源ユニットは、前記第2ヒータコネクタと前記第1抵抗器とを接続する経路に配置された遮断スイッチを更に備えてもよい。
第3の側面において、前記遮断スイッチと前記端部との間の最短距離は、前記計測回路と前記端部との間の最短距離よりも小さくてもよい。
第3の側面において、前記遮断スイッチは、前記第2面に配置されてもよい。
第3の側面において、前記電源ユニットは、前記電源から供給される電圧を変圧して前記ヒータに供給する電圧を発生する変圧回路と、前記変圧回路の出力と前記第1ヒータコネクタとを接続する経路に配置されたヒータスイッチと、を更に備えもよく、前記ヒータスイッチと前記端部との間の最短距離は、前記計測回路と前記端部との間の最短距離よりも小さくてもよい。
第3の側面において、前記ヒータスイッチは、前記第1面に配置されてもよい。
第3の側面において、前記第1面に対する正射影において、前記ヒータスイッチの少なくとも一部が前記第1ヒータコネクタの少なくとも一部と重なっていてもよい。
第3の側面において、前記第1抵抗器と前記第2抵抗器との間の最短距離は、前記第1抵抗器の最大寸法および前記第2抵抗器の最大寸法の少なくとも一方より小さくてもよい。
第4の側面は、エアロゾル発生装置の電源ユニットに係り、前記電源ユニットは、電源から供給される電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータへの電力の供給を制御する制御部と、前記電源から出力される電流が流れる経路に配置された抵抗器と、前記電源の温度を測定するためのサーミスタと、前記サーミスタが接続される2つのサーミスタコネクタと、前記抵抗器を使って前記電源の状態を計測し、かつ、前記サーミスタを使って前記電源の温度を計測する計測回路と、前記抵抗器、前記2つのサーミスタコネクタ、および、前記計測回路が配置された基板と、を備え、前記2つのサーミスタコネクタと前記計測回路との間の最短距離は、前記抵抗器と前記計測回路との最短距離よりも小さい。
第4の側面において、前記計測回路は、前記電源の温度を示す情報を前記制御部に提供する第1機能、および、前記電源の温度の異常を前記制御部に通知する第2機能を含んでもよい。
第4の側面において、前記制御部は、前記第2機能による前記計測回路からの通知に応答して前記電源の放電および前記電源の充電の少なくとも一方を停止させてもよい。
第4の側面において、前記計測回路は、前記抵抗器を使って得られる情報と前記サーミスタを使って得られる情報とに基づいて前記電源の残量を演算してもよい。
第4の側面において、前記サーミスタの2つの端子は、前記2つのサーミスタコネクタにそれぞれ直接に接続されていてもよい。
第4の側面において、前記サーミスタは、前記電源の周囲を少なくとも部分的に取り囲むように配置されていてもよい。
第4の側面において、前記電源は、円柱形状を有しもよく、前記サーミスタは、前記電源の円柱形状に沿った円弧形状部を含んでもよい。
第4の側面において、前記計測回路と前記抵抗器は、前記基板の同一面に配置されてもよい。
第4の側面において、前記基板の外縁で構成される図形の幾何中心と前記計測回路の幾何中心との距離は、前記図形の前記幾何中心と前記抵抗器との間の最短距離より小さくてもよい。
第4の側面において、前記基板の外縁で構成される図形の幾何中心と前記計測回路の幾何中心との距離は、前記図形の前記幾何中心と前記2つのサーミスタコネクタとの間の最短距離より小さくてもよい。
第4の側面において、前記基板の外縁で構成される図形の幾何中心と前記計測回路の幾何中心との距離は、前記図形の前記幾何中心と前記抵抗器との間の最短距離より小さく、前記図形の前記幾何中心と前記2つのサーミスタコネクタとの間の最短距離より小さくてもよい。
第4の側面において、前記電源ユニットは、前記電源が接続される2つの電源コネクタを更に備え、前記2つの電源コネクタが前記基板に配置されてもよく、前記基板の外縁で構成される図形の幾何中心と前記計測回路の幾何中心との最短距離は、前記図形の前記幾何中心と前記2つの電源コネクタとの間の最短距離より小さくてもよい。
第4の側面において、前記制御部は、前記抵抗器、前記2つのサーミスタコネクタ、および、前記計測回路が配置された前記基板とは異なる基板に配置されてもよい。
明細書および図面に記載された発明の第5乃至第7の側面は、電源の保護に有利な技術を提供する。
第5の側面は、エアロゾル発生装置の電源ユニットに係り、前記電源ユニットは、電源から供給される電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータへの電力の供給および前記電源の充電を制御する制御部と、前記電源の状態を計測する計測回路と、を備え、
前記計測回路は、前記電源の状態が異常状態になったことを検出する検出回路と、前記検出回路による検出に応答して異常報知を出力する出力部と、を含む。
第5の側面において、前記計測回路は、前記制御部からの要求に応じて前記電源の状態に関する状態情報を前記制御部に提供するためのインターフェースを更に含んでもよい。
第5の側面において、前記制御部は、前記異常報知および前記状態情報に応じて前記電源を保護する保護動作を実行してもよい。
第5の側面において、前記保護動作は、前記電源の充電を禁止すること、および、前記電源から前記ヒータへの放電を禁止することを含んでもよい。
第5の側面において、前記電源ユニットは、前記電源が異常であることを報知する報知部を更に備えてもよい。
第5の側面において、前記電源ユニットは、前記制御部をリセットするリセット部を更に備えてもよく、前記保護動作は、前記リセット部によって前記制御部がリセットされることによって解除されてもよい。
第5の側面において、前記出力部は、前記電源の充電電流が第1基準値を上回ったこと、および、前記電源からの放電電流が第2基準値を上回ったことの少なくとも1つに応じて前記異常報知を出力してもよい。
第5の側面において、前記制御部は、前記出力部からの前記異常報知の出力に応答して、前記インターフェースを介して前記計測回路から前記状態情報を取得してもよく、前記計測回路から取得する前記状態情報は、前記電源が永久故障したかどうかを判断するための情報、および、前記電源が永久故障したことを示す情報の少なくとも1つを含んでもよい。
第5の側面において、前記異常状態は、前記電源の温度が基準温度を上回った状態を含んでもよい。
第5の側面において、前記電源ユニットは、前記異常報知に応答して、前記制御部による制御によらず、前記電源を保護する保護ユニットを更に備えてもよい。
第5の側面において、前記保護ユニットが前記異常報知に応答して前記電源を保護した後、前記制御部は、前記インターフェースを介して取得される前記状態情報が、前記電源が異常状態ではないことを示している場合に、前記ヒータへの電力の供給を可能にしてもよい。
第5の側面において、前記保護ユニットによる前記電源の保護は、解除可能であってもよい。
第5の側面において、前記制御部は、周期的なポーリングによって前記インターフェースを介して前記計測回路から前記電源の状態に関する第1情報を取得し、前記異常報知に応答して前記インターフェースを介して前記計測回路から前記電源の状態に関する第2情報を取得してもよく、前記制御部は、前記電源が第1状態であることを前記第1情報が示している場合に、前記電源を保護する動作を実行してもよく、前記計測回路は、前記電源が前記第1状態よりも悪い第2状態になったことに応じて前記異常報知を出力してもよい。
第5の側面において、前記第1情報および前記第2情報は、前記電源の温度を示す情報であってもよい。
第5の側面において、前記制御部は、周期的なポーリングによって前記インターフェースを介して前記計測回路から前記電源の状態に関する第1情報を取得し、前記異常報知に応答して前記インターフェースを介して前記計測回路から前記電源の状態に関する第2情報を取得してもよく、前記制御部は、前記第1情報が、前記電源の充電時に前記電源の状態が第1条件群に含まれるいずれかの条件を満たしている場合に、前記電源を保護する動作を実行し、前記第1情報が、前記電源の放電時に前記電源の状態が第2条件群に含まれるいずれかの条件を満たしている場合に、前記電源を保護する動作を実行してもよく、前記第1条件群に含まれる条件の数は、前記第2条件群に含まれる条件の数より多くてもよい。
第5の側面において、前記制御部は、周期的なポーリングによって前記インターフェースを介して前記計測回路から前記電源の状態に関する第1情報を取得し、前記異常報知に応答して前記インターフェースを介して前記計測回路から前記電源の状態に関する第2情報を取得してもよく、前記制御部は、前記第2情報が、前記電源の充電時に前記電源の状態が第3条件群に含まれるいずれかの条件を満たしている場合に、前記電源を保護する動作を実行し、前記第2情報が、前記電源の放電時に前記電源の状態が第4条件群に含まれるいずれかの条件を満たしている場合に、前記電源を保護する動作を実行してもよく、前記第3条件群に含まれる条件の数は、前記第4条件群に含まれる条件の数より少なくてもよい。
第5の側面において、前記異常報知は、第1異常信号による報知と、第2異常信号による報知とを含んでもよく、前記第1異常信号は、前記制御部に提供され、前記第2異常信号は、前記制御部に提供されてもよく、前記第1異常信号は、前記電源の状態が第1異常状態であるときに前記出力部から出力され、前記第2異常信号は、前記電源の状態が前記第1異常状態とは異なる第2異常状態であるときに前記出力部から出力されてもよい。
第5の側面において、前記第1異常信号は、前記第1異常信号を保持する情報保持回路を通して前記制御部に提供されてもよい。
第6の側面は、エアロゾル発生装置の電源ユニットに係り、前記電源ユニットは、電源から供給される電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータが接続されるコネクタと、前記電源の正極の電位に応じた電位が供給される端子を有し、前記ヒータへの電力の供給および前記電源の充電を制御する制御部と、前記電源から出力される電流が流れる経路に前記電源の放電を遮断可能に配置されたスイッチと、前記正極の電位が第1レベルを下回ったことに応じて、前記電源の放電が遮断されるように前記スイッチを開く保護回路と、を備え、前記制御部は、前記端子に供給される電位に基づいて検出される前記正極の電位が前記電源の充電によって前記第1レベルより大きい第2レベルを上回ったことに応じて前記電源の充電電流を増加させる。
第6の側面において、前記電源ユニットは、前記電源に充電電流を供給可能に前記スイッチに並列に接続された整流素子を更に備えてもよい。
第6の側面において、前記整流素子は、前記スイッチに付随するボディダイオードであってもよい。
第6の側面において、前記保護回路には、前記スイッチの状態とは無関係に前記電源の出力電圧が供給されてもよい。
第6の側面において、前記スイッチが開かれることによって前記制御部に対する電力の供給が遮断されてもよい。
第6の側面において、前記第1レベルに対する前記第2レベルの差は、前記整流素子の順方向電圧より大きくてもよい。
第6の側面において、前記端子には、前記電源の前記正極の電位を分圧した電位が供給されてもよい。
第6の側面において、前記経路は、前記電源の前記正極に接続された第1導電路と、前記電源の負極に接続された第2導電路とを含み、前記スイッチは、前記第2導電路に配置されてもよい。
第6の側面において、前記電源ユニットは、外部機器から供給される電圧を使って、前記電源を充電するための第1電圧を前記第1導電路と前記第2導電路との間に供給するとともに、前記制御部を動作させる第2電圧を生成する電圧供給回路を更に備えてもよく、前記制御部は、前記電圧供給回路を制御することによって前記電源の充電を制御してもよい。
第6の側面において、前記電圧供給回路は、前記外部機器から供給される電圧を使って前記第1電圧の他、第3電圧を発生する充電回路と、前記充電回路から出力される前記第3電圧を前記第2電圧に変換する変圧回路と、を含んでもよい。
第6の側面において、前記制御部は、前記端子に供給される電位に基づいて検出される前記正極の電位が前記第2レベルを上回る前に前記電圧供給回路が充電を終了した場合にエラー処理を実行してもよい。
第6の側面において、前記制御部は、前記電圧供給回路が前記電源の充電に要した時間が基準時間より短い場合に、前記エラー処理として、前記電源の充電および前記ヒータへの電力の供給を禁止してもよい。
第6の側面において、前記エラー処理として前記電源の充電および前記ヒータへの電力の供給が禁止された状態は、解除不能であってもよい。
第6の側面において、前記制御部は、前記電圧供給回路が前記電源の充電に要した前記時間が前記基準時間より短くない場合に、前記エラー処理として前記電源の充電および前記ヒータへの電力の供給が禁止された状態は、前記制御部の再起動によって解除されてもよい。
第6の側面において、前記保護回路は、前記正極の電位が前記第1レベルより大きい第3レベルを上回ったことに応じて前記スイッチを閉じてもよい。
第6の側面において、前記電源ユニットは、前記電源の電圧を計測する計測回路を更に備えてもよく、前記制御部は、前記保護回路が前記スイッチを閉じた後に、前記計測回路によって計測される前記正極の電位が前記第2レベルより小さい第4レベルを上回ったことに応じて前記電源の充電電流を増加させてもよい。
第7の側面は、エアロゾル発生装置の電源ユニットに係り、前記電源ユニットは、電源から供給される電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータが接続されるコネクタと、前記ヒータへの電力の供給および前記電源の充電動作を制御する制御部と、前記電源の状態を計測する計測回路と、を備え、前記制御部は、前記電源の状態に相関を有する情報を受ける第1端子を有し、前記第1端子に供給される情報に応じた第1指標を取得し、前記計測回路は、前記電源の状態に相関を有する情報を受ける第2端子を有し、前記第2端子に供給される情報に応じた第2指標を生成して前記制御部に提供し、前記制御部は、前記第1指標および前記第2指標に応じて前記電源の充電動作を制御する。
第7の側面において、前記電源を所定電流値より小さい第1電流値で充電する第1モード、および、前記電源を前記所定電流値より大きい第2電流値で充電する第2モードで動作可能な充電回路を更に備えることができ、前記制御部は、前記第1指標および前記第2指標の少なくとも1つが、前記電源が過放電状態であることを示している場合に、前記電源が前記第1モードで充電されるように前記充電動作を制御してもよい。
第7の側面において、前記電源を所定電流値より小さい第1電流値で充電する第1モード、および、前記電源を前記所定電流値より大きい第2電流値で充電する第2モードで動作可能な充電器回路を更に備えてもよく、前記制御部は、前記第1指標および前記第2指標の少なくとも1つが、前記電源の過放電状態が解消されたことを示している場合に、前記電源が前記第2モードで充電されるように前記充電動作を制御してもよい。
第7の側面において、前記電源を所定電流値より小さい第1電流値で充電する第1モード、および、前記電源を前記所定電流値より大きい第2電流値で充電する第2モードで動作可能な充電回路を更に備えてもよく、前記制御部は、前記第1指標および前記第2指標の少なくとも1つが、前記電源が過放電状態であることを示している場合に、前記電源が前記第1モードで充電されるように前記充電動作を制御し、および、前記第1指標および前記第2指標の少なくとも1つが、前記過放電状態が解消されたことを示している場合に、前記電源が前記第2モードで充電されるように前記充電動作を制御してもよい。
第7の側面において、前記第1指標と前記第2指標とは、同一の尺度で比較可能な指標であってもよい。
第7の側面において、前記第1指標および前記第2指標は、前記電源の出力電圧であってもよい。
第7の側面において、前記電源ユニットは、前記電源の残量に関する情報を報知する報知部を更に備えてもよく、前記制御部は、前記電源の前記状態として前記電源の残量を示す第3指標を前記計測回路から取得し、前記第3指標に応じた情報を前記報知部に報知させてもよい。
第7の側面において、前記第3指標は、SOCであってもよい。
第7の側面において、前記電源ユニットは、前記電源から出力される電流が流れる経路に前記電源の放電を遮断可能に配置されたスイッチと、前記電源の正極の電位が第1レベルを下回ったことに応じて、前記電源の放電が遮断されるように前記スイッチを開き、前記正極の電位が前記第1レベルより大きい第2レベルを上回ったことに応じて前記スイッチを閉じる保護回路と、前記電源に充電電流を供給可能に前記スイッチに並列に接続された整流素子と、を更に備えてもよい。
第7の側面において、前記制御部は、前記スイッチが開いた状態では、前記第1指標に基づいて前記充電動作を制御し、前記スイッチが閉じた状態では、前記第2指標に基づいて前記充電動作を制御してもよい。
第7の側面において、前記電源ユニットは、前記電源に充電電流を供給可能に前記スイッチに並列に接続された整流素子を更に備えてもよい。
第7の側面において、前記整流素子は、前記スイッチに付随するボディダイオードであってもよい。
第7の側面において、前記保護回路には、前記スイッチの状態とは無関係に前記電源の出力電圧が供給されてもよい。
前記第7の側面において、前記第1端子には、前記電源の前記正極の電位を分圧した電位が供給されてもよい。
第7の側面において、前記経路は、前記電源の前記正極に接続された第1導電路と、前記電源の負極に接続された第2導電路とを含んでもよく、前記スイッチは、前記第2導電路に配置されてもよい。
第7の側面において、前記電源ユニットは、外部機器から供給される電圧を使って、前記電源を充電するための第1電圧を前記第1導電路と前記第2導電路との間に供給するとともに、前記制御部を動作させる第2電圧を生成する電圧供給回路を更に備えてもよく、前記制御部は、前記電圧供給回路を制御することによって前記電源の充電を制御してもよい。
第7の側面において、前記電圧供給回路は、前記外部機器から供給される電圧を使って前記第1電圧の他、第3電圧を発生する充電回路と、前記充電回路から出力される前記第3電圧を前記第2電圧に変換する変圧回路と、を含んでもよい。
明細書および図面に記載された発明の第8の側面は、操作の単純化に有利な技術を提供する。
第8の側面は、エアロゾル発生装置の電源ユニットに係り、前記電源ユニットは、スイッチと、エアロゾル源を収容可能な挿入孔と、前記挿入孔を閉塞する閉状態および前記挿入孔に前記エアロゾル源を挿入可能な開状態を提供するように動作可能なスライダと、前記スライダの状態を検出する第1検出部と、前記スイッチが操作されたことに応じて、前記第1検出部による検出結果に応じた動作をする回路ブロックと、を備える。
第8の側面において、前記電源ユニットは、取り外し可能なパネルを含むアウターケースと、前記パネルの有無を検出する第2検出部と、を更に備えてもよく、前記回路ブロックは、前記第2検出部によって前記パネルがないことが検出された状態で前記スイッチが操作されたことに応じて、前記第1検出部による検出結果とは無関係に、前記第2検出部による検出結果に応じた動作をする。
第8の側面において、前記回路ブロックは、再起動可能な制御部を含んでよく、前記回路ブロックは、前記第2検出部によって前記パネルがあることが検出された状態かつ前記第1検出部によって前記スライダが前記開状態であることが検出された状態で前記スイッチが操作されたときは、エアロゾルの生成に関する第1処理を実行してもよく、前記第2検出部によって前記パネルがあることが検出された状態かつ前記第1検出部によって前記スライダが前記閉状態であることが検出された状態で前記スイッチが操作されたときは、エアロゾルの生成に関係しない第2処理を実行してもよく、前記第2検出部によって前記パネルがないことが検出された状態で前記スイッチが操作されたときは、前記第1検出部による検出結果とは無関係に、前記制御部を再起動してもよい。
第8の側面において、前記第2処理は、外部機器との通信に関する処理を含んでもよい。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1には、一実施形態のエアロゾル発生装置AGDの構成が示されている。ここで、図1(a)、(b)、(c)、(e)は、それぞれエアロゾル発生装置AGDの背面図、正面図、上面図、底面図である。図1(d)は、エアロゾル発生装置AGDの構成部品(スライダC102)を取り除いた状態の上面図である。
エアロゾル発生装置AGDは、例えば、ユーザ(吸引者)による吸引動作などのようにエアロゾルの生成を要求する動作(以下では「霧化要求」ともいう。)に応じて、香味を有するエアロゾル、または、エアロゾルおよび香味物質を含む気体、または、エアロゾル、または、香味物質を含むエアロゾルをユーザに提供するように構成されうる。エアロゾル源は、固体であってもよいし、液体であってもよいし、固体および液体の混合物であってもよい。液体のエアロゾル源は、例えば、グリセリンまたはプロピレングリコール等の多価アルコール等の液体を含みうる。具体的一例として、エアロゾル源は、グリセリンおよびプロピレングリコールの混合溶液を含みうる。エアロゾル源は、薬剤を含んでもよい。エアロゾル源に代えて又は共に、水等の蒸気源が用いられてもよい。香味物質は、例えば、たばこ材料を成形した成形体でありうる。あるいは、香味物質は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ、漢方、コーヒー豆等)によって構成されてもよい。香味物質には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。香味物質は、エアロゾル源に添加されてもよい。
エアロゾル発生装置AGDは、例えば、アウターケースC101と、アウターケースC101に取り付けられたスライダC102とを含みうる。アウターケースC101は、エアロゾル源および香味物質の少なくとも1つを含む挿入物を挿入あるいは収容可能な挿入孔C104を有することができる。スライダC102は、挿入孔C104を閉塞しあるいは覆う閉状態と、挿入孔C104を外部空間に露出させ、挿入物を挿入孔C104に挿入可能な開状態とを提供しうる。スライダC102は、例えば、直線または曲線に沿ったスライド機構でもよいし、回動する機構であってもよい。スライダC102は、シャッタで置き換えられてもよい挿入物は、例えば、スティックであってもよいし、カプセルであってもよい。挿入孔C104には、挿入物を加熱するヒータが配置されうる。ヒータは、例えば、抵抗素子ありうる。抵抗素子等で構成されるヒータが挿入物に配置されてもよく、この場合には、挿入物には、ヒータに通電するための電気コネクタが設けられ、挿入孔C104には、挿入物に設けられた電気コネクタに電気的に接続される電気コネクタが設けられうる。ヒータは、例えば、誘導加熱式のヒータでもよい。誘導加熱式のヒータは、コイルと、コイルから電磁波による誘導加熱によって熱を発生するサセプタとを含みうる。サセプタは、挿入物内に配置されうる。
アウターケースC101の全部または一部は、容易に取外し可能なパネル等の部品で構成されてもよい。他の表現をすれば、アウターケースC101の全部または一部は、ユーザによる取り外しが禁止されていないパネル等の部品で構成されてもよい。一例において、アウターケースC101は、容易に取外し可能なアウターパネルC103を有する。アウターパネルC103は、アウターケースC101の残り部分(本体部分)に対して磁石またはラッチ機構などによって結合されうる。なお、アウターケースC101をエアロゾル発生装置AGDの外装部品の第1部分、アウターパネルC103を該外装部品の第2部分として理解することもできる。
エアロゾル発生装置AGDは、報知部NUを有しうる。報知部NUは、ユーザが知覚可能な形式で情報をユーザに提供しうる。報知部NUは、例えば、表示デバイス、スピーカ、振動デバイスおよび香り発生デバイスの少なくとも1つを含みうる。表示デバイスは、例えば、LED等の発光デバイス、および、液晶表示デバイス等の二次元表示デバイスの少なくとも1つを含みうる。
図2(a)には、アウターパネルC103が取り外された状態のエアロゾル発生装置AGDが例示されている。エアロゾル発生装置AGDは、アウターパネルC103を磁力によって保持するための1又は複数の磁石(保持部)C112を有しうる。エアロゾル発生装置AGDは、ユーザによって操作されうるスイッチSWを有しうる。アウターパネルC103は、ユーザによる操作によって容易に変形するように構成され、スイッチSWは、アウターパネルC103に対するユーザによる押圧力によって操作されてもよい。あるいは、スイッチSWは、エアロゾル発生装置AGDの外部に露出するように配置されてもよい。エアロゾル発生装置AGDは、アウターパネルC103の内側に、インナーパネルC113を有しうる。インナーパネルC113は、磁石C112、報知部NUおよびスイッチSWを露出させるための複数の開口部を有しうる。インナーパネルC113は、例えば、ネジ等の締結部品によってエアロゾル発生装置AGDの内部構造に対して締結されうる。
図2(b)には、更にインナーパネルC113が内部構造から取り外された状態のエアロゾル発生装置AGDが例示されている。エアロゾル発生装置AGDは、電源ユニットPSUを備えている。電源ユニットPSUは、電源BTを含みうる。電源BTとしては、例えば、リチウムイオン二次電池が用いられてもよいし、リチウムイオンキャパシタが用いられてもよいし、これらの組合せを用いてもよいし、他のタイプの電力供給素子が用いられてもよい。
図3(a)には、更にアウターケースC101の全てが取り外された状態のエアロゾル発生装置AGDが例示されている。図3(b)には、更にシャーシCHSおよび電源BTが取り外された状態のエアロゾル発生装置AGDが例示されている。エアロゾル発生装置AGDは、挿入孔C104に挿入された挿入物を加熱するヒータHTを備えうる。ヒータHTは、図2(b)に例示された断熱筒INSの中に配置されうる。電源ユニットPSUは、複数の基板(例えばプリント配線基板(PCB))PCB1、PCB2、PCB3、PCB4を有しうる。
電源BTは、挿入孔C104に対する挿入物の挿脱方向DIRに平行な方向を軸方向とする円柱形状等の柱形状を有することができる。換言すると、挿入孔C104に対する挿入物の挿脱方向DIRと電源BTの軸方向とは互いに平行でありうる。電源BTの側面の一部分は、少なくとも断熱筒INSを介してヒータHTあるいは挿入孔C104に対向するように配置されうる。電源BTの側面の他の一部分は、第1基板PCB1に直接に、または他の部品を介して、対向するように配置されうる。第2基板PCB2は、第1基板PCB1と平行に配置されうる。第3基板PCB3は、第1基板PCB1および第2基板PCB2に対して直角に配置されうる。第3基板PCB3は、電源ユニットPSUの幅方向(挿脱方向DIRに直交する方向のうち最もエアロゾル発生装置AGDの寸法が大きい方向)において、第1基板PCB1と電源BTとの間に配置されうる。第3基板PCB3は、電源BTの側面の一部および断熱通INSの一部に対面する部分を有するように配置されうる。第3基板PCB3は、挿脱方向DIRに平行な方向に細長い形状を有しうる。図2(b)に示されるように、第3基板PCB3は、2つの磁石C112の間に配置されうる。
図4には、電源ユニットPSUの回路構成が例示的に示されている。電源ユニットPSUは、電源BT、保護回路90、計測回路100、過電圧保護回路110、変圧回路120、OPアンプ(増幅回路)A1、スイッチSH、SM、SR、SS、サーミスタ(例えば、NTCサーミスタ又はPTCサーミスタ)TBを含みうる。電源BT、保護回路90、計測回路100、過電圧保護回路110、変圧回路120、OPアンプA1、スイッチSH、SM、SR、SSは、例えば、第1基板PSB1に配置されうる。
電源ユニットPSUはまた、ロードスイッチ10、充電回路20、変圧回路30、ロードスイッチ40、パワースイッチドライバ50、ロードスイッチ60、不揮発性メモリ(例えば、ROM)70、スイッチ回路80を含みうる。ロードスイッチ10、充電回路20、変圧回路30、ロードスイッチ40、パワースイッチドライバ50、ロードスイッチ60、不揮発性メモリ70、スイッチ回路80は、例えば、第2基板PCB2に配置されうる。電源ユニットPSUはまた、制御部(MCU)130、サーミスタTP(例えば、NTCサーミスタ又はPTCサーミスタ)、サーミスタ(例えば、NTCサーミスタ又はPTCサーミスタ)TH、OPアンプ(増幅回路)A2、サーミスタ(例えば、NTCサーミスタ又はPTCサーミスタ)TC、OPアンプ(増幅回路)A3、情報保持回路FF1、FF2を含みうる。制御部130、OPアンプA2、OPアンプA3、情報保持回路FF1、FF2は、第2基板PCB2に配置されうる。
電源ユニットPSUはまた、検出部140、シュミットトリガ回路150、通信デバイス160、検出部170、スイッチSW、報知部NUを含みうる。検出部140、シュミットトリガ回路150、通信デバイス160、スイッチSW、報知部NUは、第3基板PCB3に配置されうる。電源ユニットPSUはまた、検出部170を含むことができ、検出部170は、第4基板PCB4に配置されうる。
以下、電源ユニットPSUを構成する各部品の動作について説明する。電源BTの正極は、第1電源コネクタBC+に電気的に接続され、電源BTの負極は、第2電源コネクタBC-に電気的に接続される。電源BTの正極の電位は、保護回路90のVBAT端子、計測回路100のVBAT端子、変圧回路120のVIN端子、充電回路20のBAT端子、および、スイッチ回路80の電位入力端子に供給されうる。
保護回路90は、電源BTから出力される電流が流れる経路、より詳しくは、第2電源コネクタBC-に電気的に接続された第2導電路PT2に配置された抵抗器R2を使って、第2導電路PT2を流れる電流を計測し、その電流に応じて電源BTを保護するように、第2導電路PT2に配置されたスイッチ部を制御しうる。該スイッチ部は、直列接続された第1トランジスタ(第1スイッチ)SDおよび第2トランジスタ(第1スイッチ)SCを含みうる。ここで、第1トランジスタSDは、それが開かれると(オフすると)電源BTの放電を停止させるように第2導電路PT2を遮断するためのスイッチとして機能し、第2トランジスタSCは、それが開かれると(オフすると)電源BTの充電を停止させるように第2導電路PT2を遮断するためのスイッチとして機能しうる。第1トランジスタSDは、第1電源コネクタBC+に電気的に接続された第1導電路PT1に配置されてもよく、第2トランジスタSCも、第1導電路PT1に配置されてもよい。抵抗器R2も、第1導電路PT1に配置されてもよい。具体的な一例として、電源BTの充電中に計測された第2導電路PT2を流れる電流が過大である場合、保護回路90は第2トランジスタSCを開く(オフする)。また、電源BTの非充電中に計測された第2導電路PT2を流れる電流が過大である場合、保護回路90は第1トランジスタSDを開く(オフする)。保護回路90は、例えば、集積回路(IC(Integrated Circuit))で構成されうる。
保護回路90は、VBAT端子に供給される電源BTの正極の電位に基づき電源BTの出力電圧を計測し、その出力電圧に応じて電源BTを保護するように、第2導電路PT2に配置されたスイッチ部を制御しうる。具体的な一例として、電源BTの電圧が電源BTの過充電状態を示す場合、保護回路90は第2トランジスタSCを開く(オフする)。また、電源BTの出力電圧が電源BTの過放電状態を示す場合、保護回路90は第1トランジスタSDを開く(オフする)。電源BTの過充電状態とは、電源BTの出力電圧が予め定められた満充電電圧を越えている状態を指すものとして理解されうる。電源BTの過放電状態とは、電源BTの出力電圧が予め定められた放電終止電圧を下回っている状態を指すものとして理解されうる。また、電源BTの深放電状態とは、過放電状態にある電源BTの放電がさらに進行し、電源BTの内部構造に不可逆的な変化が生じる状態を指すものとして理解されうる。
図4に例示されるように、第1トランジスタSDに対して並列に接続された第1整流素子が設けられてもよく、該第1整流素子は、第1トランジスタSDのボディダイオードとして構成されてもよい。該第1整流素子の順方向は、電源BTを充電する電流が流れる方向である。また、図4に例示されるように、第2トランジスタSCに対して並列に接続された第2整流素子が設けられてもよく、該第2整流素子は、第2トランジスタSCのボディダイオードとして構成されてもよい。該第2整流素子の順方向は、電源BTから放電される電流が流れる方向である。
計測回路100は、電源BTから出力される電流が流れる経路、より詳しくは、第2電源コネクタBC-に電気的に接続された第2導電路PT2に配置された抵抗器R1及びVBAT端子を使って、電源BTの状態を計測しうる。抵抗器R1は、第1導電路PT1に配置されてもよい。計測回路100は、電源BTの温度を計測するように配置されたサーミスタ(例えば、NTCサーミスタ又はPTCサーミスタ)TBの抵抗値を計測することによって、電源BTの温度を計測るように配置されうる。図3に例示されるように、電源BTは、円柱形状を有することができ、この場合、サーミスタTBは、電源BTの円柱形状に沿った円弧形状部を含みうる。サーミスタTBは、例えば、電源BTの円柱形状に沿って、中心角において電源BTの180度以上、200度以上、220度以上、240度、260度以上を帯状の形状によって取り囲みうる。計測回路100は、例えば、集積回路で構成されうる。
過電圧保護回路110は、給電コネクタとしてのUSBコネクタUSBCから供給される電圧VBUSを受けてVUSBラインに電圧VUSBを出力する。電圧VUSBの電圧値は、例えば5.0Vである。VUSBラインは、後述するロードスイッチ10のVOUT端子及びON端子と、制御部130のPA9端子へ接続される。過電圧保護回路110は、USBコネクタUSBCから供給される電圧VBUSが規定電圧値を超える電圧であっても、それを規定電圧値まで降下させて過電圧保護回路110の出力側に供給する保護回路として機能しうる。この規定電圧値は、OVLo端子へ入力される電圧値に基づいて設定されてもよい。過電圧保護回路110は、例えば、集積回路で構成されうる。
変圧回路120は、電源BTから供給される電源電圧VBATを変圧してヒータHTを駆動するためのヒータ電圧VBOOSTを生成する。変圧回路120は、昇圧回路、または、昇降圧回路、または、降圧回路でありうる。ヒータHTは、エアロゾル源を加熱するように配置される。ヒータHTの正側端子は、第1ヒータコネクタHC+に電気的に接続され、ヒータHTの負側端子は、第2ヒータコネクタHC-に電気的に接続されうる。ヒータHTは、電源ユニットPSUあるいはエアロゾル発生装置AGDに対して、破壊しなければ取り外し外すことができない形態(例えば、半田付け)で取り付けられてもよいし、破壊しなくても取り外すことができる形態で取り付けられてもよい。なお、本明細書において、「コネクタ」による電気的接続は、特に断らない限り、破壊しなければ相互に分離することができない形態と、破壊しなくても相互に分離することができる形態とのいずれでもよいものとして説明される。変圧回路120は、例えば、集積回路で構成されうる。
ヒータHTを発熱させるときは、制御部130によってスイッチSMがオフされ、スイッチSHおよびスイッチSSがオンされ、ヒータ電圧VBOOSTは、スイッチSHを通してヒータHTに供給されうる。ヒータHTの温度あるいは抵抗を計測するときは、制御部130によってスイッチSHがオフされ、スイッチSMおよびスイッチSSがオンされ、ヒータ電圧VBOOSTは、スイッチSMを通してヒータHTに供給されうる。ヒータHTの温度あるいは抵抗値を計測するときは、OPアンプA1は、ヒータHTの正側端子と負側端子との間の電圧、換言すると、第1ヒータコネクタHC+と第2ヒータコネクタHC-との間の電圧に応じた出力を制御部130のPA7端子に供給する。OPアンプA1は、ヒータHTの抵抗値あるいは温度を計測する温度計測回路として理解されてもよい。スイッチSMと第1ヒータコネクタHC+とを電気的に接続する経路には、シャント抵抗器RSが配置されうる。シャント抵抗器RSの抵抗値は、ヒータHTを加熱する期間はスイッチSRがオンし、ヒータHTの温度あるいは抵抗値を計測する期間はスイッチSRがオフするように決定されうる。
スイッチSRがNチャネル型のMOSFETで構成される場合、スイッチSRのドレイン端子はオペアンプA1の出力端子へ接続され、スイッチSRのゲート端子はシャント抵抗RSと第1ヒータコネクタHC+の間へ接続され、スイッチSRのソース端子はグランドラインへ接続される。スイッチSRのゲート端子には、ヒータ電圧VBOOSTを主にシャント抵抗RSとヒータHTで分圧した値が入力される。シャント抵抗RSの抵抗値は、この分圧した値がスイッチSRの閾値電圧以上になるように決定されうる。また、シャント抵抗RSにより、スイッチSHをオフし且つスイッチSMおよびスイッチSSをオンする時にヒータHTを流れる電流は、スイッチSHおよびスイッチSSをオンとし且つスイッチSMをオフとする時にヒータHTを流れる電流よりも小さい。これにより、ヒータHTの温度あるいは抵抗を計測するとき、ヒータHTを流れる電流によりヒータHTの温度が変化しにくくなる。
ロードスイッチ10は、ON端子にローレベルが入力されているときは、VIN端子とVOUT端子とを電気的に切断し、ON端子にハイレベルが入力されているときは、VIN端子とVOUT端子とを電気的に接続し、VOUT端子からVCC5ラインに電圧VCC5を出力する。電圧VCC5の電圧値は、例えば5.0Vである。ロードスイッチ10のON端子は、スイッチSIを介してグランドラインに電気的に接続されている。スイッチSIは、トランジスタで構成され、そのベースあるいはゲートにハイレベルが供給されるとオンし、ローレベルが供給されるとオフする。USBコネクタUSBCおよびVUSBラインを介して電圧VBUSが供給されると、制御部130は、PA9端子に入力される電圧に基づいてそれを検出し、スイッチSIを構成するトランジスタのベースあるいはゲートにローレベルを供給する。スイッチSIがオフすると、電圧VUSBを分圧した値が、ロードスイッチ10のON端子に供給される。これにより、ロードスイッチ10のON端子にハイレベルが供給される。換言すれば、ロードスイッチ10のON端子へ接続される2つの抵抗器は、電圧VUSBを分圧した値がロードスイッチ10のON端子にとってハイレベルになるような電気抵抗値を有する。一方、USBコネクタUSBCを介して電圧VBUSが供給されていない期間は、制御部130は、PA9端子に入力される電圧に基づいて、スイッチSIを構成するトランジスタのベースあるいはゲートにハイレベルを供給する。ロードスイッチ10のON端子は、スイッチSIがオンすると、グランドラインへ接続される。これによりロードスイッチ10のON端子にローレベルが供給される。VCC5ラインは、充電回路20のVAC端子およびVBUS端子、および、報知部NUに電気的に接続されている。スイッチSIは、そのベースあるいはゲートにローレベルが供給されるとオンし、ハイレベルが供給されるとオフするトランジスタで構成されてもよい。この場合、制御部130は、USBコネクタUSBCおよびVUSBラインを介して電圧VBUSが供給されるとスイッチSIを構成するトランジスタのベースあるいはゲートにハイレベルを供給し、USBコネクタUSBCを介して電圧VBUSが供給されていない期間はスイッチSIを構成するトランジスタのベースあるいはゲートにローレベルを供給すればよい。ロードスイッチ10は、例えば、集積回路で構成されうる。
充電回路20は、充電モードを有する。充電回路20は、充電モードでは、VCC5ラインを介して供給される電圧VCC5を使ってSW端子からVCCラインに電圧VCCを供給するとともに、SYS端子とBAT端子とを電気的に接続してBAT端子から第1導電路PT1を介して電源BTに充電電圧を供給しうる。VCCラインは、後述する変圧回路30のVIN端子とEN端子へ接続される。充電モードは、/CE端子にローレベルが供給されることによってイネーブルあるいは起動されうる。充電回路20は、例えば、集積回路で構成されうる。
充電回路20は、第1パワーパスモードを有しうる。第1パワーパスモードでは、充電回路20は、VBUS端子とSW端子とを電気的に接続し、VCC5ラインを介して供給される電圧VCC5を使ってVCCラインに電圧VCCを供給するが、SYS端子とBAT端子とを電気的に分離する。第1パワーパスモードは、主に電源BTの過放電又は深放電状態にある時に用いられる。また、充電回路20は、第2パワーパスモードを有しうる。第2パワーパスモードでは、充電回路20は、SYS端子とBAT端子とを電気的に接続するとともに、VBUS端子とSW端子とを電気的に接続するスイッチング素子をパルス幅制御し、電源BTから供給される電源電圧VBATとVCC5ラインを介して供給される電圧VCC5とを合成してVCCラインに電圧VCCを供給する。第2パワーパスモードは、USBコネクタUSBCおよびVUSBラインを介して電圧VBUSが供給されており且つ電源BTの充電が完了している時に用いられる。また、充電回路20は、第3パワーパスモードを有しうる。第3パワーパスモードでは、充電回路20は、VBUS端子とSW端子とを電気的に分離し、SYS端子とBAT端子とを電気的に接続し、電源BTから供給される電源電圧を電圧VCCとしてVCCラインに供給する。第3パワーパスモードは、USBコネクタUSBCを介して電圧VBUSが供給されていない時に用いられる。
充電回路20は、OTGモードを有しうる。OTGモードでは、充電回路20は、電源BTから第1導電路PT1を介してBAT端子に供給される電源電圧VBATを受けてSYS端子からVCCラインに電圧VCCを供給するとともに、VBUS端子からVCC5ラインに電圧VCC5を供給する。この場合において、充電回路20は、電源電圧VBATを受けて、電源電圧VBATよりも高い電圧を電圧VCC5として生成し、それをVBUS端子からVCC5ラインに供給しうる。/CE端子にハイレベルが供給されると、充電回路20は、第1、第2、第3パワーパスモードおよびOTGモードのうちデフォルトで設定されている動作モード、または、制御部130によって設定された動作モードで動作しうる。制御部130は、I2C通信によって、充電回路20を第1、第2、第3パワーパスモードおよびOTGモードのいずれかの動作モードに設定しうる。なお、この明細書では、通信規格の一例としてI2C通信に挙げているが、これは通信規格あるいは通信方法を限定することを意図したものではなく、以下で説明されるI2C通信およびI2Cインターフェースは、他の方式の通信およびインターフェースで置き換え可能である。
変圧回路30は、イネーブル端子であるEN端子へ接続されるVCCラインに電圧VCCが供給されることによってイネーブルされ、VOUT端子からVCC33_0ラインに電圧VCC33_0を供給する。電圧VCC33_0の電圧値は、例えば3.3Vである。VCC33_0ラインは、後述するロードスイッチ40のVIN端子、後述するパワースイッチドライバ50のVIN端子及びRSTB端子、後述する情報保持回路FF2のVCC端子及びD端子へ接続される。変圧回路30は、昇圧回路、または、昇降圧回路、または、降圧回路でありうる。変圧回路30は、例えば、集積回路で構成されうる。ロードスイッチ40は、ON端子にローレベルが入力されているときは、VIN端子とVOUT端子とを電気的に切断し、ON端子にハイレベルが入力されているときは、VIN端子とVOUT端子とを電気的に接続し、VOUT端子からVCC33ラインに電圧VCC33を出力する。電圧VCC33の電圧値は、例えば3.3Vである。VCC33ラインは、ロードスイッチ60のVIN端子、不揮発性メモリ70のVCC端子、計測回路100のVDD端子及びCE端子、制御部130のVDD端子、検出部140のVDD端子、シュミットトリガ回路150のVCC端子、通信デバイス160のVCC_NRF端子、検出部170のVDD端子、情報保持回路FF1のVCC端子及びD端子、OPアンプA1の電源端子、および、OPアンプA2の電源端子へ接続される。ロードスイッチ40のVIN端子は、変圧回路30のVOUT端子に電気的に接続され、変圧回路30から電圧VCC33_0が供給される。ロードスイッチ40のON端子も、変圧回路30のVOUT端子に抵抗器を介して電気的に接続され、変圧回路30から電圧VCC33_0が供給される。つまり、変圧回路40から電圧VCC33_0が供給されると、ロードスイッチ40は、VOUT端子からVCC33ラインに電圧VCC33を出力しうる。ロードスイッチ50は、例えば、集積回路で構成されうる。
パワースイッチドライバ50は、SW1端子およびSW2端子にローレベルが所定時間にわたって供給されたことに応じて、RSTB端子からローレベルを出力する。RSTB端子は、ロードスイッチ40のON端子に電気的に接続されている。したがって、パワースイッチドライバ50のSW1端子およびSW2端子にローレベルが所定時間にわたって供給されたことに応じて、ロードスイッチ40は、VOUT端子からの電圧VCC33の出力を停止する。ロードスイッチ40のVOUT端子からの電圧VCC33の出力が停止すると、制御部130のVDD端子(電源端子)に対する電圧VCC33の供給が絶たれるので、制御部130は、動作を停止する。パワースイッチドライバ50は、例えば、集積回路で構成されうる。
ここで、アウターパネルC103がエアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUから取り外されると、検出部140からシュミットトリガ回路150を介してパワースイッチドライバ50のSW2端子にローレベルが供給される。また、スイッチSWが押下されると、パワースイッチドライバ50のSW1端子にローレベルが供給される。よって、アウターパネルC103がエアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUから取り外された状態(図2(a)に示す状態)でスイッチSWが押下されると、パワースイッチドライバ50のSW1端子およびSW2端子にローレベルが供給される。パワースイッチドライバ50は、SW1端子およびSW2端子にローレベルが所定時間(例えば数秒間)継続して供給されると、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUに対するリセットあるいは再起動の指令が入力されたものと認識する。パワースイッチドライバ50は、RSTB端子からローレベルを出力した後にRSTB端子からのローレベルの出力を停止するように構成されうる。このような構成にすれば、ロードスイッチ40のON端子には、ローレベルが供給された後に電圧VCC33_0が再び供給されるため、ロードスイッチ40は、VOUT端子からVCC33ラインに電圧VCC33を再び出力しうる。この電圧VCC33は制御部130のVDD端子へ入力されるため、制御部130を再起動することができる。換言すれば、パワースイッチドライバ50がRSTB端子からローレベルを出力した後にRSTB端子からのローレベルの出力を停止することにより、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUのリセットあるいは再起動がなされる。
ロードスイッチ60は、ON端子にローレベルが入力されているときは、VIN端子とVOUT端子とを電気的に切断し、ON端子にハイレベルが入力されているときは、VIN端子とVOUT端子とを電気的に接続し、VOUT端子からVCC33_SLPラインに電圧VCC33_SLPを出力する。電圧VCC33_SLPの電圧値は、例えば、3.3Vである。VCC33_SLPラインは、後述するサーミスタTP、後述するサーミスタTH、後述するサーミスタTCへ接続されうる。ロードスイッチ60のON端子は、制御部130のPC11端子に電気的に接続されていて、制御部130は、スリープモードに移行する際にPC11端子の論理レベルをハイレベルからローレベルに遷移させ、スリープモードからアクティブモードに移行する際にPC11端子の論理レベルをローレベルからハイレベルに遷移させる。つまり、スリープモードおいて電圧VCC33_SLPは利用できず、スリープモードからアクティブモードへ移行すると電圧VCC33_SLPが利用できるようになる。ロードスイッチ60は、例えば、集積回路で構成されうる。
スイッチ回路80は、制御部130によって制御されるスイッチであり、オン状態では、第1導電路PT1の電位、即ち電源BTの正極の電位に応じた電位がスイッチ回路80を介して制御部130のPC2端子に供給される。電源BTの正極の電位に応じた電位は、例えば、該正極の電位を分圧した電位である。制御部130は、PC2端子に電気的に接続されたAD変換器あるいは電圧検出器を含み、制御部130は、スイッチ回路80をオンさせることによって電源BTの正極の電位、即ち電源BTの出力電圧を検出することができる。
電源ユニットPSUは、パフ動作を検出するためのパフセンサを構成するサーミスタ(例えば、NTCサーミスタ又はPTCサーミスタ)TPを備えることができる。サーミスタTPは、例えば、パフに伴う空気流路の温度変化を検出するように配置されうる。電源ユニットPSUは、バイブレータMを備えてもよい。バイブレータMは、例えば、スイッチSNをオンさせることによって起動されうる。スイッチSNは、トランジスタで構成されてよく、トランジスタのベースまたはゲートには、制御部130のPH0端子から制御信号が供給されうる。なお、スイッチSNに代えてバイブレータM用のドライバを用いてもよい。
電源ユニットPSUは、ヒータHTの温度を検出するためのサーミスタ(例えば、NTCサーミスタ又はPTCサーミスタ)THを備えうる。ヒータHTの温度は、ヒータHTの近傍の温度を検出することによって間接的に検出されてもよい。OPアンプA2は、サーミスタTHの抵抗値に応じた電圧、換言すると、ヒータHTの温度に応じた電圧を出力しうる。
電源ユニットPSUは、アウターケースC101の温度を検出するためのサーミスタ(例えば、NTCサーミスタ又はPTCサーミスタ)TCを備えうる。アウターケースC101の温度は、アウターケースC101の近傍の温度を検出することによって間接的に検出されてもよい。OPアンプA3は、サーミスタTCの抵抗値に応じた電圧、換言すると、アウターケースC101の温度に応じた電圧を出力する。
情報保持回路FF1は、OPアンプA2の出力に応じた電圧が規定範囲から逸脱した場合、典型的には、OPアンプA2の出力が示す温度がヒータHTの許容限界温度を超えた場合に、そのことを示す情報を保持するように構成されうる。情報保持回路FF1は、ロードスイッチ40からVCC33ラインに出力される電圧VCC33の供給を受けて動作しうる。換言すれば、情報保持回路FF1のVCC端子(電源端子)は、VCC33ラインへ接続される。ロードスイッチ40からの電圧VCC33の出力が停止されると、制御部130が動作を停止する他、情報保持回路FF1に保持されている情報が失われうる。情報保持回路FF1は、例えば、集積回路で構成されうる。
情報保持回路FF1はまた、OPアンプA3の出力に応じた電圧が規定範囲から逸脱した場合、典型的には、OPアンプA3の出力が示す温度がアウターケースC101の許容限界温度を超えた場合に、そのことを示す情報を保持するように構成されうる。上記の説明から明らかなように、情報保持回路FF1は、OPアンプA2の出力が示す温度がヒータHTの許容限界温度を超えた場合、および、OPアンプA3の出力が示す温度がアウターケースC101の許容限界温度を超えた場合のいずれかが満たされると、そのことを示す情報を保持するように構成されうる。
情報保持回路FF2は、OPアンプA2の出力に応じた電圧が規定範囲から逸脱した場合、典型的には、OPアンプA2の出力が示す温度がヒータHTの許容限界温度を超えた場合に、そのことを示す情報を保持するように構成されうる。情報保持回路FF2は、変圧回路30からVCC33_0ラインに出力される電圧VCC33_0の供給を受けて動作しうる。換言すれば、情報保持回路FF2のVCC端子(電源端子)は、VCC33_0ラインへ接続される。変圧回路30からからの電圧VCC33_0の出力が停止されると、情報保持回路FF2に保持されている情報が失われうる。しかし、SW1端子およびSW2端子にローレベルが入力されることによってパワースイッチドライバ50のRSTB端子からローレベルが出力され、ロードスイッチ40からの電圧VCC33の出力が停止される場合であっても、変圧回路30からからの電圧VCC33_0の出力は停止されず、情報保持回路FF2に保持されている情報は維持されうる。情報保持回路FF2は、EEPROMで構成されてもよく、この場合、1つのEEPROMが情報保持回路FF2および不揮発性メモリ70の機能を提供してもよい。情報保持回路FF2は、例えば、集積回路で構成されうる。
制御部130は、MCU等のプロセッサによって構成され、不揮発性メモリ70または内蔵されたメモリに格納されたプログラムに基づいて動作し、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUの動作を制御あるいは規定しうる。制御部130は、電源BTから供給される電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータHTへの電力の供給を制御する。他の観点において、制御部130は、電源BTから供給される電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータHTの発熱を制御する。更に他の観点において、制御部130は、ヒータHTへの電力の供給および電源BTの充電動作を制御する。
検出部140は、アウターパネルC103がエアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUから取り外されたことを検出するように構成されうる。検出部140は、例えば、集積回路で構成されうる。検出部140の出力は、シュミットトリガ回路150を介してパワースイッチドライバ50のSW2端子および制御部130のPD2端子に供給されうる。シュミットトリガ回路150は、例えば、集積回路で構成されうる。スイッチSWの一端は、パワースイッチドライバ50のSW1端子および制御部130のPC10端子へ接続されうる。スイッチSWの一端はVCC33ラインにも接続され、スイッチSWの他端はグランドラインへ接続される。これにより、スイッチSWが押下されるとパワースイッチドライバ50のSW1端子および制御部130のPC10端子にローレベルが供給され、スイッチSWが押下されないとパワースイッチドライバ50のSW1端子および制御部130のPC10端子にハイレベルが供給されうる。検出部170は、スライダC102の開閉を検出するように構成されうる。検出部170の出力は、制御部130のPC13端子に供給されうる。検出部170は、例えば、集積回路で構成されうる。検出部140、170は、例えば、ホール素子で構成されうる。通信デバイス160は、スマートフォン、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の電子機器と通信する機能を制御部130に提供する。通信デバイス160は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信規格に準拠した通信デバイスである。通信デバイス160は、例えば、集積回路で構成されうる。
図5には、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUの状態遷移図が示されている。スリープモードでは、ロードスイッチ40のVOUT端子からVCC33ラインを介して制御部130のVDD端子(電源端子)に電圧VCC33が供給される。スリープモードにおいて、スライダC102が開状態にされて、これが検出部170によって検出されると、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、アクティブモードに移行しうる。アクティブモードでは、ロードスイッチ60のVOUT端子からサーミスタTP、TH、TCに電圧VCC33_SLPが供給されうる。スリープモードでは、制御部130は、後述するI2Cインターフェースを介した計測回路100からの情報の取得を停止しうる。
アクティブモードにおいて、スイッチSW(一例では、ボタンスイッチ)が押下されると、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、加熱準備モードに移行しうる。加熱準備モードでは、制御部130は、PC12端子からハイレベルを出力し、変圧回路120を起動し、変圧回路120は、VOUT端子から電圧VBOOSTを出力しうる。スイッチSSもまた制御部130のPC12端子へ接続されているため、PC12端子からハイレベルが出力されると、スイッチSSがオンされ、ヒータコネクタHC-とグランドラインが接続されうる。
変圧回路120を起動した後、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、加熱準備モードから加熱モードに移行しうる。加熱モードは、ヒータHTによってエアロゾル源を加熱する加熱動作と、ヒータHTの抵抗値、即ちヒータHTの温度を計測する計測動作とを繰り返しうる。
加熱モードは、例えば、計時開始タイミングからの所定時間の経過、カウント開始タイミングから所定回数のパフの発生、スライダC102の閉動作、USBコネクタUSBCへのUSBケーブルの接続等の所定の終了イベントの発生に応じて終了し、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、加熱終了モードに移行する。計時開始タイミングは、例えば、アクティブモードにおけるスイッチSWの押下の検出、加熱準備モードへの移行、または、加熱モードへの移行のタイミングでありうる。カウント開始タイミングは、例えば、加熱準備モードから加熱モードへの移行のタイミングでありうる。加熱終了モードでは、ヒータHTによるエアロゾル源の加熱を終了し、その後、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、アクティブモードに移行しうる。USBコネクタUSBCへのUSBケーブルの接続によりエアロゾル源の加熱が終了された場合、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、加熱終了モードから充電モードへ直接移行しうる。
アクティブモードにおいて、スライダC102が閉状態にされると、又は、スライダC102及びスイッチSWが所定時間にわたって操作されないと、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、スリープモードに移行しうる。スリープモードにおいて、スライダC102が閉状態でスイッチSWが押下されると、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、ペアリングモードに移行しうる。ペアリングモードでは、通信デバイス160による電子機器とのペアリング(鍵の交換)が行われ、ペアリングが成功すると、ボンディング(鍵の保存)が行われ、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、スリープモードに移行しうる。ボンディングに関する情報は、不揮発性メモリ70に保存されてもよい。また、ペアリングが失敗した場合にも、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、スリープモードに移行しうる。
スリープモードにおいて、USBコネクタUSBCにUSBケーブルが接続されると、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、充電モードに移行しうる。制御部130は、PA9端子に供給される電圧あるいは電位に応じてUSBコネクタUSBCに対するUSBケーブルの接続を検出し、これに応じてPC9端子からローレベルを出力し、スイッチSIをオフさせうる。これにより、ロードスイッチ10のON端子にハイレベルが供給され、ロードスイッチ10は、USBケーブルを介してVUSBラインに供給されている電圧VUSBをVOUT端子を介して充電回路20に供給しうる。また、制御部130は、PB3端子からローレベルを出力する。これにより、充電回路20の/CE端子にローレベル(イネーブルレベル)が供給され、充電回路20は、BAT端子から電源BTに対して充電電圧を供給しうる。
充電モードにおいて、重要エラーが発生した場合には、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、永久故障モードに移行しうる。エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、充電モード以外のモードから永久故障モードに移行してもよい。永久故障モードでは、他の全てのモードへの遷移が禁止されうる。充電モード、アクティブモード、加熱準備モード、加熱モードにおいてエラーが発生すると、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、エラー処理モードに移行しうる。
エラー処理モードでは、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、例えば、報知部NUを使ってエラーの発生、エラーの種類、エラーの解除のための操作要求等を報知しうる。その後、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、発生したエラーの種類が第1カテゴリーのエラーである場合には、所定時間の経過を待ってスリープモードに移行しうる。一方、エアロゾル発生装置AGD、電源ユニットPSUあるいは制御部130は、発生したエラーの種類が第2カテゴリーのエラーである場合には、エラー処理を継続しうる。この場合、スリープモードに戻るためには、制御部130のリセットあるいは再起動を要する。
図4Aには、スリープモードにおける電源ユニットPSUの動作が例示されている。太線は、電圧の供給経路を強調している。電源BTは、第1導電路PT1を介して電源電圧VBATを保護回路90のVBAT端子、計測回路100のVBAT端子、充電回路20のBAT端子、変圧回路120のVIN端子、および、スイッチ回路80に供給しうる。充電回路20は、制御部130によって第3パワーパスモードに設定され、充電回路20は、電源BTから供給される電源電圧VBATを電圧VCCとしてVCCラインに供給しうる。
変圧回路30は、VCCラインに電圧VCCが供給されることによってイネーブルされ、VOUT端子からVCC33_0ラインに電圧VCC33_0を供給しうる。電圧VCC33_0は、VCC33_0ラインを介してロードスイッチ40、パワースイッチドライバ50、情報保持回路FF1、FF2に供給されうる。
VCC33_0ラインからロードスイッチ40のON端子へ電圧VCC33_0が供給されるため、ロードスイッチ40は、VIN端子とVOUT端子とを電気的に接続し、VOUT端子からVCC33ラインに電圧VCC33を出力しうる。電圧VCC33は、VCC33ラインを介して制御部130のVDD端子(電源端子)、検出部140、170のVDD端子(電源端子)、シュミットトリガ回路150のVCC端子(電源端子)、通信デバイス160のVCC_NRF端子(電源端子)、不揮発性メモリ70のVCC端子(電源端子)、計測回路100のVDD端子(電源端子)およびCE端子、OPアンプA2、A3の電源端子、情報保持回路FF1、FF2のVCC端子(電源端子)に供給されうる。
パワースイッチドライバ50のSW1端子およびSW2端子にローレベルが所定時間にわたって入力されると、パワースイッチドライバ50がRSTB端子からロードスイッチ40のON端子にローレベルを供給する。これに応じて、ロードスイッチ40は、VOUT端子からの電圧VCC33の出力を停止し、制御部130は、動作を停止する。その後、パワースイッチドライバ50は、RSTB端子からロードスイッチ40のON端子にローレベルの供給を停止する。これに応じて、VCC33_0ラインからロードスイッチ40のON端子へ電圧VCC33_0の供給が再開されるため、ロードスイッチ40は、VOUT端子からの電圧VCC33の出力を再開し、制御部130がリセットあるいは再起動されうる。
図4Bには、スリープモードからペアリングモードへの移行が示されている。太線は、電圧および信号の供給経路を強調している。アウターパネルC103がエアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUに取り付けられた状態では、検出部140からシュミットトリガ回路150を介して制御部130のPD2端子およびパワースイッチドライバ50のSW2端子にハイレベルが供給される。また、スライダC102が閉状態である場合、検出部170から制御部130のPC13端子にハイレベルが供給される。この状態で、スイッチSWが押下されると、制御部130のPC10端子にローレベルが供給される。制御部130は、PC13端子にハイレベルが供給されている状態においてPC10端子にローレベルが所定時間にわたって供給されると、これをペアリングモードへの移行指令として認識して、スリープモードからペアリングモードに移行しうる。
図4Cには、スリープモードからアクティブモードへの移行が示されている。太線は、電圧および信号の供給経路を強調している。アウターパネルC103がエアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUに取り付けられた状態では、検出部140からシュミットトリガ回路150を介して制御部130のPD2端子およびパワースイッチドライバ50のSW2端子にハイレベルが供給される。また、スライダC102が開状態になると、検出部170から制御部130のPC13端子にローレベルが供給される。制御部130は、これをアクティブモードへの移行指令として認識して、スリープモードからアクティブモードに移行しうる。具体的には、制御部130は、PC11端子からロードスイッチ60のON端子にハイレベルを供給し、これに応じて、ロードスイッチ60は、VIN端子とVOUT端子とを電気的に接続し、電圧VCC33_SLPをサーミスタTP、TH、TCに供給しうる。
図4D、4Eには、アクティブモードから加熱準備モードへの移行が示されている。太線は、電圧および信号の供給経路を強調している。アウターパネルC103がエアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUに取り付けられた状態では、検出部140からシュミットトリガ回路150を介して制御部130のPD2端子およびパワースイッチドライバ50のSW2端子にハイレベルが供給される。また、スライダC102が開状態である場合、検出部170から制御部130のPC13端子にローレベルが供給される。更に、スイッチSWが押下されると、制御部130のPC10端子にローレベルが供給される。制御部130は、PD2端子にハイレベルが供給され且つPC13端子にローレベルが供給されている状態においてPC10端子にローレベルが所定時間にわたって供給されると、これを加熱準備モードへの移行指令として認識して、アクティブモードから加熱準備モードに移行しうる。具体的には、制御部130は、PC12端子から変圧回路120のEN端子にハイレベルを供給し、これに応じて、変圧回路120は、VOUT端子からVboostラインにVboostを出力する。
図4Fには、加熱モードにおける加熱動作が示されている。太線は、電圧および信号の供給経路を強調している。制御部130は、PA2端子からスイッチSHを構成するトランジスタのゲートあるいはベースにハイレベルを供給し、スイッチSHをオンさせる。これにより、変圧回路120のVOUT端子から出力される電圧VboostがヒータHTに供給され、ヒータHTがエアロゾル源を加熱する。このとき、スイッチSRを構成するトランジスタのゲートあるいはベースには、スイッチSRをオンさせる電圧が供給される。OPアンプA2の電源端子には、電圧Vboostがシャント抵抗器RSを介して供給される。
図4Gには、加熱モードにおける計測動作が示されている。太線は、電圧および信号の供給経路を強調している。制御部130は、PB5端子からスイッチSMを構成するトランジスタのゲートあるいはベースにハイレベルを供給し、スイッチSMをオンさせる。これにより、変圧回路120のVOUT端子から出力される電圧Vboostがシャント抵抗器RSを介してヒータHTに供給される。このとき、このとき、スイッチSRを構成するトランジスタのゲートあるいはベースには電圧Vboostを分圧した電圧が供給される。これはスイッチSRをオフさせる電圧である。OPアンプA1は、ヒータHTの抵抗値に相関を有する電圧を制御部130のPA7端子に供給するように構成されうる。制御部130は、OPアンプA1から供給される電圧に基づいてヒータHTの温度を検出することができる。制御部130は、電圧Vboostに応じた電圧をPA1端子から取り込んで、これをヒータHTの温度を計算するための基準電圧として使用しうる。
なお、ヒータHTに通電しない期間においては、制御部130は、サーミスタTHを用いて、即ちOPアンプA2の出力に基づいてヒータHTの温度を検出してもよい。
図4Hには、充電モードにおける電源ユニットPSUの動作が示されている。太線は、電圧および信号の供給経路を強調している。過電圧保護回路110は、USBコネクタUSBCから供給される電圧VBUSを受けてVUSBラインに電圧VUSBを出力する。電圧VUSBは、分圧されて制御部130のPA9端子に供給されうる。これにより、制御部130は、USBコネクタUSBCに接続されたUSBケーブルを介して電圧VUSBが供給されたことを認識し、PC9端子のレベルをハイレベルからローレベルに遷移させうる。これにより、スイッチSIがオフして、ロードスイッチ10のON端子にハイレベルが供給される。これに応じて、ロードスイッチ10は、VIN端子とVOUT端子とを電気的に接続し、VOUT端子からVCC5ラインに電圧VCC5を出力しうる。
制御部130はまた、PB3端子から充電回路20の/CE端子にローレベルを供給し、充電回路20による電源BTの充電を許可する。充電回路20は、充電モードに設定され、VCC5ラインを介して供給される電圧VCC5を使ってSW端子からVCCラインに電圧VCCを供給するとともに、SYS端子とBAT端子とを電気的に接続してBAT端子から第1導電路PT1を介して電源BTに充電電圧を供給しうる。これにより電源BTが充電される。
図4Iには、電源ユニットPSUおよび制御部130のリセット動作が示されている。太線は、電圧および信号の供給経路を強調している。アウターパネルC103がエアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUから取り外された状態では、検出部140からシュミットトリガ回路150を介してパワースイッチドライバ50のSW2端子にローレベルが供給される。この状態でスイッチSWが押下されると、パワースイッチドライバ50のSW1にローレベルが供給される。
このようにして、パワースイッチドライバ50のSW1端子およびSW2端子にローレベルが所定時間にわたって供給されると、パワースイッチドライバ50は、RSTB端子からロードスイッチ40のON端子にローレベルを供給しうる。これに応じて、ロードスイッチ40は、VOUT端子からの電圧VCC33の出力を停止し、電圧VCC33の供給が絶たれた制御部130が動作を停止している。その後、パワースイッチドライバ50は、RSTB端子からロードスイッチ40のON端子にローレベルの供給を停止しうる。これに応じて、VCC33_0ラインからロードスイッチ40のON端子へ電圧VCC33_0の供給が再開されるため、ロードスイッチ40は、VOUT端子からの電圧VCC33の出力を再開し、制御部130が再起動されうる。
ここで、制御部130、パワースイッチドライバ50およびロードスイッチ40は、スイッチSWが操作されたことに応じて、アウターパネルC103の有無を検出する検出部140による検出結果に応じた動作を実行する回路ブロックを構成するものとして理解されうる。あるいは、制御部130、パワースイッチドライバ50およびロードスイッチ40は、検出部140によってアウターパネルC103がないことが検出された状態でスイッチSWが操作されたことに応じて、スライダC102の状態を検出する検出部170による検出結果とは無関係に、検出部140による検出結果に応じた動作を実行する回路ブロックを構成するものとして理解されうる。また、制御部130、パワースイッチドライバ50およびロードスイッチ40は、スイッチSWが操作されたことに応じて、スライダC102の状態を検出する検出部170による検出結果に応じた動作を実行する回路ブロックを構成するものとして理解されうる。
該回路ブロックは、検出部140によってアウターパネルC103があることが検出された状態かつ検出部170によってスライダC102が開状態であることが検出された状態でスイッチSWが操作されたときは、エアロゾルの生成に関する第1処理を実行しうる。また、該回路ブロックは、検出部140によってアウターパネルC103があることが検出された状態かつ検出部170によってスライダC102が閉状態であることが検出された状態でスイッチSWが操作されたときは、エアロゾルの生成に関係しない第2処理、例えば、外部機器との通信に関する処理を実行しうる。これは前述したペアリングモードに相当する。該回路ブロックは、検出部140によってアウターパネルC103がないことが検出された状態でスイッチSWが操作されたときは、検出部170による検出結果、即ちスライダC102の状態に関係なく、制御部130を再起動しうる。
図6、図7、図8、図9には、上記の種々の電子部品の配置例が示されている。なお、これらの図において、サーミスタコネクタTC+、TC-、サーミスタコネクタTP+、TP-、および、サーミスタコネクタTHC+、THC-に対するサーミスタTC、TP、THの電気的接続(配線)は、正確には記載されていない。また、これらの図において、第1ヒータコネクタHC+、第2ヒータコネクタHC-に対するヒータHTの電気的接続(配線)は、省略されている。図6に例示されるように、通信デバイス160、スイッチSW、検出部140、シュミットトリガ回路150、報知部NUは、例えば、第3基板PCB3の同一面(同一基板の同一面)に配置されうる。図6に例示されるように、通信デバイス160およびスイッチSWは、挿入孔C104に対する挿入物の挿脱方向DIRに沿って配置されうる。また、図6の他、図3(a)に例示されるように、通信デバイス160およびスイッチSWは、挿脱方向DIRに直交する方向に関して、電源ユニットPSUあるいはエアロゾル発生装置AGDの中央部に配置されうる。例えば、図6の他、図3(a)に例示されるように、通信デバイス160およびスイッチSWは、挿脱方向DIRに直交する方向に関して、第1基板PCB1と電源BTとの間に配置されうる。図6に例示されるように、スイッチSWは、通信デバイス160と報知部NUとの間に配置されうる。スイッチSWは、検出部140と通信デバイス160との間に配置されうる。
図7(a)、(b)に例示されるように、保護回路90および計測回路100の少なくとも1つは、第1基板PCB1の2つの面のうち電源BTに面する第1面S11に配置されうる。あるいは、保護回路90および計測回路100の双方は、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。変圧回路120は、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。図7(a)、(b)に例示されるように、トランジスタSD、SCは、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。図7(a)、(b)に例示されるように、スイッチSHは、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。第1、第2抵抗器R1、R2は、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。図7(a)、(b)に例示されるように、OPアンプA1は、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。保護回路90、計測回路100、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、トランジスタSD、SCを第1基板PCB1の第1面S11に配置することは、第2導電路PT2の寄生抵抗値を低減するために有利である。
図8に例示されるように、変圧回路120は、インダクタ120’を伴うことができ、変圧回路120とインダクタ120’とは、第1基板PCB1の互いに反対側の面に配置されうる。好ましくは、変圧回路120は、第1基板PCB1の第1面S11に配置され、インダクタ120’は、その反対側の第2面S12に配置されうる。USBコネクタUSBCとインダクタ120’とは、第1基板PCB1の第2面S12に配置されうる。USBコネクタUSBCとインダクタ120’は、かなり大きな寸法あるいは厚さは有する電子部品であるので、これを第1基板PCB1の同一面に配置することは、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUの小型化に寄与しうる。
図8に例示されるように、ヒータコネクタHC+、HC-、スイッチSM、SS、シャント抵抗器RSは、第1基板PCB1の第2面S12(即ち、同一基板の同一面)に配置されうる。このような配置は、ヒータHTの抵抗値あるいは温度を検出するための回路の導電路の寄生抵抗値を低減するために有利である。第1基板PCB1の第2面S12とヒータHTとの最短距離は、第1基板PCB1の第1面S11とヒータHTとの最短距離より小さいことが好ましい。このような構成は、ヒータコネクタHC+、HC-とヒータHTを結ぶリード線を短くするために有利である。
図9(a)、(b)に例示されるように、第2基板PCB2は、第1基板PCB1の第2面S12に対面する第1面S21と、その反対側の第2面S22とを有する。ヒータHTの温度を検出するためのサーミスタTHのコネクタTHC+、THC-は、第2基板PCB2の第2面S22に配置されうる。充電回路20およびそれに付随するインダクタ20’は、第2基板PCB2の同一面、例えば、第2面S22に配置されうる。変圧回路30およびそれに付随するインダクタ30’は、第2基板PCB2の同一面、例えば、第2面S22に配置されうる。ロードスイッチ10は、第2基板PCB2の第2面S22に配置されうる。制御部130は、第2基板PCB2の第2面S22に配置されうる。情報保持回路F11は、第2基板PCB2の第2面S22に配置されうる。不揮発性メモリ70および情報保持回路FF2は、第2基板PCB2の第1面S21に配置されうる。サーミスタTCのためのサーミスタコネクタTC+、TC-、および、サーミスタTPのためのサーミスタコネクタTP+、TP-は、第2基板PCB2の第1面S21に配置されうる。
図10には、保護回路90および計測回路100ならびにそれらの周辺に配置された電子部品が示されている。保護回路90は、電源BTから出力される電流が流れる経路に配置された第2抵抗器R2を使って、該経路を流れる電流を計測し、その電流に応じて電源BTを保護するように制御されるスイッチ部SWPを制御しうる。それに代えて、または、それに加えて、保護回路90は、VBAT端子に供給される電源BTの正極の電位に基づき電源BTの電圧を計測し、その電圧に応じて電源BTを保護するように、スイッチ部SWPを制御しうる。第2抵抗器R2およびスイッチ部SWPは、第1電源コネクタBC+に電気的に接続された第1導電路PT1に配置されてもよいが、第2電源コネクタBC-に電気的に接続された第2導電路PT2に配置されることが好ましい。このような構成は、保護回路90に内蔵されるOPアンプの同相入力電圧を小さくできるため、保護回路90が安定的に動作できる点や安価な保護回路90を利用できる点から有利である。スイッチ部SWPは、直列接続された第1トランジスタSDおよび第2トランジスタSCを含みうる。第1トランジスタSDは、電源BTの放電を停止させるように第2導電路PT2(換言すると、電源BTから出力される電流が流れる経路)を遮断するためのスイッチとして機能しうる。第2トランジスタSCは、電源BTの充電を停止させるように第2導電路PT2(換言すると、電源BTから出力される電流が流れる経路)を遮断するためのスイッチとして機能しうる。
第1トランジスタSDに対して並列に接続された第1整流素子が設けられてもよく、該第1整流素子は、第1トランジスタSDのボディダイオードBDDとして構成されてもよい。該第1整流素子の順方向は、電源BTを充電する電流が流れる方向である。また、第2トランジスタSCに対して並列に接続された第2整流素子が設けられてもよく、該第2整流素子は、第2トランジスタSCのボディダイオードBDCとして構成されてもよい。該第2整流素子の順方向は、電源BTから放電される電流が流れる方向である。
第2抵抗器R2の抵抗値は既知であり、保護回路90は、第2抵抗値R2による電圧降下を検出することによって、第2導電路PT2を流れる電流(電流値)を検出することができる。保護回路90は、電源BTから放電される電流、即ち、第2ヒータコネクタHC-から第2電源コネクタBC-に向かって流れる電流が放電時過電流を判定する第1閾値を超えると、第1トランジスタSDをオフさせるように構成されうる。また、保護回路90は、電源BTを充電する電流、即ち、第2電源コネクタBC-から第2ヒータコネクタHC-に向かって流れる電流が充電時過電流を判定する第2閾値を超えると、第2トランジスタSCをオフさせるように構成されうる。また、保護回路90は、電源BTの出力電圧が電源BTの過充電状態を示す場合、第2トランジスタSCをオフさせるように構成されうる。また、電源BTの出力電圧が電源BTの過放電状態を示す場合、保護回路90は第1トランジスタSDをオフするように構成されうる。
計測回路100は、電源BTから出力される電流が流れる経路に配置された第1抵抗器R1を使って、電源BTの状態を計測しうる。抵抗器R1は、第1電源コネクタBC+に電気的に接続された第1導電路PT1に配置されてもよいが、第2電源コネクタBC-に電気的に接続された第2導電路PT2に配置されることが好ましい。このような構成は、計測回路100に内蔵されるOPアンプの同相入力電圧を小さくできるため、計測回路100が安定的に動作できる点や安価な計測回路100を利用できる点から有利である。計測回路100は、第1抵抗器R1を流れる電流(電流値)を積算し、つまり、第1抵抗器R1を通して流れる電荷量(消費電力量)を求め、これにより、電源BTの残容量(Ah)およびSOC(State Of Charge)を計算しうる。SOC(%)は、「残容量(Ah)/満充電容量(Ah)×100」で定義されうる。計測回路100は、制御部130に対して残容量およびSOCを提供しうる。計測回路100は、図10において不図示であるTREG端子とTHM端子とサーミスタTBを用いて電源BTの温度を取得し、取得された電源BTの温度にも基づいて残容量やSOCを計算してもよい。電源BTの残容量やSOCなどは電源BTの温度の影響を強く受けるため、このような構成は、電源BTの残容量やSOCなどを正確に取得するために有利である。
第2ヒータコネクタHC-と第2電源コネクタBC-との間には、スイッチSS、第1抵抗器R1、スイッチ部SWP、第2抵抗器R2が存在しうる。スイッチSSと第1抵抗器R1との間には寄生抵抗r1が存在し、第2抵抗器R2と第2電源コネクタBC-との間には寄生抵抗r6が存在しうる。第1抵抗器R1と計測回路100のVRSP端子との間には、寄生抵抗r2が存在し、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSM端子との間には、寄生抵抗r3が存在しうる。
また、図示されていないが、寄生抵抗r2と第1抵抗器R1との接続ノードと第1抵抗器R1との間、および、寄生抵抗r3と第1抵抗器R1との接続ノードと第1抵抗器R1との間にも、それぞれ寄生抵抗が存在しうる。これらは、計測回路100による計測結果に誤差を生じさせる要因となりうる。
図11には、電源BTからの放電状態が模式的に示されている。図11及び後述する図12において、rSSはスイッチSSのオン抵抗、rSCは第2トランジスタSCのオン抵抗、rSDは第1トランジスタSDのオン抵抗を示している。放電時は、第2ヒータコネクタHC-の電位が第2電源コネクタBC-の電位より高い。寄生抵抗r1、r6などは、第2ヒータコネクタHC-と第2電源コネクタBC-との間の電位差ΔVを増大させる要因になる。ΔVの増大は、例えば、結露やエアロゾル源からの水分の侵入等によって第2ヒータコネクタHC-と第2電源コネクタBC-とが短絡した時に流れる短絡電流を増大させうる。
図12には、電源BTの充電状態が模式的に示されている。充電時は、第2電源コネクタBC-の電位が第2ヒータコネクタHC-の電位より高い。寄生抵抗r1、r6などは、第2電源コネクタBC-と第2ヒータコネクタHC-との間の電位差ΔVを増大させる要因になる。ΔVの増大は、上記のように、結露やエアロゾル源からの水分の侵入等によって第2電源コネクタBC-と第2ヒータコネクタHC-とが短絡した時に流れる短絡電流を増大させうる。
図13には、第2ヒータコネクタHC-と第2電源コネクタBC-との間の物理的な経路が例示されている。電源ユニットPSUあるいはエアロゾル発生装置AGDは、複数の基板PCB1、PCB2、PCB3、PCB4を有しうる。図13には、第1基板PCB1の構成が例示されている。第1ヒータコネクタHC+および第2ヒータコネクタHC-は、第1基板PCB1に配置されうる。第2ヒータコネクタHC-と共に計測回路100及び第1抵抗器R1が第1基板PCB1に配置されることで、これらを接続する導電パターンが短くなるため、寄生抵抗r1を低減できる。これにより、第2電源コネクタBC-と第2ヒータコネクタHC-とが短絡した時に流れる短絡電流を微弱なものにできる。
第1ヒータコネクタHC+および第2ヒータコネクタHC-は、第1基板PCB1の互いに異なる面に配置されてもよいし、同一面に配置されてもよい。図13の例では、第1ヒータコネクタHC+および第2ヒータコネクタHC-は、第1基板PCB1の第2面S12に配置されてもよい。第1ヒータコネクタHC+および第2ヒータコネクタHC-が同一基板の同一面に配置された構成によれば、製造時において第1ヒータコネクタHC+および第2ヒータコネクタHC-へヒータHTのリード線を接続しやすくなる。これによりエアロゾル発生装置AGD又は電源ユニットPSUのコストを低減できる。
電源BTの正極に電気的に接続された第1電源コネクタBC+、および、電源BTの負極に接続された第2電源コネクタBC-は、第1基板PCB1に配置されうる。電源BTから出力される電流が流れる経路は、第1電源コネクタBC+に接続された第1導電路PT1と、第2電源コネクタBC-に接続された第2導電路PT2とを含む。第1抵抗器R1および第2抵抗器R2は、第2導電路PT2に配置されうる。この構成によれば、計測回路100のVRSP端子とVRSM端子に対する同相入力電圧と、保護回路90のCS端子とVSS端子に対する同相入力電圧と、を小さな値とすることができる。これにより、高価及び/又はサイズが大きな計測回路100や保護回路90が不要になるため、エアロゾル発生装置AGD又は電源ユニットPSUのコストやサイズを低減できる。
第1抵抗器R1を使って電源BTの状態(例えば、残容量、SOCなど)を計測する計測回路100は、複数の基板PCB1、PCB2、PCB3、PCB4のうち、第1抵抗器R1が配置される基板と同一基板、即ち第1基板PCB1に配置されうる。他の観点において、計測回路100は、複数の素子配置面(S11、S12、S21、S22等)のうち、第1抵抗器R1が配置される素子配置面と同一素子配置面、例えば、第1面S11に配置されうる。これらの構成によれば、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSP端子及びVRSM端子を物理的に近づけて配置できる。これにより、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSP端子との間に存在する寄生抵抗r2と、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSM端子との間に存在する寄生抵抗r3を低減できる。このような寄生抵抗の低減は、計測回路100による電源BTの状態の高精度な計測を可能とする。また、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSP端子及びVRSM端子とを接続する導電パターンを短くすることができる。また、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSP端子とを接続する導電パターンの長さを、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSM端子とを接続する導電パターンの長さと容易に同程度にできる。これらも、計測回路100による電源BTの状態の高精度な計測を可能とする。
第1抵抗器R1および第2ヒータコネクタHC-は、それぞれ第1基板PCB1の互いに反対側の面に配置されうる。図13の例では、第1抵抗器R1は、第1基板PCB1の第1面S11に配置され、第2ヒータコネクタHC-は、第1基板PCB1の第2面S12に配置されている。第1基板PCB1の2つの面S11、S12のうちの一方に対する正射影において、第1抵抗器R1の少なくとも一部は、第2ヒータコネクタHC-の少なくとの一部と重なりうる。他の観点において、第1基板PCB1の2つの面S11、S12のうちの一方に対する正射影において、第1抵抗器R1は、第2ヒータコネクタHC-の領域内に配置されうる。このような配置は、第2電源コネクタBC-と第2ヒータコネクタHC-との間の好ましくない寄生抵抗値(前述の寄生抵抗r1の抵抗値)を低減するために有利であり、これは、例えば、第2電源コネクタBC-と第2ヒータコネクタHC-との間の短絡電流を低減するために有利である。
第2導電路PT2は、第1抵抗器R1と第2ヒータコネクタHC-との間に配置されたスイッチSSを含みうる。スイッチSSおよび第2ヒータコネクタHC-は、第1基板PCB1の同一面に配置されうる。図13に示された例では、スイッチSSおよび第2ヒータコネクタHC-は、第1基板PCB1の第2面S12に配置されている。スイッチSSは、それと同一面、即ち第2面S12に配置された電子部品の中で、第2ヒータコネクタHC-に最も近い素子でありうる。他の観点において、スイッチSSは、それと同一面、即ち第2面S12に配置された能動素子の中で、第2ヒータコネクタHC-に最も近い素子でありうる。このような構成によれば、エアロゾル発生装置AGD又は電源ユニットPSUの不使用時などにおいてスイッチSSをオフしておくことで、ヒータHT、第1ヒータコネクタHC+及び第2ヒータコネクタHC-から侵入しうる静電気やノイズなどが、第1抵抗器R1や第2導電路PT2へ侵入しにくくなる。
第2導電路PT2には、第1抵抗器R1と直列に接続されるように配置されたスイッチ部SWPを更に備えうる。このような構成によれば、過電流、過放電、過充電などの異常が電源BTに生じた場合、スイッチ部SWPを開くことで、電源BTを保護することができる。
第1抵抗器R1およびスイッチ部SWPは、第1基板PCB1の同一面、図13に示された例では、第1面S11に配置されている。また、第1抵抗器R1およびスイッチ部SWPの他、第2抵抗器R2も、第1基板PCB1の同一面、例えば第1面S11に配置されうる。第1基板PCB1の2つの面S11、S12のうちの一方に対する正射影において、スイッチSWPの少なくとも一部は、第2ヒータコネクタHC-の少なくとの一部と重なりうる。このような構成によれば、第2導電路PT2を短くできるので、第2導電路PT2の寄生抵抗を低減できる。これにより、第2電源コネクタBC-と第2ヒータコネクタHC-とが短絡した時に流れる短絡電流を微弱なものにできる。
保護回路90は、第2導電路PT2を流れる電流又はVBAT端子へ入力される電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)に応じて、電源BTを保護するようにスイッチ部SWPを制御しうる。このような構成によれば、過電流、過放電、過充電などの異常が電源BTに生じた場合、電源BTを保護することができる。
スイッチ部SWPは、第2導電路PT2における第1抵抗器R1と電源BTの負極(あるいは、第2電源コネクタBC-)との間に配置されうる。このような構成によれば、後述するように、第1トランジスタSDがオフされている状態でも、計測回路100と制御部130はそれぞれのI2Cインターフェースを介して通信が可能になる。併せて、保護回路90による電源BTの保護をなるべく長く機能させることができると共に、さらなる電源BTの放電を極限まで抑制できる。
保護回路90は、第1抵抗器R1と直列接続されるように第2導電路PT2に配置された第2抵抗器R2を使って、第2導電路PT2を流れる電流を検出しうる。第1抵抗器R1および第2抵抗器R2は、第1基板PCB1の同一面、例えば第1面S11に配置されうる。第2抵抗器R2は、第2導電路PT2におけるスイッチ部SWPと電源BTの負極(あるいは、第2電源コネクタBC-)との間に配置されうる。第1抵抗器R1および第2抵抗器R2は、第1抵抗器R1と第2抵抗器R2との間の最短距離が第1抵抗器R1の最大寸法および第2抵抗器R2の最大寸法の少なくとも一方より小さいように配置されうる。これらの構成は、第1抵抗器R1と第2抵抗器R2との間の寄生抵抗を低減するために有利である。
一例において、計測回路100は、第1基板PCB1に配置され、制御部130は、第2基板PCB2に配置されうる。計測回路100および制御部130とは、互いに通信する機能を有しうる。計測回路100及び制御部130は、それぞれが内部で多くの演算を行うため、ノイズ発生源となる虞がある。これらを互いに異なる基板に配置することで、一方で発生したノイズが他方へ影響を及ぼしにくくなる。
計測回路100のVDD端子(電源端子)には、変圧回路30によってVCC33ラインを介して電圧VCC33が供給されうる。変圧回路30は、電源BTから充電回路20を介して供給される電圧VCCを変圧して電圧VCC33_0を生成し、ロードスイッチ40を介して電圧VCC33として計測回路100のVDD端子(電源端子)に供給しうる。このような構成によれば、計測回路100のVDD端子(電源端子)へ供給される電圧VCC33が安定する。これにより、計測回路100の動作が安定する。
一例において、計測回路100は、第1基板PCB1に配置され、変圧回路30は、第2基板PCB2に配置されうる。変圧回路30は、変圧を実行する際にノイズを発生させる虞がある。このような構成によれば、ノイズ発生源になる虞がある変圧回路30から計測回路100を物理的に離すことができるので、計測回路100の動作が安定する。
電源BTから供給される電圧を変圧してヒータHTに供給する電圧VBOOSTを発生する変圧回路120は、第1基板PCB1に配置されうる。このような構成によれば、ヒータHTにエアロゾル源を加熱するために適切な電圧VBOOSTを供給できる。これにより、高度に量や香味が制御されたエアロゾルをエアロゾル発生装置AGDのユーザに提供できる。
変圧回路120の出力とヒータHTとを電気的に接続する経路には、スイッチSHが配置されうる。スイッチSHは、第1基板PCB1に配置されうる。スイッチSHは、例えば、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。スイッチSHにはヒータHTを発熱させるための大電力が変圧回路120から供給されるため、スイッチSH及び変圧回路120を接続する導電パターンは、太く且つ短くすることが好ましい。このような構成によれば、スイッチSH及び変圧回路120は第1基板PCB1に配置されるため、太く且つ短い導電パターンを形成しやすくなる。これにより、上述した大電流が流れても導電パターンにおいて熱やノイズが発生しにくくなる。
ヒータHTの抵抗値あるいは温度を検出する検出回路を構成するOPアンプA1は、第1基板PCB1に配置されうる。OPアンプA1は、例えば、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。
図14には、保護回路90および計測回路100ならびにそれらの周辺に配置された電子部品が示されている。また、図14には、制御部130も示されている。エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUは、電源BTの正極、あるいは第1電源コネクタBC+に電気的に接続された第1導電路PT1と、電源BTの負極、あるいは第2電源コネクタBC-に電気的に接続された第2導電路PT2と、を備えうる。制御部130は、電源BTから供給される電圧あるいは電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータHTの発熱を制御しうる。計測回路100は、第2導電路PT2に配置されうる第1抵抗器R1を使って電源BTの状態を計測しうる。スイッチ部SWPは、第2導電路PT2(および第1導電路PT1)を流れる電流を遮断可能に第2導電路PT2における第1抵抗器R1と電源BTの負極(あるいは第2電源コネクタBC-)との間に配置されうる。保護回路90は、第2導電路PT2を流れる電流およびVBAT端子に供給される電源BTの正極の電位に応じて、電源BTを保護するようにスイッチ部SWPを制御しうる。保護回路90は、第2導電路PT2におけるスイッチ部SWPと電源BTの負極(あるいは第2電源コネクタBC-)との間に配置された第2抵抗器R2を使って、第2導電路PT2を流れる電流を検出しうる。
エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUは、スイッチ部SWPとは別に、ヒータHTおよび第2導電路PT2を流れる電流を遮断可能に第2導電路PT2に配置され、遮断スイッチとして利用可能なスイッチSSを備えうる。制御部130は、計測回路100とI2C通信等の通信規格に従って通信を行うことができる。制御部130は、計測回路100による計測結果に基づいて第2導電路PT2を流れる電流が遮断されるように遮断スイッチとしてのスイッチSSを制御しうる。
図15には、保護回路90が放電時過電流又は電源BTの過放電状態を検出して第1トランジスタSDをオフさせ第2導電路PT2(電源BTの放電経路)が遮断された状態が模式的に示されている。変圧回路30は、制御部130および計測回路100に電圧を供給する電圧供給部として機能しうる。電圧供給部として機能しうる変圧回路30には、電源BTから第1導電路PT1および第2導電路PT2を介して電圧あるいは電力が供給されうる。第2導電路PT2を流れる電流が遮断されると、制御部130および計測回路100に電圧を供給する電圧供給部として機能する変圧回路30には、電源BTの正極と負極との間の電圧、即ち電源電圧が供給されない。そのため、変圧回路30は、そのVOUT端子から電圧VCC33_0を出力することができなくなる。したがって、ロードスイッチ40による制御部130および計測回路100に対するVCC33の供給も停止する。よって、制御部130および計測回路100は、動作を停止する。このとき、電源ユニットPSUによる消費電流は、保護回路90が電源BTの出力電圧を取得するためにVBAT端子-VSS端子間を流れる電流と、保護回路90が動作するためにVDD端子(電源端子)へ供給される電流のみとなる。これは、微小な電流である。
一方、保護回路90の位置と計測回路100の位置が入れ替えられた構成では、計測回路100のVBAT端子-VSS端子間を流れる電流も追加的に消費されることになり、この電流が電源BTの過放電のさらなる進行や電源BTの深放電を引き起こしうる。したがって、保護回路90によって制御されるスイッチ部SWPは、第2導電路PT2における第1抵抗器R1と電源BTの負極(第2電源コネクタBC-)との間であることが、電源BTの保護の観点で有利である。
保護回路90は、電源BTから保護回路90のVBAT端子に供給される電位が、電源BTが回復不能な深放電状態に至っている可能性を示している場合には、図16に示されるように、COUN端子をローレベルに固定し、第2スイッチSCを永久的にオフ状態に固定するように構成されてもよい。これにより、深放電状態に至った可能性のある電源BTが充電不能になるため、電源ユニットPSUあるいはエアロゾル発生装置AGDの安全性を向上させることができる。あるいは、保護回路90は、放電時過電流を検出して第1トランジスタSDをオフさせた後、保護回路90は、所定の時間にわたって、図16に示されるように、第2トランジスタSCもオフさせてもよい。
保護回路90は、充電時過電流又は電池BTの過充電状態を検出した場合には、第2トランジスタSCを所定の時間にわたってオフさせうる。この際に、保護回路90は、第1トランジスタSDもオフさせもよい。
図17には、第1トランジスタSDがオフされ且つUSBコネクタUSBCにUSBケーブルが接続された状態が模式的に示されている。ここで、USBコネクタUSBCにUSBケーブルが接続されることは、USBコネクタUSBCにUSBケーブルを介して外部機器が接続されるものとして理解されてもよい。このとき、充電回路20は、デフォルトで設定される第1パワーパスモードで動作しうる。具体的には、充電回路20は、SYS端子とBAT端子とを電気的に分離した状態で、VBUS端子とSYS端子とを電気的に接続し、VCC5ラインを介してUSBコネクタUSBCから供給される電圧VCC5を使ってVCCラインに電圧VCCを供給しうる。これに応じて、制御部130および計測回路100に電圧を供給する電圧供給部として機能する変圧回路30がVCC33_0ラインに電圧VCC33_0を供給し、ロードスイッチ40がVCC33ラインに電圧VCC33を供給しうる。これにより、制御部130および計測回路100に電圧VCC33が供給され、制御部130および計測回路100が動作を開始あるいは再開しうる。即ち、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUに外部機器が接続されることによって変圧回路30がロードスイッチ40を介して制御部130および計測回路100に電圧VCC33を供給し、制御部130および計測回路100が動作を開始あるいは再開しうる。このとき、制御部130は、スリープモードで動作しうる。
再び動作を開始した制御部130は、計測回路100から電源BTの出力電圧(正極の電位)を取得し、および/または、スイッチ回路80をオンさせ、PC2端子に供給される電位に基づいて電源BTの電位を取得するように動作しうる。そして、制御部130がその取得した電位に基づいて電源BTが深放電に至っていないと判断した場合、あるいは、電源BTを充電可能と判断した場合には、PB3端子から充電回路20の/CE端子にローレベルを供給し、充電回路20を充電モードに移行させる。これにより、図18に模式的に示されるように、充電回路20は、BAT端子とGND端子との間に電源BTを充電するための電圧を出力し、電源BTが充電される。電源BTが深放電に至っていないものの過放電状態にあると判断された場合、充電回路20は、電源BTが深放電状態及び過放電状態でない場合よりも小さい電流で電源BTを充電することが好ましい。
電源BTの残容量が所定値を超えている場合、あるいは、充電によって電源BTの残容量が所定値を超えた場合には、保護回路90は、図19に模式的に示されているように、DOUT端子からハイレベルを出力し、第1トランジスタSDをオンさせうる。電源BTの残容量が十分に回復し、放電を再開してもすぐさま過放電状態に至らないと判断したためである。
図14から図19に例示された構成では、スイッチ部SWPは、計測回路100が電源BTの状態を計測するために用いる第1抵抗器R1と、電源BTの負極に接続される第2電源コネクタBC-との間に配置されうる。このような構成によれば、図17のような第1パワーパスモードによって電圧VUSBから生成された電圧VCC33で計測回路100と制御部130が動作し、且つ、第1トランジスタSDがオフされている状態でも、計測回路100のVSS端子と制御部130のVSS端子は同電位になる。つまり、計測回路100と制御部130はそれぞれのI2Cインターフェースを介して通信が可能になる。また、第1トランジスタSDがオフされている状態では、第1電源コネクタBC+と第2電源コネクタBC-は、保護回路90とのみ閉回路を構成する。これにより、保護回路90による電源BTの保護をなるべく長く機能させることができると共に、さらなる電源BTの放電を極限まで抑制できる。
一方で、図14から図19に例示された構成から、計測回路100及び第1抵抗器R1と、保護回路90、第2抵抗器R2及びスイッチ部SWPとを入れ替えた構成を検討する。このような構成では、計測回路100のVSS端子と制御部100のVSS端子との間にスイッチ部SWPが設けられる。従って、第1トランジスタSDがオフされてしまうと、計測回路100のVSS端子と制御部130のVSS端子が切り離され、これらは異なる電位になってしまう。基準電位が入力されるべきVSS端子に異なる電位が入力される回路間では、I2Cインターフェースを介して通信が困難になる。また、第1トランジスタSDがオフされている状態において、第1電源コネクタBC+と第2電源コネクタBC-は、保護回路90とだけでなく計測回路100とも閉回路を構成してしまう。つまり、さらなる電源BTの放電を極限まで抑制できない。
従って、図14から図19に例示された構成は、該構成から計測回路100及び第1抵抗器R1と、保護回路90、第2抵抗器R2及びスイッチ部SWPとを入れ替えた構成に比して、I2Cインターフェースを介した通信が良好に行える点と、電源BTの放電を極限まで抑制できる点で有利である。
図20には、第1基板PCB1における電子部品の配置例が示されている。第1抵抗器R1と計測回路100との間の最短距離D11は、第2抵抗器R2と保護回路90との最短距離D12よりも小さいことが好ましい。ここで、計測回路100は、電源BTの状態、例えば、電源BTの残容量およびSOCを高い精度で計算するために、第1抵抗器R1を流れる電流を高い精度で検出し積算する必要がある。したがって、寄生抵抗による影響を可能な限り排除するために、第1抵抗器R1と計測回路100との間の最短距離D11を可能な限り小さくすることが有利である。一方、保護回路90は、例えば、第2抵抗器R2を流れる電流が閾値を超えた場合にスイッチ部SWPを遮断すれば十分である。したがって、保護回路90の方が計測回路100よりもノイズに対して寛容である。よって、D11<D12であることは、限られた基板面積の中でどのように電子部品を配置するかについての1つの設計指針でありうる。もちろん、D11<D12は、1つの観点における条件であり、例えば、D11<0.9×D12、D11<0.8×D12、D11<0.7×D12、D11<0.6×D12、D11<0.5×D12、D11<0.4×D12、D11<0.3×D12、D11<0.2×D12、D11<0.1×D12のように、要求精度やエアロゾル発生装置AGDの仕様に応じた条件が設けられうる。
第1抵抗器R1と計測回路100とは、同一の基板の同一平面、例えば、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。第1抵抗器R1と計測回路100とが同一平面に配置される構成は、両者がビアあるいはスルーホールを介さずに同一平面内の導電パスによって接続されることを可能にする。これにより、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSP端子との間に存在する寄生抵抗r2と、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSM端子との間に存在する寄生抵抗r3を低減できる。このような寄生抵抗の低減は、計測回路100による電源BTの状態の高精度な計測を可能とする。また、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSP端子及びVRSM端子とを接続する導電パターンを短くすることができる。また、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSP端子とを接続する導電パターンの長さを、第1抵抗器R1と計測回路100のVRSM端子とを接続する導電パターンの長さと容易に同程度にできる。これらも、計測回路100による電源BTの状態の高精度な計測を可能とする。
第2抵抗器R2および保護回路90も、同一の基板の同一平面、例えば、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。このような構成によれば、第2抵抗器R2と計測回路90のCS端子との間に存在する寄生抵抗r4の抵抗値と、第2抵抗器R2と保護回路90のVSS端子との間に存在する寄生抵抗r5の抵抗値も低減できる。このような寄生抵抗の抵抗値の低減は、保護回路90よる電源BTの高精度な保護を可能とする。
一例において、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、計測回路100および保護回路90は、同一の基板の同一平面、例えば、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。このような構成によれば、寄生抵抗r2、r3、r4及びr5の抵抗値を低減できる。これにより、計測回路100による電源BTの状態の高精度な計測と、保護回路90よる電源BTの高精度な保護が同時に可能となる。
他の観点において、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、計測回路100および保護回路90は、同一の基板、例えば、第1基板PCB1に配置されうる。第1基板PCB1は、ヒータHTが配置される側の端部EEを有し、第1抵抗器R1と端部EEとの間の最短距離は、計測回路100と端部EEとの間の最短距離よりも小さいことが好ましい。基板における端部は、該基板における中央部よりも静電気などの外来ノイズを受けることが予見される。これは、外来ノイズは、一般的に基板における端部から基板に侵入するからである。特に端部EEは、ヒータHTが配置される側の端部であるため、挿入孔C104に対する挿入物の挿抜時や、スライダC102の開閉時に生じた静電気が侵入する虞がある。また、基板の中央部は、全周的に他の電子部品によって囲まれることから、これら他の電子部品が外来ノイズに対する物理的な障壁になるからである。つまり、このような構成によれば、計測回路100が端部EEから離されることにより、計測回路100が外来ノイズの影響を受けにくくなる。
また、第2抵抗器R2と端部EEとの間の最短距離は、保護回路90と端部EEとの間の最短距離よりも小さいことが好ましい。このような構成によれば、保護回路90が端部EEから離されることにより、保護回路90が外来ノイズの影響を受けにくくなる。
これらは、第1抵抗器R1および/第2抵抗器R2を第1基板PCB1の端部EEの近くに配置するという思想を具体化した例を提供する。
計測回路100と端部EEとの間の最短距離は、保護回路90と端部EEとの間の最短距離よりも小さいことが好ましい。保護回路90は、電源BTに異常が生じた際にその充電及び/又は放電を禁止することで、電源BT及びエアロゾル発生装置AGDを保護する役割を果たす。換言すれば、保護回路90は、計測回路100よりも重要である。このような構成によれば、保護回路90は、端部EEからより離されることになり、外来ノイズの影響をより受けにくくなる。これにより、エアロゾル発生装置AGDの安全性が向上する。
第1基板PCB1には、ヒータHTの正側端子が電気的に接続される第1ヒータコネクタHC+と、ヒータHTの負側端子が電気的に接続される第2ヒータコネクタHC-とが配置されうる。第1ヒータコネクタHC+と端部EEとの間の最短距離、および、第2ヒータコネクタHC-と端部EEとの間の最短距離は、計測回路100と端部EEとの間の最短距離よりも小さいことが好ましい。このような構成は、外来ノイズから計測回路100を保護する観点から有利である。
第1抵抗器R1および第2抵抗器R2は、第1基板PCB1の第1面S11に配置され、第1ヒータコネクタHC+および第2ヒータコネクタHC-は、第1基板PCB1の第2面S12に配置されうる。このような構成は、第1基板PCB1の第1面S11及び第2面S12に電子部品を効率的に配置する観点から有利である。換言すれば、比較的にサイズの大きいこれらの電子部品を第1面S11と第2面S12のうち一方へまとめて配置してしまうと、第1基板PCB1の基板面積が大きくなったり、導電パターンの形成や他の電子部品の配置に対する大きな制約になってしまったりする虞がある。
第1面S11に対する正射影において、第2ヒータコネクタHC-の少なくも一部は、第1抵抗器R1および第2抵抗器R2の少なくとも一方の少なくとも一部と重なるように配置されうる。あるいは、図示された例とは異なるが、該正射影において、第1ヒータコネクタHC+の少なくも一部は、第1抵抗器R1および第2抵抗器R2の少なくとも一方の少なくとも一部と重なるように配置されてもよい。このような構成も、第1基板PCB1の第1面S11及び第2面S12に電子部品を効率的に配置する観点から有利である。
スイッチ部SWPは、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。このような構成も、第1基板PCB1の第1面S11及び第2面S12に電子部品を効率的に配置する観点から有利である。
制御部130によって制御されヒータHTを通して流れる電流を遮断する遮断スイッチとして利用可能なスイッチSSは、第2ヒータコネクタHC-と第1抵抗R1とを電気的に接続する経路に配置されうる。前述した通り、スイッチSSにより、ヒータHT、第1ヒータコネクタHC+及び第2ヒータコネクタHC-から侵入しうる静電気やノイズなどが、第1抵抗器R1や第2導電路PT2へ侵入しにくくなる。
スイッチSSは、第1基板PCB1の第2面12に配置されうる。このような構成も、第1基板PCB1の第1面S11及び第2面S12に電子部品を効率的に配置する観点から有利である。
スイッチSSと端部EEとの間の最短距離は、計測回路100と端部EEとの間の最短距離よりも小さいことが好ましい。このような構成によれば、計測回路100が端部EEから離されることとスイッチSSが外来ノイズに対する物理的な障壁になることにより、計測回路100が外来ノイズの影響を受けにくくなる。
変圧回路120の出力と第1ヒータコネクタHC+とを電気的に接続する経路に配置されヒータスイッチとして機能するスイッチSHは、第1基板PCB1に配置されうる。スイッチSHと端部EEとの間の最短距離は、計測回路100と端部EEとの間の最短距離よりも小さいことが好ましい。このような構成によれば、計測回路100が端部EEから離されることとスイッチSHが外来ノイズに対する物理的な障壁になることにより、計測回路100が外来ノイズの影響を受けにくくなる。
なお、スイッチSHは、ヒータHTの温度が目標温度に維持されるように、PWM(Pulse Width Modulation,パルス幅変調)方式又はPFM(Pulse Frequency Modulation,パルス周波数変調)方式により高速でスイッチングされうる。スイッチSHにはヒータHTを発熱させるための大電力が供給され且つ高速でスイッチングされうる。
スイッチSHは、第1基板PCB1の第1面S11に配置されうる。第1基板PCB1の第1面S11に対する正射影において、スイッチSHの少なくとも一部は、第1ヒータコネクタHC+少なくとも一部と重なるように配置されうる。このような構成は、スイッチSHと第1ヒータコネクタHC+の間の寄生抵抗を小さくするために有利である。あるいは、図示された例とは異なるが、該正射影において、スイッチSHの少なくとも一部は、第2ヒータコネクタHC-少なくとも一部と重なるように配置されてもよい。
このような構成において、第1抵抗器R1と第2抵抗器R2との間の最短距離は、第1抵抗器R1の最大寸法および第2抵抗器R2の最大寸法の少なくとも一方より小さくてもよい。このような構成も、第1基板PCB1の第1面S11及び第2面S12に電子部品を効率的に配置する観点から有利である。
図21には、第1基板PCB1における電子部品の配置例が示されている。電源BTの温度を測定するためのサーミスタTBは2つの端子を有し、それらは2つのサーミスタコネクタTBC1、TBC2にそれぞれ電気的に接続されうる。計測回路100は、第1抵抗器R1を使って電源BTの状態(例えば、残容量、SOCなど)を計測し、かつ、サーミスタTBを使って電源BTの温度を計測するように構成されうる。
第1抵抗器R1、2つのサーミスタコネクタTBC1、TBC2および計測回路100は、第1基板PCB1に配置されうる。1つの側面において、2つのサーミスタコネクタTBC1、TBC2と計測回路100との間の最短距離D13は、第1抵抗器R1と計測回路100との最短距離D11よりも小さいことが好ましい。第1抵抗器R1と、2つのサーミスタコネクタTBC1及びTBC2に接続されるサーミスタTBとは、いずれも計測回路100による電源BTの状態の計測に用いられる重要なパラメータである。第1抵抗器R1とは異なりサーミスタTBの抵抗値から間接的に取得される電源BTの温度には、誤差が生じやすい。このような構成によれば、少なくとも、計測回路100が電源BTの温度を取得する際に、寄生抵抗による誤差を低減できる。これにより、計測回路100は、第1抵抗器R1及びサーミスタTBから誤差の少ない状態で、電源BTの状態を計測するために必要なパラメータを取得できる。
電源BTは、例えば、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを構成する全ての部品の中で最も体積が大きい部品でありうる。電源BTは、例えば、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUの体積の20%以上、25%以上または30%以上を占めうる。サーミスタTBは、電源BTの側面の少なくとも一部に沿って配置されうる。また、サーミスタTBは、アウターケースC101と電源BTとの間、あるいは、アウターケースC101の内側面の近傍に配置されうる。このような点を考慮すると、サーミスタTBが電気的に接続されるサーミスタコネクタTBC1、TBC2は、第1基板PCB1の全域(有効領域)のうち外縁近傍に配置されることがスペースの効率的な利用のために有利である。換言すると、サーミスタコネクタTBC1、TBC2が第1基板PCB1の中央やその近傍に配置されてしまうと、他の電子部品の配置、基板表面における導電パターンの形成、基板内部におけるグランド層の形成といった観点から不利である。
計測回路100は、サーミスタTBの抵抗値を計測することによって電源TBの温度を計測あるいは検出し、その温度を1つのパラメータ値として使って電源BTの残量(例えば、残容量およびSOC)を算出しうる。したがって、電源TBの温度を正確に計測することは、電源BTの残量を正確に計測するために重要である。また、サーミスタコネクタTBC1、TB2と計測回路100との距離の増大は、サーミスタコネクタTBC1、TB2と計測回路100とを電気的に接続する導電パスの寄生抵抗値の増大をもたらし、これが電源BTの温度の計測精度を低下させうる。
そこで、サーミスタコネクタTBC1、TBC2と計測回路100との間の最短距離D13を可能な限り小さくするように配置制約を設けることは、限られた基板面積の中でどのように電子部品を配置するかについての有利な設計思想である。D13<D11は、1つの観点における条件である。例えば、D13<0.9×D11、D13<0.8×D11、D13<0.7×D11、D13<0.6×D11、D13<0.5×D11、D13<0.4×D11、D13<0.3×D11、D13<0.2×D11、D13<0.1×D11のように、要求精度やエアロゾル発生装置AGDの仕様に応じた条件が設けられうる。
計測回路100は、電源BTの温度を示す情報を制御部130に提供する第1機能、および、電源BTの温度の異常を制御部130に通知する第2機能を含みうる。制御部130は、該第2機能による計測回路100からの通知に応答して電源BTの放電および電源BTの充電の少なくとも一方を停止させるように構成されうる。これらの構成によれば、計測回路100は、制御部130からのポーリングに応じて制御部130へ電源BTの温度を示す情報を提供できるだけでなく、制御部130からのポーリングを待たずして制御部130へ電源BTの温度の異常を通知できる。これにより、電源BTの温度が異常でない場合における制御部130及び計測回路100の消費電力を抑制しつつ、電源BTの温度が異常になると、電源BT及びエアロゾル発生装置AGDを保護できる。
計測回路100は、第1抵抗器R1を使って得られる情報(例えば、積算電流量)とサーミスタTBを使って得られる情報とに基づいて電源BTの残量(例えば、残容量およびSOC)を演算しうる。電源BTの残量は、第1抵抗器R1を使って得られる情報(例えば、積算電流量)だけでなく電源BTの温度にも依存する。このような構成によれば、計測回路100は、電源BTの残量(例えば、残容量およびSOC)を高精度に演算しうる。
サーミスタTBの2つの端子は、2つのサーミスタコネクタTBC1、TBC2にそれぞれ直接に接続されうる。換言すると、サーミスタTBの2つの端子は、2つのサーミスタコネクタTBC1、TBC2のそれぞれに対して、導電ライン、能動素子および受動素子を介することなく接続されうる。これは、サーミスタコネクタTBC1、TBC2とサーミスタTBの2つの端子との間の寄生抵抗値を低減するという思想に合致する。
サーミスタTBは、電源BTの周囲を少なくとも部分的に取り囲むように配置され、これは電源BTが相応の温度分布を有する場合において、電源BTの表面の平均化された温度を計測するために有利である。一例において、電源BTは、円柱形状を有し、サーミスタTBは、電源BTの円柱形状に沿った円弧形状部を含みうる。他の例において、電源BTは、角型形状を有し、サーミスタTBは、電源BTの角型形状に沿った構造あるいは形状を有しうる。
計測回路100と第1抵抗器R1は、第1基板PCB1の同一面、例えば、第1面S11または第2面S12に配置されうる。この構成によれば、前述した通り、計測回路100による電源BTの状態の高精度な計測を可能とする。これに代えて、計測回路100と第1抵抗器R1は、第1基板PCB1の互いに異なる面に配置されてもよい。
第1基板PCB1の外縁で構成される図形(閉図形)の幾何中心と計測回路100の幾何中心との距離は、該図形の該幾何中心と第1抵抗器R1との間の距離より小さいことが好ましい。あるいは、第1基板PCB1の外縁で構成される図形(閉図形)の幾何中心と計測回路100の幾何中心(あるいは面積重心)との距離は、該図形の該幾何中心と2つのサーミスタコネクタTB1、TB2との間の最短距離より小さいことが好ましい。あるいは、第1基板PCB1の外縁で構成される図形(閉図形)の幾何中心と計測回路100の幾何中心との距離は、該図形の該幾何中心と第1抵抗器R1との間の最短距離より小さく、該図形の該幾何中心と2つのサーミスタコネクタTBC1、TBC2の間の最短距離より小さいことが好ましい。基板の外縁は、静電気などの外来ノイズの影響を基板の幾何中心よりも受けやすい。従って、このような構成は、精密な継続回路100がノイズの影響を受けにくくするために有利である。
電源BCが接続される2つの電源コネクタ、即ち、第1電源コネクタBC+および第2電源コネクタBC-は、第1基板PCB1に配置されうる。第1基板PCB1の外縁で構成される図形(閉図形)の幾何中心と計測回路100の幾何中心との距離は、該図形の該幾何中心と2つの電源コネクタBC+、BC-との間の最短距離より小さいことが好ましい。このような構成によれば、2つの電源コネクタBC+、BC-へ接続されるバスバーが、基板の外縁から侵入する外来ノイズに対する物理的な障壁になる。このバスバーは大電流が流れることから太いため、物理的な障壁として好適である。従って、計測回路100が、ノイズの影響をさらに受けにくくなる。
制御部130は、第1抵抗器R1、2つのサーミスタコネクタTB1、TB2および計測回路100が配置された第1基板PCB1とは異なる基板、例えば、第2基板PCB2に配置されうる。計測回路100及び制御部130は、それぞれが内部で多くの演算を行うため、ノイズ発生源となる虞がある。これらを異なる基板に配置することで、一方で発生したノイズが他方へ影響を及ぼしにくくなる。
図22には、電源BTの保護に関わる機能が例示されている。図中の「計測回路」、「充電回路」、「保護回路」の欄は、それぞれ計測回路100、充電回路20、保護回路90によって提供されうる機能を示している。「計測回路」における「I2C」のカラムは、I2Cインターフェースを介して計測回路100から制御部130に提供される情報に基づいて制御部130がエラー処理を実行する際の条件を例示している。「nGAUGE_INT1」のカラムは、計測回路100のALERT端子から出力されるnGAUGE_INT1信号を例示している。「nGAUGE_INT2」のカラムは、計測回路100のIO5端子から出力されるnGAUGE_INT2信号を示している。「充電回路」(「I2C」)のカラムは、I2Cインターフェースを介して充電回路20から制御部130に提供される情報に基づいて制御部130がエラー処理を実行する際の条件を例示している。「保護回路」のカラムは、保護回路90がスイッチ部SWPを遮断状態にする条件を例示している。
制御部130は、I2Cインターフェースを介したポーリングによって、計測回路100から、電源BTの充電中の充電電流、電源BTの放電中の放電電流、電源BTの電圧、および、電源BTの放電および充電時における電源BTの温度を示す情報を取得することができる。制御部130は、例えば、計測回路100によって取得される充電電流が設定値の1.1倍以上になったらエラー処理を実行しうる。設定値は、充電回路20によって実行されるCCCV(定電流-定電圧)充電のうち定電流(CC)充電における充電電流値であってよい。また、制御部130は、電源BTの放電時の電源BTの温度の温度が55℃以上になったらエラー処理を実行しうる。また、制御部130は、電源BTの充電時の電源BTの温度の温度が51℃以上になったらエラー処理を実行しうる。また、制御部130は、例えば、充電時の電源BTの温度の温度が0℃以下になったらエラー処理を実行しうる。また、制御部130は、例えば、電源BTからの放電電流および電源BTの正極電位をI2Cインターフェースを介して周期的にモニタリングし、それらに基づいて電源BTが深放電状態であるかどうかを判断しうる。図22に示された表においては、この深放電状態であるかどうかを判断する条件を、「内部アルゴリズム」として記載している。この「内部アルゴリズム」の詳細は、後述する。
また、計測回路100は、例えば、電源BTからの放電電流が10A以上であること、電源BTの充電電流が3.0A以上であること、および、電源BTからの放電時の温度が2秒間にわたって60℃以上であることのいずれかを検出した場合に、nGAUGE_INT1信号をアクティブレベルに遷移させうる。nGAUGE_INT1信号のアクティブレベルは、例えば、ローレベルである。
また、計測回路100は、電源BTからの放電電流が9.75A以上であること、電源BTの充電電流が2.75A以上であること、電源BTからの放電時の温度が2分間にわたって85℃以上であること、電源BTの充電時の温度が2分間にわたって85℃以上であること、電源BTからの放電時の温度が5秒間にわたって-5℃以下であること、電源BTの充電時の電源BTの正極電位が4.235V以上であること、電源BTからの放電時の電源BTの正極電位が2.8V以下であることのいずれかを検出した場合に、nGAUGE_INT2信号をアクティブレベルに遷移させうる。nGAUGE_INT2信号のアクティブレベルは、例えば、ローレベルである。計測回路100が取得する電源BTの正極電位は、電源BTの正極電位とVSS端子の電位の差に相当する。計測回路100のVSS端子と第2電源コネクタBC-は共にグランドラインへ接続されるため、計測回路100が取得する電源BTの正極電位は、電源BTの出力電圧に相当する。
また、制御部130は、I2Cインターフェースを介したポーリングによって、充電回路20から電源BTの充電時におけるBAT端子の電位(電源BTの正極電位)を示す情報を取得することができる。充電回路20が取得するBAT端子の電位(電源BTの正極電位)は、BAT端子の電位(電源BTの正極電位)とGND端子の電位の差に相当する。充電回路20のGND端子と第2電源コネクタBC-は共にグランドラインへ接続されるため、充電回路20が取得するBAT端子の電位(電源BTの正極電位)は、電源BTの出力電圧に相当する。制御部130は、例えば、充電時のBAT端子の電位(電源BTの正極電位)が4.343V以上になったら、エラー処理を実行しうる。
保護回路90は、例えば、電源BTからの放電電流が12.67A以上になったら第1トランジスタSDを遮断状態に変更しうる。保護回路90は、VBAT端子への入力に基づき、電源BTの正極電位を取得しうる。保護回路90が取得する電源BTの正極電位は、電源BTの正極電位とV-端子の電位の差に相当する。保護回路90のV-端子と第2電源コネクタBC-は共にグランドラインへ接続されるため、保護回路90が取得する電源BTの正極電位は、電源BTの出力電圧に相当する。保護回路90は、例えば、電源BTの充電時の電源BTの正極電位が4.28V以上になったら第2トランジスタSCを遮断状態に変更しうる。また、保護回路90は、例えば、電源BTからの放電時における電源BTの正極電位が2.5V以下になったら第1トランジスタSDを遮断状態に変更しうる。電源BTの充電時の電源BTの正極電位が4.28V以上の状態とは、前述した電源BTの過充電状態に相当する。電源BTの充電時の電源BTの正極電位が2.5V以下の状態とは、前述した電源BTの過放電状態に相当する。
図23には、図22に示された計測回路100の機能を実現するための計測回路100の構成例が模式的に示されている。計測回路100は、例えば、電源BTの状態が異常状態になったことを検出する検出回路ABDと、検出回路ABDによる検出に応答して異常報知を出力する出力部ABNとを含みうる。検出回路ABDは、電源BTからの放電電流が10A以上であること、電源BTの充電電流が3.0A以上であること、電源BTからの放電時の温度が2秒間にわたって60℃以上であることを個別に検出する第1検出ロジック回路を含みうる。出力部ABNは、第1検出ロジック回路がそれらの少なくとも1つを検出した場合に、異常報知を出力する動作としてnGAUGE_INT1信号をアクティブレベルに遷移させる第1出力ロジック回路を含みうる。
また、計測回路100は、電源BTからの放電電流が9.75A以上であること、電源BTの充電電流が2.75A以上であること、電源BTからの放電時の温度が2分間にわたって85℃以上であること、電源BTの充電時の温度が2分間にわたって85℃以上であること、電源BTからの放電時の温度が5秒間にわたって-5℃以下であること、電源BTの充電時の電源BTの正極電位が4.235V以上であること、電源BTからの放電時の電源BTの正極電位が2.8V以下であることのいずれかを個別に検出する第2検出ロジック回路を含みうる。出力部ABNは、第2検出ロジック回路がそれらの少なくとも1つを検出した場合に、異常報知を出力する動作としてnGAUGE_INT2信号をアクティブレベルに遷移させる第2出力ロジック回路を含みうる。
図24には、計測回路100、制御部130、変圧回路120、充電回路20、情報保持回路FF1、FF2、OPアンプA2、A3等の接続例が示されている。制御部130は、電源BTから供給される電力を使ってエアロゾル源を加熱するためのヒータHTへの電力の供給および電源BTの充電を制御するように構成されうる。
計測回路100は、電源BTの状態(例えば、残容量、SOC、温度等)を計測するように構成されうる。計測回路100は、図23に例示されるように、電源BTが異常状態になったことを検出する検出回路ABDと、検出回路ABDによる検出に応答して異常報知を出力する出力部ABNとを含みうる。出力部ABNは、例えば、ALERT端子から出力されるnGAUGE_INT1信号をアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させることによって第1異常信号を出力し、IO5端子から出力されるnGAUGE_INT2信号をアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させることによって第2異常信号を出力するように構成されうる。計測回路100は、制御部130からの要求に応じて電源BTの状態に関する状態情報を制御部130に提供するためのインターフェース、例えば、I2Cインターフェースを含みうる。I2Cインターフェースは、ALERT端子及びIO5端子とは異なるSCL端子及びSDA端子から構成されうる。
制御部130は、異常報知および状態情報に応じて電源BTを保護する保護動作を実行するように構成されうる。該保護動作は、例えば、電源BTの充電を禁止すること、および/または、電源BTからヒータHTへの放電を禁止することを含みうる。
計測回路100の出力回路ABNは、電源BTの充電電流が第1基準値を上回ったこと、および、電源BTからの放電電流が第2基準値を上回ったことの少なくとも1つに応じて異常報知を出力しうる。図22に示された例では、計測回路100の出力回路ABNは、電源BTの充電電流が3.0A以上であることに応じて、異常報知の出力として、nGAUGE_INT1信号をアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させる。また、計測回路100の出力回路ABNは、電源BTからの放電電流が10A以上であることに応じて、異常報知の出力として、nGAUGE_INT1信号をアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させる。また、計測回路100の出力回路ABNは、電源BTからの放電電流が9.75A以上であることに応じて、異常報知の出力として、nGAUGE_INT2信号をアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させる。また、計測回路100の出力回路ABNは、電源BTの充電電流が2.75A以上であることに応じて、異常報知の出力として、nGAUGE_INT2信号をアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させる。
制御部130は、nGAUGE_INT2信号のアクティブレベル(ここでは、ローレベル)への遷移に応答して、I2Cインターフェースを介して計測回路100から状態情報を取得しうる。該状態情報は、上述した永久故障モードへ移行させるかどうかを制御部130が判断するための情報、および、永久故障モードへの移行を示す情報の少なくとも1つを含みうる。例えば、図22に示された例において、制御部130は、I2Cインターフェースを介して計測回路100から取得した状態情報が、電源BTからの放電時の温度が2分間にわたって85℃以上であること、または、電源BTの充電時の温度が2分間にわたって85℃以上であることを示している場合に、永久故障モードへ移行させると判断することができる。あるいは、計測回路100は、電源BTからの放電時の温度が2分間にわたって85℃以上である場合、および、電源BTの充電時の温度が2分間にわたって85℃以上である場合において、制御部130からのポーリングに応じて、永久故障モードへの移行を示す情報を状態情報として制御部130に提供してもよい。
制御部130は、計測回路100から取得した情報、例えば、I2Cインターフェースを介して計測回路100から取得した情報に基づいて、電源BTの異常が発生したかどうかを判断しうる。これに加えて、または、これに代えて、制御部130は、計測回路100の出力部ABNからの出力に基づいて、電源BTの異常が発生したかどうかを判断しうる。また、制御部130は、電源BTの異常が発生したと判断した場合に、そのことを示す報知を行うように報知部NUを制御してもよい。そのような報知は、リセットのための所定の操作を行うことをユーザに対して促すものでありうる。そのような報知は、所定色の光の発生、点滅表示、所定音の発生、または、所定振動の発生等のいずれか、または、それらの2以上の組み合わせでありうる。
制御部130は、永久故障モードへの移行を判断すると、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを使用不能な状態に遷移させうる。制御部130は、例えば、充電回路20に対して、I2Cインターフェースを介して、全てのパワーパスモードでの動作を禁止するコマンドを送ることによって、充電回路20のSYS端子およびSW端子からの電圧の出力を停止させうる。これにより、電圧VCC、電圧VCC33_0、電圧VCC33は出力が停止されるので、制御部130に対する電力の供給が絶たれ、制御部130が動作不能な状態になる。充電回路20は、制御部130から送られた全てのパワーパスモードでの動作を禁止するコマンドを保持し続けるため、USBコネクタUSBCから電圧VBUSが供給されても、充電回路20のSYS端子およびSW端子から電圧は出力されない。これにより、永久故障モードから、他の全てのモードへの遷移が禁止される。このような動作は、故障したと判断される電源BTの充電および放電を禁止し、安全性を高めるために有用である。
エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUは、計測回路100からの異常報知に応答して、制御部130による制御によらずに、電源BTを保護する機能を有する保護ユニットPPPを備えてもよい。保護ユニットPPPは、制御部130による制御によって電源BTを保護する機能を更に含んでもよい。保護ユニットPPPは、例えば、情報保持回路FF1を含みうる。詳しくは後述するが、情報保持回路FF1は、計測回路100のALERT端子から出力されるnGAUGE_INT1信号がアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に駆動されること(即ち、第1異常信号)に応じてnALARM_Latched信号をアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させ、これにより、ヒータHTを駆動する電流経路に配置されたスイッチSSをオフさせうる。nGAUGE_INT1信号がアクティブレベルに駆動されたという情報(即ち、第1異常信号)は、情報保持回路FF1を介して制御部130のPA10端子にも提供されうる。具体的には、情報保持回路FF1は、/CLR端子を有するD型フリップフロップで構成されうる。周知の通りD型フリップフロップはハイレベルとローレベルをとりうる1ビットの情報を保持できるため、情報保持回路として用いることができる。nGAUGE_INT1信号は、情報保持回路FF1(D型フリップフロップ)の/CLR端子に供給されうる。nALARM_Latched信号は、情報保持回路FF1(D型フリップフロップ)のQ端子から出力されうる。負論理である/CLR端子に供給されるnGAUGE_INT1信号がローレベルに遷移すると、情報保持回路FF1(D型フリップフロップ)は、保持する情報のレベルをローレベルに固定する。情報保持回路FF1(D型フリップフロップ)のQ端子からは保持する情報のレベルと同じレベルが出力される。このような構成によれば、nGAUGE_INT1信号のアクティブレベル(ここでは、ローレベル)への遷移に応じて、nALARM_Latched信号をアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させられる。後述されるようにnALARM_Latched信号は、変圧回路120のEN端子や、スイッチSLを構成するトランジスタのベースあるいはゲートにも提供されうる。
換言すると、計測回路100は、ヒータHTに対する通電(発熱)又は電源BTの充電を禁止すべき基準(条件)が満たされたと判断した場合に、計測回路100のALERT端子から出力されるnGAUGE_INT1信号をアクティブレベルに駆動し、これに応答して、保護ユニットPPPは、制御部130による制御を介することなく、スイッチSSをオフさせる。これにより、ヒータHTの発熱(ヒータHTへの電力の供給)が禁止される。
図22の例では、電流が10A以上であること、電源BTの充電電流が3.0A以上であること、および、電源BTからの放電時の温度が2秒間にわたって60℃以上であることのいずれかの基準が満たされた場合に、nGAUGE_INT1信号がアクティブレベルに遷移される。このような基準としては、他の基準が設定されてもよい。例えば、計測回路100は、放電電流の値、充電電流の値、電源BTの放電時の電源BTの温度、電源BTの充電時の電源BTの温度、電源BTの放電時の電源BTの正極電位(出力電圧)、電源BTの充電時の電源BTの正極電位(出力電圧)の少なくとも1つがヒータHTに対する電力の供給又は電源BTの充電を禁止すべき基準を満たしたことに応じて、nGAUGE_INT1信号がアクティブレベルに駆動しうる。
保護ユニットPPPが異常報知に応答して電源BTを保護した後、制御部130は、I2Cインターフェースを介して計測回路100から取得される状態情報が、電源BTが異常状態ではないことを示している場合に、ヒータHTへの電力の供給や電源BTの充電を可能にしてもよい。例えば、保護ユニットPPPが異常報知に応答して電源BTを保護した後、制御部130は、報知部NUを使ってユーザに対してリセットあるいは再起動のための操作を促しうる。これによって制御部130がリセットあるいは再起動されると、制御部130は、I2Cインターフェースを介して計測回路100から状態情報を取得し、あるいは、nGAUGE_INT1信号のレベルを確認し、電源BTが異常状態ではない場合に、ヒータHTへの電力の供給や電源BTの充電を可能にすることができる。これとは逆に、制御部130がリセットあるいは再起動されることによって、制御部130は、ヒータHTへの電力の供給が可能な状態となってもよい。この場合、制御部130は、I2Cインターフェースを介して計測回路100から状態情報を取得し、その状態情報に応じて、必要な場合には、ヒータHTへの電力の供給を禁止しうる。
以上のように、nGAUGE_INT1信号に応答した保護ユニットPPPによる電源BTの保護は、解除可能な保護として扱われうる。これは、保護ユニットPPPによる電源BTの保護は制御部130による制御を介しておらず、該保護が、保護ユニットPPPを構成するいずれかの電子部品の誤作動により生じる虞があるためである。また、フリーズなどの制御部130の障害により該保護が生じた場合、制御部130のリセットあるいは再起動により、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを正常な状態に戻せる可能性があるためである。図22の「nGAUGE_INT2」のカラムに示された条件が「nGAUGE_INT1」のカラムに示された条件よりも先に満たされるように設定されているのは、制御部130にフリーズなどの障害が生じているかを判断するためでもある。
一方、永久故障モードへの移行の判断によって動作不能になった状態は、原則的に解除できない。放電時又は充電時に電源BTの温度が2分間にわたって85℃以上である場合には、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUは、制御部130によって永久故障モードへ移行させられる。換言すれば、制御部130は電源BTの温度を取得できていることからも明らかなように、制御部130にはフリーズなどの障害が生じていない。それにも関わらず、電源BTの温度が高温になってしまう場合には、制御部130以外に回復不能なエラーが生じており、制御部130のリセットあるいは再起動によっても該エラーの解消が見込めない。そのため、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを永久故障モードへ移行させる必要がある。
制御部130は、周期的なポーリングによってI2Cインターフェースを介して計測回路100から電源BTの状態に関する第1情報を取得し、また、異常報知に応答してI2Cインターフェースを介して計測回路100から電源BTの状態に関する第2情報を取得することができる。制御部130は、電源BTが第1状態であることを該第1情報が示している場合に、電源BTを保護する動作を実行し、計測回路100は、電源BTが該第1状態よりも重要な第2状態になったことに応じて異常報知を出力しうる。図22を参照して一例を挙げると、制御部130は、第1状態(ヒータHTへの放電時における電源BTの温度が55℃以上という状態)であることを第1情報が示している場合に、電源BTを保護する動作(例えば、リセットの要求)を実行し、計測回路100は、電源BTが該第1状態よりも重要な第2状態(ヒータHTへの放電時又は充電時における電源BTの温度が2秒にわたって60℃以上という)になったことに応じて異常報知を出力(nGAUGE_INT1信号をアクティブレベルに駆動)しうる。この例では、第1情報および第2情報は、電源BTの温度を示す情報であるが、第1情報および第2情報は、他の状態(例えば、放電電流、充電電流)を示す情報であってもよい。
1つの構成例において、制御部130は、第1情報が、電源BTの充電時に電源BTの状態が第1条件群に含まれるいずれかの条件を満たしている場合に、電源BTを保護する動作を実行し、第1情報が、電源BTの放電時に電源BTの状態が第2条件群に含まれるいずれかの条件を満たしている場合に、電源BTを保護する動作を実行し、ここで、該1条件群に含まれる条件の数は、該第2条件群に含まれる条件の数より多い。換言すれば、第1情報に基づく電源BTの保護は、放電時よりも充電時に強く機能することを意味する。これは、放電時と異なり充電時は電源BTの蓄えるエネルギーが増大し続けることから、充電時は電源BTの保護がより重要になるためである。また、放電時と異なり低温の充電は、負極における電析など電源BTの内部構造に不可逆的な変化をもたらす虞があることから、充電時は電源BTの保護がより重要になるためでもある。
他の構成例において、制御部130は、第2情報が、電源BTの充電時に電源BTの状態が第3条件群に含まれるいずれかの条件を満たしている場合に、電源BTを保護する動作を実行し、第2情報が、電源BTの放電時に電源BTの状態が第4条件群に含まれるいずれかの条件を満たしている場合に、電源BTを保護する動作を実行し、ここで、該第3条件群に含まれる条件の数は、該第4条件群に含まれる条件の数より少ない。換言すれば、第2情報に基づく電源BTの保護は、充電時よりも放電時に強く機能することを意味する。これは、上述した通り、充電時は電源BTの蓄えるエネルギーが増大し続けたり、電源BTの内部構造に不可逆的な変化をもたらす虞があったりするためである。
図25には、制御部130による計測回路100に対する周期的なポーリングによって取得される電源BTの状態に基づく電源BTの保護が模式的に示されている。制御部130は、計測回路100に対する周期的なポーリングによって計測回路100から電源BTの状態に関する状態情報を取得しうる。そして、制御部130は、該状態情報が、電源BTの保護のための基準を満たして場合に、電源BTを保護する保護動作を行いうる。該保護動作は、例えば、PC12端子から出力されるHeater_Enable信号をインアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させ、変圧回路120の動作を停止させるとともに、ヒータHTの電流経路に配置されたスイッチSSをオフさせる動作を含みうる。該保護動作はまた、例えば、PB3端子から出力されるnCharger_Enable信号をインアクティブレベル(ここでは、ハイレベル)に遷移させ、充電回路20による電源BTの充電を停止させる動作を含みうる。具体的な一例として、変圧回路120のEN端子を正論理とし且つスイッチSSをNチャネル型のMOSFETで構成すれば、ローレベルに遷移させたHeater_Enable信号を変圧回路120のEN端子とスイッチSSのゲート端子へ供給することで、変圧回路120の動作が停止され且つスイッチSSがオフされうる。また、充電回路20の/CE端子を負論理にすれば、ハイレベルに遷移させたnCharger_Enable信号を充電回路20の/CE端子へ供給することで、充電回路20による電源BTの充電が停止されうる。
該保護動作は、所定条件を満たすまでエラー処理モードを継続し、所定条件を満たした後にスリープモードに遷移する動作を含んでもよい。例えば、図22の例にしがって説明すれば、制御部130は、電源BTからの放電時に電源BTの温度が51℃以上になったらエラー処理モードに移行し、その後、電源BTの温度が45℃以下になったらスリープモードに移行しうる。
図26には、計測回路100がnGAUGE_INT2信号をアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させることによって第2異常信号を出力したことに応答した電源BTの保護が模式的に示されている。制御部130は、アクティブレベルへのnGAUGE_INT2信号の遷移(第2異常信号)に応答して計測回路100に対してポーリングを行って、計測回路100から電源BTの状態に関する状態情報を取得しうる。そして、制御部130は、該状態情報が、電源BTの保護のための基準を満たして場合に、電源BTを保護する保護動作を行いうる。該保護動作は、図25を参照して説明した保護動作と同じであってもよいし、異なってもよい。エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUがスリープモードにあることで制御部130が計測回路100に対する周期的なポーリングを停止している場合、制御部130は、アクティブレベルに遷移したnGAUGE_INT2信号に基づき、制御部130が計測回路100に対する周期的なポーリングを再開しうる。換言すれば、nGAUGE_INT2信号は、制御部130に対する割り込み信号としても理解されうる。
該保護動作は、所定条件を満たすまでエラー処理モードを継続し、所定条件を満たした後にスリープモードに遷移する動作を含んでもよい。例えば、図22の例にしがって説明すれば、制御部130は、電源BTからの放電時に電源BTの温度が5秒以上にわたって-5°以下になったらエラー処理モードを経由してスリープモードに移行しうる。あるいは、制御部130は、電源BTからの放電時に電源BTの正極電位が2.8V以下になったらエラー処理モードを経由してスリープモードに移行しうる。
一方、状態情報が、電源BTからの放電時の温度が2分間にわたって85℃以上であること、または、電源BTの充電時の温度が2分間にわたって85℃以上であることを示している場合には、制御部130は、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを永久故障モードへ移行させると判断することができる。この場合、制御部130は、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを永久的に使用不能な状態に遷移させうる。
図27には、計測回路100がnGAUGE_INT1信号をアクティブレベルに遷移させることに応答して、保護ユニットPPPによって実行される電源BTの保護が模式的に示されている。情報保持回路FF1は、計測回路100のALERT端子から出力されるnGAUGE_INT1信号がアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に駆動されること(即ち、第1異常信号)に応じて、nALARM_Latched信号をアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させうる。これに応答して、ヒータHTを駆動する電流経路に配置されたスイッチSSがオフし、電圧Vboostを発生する変圧回路120が動作を停止し、また、充電回路20が動作を停止しうる。具体的な一例として、変圧回路120のEN端子を正論理とし且つスイッチSSをNチャネル型のMOSFETで構成すれば、ローレベルに遷移させたnALARM_Latched信号を変圧回路120のEN端子とスイッチSSのゲート端子へ供給することで、変圧回路120の動作が停止され且つスイッチSSがオフされうる。また、充電回路20の/CE端子を負論理としスイッチSLをpnp型のバイポーラトランジスタで構成すれば、ローレベルに遷移させたnALARM_Latched信号をスイッチSLのベース端子へ供給することで、スイッチSLはオンする。スイッチSLがオンすると、充電回路20の/CE端子に対して並列接続された2つの抵抗器による電圧VCC33の分圧が停止する。これにより、充電回路20の/CE端子にはハイレベルの電圧VCC33がスイッチSLを介して供給される。充電回路20の/CE端子は負論理であるため、充電回路20の動作が停止しうる。
情報保持回路FF1は、更に、ヒータHTの温度を検出するためのサーミスタTHを使って計測されるヒータHTの温度がその上限値を超えたことを示す場合にも、nALARM_Latched信号をアクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させてもよい。具体的には、ヒータHTの温度がその条件値を越えるとOPアンプA2の出力がローレベルになるように、OPアンプA2の非反転入力端子及び反転入力端子へ接続される抵抗器の電気抵抗値と、サーミスタTHの物性と、を選択すればよい。OPアンプA2が出力するローレベルはアクティブレベルに遷移したnGAUGE_INT1信号と同様に情報保持回路FF1の/CLR端子へ供給されるため、nALARM_Latched信号は、アクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移しうる。
情報保持回路FF1は、更に、アウターケースC101の温度を検出するためのサーミスタTCを使って計測されるアウターケースC101の温度がその上限値を超えたことを示す場合にも、nALARM_Latched信号をアクティブレベルに遷移させてもよい。具体的には、ヒータHTの温度がその条件値を越えるとOPアンプA3の出力がローレベルになるように、OPアンプA3の非反転入力端子及び反転入力端子へ接続される抵抗器の電気抵抗値と、サーミスタTCの物性と、を選択すればよい。OPアンプA3が出力するローレベルはアクティブレベルに遷移したnGAUGE_INT1信号と同様に情報保持回路FF1の/CLR端子へ供給されるため、nALARM_Latched信号は、アクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移しうる。
保護ユニットPPPは、更に情報保持回路FF2を含んでもよい。一例において、情報保持回路FF2は、電圧VCC33_0で駆動されるので、電源BTが正常であれば、永久故障モードではない限り、情報を保持し続ける。情報保持回路FF2は、ヒータHTの温度を検出するためのサーミスタTHを使って計測されるヒータHTの温度がその上限値を超えた場合に、そのことを示す情報を保持し続けるとともに、Heater_Latched信号をアクティブレベル(ここでは、ハイレベル)に遷移させうる。具体的には、情報保持回路FF2は、/CLR端子を有するD型フリップフロップで構成されうる。OPアンプA2の出力信号は、情報保持回路FF2(D型フリップフロップ)の/CLR端子に供給されうる。Heater_Latched信号は、情報保持回路FF2(D型フリップフロップ)の/Q端子から出力されうる。負論理である/CLR端子に供給されるOPアンプA2の出力信号がローレベルに遷移すると、情報保持回路FF2(D型フリップフロップ)は、保持する情報のレベルをローレベルに固定する。情報保持回路FF2(D型フリップフロップ)の/Q端子からは保持する情報のレベルとは逆のレベルが出力される。このような構成によれば、ヒータHTの温度がその上限値を越えたことに応じて、Heater_Latched信号をアクティブレベル(ここでは、ハイレベル)に遷移させうる。なお、Heater_Latched信号は、情報保持回路FF2(D型フリップフロップ)のQ端子から出力されてもよい。この場合、Q端子にインバータが接続されない限り、Heater_Latched信号のアクティブレベルは、ローレベルである点に留意されたい。また、この場合、情報保持回路FF2(D型フリップフロップ)は、/Q端子を有していなくてもよい。
制御部130は、Heater_Latched信号がアクティブレベルに遷移すると、ヒータHTの過熱が発生したと判断し、そのことを示す報知を行うように報知部NUを制御しうる。そのような報知は、リセットのための所定の操作を行うことをユーザに対して促すものでありうる。そのような報知は、所定色の光の発生、点滅表示、所定音の発生、または、所定振動の発生等のいずれか、または、それらの2以上の組み合わせでありうる。
制御部130は、リセットあるいは再起動されると、情報保持回路FF2に保持された情報をHeater_Latched信号の状態(論理レベル)によって確認し、更に、ヒータHTに過熱が発生したか否かを確認しうる。制御部130は、ヒータHTの過熱が発生したことを認識すると、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを永久故障モードに移行させうる。上述した通り、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUの永久故障モードへの移行は、制御部130が、充電回路20に対して、I2Cインターフェースを介して、全てのパワーパスモードでの動作を禁止するコマンドを送ることによってなしうる。しかし、ヒータHTに過熱が発生する状況では、同時に制御部130にフリーズなどの障害が生じている虞がある。そこで、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを確実に永久故障モードへ移行させために、制御部130のリセットあるいは再起動を行う。なお、制御部130のフリーズなどの障害が生じていても、ヒータHTの温度がその上限値を越えれば、情報保持回路FF1がnALARM_Latched信号は、アクティブレベル(ここでは、ローレベル)に遷移させるため、ヒータHTの過熱がさらに進行することはない。
なお、情報保持回路FF2をD型フリップフロップで構成する場合、情報保持回路FF2(D型フリップフロップ)は、不図示且つ制御部130へ接続されるCLK(クロック)端子を含みうる。CLK端子へCLK信号を入力することで、情報保持回路FF2(D型フリップフロップ)が保持する情報のレベルを、D端子へ入力されるレベルと同じにすることができる。しかし、ヒータHTの過熱の発生をリセットあるいは再起動した制御部130が認識できるように、制御部130は、少なくてもリセットあるいは再起動直後に、情報保持回路FF2(D型フリップフロップ)のCLK端子へCLK信号を入力しないことが好ましい。
図28には、電源BTの放電および充電に関する状態の変化が模式的に示されている。S1~S8は、タイミングを示している。図28の上段には、保護回路90によって電源BTの正極電位として検出される電位(点線)、計測回路100によって電源BTの正極電位として検出される電位(グレーの実線)、および、制御部130によって電源BTの正極電位として検出される電位(黒の実線)が例示されている。保護回路90によって電源BTの正極電位として検出される電位は、保護回路90によって電源BTの出力電圧として検出される電圧に相当する。計測回路100によって電源BTの正極電位として検出される電位は、計測回路100によって電源BTの出力電圧として検出される電圧に相当する。制御部130によって電源BTの正極電位として検出される電位は、制御部130によって電源BTの出力電圧として検出される電圧に相当する。図28の中段には、電源BTを充電する充電電流が例示されている。図28の下段には、保護回路90のDOUT端子のレベルが例示されている。
タイミングS1では、電源BTの正極の電位(正極と負極との間に出力される出力電圧)が正常である。ここでいう、正常であるとは、電源BTの正極の電位(正極と負極との間に出力される出力電圧)が、電源BTの満充電電圧以下且つ放電終止電圧より高い状態と理解しうる。タイミングS2までに、電源BTからの放電が進み、タイミングS2で電源BTの状態が過放電域に突入する。図28には、電源BTの放電終止電圧として2.5Vが例示されており、電源BTの正極の電位(正極と負極との間に出力される出力電圧)がこの放電終止電圧を下回ることで、電源BTの状態が過放電域に突入する。タイミングS2~S6では、保護回路90によって検出される電位(点線)、計測回路100によって検出される電位(グレーの実線)、および、制御部130によって検出される電位(黒の実線)は、互いに大きく異なりうる。ここで説明される例では、詳細を後述するように、タイミングS2~S5の期間では、電源BTの正極の電位が低下するために、スイッチ回路80によって第1導電路PT1と制御部130のPC2端子とを電気的に接続することができなくなる。したがって、タイミングS2~S5の期間では、制御部130によって検出され電位(黒の実線)がゼロである。また、ここで説明される例では、電源BTの過放電域では、計測回路100は、電源BTの正極の電位を正確に検出することができない。これは、計測回路100は、残容量の最小値である0mAhとSOCの最小値である0%を、電源BTの出力電圧がその放電終止電圧と等しい状態に割り当てているため、これらの最小値を下回る状態を正確に計測できるように設計されていないからである。
放電によって電源BTの正極の電位が更に低下し第1レベルを下回ったタイミングS3において、保護回路90は、電源BTを保護するためにスイッチ部SWPの第1トランジスタ(スイッチ)SDを開いて、電源BTからの保護回路90以外への放電を停止させる。ここで、前述のように、第1トランジスタSDは、電源BTから出力される電流が流れる経路、より詳しくは、第2電源コネクタBC-に電気的に接続された第2導電路PT2に配置されたスイッチである。なお、第1トランジスタ(スイッチ)SDが開かれても、第1電源コネクタBC+、保護回路90のVDD端子、保護回路90のVSS端子、第2電源コネクタBC-の間で閉回路が構成されるため、保護回路90は、第1トランジスタ(スイッチ)SDが開かれた状態を維持できる点に留意されたい。第1トランジスタ(スイッチ)SDが開かれると、制御部130および計測回路100に電圧VCC33が供給されないため、これらは動作を停止する。
タイミングS4では、電源BTの充電のために、外部機器(例えば、充電器または電子機器)が接続されたUSBケーブルがユーザによってUSBコネクタUSBCに接続される。この状態では、制御部130のVDD端子(電源端子)に電圧VCC33が供給されていないので、スイッチSIを構成するトランジスタのベースあるいはゲートにはローレベルが供給されていて、スイッチSIはオフしている。よって、ロードスイッチ10のON端子には、電源VUSBを分圧したハイレベルが供給されうる。したがって、ロードスイッチ10は、VIN端子に供給される電圧VUSBを電圧VCC5としてVCC5ラインを介して充電回路20のVBUS端子に供給しうる。充電回路20は、第1パワーパスモードで動作し、VBUS端子とSW端子とを電気的に接続し、VCC5ラインを介して供給される電圧VCC5を使ってVCCラインに電圧VCCを供給しうる。電圧VCCの供給を受けた変圧回路30は、電圧VCC33_0を生成し、ロードスイッチ40は、その電圧VCC33_0を受けて電圧VCC33を出力しうる。これにより、制御部130および計測回路100に電圧VCC33が供給され、これらは動作を再開しうる。
タイミングS4以降は、計測回路100は、VBAT端子に供給される電源BTの電位を検出しうる。制御部130は、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを永久故障モードへ移行させるべき故障が電源BTに発生しているかを判断しうる。制御部130は、該故障が電源BTに発生していると判断すると、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを永久故障モードへ移行させうる。一方、制御部130は、該故障が電源BTに発生していない判断すると、以下で説明する動作を行いうる。
タイミングS5では、制御部130は、PB3端子からローレベルを出力し、充電回路20の/CE端子にローレベル(イネーブルレベル)を供給させうる。これにより、充電回路20は、BAT端子から電源BTに対して充電電圧(第1電圧)を供給する動作を開始しうる。このときの電源BTの充電電流は、所定電流値より小さい第1電流値(図28では、540mA)でありうる。充電によって電源BTの正極の電位が上昇し始める。また、充電回路20は、SYS端子からVCCラインに電圧VCCを供給し、変圧回路30は、VCC33_0ラインに電圧VCC33_0を供給しうる。ロードスイッチ40は、電圧VCC33_0を受けて、これをVCC33(第2電圧)としてVCC33ラインを通して制御部130および計測回路100に供給しうる。ここで、充電回路20、変圧回路30およびロードスイッチ40は、1つの電圧供給回路を構成するものとして理解されうる。該電圧供給回路は、外部機器からUSBケーブルと通して供給される電圧を使って、電源BTを充電するための第1電圧を第1導電路PT1と第2導電路PT2との間に供給するとともに、制御部130を動作させる第2電圧を生成しうる。このような構成によれば、電圧供給回路は、外部機器からUSBケーブルを通して供給される電圧を使って、動作を停止した制御部130の再起動と、過放電状態に至った電源BTの回復とをなしうる。換言すれば、電圧供給回路は、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを正常な状態に戻しうる。
タイミングS6では、電源BTの正極の電位の上昇によってスイッチ回路80がオンし、制御部130のPC2端子には、電源BTの正極の電位を所定の分圧比で分圧した電位ADC_B+が供給されうる。制御部130は、該分圧比に基づいてPC2端子の電位を電源BTの正極の電位に換算しうる。
この例では、タイミングS5の後、電源BTの正極の電位があるレベルを超えた時点で、計測回路100によって検出される電位が急激に上昇しうる。そのタイミングは、図28の例では、タイミングS6と一致しているが、これは一例に過ぎない。
この段階で制御部130および計測回路100によって電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)として検出される値は、スイッチ部SWPの第1トランジスタSDがオフ状態であるので、後述のように、第1トランジスタSDに並列接続された第1整流素子であるボディダイオードBDDの順方向電圧VFを電源BTの出力電圧に加算したものとなりうる。
制御部130は、計測回路100から取得される電源BTの出力電圧が上記第1レベルより大きい第2レベルを超えたかどうかを判断し、該出力電圧が該第2レベルを超えた場合には、充電回路20による電源BTの充電電流を上記所定電流値より大きい第2電流値(図28では、2640mA)に増加させうる。
また、制御部130は、PC2端子に供給される電位に基づいて換算あるいは検出される電源BTの正極の電位が上記第2レベルを超えたかどうかを判断し、該正極の電位が該第2レベルを超えた場合には、充電回路20による電源BTの充電電流を上記第2電流値(一例として、2640mA)に増加させうる。ここで、上記第2レベルと上記第1レベルとの差分は、ボディダイオードBDDの順方向電圧VFより大きい値とされる。これらの構成によれば、制御部130が検出する電源BTの正極の見かけ上の電位に含まれるボディダイオードBDDの順方向電圧VFを考慮して、電源BTの過放電状態が解消したか否かを高精度に判断できる。これにより、過放電状態が解消した電源BTの充電速度を向上できるだけでなく、過放電状態が解消していない電源BTに対する高レートの充電を抑制できる。
なお、制御部130による上記の判断は、図28におけるタイミングS6とタイミングS7の間で肯定的になりうる。つまり、上記の判断が肯定的になると、図28の例示とは異なりタイミングS7を待たずに、タイミングS8が訪れうる。
電源BTの電位が更に上昇し、保護回路90によって検出される電源BTの電位として検出される電位が上記第1レベルより高い第3レベルを上回ったタイミングS7において、保護回路90は、第1トランジスタSDを閉じる。これにより、制御部130および計測回路100によって電源BTの電位として検出される電位は、電源BTの正極の電位に一致することになる。つまり、第1トランジスタSDが閉じられることによって、保護回路90によって検出される電位は、第1整流素子であるボディダイオードBDDの順方向電圧VF分だけ低下する。
その後、制御部130は、計測回路100から取得される電源BTの出力電圧が上記第2レベルより小さい第4レベルを超えたかどうかを判断し、該正極の電位が該第4レベルを超えた場合には、充電回路20による電源BTの充電電流を上記第2電流値(図28では、2640mA)に増加させうる。また、制御部130は、PC2端子に供給される電位に基づいて換算あるいは検出される電源BTの正極の電位が上記第1レベルより大きい上記第3レベルを超えたかどうかを判断し、該正極の電位が該第3レベルを超えた場合には、充電回路20による電源BTの充電電流を上記第2電流値(図28では、2640mA)に増加させうる。
つまり、保護回路90は、電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が第1レベルを下回ったことに応じて、電源BTの放電が遮断されるように第1トランジスタ(スイッチ)SDを開くように動作しうる。また、制御部130は、PC2端子に供給される電位に基づいて検出される電源BTの正極の電位が、電源BTの充電によって該第1レベルより大きい第2レベルを上回ったことに応じて、電源BTの充電電流を増加させるように動作しうる。
図29には、保護回路90、スイッチ部SWP、計測回路100、制御部130およびスイッチ回路80が第1導電路PT1および第2導電路PT2とともに示されている。スイッチ回路80は、例えば、PMOSトランジスタSBVCと、npn型バイポーラトランジスタSBENと、2つの抵抗器(10kΩ、470Ω)とを含みうるが、この構成に限定されるものではない。スイッチ回路80は、例えば、制御部130のPB4端子から出力されるADCB+_EN信号がアクティブレベルであるときにオンする単一のトランジスタで構成されてもよい。
図29に示された例では、電源BTが正常状態である場合、ADCB+_EN信号がアクティブレベル(ここでは、ハイレベル)にされると、PMOSトランジスタSBVCがオンする。より詳述すると、アクティブレベル(ここでは、ハイレベル)へ遷移したADCB+_EN信号が、npn型バイポーラトランジスタSBENのベース端子に供給されると、npn型バイポーラトランジスタSBENはオンする。PMOSトランジスタSBVCのゲート端子は、npn型バイポーラトランジスタSBENを介してグランドラインである第2導電路PT2へ接続されるため、PMOSトランジスタSBVCのゲート端子の電位は、おおよそ0Vとなる。PMOSトランジスタSBVCのソース端子には、第1導電路PT1を介して電源BTの正極の電位が供給されるため、PMOSトランジスタSBVCのソース・ゲート間電圧(絶対値)がPMOSトランジスタSBVCの閾値(絶対値)より大きくなり、PMOSトランジスタSBVCがオンする。PMOSトランジスタSBVCがオンすると、分圧用の抵抗器R11、R12によって分圧された電源BTの正極の電位が、制御部130のPC2端子へ入力される。制御部130のPC2端子へ入力される信号の大きさは電源BTの正極の電位に依存するため、制御部130は、PC2端子へ入力される信号にも基づき、電源BTの正極の電位を取得できる。なお、制御部130のVSS端子及び第2電源コネクタBC-は、共に第2導電路PT2へ接続される。つまり、制御部130のVSS端子と第2電源コネクタBC-は略同電位である。このため、制御部130が取得する電源BTの正極の電位は、電源BTの出力電圧に略等しい。
一方、電源BTが過放電状態あるいは深放電状態である場合、ADCB+_EN信号がアクティブレベルにされてもPMOSトランジスタSBVCがオンしない。ここで、スイッチ回路80の2つの抵抗器による分圧比によって、PMOSトランジスアSBVCがオンするときの電源BTの正極の電位の下限値が決定される。PMOSトランジスタSBVCがオンするためには、ソースの電位に対してゲートの電位がPMOSトランジスタSBVCの閾値分だけ低い必要があり、そのためには、電源BTの正極の電位は、該分圧比によって決まる値以上でなければならない。図29に示された例では、電源BTが過放電状態あるいは深放電状態において、電源BTからスイッチ回路80(PMOSトランジスタSBVC)および分圧用の抵抗器R11、R12を通して電流が流れることが防止される。これにより、電源BTが過放電状態あるいは深放電状態において、電源BTが更に放電することが防止される。
図29A、図28B、図29C、図29D、図29E、図29Fには、図29と同様の構成が示されている。図29A、図28B、図29C、図29D、図29E、図29Fは、それぞれ、図28に示されたタイミングS2、S3、S4、S5、S6、S7における状態が模式的に示されている。
図29Aに示されたタイミングS2では、電源BTが過放電状態に突入し、その正極の電位(第1電源コネクタBC+の電位)が過放電状態の電位(ここでは、2.5V)まで低下している。これによって、PMOSトランジスタSBVCのソース・ゲート間電圧(絶対値)がPMOSトランジスタSBVCの閾値(絶対値)より小さくなり、PMOSトランジスタSBVCがオフする。PMOSトランジスタSBVCがオフすると、電源BTからスイッチ回路80(PMOSトランジスタSBVC)および分圧用の抵抗器R11、R12を通して電流が流れることが防止されるため、制御部130のPC2端子には抵抗器R12を通じて第2導電路PT2の電位が入力される。これにより、制御部130は、電源BTの正極の電位として0Vを取得する。保護回路90と計測回路100のそれぞれのVBAT端子は、第1導電路PT1へ直接接続される。このため、保護回路90及び計測回路100は、タイミングS2では電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)として0Vより大きい値を取得しうる。
図29Bに示されたタイミングS3では、電源BTの放電が更に進み、電源BTの正極の電位が第1閾値を下回ることによって、保護回路90は、電源BTを保護するために、第1トランジスタ(スイッチ)SDをオフさせる。これにより、電源BTの正極から第1電源コネクタBC+、第1導電路PT1、第2導電路PT2、第2電源コネクタBC-を通って電源BTの負極に至る経路が遮断される。そのため、電源BTから第1導電路PT1および第2導電路PT2を介して電力あるいは電圧が供給される充電回路20、更に充電回路20を介して電力あるいは電圧の供給を受ける変圧回路30、ロードスイッチ40に対する電力あるいは電圧の供給が絶たれる。よって、計測回路100および制御部130に対する電圧VCC33の供給が停止し、計測回路100および制御部130が動作を停止する。つまり、計測回路100および制御部130は、電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)を取得できなくなる。一方、保護回路90は、第1トランジスタ(スイッチ)SDの状態とは無関係に、上述した閉回路によって電源BTから直接に電力あるいは電圧の供給を受けるので、動作を継続することができる。この際、計測回路100および制御部130の動作は停止しているので、電源BTの放電の進行を抑制できる。
図29Cに示されたタイミングS4では、電源BTの充電のために、ユーザによってUSBケーブルがUSBコネクタUSBCに接続される。これに応じて、USBケーブルを通して供給された電圧は、過電圧保護回路110、VUSBライン、ロードスイッチ10およびVCC5ラインを介して充電回路20に供給され、充電回路20は、デフォルトで設定される第1パワーパスモードで動作してVCCラインに電圧VCCを供給する。これに応じて、計測回路100および制御部130に対する電圧VCC33の供給が再開あるいは開始される。よって、計測回路100および制御部130は、動作を再開あるいは開始する。
図29Dに示されたタイミングS5では、制御部130は、PB3端子からローレベルを出力し、充電回路20の/CE端子にローレベル(イネーブルレベル)を供給させる。これにより、充電回路20は、BAT端子から電源BTに対して充電電圧を供給する動作を開始し、電源BTの正極の電位が上昇し始める。このときの電源BTの充電電流は、所定電流値より小さい第1電流値(図28では、540mA)でありうる。これは、電源BTが過放電状態あるいは深放電状態に至った状態で通常充電時のような電流値で充電をすると、電源BTが回復不能な状態になる可能性があるからである。
タイミングS5~S7の期間では、第1トランジスタSDがオフしているが、第1トランジスタSDに並列に接続されたボディダイオードBDDの順方向と電源BTを充電する充電電流が流れる方向とが一致するので、電源BTを充電することができる。ただし、グランドノードGN(USBコネクタUSBCのグランド端子と同一のノード)を基準とすると、電源BTの負極が接続された第2電源コネクタBC-の電位は、その間の経路における電圧降下分だけ高い。図29Dの例では、電源BTの負極が接続された第2電源コネクタBC-の電位は、ボディダイオードBDDの順方向電圧VFおよび抵抗器R1、R2による電圧降下分だけグランドノードGNの電位より高い。保護回路90へ接続される抵抗器R2と計測回路100へ接続される抵抗器R1の電気抵抗値は極めて小さいため、抵抗器R1、R2による電圧降下は無視できる程度である。従って、電源BTが正常状態にある場合、第2電源コネクタBC-の電位は、グランドノードGNの電位と略等しい。しかし、ボディダイオードBDDの順方向電圧VFは、一般的に数100mV程度はあるため、無視できる程度ではない。
電源BTの正極の電位が過放電域に突入する前の電位まで上昇したタイミングS6では、スイッチ回路80がオンし、制御部130のPC2端子には、電源BTの正極の電位を所定の分圧比で分圧した電位ADC_B+が供給される。制御部130は、該分圧比に基づいてPC2端子の電位を電源BTの正極の電位に換算することができる。この分圧比は、抵抗器R11、R12の抵抗値によって定まる。
その後、図29Fに示されるタイミングS7では、保護回路90は、第1トランジスタSDを閉じる。これにより、第1トランジスタSDを通る経路が形成され、かつ第1トランジスタSDのオン抵抗は無視可能であるので、制御部130および計測回路100によって電源BTの電位として検出される電位は、電源BTの正極の電位に一致することになる。つまり、第1トランジスタSDを閉じられることによって、保護回路90によって検出される電位は、ボディダイオードBDDの順方向電圧VF分だけ低下する。保護回路90は、VBAT端子とVSS端子の電位差を、電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)として取得する。つまり、保護回路90が取得する電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)には、ボディダイオードBDDの順方向電圧VFの影響を受けない。このことから、保護回路90が取得する電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)は、その真値に略等しい。図29Bに示されるタイミングS3で第1トランジスタ(スイッチ)SDはオフになり、且つ、図29Fに示されるタイミングS7で第1トランジスタ(スイッチ)SDはオンになる。図28などからも明らかなように、第1トランジスタ(スイッチ)SDをオフするときの電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)は、第1トランジスタ(スイッチ)SDをオンするときの電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)と異なりうる。より具体的には、第1トランジスタ(スイッチ)SDをオフするときの電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)は、第1トランジスタ(スイッチ)SDをオンするときの電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)より低い。これは、第1トランジスタ(スイッチ)SDをオンした直後に第1トランジスタ(スイッチ)SDをオフするような事態を抑制するためのヒステリシスとして機能しうる。
図30、図31には、保護回路90、制御部130、充電回路20および計測回路100の動作例が時系列で示されている。また、図32には、充電完了による割り込みを受けたときの制御部130の動作例が示されている。まず、電源BTからの放電によって電源BTの正極の電位が低下を続け、ステップP11において、保護回路90は、電源BTの正極の電位が第1レベルを下回ったことを検出する。これに応答して、ステップP12において、保護回路90は、第1トランジスタ(スイッチ)SDをオフさせる(図28におけるタイミングS3及び図29B)。これによって、制御部130および計測回路100に対する電圧VCC33の供給が絶たれる。そのため、制御部130は、ステップM11で動作を停止し、計測回路100は、ステップK11で動作を停止する。ステップP12、ステップM11及びステップK11は、略同時に起きうる。
その後、外部機器に接続されたUSBケーブルがUSBコネクタUSBCに接続される(図28におけるタイミングS4及び図29C)。これにより充電回路20のVBUS端子に外部機器から電力が供給されうる。充電回路20は、第1パワーパスモードで動作し、VBUS端子とSW端子とを電気的に接続し、VCC5ラインを介して供給される電圧VCC5を使ってVCCラインに電圧VCCを供給する(ステップC11)。電圧VCCの供給を受けた変圧回路30は、電圧VCC33_0を生成し、ロードスイッチ40は、その電圧VCC33_0を受けて電圧VCC33を出力する。これにより、制御部130および計測回路100に電圧VCC33が供給される。
ステップM12において、制御部130が起動(再起動)され、並行して、ステップK12において、計測回路100も起動(再起動)される。ステップM13において、制御部130は、計測回路100に対して、I2Cインターフェースを介して、電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)の提供を要求する。ステップK13において、計測回路100は、制御部130に対して、I2Cインターフェースを介して、電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)を提供する。ステップM14では、制御部130は、計測回路100から、I2Cインターフェースを介して、電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)を受信する。
ステップM15では、制御部130は、ADCB+_EN信号をアクティブレベルに遷移し、ステップM16では、制御部130は、PC2端子に供給される電位(ADCB+信号ともいう)に基づいて、電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)を取得する。
ステップM17では、制御部130は、ステップM16で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が第1所定閾値(例えば、0.1V)以下またはステップM14で計測回路100から取得した電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)が第2所定閾値(例えば、1.5V)以下であるかどうかを判断する。
そして、ステップM16で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が該第1所定閾値以下である場合、または、ステップM14で計測回路100から取得した電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)が第2所定閾値以下である場合は、ステップM21において、I2Cインターフェースを介して、所定電流値より小さい第1電流値で電源BTの充電を行うように充電回路20に対して指令を送る(図28におけるタイミングS5及び図29D)。一方、ステップM16で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が該第1所定閾値以下でなく、かつ、ステップM14で計測回路100から取得した電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)が第2所定閾値以下でない場合、ステップM18において、I2Cインターフェースを介して、所定電流値より大きい第2電流値(正常な充電シーケンス)で電源BTの充電を行うように充電回路20に対して指令を送る。
正常な充電シーケンスは、一般的なCCCV充電であるため、その説明を省略する。なお、保護回路90によってトランジスタ(スイッチ)SDがオフされるほどに電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が低下した場合、PC2端子には、抵抗器R12を通じて第2導電路PT2の電位(すなわちグランド電位)が入力される。つまり、ステップM16で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)は、0.1V以下であるべきである。換言すれば、ステップM16で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が0.1Vを越える場合は、ノイズや極めて低温環境に置かれたなどで、電源BTが過放電状態又は深放電状態の状態にあると誤って判断されたと考えうる。
他の例を挙げると、ステップM17では、制御部130は、ステップM16で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が所定閾値(例えば、0.1V)以下であるかどうかを判断する。ステップM16で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が該所定閾値(例えば、0.1V)以下であれば、制御部130は、ステップM21において、I2Cインターフェースを介して、所定電流値より小さい第1電流値で電源BTの充電を行うように充電回路20に対して指令を送る(図28におけるタイミングS5及び図29D)。一方、ステップM16で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が該所定閾値(例えば、0.1V)以下でなければ、ステップM18において、I2Cインターフェースを介して、所定電流値より大きい第2電流値(正常な充電シーケンス)で電源BTの充電を行うように充電回路20に対して指令を送る。
更に他の例を挙げると、ステップM17では、制御部130は、ステップM14で計測回路100から取得した電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)が所定閾値(例えば、1.5V)以下であるかどうかを判断する。そして、ステップM14で取得した電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)が該所定閾値(例えば、1.5V)以下であれば、制御部130は、ステップM21において、I2Cインターフェースを介して、所定電流値より小さい第1電流値で電源BTの充電を行うように充電回路20に対して指令を送る(図28におけるタイミングS5及び図29D)。一方、ステップM14で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が該所定閾値(例えば、1.5V)以下でなければ、ステップM18において、I2Cインターフェースを介して、所定電流値より大きい第2電流値(正常な充電シーケンス)で電源BTの充電を行うように充電回路20に対して指令を送る。
ステップM22において、制御部130は、所定時間にわたって待機する。この所定時間の間に、後述するステップC12により電源BTの充電が進行する。ステップM23では、制御部130は、ADCB+_EN信号をアクティブレベルに遷移し、ステップM24では、制御部130は、PC2端子に供給される電位(ADCB+信号)に基づいて電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)を取得する。ステップM25では、制御部130は、ステップM24で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が第2レベル(例えば、3.35V)以上であるかどうかを判断する。そして、ステップM24で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が第2レベル(例えば、3.35V)以上であれば、制御部130は、ステップM26において、I2Cインターフェースを介して、所定電流値より大きい第2電流値(正常な充電シーケンス)で電源BTの充電を行うように充電回路20に対して指令を送る。
一方、ステップM24で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が第2レベル(例えば、3.35V)以上でなければ、制御部130は、ステップM27において、ステップM24で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が前回のステップM24で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)よりも、前述のボディダイオードSDDの順方向電圧VFだけ降下したかどうか、即ち第1トランジスタ(スイッチ)SDがオンしたかどうかを判断する。この判断は、前回のステップM24で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)から今回のステップM24で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)を減算した値が、ボディダイオードSDDの順方向電圧VF以上か否により実行できる。そして、第1トランジスタ(スイッチ)SDがオンしたと判断した場合には、制御部130は、ステップM28に処理を進める。一方、第1トランジスタ(スイッチ)SDがオンしていないと判断した場合には、制御部130は、ステップM23に処理を戻す。図31に例示した時系列では、ステップP21において保護回路90は、第1トランジスタSDを閉じる(図28におけるタイミングS7及び図29F)。
ステップM28では、制御部130は、計測回路100に対して、I2Cインターフェースを介して、電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)の提供を要求する。ステップK21において、計測回路100は、制御部130に対して、I2Cインターフェースを介して、電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)を提供する。ステップM29では、制御部130は、計測回路100から、I2Cインターフェースを介して、電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)を受信する。
ステップM30では、制御部130は、ステップM29で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が第4レベル(例えば、2.35V)以上であるかどうかを判断する。そして、ステップM29で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が該第4レベル以上であれば、制御部130は、ステップM31において、I2Cインターフェースを介して、所定電流値より大きい第2電流値(正常な充電シーケンス)で電源BTの充電を行うように充電回路20に対して指令を送る(図28におけるタイミングS8)。一方、ステップM29で取得した電源BTの正極の電位(電源BTの出力電圧)が該第4レベル以上でなければ、制御部130は、処理をステップS28に戻す。第4レベルは、第1トランジスタ(スイッチ)SDがオンした状態で使用される基準であるので、第2レベルより小さい値でありうる。また、第4レベルは、第1レベルより大きい値である。
充電回路20は、ステップC12で電源BTの充電を開始した後、ステップC13で電源BTの充電の完了を待ち、充電が完了したら、ステップC14において、制御部130に割り込み要求を送りうる。一方、制御部130は、割り込み要求を充電回路20から受けたら、図32に示される処理を図30、図31に示された処理とは別に実行しうる。
ステップM41において、制御部130は、I2Cインターフェースを介して、充電回路20から電源BTの充電に要した総充電時間を取得する。ステップM42において、制御部130は、充電回路20から割り込み要求を受ける直前の状態が第1電流値で電源BTを充電中であったかどうかを判断し、割り込み要求を受ける直前の状態が第1電流値で電源BTを充電中ではなかった場合には、図32の処理を終了する。一方、割り込み要求を受ける直前の状態が第1電流値で電源BTを充電中であった場合には、制御部130は、エラー処理を実行する。このエラー処理は、以下で説明するように、2種類の処理を含みうる。換言すると、制御部130は、割り込み要求を受ける直前の状態が充電電流を第1電流値から第2電流値に変更する前であるかどうかを判断し、割り込み要求を受ける直前の状態が充電電流を第1電流値から第で電流値に変更する前の状態である場合には、永久故障処理を実行する。一方、割り込み要求を受ける直前の状態が充電電流を第1電流値から第2電流値に変更した後の状態である場合には、制御部130は、充電エラー処理を実行する。
具体的には、ステップM43では、制御部130は、ステップM41において充電回路20から取得した総充電時間が基準時間より短いかどうかを判定し、該総充電時間が該基準時間より短い場合には、制御部130は、ステップSM44において、1つのエラー処理としての永久故障処理を実行する。制御部130は、例えば、永久故障処理として、エアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを使用不能な状態に遷移させる処理を実行しうる。これは、上述したエアロゾル発生装置AGDあるいは電源ユニットPSUを永久故障モードへ移行させることと同意でありうる。制御部130は、例えば、充電回路20に対して、I2Cインターフェースを介して、全てのパワーパスモードでの動作を禁止するコマンドを送ることによって、充電回路20のSYS端子およびSW端子からの電圧の出力を停止させうる。これにより、制御部130に対する電力の供給が絶たれ、制御部130は、動作不能な状態になる。このような動作は、深放電状態に至ったと判断される電源BTの充電および放電を禁止し、安全性を高めるように寄与する。
一方、ステップM41において充電回路20から取得した総充電時間が基準時間より短くない場合、ステップM45において、制御部130は、もう1つのエラー処理としての充電エラー処理を実行する。充電エラー処理は、電源BTの充電およびヒータHTへの電力の供給を禁止する処理を含みうる。充電エラー処理は、報知部NUを使ってユーザに対してリセットあるいは再起動のための操作を促す処理を含みうる。制御部130は、制御部130がリセットあるいは再起動されると、スリープモードとなりうる。この場合、ユーザは、USBコネクタに対してUSBケーブルを再接続することによって、電源BTを再び充電することができる。また、電源BTが正常な状態であれば、ヒータHTに対する電力の供給も可能である。
以上のように、制御部130は、PC2端子に供給される電位に基づいて検出される電源BTの正極の電位が第2閾値を上回る前に充電回路20(電圧供給回路)が充電を終了した場合に、エラー処理を実行するように構成されうる。制御部130は、充電回路20が電源BTの充電に要した時間が基準時間より短い場合には、エラー処理として、電源BTの充電およびヒータHTへの電力の供給を禁止することができ、この場合は、電源BTの充電およびヒータHTへの電力の供給が禁止された状態は、解除不能とされうる。制御部130は、充電回路20が電源BTの充電に要した時間が基準時間より短くない場合には、エラー処理として、電源BTの充電およびヒータHTへの電力の供給を禁止することができ、この場合は、電源BTの充電およびヒータHTへの電力の供給が禁止された状態は、制御部130の再起動やリセットなどによって解除されうる。
図28、図29、図29A~図29F、図30~図32を参照して説明された実施形態は、以下のような側面も有する。
制御部130は、電源BTの状態に相関を有する情報を受ける第1端子としてのPC2端子を有し、PC2端子に供給される情報に応じた第1指標を取得しうる。第1情報は、電源BTの状態を示す指標である。
計測回路100は、電源BTの状態に相関を有する情報を受ける第2端子としてVBAT端子を有し、VBAT端子に供給される情報に応じた第2指標を生成して制御部130に提供しうる。制御部130に対する第2指標の提供は、I2Cインターフェースを使って行われうる。
制御部130は、第1指標および第2指標に応じて電源BTの充電動作を制御しうる。例えば、図31におけるステップM23、M24、M25、M26は、制御部130のPC2端子に供給される情報に応じた第1指標に基づいて電源BTの充電動作を制御するシーケンスの一例である。また、図31におけるM28、M29、M30、M31は、計測回路100が生成し制御部130に提供される第2指標に基づいて電源BTの充電動作を制御するシーケンスの一例である。正常状態にない電源BTの状態を、1つの指標だけで判断することは困難を極める。このような構成によれば、制御部130は、第1指標と第2指標から電源BTの状態を取得するので、正常な状態にない電源BTに対しても適切な充電を行いうる。
充電回路20は、電源BTを所定電流値より小さい第1電流値で充電する第1モード、および、電源BTを該所定電流値より大きい第2電流値で充電する第2モードで動作可能な充電回路として理解されてもよい。
制御部130は、第1指標および第2指標の少なくとも1つが、電源BTが過放電状態であることを示している場合に、電源BTが第1モードで充電されるように充電回路20による電源BTの充電動作を制御しうる(ステップC12)。電源BTが過放電状態であるか否かを高精度に区別することは容易ではない。このような構成によれば、第1指標と第2指標のうち一方が電源BTの過放電状態を検出できなくても、他方が過放電状態を検出できれば、電源BTは第1充電モードで充電される。つまり、過放電状態にある虞のある電源BTに対して高レートによる充電が行われなくなるため、高レートの充電によって過放電状態にある電源BTが故障しなくなる。
あるいは、制御部130は、第1指標および第2指標の少なくとも1つが、電源BTの過放電状態が解消されたことを示している場合に、電源BTが第2モードで充電されるように充電回路20による電源BTの充電動作を制御しうる(ステップM26、M31)。電源BTの充電中は、制御部130が検出する電源BTの正極の電位や計測回路100が制御部130に対して提供する電源BTの出力電圧の情報(VBAT情報)に、ボディダイオードBDDの順方向電圧VFの影響が含まれる虞がある。順方向電圧VFは、温度や充電電流値によっても変動するため、1つの指標だけで電源BTの過放電状態が解消されたか否かを判断することは容易では無い。このような構成によれば、第1指標と第2指標のうち一方が電源BTの過放電状態の解消を検出できなくても、他方が該解消を検出できれば、電源BTは第2充電モードで充電される。つまり、電源BTの過放電状態の解消が見逃されにくくなるため、正常な状態となった電源BTの残容量を早期に回復できる。
あるいは、制御部130は、第1指標および第2指標の少なくとも1つが、電源BTが過放電状態であることを示している場合に、電源BTが第1モードで充電されるように充電回路20による電源BTの充電動作を制御し(ステップC21)、かつ、第1指標および第2指標の少なくとも1つが、電源BTの過放電状態が解消されたことを示している場合に、電源BTが第2モードで充電されるように充電回路20による電源BTの充電動作を制御しうる(ステップM26、M31)。
上記第1指標と上記第2指標とは、上記の例では、電源BTの正極の電位、あるいは、電源BTの出力電圧であり、これは、同一の尺度で比較可能な指標である。また、上述した通り、上記の例では、電源BTの正極の電位は、電源BTの出力電圧に略等しい。
図31のM23~M31に例示されるように、制御部130は、第1トランジスタ(第1スイッチ)SDが開いた状態では、上記第1指標に基づいて充電動作を制御し、第1トランジスタ(第1スイッチ)SDが閉じた状態では、上記第2指標に基づいて充電動作を制御するように構成されうる。ここで、計測回路100のVBAT端子は、第1経路PT1(電源BTの正極)に直接に接続されうる。一方、制御部130のPC2端子は、PMOSトランジスタSBVC等のトランジスタ、および/または、抵抗器R11、R12で構成されるような分圧回路を介して第1経路PT1(電源BTの正極)に接続されうる。あるいは、他の観点において、制御部130のPC2端子は、アナログ回路を介して第1経路PT1(電源BTの正極)に接続されうる。よって、電源BTの正極の電位、あるいは、電源BTの出力電圧を検出あるいは計測する精度は、制御部130よりも計測回路100の方が高い。したがって、第1トランジスタ(第1スイッチ)SDが閉じられ、ボディダイオードBDDの順方向電圧VFの影響がなくなった状態(順方向電圧VFによる誤差要因がなくなった状態)では、制御部130は、計測回路100から提供される第2指標に基づいて充電動作を制御することが有利である。
報知部NUは、電源BTの残量に関する情報を報知することができ、制御部130は、電源BTの状態として、電源BTの残量(例えば、残容量、SOCなど)を示す第3指標を計測回路から取得し、該第3指標に応じた情報を報知部NUに報知させるように構成されうる。
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。