JP7103458B2 - タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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例えば、特許文献1には、所定の2種類のシリカを所定量含有することで、低燃費性を向上できるゴム組成物が開示されている。
本発明は、本発明者が見出した新たな前記課題を解決し、低燃費性及び耐摩耗性の経年劣化抑制性能に優れるタイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
スチレンブタジエンゴムのブタジエン部分とポリブタジエンとを併せて見たときに、ゴム組成物全体において、ブタジエンに基づく構成単位の含有量を100モル%として、ビニル量が53モル%以上であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
スチレンブタジエンゴムのブタジエン部分とポリブタジエンとを併せて見たときに、ゴム組成物全体において、ブタジエンに基づく構成単位の含有量を100モル%として、ビニル量が53モル%以上である。これにより、低燃費性の経年劣化抑制性能及び耐摩耗性の経年劣化抑制性能を改善できる。
上記タイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエン(BR)を主体とするゴム成分を含有し、スチレンブタジエンゴムのブタジエン部分とポリブタジエンとを併せて見たときに、ゴム組成物全体において、ブタジエンに基づく構成単位の含有量を100モル%として、ビニル量(以下においては、ゴム組成物のビニル量とも言う)が53モル%以上である。
ここで、ブタジエンに基づく構成単位として、シス-1,4結合単位、トランス-1,4結合単位、ビニル-1,2結合単位が存在する。そして、シス-1,4結合単位、トランス-1,4結合単位では主鎖中に二重結合が存在する一方、ビニル-1,2結合単位では主鎖中に二重結合が存在しない。
また、上記ゴム組成物のビニル量は、スチレンブタジエンゴム及びポリブタジエン由来のブタジエンに基づく構成単位の合計含有量を100モル%とした場合のビニル-1,2結合単位の含有量を意味し、後述するゴム組成物のトランス量は、スチレンブタジエンゴム及びポリブタジエン由来のブタジエンに基づく構成単位の合計含有量を100モル%とした場合のトランス-1,4結合単位の含有量を意味し、後述するゴム組成物のシス量は、スチレンブタジエンゴム及びポリブタジエン由来のブタジエンに基づく構成単位の合計含有量を100モル%とした場合のシス-1,4結合単位の含有量を意味する。
上記ゴム組成物のビニル量を53モル%以上とすることにより、ポリマー主鎖中の二重結合量が減少し、オゾンアタックによるポリマー分子鎖が切断される確率が減少し、低燃費性及び耐摩耗性の経年劣化を抑制することができる。
上記の通り、上記タイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンを主体とするゴム成分を含有し、上記ゴム組成物のビニル量を53モル%以上とすることにより、低燃費性の経年劣化抑制性能及び耐摩耗性の経年劣化抑制性能を改善できる。
また、ビニル量が高いため、シランカップリング剤と結合出来る部位がポリマー鎖中に豊富に存在することとなり、シリカ-カップリング剤-ポリマーの未反応率を抑えることができる。そのため、低燃費性及び耐摩耗性をより改善できる。
例えば、ビニル量の多いSBR、トランス量の多いBR、ビニル量の多いBR等を組み合わせればよい。
ビニル量が上記範囲内(多量)のSBRを用いることで、シランカップリング剤と結合出来る部位がポリマー鎖中に豊富に存在することとなり、シリカ-カップリング剤-ポリマーの未反応率を抑えることができる。そのため、低燃費性及び耐摩耗性をより改善できる。
変性SBRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、シンジオタクチック-1,2-ポリブタジエンを配合することで、ポリマー主鎖中の二重結合量が減少し、オゾンアタックによるポリマー分子鎖が切断される確率が減少し、低燃費性及び耐摩耗性の経年劣化をより好適に抑制することができる。従来から、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(例えば、宇部興産(株)性のVCR)も使用されているが、該BRの主鎖はシス-1,4結合である一方、シンジオタクチック-1,2-ポリブタジエン(BR2)では、主鎖がビニル-1,2結合である点で、低燃費性及び耐摩耗性の経年劣化をより好適に抑制することができる。
ここで、本明細書において、BRの融点は、JIS K7121に準拠して測定されるDSC曲線の融解ピーク温度である。
ここで、本明細書において、結晶化度は、結晶化度0%の1,2-ポリブタジエンの密度を0.889g/cm3、結晶化度100%の1,2-ポリブタジエンの密度を0.963g/cm3として、水中置換法により測定した密度から換算した値である。
また、シス量、ビニル量、トランス量は、13C-NMR測定によって測定できる。また、スチレン量は、1H-NMR測定によって測定できる。
なお、上記ゴム組成物のビニル量、上記ゴム組成物のトランス量、上記ゴム組成物のシス量は、13C-NMR測定によってゴム組成物を直接測定してもよく、原料ゴムについて測定したビニル量、トランス量、シス量から、配合量に応じた比例計算により、算出してもよい。
充填剤としては特に限定されないが、例えば、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、シリカ、カーボンブラックが好ましく、シリカがより好ましい。また、シリカとカーボンブラックを併用することも好ましい。
なお、本明細書において、カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217-2:2001に準拠して測定される値である。
なお、シリカのN2SAは、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。市販されているものとしては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果がより良好に得られる傾向がある点から、スルフィド系シランカップリング剤が好ましく、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどのジスルフィド結合を有するジスルフィド系シランカップリング剤がより好ましい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、有機過酸化物等が挙げられる。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤の併用がより好ましい。
樹脂としては、特に限定されないが、例えば、固体状のアルキルフェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
軟化剤としては特に限定されないが、オイル、液状ジエン系重合体などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3.0×103以上、より好ましくは4.0×103以上であり、好ましくは1.0×105以下、より好ましくは1.5×104以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤の併用がより好ましい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
SBR1:日本ゼオン(株)製のNipol NS616(スチレン量:21質量%、シス量:12モル%、トランス量:24モル%、ビニル量:64モル%)
SBR2:下記製造例1で作製した変性SBR(スチレン量:26質量%、シス量:13モル%、トランス量:15モル%、ビニル量:72モル%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
BR1:下記製造例2で作製した変性BR(シス量:36モル%、トランス量:52モル%、ビニル量:12モル%、Mw:55万)
BR2:JSR(株)製のRB840(シンジオタクチック-1,2-ポリブタジエン、融点:126℃、シス量:3モル%、トランス量:3モル%、ビニル量:94モル%、結晶化度:36%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のシーストI(N220、N2SA:114m2/g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウラトシルVN3(N2SA:175m2/g)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスNH-70S(アロマ系プロセスオイル)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
酸化亜鉛:三井金属工業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤1:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラックRD(ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン))
5%オイル硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄(5%オイル含有)
加硫促進剤CZ:住友化学(株)製のソクシノールCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:住友化学(株)製のソクシノールD(N,N’-ジフェニルグアニジン)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3-ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n-ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、メチルトリメトキシシランを変性剤として加えて15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールを添加した。次いで、得られた変性スチレンブタジエンゴム100質量部に対してオイル分(ダイアナプロセスNH-70S)37.5質量部を添加し、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して変性スチレンブタジエンゴム(SBR2)を得た。
窒素雰囲気下、メスフラスコに3-ジメチルアミノプロピルトリメトキシシランを入れ、さらに無水ヘキサンを加えて、末端変性剤を作成した。
充分に窒素置換した耐圧容器にn-ヘキサン、ブタジエン、TMEDAを加え、60℃に昇温した。次に、ブチルリチウムを加えた後、50℃に昇温させ3時間撹拌した。次に、上記末端変性剤を追加し30分間撹拌を行った。反応溶液にメタノール及び2,6-tert-ブチル-p-クレゾールを添加後、反応溶液をメタノールが入ったステンレス容器に入れて凝集体を回収した。得られた凝集体を24時間減圧乾燥させ、変性ブタジエンゴム(BR1)を得た。
表1に示す配合処方(油展ゴムの配合量はゴム固形分の配合量を示す)にしたがい、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を150℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で4分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。更に、得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃の条件下で10分間プレス加硫して試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を得た。
上記加硫ゴム組成物からなるゴムスラブシート(2mm×130mm×130mm)から測定用試験片を切り出し、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、測定用試験片のtanδを測定し、参考例2の加硫ゴム組成物(新品)を100として、下記計算式により、各加硫ゴム組成物の測定結果を指数表示した。指数が大きいほど、低燃費性に優れることを示す。
(低燃費性指数)=(参考例2の加硫ゴム組成物(新品)のtanδ)/(各加硫ゴム組成物のtanδ)×100
更に、新品、経年劣化後の各加硫ゴム組成物の評価結果に基づいて、低燃費性維持率を算出した。低燃費性維持率が大きいほど、低燃費性の経年劣化抑制性能に優れることを示す。ここで、低燃費性維持率が80以上の場合に、良好な低燃費性の経年劣化抑制性能を有していると判断した。
各試験用タイヤ(新品)、試験用タイヤ(経年劣化後)を国産FF車に装着し、走行距離8000km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、基準比較例を100とした時の指数で表示した(耐摩耗性指数)。指数が大きいほど、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離が長く、耐摩耗性に優れることを示す。
更に、新品、経年劣化後の各試験用タイヤの評価結果に基づいて、耐摩耗性維持率を算出した。耐摩耗性維持率が大きいほど、耐摩耗性の経年劣化抑制性能に優れることを示す。ここで、耐摩耗性維持率が80以上の場合に、良好な耐摩耗性の経年劣化抑制性能を有していると判断した。
Claims (6)
- スチレンブタジエンゴム及びポリブタジエンの合計含有量が90質量%以上であるゴム成分と、充填剤と、加硫剤とを含むゴム組成物であって、
スチレンブタジエンゴムのブタジエン部分とポリブタジエンとを併せて見たときに、ゴム組成物全体において、ブタジエンに基づく構成単位の含有量を100モル%として、ビニル量が75~90モル%であり、
ゴム成分100質量部に対して、シリカを40質量部以上含有するタイヤ用ゴム組成物。 - スチレンブタジエンゴムのブタジエン部分とポリブタジエンとを併せて見たときに、ゴム組成物全体において、ブタジエンに基づく構成単位の含有量を100モル%として、シス量が3~20モル%である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- ゴム成分100質量部に対して、シリカを80質量部以上含有する請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- スチレンブタジエンゴム及びポリブタジエンを含有する請求項1~3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- シンジオタクチック-1,2-ポリブタジエンを含有する請求項1~4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1~5のいずれかに記載のゴム組成物を用いたトレッドを有するタイヤ。
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