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JP7102211B2 - 有機el素子、それを有する表示装置、照明装置、移動体 - Google Patents

有機el素子、それを有する表示装置、照明装置、移動体 Download PDF

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Description

本発明は、発光バランスに優れた白色を発光できる有機EL素子、それを有する表示装置、照明装置、移動体に関する。
近年、有機EL素子を用いたフルカラー発光アレイの研究開発が精力的に進められている。フルカラー発光アレイを作製する場合、発光層を画素(素子)ごとに塗り分ける方式と、発光層は白色発光で、赤、緑、青のカラーフィルタを画素ごとに塗り分ける白色有機EL素子を用いた方式がある。白色有機EL素子に関しては、カラーフィルタに対応した赤、緑、青の3色の発光材料を用いることが知られている。
特許文献1には、3層の発光層を隣接して積層し、当該3層の発光層のホスト材料を同じにして素子の駆動電圧の低下を図り、赤色発光層には第二ホスト材料を導入することで、赤色発光材料に励起エネルギーを移行させることを図った白色有機EL素子が開示されている。
特許文献2には、赤色発光材料と緑色発光材料を1つの発光層に含有した2色発光層、青色単色を発光する青色発光層、赤色単色を発光する赤色発光材料と緑色発光材料を1つの発光層に含有した2色発光層の順に3層の発光層を隣接して積層し、ホスト材料を同じにして駆動電流変化に対する発光色度の安定化を図った白色有機EL素子が開示されている。
特許文献3には、赤色発光材料と緑色発光材料を1つの発光層に含有した2色発光層と、青色単色を発光する青色発光層の2層の発光層を隣接して積層し、発光層のホスト材料を同じ材料にすることで素子の駆動電圧の低減を図った白色有機EL素子が開示されている。
特許文献4には、3層の発光層を積層し、赤色発光層と青色発光層の間に電荷障壁層を備え、赤、緑、青の発光バランスの向上を図った白色有機EL素子が開示されている。
特開2010-225382号公報 特開2008-270190号公報 特開2014-22205号公報 国際公開2010/134350パンフレット
しかしながら、特許文献1乃至4に記載の白色有機EL素子は、発光のバランスが優れず、白色発光色度の変化が大きい有機EL素子であった。
本発明は、発光のバランスに優れ、白色発光色度の変化が小さい有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に前記陽極から前記陰極の方向に積層されて配置されている、第一発光層、第二発光層、第三発光層を有し、前記第一発光層、前記第二発光層、前記第三発光層はそれぞれ、ホスト材料と、発光材料とを有する有機EL素子であって、前記第一発光層が前記第二発光層に接して配置され、前記第二発光層が前記第三発光層に接して配置されている、または、前記第一発光層が前記第三発光層に接して配置され、前記第二発光層が前記第三発光層に接して配置されている、または、前記第二発光層が前記第一発光層に接して配置され、前記第一発光層が前記第三発光層に接して配置され、前記第一発光層は、赤色と、緑色とを、発光する発光層であり、前記第二発光層は、青色を発光する発光層であり、前記第三発光層は、緑色を発光する発光層であり、前記第一発光層、前記第二発光層および前記第三発光層の発光により、白色発光することができることを特徴とする有機EL素子を提供する。
本発明によれば、特定の色を発光する第一乃至第三発光層を有するため、発光のバランスに優れ、白色発光色度の変化が小さい有機EL素子を提供できる。
(a)本発明に係る有機EL素子の一例を示す断面模式図である。(b)本発明に係る有機EL素子の他の例を示す断面模式図である。(c)本発明に係る有機EL素子の他の例を示す断面模式図である。 本実施形態に係る有機EL素子を構成する発光層周辺のエネルギー準位を模式的に表したエネルギーダイアグラムである。 実施例に係る白色有機EL素子の発光スペクトルである。 比較例に係る白色有機EL素子の発光スペクトルである。 本実施形態に係る有機EL素子を用いた表示装置の一例の概略断面図である。 本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。 本実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。 本実施形態に係る携帯機器の一例を表す模式図である。 (a)本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。(b)折り曲げ可能な表示装置の一例を表す模式図である。 本実施形態に係る照明装置の一例を示す模式図である。 本実施形他に係る自動車の一例を示す模式図である。
本発明に係る有機EL素子は、以下の構成を有するため、発光バランスに優れ、白色発光色度の変化が小さい有機EL素子である。
本明細書において、発光バランスが優れているとは、白色有機EL素子上に、赤、緑、青の各色カラーフィルタを形成した場合の白色(CIE色度座標0.31、0.33)500cd/m2表示時の赤、緑、青の各色必要電流について、最も電流値が低い色の必要電流が、最も電流値の高い色の必要電流の80%以上であることを意味する。
(1)第一発光層は赤色と緑色の2色発光層であり、第二発光層は青色発光層であり、第三発光層は緑色発光層であること
第一発光層4-1に発光材料である赤色ドーパント材料と、緑色ドーパント材料を含有し、第一発光層は赤色と緑色の2色発光層である。第一発光層4-1は赤色と緑色の2色を発光することができる。同一の発光層内に緑色ドーパントと、赤色ドーパントを有する場合、緑色よりも赤色が強く発光する傾向がある。つまり、緑色を発光する発光層が、赤色と緑色との双方を有する発光層のみでは、有機EL素子の全体の発光として、赤色と緑色との発光バランスを調整することが困難な場合がある。
そのため、本発明では緑色の輝度を向上させるために緑色発光層である第三発光層を有し、緑色の発光は第一発光層と第三発光層の2つの発光層から発せられる。緑色を発光する発光層を2つ有することで、有機EL素子の白色発光色度の変化が小さくすることができる。
図1は、本実施形態に係る有機EL素子の概略断面図である。図1(a)に示される有機EL素子は、基板1上に、陽極2、正孔輸送層3、第一発光層4-1、第二発光層4-2、第三発光層4-3、電子輸送層5、陰極6がこの順に積層されている。第一発光層4-1、第二発光層4-2、第三発光層4-3は、ホスト材料と発光材料をそれぞれ有する。第一発光層、第二発光層、第三発光層は積層順を問わない。
本明細書において、発光層とは、陽極と陰極との間に設けられた有機化合物層のうち発光機能を有する層をいう。また発光層に含まれるホスト材料は、発光層に含まれる材料のうち濃度が最も高い材料をいう。有機EL素子の駆動電圧を低下させるためには、ホスト材料の濃度が高い方が好ましく、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上である。
一方、ドーパント材料とは、発光層に含まれる材料のうち、濃度がホスト材料よりも低い材料である。なお、赤色ドーパント材料とは、赤色を発光する材料を指す。他の色のドーパントについても同様である。
本明細書において、光の成分のうち、発光極大波長が570nm乃至650nmの発光成分を赤色と定義し、その赤色を発光する発光材料を赤色ドーパント材料とする。発光極大波長が490nm乃至540nmの発光成分を緑色と定義し、その緑色を発光する発光材料を緑色ドーパント材料とする。また、発光極大波長が430nm乃至480nmの発光成分を青色と定義し、その青色を発光する発光材料を青色ドーパント材料とする。
第一発光層4-1は、赤色と緑色とを発光する発光層であり、発光材料として赤色ドーパント材料と緑色ドーパント材料の2つのドーパント材料を有する。図1(a)では、第一発光層4-1は、陽極2の側から1番目の発光層であるが、図1(b)、図1(c)のように陽極2の側から2番目、3番目の発光層のいずれでもよい。すなわち3つの発光層のうちの少なくとも1つの発光層が赤色ドーパント材料と緑色ドーパント材料の2つのドーパント材料を含有する赤色と緑色の2色発光層である。
第二発光層4-2は、青色を発光する発光層であり、発光材料として、青色ドーパントを有する。
第三発光層4-3は、緑色を発光する発光層であり、発光材料として、緑色ドーパントを有する。第二発光層および第三発光層は、他の色の発光材料を含有しないことが好ましい。特に第三発光層は、緑色の発光量を調整するための発光層であるので、緑色の発光量が低減されない構成であることが好ましい。具体的には、第三発光層の発光ドーパントは、緑色ドーパントのみであることが好ましい。また、第三発光層は、ホスト材料と緑色ドーパントのみからなる発光層であってよい。また、第三発光層の発光は、赤発光の波長を有さない発光であってよい。
上記の構成が好ましいが、第二発光層および第三発光層は、発光層の発光を阻害しない限り、他の材料を有してもよい。具体的には、第二発光層および第三発光層は、ホスト材料を複数種類有してもよいし、アシスト材料と呼ばれるエネルギー伝達を補助する材料を有してもよい。
さらに、図1の構成に、陽極2と正孔輸送層3との間に正孔注入層を、正孔輸送層3と発光層との間に電子ブロック層を備えていてもよい。
さらに、発光層と電子輸送層5との間に正孔ブロック層と、電子輸送層5と陰極6との間に電子注入層を備えていてもよい。これら正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子注入層は必要に応じて適宜用いられてよい。
本実施形態に係る有機EL素子は、以下の構成をさらに満たすことでより好ましい有機EL素子となる。
(2)第一発光層、第二発光層、第三発光層の3つの発光層が隣接して形成される
本実施形態に係る有機EL素子は、図1(a)、図1(b)、図1(c)に示すように、第一発光層4-1、第二発光層4-2、第三発光層4-3の3つの発光層が他の層を介することなく積層され、発光層間には電荷障壁層などの別の層が挿入されないことが好ましい。
すなわち、第一発光層が第二発光層に接して配置され、第二発光層が第三発光層に接して配置されている、または、第一発光層が第三発光層に接して配置され、第二発光層が第三発光層に接して配置されている、または、第二発光層が第一発光層に接して配置され、第一発光層が第三発光層に接して配置されていることが好ましい。
隣接して形成されることは、素子の駆動電圧を鑑みたものであり、他の層を介する際の電気抵抗を低減する効果と、発光層中の電荷(正孔、電子)が別の層の準位へ移動することによる電圧の上昇を低減する効果と、がある。
(3)3つの発光層のホスト材料がすべて同じ材料であること
本実施形態に係る有機EL素子は、第一発光層4-1、第二発光層4-2、第三発光層4-3の3つの発光層のホスト材料がすべて同じ材料であることが好ましい。この構成により、有機EL素子の駆動電圧を低減する効果がある。具体的には、同じホスト材料からなる発光層を隣接して形成することで発光層中の電荷(正孔、電子)が別のホスト材料の準位へ移動することによる電圧の上昇を低減できる。
また本実施形態に係る有機EL素子は、第一発光層に赤色ドーパント材料と、緑色ドーパント材料とを有するため、第一乃至第三発光層のホスト材料が同じであっても、赤色を効率よく発光することができる。青色ドーパント材料のエネルギー準位に合わせてホスト材料が選択される場合、赤色ドーパント材料のエネルギー準位と、ホスト材料のエネルギー準位との差が大きいため、エネルギー移動の効率が小さい場合がある。しかし、本実施形態に係る有機EL素子は、第一発光層に赤色ドーパント材料ともに緑色ドーパント材料を有するため、緑色ドーパントを介して赤色ドーパント材料に効率よくエネルギー移動を行うことができる。そのため、第一乃至第三発光層のホスト材料が同じであっても、赤色を効率よく発光することができる。
(4)第一発光層のホスト材料と赤色ドーパント材料と緑色ドーパント材料は、下記(i)、(ii)の関係を満たす
(i) LUMO(H1)<LUMO(RD)
(ii) LUMO(H1)<LUMO(GD)
(i)および(ii)において、LUMO(H1)、LUMO(RD)、LUMO(GD)は、第一発光層のホスト材料のLUMOエネルギーの絶対値、赤色ドーパント材料のLUMOエネルギーの絶対値、緑色ドーパント材料のLUMOエネルギーの絶対値を表す。
図2は本実施形態に係る有機EL素子の発光層エネルギー準位と発光層に隣接する層のエネルギー準位を模式的に表したエネルギーダイアグラムである。
図2は図1(a)に示したように陽極2の側から1番目に第一発光層4-1が配置されているが、上述したように陽極2の側から2番目、3番目に配置されていてもよい。
図2は、ホスト材料が第一乃至第三発光層において同じ材料であり、かつ第二発光層において当該ホスト材料と赤色ドーパント材料と緑色ドーパント材料が(i)、(ii)の関係を満たした一例である。なお、LUMO(H1)は、ホスト材料が第一乃至第三発光層において同じ材料であるため、LUMO(H)と表記している。
ここで示した関係を満たすと、赤色ドーパント材料と緑色ドーパント材料のLUMO準位は、ホスト材料よりも深くなる。そのことにより、ホスト材料から効率よく電子が赤色ドーパント材料と緑色ドーパント材料の両方に電子もしくは励起エネルギーの受け渡しをすることができる。そのことにより、2つの発光材料の両方を発光させることができる。
なお、HOMOエネルギーおよびLUMOエネルギーは真空準位を基準とし、通常の分子の場合、負の値を取る。本明細書においては、HOMOエネルギー、LUMOエネルギーを不等号を用いて各々比較する際には、絶対値の大小を用いる。また、絶対値の大きいものを「深い」、「低い」、と称することがあり、絶対値の小さいものを「浅い」、「高い」と称することがある。
本発明においては、HOMOエネルギーおよびLUMOエネルギーは、分子軌道計算より求めた数値を用いる。尚、分子軌道法計算の計算手法は、現在広く用いられている密度汎関数法(Density Functional Theory,DFT)を用いた。汎関数はB3LYP、既定関数は6-31Gを用いた。尚、分子軌道法計算は、現在広く用いられているGaussian09(Gaussian09, RevisionC.01, M.J.Frisch, G.W.Trucks, H.B.Schlegel, G.E.Scuseria, M.A.Robb, J.R.Cheeseman, G.Scalmani, V.Barone, B.Mennucci, G.A.Petersson, H.Nakatsuji, M.Caricato, X.Li, H.P.Hratchian, A.F.Izmaylov, J.Bloino, G.Zheng, J.L.Sonnenberg, M.Hada, M.Ehara, K.Toyota, R.Fukuda, J.Hasegawa, M.Ishida, T.Nakajima, Y.Honda, O.Kitao, H.Nakai, T.Vreven, J.A. Montgomery,Jr., J.E. Peralta, F.Ogliaro, M.Bearpark, J.J.Heyd, E.Brothers, K.N.Kudin, V.N.Staroverov, T.Keith, R.Kobayashi, J.Normand, K.Raghavachari, A.Rendell, J.C.Burant, S.S.Iyengar, J.Tomasi, M.Cossi, N.Rega, J.M.Millam, M.Klene, J.E. Knox, J.B.Cross, V.Bakken, C.Adamo, J.Jaramillo, R.Gomperts, R.E. Stratmann, O.Yazyev, A.J.Austin, R.Cammi, C.Pomelli, J.W.Ochterski, R.L.Martin, K.Morokuma, V.G.Zakrzewski, G.A.Voth, P.Salvador, J.J.Dannenberg, S.Dapprich, A.D.Daniels, O.Farkas, J.B.Foresman, J.V.Ortiz, J.Cioslowski, and D.J.Fox, Gaussian, Inc., Wallingford CT, 2010.)により実施した。
後述する実施例において、計算値の確からしさを確認するため、分子軌道計算より求めた計算値と、実測値との比較を行う。
(5)第一発光層における緑色ドーパント材料の濃度が0.1重量%以上10重量%未満であること
緑色ドーパント材料と、赤色ドーパント材料との双方を有する発光層においては、緑色よりも赤色が強く発光する傾向がある。このため、第一発光層における緑色ドーパント材料の濃度は、0.1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは1重量%以上である。緑色ドーパント材料が0.1重量%以上の場合、緑色の発光が発光バランスに寄与しやすいので好ましい。
一方、第一発光層における緑色ドーパント材料の濃度は、10重量%未満であることが好ましく、より好ましくは5重量%未満である。本実施形態においては、駆動電圧を低下させる観点からホスト材料の濃度が高い方が好ましいため、緑色ドーパント材料が10重量%未満とすることでホスト材料の濃度が高いので好ましい。
(6)陽極が光を反射する反射性の電極であり、陰極が光を透過する透過性の電極であり、陽極、第一発光層、第二発光層、第三発光層、陰極がこの順に配置されていること
本実施形態に係る有機EL素子は、陽極が反射性の電極であり、陰極が透過性の電極である場合、陽極、第一発光層、第二発光層、第三発光層、陰極の順に配置されていることが好ましい。ここで反射性とは素子の発光を50%以上反射する性質を示し、透過性とは素子の発光を50%以上透過する性質を示す。
赤色発光材料はバンドギャップが狭く、他の色の発光材料に比べて電子をトラップしやすいため、最も陽極に近い側に配置することで緑および青色発光層にも電子を供給しやすい。すなわち、第一発光層が陽極側に配置されることが好ましい。
また、緑色発光層と青色発光層の位置関係は、波長が短い青色発光層を反射性の電極から近い側に配置し、波長が長い緑色発光層を反射性の電極から遠い側に配置することが好ましい。そうすることで反射性の電極による反射光との干渉作用により、発光の光取り出し効率が上がり、低電圧で素子を発光させることができるため好ましい。すなわち、第二発光層が第三発光層よりも陽極側に配置されることが好ましい。
したがって、陽極が光を反射する反射性の電極であり、陰極が光を透過する透過性の電極であり、陽極、第一発光層、第二発光層、第三発光層、陰極がこの順に配置されていることで、有機EL素子の駆動電圧を低減することができる。
(7)第三発光層において、ホスト材料および緑色ドーパント材料が、下記(iii)の関係を満たすこと
(iii) LUMO(H3)<LUMO(GD)
(iii)において、LUMO(H3)、LUMO(GD)は、それぞれホスト材料のLUMOエネルギーの絶対値、緑色ドーパント材料のLUMOエネルギーの絶対値を表す。
図2は、ホスト材料が第一乃至第三発光層において同じ材料であり、かつ第三発光層において当該ホスト材料および緑色ドーパント材料が(iii)の関係を満たした一例である。なお、式中のLUMO(H3)は、ホスト材料が第一乃至第三発光層において同じ材料であるため、図2中ではLUMO(H)と表記している。
発光層が(iii)の関係を満たすとき、緑色ドーパント材料は電子をトラップすることになる。緑色発光層である第三発光層は、3つの発光層のうち最も陰極側に配置される場合、他の発光層よりも先に電子をトラップすることができ、緑色の発光輝度が高くなるため好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子は、第一発光層で赤色と緑色の2色を発光する。この場合、緑色よりも赤色が強く発光する傾向がある。このため、第三発光層の緑色の発光輝度を上げることが好ましい。
(8)第二発光層において、ホスト材料および青色ドーパント材料が下記(iv)、(v)の関係を満たすこと
(iv) LUMO(H2)<LUMO(BD)
(v) HOMO(H2)<HOMO(BD)
(iv)、(v)において、LUMO(H2)、LUMO(BD)は、それぞれホスト材料のLUMOエネルギーの絶対値、青色ドーパント材料のLUMOエネルギーの絶対値を表し、HOMO(H2)、HOMO(BD)は、それぞれホスト材料のHOMOエネルギーの絶対値、青色ドーパント材料のHOMOエネルギーの絶対値を表す。
図2は、ホスト材料が第一乃至第三発光層において同じ材料であり、かつ第二発光層において当該ホスト材料および青色ドーパント材料が(iv)、(v)の関係を満たした一例である。なお、式中のLUMO(H2)、HOMO(H2)は、ホスト材料が第一乃至第三発光層において同じ材料であるため、図2中ではLUMO(H)、HOMO(H)と表記している。
図2の第二発光層4-2において、ホスト材料と青色ドーパント材料は、(iv)および(v)の関係を満たしている。発光層が(iii)および(iv)の両方の関係を満たすとき、青色ドーパント材料は電荷のうち、正孔はトラップしないが、電子はトラップすることになる。そうすると、第二発光層中は、正孔はトラップされにくく、ホスト材料のHOMO準位を伝導するため、流れやすく、電子は青色ドーパント材料にトラップされるため流れにくい。第二発光層を第一乃至第三発光層の中央に配置する構成をとる場合、青色発光層である第二発光層から、緑色発光層である第三発光層へ正孔を供給しやすくなり、赤と緑色の2色発光層である第一発光層に電子を供給しにくくなる。
本実施形態に係る有機EL素子は、第三発光層が緑色を発する発光層であるため、第一発光層の緑色の輝度が低くなった場合であっても、有機EL素子の発光バランスを保つことができる。
(9)発光材料が、5員環を含む縮合環を有する発光ドーパント材料であること
本実施形態に係る有機EL素子は、発光ドーパント材料のLUMO準位がホスト材料のLUMO準位よりも深いことが好ましい。そのような材料としては、5員環を含む縮合環を有することが好ましく、例えば、電子求引性の構造であるフルオランテン化合物が挙げられる。これにより、ホスト材料とのLUMOエネルギーの差が大きくなり、電子トラップ性を向上させることができる。
本実施形態においては、発光ドーパント材料は、電子供与性の置換アミノ基を有さない方がより好ましい。置換アミノ基を有する場合、LUMOエネルギーが浅くなり、電子トラップ性が低下するからである。また、結合安定性の観点からも、窒素―炭素結合の一重結合となる置換アミノ基を有しない化合物であることが好ましい。
以上より、ドーパント材料が5員環を含む縮合環を有し、かつ、置換アミノ基を有しない化合物である場合、電子トラップ性の高い発光層を形成することができ、また発光層を形成する材料自体の安定性が高いため、優れた耐久特性示す有機EL素子を得ることができる。
ここで、上記5員環を含む縮合環を有する化合物ついて説明する。例示したフルオランテン化合物とは、フルオランテン骨格に縮環を有する縮合多環化合物を指す。5員環を含む縮合環を有する化合物は、例えば、下記FF1~30に示すような縮合多環化合物が挙げられる。
このうち、電子求引性を向上させ、電子トラップ性を向上させる観点から、フルオランテンが2つ以上縮合した構造を有するドーパント材料が好ましい。具体的には、FF7~13、FF16~20、FF23~FF30の骨格を有するドーパント材料を本発明において、好適に用いることができる。
Figure 0007102211000001
(10)ホスト材料が炭化水素のみからなること
本実施形態に係る有機EL素子は、ホスト材料が炭化水素のみで構成されていることが好ましい。炭化水素のみで構成されることで分子構造内に結合安定性の低い結合を有しない化合物となるからである。このようなホスト材料を有する場合、素子駆動時に化合物の駆動劣化が起こりにくく、有機EL素子の寿命が長いので好ましい。
分子構造内に結合安定性の低い結合とは、アミノ基のように、結合エネルギーが比較的小さく、不安定な結合を指す。
下記に示す化合物A-1、A-2及びB-1において、結合安定性の低い結合とは、カルバゾール環とフェニレン基をつなぐ結合及びアミノ基とフェニル基をつなぐ結合(窒素―炭素結合)である。化合物B-1のような炭素と炭素をつなぐ結合の方が結合安定性が高い。尚、計算手法は、b3-lyp/def2-SV(P)を用いて行った。
Figure 0007102211000002
上記結果より、本発明の有機EL素子のホスト材料は炭化水素のみからなる材料から構成されることが好ましい。
(11)ホスト材料は、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナンナンスレン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、フルオランテン、ベンゾフルオランテンから選ばれる構造を含むこと
ホスト材料は炭素原子数1~12のアルキル基を有してもよい芳香族炭化水素化合物であり、当該芳香族炭化水素化合物は、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、フェナンスレン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、フルオランテン、ベンゾフルオランテンから選ばれる構造を含むことが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子は、青色ドーパント材料を発光させることができるバンドギャップの広いホスト材料を用いるため、電荷再結合する際の励起子エネルギーは高く、かつ分子内の結合エネルギーが高い構造が好ましい。
ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、フェナンスレン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、フルオランテン、ベンゾフルオランテンは、ベンゼン環が直線状に縮合化する環が2つまでで構成されるので、分子内の結合エネルギーが高い。一方、アントラセン等のベンゼン環が直線状に3つ以上縮環した構造を含まないことが好ましい。
ベンゼン環が直線状に縮合化する環が2つまでの構造はアントラセン等のベンゼン環が直線状に3つ以上縮環した構造に比べ電荷再結合する際の励起子エネルギーによる結合乖離対して強い。
表1は、ピレン、フルオランテン、フェナンスレン及びアントラセンとフェニル基の結合部分の結合次数及び2面角の計算結果である。アントラセンは2面角が大きく、結合次数が低いことがわかる。つまり、ベンゼン環が直線状に3つ以上縮環した構造は、立体反発が大きく、それに伴い結合次数が低くなる。下記に示すように、アントラセン骨格の場合、アントラセンの1及び8の水素がフェニル基の11及び12の水素と反発する一方、ピレンの場合はピレンの10とフェニル基の11の水素が同様な反発をするが、2と12の水素の反発は小さい。また、下記に示す、アントラセンの2位に置換基を有し、9、10位に置換基を有さない場合は、アントラセンは中央ベンゼン環に電子密度の高い置換位置があるため、酸化されやすく、芳香族炭化水素の中では化学的安定性が低い。
したがって、ベンゼン環が直線状に縮合化する環が2つまでの構造はアントラセン等のベンゼン環が直線状に3つ以上縮環した構造に比べ、結合次数が高く、電荷再結合する際の励起子エネルギーによる結合乖離に対して強く結合エネルギーが高いと考えられる。
Figure 0007102211000003
Figure 0007102211000004
尚、分子構造は密度汎関数法(Density Functional Theory,DFT)を用いた。汎関数はB3LYP、既定関数は6-31Gを用いて計算し、2面角を求め、結合次数はNBO解析を行い、Wibergの結合次数を用いた。
以上により、ホスト材料はベンゼン、ナフタレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、フェナンスレン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、フルオランテン、ベンゾフルオランテンのようなベンゼン環が直線状に縮合化する環が2つまでの構造からなるホスト材料あることが好ましい。これらのホストを用いる場合、電荷再結合する際の励起子エネルギーによる結合乖離対して強いため、高耐久の素子が得られる。また、青、緑色の発光層である第二発光層、第三発光層では励起エネルギーが大きい分、より効果が大きい。ホスト材料の安定性が高いことは、ホスト材料を第一乃至第三発光層において共通とする場合に、さらに効果が高い。
尚、上記ホスト材料は置換基として炭素原子数1乃至12のアルキル基を有してもよく、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、neo-ペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
(12)第三発光層と陰極側で隣接する正孔ブロック層を有し、正孔ブロック層を構成する材料が炭化水素のみからなる
本実施形態に係る有機EL素子は、発光層と陰極との間に正孔ブロック層を有してよい。正孔ブロック層は発光層を通過しようとする正孔の移動をブロックする役割を果たすため、発光層と正孔ブロック層との界面には正孔が蓄積される。すなわち、過剰なラジカルカチオン発生に耐え得る分子構造であることが好ましく、正孔ブロック層は、化学的安定性の高い炭化水素のみからなる正孔ブロック層であることが好ましい。
一般に、窒素原子や酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有する化合物は、非共有電子対を有するため、電子の供与と受容、すなわち酸化還元に対して活性である。このため、電子の授受を通して生じる不対電子が不均化反応起こすなどの相互作用による材料劣化を招く可能性があるため、化学的安定性は低い。一方、炭化水素のみからなる化合物は非共有電子対を有しておらず、化学的安定性が高いため好ましい。
(13)第三発光層の厚さが1nm以上5nm未満であること
本実施形態に係る有機EL素子は、第三発光層の厚さが1nm以上5nm未満であることが好ましい。当該範囲とすることで、第三発光層からの緑色の発光が発光のバランスに寄与しやすいため好ましい。1nm以上である場合、第三発光層による緑色の発光輝度が発光バランスに寄与しやすいため好ましい。また、第三発光層の厚さが5nm未満である場合、緑色の発光輝度が他に比して高くなりすぎないので好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子は、第一発光層からの緑発光と第三発光層からの双方から緑色発光が得られるため、第三発光層は従来よりも薄い5nm未満が好ましい。
以下に本発明に用いられる発光層材料の具体例を示す。これらは、上述したエネルギー準位の関係を満たすのに好ましい材料である。ただし、これらの化合物はあくまで具体例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
EM1~31にホスト材料の具体例を示す。
Figure 0007102211000005
RD1~23に赤色ドーパント材料の具体例を示す。
Figure 0007102211000006
上記赤色ドーパント材料の濃度としては、0.1重量%以上、5重量%以下が好ましく、より好ましくは0.1%以上、0.5重量%以下である。当該範囲とすることで、赤色の発光が、有機EL素子の発光バランスに寄与するので好ましい。
GD1~32に緑色ドーパント材料の具体例を示す。
Figure 0007102211000007
上記緑色発光ドーパント材料は、赤色ドーパント材料と混合して第一発光層に用いられ、第三発光層にも含有される。第一発光層に用いる場合の濃度としては、0.1重量%以上10重量%以下が好ましく、より好ましくは1重量%以上、5重量%以下である。第三発光層に用いる場合の濃度としては、0.1重量%以上、5重量%以下が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上、1%以下である。当該範囲とすることで緑色発光が、有機EL素子の発光バランスに寄与するため好ましい。
BD1~31に青色発光ドーパント材料の具体例を示す。
Figure 0007102211000008
青色発光ドーパント材料は、電子供与性の高い置換アミノ基を有しないことが好ましく、電子求引性の高いシアノ基を有する化合物が好ましい。置換アミノ基を有さず、シアノ基を有することで、ドーパント材料のLUMOエネルギーを深くすることができる。
青色ドーパント材料の濃度としては、0.1重量%以上、5重量%以下が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上、1重量%以下である。当該範囲とすることで青色発光が有機EL素子の発光バランスに寄与しやすいため、好ましい。
(本実施形態に係る有機EL素子の他の構成)
(基板)
本実施形態に係る有機EL素子の基板は、Si基板、ガラス基板、樹脂基板であってよい。Si基板である場合には、当該Si自体にトランジスタを形成することでマイクロ表示装置とすることもできる。ガラス基板である場合は、TFTを設けて表示装置としてよい。樹脂基板は、フレキシブル基板ともいうことができる。フレキシブル基板の場合には、フォルダブル、ローラブル表示装置であってよい。発光装置の発光方向を阻害しない限り、透過不透過を問わない。
(電極)
本実施形態に係る有機EL素子は、陽極が反射電極、陰極が透過電極であってよい。また、陽極、陰極のいずれも透過電極であっても、陽極が透過電極、陰極が反射電極であってもよい。
本実施形態に係る有機EL素子の反射電極は、反射率が80%以上の金属材料が好ましい。具体的には、AlやAgなどの金属、それらにSi、Cu、Ni、Nd、Tiなどを添加した合金を使用できる。合金としては、AgMg、AlCu、TiN等を用いることができる。反射率は、発光層から発する発光波長における反射率を指す。また、反射電極は、光取出し側の表面にバリア層を有してもよい。バリア層の材料としては、Ti、W、Mo、Auの金属やその合金が好ましい。合金とは前述の合金を含んでよい。
本実施形態に係る有機EL素子の透過電極は、その表面に到達した光の一部を透過するとともに他の一部を反射する性質(すなわち半透過反射性)を持った半透過反射層であってよい。上部電極は例えばマグネシウムや銀などの単体金属、またはマグネシウムや銀を主成分とする合金、もしくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属を含んだ合金材料から形成される。
第二電極を合金とする場合には、例えば、マグネシウムと銀との合金が挙げられる。マグネシウムと銀との合金の場合は、1:1で合金としてもよいし、いずれかの原子%が多くてもよい。いずれかの原子%を大きくする場合には、原子%を大きくする原子は銀であってよい。銀の原子%を大きくした場合、透過率が高いので好ましい。また、いずれかの原子%を大きくする場合には、マグネシウムであってもよい。マグネシウムの原子%を大きくした場合、膜性が高く切断されにくいので好ましい。
透過電極は好ましい透過率を有するならば、積層構成でもよい。
本実施形態に係る有機EL素子の電極は、スパッタリング法、真空蒸着法等で形成することができる。
(有機化合物層)
本実施形態に係る有機EL素子は、発光層以外に、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層等を有してよい。いずれかの層を複数有してもよいし、いずれかの層を有さない構成であってもよい。有機化合物層の例として挙げられているが無機化合物で構成されてもよい。
また、電極と有機化合物層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける、電子輸送層もしくは正孔輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる二層から構成されるなど多様な層構成をとることができる。
本実施形態に係る有機化合物層は、複数の有機発光素子の共通層として形成されてよい。共通層とは、複数の有機発光素子にまたがって配置されていることであり、スピンコート等の塗布法や、蒸着法、を基板の全面に対して行うことで形成することができる。
以下にこれらの材料例を挙げる。正孔輸送層に用いる材料としては、陽極からの正孔の注入を容易にすることができる材料や、注入された正孔を発光層へ輸送できるように正孔移動度が高い材料が好ましい。正孔注入層、電子ブロック層にも同様の材料を用いることができる。
また有機EL素子において結晶化等の膜質の劣化を抑制するために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。正孔移動度が高い低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。
HT1~19に正孔輸送層3に用いられる材料の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0007102211000009
また、正孔注入層としては、ヘキサアザトリフェニレン化合物、テトラフルオロキノジメタン化合物、ジクロロジシアノベンゾキノン化合物等のLUMOが深い化合物を用いることが好ましい。具体的には、HT16乃至HT19の化合物を挙げられる。
電子ブロッキング層としてはカルバゾール基を含むHT7、HT8、HT9、HT10、HT11、HT12が好ましい。カルバゾール基を含むことでHOMOが深くなり、正孔輸送材料、正孔ブロッキング材料及び発光層の順に段階的にHOMOが深くなる準位を作ることができ、正孔を発光層へ低電圧で注入できる。
電子輸送層に用いる材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、正孔輸送性材料の正孔移動度とのバランス等を考慮して選択される。正孔ブロック層、電子注入層にも同様の材料を用いることができる。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送性材料は、正孔ブロック層にも好適に使用される。
ET1~23に電子輸送層5に用いられる材料の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0007102211000010
例示した電子輸送性材料のうち、正孔ブロッキング材料としては、結合安定性の観点から、炭化水素のみからなる化合物であることが好ましい。
電子輸送材料としてはET1、ET2、ET3、ET4、ET5、ET6、ET7またはET8のようなピリジル基、フェナントリル基を置換基に持つ材料が好ましい。アアルカリ金属化合物などの電子注入材料や電極材料と相互作用し、電子注入障壁を下げる効果があるためである。
本実施形態に係る有機EL素子の電子注入層としては、電子供与性のドーパントと電子輸送性の材料の混合物を用いてもよい。電子供与性のドーパントとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、希土類金属、及びこれらの化合物を用いることができる。電子注入層は、電子輸送性材料に、アルカリ金属化合物を0.1乃至25wt%含有させることにより形成される。より好ましくは、前記アルカリ金属化合物はセシウム化合物である。さらに、より好ましくは、前記セシウム化合物が炭酸セシウム及び炭酸セシウム由来の物質である。
本発明において電子注入層を形成する好適な手法は、炭酸セシウムと電子輸送性材料を共蒸着することである。良好な電子注入性を確保するためには、電子注入層の膜厚が10nm乃至100nmであることが好ましい。尚、共蒸着時に炭酸セシウムが分解するなどして、電子注入層内に炭酸セシウム由来の(Cs11)Cs10や(Cs11)Cs、Cs11などのサブオキサイドが形成される場合がある。またセシウムと有機化合物との間で配位化合物が形成される場合がある。
本実施形態に係る有機EL素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
(保護層)
本実施形態に係る有機EL素子の保護層は、化学気相堆積法(CVD法)を用いて形成されたシリコン窒化物(SiN)層やシリコン酸窒化物(SiON)層、原子層堆積法(ALD法)を用いて形成された酸化アルミニウム層、シリコン酸化物及びチタン酸化物などの外部からの酸素や水分の透過性が極めて低い材料から構成され、十分な水分遮断性能があれば単層または複数層であってもよい。複数層の場合は、それぞれ異なった材料を積層しても、同じ材料の密度を変えて積層させてもよい。保護層は、有機発光素子の発光が装置外へ取り出されやすいよう屈折率を考慮して構成されることが好ましい。保護層は、封止層ということもできる。その層厚は限定されないが、1.6μm以上3.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以上2.8μm以下であることがさらに好ましい。
(平坦化層)
本実施形態に係る有機EL素子の平坦化層は、保護層の凹凸を埋めるためのものであり、保護層上に配置することが好ましい。これによって、保護膜の凹凸の傾斜部による、散乱光を低減することができ、混色を抑制することができる。平坦化層は塗布によって形成された樹脂層などから構成される。
(カラーフィルタ)
本実施形態に係る有機EL素子のカラーフィルタは、平坦化層上にカラーレジストを塗布し、リソグラフィによってパターニングされる。カラーレジストは、例えば光硬化性樹脂で構成され、紫外線等が照射された部位が硬化することで、パターンを形成する。紫外線硬化のパターンはネガポジが逆であってもよい。
本実施形態において、カラーフィルタはRGBのカラーフィルタを有してよい。RGBのカラーフィルタはストライブ配列、スクエア配列、デルタ配列、ベイヤー配列のいずれの方式で配置されてよい。
(充填層)
本実施形態に係る有機EL素子の充填層は、カラーフィルタと対向基板との間に配置される。充填層は例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの有機材料により構成されている。また、カラーフィルタと充填層の間に平坦化層を形成してもよい。当該平坦化層は、カラーフィルタと保護層との間に配置された平坦化層と同じであっても、異なってもよい。二つの平坦化層を同じ材料で構成する場合は、表示領域外における平坦化層同士の密着性が高いので好ましい。
(対向基板)
本実施形態に係る有機発光素子の対向基板は、透明基板が好ましい。対向基板は例えば、透明ガラス基板や、透明プラスチック基板等により構成されてよい。
有機発光素子は、バインダー樹脂を有してよい。バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。しかしながら、これらに限定されるものではない。また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
(本実施形態に係る有機EL素子の用途)
本実施形態に係る有機EL素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルタを有する発光装置等の用途がある。カラーフィルタは例えば赤、緑、青の3つの色のいずれかが透過するフィルタが挙げられる。
本実施形態に係る表示装置は、複数の画素を有し、これら画素のうちの少なくとも一つは本実施形態の有機EL素子を有する。そしてこの画素は、本実施形態に係る有機EL素子と、能動素子を有する。能動素子はスイッチング素子又は増幅素子が挙げられ、具体的にはトランジスタが挙げられる。この有機EL素子の陽極又は陰極とトランジスタのドレイン電極又はソース電極とが電気接続されている。トランジスタはその活性領域に酸化物半導体を有していてもよい。酸化物半導体は、アモルファスでも結晶でもあるいは両者の混在でもよい。結晶は単結晶、微結晶、あるいはC軸等の特定軸が配向している結晶のいずれかあるいは少なくともいずれか2種の混合でもよい。
このようなスイッチング素子を有する有機EL装置は、それぞれの有機EL素子が画素として設けられる画像表示装置として用いられてもよく、あるいは照明装置として用いられてもよい。またレーザービームプリンタ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置の感光体を露光するための露光光源として用いられてもよい。
ここで表示装置は、PCやスマートフォン、デジタルカメラ、携帯ゲーム機等の画像表示装置として用いることができる。上記トランジスタとして、例えば、TFT素子が挙げられ、このTFT素子は、例えば、基板の絶縁性表面に設けられている。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよいが、静電容量方式であることが好ましい。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置が有する有機EL素子のうち、いずれかの有機EL素子が本発明の有機EL素子であればよい。
次に、図面を参照しながら本実施形態に係る表示装置につい説明する。図3は、有機EL素子とこの有機EL素子に接続されるTFT素子とを有する表示装置の例を示す断面模式図である。TFT素子は、能動素子の一例である。
図5の表示装置10は、ガラス等の基板11とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。また符号13は金属のゲート電極13である。符号14はゲート絶縁膜14であり、15は半導体層である。
TFT素子18は、半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とを有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機EL素子を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機EL素子に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図5に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT素子ソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。
図5の表示装置10では有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってもよい。陰極23の上には有機EL素子の劣化を抑制するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図5の表示装置1ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図5の表示装置10に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウェハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体が挙げられる。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図5の表示装置10に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
基板内にトランジスタを設けるかどうかについては、精細度によって選択される。例えば1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板内にトランジスタを設けることが好ましい。
図6は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッテリー1008、を有してよい。タッチパネル1003および表示パネル1005は、フレキシブルプリント回路FPC1002、1004が接続されている。回路基板1007には、トランジスタがプリントされている。バッテリー1008は、表示装置が携帯機器でなければ、設けなくてよいし、携帯機器であっても、この位置に設ける必要はない。
本実施形態に係る表示装置は、複数のレンズを有する光学部と、当該光学部を通過した光を受光する撮像素子とを有する撮像装置の表示部に用いられてよい。撮像装置は、撮像素子が取得した情報を表示する表示部を有してよい。また、表示部は、撮像装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。撮像装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってよい。
図7は、本実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。撮像装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、筐体1103、操作部1104を有してよい。ビューファインダ1101は、本実施形態に係る表示装置を有してよい。その場合、表示装置は、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示等を表示してよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性等であってよい。
撮像に好適なタイミングはわずかな時間なので、少しでも早く情報を表示した方がよい。したがって、本発明の有機EL素子を用いた表示装置を用いるのが好ましい。有機EL素子は応答速度が速いからである。有機EL素子を用いた表示装置は、表示速度が求められる、これらの装置、液晶表示装置よりも好適に用いることができる。
撮像装置1100は、不図示の光学部を有する。光学部は複数のレンズを有し、筐体1103内に収容されている撮像素子に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。
本実施形態に係る表示装置は、赤色、緑色、青色を有するカラーフィルタを有してよい。カラーフィルタは、当該赤色、緑色、青色がデルタ配列で配置されてよい。
本実施形態に係る表示装置は、携帯端末の表示部に用いられてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイ等が挙げられる。
図8は、本実施形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。筐体1203には、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部、を有してよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する電子機器は通信機器ということもできる。
図9は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。図9(a)は、テレビモニタやPCモニタ等の表示装置である。表示装置1300は、額縁1301を有し表示部1302を有する。表示部1302には、本実施形態に係る発光装置が用いられてよい。
額縁1301と、表示部1302を支える土台1303を有している。土台1303は、図9(a)の形態に限られない。額縁1301の下辺が土台を兼ねてもよい。
また、額縁1301および表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってよい。
図9(b)は本実施形態に係る表示装置の他の例を表す模式図である。図9(b)の表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第一表示部1311、第二表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第一表示部1311と第二表示部1312とは、本実施形態に係る発光装置を有してよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第一表示部1311、第二表示部1312は、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第一および第二表示部とで一つの画像を表示してもよい。
図10は、本実施形態に係る照明装置の一例を表す模式図である。照明装置1400は、筐体1401と、光源1402と、回路基板1403と、光学フィルム1404と、光拡散部1405と、を有してよい。光源は、本実施形態に係る有機EL素子を有してよい。光学フィルタは、光源の光出射側に配置され、光源の演色性を向上させるフィルタであってよい。光拡散部は、ライトアップ等、光源の光を効果的に拡散し、広い範囲に光を届けることができる。必要に応じて、最外部にカバーを設けてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。それらを調光する調光回路を有してよい。照明装置は本発明の有機EL素子とそれに接続される電源回路を有してよい。電源回路は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。また、白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。照明装置はカラーフィルタを有してもよい。
また、本実施形態に係る照明装置は、放熱部を有していてもよい。放熱部は装置内の熱を装置外へ放出するものであり、比熱の高い金属、液体シリコン等が挙げられる。
図11は、本実施形態に係る灯具の一例であるテールランプを有する自動車の模式図である。自動車1500は、テールランプ1501を有し、ブレーキ操作等を行った際に、テールランプを点灯する形態であってよい。
テールランプ1501は、本実施形態に係る有機EL素子を有してよい。テールランプは、有機EL素子を保護する保護部材を有してよい。保護部材はある程度高い強度を有し、透明であれば材料は問わないが、ポリカーボネート等で構成されることが好ましい。ポリカーボネートにフランジカルボン酸誘導体、アクリロニトリル誘導体等を混ぜてよい。
自動車1500は、車体1503、それに取り付けられている窓1502を有してよい。窓は、自動車の前後を確認するための窓でなければ、透明なディスプレイであってもよい。当該透明なディスプレイは、本実施形態に係る有機EL素子を有してよい。この場合、有機EL素子が有する電極等の構成材料は透明な部材で構成される。
本実施形態に係る自動車は、移動体の一例である。移動体は、ドローン、船舶等であってよい。ドローンまたは船舶は、機体とそれに設けられた灯具を有し、灯具は位置を知らせるための発光をしてよい。
(実施例1)
<HOMO・LUMOの評価>
下記に示す方法で、ホスト材料およびドーパント材料、中間層材料の評価を行った。結果を表2に示す。
A)HOMOの評価方法
アルミ基板上に膜厚30nmの薄膜を形成し、この薄膜について、AC-3(理研計器社製)を用いて測定した。
B)LUMOの評価方法
石英基板上に膜厚30nmの薄膜を形成し、この薄膜について、分光光度計(V-560 日本分光社製)を用い、被測定材料の光学バンドギャップ(吸収端)を求めた。その光学バンドギャップ値に前述のHOMO値の和をLUMOとした。結果を表2に示す。
表2において、分子軌道計算より求めた計算値を示す。実測値との比較から、HOMOおよびLUMOのエネルギーには相関性があることが分かる。よって本実施例においては、計算値から求めたHOMOおよびLUMOエネルギーの数値を用いて素子結果を考察する。
Figure 0007102211000011
(実施例2)
本実施例では、基板上に陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、第一発光層、第二発光層、第三発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、陰極が順次形成されたトップエミッション型構造の有機EL素子を作製した。
ガラス基板上に、スパッタリング法でAl(65nm)/Ti(6nm)成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、陽極を形成した。この時、陰極と対向する電極の面積が3mmとなるようにした。
続いて、真空蒸着装置(アルバック社製)に洗浄済みの電極までを形成した基板と材料を取り付け、1.0×10-4Pa(1×10-6Torr)まで排気した後、UV/オゾン洗浄を施した。その後、下記表3に示される層構成で各層の製膜を行った。
得られた白色有機EL素子は、本実施形態に係る好ましい構成(1)乃至(13)を満たしている。
Figure 0007102211000012
陰極を形成した後、基板をグローブボックスに移し、窒素雰囲気中で乾燥剤を入れたガラスキャップにより封止し、白色有機EL素子を得た。
得られた白色有機EL素子に電圧印加装置を接続し、その特性を評価した。電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光スペクトルの取得、色度の評価はトプコン製「SR-3」を用いて行った。発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。
1000cd/m表示時の効率、電圧、及びCIE色度座標はそれぞれ7.3cd/A、3.7V、(0.25、0.30)であり、高効率で素子の駆動電圧が低く、電圧の変動での白色発光色度の変化も小さい、良好な白色有機EL素子であった。図3に得られた白色のスペクトルを示す。
次に、この白色有機EL素子上に赤、緑、青の各色カラーフィルタを形成した場合のスペクトルと輝度を計算で求め、それら3色のEL素子を用いて白色(CIE色度座標0.31、0.33)500cd/m表示時の赤、緑、青の各色必要電流を算出した。
結果、赤は53mA/cm、緑は47mA/cm、青は54mA/cmとなり、赤、緑、青の各発光のバランスが良い白色有機EL素子を得ることができたと言える。
(実施例3~7)
発光層に用いる材料をいくつか変更させた以外は実施例2と同様の素子を作成し、同様に評価を行った。発光層に用いた材料については表4にまとめた。エネルギー準位に関しては実測でなく実施例1の表1にも示した計算値の結果を記しており、また本明細書中ではエネルギー準位の絶対値を不等号を用いて比較しているが、表4においては負の値のまま表記している。
評価の結果、実施例3~7の有機EL素子は、実施例2とほぼ素子特性に変化なく、素子の駆動電圧が低く、赤、緑、青の各発光のバランスが良い白色有機EL素子となった。
ここで得られた白色有機EL素子は、実施例2と同様に、本実施形態における好ましい構成である(1)乃至(13)を満たしているため、実施例2とほぼ同等の素子の駆動電圧が低く、赤、緑、青の各発光のバランスが良い白色有機EL素子となったと考えられる。
(比較例1)
第三発光層を有さない以外は実施例2と同じ素子を作製し、同様に評価を行った。発光層に用いた材料については表4にまとめた。比較例1は、特許文献3に開示されている構成の有機EL素子である。
1000cd/m表示時の効率、電圧、及びCIE色度座標はそれぞれ5.5cd/A、3.8V、(0.22、0.21)であり、実施例1と比べ青色の発光輝度が高いが、緑色の発光輝度が下がっている為に効率が低い白色有機EL素子であった。図4に得られた白色のスペクトルを示す。また、発光輝度を下げるために電圧を低下させていくと、赤色の発光の割合が高まり、白色発光色度の変化が見られた。
次に、実施例1と同様に赤、緑、青の各色カラーフィルタを形成した場合の白色(CIE色度座標0.31、0.33)500cd/m表示時の赤、緑、青の各色必要電流を算出した。
その結果、赤は54mA/cm、緑は73mA/cm、青は41mA/cmとなり、緑の輝度が低く、青の輝度が高い、バランスの良くない白色有機EL素子となった。第三発光層がないため、緑の発光は第一発光層からのものだけとなっており、発光とのバランスに改善の余地がある結果となった。
比較例1は、本実施形における第一乃至第三発光層のうち、第三発光層を有さないため、白色発光色度が変化する場合がある。比較例1は、正孔、電子の障壁がないため、素子の駆動電圧は低くなった。
Figure 0007102211000013
(実施例9)
第二発光層と第三発光層の積層順を入れ替えた以外は実施例2と同様の素子を作製し、同様に評価を行った。
その結果、実施例1と比べて、素子の駆動電圧は同等であり、緑色の発光輝度が10%程度低くなったが、赤、緑、青の各発光のバランスが良い白色有機EL素子となった。
青色発光層と緑色発光層の配置を変えたことにより、緑色の干渉作用が弱まり、緑発光の光取り出し効率がやや下がったと考えられる。
(実施例10)
第一発光層の緑色ドーパント材料GD10の濃度を5重量%とした以外は実施例2と同様の素子を作成し、同様に評価を行った。
その結果、1000cd/m表示時の素子の駆動電圧は4.0Vとなり、実施例1と比べて素子の駆動電圧がやや高くなったが、赤、緑、青の各発光のバランスが良い白色有機EL素子となった。
緑色ドーパント材料の濃度を高くしたため、ホスト材料の濃度が下がり、共通のホスト材料を用いる効果が低下し、素子の駆動電圧が高くなったと考えられる。
(比較例2)
第一発光層に緑色ドーパント材料を含有させなかった以外は実施例2と同様の素子を作成し、同様に評価を行った。
その結果、実施例1と比べて、1000cd/m表示時の赤と緑色の発光輝度が50%程度低くなり、青色の発光輝度は80%程度高くなり、赤、緑、青の各発光のバランスが悪化した白色有機EL素子となった。緑色の発光が第三発光層のみからとなっているため半減しているが、第一発光層の赤色の発光効率も下がっており、赤、緑、青の各発光のバランスが悪いことを示している。すなわち、本実施形態における第一乃至第三発光層のうち、第一発光層を有さないため、発光バランスの悪い有機EL素子であった。
(比較例3)
第一発光層の緑色ドーパント材料の代わりに、第二ホスト材料として非発光材料であるEM27(エネルギー準位の計算値は、HOMO=-5.73eV、LUMO=-1.87eV)を30重量%含有させた以外は実施例2と同様の素子を作成し、同様に評価を行った。第三発光層には緑色発光ドーパント材料として実施例2と同様にGD10を含有させた。EM27は非発光材料のため、第一発光層は赤色の単色発光となる。比較例3は、特許文献1に開示されている構成の有機EL素子である。
その結果、1000cd/m表示時の素子の駆動電圧は4.5Vとなり、実施例1と比べて、赤色の発光輝度が80%程度高くなり、緑色の発光輝度が45%程度低くなり、電圧の高い、赤、緑、青の各発光のバランスが悪化した白色有機EL素子となった。すなわち、本実施形態における第一乃至第三発光層のうち、第一発光層を有さないため、発光バランスの悪い有機EL素子であった。
緑色ドーパント材料を非発光材料に変えたことにより、赤色の発光輝度が上がり、緑色の発光輝度が下がったと考えられる。また、非発光材料を第二ホスト材料として発光材料に比べて多く含有させたことにより、素子の駆動電圧が高くなったと考えられる。
(比較例4)
第一発光層と第二発光層の層間にHT7(膜厚10nm、エネルギー準位の計算値は、HOMO=-4.92eV、LUMO=-1.29eV)からなる電荷障壁層を挿入した以外は、比較例2と同様の素子を作成し、同様に評価を行った。比較例4は、特許文献4に開示されている構成の有機EL素子である。
その結果、1000cd/m表示時の素子の駆動電圧は4.4Vとなり、実施例1と比べて、赤色の発光輝度が10%程度低くなり、緑色の発光輝度が45%程度低くなり、赤、緑、青の各発光のバランスが悪化した白色有機EL素子となった。
すなわち、本実施形態における第一乃至第三発光層のうち、第一発光層を有さないため、発光バランスの悪い有機EL素子であった。
上記の通り、第一発光層を有さないことに加えて、電荷障壁層を挿入したことにより、比較例2のような赤色発光が半減するような悪化は避けられるが、素子の駆動電圧を下げることが難しいことを示している。
(比較例5)
第一発光層のホスト材料をEM17(エネルギー準位の計算値は、HOMO=-4.68eV、LUMO=-2.07eV)に変えた以外は比較例4と同様の素子を作製し、同様に評価を行った。比較例5は、特許文献4に開示された有機EL素子である。
その結果、1000cd/m表示時の電圧は4.6Vとなり、実施例1と比べて、緑色の発光輝度が50%程度低くなり、赤、緑、青の各発光のバランスが悪化した白色有機EL素子となった。すなわち、本実施形態における第一乃至第三発光層のうち、第一発光層を有さないため、発光バランスの悪い有機EL素子であった。
第一発光層を有さないことに加えて、電荷障壁層を挿入したことで、素子の駆動電圧を下げることが難しいことを示している。また、赤色発光層のホスト材料にバンドギャップが狭い材料を用いれば、十分な赤色発光を得ることができるが、素子の駆動電圧を下げることが難しいことを示している。
(比較例6)
第三発光層を第一発光層と同様に、RD5が0.4重量%、GD10が2.0重量%、膜厚7nmの赤、緑色の2色発光層とした以外は実施例2と同様の素子を作製し、同様に評価を行った。その結果、実施例1と比べて、赤色の発光輝度は2倍程度となり、青色の発光輝度が80%程度低下した、赤、緑、青の各発光のバランスが悪化した白色有機EL素子となった。比較例6は、特許文献2に開示されている構成の有機EL素子である。
赤と緑色の2色発光層が2つあることにより、赤色ドーパント材料が電子を多くトラップしてしまい、赤、緑、青の各発光のバランスが悪かった。比較例6の第三発光層は、赤ドーパントの濃度が高いので、赤発光が強かった。すなわち、比較例6は、本実施形態における第一乃至第三発光層のうち、緑発光する第三発光層を有さないため、発光バランスの悪い有機EL素子であった。
以上の通り、本発明によれば、特定の色を発光する第一乃至第三発光層を有するため、発光のバランスに優れ、白色発光色度の変化が小さい有機EL素子を提供できる。
1 基板
2 陽極
3 正孔輸送層
4-1 第一発光層
4-2 第二発光層
4-3 第三発光層
5 電子輸送層
6 陰極
10 表示装置
11 基板
12 防湿膜
13 ゲート電極
14 ゲート絶縁膜
15:半導体層
16 ドレイン電極
17 ソース電極
18 TFT
19 絶縁膜
20 コンタクトホール
21 陽極
22 有機化合物層
23 陰極
24 第一保護層
25 第二保護層
1000 表示装置
1001 上部カバー
1002 フレキシブルプリント回路
1003 タッチパネル
1004 フレキシブルプリント回路
1005 表示パネル
1006 フレーム
1007 回路基板
1008 バッテリー
1009 下部カバー
1100 撮像装置
1101 ビューファインダ
1102 背面ディスプレイ
1103 操作部
1104 筐体
1200 電子機器
1201 表示部
1202 操作部
1203 筐体
1300 表示装置
1301 額縁
1302 表示部
1303 土台
1310 表示装置
1311 第一表示部
1312 第二表示部
1313 筐体
1314 屈曲点
1400 照明装置
1401 筐体
1402 光源
1403 回路基板
1404 光学フィルム
1405 光拡散部
1500 自動車
1501 テールランプ
1502 窓
1503 車体

Claims (21)

  1. 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に前記陽極から前記陰極の方向に積層されて配置されている、第一発光層、第二発光層、第三発光層を有し、
    前記第一発光層、前記第二発光層、前記第三発光層はそれぞれ、ホスト材料と、発光材料とを有する有機EL素子であって、
    前記第一発光層が前記第二発光層に接して配置され、前記第二発光層が前記第三発光層に接して配置されている、または、前記第一発光層が前記第三発光層に接して配置され、前記第二発光層が前記第三発光層に接して配置されている、または、前記第二発光層が前記第一発光層に接して配置され、前記第一発光層が前記第三発光層に接して配置され、
    前記第一発光層は、赤色と、緑色とを、発光する発光層であり、
    前記第二発光層は、青色を発光する発光層であり、
    前記第三発光層は、緑色を発光する発光層であり、
    前記第一発光層、前記第二発光層および前記第三発光層の発光により、白色発光することができることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記第一発光層のホスト材料、前記第二発光層のホスト材料および前記第三発光層のホスト材料が同じ材料であることを特徴とする請求項に記載の有機EL素子。
  3. 前記陽極が反射性の電極であり、前記陰極が透過性の電極であり、前記陽極、前記第一発光層、前記第二発光層、前記第三発光層、前記陰極がこの順で配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素子。
  4. 前記第一発光層が有する前記発光材料は緑色ドーパント材料および赤色ドーパント材料であり、前記第一発光層における緑色ドーパント材料の濃度が0.1重量%以上10重量%未満であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  5. 前記第三発光層は、ホスト材料と、緑色ドーパント材料のみからなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  6. 前記第三発光層は、赤色の波長を含まない光を発光することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  7. 前記第三発光層の厚さが1nm以上、5nm未満であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  8. 前記第一発光層が有する前記発光材料は、赤色ドーパント材料と緑色ドーパント材料であり、下記(i)および(ii)の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機EL素子。
    (i) LUMO(H)<LUMO(RD)
    (ii) LUMO(H)<LUMO(GD)
    (i)および(ii)において、LUMO(H)、LUMO(RD)、LUMO(GD)は、それぞれ第一発光層のホスト材料のLUMOエネルギーの絶対値、赤色ドーパント材料のLUMOエネルギーの絶対値、緑色ドーパント材料のLUMOエネルギーの絶対値を表す。
  9. 前記第三発光層が有する発光材料は、緑色ドーパント材料であり、前記緑色ドーパント材料は、下記(iii)の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機EL素子。
    (iii) LUMO(H)<LUMO(GD)
    (iii)において、LUMO(H)、LUMO(GD)は、それぞれ第三発光層のホスト材料のLUMOエネルギーの絶対値、緑色ドーパント材料のLUMOエネルギーの絶対値を表す。
  10. 前記第二発光層が有する発光材料は、青色ドーパント材料であり、前記青色ドーパント材料は下記(iv)、(v)の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の有機EL素子。
    (iv) LUMO(H)<LUMO(BD)
    (v) HOMO(H)<HOMO(BD)
    (iv)、(v)において、LUMO(H)、LUMO(BD)は、それぞれ第二発光層のホスト材料のLUMOエネルギーの絶対値、青色ドーパント材料のLUMOエネルギーの絶対値を表し、HOMO(H)、HOMO(BD)は、それぞれ第二発光層のホスト材料のHOMOエネルギーの絶対値、青色ドーパント材料のHOMOエネルギーの絶対値を表す。
  11. 前記発光材料の少なくともいずれかが、5員環を含む縮合環を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  12. 前記ホスト材料は炭化水素のみからなることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  13. 前記ホスト材料は炭素原子数1乃至12のアルキル基を有してもよい芳香族炭化水素化合物であり、前記芳香族炭化水素化合物は、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナンナンスレン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、フルオランテン、ベンゾフルオランテンから選ばれる構造を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  14. 前記第三発光層と前記陰極との間に配置され、前記第三発光層に接する正孔ブロック層を有し、前記正孔ブロック層を構成する材料が炭化水素のみからなることを特徴とする請求項に記載の有機EL素子。
  15. 前記第一発光層と前記陽極との間に配置され、前記第一発光層に接している電子ブロック層を有し、前記電子ブロック層のLUMOは、前記ホスト材料のLUMOよりも高いことを特徴とする請求項に記載の有機EL素子。
  16. 前記正孔ブロック層と前記陰極との間に配置されている電子輸送層を有し、前記電子輸送層を構成する材料がピリジル基あるいはフェナントリル基を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機EL素子。
  17. 複数の画素を有し、前記画素の少なくとも一つは、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の有機EL素子と、前記有機EL素子に接続されている能動素子とを有することを特徴とする表示装置。
  18. 複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、画像を表示する表示部と、を有し、
    前記表示部は、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部であり、前記表示部は請求項16に記載の表示装置を有することを特徴とする撮像装置。
  19. 筐体と、外部と通信する通信部と、表示部とを有し、
    前記表示部は請求項16に記載の表示装置であることを特徴とする電子機器。
  20. 光源と、光拡散部または光学フィルムと、を有する照明装置であって、
    前記光源は、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の有機EL素子を有することを特徴とする照明装置。
  21. 機体と、前記機体に設けられている灯具を有し、
    前記灯具は、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の有機EL素子を有することを特徴とする移動体。
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