JP7198614B2 - 搬送装置、搬送装置の制御方法およびプログラム - Google Patents
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Description
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、適切に運用できる搬送装置、搬送装置の制御方法およびプログラム を提供することを目的とする。
(搬送ロボット102)
以降、本発明の一実施形態による倉庫システムの構成を、詳細に説明する。本実施形態の倉庫システムは、倉庫業者が通信販売用倉庫に対して物品を入庫し、そこから物品を出庫する等の用途に適用される。但し、本発明は、例えばメーカ等が自社内で部品を保管・管理する場合にも適用可能である。なお、本実施形態の“物品”は、取引の対象になる商品、それ以外の製品、部品等を含む概念である。
図1は、本実施形態に適用される搬送ロボット102(搬送装置)と、搬送対象となる棚111と、を示す斜視図である。棚111は、略直方体枠状の物品収納部112と、物品収納部112の4隅から下方に突出した4本の支持脚114と、を備えている。
図3は、本実施形態に適用される倉庫100の平面図である。
図示の例において、倉庫100は1階建ての建物であり、保管スペース202(床面)と、作業スペース203と、両者を仕切る仕切壁204と、を備えている。保管スペース202には、複数の棚111と、棚111を搬送する複数の搬送ロボット102と、が配置されている。作業スペース203は、作業員が作業するスペースである。
図4は、本実施形態に適用される環境地図データ180の模式図である。
この環境地図データ180は、搬送ロボット102が自機の位置を推定するために使用する地図データである。環境地図データ180には、図3に示した壁142,144,146,148、柱132,134,136,138,140、およびグリッド107に対応する位置情報が含まれている。環境地図データ180は、保管スペース202の内部構造を計測して生成してもよく、倉庫100を建設した際のCADデータに基づいて生成してもよい。
物品の入庫時における搬送ロボット102等の時系列の動きは概略以下の通りである。
・図1に示すように、搬送ロボット102は、目的とする棚111の下方の空間に移動する。
・搬送ロボット102は、その棚111を持ち上げて、図3に示す保管スペース202内を移動して、入庫ゲート205まで搬送する。
・作業員は、入庫ゲート205越しに、物品を棚111に収納する。
・搬送ロボット102は、物品が入った棚111を、保管スペース202内の元の位置又は他の位置に搬送する。
・搬送ロボット102は、棚111を床面に下ろした後、通路等に出て、次の搬送に備えて待機する。
・搬送ロボット102は、目的とする物品が格納された棚111の下方の空間に移動する。
・搬送ロボット102は、その棚111を持ち上げて保管スペース202内を移動し、出庫ゲート206まで搬送する。
・作業員は、出庫ゲート206越しに、棚111から物品を取り出す。
・搬送ロボット102は、物品が取り出された棚111を、保管スペース202内の元の位置または他の位置に搬送する。
・搬送ロボット102は、棚を床面に下ろした後、通路等に出て、次の搬送に備えて待機する。
図5は、搬送ロボット102の筐体中に配置された制御部720のブロック図である。
制御部720は、中央演算部732と、記憶部733と、通信部735と、アンテナ736と、衝突検知制御部740と、レーザスキャナ制御部742と、カメラ制御部744と、車輪制御装置746と、棚支持制御装置748と、入出力制御部750と、を備えている。
図6は、本実施形態に適用される統括制御装置230(制御装置)のブロック図である。
統括制御装置230は、例えば、倉庫業者の事務スペース(図示略)に配置され、保管スペース202で運用されている複数の搬送ロボット102の動作を統括制御する。統括制御装置230は、中央演算部232と、記憶部233と、入出力部234と、通信部235と、アンテナ236と、を備えている。記憶部233は、制御プログラムや各種データ等を記憶する。特に、記憶部233は、環境地図データ180(図4参照)を記憶している。中央演算部232は、記憶部233に記憶された制御プログラム等に基づいて、複数の搬送ロボット102を制御する。従って、統括制御装置230も、コンピュータとしての機能を有している。
(搬送ロボット102の初期動作)
図7は、搬送ロボット102が外部から保管スペース202に搬入される際の動作を示す動作説明図である。
作業者は、入庫ゲート205から保管スペース202に搬送ロボット102を搬入し、操作・表示部128(図2参照)を操作して電源オン状態にする。電源がオン状態になると、搬送ロボット102は、統括制御装置230(図6参照)との間の通信を確立し、統括制御装置230から環境地図データ180(図4参照)をダウンロードする。
また、搬送ロボット102は、バーコードを用いて、自機の位置検出を行うこともできる。図8は、バーコードを用いた位置検出の動作説明図である。
図8に示す例においては、入庫ゲート205に隣接する床面グリッドに、バーコード208が貼付されている。そして、作業者は、搬送ロボット102を入庫ゲート205に配置した後、操作・表示部128(図2参照)において、所定のバーコード読取指令操作を行う。
図9は、搬送ロボット102の位置補正動作の説明図である。ここで、「位置補正」とは、搬送ロボット102の基準点を、現在のグリッド107の基準点に近づけるように(理想的には一致するように)、搬送ロボット102の車輪120(図2参照)を駆動する。そして、本実施形態においては、搬送ロボット102の基準点は搬送ロボット102の中心点であり、グリッド107の基準点は、グリッド107の中心点である。
図示の例において、搬送ロボット102は、入庫ゲート205から保管スペース202に搬入され、周囲の状況をレーザスキャナ130を用いてスキャンしたと仮定する。すると、搬送ロボット102は、レーザ測定範囲150の中に存在する物体の相対的な位置情報(搬送ロボット102を基準とした位置情報)を取得することができる。
図10は、位置補正の模式図である。位置補正においては、上述した位置偏差に基づいて、搬送ロボット102の車輪120(図2参照)を回転させる、車輪120を左右で逆回転させる、等の動作を組み合わせ、図10に示すように、搬送ロボット102の中心点102Pを、グリッド107aの中心点117aに近づける(理想的には一致させる)。
これにより、搬送ロボット102は、自機が属しているグリッド107aの中心付近から隣接するグリッド座標(2,2)を経由して、グリッド座標(2,3)のグリッド107cに移動することになる。従って、隣接する他のグリッド座標(3,2)に他の搬送ロボット102b(図9参照)が配置されていたとしても、搬送ロボット102,102bは、全く接触することがなくなる。これにより、搬送ロボット102は、グリッド中心の近傍からスタートして、他のグリッドに移動することができる。
図11は、搬送ロボット102の動作開始時に、搬送ロボット102によって実行される処理プログラムのフローチャートである。なお、本プログラムは、例えば、搬送ロボット102の電源が投入された場合や、操作・表示部128において作業者が所定のリセット操作を行った場合に起動される。図11に示す処理プログラムは、1台の搬送ロボット102に対するものであり、複数の搬送ロボット102の動作が開始された場合は、搬送ロボット102の数に応じたプロセスが起動され、個々のプロセス毎に、該処理プログラムが起動される。
図12は、搬送ロボット102のスタート時において、統括制御装置230が実行する処理プログラムのフローチャートである。
図12において処理がステップS202に進むと、通信部235(図5参照)が搬送ロボット102から位置補正必要報告(図11、S126参照)または位置補正不要・終了報告(図11、S118参照)のうち、何れかを受信するまで処理が待機する。通信部235が何れかの報告を受信すると、処理はステップS204に進み、中央演算部232は、受信した報告の内容に応じて、位置補正が必要か否かを判定する。
以上のように本実施形態によれば、制御部(720)は、自機が現在属している一のグリッド(107)である所属グリッドを特定する所属グリッド特定機能(S110)と、所定のスタート指令を受信すると、筐体(102a)の所定の基準点(102P)が、所属グリッドの所定の基準点(102P)に近づくように、走行部(120)を駆動する位置補正機能(S130)と、を有する。
これにより、所属グリッドの中央部付近から搬送装置(102)を駆動することができ、搬送装置(102)同士の衝突や、搬送装置(102)と障害物との衝突を抑制し、搬送装置(102)を適切に運用できる。
これにより、周辺に存在する障害物(132~140、142~148)に基づいて、所属グリッドを特定することができる。
これにより、識別標識(208)に基づいて、所属グリッドを一層正確に特定することができる。
これにより、外部に設けられた制御装置(230)は、位置補正を実行するタイミングを判断して、搬送装置(102)に対して位置補正を実行させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記実施形態の構成に他の構成を追加してもよく、構成の一部について他の構成に置換をすることも可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
102a 筐体
102P 中心点(基準点)
102,102b 搬送ロボット(搬送装置)
107 グリッド
120 車輪(走行部)
122 棚支持部
123 無線通信装置
124 衝突検知部
125 赤外線通信装置
127 カメラ(識別標識読取装置)
128 操作・表示部
130 レーザスキャナ(障害物検出部)
132,134,136,138,140 柱(障害物)
142,144,146,148 壁(障害物)
180 環境地図データ
202 保管スペース(床面)
208 バーコード(識別標識)
230 統括制御装置(制御装置)
720 制御部(コンピュータ)
733 記憶部
Claims (6)
- 筐体に装着され床面を走行するための走行部と、
前記床面を複数のグリッドに区切り、前記床面における障害物の位置を規定する環境地図データを記憶する記憶部と、
前記走行部を制御する制御部と、
を備え、前記制御部は、
自機が現在属している一の前記グリッドである所属グリッドを特定する所属グリッド特定機能と、
所定のスタート指令を受信すると、前記筐体の所定の基準点が、前記所属グリッドの所定の基準点に近づくように、前記走行部を駆動する位置補正機能と、
自機を前記所属グリッドから他の前記グリッドに移動させる際、前記筐体の基準点が前記所属グリッドの基準点に近づくように前記走行部を駆動した後、自機を他の前記グリッドに移動させるように前記走行部を駆動する機能と、を有する
ことを特徴とする搬送装置。 - 周辺に存在する前記障害物を検出する障害物検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記障害物検出部の検出結果と、前記環境地図データとに基づいて、前記所属グリッドを特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。 - 前記床面に貼付された識別標識を読み取る識別標識読取装置をさらに備え、
前記制御部は、前記識別標識読取装置の読取結果に基づいて前記所属グリッドを特定する機能をさらに有する
ことを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。 - 前記制御部は、
前記スタート指令を受信すると、前記位置補正機能による位置補正が必要か否かを判定する機能と、
前記位置補正が必要であると判定された場合に、前記筐体の外部に設けられた制御装置に対して、前記位置補正が必要である旨の位置補正必要報告を送信する機能と、
前記位置補正必要報告を受信した前記制御装置から、前記位置補正を実行すべき旨の位置補正指示を受信する機能と、
を有し、前記制御装置から前記位置補正指示を受信したことを条件として、前記位置補正機能を動作させる
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。 - 筐体に装着され床面を走行するための走行部と、
前記床面を複数のグリッドに区切り、前記床面における障害物の位置を規定する環境地図データを記憶する記憶部と、
前記走行部を制御する制御部と、
を備える搬送装置の制御方法であって、
前記制御部が、自機が現在属している一の前記グリッドである所属グリッドを特定する所属グリッド特定過程と、
前記制御部が、所定のスタート指令を受信すると、前記筐体の所定の基準点が、前記所属グリッドの所定の基準点に近づくように、前記走行部を駆動する位置補正過程と、
自機を前記所属グリッドから他の前記グリッドに移動させる際、前記筐体の基準点が前記所属グリッドの基準点に近づくように前記走行部を駆動した後、自機を他の前記グリッドに移動させるように前記走行部を駆動する過程と、
を有することを特徴とする搬送装置の制御方法。 - 筐体に装着され床面を走行するための走行部と、
前記床面を複数のグリッドに区切り、前記床面における障害物の位置を規定する環境地図データを記憶する記憶部と、
前記走行部を制御するコンピュータと、
を備える搬送装置に適用され、
前記コンピュータを、
自機が現在属している一の前記グリッドである所属グリッドを特定する所属グリッド特定手段、
所定のスタート指令を受信すると、前記筐体の所定の基準点が、前記所属グリッドの所定の基準点に近づくように、前記走行部を駆動する位置補正手段、
自機を前記所属グリッドから他の前記グリッドに移動させる際、前記筐体の基準点が前記所属グリッドの基準点に近づくように前記走行部を駆動した後、自機を他の前記グリッドに移動させるように前記走行部を駆動する手段、
として機能させるためのプログラム 。
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