JP7198524B2 - Method for producing spheroids and method for expressing pluripotent stem cell markers - Google Patents
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Description
本発明は、スフェロイドの製造方法および多能性幹細胞マーカーを発現させる方法に関する。 The present invention relates to a method for producing spheroids and a method for expressing pluripotent stem cell markers .
近年、再生医学では種々の臓器で、幹細胞の移植により組織や臓器を修復する技術の臨床応用が検討されている。例えば、心筋細胞への分化能に優れる多能性幹細胞の調製方法がある(特許文献1)。幹細胞として心臓組織由来の心筋幹細胞や骨髄由来の造血幹細胞や間葉系幹細胞が知られているが、心筋細胞への分化度が低ければ心臓組織再生などの臨床応用に使用することはできない。特許文献1は心臓組織由来の細胞懸濁液を調製し、密度勾配法により幹細胞を含む細胞群を分取するものである。分取した細胞群を繊維芽細胞成長因子および上皮細胞増殖因子を含有する培地で、培養開始時の細胞濃度が1×104~2×104個/mlで浮遊培養し、浮遊状のスフェアーを形成している細胞を選択し分離して多能性幹細胞を得る。この多能性幹細胞は、心筋細胞や平滑筋細胞などに分化する能力を有するという。なお、前記浮遊状のスフェアーは、多能性幹細胞が細胞分裂を繰り返して形成したものである(特許文献1、段落「0034」)。単一細胞から増殖した幹細胞が選択分離されたため幹細胞自体の均一性が高く、臨床上の有用性が高いという(特許文献1、段落「0015」)。
In recent years, in regenerative medicine, clinical applications of techniques for repairing tissues and organs by transplantation of stem cells have been investigated in various organs. For example, there is a method for preparing pluripotent stem cells that are highly capable of differentiating into cardiomyocytes (Patent Document 1). Heart tissue-derived myocardial stem cells, bone marrow-derived hematopoietic stem cells, and mesenchymal stem cells are known as stem cells, but if the degree of differentiation into cardiomyocytes is low, they cannot be used for clinical applications such as cardiac tissue regeneration.
また、幹細胞を大脳皮質前駆細胞に効率的に分化誘導する方法もある(特許文献2)。無血清培地中で均一な幹細胞の凝集塊を形成させる工程を含む幹細胞の分化培養法であり、Nodalシグナル促進剤、Wntシグナル促進剤、FGFシグナル促進剤、BMPシグナル促進剤、レチノイン酸等の増殖因子並びにインシュリン類を実質的に含有しない無血清培地で多能性幹細胞を浮遊凝集体として培養することで分化誘導し、培養物から視床下部ニューロンの前駆細胞を単離することができるという(特許文献2、段落「0020」)。脳の中には多種類の神経細胞が存在するため、治癒を目的とする疾病に関連する神経細胞を正確かつ効率的に試験管内分化させるものである。実施例では、マウスES細胞を使用して分化培養し、培養開始後10日の凝集塊の細胞のうち約7割の細胞に大脳特異的マーカーBf1が発現することを観察している。
There is also a method for efficiently inducing the differentiation of stem cells into cerebral cortex progenitor cells (Patent Document 2). A stem cell differentiation culture method including a step of forming uniform stem cell aggregates in a serum-free medium, and growth of Nodal signal promoter, Wnt signal promoter, FGF signal promoter, BMP signal promoter, retinoic acid, etc. Differentiation is induced by culturing pluripotent stem cells as floating aggregates in a serum-free medium that does not substantially contain factors and insulins, and hypothalamic neuron progenitor cells can be isolated from the culture (
更に、ヒト皮膚線維芽細胞由来の多能性幹細胞を選別し、または増殖する方法もある(特許文献3)。無処理のヒト骨髄間葉系細胞画分から極めて低い頻度で特徴的な細胞塊が形成されること、およびストレス刺激により低眠状態の組織幹細胞が活性化されることから(特許文献3、段落「0024」)、骨髄間葉系細胞画分や皮膚線維芽細胞画分等の間葉系細胞又は中胚葉系細胞を培養している際に種々の方法でストレス刺激を与え、生存している細胞を集めるというものである。SSEA-3の発現を指標に幹細胞を分離し、メチルセルロース含有培地中で浮遊培養すると、最大直径150μmの胚様体様細胞塊を得ることができるという。この幹細胞は、SSEA-3陽性及びCD105陽性、セルフリニューアル能等を特徴とする多能性幹細胞であり、Muse細胞と名付けられている。Muse細胞は、生体の中胚葉系組織または間葉系組織などに存在する。これら組織に存在している細胞または細胞画分を分離し(特許文献3、段落「0040」)、ストレス刺激により非幹細胞を除去し、残存する幹細胞を富化するものである(特許文献3、段落「0167」)。Muse細胞は、生体や組織から直接得ることができる点でiPS細胞やES細胞と相違する。また、リプログラミングまたは脱分化の誘導を必要とせずに得られるという特徴を有する(特許文献3、段落「0036」)。実施例では、間葉系細胞としてヒト皮膚線維芽細胞画分を使用し、ストレス刺激としてトリプシン中(0.25%トリプシン-HBSS)で16時間インキュベーション処理を行い、生細胞を回収してメチルセルロース含有培地で8,000個/mlの密度で7日間培養している(特許文献3、段落「0138」)。前記する16時間のトリプシンによるインキュベーション処理を行ったヒト線維芽細胞画分から形成した細胞集団を「富Muse細胞画分」とし、該集団から得た単一細胞を浮遊培養すると、富Muse細胞画分の9~10%で細胞塊の形成が認められるため、富Muse細胞画分には約9~10%のMuse細胞が含まれている(特許文献3、段落「0139」)。
Furthermore, there is also a method of selecting or growing pluripotent stem cells derived from human skin fibroblasts (Patent Document 3). Characteristic cell masses are formed from the untreated human bone marrow mesenchymal cell fraction at an extremely low frequency, and stress stimulation activates tissue stem cells in a sleepy state (
前記特許文献1~特許文献3が、生体組織に含まれる幹細胞を選択し増殖させる技術であるのに対し、分化した細胞からリプログラミングにより多能性細胞を生成する方もある(特許文献4)。体細胞に低pH曝露などのストレスを供すると、外来遺伝子、転写物、タンパク質、核成分もしくは細胞質、外来リプログラミング因子の導入なしに、または細胞融合なしに多能性細胞を形成するという。実施例では、Oct4-GFPマウス由来のCD45陽性リンパ球を使用し、低pH溶液に曝露すると暴露3日以内に球状コロニーが観察され、胚性幹細胞のマーカーが発現するという(特許文献4、段落「0149」)。また、成熟細胞が、Oct4発現細胞へ変化するために有効なストレスを評価したところ、pH5.4~5.6の酸性溶液への暴露が効率的であるという(特許文献4、段落「0155」)。Oct4-GFP(GOF)マウスの脾臓から回収してCD45陽性細胞を低pHへ暴露し、GFP発現細胞を分取しB27-LIF培地で培養すると、5日以内にGFP発現球状コロニーが観察され、7日間に亘って直径70μmに成長したという。この培養細胞を解離して培養し、CD45陽性細胞の表現型変化を単一細胞レベルで観察すると、1日目では細胞の大部分がCD45を発現するがOct4は発現せず、3日目ではCD45陰性細胞またはCD45陰性/Oct4陽性細胞を示し、7日目にはCD45発現が消滅し、Oct4発現細胞が観察されたという(特許文献4、段落「0158」)。リプログラミングを確認するため、7日目の細胞の初期胚発生マーカーの出現を評価すると、Oct4、Nanog、Sox2などの多能性細胞マーカーが発現し、外部刺激によってリプログラミングされたことが実証されたという(特許文献4、段落「0159」)。
While the
さらに、細胞を多能性幹細胞様状態にする導入タンパク質もある(非特許文献1)。リプロティン(Reprotin)と称され、線維芽細胞が短時間のうちに上皮間葉転移状態を経てスフェロイドを形成し、リプログラミング・初期化が著明に亢進されるという。このリプロティン(Reprotin)を用いて線維芽細胞を初期化すると、約1~3日の工程、10%以上の効率で、多能性幹細胞コロニー様スフェロイドを作成することができるという。スフェロイドは、アルカリフォスファターゼ染色で強陽性を示し、多能性マーカーであるSSEA-3、TRA-1-81も同時に陽性となり、スフェロイドを構成する細胞は多能性状態に変化したと考えられるという。ただし、リプロティン(Reprotin)の構造は不明である。なお、作成した多能性様幹細胞のコロニーをゲラチン上で培養すると、神経幹細胞マーカーであるNestinが陽性となり、線維芽細胞から多能性幹細胞及び神経幹細胞を簡単に作成することができるという。 In addition, there are introduced proteins that render cells into a pluripotent stem cell-like state (Non-Patent Document 1). It is called reprotin, and fibroblasts undergo epithelial-mesenchymal transition in a short period of time to form spheroids, and reprogramming and reprogramming are said to be markedly enhanced. When fibroblasts are reprogrammed using Reprotin, pluripotent stem cell colony-like spheroids can be produced in a process of about 1 to 3 days with an efficiency of 10% or more. The spheroids were strongly positive in alkaline phosphatase staining, and the pluripotent markers SSEA-3 and TRA-1-81 were also positive at the same time. However, the structure of Reprotin is unknown. When colonies of the prepared pluripotent-like stem cells are cultured on gelatin, the neural stem cell marker Nestin becomes positive, making it possible to easily prepare pluripotent stem cells and neural stem cells from fibroblasts.
しかしながら、上記特許文献1は、心臓組織から、心筋細胞等への分化能に優れる多能性幹細胞を選択分取する方法である。得られる細胞は、心筋細胞への分化能に優れる多能性幹細胞に限定される。また、心臓組織由来の細胞懸濁液を原料とし、密度勾配法によって目的の幹細胞を含む細胞集団を分離し、分離した細胞集団を線維芽細胞成長因子および上皮細胞増殖因子を含有する浮遊培地で培養し、培養物に含まれる細胞群から浮遊状の多能性幹細胞のスフェアーを選択分離するという工程が必要となり、操作が煩雑である。一方、上記特許文献2記載の方法は、無血清培地中で幹細胞を凝集させる事により、質的に均一な幹細胞群を形成させ、無血清培地中で該凝集幹細胞を浮遊培養させ、大脳皮質神経ネットワークを試験管内で形成するものである。本方法は幹細胞を作成する技法ではなく、既存の幹細胞群を同一の性質に同調させる方法である。特許文献1と特許文献2はいずれも予め僅かながら存在する幹細胞を培養するものであり、分化した成熟細胞から多能性幹細胞を調製する技術ではない。
However,
特許文献3記載のMuse細胞も、特許文献1等と同様に予め存在する幹細胞を培養するものである。ヒト皮膚線維芽細胞に含まれる極めて稀な多能性幹細胞をSSEA-3マーカーを指標として選別分取し、増殖させる。入手が容易なヒト皮膚線維芽細胞を原料とできる点で優れるが、ストレスの過剰負荷により大部分の細胞を死滅させ、生き残った細胞中のMuse細胞を選択するものであり、Muse細胞の回収率は極めて低い。また、目的細胞を分離するために高価な機器を用いる必要があり、特殊な技法を用いるため操作も複雑である。更に、特許文献3では、Muse細胞を、Muse細胞由来胚様体細胞塊、クローン増殖の一連のサイクルにより増殖させ、これにより間葉系細胞集団から大量のMuse細胞を得ることができると記載されている(特許文献3、段落「0142」)。しかしながら、細胞塊のサイズは最大直径が約150μmである(特許文献3、段落「0140」)。特許文献3では、Muse細胞は爆発的増殖を防ぐための多重のセキュリティーシステムを有し、異常増殖を回避できるとするが(特許文献3、段落「0167」)、より簡便な操作で大型の幹細胞のスフェロイドを大量調製できれば増殖操作を行うことなく幹細胞研究、再生医療、治療等に使用でき、汎用性に優れる。
The Muse cells described in
一方、特許文献4は、低pH溶液の暴露により分化した細胞から多能性細胞を生成するものである。しかしながら、Oct4-GFP(GOF)マウスの脾臓から回収したCD45陽性細胞をpH5.4~5.6の酸性溶液に暴露し、GFP発現細胞を分取してB27-LIF培地で培養すると、最初の培養7日目で死細胞の数が増加するという。特許文献4では、ストレス処理および特定の培養により細胞の特徴を徐々に変化させ、Oct4を発現する首尾よく変化した細胞を選択できたと記載するが(特許文献4、段落「0158」)、7日間に亘る成長によって直径70μmの細胞塊を得るに過ぎない。したがって、サイズの大きな多能性幹細胞からなるスフェロイドを製造する方法や、用いた全ての体細胞を幹細胞化させる製造技術の開発が希求される。
On the other hand,
また、非特許文献1は、リプロティン(Reprotin)と称される導入タンパク質を用いて培養し、多能性様幹細胞を調製するものである。遺伝子導入の操作が不要であるが、リプロティン(Reprotin)の構造は明らかでなく、再生医療や幹細胞治療等に使用するには安全性等が不十分である。したがって、細胞外化合物を添加することなく多能性幹細胞を調製できる方法の開発が望まれる。
In addition,
上記現状に鑑み本発明は、簡便な方法で、分化した体細胞から多能性幹細胞マーカーを発現する多能性幹細胞様スフェロイドを製造する方法を提供することを目的とする。 In view of the above situation, an object of the present invention is to provide a simple method for producing pluripotent stem cell-like spheroids expressing pluripotent stem cell markers from differentiated somatic cells.
また本発明は、直径0.5~3mm、多クローン性の多能性幹細胞様スフェロイドを提供することを目的とする。 Another object of the present invention is to provide polyclonal pluripotent stem cell-like spheroids with a diameter of 0.5 to 3 mm.
本発明者は、分化した線維芽細胞を酵素処理して個々に分離・浮遊させた球状化線維芽細胞を含む細胞懸濁液を調製し、この球状化細胞を細胞非接着性の細胞培養容器を用いて、高密度もしくは密着させた状態で静置培養すると細胞が凝集しはじめ、培養の経過時間に伴って凝集体が大型化してスフェロイドを形成すること、およびスフェロイドを構成する細胞は、Oct3/4、SSEA-3などの多能性幹細胞に特徴的なタンパク質を発現することを見出し、本発明を完成させた。この多能性幹細胞は、人工化合物やベクター/遺伝子の導入、強ストレス環境(低pHや37度より低いもしくは高い培養温度、低酸素状況等など)への曝露が不要である他、ホルモン、増殖因子、多能性誘導タンパク質、その他の多能性細胞誘導因子などの刺激因子も使用せずに、成熟した体細胞から多能性幹細胞の性質を示すスフェロイドを製造することができる。本発明者はこの多能性幹細胞をnatural Stem Cellと名付けた。 The present inventors prepared a cell suspension containing spherical fibroblasts that were individually separated and suspended by enzymatically treating differentiated fibroblasts, and placed the spherical cells in a non-adhesive cell culture vessel. When the cells are statically cultured at high density or in close contact with each other, the cells begin to aggregate, and the aggregates increase in size with the passage of time to form spheroids, and the cells that make up the spheroids are Oct3 /4, SSEA-3 and other proteins characteristic of pluripotent stem cells were found to be expressed, thereby completing the present invention. These pluripotent stem cells do not require introduction of artificial compounds, vectors/genes, exposure to strong stress environments (low pH, culture temperature lower or higher than 37 degrees, hypoxic conditions, etc.), hormones, proliferation Spheroids exhibiting properties of pluripotent stem cells can be produced from mature somatic cells without the use of stimulating factors such as factors, pluripotency-inducing proteins, or other pluripotent cell-inducing factors. The inventor named this pluripotent stem cell as natural stem cell.
すなわち、本発明は、分化した線維芽細胞をセリンプロテアーゼ処理して個々に分離された前記線維芽細胞を、1×106個/ml~2×107個/ml、または1×105個/cm2~7×106個/cm2の高い細胞密度で、ホルモン、増殖因子、多能性誘導タンパク質、および多能性細胞誘導因子からなる群から選択されるいずれか1種以上の刺激因子を使用せず、細胞非接着性細胞培養容器中、グルコース及びウシ胎児血清を含有するD-MEM培地又はその等価培地において、CO2を供給しつつ、30~40℃で静置培養してスフェロイドを形成させ、
前記スフェロイドに、OCT3/4、SOX2、NANOG、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA-3、SSEA-4、およびALPの多能性幹細胞マーカーを発現させることを特徴とする、スフェロイドの製造方法を提供するものである。
That is, the present invention treats differentiated fibroblasts with serine protease to individually separate the fibroblasts from 1×10 6 /ml to 2×10 7 /ml, or 1×10 5 /cm 2 to 7×10 6 cells/cm 2 , stimulation with one or more selected from the group consisting of hormones, growth factors, pluripotency-inducing proteins, and pluripotent cell-inducing factors Static culture at 30 to 40°C without using factors, in D-MEM medium containing glucose and fetal bovine serum or equivalent medium containing glucose and fetal bovine serum in a cell non-adherent cell culture vessel, while supplying CO2 . forming spheroids,
The spheroids are characterized by expressing pluripotent stem cell markers of OCT3/4, SOX2, NANOG, PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA-3, SSEA-4, and ALP. The present invention provides a method for producing spheroids .
また、本発明は、前記スフェロイドの直径が0.5~3mmであることを特徴とする、前記スフェロイドの製造方法を提供するものである。 The present invention also provides a method for producing the spheroids , wherein the spheroids have a diameter of 0.5 to 3 mm.
また、本発明は、分化した線維芽細胞をセリンプロテアーゼ処理して個々に分離された前記線維芽細胞を、1×106個/ml~2×107個/ml、または1×105個/cm2~7×106個/cm2の高い細胞密度で、ホルモン、増殖因子、多能性誘導タンパク質、および多能性細胞誘導因子からなる群から選択されるいずれか1種以上の刺激因子を使用せず、細胞非接着性細胞培養容器中、グルコース及びウシ胎児血清を含有するD-MEM培地又はその等価培地において、CO2を供給しつつ、30~40℃で静置培養してスフェロイドを形成させることを特徴とする、
前記スフェロイドに、OCT3/4、SOX2、NANOG、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA-3、SSEA-4、およびALPの多能性幹細胞マーカーを発現させる方法を提供するものである。
In addition, the present invention provides a method for treating differentiated fibroblasts with serine protease and separately separating the fibroblasts from 1×10 6 /ml to 2×10 7 /ml, or 1×10 5 . /cm 2 to 7×10 6 cells/cm 2 , stimulation with one or more selected from the group consisting of hormones, growth factors, pluripotency-inducing proteins, and pluripotent cell-inducing factors Static culture at 30 to 40°C without using factors, in D-MEM medium containing glucose and fetal bovine serum or equivalent medium containing glucose and fetal bovine serum in a cell non-adherent cell culture vessel, while supplying CO2 . characterized by forming spheroids,
A method is provided for expressing the pluripotent stem cell markers of OCT3/4, SOX2, NANOG, PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA-3, SSEA-4, and ALP in said spheroids . It is.
本発明によれば、個々に分離して球状化させた生体細胞を高密度状態で細胞非接着性細胞培養容器中で静置培養することで、多能性幹細胞マーカーを発現する細胞で構成されるスフェロイドを形成することができる。 According to the present invention, cells that express pluripotent stem cell markers are obtained by statically culturing living cells that have been individually separated and spheroidized in a cell non-adhesive cell culture vessel in a high-density state. spheroids can be formed.
本発明の第一は、分化した生体細胞を酵素処理して前記生体細胞を個々に分離し、個々に分離された前記生体細胞を、3×105個/ml~7×108個/mlの細胞密度で細胞非接着性細胞培養容器中で静置培養することを特徴とする、多能性幹細胞様スフェロイドの製造方法である。以下、本発明を詳細に説明する。 In the first aspect of the present invention, differentiated living cells are treated with an enzyme to separate the living cells individually, and the separated living cells are 3×10 5 cells/ml to 7×10 8 cells/ml. A method for producing pluripotent stem cell-like spheroids, characterized by statically culturing in a cell non-adhesive cell culture vessel at a cell density of . The present invention will be described in detail below.
本明細書で使用する「生体細胞」とは、哺乳類の組織や臓器を構成する細胞を広く対象とすることができる。このような哺乳類として、例えば、ヒトやサルなどの霊長目、マウス、ラットなどのげっ歯目、ウサギなどの兎目、ウシなどの偶蹄目、ウマなどのウマ目、ブタなどの鯨偶蹄目、イヌ、ネコなどの食肉類を例示することができる。 The term “living cell” as used herein can broadly refer to cells that constitute mammalian tissues and organs. Examples of such mammals include primates such as humans and monkeys, rodents such as mice and rats, lagomorphs such as rabbits, artiodactyls such as bovines, equines such as horses, cetacean artiodactyls such as pigs, Meat such as dogs and cats can be exemplified.
本明細書で使用する生体細胞は、分化したものに限定される。「分化した生体細胞」とは、当該生体の発生時より専門化された細胞を意味し、最終分化した細胞と最終分化に至る前であるが発生時より専門化された細胞の双方を含むものとする。組織幹細胞は、最終組織細胞に分化することができるため、分化した生体細胞に含まれる。一方、胚性幹細胞(ES細胞)や胚性生殖幹細胞(EG細胞)は、「分化した生体細胞」に含まれない。本明細書における「分化した生体細胞」には、筋肉系組織、結合組織、循環系組織、排泄系組織、生殖系組織、骨、軟骨、脂肪、血液、骨髄、骨格筋、真皮、靭帯、腱、心臓などを構成する細胞があり、好ましくは、皮膚線維芽細胞、諸臓器に存在する線維芽細胞である。前記分化した生体細胞は、市販品でもよく、生体組織を物理的または化学的処理により構成する個々の細胞に分離し、密度勾配法などによって目的とする細胞を含む細胞を分取し、培地中で保存されたものであってもよい。 Biological cells as used herein are limited to those that have differentiated. "Differentiated biological cell" means a cell that has become specialized since the organism's development, and is intended to include both terminally differentiated cells and cells that have become more specialized than development but before terminal differentiation. . Tissue stem cells are included among differentiated biological cells because they can differentiate into final tissue cells. On the other hand, embryonic stem cells (ES cells) and embryonic germ stem cells (EG cells) are not included in "differentiated living cells". As used herein, "differentiated biological cells" include muscle tissue, connective tissue, circulatory tissue, excretory tissue, reproductive tissue, bone, cartilage, fat, blood, bone marrow, skeletal muscle, dermis, ligament, tendon. , heart, etc., preferably skin fibroblasts and fibroblasts present in various organs. The differentiated biological cells may be commercially available products, and the biological tissue is separated into individual cells that constitute the body tissue by physical or chemical treatment, and the cells containing the target cells are fractionated by a density gradient method or the like, and placed in a medium. may have been saved in
分化した生体細胞は、通常、その細胞にもっとも適した培地や培養容器で培養される。このような培地として、BME培地、BGJb培地、CMRL 1066培地、グラスゴーMEM培地、IMDM培地、メディウム199培地、イーグルMEM培地、αMEM培地、D-MEM培地、ハム培地、RPMI 1640培地、フィッシャー培地などがある。また、接着系細胞用の培養容器としては、コラーゲン各種、フィブロネクチン、ラミニン、ゼラチン、エラスチン、プロテオグリカン、ビトロネクチン、各種ポリ-リシンなどの細胞外基質をコーティングしたプラスチック製またはガラス製の培養容器がある。また、細胞非接着性細胞培養容器としては、細胞接着性の細胞外基質がコーティングされていないプラスチック製またはガラス製の培養容器がある。使用する生体細胞に応じて適宜選択することができる。 Differentiated biological cells are usually cultured in media or culture vessels most suitable for the cells. Such media include BME medium, BGJb medium, CMRL 1066 medium, Glasgow MEM medium, IMDM medium, Medium 199 medium, Eagle MEM medium, αMEM medium, D-MEM medium, Ham medium, RPMI 1640 medium, Fisher medium, and the like. be. Culture vessels for adherent cells include plastic or glass culture vessels coated with extracellular matrices such as collagen, fibronectin, laminin, gelatin, elastin, proteoglycan, vitronectin, and various types of poly-lysine. Non-adhesive cell culture vessels include plastic or glass culture vessels that are not coated with a cell-adhesive extracellular matrix. It can be appropriately selected according to the living cells to be used.
本方法では、前記分化した生体細胞を、酵素処理により個々に分離させる。分離した生体細胞は培養液中で球状化し浮遊する。例えば、線維芽細胞は接着系細胞であり、培養時に培養容器に接着し、または細胞同士が接着する。このような培養容器や細胞間の接着を回避するため、酵素処理により個々の細胞に分離する。したがって、本明細書における「酵素処理」とは、生体細胞が個別に分離された細胞浮遊液を得る操作である。使用する酵素としては、トリプシン、キモトリプシンなどのセリンプロテアーゼ、ペプシンなどのアスパラギン酸プロテアーゼ、パパイン、キモパパインなどのシステインプロテアーゼ、サーモリシンなどの金属プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、N-末端スレオニンプロテアーゼ、コラゲナーゼ、デスパーゼなどのプロテアーゼがある。本方法では、トリプシンが好適である。 In this method, the differentiated biological cells are individually separated by enzymatic treatment. The separated living cells spheroidize and float in the culture medium. For example, fibroblasts are adherent cells, and adhere to culture vessels during culture, or adhere to each other. In order to avoid such adhesion between culture vessels and cells, individual cells are separated by enzymatic treatment. Therefore, "enzymatic treatment" as used herein is an operation for obtaining a cell suspension in which living cells are individually separated. Examples of enzymes to be used include serine proteases such as trypsin and chymotrypsin, aspartic proteases such as pepsin, cysteine proteases such as papain and chymopapain, metalloproteases such as thermolysin, glutamic proteases, N-terminal threonine proteases, collagenase, dispase and other proteases. There is Trypsin is preferred for this method.
酵素処理の条件は、接着細胞を扱う際に培養容器に接着した生体細胞をはがすために用いられる濃度であり、トリプシンであれば、0.1~1質量%、より好ましくは0.1~0.3質量%である。温度は、30~40℃、より好ましくは33~38℃である。処理時間は1~60分、好ましくは1~30分、より好ましくは2~5分である。また、コラゲナーゼを使用する場合は、0.1~0.6質量%、好ましくは0.2~0.4質量%である。温度は、25~40℃、より好ましくは30~40℃である。また、処理時間は、30分から24時間である。いずれの酵素を使用する場合でも、酵素処理によって生体細胞が個々に分離した細胞浮遊液ができればよい。なお、使用する酵素の種類や処理方法によっては、生体細胞にストレスを負荷する場合がある。本方法における酵素処理の目的は、生体細胞を個々に分離させるものであり、ストレスを負荷するものではない。ストレス負荷の例として、前記特許文献3には、トリプシン中(0.25%トリプシン-HBSS)で16時間インキュベーション処理することは、ストレス刺激となる旨が記載されている。
Conditions for enzyme treatment are concentrations used for peeling off living cells adhered to a culture vessel when treating adherent cells. .3 mass %. The temperature is 30-40°C, more preferably 33-38°C. The treatment time is 1 to 60 minutes, preferably 1 to 30 minutes, more preferably 2 to 5 minutes. When using collagenase, it is 0.1 to 0.6% by mass, preferably 0.2 to 0.4% by mass. The temperature is 25-40°C, more preferably 30-40°C. Moreover, the processing time is 30 minutes to 24 hours. When any enzyme is used, it is sufficient that the enzymatic treatment produces a cell suspension in which living cells are individually separated. It should be noted that stress may be applied to living cells depending on the type of enzyme used and the treatment method. The purpose of the enzymatic treatment in this method is to separate individual living cells and not to apply stress. As an example of stress load,
なお、「分化した生体細胞」の培養培地や保存培地等に、上記酵素処理で使用する酵素の阻害剤が含まれる場合がある。その場合には、上記酵素処理に先立ち、細胞を酵素阻害剤が含まれない培養液やPBSその他の緩衝液などで洗浄する事で阻害剤を取り除き、その後に酵素処理を行う。 The culture medium, preservation medium, etc. for the "differentiated biological cells" may contain inhibitors of the enzymes used in the enzyme treatment. In that case, prior to the enzyme treatment, the inhibitor is removed by washing the cells with a culture solution containing no enzyme inhibitor, PBS, or another buffer solution, and then the enzyme treatment is performed.
細胞浮遊液に含まれる個々に分離された生体細胞は、球状である。この球状化した生体細胞を回収するには、遠心分離が好適である。通常、500~1,500rpmで2~5分間遠心し、上清を除去して沈殿する細胞を回収する。 Individually separated biological cells contained in the cell suspension are spherical. Centrifugation is suitable for recovering the spherical living cells. Usually, the cells are centrifuged at 500-1,500 rpm for 2-5 minutes, the supernatant is removed, and the precipitated cells are collected.
ついで、前記回収した球状化した生体細胞を、細胞密度が、3×105個/ml~7×108個/ml、好ましくは4×105個/ml~7×107個/ml、より好ましくは5×105個/ml~3×107個/ml、特に好ましくは1×106個/ml~2×107個/mlで静置培養する。一般に細胞は、接着培養系細胞と浮遊培養系細胞とに大別される。通常の細胞培養においては、接着培養系細胞は、ポリ-L-リシン等の接着物質がコーティングされた培養容器に播種し、容器に付着している状態で培養・増殖させる。一方、浮遊培養系細胞は、細胞非接着性細胞培養容器内で浮遊させた状態で培養させる。本方法では、分化した生体細胞が接着培養系であるか浮遊培養系であるかを問わず、静置培養を行う。なお、「静置培養」とは、培養液を撹拌しまたは旋回することなく培養することを意味する。 Then, the collected spheroidized biological cells have a cell density of 3×10 5 cells/ml to 7×10 8 cells/ml, preferably 4×10 5 cells/ml to 7×10 7 cells/ml, Static culture is more preferably carried out at 5×10 5 cells/ml to 3×10 7 cells/ml, particularly preferably 1×10 6 cells/ml to 2×10 7 cells/ml. In general, cells are broadly classified into adherent culture cells and suspension culture cells. In conventional cell culture, adherent culture cells are seeded in a culture container coated with an adhesive substance such as poly-L-lysine, and cultured and grown while adhering to the container. On the other hand, suspension culture cells are cultured in a state of being suspended in a cell non-adhesive cell culture vessel. In this method, static culture is performed regardless of whether the differentiated living cells are adherent or suspension culture. In addition, "static culture" means culturing without stirring or swirling the culture medium.
個々に分離された生体細胞は、線維芽細胞のように接着系細胞であっても溶液中で球状化し、浮遊する。一般に浮遊細胞は、培養容器に接着して成育・増殖しないため、ポリ-L-リシン等の接着物質のコーティングがない、細胞非接着性細胞培養容器が使用される。本方法では、個々に分離された生体細胞を静置培養する際に、前記生体細胞が接着系細胞である場合でも、球状化した生体細胞が容器へ接着するのを抑止するため、細胞非接着性細胞培養容器を使用する。例えば、ポリ-D-リシン、ポリ-L-リシン、2-メタクリロイルオキシエチルフォフフォリルコリン(2-Methacryloyloxyethyl Phosphoryl Choline)や、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(Poly(2-hydroxyethyl methacrylate))、コラーゲンなどがコーティングされていない、いわゆるノンコーティング容器が好適である。したがって、フィーダー細胞は不要である。 Individually separated biological cells, even adhesive cells such as fibroblasts, become spherical and float in solution. In general, floating cells do not grow or proliferate by adhering to a culture vessel, so non-adhesive cell culture vessels that are not coated with adhesive substances such as poly-L-lysine are used. In this method, when the individually separated biological cells are statically cultured, even if the biological cells are adhesive cells, in order to prevent the spherical biological cells from adhering to the container, the cell non-adhesive Use sex cell culture vessels. For example, poly-D-lysine, poly-L-lysine, 2-methacryloyloxyethyl Phosphoryl Choline and poly (2-hydroxyethyl methacrylate) (Poly(2-hydroxyethyl methacrylate)), A so-called non-coated container, which is not coated with collagen or the like, is suitable. Therefore, no feeder cells are required.
静置培養の際の容器の形状も制限はなく、例えば、フラスコ、組織培養用フラスコ、ディッシュ、ペトリディッシュ、細胞培養用ディッシュ、マルチディッシュ、マイクロプレート、マイクロウェルプレート、マルチプレート、マルチウェルプレート、チャンバースライド、シャーレ、試験管、遠沈管、トレイ、培養バッグ、ローラーボトル、プラスチック板、プラスチック製マイクロチューブなどを使用することができる。例えば、個々に分離された線維芽細胞を静置培養する場合は、平底の浮遊細胞培養用フラスコを使用してもよく、試験管や遠沈管などの容器底面が湾曲している深型容器で静置培養してもよい。平底で培養する際の好ましい細胞密度は、培地面積当たり1×105個/cm2~7×106個/cm2程度が好ましい。深型容器の場合の培地面積当たりの細胞密度は、これより高濃度となるが、細胞密度が3×105個/ml~7×108個/mlで静置培養するのであれば、培地面積当たりの細胞数に限定はない。 There are no restrictions on the shape of the vessel for static culture, and examples include flasks, tissue culture flasks, dishes, Petri dishes, cell culture dishes, multidishes, microplates, microwell plates, multiplates, multiwell plates, Chamber slides, petri dishes, test tubes, centrifuge tubes, trays, culture bags, roller bottles, plastic plates, plastic microtubes, and the like can be used. For example, when statically culturing individually isolated fibroblasts, a flat-bottomed floating cell culture flask may be used, or a deep vessel with a curved bottom such as a test tube or centrifuge tube may be used. Static culture may be used. A preferable cell density for culturing on a flat bottom is about 1×10 5 cells/cm 2 to 7×10 6 cells/cm 2 per medium area. In the case of a deep container, the cell density per medium area is higher than this, but if the cell density is 3×10 5 cells/ml to 7×10 8 cells/ml and static culture is performed, the medium There is no limit to the number of cells per area.
個々に分離した細胞を上記細胞密度で静置培養すると、時間の経過に伴い細胞は培養液中を自然落下し、容器底に落下した細胞の上に他の細胞が積み重なって重層化する。上記した細胞密度条件下では、容器底に沈んだ最下層の細胞の上に積み重なる幾層もの細胞層ができあがり、培養溶液内で細胞同士が接触・接着する場合がある。 When the individually separated cells are statically cultured at the above cell density, the cells naturally fall into the culture solution over time, and other cells pile up on top of the cells that have fallen to the bottom of the vessel to form a stratified layer. Under the cell density conditions described above, many cell layers are formed on top of the bottom layer of cells that have sunk to the bottom of the vessel, and the cells may contact and adhere to each other in the culture solution.
本方法の特徴は、個々に分離した生体細胞を静置培養する際、3×105個/ml~7×108個/mlの細胞密度に調整して培養を開始する点にある。哺乳動物細胞の基本的性質として、細胞培養容器に満杯つまりコンフルエントの状態が続くと、接着細胞は自然剥離し死を迎え、浮遊細胞もアポトーシスによる細胞死を迎える。細胞培養を行う際、培養容器や栄養原等の培養環境が整っていても、細胞同士が密着している高密度状態が継続すると、細胞は長期間生存することができない。正常細胞、各細胞株、ガン細胞を含む一般的な細胞高密度状態とは、培養容器の面積に対して、8×103~2×104個/cm2である。通常の細胞培養はこれよりも低い細胞密度状態で行うため、細胞同士が殆ど接触することなく、細胞の増殖能力の低下や細胞死への危険性等々が回避でき、細胞の恒常性や、用いた細胞種特有の細胞形態や性質を保持することができる。本方法では、高密度で静置培養するものであり、細胞密度は、平底容器の場合、1×105個/cm2~7×106個/cm2であり、または溶液あたりの細胞密度は3×105個/ml~7×108個/mlである。通常、上記した細胞密度では、播種された細胞数が多すぎて細胞間の距離が近くもしくは密着状態となり、短期間でコンフルエント状態になる。このため、増殖能力の低下や細胞特異的形態の不全、細胞死への危険性が生ずる場合がある。しかしながら、個々に分離した球状化の生体細胞を細胞非接着性細胞培養容器を用いて、上記細胞密度で静置培養させると、培養液中で浮遊した細胞が経時的に自然落下して容器底で細胞同士が接触し、5~8時間でスフェロイドを形成することが判明した。しかも驚いたことに、このスフェロイドを構成する細胞は、胚性幹細胞および多能性幹細胞のマーカーを発現するのである。なお、後記する実施例に示すように、細胞密度が3×105個/ml未満の場合は、細胞非接着性細胞培養容器や接着系細胞用培養容器で静置培養しても、スフェロイドを形成しない。したがって、本方法は、分化した生体細胞からスフェロイドを形成させる方法、および分化した生体細胞由来のスフェロイドに、多能性幹細胞マーカーを発現させる方法といえる。 The feature of this method is that when the individually separated living cells are statically cultured, the culture is started after adjusting the cell density to 3×10 5 cells/ml to 7×10 8 cells/ml. As a basic property of mammalian cells, when the cell culture vessel is full, that is, in a confluent state, adherent cells spontaneously detach and die, and floating cells also die by apoptosis. When performing cell culture, even if a culture environment such as a culture vessel and nutrient sources is in place, the cells cannot survive for a long period of time if the high-density state in which the cells adhere to each other continues. A general cell density state including normal cells, cell lines, and cancer cells is 8×10 3 to 2×10 4 cells/cm 2 with respect to the area of the culture vessel. Since normal cell culture is performed at a lower cell density than this, the cells hardly come into contact with each other, avoiding a decrease in cell proliferation ability and the risk of cell death. It is possible to retain the cell morphology and properties peculiar to the cell type. In this method, stationary culture is performed at high density, and the cell density is 1×10 5 cells/cm 2 to 7×10 6 cells/cm 2 in the case of a flat-bottomed vessel, or the cell density per solution is is between 3×10 5 cells/ml and 7×10 8 cells/ml. Usually, at the cell density described above, the number of seeded cells is too large and the distance between the cells is short or the cells are in close contact, resulting in a confluent state in a short period of time. This may result in decreased proliferative capacity, failure of cell-specific morphology, and risk of cell death. However, when the individually separated spheroidized biological cells are statically cultured at the above cell density using a cell non-adhesive cell culture vessel, the cells floating in the culture medium naturally fall over time and fall to the bottom of the vessel. It was found that the cells came into contact with each other and formed spheroids in 5 to 8 hours. Surprisingly, the cells that make up these spheroids express markers of embryonic stem cells and pluripotent stem cells. As shown in the examples below, when the cell density is less than 3×10 5 cells/ml, spheroids can be produced by stationary culture in a non-adherent cell culture vessel or an adherent cell culture vessel. do not form Therefore, this method can be said to be a method of forming spheroids from differentiated living cells and a method of expressing pluripotent stem cell markers in spheroids derived from differentiated living cells.
多能性幹細胞マーカーには、NANOG、SOX2、Oct-3/4、Klf4、Lin28、TRA-1-60、SSEA-1、SSEA-4、c-Myc、PAR4、TRA-1-81、SSEA-3、ALPなどがある。NANOG、SOX2、Oct-3/4は、多能性幹細胞に必須のマーカーである。上記により形成されるスフェロイドは、OCT3/4、SOX2およびNANOGからなる群から選択される少なくとも1種の多能性幹細胞マーカーと、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA-3、SSEA-4およびALPからなる群から選択される少なくとも1種の多能性幹細胞マーカーとを発現する。後記する実施例では、上記操作によって形成されたスフェロイドは、NANOG、SOX2およびOct-4を発現し、および、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA-3、SSEA-4およびALPを発現するものであった。多能性幹細胞マーカーを発現したことは、当該細胞が多能性状態に変化したことを示すものである。本明細書において、「多能性幹細胞様スフェロイド」とは、細胞の凝集体であり、前記凝集体を構成する細胞がOCT3/4、SOX2およびNANOGからなる群から選択される少なくとも1種の多能性幹細胞マーカーと、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA-3、SSEA-4およびALPからなる群から選択される少なくとも1種の多能性幹細胞マーカーとを発現するものとする。 Pluripotent stem cell markers include NANOG, SOX2, Oct-3/4, Klf4, Lin28, TRA-1-60, SSEA-1, SSEA-4, c-Myc, PAR4, TRA-1-81, SSEA- 3, and ALP. NANOG, SOX2, Oct-3/4 are essential markers for pluripotent stem cells. The spheroids formed by the above include at least one pluripotent stem cell marker selected from the group consisting of OCT3/4, SOX2 and NANOG, PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA-3 , SSEA-4 and at least one pluripotent stem cell marker selected from the group consisting of ALP. In the examples below, spheroids formed by the above manipulations expressed NANOG, SOX2 and Oct-4, and PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA-3, SSEA-4 and ALP was expressed. Expression of a pluripotent stem cell marker indicates that the cell has changed to a pluripotent state. As used herein, the term "pluripotent stem cell-like spheroids" refers to aggregates of cells, and the cells constituting the aggregates are at least one type of multipotent cell selected from the group consisting of OCT3/4, SOX2 and NANOG. expressing a potent stem cell marker and at least one pluripotent stem cell marker selected from the group consisting of PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA-3, SSEA-4 and ALP and
多能性幹細胞は、その分化の経過に伴い異なる細胞種のマーカーを発現し、例えば、肝細胞に分化する場合には、アルブミンが発現されるようになる。最終的に分化した肝細胞は、アルブミンを発現し、多能性幹細胞マーカーの発現は消失する。異なる細胞種のマーカーの発現の程度や、多能性幹細胞マーカーの消失の程度は分化の程度などに応じて異なるが、胚性幹細胞および多能性幹細胞マーカーの発現は、いずれにも分化していない初期化状態にあることを意味する。上記により調製されたスフェロイドは、胚性幹細胞および多能性幹細胞マーカーを発現するため、初期化状態にある多能性幹細胞スフェロイドである。したがって、本方法は、分化した生体細胞を初期化する方法といえる。 Pluripotent stem cells express markers of different cell types as they differentiate, for example albumin is expressed when they differentiate into hepatocytes. Terminally differentiated hepatocytes express albumin and lose expression of pluripotent stem cell markers. Although the degree of expression of markers for different cell types and the degree of loss of pluripotent stem cell markers differ depending on the degree of differentiation, the expression of both embryonic stem cells and pluripotent stem cell markers is different. It means that it is in a non-initialized state. The spheroids prepared as described above are pluripotent stem cell spheroids in a reprogrammed state because they express embryonic stem cells and pluripotent stem cell markers. Therefore, this method can be said to be a method for reprogramming differentiated living cells.
本方法の多能性幹細胞様スフェロイドの製造方法は、長時間の酵素処理によるストレス負荷がなく、OCT3/4、SOX2、KLF4、c-Mycなどの人工核酸やリプロティン(Reprotin)(非特許文献1参照)などの導入タンパク質を使用する必要がない。線維芽細胞で例示すれば、酵素処理によって個々に分離した球状化した線維芽細胞を3×105個/ml~7×108個/mlに調整し、10%ウシ胎児血清を含有するD-MEM培地を使用し、温度30~40℃、より好ましくは33~38℃、CO2を供給しつつ、3時間から30日間、より好ましくは5時間から10日間、より好ましくは5時間~7日間、細胞非接着性細胞培養容器中で静置培養すればよい。個々に分離し球状化した生体細胞を上記条件で培養すると、近傍の細胞同士が相互に凝集し、継時的に凝集体が増大し、ほぼ全ての生細胞が凝集したスフェロイドを形成する。 The method for producing pluripotent stem cell-like spheroids of this method does not require stress load due to long-term enzyme treatment, and artificial nucleic acids such as OCT3/4, SOX2, KLF4, and c-Myc and Reprotin (non-patent literature) 1) does not need to be used. Using fibroblasts as an example, individually separated spherical fibroblasts were adjusted to 3×10 5 cells/ml to 7×10 8 cells/ml by enzymatic treatment and treated with D containing 10% fetal bovine serum. - using MEM medium at a temperature of 30-40°C, more preferably 33-38°C, supplying CO 2 for 3 hours to 30 days, more preferably 5 hours to 10 days, more preferably 5 hours to 7 Static culture may be performed for days in a cell-non-adhesive cell culture vessel. When the individually separated and spherical living cells are cultured under the above conditions, adjacent cells aggregate with each other, the aggregate increases over time, and almost all living cells aggregate to form spheroids.
本方法の多能性幹細胞様スフェロイドを構成する細胞のうち、前記多能性幹細胞マーカーを発現する細胞の割合は、95~100%である。また、操作工程でストレス負荷が無いため、死細胞がほとんど観察されない。静置培養する際の死細胞数は0~5%と極めて低値である。これは、分化した生体細胞から90~100%、より好ましくは95~98%の変換率で、多能性幹細胞マーカーを発現する細胞へ変換できたことを意味する。 Among the cells constituting the pluripotent stem cell-like spheroids of this method, the percentage of cells expressing the pluripotent stem cell marker is 95-100%. In addition, almost no dead cells are observed because there is no stress load in the operation process. The number of dead cells during static culture is extremely low at 0-5%. This means that differentiated living cells could be converted into cells expressing pluripotent stem cell markers with a conversion rate of 90-100%, more preferably 95-98%.
分化した生体細胞から多能性幹細胞マーカーを発現する細胞への変換率が高いため、静置培養する際に、細胞数を調製することで細胞数に対応してスフェロイドの直径を調整することができる。特に、試験管や遠沈管などを培養容器として静置培養すると経時的に細胞が一カ所に集合する。線維芽細胞であれば、細胞密度1.25×107個の細胞浮遊液の30μlを培養して直径約1mmのスフェロイドを形成することができ、500μlを培養して直径約4mmのスフェロイドを形成することができる。このように、異なる細胞数を静置培養することで、培養細胞数に応じて、直径0.1~4mmの多能性幹細胞様スフェロイドを製造することができる。このため、多能性幹細胞の抗体を用いた濃縮操作や、単一細胞に分離した後に浮遊培養してスフェロイドを増加させ、もしくは大型化させるなどの工程が不要である。この点、細胞塊の最大直径が約150μmであるMuse細胞と相違する。 Since the conversion rate from differentiated living cells to cells expressing pluripotent stem cell markers is high, it is possible to adjust the spheroid diameter according to the cell number by adjusting the cell number during static culture. can. In particular, when static culture is performed using a test tube, a centrifuge tube, or the like as a culture vessel, the cells aggregate together over time. For fibroblasts, 30 μl of a cell suspension with a cell density of 1.25×10 7 cells can be cultured to form spheroids with a diameter of about 1 mm, and 500 μl can be cultured to form spheroids with a diameter of about 4 mm. can do. By statically culturing different numbers of cells in this way, pluripotent stem cell-like spheroids with a diameter of 0.1 to 4 mm can be produced depending on the number of cultured cells. For this reason, there is no need for a concentration operation using an antibody against pluripotent stem cells, or a step such as separation into single cells followed by suspension culture to increase or enlarge spheroids. In this respect, it is different from Muse cells in which the maximum diameter of the cell aggregates is about 150 μm.
本方法で形成されたスフェロイドは、静置培養の際に近傍の細胞同士が凝集して形成されたものであり、1つの細胞が増殖して形成されたものではない。したがって、異なる細胞、すなわち異なるクローンが集合してなる「多クローン」といえる。しかも、前記細胞凝集は経時的かつ例外なく起こり、スフェロイドのサイズは凝集の経過とともに増大する。後記する実施例では、6時間という短時間で多能性幹細胞様スフェロイドを調製している。すなわち、球状化した線維芽細胞を調製すれば、静置培養という1ステップで多能性幹細胞様スフェロイドを短時間に、極めて大量に調製することができる。これに対し、特許文献3記載のMuse細胞は、ヒト皮膚線維芽細胞に16時間のトリプシンによるインキュベーション処理というストレス刺激を与えて培養・選別し、得られた単一細胞を浮遊培養してなる富Muse細胞画分で形成される細胞塊である。培養により増殖しているため「単クローン」といえる。しかも、富Muse細胞画分の調製は容易ではなく、この画分から得た単一細胞を複数回の浮遊培養および接着培養を行うことで、Muse細胞の数を増やすというものである。多段階からなる細胞増殖操作が必要で、目的細胞数を獲得するのに長時間を要する。
The spheroids formed by this method are formed by agglutination of neighboring cells during static culture, and are not formed by proliferation of a single cell. Therefore, it can be said that it is a "polyclone" in which different cells, that is, different clones are aggregated. Moreover, the cell aggregation occurs over time and without exception, and the size of the spheroids increases along with the progress of aggregation. In Examples described later, pluripotent stem cell-like spheroids are prepared in a short time of 6 hours. That is, by preparing spherical fibroblasts, it is possible to prepare a large amount of pluripotent stem cell-like spheroids in a short period of time in one step of static culture. On the other hand, the Muse cells described in
本方法によれば、短時間で大量の多能性幹細胞様スフェロイドを調製することができる。しかも、例えば直径0.5mmのスフェロイドは目視でき、かつ自重で沈降するため高価な遠心装置などを必要とせずに回収することができる。研究や治療で必要な時に必要な量だけ簡便に調製することができ、時間と経費を節約することができる。操作が簡便であるため、細胞へのストレスが少なく、不要の操作ミスを回避することができる。 According to this method, a large amount of pluripotent stem cell-like spheroids can be prepared in a short time. Moreover, spheroids with a diameter of 0.5 mm, for example, can be visually observed and can be recovered without the need for an expensive centrifugal device because they settle under their own weight. It can be easily prepared in the required amount when required for research or treatment, and can save time and money. Since the operation is simple, there is little stress on the cells, and unnecessary operational errors can be avoided.
本方法により調製した多能性幹細胞様スフェロイドは、再生医療に応用することができる。近年、特定の臓器を作ることのできないブタの胚盤胞に、被験者由来のiPS細胞を注入し、前記iPS細胞由来の細胞からなる臓器をブタに再生させる技術が開発されている。iPS細胞に代えて、被験者の分化した生体細胞から本方法で調製した多能性幹細胞様スフェロイドを使用すれば、癌化等の問題を回避して、臓器を再生させることができる。なお、被験者由来の幹細胞として自己の骨髄、胎盤、臍帯血、へその緒、羊膜などから得られる幹細胞があり、これを液体窒素などで超低温保存する「幹細胞バンク」もある。しかしながら、本方法によれば、被験者の線維芽細胞などの生体細胞から、多能性幹細胞様スフェロイドを調製できるため、凍結保存の必要がなく、かつ溶解時の生細胞数の低下などを問題とする必要もない。 Pluripotent stem cell-like spheroids prepared by this method can be applied to regenerative medicine. In recent years, a technique has been developed in which subject-derived iPS cells are injected into pig blastocysts, which are unable to generate specific organs, to regenerate pigs with organs composed of the iPS cell-derived cells. By using pluripotent stem cell-like spheroids prepared from differentiated living cells of a subject by this method instead of iPS cells, problems such as canceration can be avoided and organs can be regenerated. Stem cells derived from subjects include stem cells obtained from the subject's own bone marrow, placenta, umbilical cord blood, umbilical cord, amniotic membrane, etc., and there is also a "stem cell bank" in which these cells are ultra-cold preserved in liquid nitrogen or the like. However, according to this method, since pluripotent stem cell-like spheroids can be prepared from living cells such as fibroblasts of a subject, there is no need for cryopreservation, and there are problems such as a decrease in the number of viable cells during lysis. No need to.
本発明の第二は、OCT3/4、SOX2およびNANOGからなる群から選択される少なくとも1種の多能性幹細胞マーカーと、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA-3、SSEA-4およびALPからなる群から選択される少なくとも1種の多能性幹細胞マーカーとを発現する細胞で構成される、直径0.1~4mm、多クローン性の多能性幹細胞様スフェロイドである。この多能性幹細胞様スフェロイドは、分化した生体細胞を原料として本発明の第一によって製造できるが、これに限定されるものではない。従来、幹細胞を増殖してなる単クローン性のスフェロイドは存在し、例えばMuse細胞の場合は直径約150μmであった。Muse細胞は、爆発的増殖を防ぐための多重のセキュリティーシステムを有する。このため大型のスフェロイドを調製することは容易でない。これに対し、本発明の多能性幹細胞様スフェロイドは、直径約0.1~4mm、より好ましくは0.5~3mmである。従来のスフェロイドと比較して大型であるため細胞増殖により大型化する必要がない。 The second of the present invention is at least one pluripotent stem cell marker selected from the group consisting of OCT3/4, SOX2 and NANOG, PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA-3, 0.1-4 mm in diameter, polyclonal pluripotent stem cell-like spheroids composed of cells expressing at least one pluripotent stem cell marker selected from the group consisting of SSEA-4 and ALP. . These pluripotent stem cell-like spheroids can be produced according to the first aspect of the present invention using differentiated living cells as raw materials, but are not limited to this. Monoclonal spheroids formed by proliferating stem cells have conventionally existed. For example, Muse cells had a diameter of about 150 μm. Muse cells have multiple security systems to prevent explosive proliferation. Therefore, it is not easy to prepare large spheroids. In contrast, the pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention are approximately 0.1-4 mm in diameter, more preferably 0.5-3 mm. Since they are larger than conventional spheroids, they do not need to be enlarged by cell proliferation.
本発明の多能性幹細胞様スフェロイドは、多能性幹細胞マーカーを発現し、多能性幹細胞として機能し、あらゆる組織・細胞種へと分化し得る。再生医療等に用いることができる。本発明の多能性幹細胞様スフェロイドは、スフェロイドを移植などに使用することもでき、多能性幹細胞様スフェロイドの細胞浮遊液を調製し、組織に付着させ増殖させ、様々な臓器細胞種へ利用できる。例えば、移植組織として皮膚、脳脊髄、肝臓、筋肉等がある。本発明の多能性幹細胞様スフェロイドを損傷あるいは障害を受けた組織、器官等に直接あるいは近傍に投与することにより、多能性幹細胞マーカーを発現する細胞がその組織、器官内に侵入し、その組織特有の細胞に分化し、組織や器官を再生し得る。 The pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention can express pluripotent stem cell markers, function as pluripotent stem cells, and differentiate into any tissue/cell type. It can be used for regenerative medicine and the like. The pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention can also be used for transplantation of spheroids, etc., by preparing a cell suspension of pluripotent stem cell-like spheroids, attaching them to tissues and proliferating them, and applying them to various organ cell types. can. For example, transplanted tissue includes skin, cerebrospinal cord, liver, muscle, and the like. By administering the pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention directly to or in the vicinity of a damaged or damaged tissue, organ, etc., cells expressing pluripotent stem cell markers enter the tissue or organ, They can differentiate into tissue-specific cells and regenerate tissues and organs.
投与は、皮下注入、静脈や動脈への注入、筋肉注入、腹腔内注入、損傷もしくは欠損した臓器内組織への直接注入等の非経口投与、胚への子宮内注入等により行うことができる。投与量は、再生しようとする臓器内器官や組織の種類・希望する大きさ、再生する程度により適宜決定することができる。 Administration can be carried out by subcutaneous injection, injection into veins or arteries, intramuscular injection, intraperitoneal injection, parenteral administration such as direct injection into damaged or missing organ tissues, intrauterine injection into embryos, and the like. The dosage can be appropriately determined according to the type of organ or tissue to be regenerated, the desired size, and the degree of regeneration.
また、本発明の多能性幹細胞様スフェロイドを予め分化誘導し、分化した細胞を再生医療に用いることもできる。後記する実施例6に示すように、スフェロイド培養後のサイズを経時的に評価したところ、培養後67時間時に最大となり、その後培養94時間時まで形質転換時のサイズを維持していた。本発明の多能性幹細胞様スフェロイドは、腫瘍化遺伝子などを導入して調製したものでなく、かつ培養後にサイズ増加で推察される腫瘍化が観察されないことから、予め分化誘導したものを再生医療に使用しても癌化の可能性が極めて低い。 Alternatively, the pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention can be induced to differentiate in advance, and the differentiated cells can be used in regenerative medicine. As shown in Example 6 below, when the size after spheroid culture was evaluated over time, it reached a maximum at 67 hours after culture, and then maintained the size at the time of transformation until 94 hours after culture. The pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention are not prepared by introducing an oncogenic gene or the like, and tumorigenesis, which can be inferred from an increase in size after culturing, is not observed. The possibility of carcinogenesis is extremely low even if it is used for
本発明の多能性幹細胞様スフェロイドは、疾病のメカニズム解明等の基礎的研究、治療薬開発、薬剤の効果や毒性に関するスクリーニング、薬剤評価などに使用することができる。例えば、多能性幹細胞様スフェロイドからできた胚様体様細胞塊、多能性幹細胞様スフェロイドや前記胚様体様細胞塊から分化させて得られた細胞、組織や器官を薬剤評価や薬剤スクリーニングの材料として用いることができる。例えば、本発明の多能性幹細胞様スフェロイドは、分化誘導因子として、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびイソプロテレノール、または繊維芽細胞成長因子4(FGF4)、肝細胞成長因子(HGF)等を培地に添加して培養することで分化誘導して目的の細胞を得ることができる。一方、本発明の多能性幹細胞様スフェロイドに各種の因子を添加して分化の有無を評価し、分化誘導因子の同定に使用することができる。本発明の多能性幹細胞様スフェロイドを使用することで、各細胞種への分化誘導や運命決定因子の研究を促進させることができる。 The pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention can be used for basic research such as elucidation of disease mechanisms, development of therapeutic agents, screening for efficacy and toxicity of drugs, evaluation of drugs, and the like. For example, drug evaluation and drug screening of embryoid-like cell clusters made from pluripotent stem cell-like spheroids, pluripotent stem cell-like spheroids, and cells, tissues and organs obtained by differentiating from the embryoid-like cell clusters It can be used as a material for For example, the pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention contain basic fibroblast growth factor (bFGF), vascular endothelial growth factor (VEGF), dimethylsulfoxide (DMSO) and isoproterenol, or fibroblasts as differentiation inducers. By adding cell growth factor 4 (FGF4), hepatocyte growth factor (HGF) or the like to the medium and culturing, differentiation can be induced to obtain desired cells. On the other hand, various factors can be added to the pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention to evaluate the presence or absence of differentiation, and used to identify differentiation-inducing factors. By using the pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention, it is possible to promote differentiation induction into each cell type and research on fate-determining factors.
本発明によれば、外来遺伝子の導入、転写物、タンパク質、核成分、細胞質、その他の外来リプログラミング因子の使用なしに、分化した生体細胞から多能性幹細胞マーカーを発現するスフェロイドを得ることができる。しかしながら、多能性幹細胞マーカーを発現する理由は不明である。この現象をリプログラミングとすれば、従来の細胞培養との相違は、細胞の培養条件において、高密度もしくは接触状態で培養する点のみである。高密度・接触培養が、一種のストレス負荷と考えることもできるが、生体内の細胞はそもそも接触生存しているためストレスとは考えにくく、実施例においても培養中の死細胞数もほとんどない。上記現象をリプログラミングと解しても、現時点で本発明の多能性幹細胞様スフェロイドにおけるリプログラミング発現機構は不明である。 According to the present invention, spheroids expressing pluripotent stem cell markers can be obtained from differentiated biological cells without the introduction of exogenous genes, transcripts, proteins, nuclear components, cytoplasm, or other exogenous reprogramming factors. can. However, the reason for expressing pluripotent stem cell markers is unknown. Assuming that this phenomenon is reprogramming, the only difference from conventional cell culture is that the cells are cultured at a high density or in a contact state. High-density contact culture can be considered as a kind of stress load, but it is difficult to think of it as a stress because cells in vivo survive in contact in the first place. Even if the above phenomenon is interpreted as reprogramming, the mechanism of reprogramming expression in the pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention is currently unknown.
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。 EXAMPLES Next, the present invention will be specifically described with reference to examples, but these examples are not intended to limit the present invention in any way.
(実施例1)
(1)接着系細胞用細胞培養シャーレ(住友ベークライト株式会社、商品名「細胞培養用シャーレ90φ(深型)」)を使用し、1.5×106個のヒト皮膚線維芽細胞(HDF、クラボウ社より購入)を、D-MEM培地(High Glucose、和光純薬工業株式会社、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有)10ml、37℃、5%CO2の条件で80%コンフルエントになるまで48時間培養した。
(2)前記シャーレ内の同D-MEM培地をアスピレーターで除去し、0.01Mのリン酸緩衝液(PBS)を15ml入れて撹拌し、残存するウシ胎児血清成分を含むD-MEM培地を取り除き、接着するヒト皮膚線維芽細胞の洗浄を行った。
(3)同PBS洗浄細胞にトリプシンを500μl加え、37℃、3分処理し、接着していた細胞を剥がし個々に分離した。次いで、同D-MEM培地を5ml加えトリプシン反応を停止させた後、15ml遠沈管に移して1,000rpmで5分間遠心し、沈殿した3.9×106個の個々に分離したヒト皮膚線維芽細胞を得た。
(4)遠沈して得られた個々に分離したヒト皮膚線維芽細胞に同D-MED培地3mlを加え、その1.5ml(2×106個)の細胞懸濁液を、ガラスボトムディッシュ(株式会社FPI社製、ノンコーティング、ホール径1.4mm、培養面積9.6cm2)に移し、37℃、5%CO2の条件下で静置培養した。なお、培養面積当たりの細胞密度は、2.1×105/cm2である。培養開始後24時間において殆ど全ての前記ヒト皮膚線維芽細胞から直径約0.1mmのスフェロイドが無数に形成された。結果を図1に示す。図1は、培養開始時、培養5時間後、培養14時間後、および培養26時間後の微分干渉顕微鏡像である。死細胞はほとんど観察されなかった。
(Example 1)
(1) Using a cell culture petri dish for adhesive cells (Sumitomo Bakelite Co., Ltd., trade name “cell culture petri dish 90φ (deep type)”), 1.5 × 10 human skin fibroblasts (HDF, 10 ml of D-MEM medium (High Glucose, Wako Pure Chemical Industries, Ltd., containing 10% fetal bovine serum, 1% penicillin/streptomycin), 37° C., 5% CO 2 to 80% confluency. It was cultured for 48 hours until .
(2) Remove the same D-MEM medium in the petri dish with an aspirator, add 15 ml of 0.01 M phosphate buffer (PBS) and stir to remove the remaining D-MEM medium containing fetal bovine serum components. , washing of adhering human dermal fibroblasts.
(3) 500 μl of trypsin was added to the same PBS-washed cells, and the cells were treated at 37° C. for 3 minutes to peel off adherent cells and separate them individually. Next, 5 ml of the same D-MEM medium was added to stop the trypsin reaction, and the mixture was transferred to a 15 ml centrifuge tube and centrifuged at 1,000 rpm for 5 minutes to precipitate 3.9×10 6 individually separated human dermal fibers. blast cells were obtained.
(4) 3 ml of the same D-MED medium was added to the individually separated human skin fibroblasts obtained by centrifugation, and 1.5 ml (2×10 6 cells) of the cell suspension was placed in a glass bottom dish. (manufactured by FPI Co., Ltd., non-coated, hole diameter 1.4 mm, culture area 9.6 cm 2 ), and statically cultured under conditions of 37° C. and 5% CO 2 . The cell density per culture area was 2.1×10 5 /cm 2 . Twenty-four hours after the start of culture, almost all of the human skin fibroblasts formed countless spheroids with a diameter of about 0.1 mm. The results are shown in FIG. FIG. 1 shows differential interference contrast microscope images at the start of culture, after 5 hours of culture, after 14 hours of culture, and after 26 hours of culture. Few dead cells were observed.
(実施例2)
(1)接着系細胞用細胞培養シャーレ(住友ベークライト株式会社、商品名「細胞培養用シャーレ90φ(深型)」)2枚と接着系細胞用細胞培養シャーレ(住友ベークライト株式会社、商品名「細胞培養用シャーレ60φ」)1枚とを使用し、それぞれ2×106個と0.6×106個のヒト皮膚線維芽細胞(HDF、クラボウ社より購入)をD-MEM培地(High Glucose、和光純薬工業株式会社、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有)10mlと3mlを用いて、37℃、5%CO2の条件下で48時間培養した。実施例1の工程(2)および(3)に準じて細胞の洗浄とトリプシン処理を行い、これを合一して、1.87×107個の個々に分離されたヒト皮膚線維芽細胞を得た。
(2)遠心操作(1,000rpm、5分間)にて得られたヒト皮膚線維芽細胞沈渣に同D-MEM培地5mlを加えて細胞懸濁液を調製し、その1.5mlを96ウェルプレート用の蓋部(greiner bio-one社製、商品名「LID FOR MICROPLATE、ノンコーティング」、蓋部面積4.84cm2)に同細胞懸濁液を乗せた。これを、37℃、5%CO2の条件で24時間、静置培養した。細胞密度は、3.7×106個/ml、約1.2×106個/cm2であった。上記蓋上部におけるヒト皮膚線維芽細胞の殆ど全てから多数のスフェロイドが形成された。
(3)スフェロイドを含む浮遊液を0.5mlのマイクロチューブ9本に150μlづつ分注し、多能性幹細胞のマーカータンパク質に特異的な抗体を用いた免疫細胞化学染色法にて、OCT3/4、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA3、SSEA4、ALP、SOX2、NANOG等のタンパク質の発現を確認した。その結果、全ての細胞においてOCT3/4、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA3、SSEA4、ALP、SOX2、NANOGの全てが陽性であることが判明した。結果を図2~図10に示す。なお、各幹細胞マーカーを検出した図において、左上は微分干渉顕微鏡像(DIC像)、左下は4’,6-diamidino-2-phenylindoleで染色し、蛍光顕微鏡で観察した像(DAPI像)、右下は各多能性幹細胞のマーカータンパク質を蛍光色素(Alexa488)にて染色し、蛍光顕微鏡で観察した像(蛍光色素像)、右上はDAPI像と蛍光色素像を重ね合わせた像である。
(Example 2)
(1) Two cell culture dishes for adherent cells (Sumitomo Bakelite Co., Ltd., trade name "cell culture petri dish 90φ (deep type)") and two cell culture dishes for adherent cells (Sumitomo Bakelite Co., Ltd., trade name "cells") 2×10 6 and 0.6×10 6 human dermal fibroblasts (HDF, purchased from Kurabo Industries, Ltd.) were added to D-MEM medium (High Glucose, Wako Pure Chemical Industries, Ltd., containing 10% fetal bovine serum and 1% penicillin/streptomycin) were used and cultured for 48 hours at 37° C. and 5% CO 2 . Cells were washed and trypsinized according to steps (2) and (3) of Example 1, and combined to obtain 1.87×10 7 individually isolated human dermal fibroblasts. Obtained.
(2) 5 ml of the same D-MEM medium was added to the human skin fibroblast sediment obtained by centrifugation (1,000 rpm, 5 minutes) to prepare a cell suspension, and 1.5 ml of the same was added to a 96-well plate. The same cell suspension was placed on a lid (manufactured by greiner bio-one, trade name “LID FOR MICROPLATE, non-coating”, lid area 4.84 cm 2 ). This was statically cultured for 24 hours under conditions of 37° C. and 5% CO 2 . The cell density was 3.7×10 6 /ml, approximately 1.2×10 6 /cm 2 . Numerous spheroids were formed from almost all of the human skin fibroblasts in the upper lid.
(3) Dispense 150 µl of the suspension containing spheroids into nine 0.5 ml microtubes, and perform immunocytochemical staining using an antibody specific to a marker protein of pluripotent stem cells to determine OCT3/4. , PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA3, SSEA4, ALP, SOX2 and NANOG. As a result, all cells were found to be positive for OCT3/4, PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA3, SSEA4, ALP, SOX2 and NANOG. The results are shown in FIGS. 2-10. In the figure where each stem cell marker was detected, the upper left is a differential interference microscope image (DIC image), the lower left is an image stained with 4',6-diamidino-2-phenylindole and observed with a fluorescence microscope (DAPI image), and the right The lower image is an image (fluorochrome image) observed under a fluorescence microscope after the marker protein of each pluripotent stem cell was stained with a fluorescent dye (Alexa488), and the upper right image is an image in which the DAPI image and the fluorescent dye image are superimposed.
なお、スフェロイドを形成していない通常形態のヒト皮膚線維芽細胞(HDF、クラボウ社より購入)について上記と同様に免疫細胞化学染色法にて、OCT3/4、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA3、SSEA4、ALP、SOX2、NANOG等のタンパク質の発現を評価した。しかしながら、何れの多能性幹細胞マーカーも発現していなかった。 In addition, OCT3/4, PAR4, TRA-1-60, TRA were analyzed by immunocytochemical staining method in the same manner as above for human skin fibroblasts (HDF, purchased from Kurabo Industries) that do not form spheroids. -1-81, SSEA3, SSEA4, ALP, SOX2, NANOG and other proteins were evaluated. However, none of the pluripotent stem cell markers were expressed.
(実施例3)
(1)4枚の接着系細胞用細胞培養シャーレ(住友ベークライト株式会社製、商品名「細胞培養用シャーレ90φ(深型)」)を用いて、実施例1の(1)~(3)と同様に操作して1.1×107個の個々に分離されたヒト皮膚線維芽細胞を得た。得られたヒト皮膚線維芽細胞にD-MEM培地(High Glucose、和光純薬工業株式会社、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有)10mlを加えて細胞懸濁液を調製し、その500μl(5.5×105個)を浮遊培養用マルチプレート(住友ベークライト株式会社製、商品名「浮遊培養用プレート12F(独立ウェル)フタ付」、ノンコーティング、平底、1ウェル底面積:3.6cm2)に移し、37℃、5%CO2で9時間、静置培養した。細胞密度は、1.1×106個/ml、1.5×105個/cm2である。培養により、ヒト皮膚線維芽細胞からスフェロイドが形成された。
(2)工程(1)で調製した細胞懸濁液200μlを、チャンバースライド(AGCテクノグラス社IWAKI製、商品名「チャンバースライドII」、コラーゲンコーチィング、1ウェル底面積:9cm2)に移し、同D-MEM培地を1ml加えて37℃、5%CO2で9時間、静置培養した。細胞密度は、1.8×105個/ml、2.4×104個/cm2である。培養されたヒト皮膚線維芽細胞は、スライドグラスに接着した通常のヒト皮膚線維芽細胞の形態をとった。
(3)実施例3の工程(1)で得たスフェロイドを1.5mlマイクロチューブに回収し、6,200rpmで10秒間遠心し、スフェロイドのペレットを得た。
(4)実施例3の工程(2)で得た通常のヒト皮膚線維芽細胞に、実施例3の工程(3)で回収したスフェロイドのペレットを加えて、26時間共培養した。共培養により、通常形態のヒト皮膚線維芽細胞と接したスフェロイドは、経時的に通常のヒト皮膚線維芽細胞に変化した。結果を図11に示す。図11は、共培養開始時、2時間後、4時間後、26時間後の微分干渉顕微鏡像である。
(Example 3)
(1) Using four cell culture dishes for adhesive cells (manufactured by Sumitomo Bakelite Co., Ltd., trade name "cell culture dish 90φ (deep type)"), (1) to (3) of Example 1 A similar procedure yielded 1.1×10 7 individually isolated human dermal fibroblasts. 10 ml of D-MEM medium (High Glucose, Wako Pure Chemical Industries, Ltd., containing 10% fetal bovine serum, 1% penicillin/streptomycin) was added to the obtained human skin fibroblasts to prepare a cell suspension. 500 μl (5.5×10 5 cells) was transferred to a multiplate for suspension culture (manufactured by Sumitomo Bakelite Co., Ltd., trade name “plate for suspension culture 12F (independent well) with lid”, non-coated, flat bottom, 1 well bottom area: 3). 0.6 cm 2 ) and incubated statically at 37° C., 5% CO 2 for 9 hours. Cell densities are 1.1×10 6 /ml, 1.5×10 5 /cm 2 . Spheroids were formed from human dermal fibroblasts by culturing.
(2) Transfer 200 μl of the cell suspension prepared in step (1) to a chamber slide (manufactured by IWAKI, AGC Techno Glass Co., trade name “Chamber Slide II”, collagen coating, bottom area of 1 well: 9 cm 2 ). 1 ml of D-MEM medium was added and static culture was carried out at 37° C. and 5% CO 2 for 9 hours. Cell densities are 1.8×10 5 /ml, 2.4×10 4 /cm 2 . The cultured human skin fibroblasts had the morphology of normal human skin fibroblasts adhered to glass slides.
(3) The spheroids obtained in step (1) of Example 3 were collected in a 1.5 ml microtube and centrifuged at 6,200 rpm for 10 seconds to obtain spheroid pellets.
(4) The spheroid pellet collected in step (3) of Example 3 was added to normal human skin fibroblasts obtained in step (2) of Example 3, and co-cultured for 26 hours. Through co-culture, spheroids in contact with normal-morph human skin fibroblasts changed into normal human skin fibroblasts over time. The results are shown in FIG. FIG. 11 shows differential interference contrast microscope images at the start of coculture, 2 hours, 4 hours, and 26 hours later.
(5)実施例3の工程(1)において6時間静置培養してスフェロイドを調製した。このスフェロイドを回収し、チャンバースライド(AGCテクノグラス社IWAKI製、商品名「チャンバースライドII」、コラーゲンコーチィング、1ウェル)にてD-MEM培地(High Glucose、和光純薬工業株式会社、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有)を用いて、通常形態のヒト皮膚線維芽細胞を含まない環境で培養した。その結果、スフェロイドは細胞凝集塊の形状を維持した。この結果を図12に示す。図12は、接着細胞用培養器による培養開始時、培養開始後2時間、培養開始後4時間、および培養開始後23時間の微分干渉顕微鏡像である。接着系細胞用細胞培養容器を使用し、23時間培養した後でも、スフェロイドは線維芽細胞に戻らなかった。 (5) In step (1) of Example 3, static culture was performed for 6 hours to prepare spheroids. The spheroids were collected and placed on a chamber slide (manufactured by IWAKI, AGC Techno Glass Co., trade name “Chamber Slide II”, collagen coating, 1 well) in D-MEM medium (High Glucose, Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 10% bovine Fetal serum, containing 1% penicillin/streptomycin) was used and cultured in an environment free of normal morphology of human dermal fibroblasts. As a result, the spheroids maintained the shape of cell aggregates. The results are shown in FIG. FIG. 12 shows differential interference contrast microscope images at the start of culture in the adherent cell incubator, 2 hours after the start of culture, 4 hours after the start of culture, and 23 hours after the start of culture. Even after culturing for 23 hours using a cell culture vessel for adherent cells, the spheroids did not return to fibroblasts.
(実施例4)
(1)実施例2と同様に操作して、1.25×107個の個々に分離したヒト皮膚線維芽細胞を得た。これを1mlのD-MEM培地に懸濁した。
(2)懸濁液を1.5mlの遠沈管に、30μl(3.8×105個)、60μl(7.5×105個)、125μl(1.6×106個)、250μl(3.1×106個)、500μl(6.3×106個)移して、1,000rpmで5分間遠心し、上清を除去した。最終容量が90μlとなるようにD-MEM培地を各試験管に添加し、37℃、5%CO2の条件で15時間静置培養した。いずれの試験管でも1個のスフェロイドが形成され、その直径は、それぞれ1mm、1.4mm、1.8mm、2.8mm、4mmであった。結果を図13、図14に示す。
(Example 4)
(1) By operating in the same manner as in Example 2, 1.25×10 7 individually separated human skin fibroblasts were obtained. This was suspended in 1 ml of D-MEM medium.
(2) Put the suspension in a 1.5 ml centrifuge tube, 30 μl (3.8×10 5 ), 60 μl (7.5×10 5 ), 125 μl (1.6×10 6 ), 250 μl ( 3.1×10 6 cells), 500 μl (6.3×10 6 cells) were transferred, centrifuged at 1,000 rpm for 5 minutes, and the supernatant was removed. D-MEM medium was added to each test tube so that the final volume was 90 μl, and static culture was carried out at 37° C. and 5% CO 2 for 15 hours. One spheroid was formed in each test tube, and its diameter was 1 mm, 1.4 mm, 1.8 mm, 2.8 mm and 4 mm, respectively. The results are shown in FIGS. 13 and 14. FIG.
(実施例5)
(1)実施例1と同様に操作して、3×106個の個々に分離したヒト皮膚線維芽細胞を得た。これを1mlのD-MEM培地に懸濁し細胞懸濁液を調製した。
(2)96ウェルプレート用の蓋部(greiner bio-one社製、商品名「L ID FOR MICROPLATE、ノンコーティング」に、同細胞懸濁液を、1μl、2μl、3μl、5μl(1.5×104個)、8μl(2.4×104個)、10μl(3×104個)滴下し、37℃、5%CO2の条件で液滴状で静置培養を行った。結果を図15、図16に示す。図15および図16は、各液滴の培養開始時、培養後15時間後、培養後24時間後の細胞の各液滴、およびある1液滴の実体顕微鏡像である。1液滴の画像は、同じ液滴を継時的に観察した結果である。なお、図16の1~5μlの各ウェルプレートの図面は、下から上に向かって1μl、2μl、3μl、5μlの液滴を静置培養した図であり、1液滴の画像は、5μlの液滴の結果である。
(Example 5)
(1) By operating in the same manner as in Example 1, 3×10 6 individual human skin fibroblasts were obtained. This was suspended in 1 ml of D-MEM medium to prepare a cell suspension.
(2) 1 μl, 2 μl, 3 μl, 5 μl (1.5× 10 4 pieces), 8 μl (2.4 × 10 4 pieces), 10 μl (3 × 10 4 pieces) were added dropwise, and static culture was carried out in droplet form under the conditions of 37 ° C and 5% CO 2. The results were obtained. Fig. 15 and Fig. 16. Fig. 15 and Fig. 16 show each droplet of cells at the start of culturing of each droplet, 15 hours after culturing, and 24 hours after culturing, and a stereomicroscopic image of one droplet. The image of one droplet is the result of observing the same droplet over time.In addition, the drawing of each well plate of 1 to 5 μl in FIG. It is a diagram of stationary culture of 3 μl and 5 μl droplets, and the image of one droplet is the result of a 5 μl droplet.
(実施例6)
実施例1と同様に操作して、7.5×106個の個々に分離したヒト皮膚線維芽細胞の細胞懸濁液を得た。これにD-MEM培地(High Glucose、和光純薬工業株式会社、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有)15mlを添加して5×105個/mlの細胞懸濁液を得た。その25μlを、浮遊細胞培養用96ウェルプレート(住友ベークライト株式会社製、商品名「マルチプレート96Uフタ付」、ウェル容量0.3ml)の1ウェル内に播種し、37℃、5%CO2の条件下で17時間、36時間、67時間、94時間静置培養した。同一ウェル画像の結果を図17に示す。培養開始から経時的に複数個のスフィアが形成され、67時間後には融合した大型のスフェロイドが形成されていた。ただし、94時間後のスフェロイドのサイズは、67時間時のものと同等であった。
(Example 6)
By operating in the same manner as in Example 1, a cell suspension of 7.5×10 6 individually separated human dermal fibroblasts was obtained. 15 ml of D-MEM medium (High Glucose, Wako Pure Chemical Industries, Ltd., containing 10% fetal bovine serum, 1% penicillin/streptomycin) was added to obtain a cell suspension of 5×10 5 cells/ml. . 25 μl of it was seeded in one well of a 96-well plate for suspension cell culture (manufactured by Sumitomo Bakelite Co., Ltd., trade name “Multiplate 96U with lid”, well volume 0.3 ml), and placed at 37° C. in 5% CO 2 atmosphere. Stationary culture was carried out under these conditions for 17 hours, 36 hours, 67 hours and 94 hours. Results of the same well images are shown in FIG. A plurality of spheres were formed over time from the start of the culture, and large fused spheroids were formed after 67 hours. However, the size of the spheroids after 94 hours was similar to that at 67 hours.
(実施例7)
ヒト皮膚線維芽細胞(HDF、クラボウ社より購入)に代えてヒト正常皮膚繊維芽細胞(CCD-1079SK)を使用した以外は、実施例1と同様に操作した。9時間の培養で、スフェロイドの形成が確認された。結果を図18に示す。図18は、最大直径約0.1~0.3mmのスフェロイドの実体顕微鏡像である。
(Example 7)
The procedure was carried out in the same manner as in Example 1, except that normal human skin fibroblasts (CCD-1079SK) were used instead of human skin fibroblasts (HDF, purchased from Kurabo Industries). Formation of spheroids was confirmed after culturing for 9 hours. The results are shown in FIG. FIG. 18 is a stereomicroscopic image of spheroids with a maximum diameter of approximately 0.1 to 0.3 mm.
また、実施例2の工程(3)と同様に操作して、多能性幹細胞のマーカータンパク質に特異的な抗体を用いた免疫細胞化学染色法にて、OCT3/4、TRA-1-81およびNANOGのタンパク質の発現を確認した。結果を図19に示す。ヒト正常皮膚繊維芽細胞(CCD-1079SK)から得たスフェロイドも、OCT3/4、TRA-1-81およびNANOGを発現し、多能性幹細胞様スフェロイドと考えられた。 In addition, in the same manner as in step (3) of Example 2, OCT3/4, TRA-1-81 and OCT3/4, TRA-1-81 and NANOG protein expression was confirmed. The results are shown in FIG. Spheroids obtained from human normal skin fibroblasts (CCD-1079SK) also expressed OCT3/4, TRA-1-81 and NANOG and were considered pluripotent stem cell-like spheroids.
(比較例1)
実施例1の工程(3)で得た個々に分離したヒト皮膚線維芽細胞3.7×106個にD-MEM培地(High Glucose、和光純薬工業株式会社、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有)15mlを加えて細胞密度を2.5×105/mlとし、その1.1mlをスライドチャンバー(AGCテクノグラス社製、タイプIコラーゲンコーティング、1ウェルの面積8.36cm2)に入れ、37℃、5%CO2の条件下で静置培養した。培養面積当たりの細胞密度は、3.3×104/cm2である。15時間の培養でも、スフェロイドは形成されなかった。結果を図20に示す。図20は光学顕微鏡像である。
(Comparative example 1)
D-MEM medium (High Glucose, Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 10 % fetal bovine serum, 1 % penicillin/streptomycin) was added to adjust the cell density to 2.5×10 5 /ml, and 1.1 ml of this was added to a slide chamber (manufactured by AGC Techno Glass Co., type I collagen coating, 1 well area 8.36 cm 2 ). ) and statically cultured under conditions of 37° C. and 5% CO 2 . The cell density per culture area is 3.3×10 4 /cm 2 . No spheroids were formed even after 15 hours of culture. The results are shown in FIG. FIG. 20 is an optical microscope image.
(比較例2)
実施例1の工程(3)で得た個々に分離したヒト皮膚線維芽細胞1.2×107個にD-MEM培地(High Glucose、和光純薬工業株式会社、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有)10mlを加えて細胞密度を1.2×106/mlとし、その20μlと前記D-MED培地1mlとをガラスボトムディッシュ(株式会社FPI社製、ノンコーティング、ホール径1.4mm、培養面積9.6cm2)に入れ、37℃、5%CO2の条件下で静置培養した。培養面積当たりの細胞密度は、2.5×103/cm2である。19時間の培養を行うと微弱ながら接着生存するが、スフェロイドは形成しなかった。培養開始および19時間後の微分干渉顕微鏡像を図21に示す。
(Comparative example 2)
D-MEM medium (High Glucose, Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 10 % fetal bovine serum, 1 % penicillin/streptomycin) was added to make the cell density 1.2×10 6 /ml, and 20 μl of the resulting D-MED medium and 1 ml of the D-MED medium were added to a glass bottom dish (manufactured by FPI Co., Ltd., non-coated,
(結果)
(1)実施例1、図1に示すように、個々に単離されたヒト皮膚線維芽細胞を高密度、浮遊状態で静置培養すると、経時的に近傍にある細胞が凝集してスフェロイドを形成した。形成されたスフェロイドは、1つの細胞が増殖する事より形成されるものではなく、近位細胞同士の凝集により派生するものであった。したがって、複数の細胞が集合して形成される多クローン性のスフェロイドである。なお、実施例7に示すように、同細胞種他細胞株のヒト正常皮膚繊維芽細胞でも同様にスフェロイドが形成された。
(2)実施例2、図2~図10に示すように、スフェロイドを構成する細胞は、多能性幹細胞マーカーを発現した。しかも、スフェロイドを構成する細胞の約100%が多能性幹細胞マーカーを発現するものであり、極めて高率に、生体細胞が多能性様細胞へ変化するものであった。
(3)実施例3に示すように、多能性幹細胞様スフェロイドを通常のヒト皮膚線維芽細胞と共培養すると通常のヒト皮膚線維芽細胞に変化するが、ヒト皮膚線維芽細胞が存在しないと接着細胞用培養器を用いて培養しても、通常の線維芽細胞に形質転換することなく、そのままスフェロイドの形態を維持した。ヒト皮膚線維芽細胞の分泌成分や細胞間相互作用による刺激が、多能性幹細胞から分化細胞へ誘導する可能性が示唆された。
(4)実施例6から、本発明の多能性幹細胞様スフェロイドは細胞増殖性が無いことが示された。このことは、本発明の多能性幹細胞様スフェロイドは癌化作用が無いことを示すものといえる。癌化細胞であれば、倍加時間は約24時間であるため24時間培養後に2倍になり、4日間の培養で16倍になる。なお、4日間の培養によっても癌化細胞にみられる増殖性並びに癌化細胞は検出されていない。
(5)実施例5に示すように、同じ細胞密度の細胞懸濁液を使用し、液滴量を変えて浮遊状態で静置培養すると、図15、図16に示されるように、液滴量、すなわち細胞量に対応してスフェロイド量が増大した。細胞数を増大させることで多数のスフェロイドを調製できることが示された。また、培養開始後24時間の全ての液滴においてスフィロイドが形成されている事より、その再現性が確認された。
(6)実施例4に示すように、浮遊状態で静置培養する際に、遠沈管などの細胞が集合しやすい形状の培養容器を使用することで直径の大きなスフェロイドが形成されることが判明した。実施例5と総合すれば、培養細胞数および培養容器の形状を選択することで、スフェロイドの数やサイズを調整することができる。
(7)比較例1、比較例2に示すように、細胞密度2.5×105/mlを下回るとスフェロイドの形成はない。この際の培地面積当たりの細胞密度は、3.3×104個/cm2であるから、3.3×104個/cm2を下回ると、スフェロイドの形成はないといえる。なお、2×106個/mlの細胞密度、培地面積当たりの細胞密度2.1×105個/cm2 という細胞密度で培養する実施例1と比較すると、本発明は、3×105個/ml~7×108個/mlの細胞密度、または1×105個/cm2~7×106個/cm2の細胞密度で浮遊状態で静置培養するという簡便な方法で多能性幹細胞様スフェロイドを形成できる方法といえる。
(result)
(1) As shown in Example 1, FIG. 1, when individually isolated human skin fibroblasts are statically cultured in a high-density, floating state, cells in the vicinity aggregate over time to form spheroids. formed. The formed spheroids were not formed by proliferation of one cell, but were derived by aggregation of proximal cells. Therefore, it is a polyclonal spheroid formed by aggregation of a plurality of cells. In addition, as shown in Example 7, spheroids were similarly formed in normal human skin fibroblasts of the same cell type and other cell lines.
(2) As shown in Example 2 and FIGS. 2 to 10, the cells forming the spheroids expressed pluripotent stem cell markers. Moreover, about 100% of the cells forming the spheroids expressed pluripotent stem cell markers, and the living cells were transformed into pluripotent-like cells at an extremely high rate.
(3) As shown in Example 3, when pluripotent stem cell-like spheroids are co-cultured with normal human skin fibroblasts, they change to normal human skin fibroblasts. Even when cultured using an adherent cell incubator, the spheroid morphology was maintained without transforming into normal fibroblasts. It was suggested that stimulation by secretory components of human dermal fibroblasts and intercellular interactions may induce pluripotent stem cells to differentiated cells.
(4) Example 6 shows that the pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention have no cell proliferation. It can be said that this indicates that the pluripotent stem cell-like spheroids of the present invention have no carcinogenic action. Cancerous cells have a doubling time of about 24 hours, so they double after being cultured for 24 hours and become 16 times after culturing for 4 days. No proliferative or cancerous cells seen in cancerous cells were detected even after 4 days of culture.
(5) As shown in Example 5, when using a cell suspension with the same cell density and changing the amount of droplets and static culture in a floating state, droplets as shown in FIGS. 15 and 16 The amount of spheroids increased corresponding to the amount of cells, ie, the amount of cells. It was shown that a large number of spheroids can be prepared by increasing the number of cells. In addition, the reproducibility was confirmed by the fact that spheroids were formed in all droplets 24 hours after the start of culture.
(6) As shown in Example 4, it was found that spheroids with a large diameter were formed by using a culture vessel with a shape that facilitates aggregation of cells, such as a centrifuge tube, during static culture in a floating state. did. Combined with Example 5, the number and size of spheroids can be adjusted by selecting the number of cultured cells and the shape of the culture vessel.
(7) As shown in Comparative Examples 1 and 2, spheroids are not formed when the cell density is less than 2.5×10 5 /ml. Since the cell density per medium area in this case is 3.3×10 4 cells/cm 2 , it can be said that spheroids are not formed when the cell density is less than 3.3×10 4 cells/cm 2 . In addition, when compared with Example 1 in which culture is performed at a cell density of 2×10 6 cells/ml and a cell density of 2.1×10 5 cells/cm 2 per medium area, the present invention is 3×10 5 cells/
本発明は2016年3月4日に出願された日本国特許出願2016-042126号に基づく。本明細書中に日本国特許出願2016-042126号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。 The present invention is based on Japanese Patent Application No. 2016-042126 filed on March 4, 2016. The entire specification, claims, and drawings of Japanese Patent Application No. 2016-042126 are incorporated herein by reference.
[付記]
[付記1]
分化した生体細胞を酵素処理して前記生体細胞を個々に分離し、
個々に分離された前記生体細胞を、3×105個/ml~7×108個/mlの細胞密度で細胞非接着性細胞培養容器中で静置培養することを特徴とする、多能性幹細胞様スフェロイドの製造方法。
[Appendix]
[Appendix 1]
enzymatically treating the differentiated biological cells to separate the individual biological cells;
A pluripotent cell characterized by statically culturing the individually separated biological cells at a cell density of 3×10 5 cells/ml to 7×10 8 cells/ml in a cell non-adhesive cell culture vessel. A method for producing sex stem cell-like spheroids.
[付記2]
前記酵素処理は、前記分化した生体細胞をトリプシン濃度0.1~1%の溶液で1~60分処理するものである、付記1記載の多能性幹細胞様スフェロイドの製造方法。
[Appendix 2]
The method for producing pluripotent stem cell-like spheroids according to
[付記3]
前記分化した生体細胞は、線維芽細胞である、付記1または2のいずれかに記載の多能性幹細胞様スフェロイドの製造方法。
[Appendix 3]
3. The method for producing pluripotent stem cell-like spheroids according to any one of
[付記4]
前記多能性幹細胞様スフェロイドは、OCT3/4、SOX2およびNANOGからなる群から選択される少なくとも1種の多能性幹細胞マーカーと、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA-3、SSEA-4、およびALPからなる群から選択される少なくとも1種の多能性幹細胞マーカーとを発現することを特徴とする、付記1~3のいずれかに記載の多能性幹細胞様スフェロイドの製造方法。
[Appendix 4]
The pluripotent stem cell-like spheroids contain at least one pluripotent stem cell marker selected from the group consisting of OCT3/4, SOX2 and NANOG, PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA- 3, SSEA-4, and at least one pluripotent stem cell marker selected from the group consisting of ALP. manufacturing method.
[付記5]
前記分離した生体細胞を、3×105個/ml~7×108個/mlの細胞密度で細胞非接着性細胞培養容器中で静置培養し、前記細胞数に対応する直径0.1~4mmのスフェロイドを形成することを特徴とする、付記1~4のいずれかに記載の多能性幹細胞様スフェロイドの製造方法。
[Appendix 5]
The separated biological cells were statically cultured in a cell non-adhesive cell culture vessel at a cell density of 3×10 5 to 7×10 8 /ml, and the diameter corresponding to the cell number was 0.1. 5. A method for producing pluripotent stem cell-like spheroids according to any one of
[付記6]
OCT3/4、SOX2およびNANOGからなる群から選択される少なくとも1種の多能性幹細胞マーカーと、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA-3、SSEA-4およびALPからなる群から選択される少なくとも1種の多能性幹細胞マーカーとを発現する細胞で構成される、直径0.1~4mm、多クローン性の多能性幹細胞様スフェロイド。
[Appendix 6]
at least one pluripotent stem cell marker selected from the group consisting of OCT3/4, SOX2 and NANOG, and PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA-3, SSEA-4 and ALP 0.1-4 mm in diameter, polyclonal pluripotent stem cell-like spheroids composed of cells expressing at least one pluripotent stem cell marker selected from the group.
[付記7]
分化した生体細胞を酵素処理して前記生体細胞を個々に分離し、
個々に分離された前記生体細胞を、培地面積当たり1×105個/cm2~7×106個/cm2の細胞密度で平底の細胞非接着性細胞培養容器中で静置培養することを特徴とする、多能性幹細胞様スフェロイドの製造方法。
[Appendix 7]
enzymatically treating the differentiated biological cells to separate the individual biological cells;
statically culturing the individually separated living cells in a flat-bottom non-adherent cell culture vessel at a cell density of 1×10 5 cells/cm 2 to 7×10 6 cells/cm 2 per medium area; A method for producing pluripotent stem cell-like spheroids, characterized by
[付記8]
分化した生体細胞を酵素処理して前記生体細胞を個々に分離し、
個々に分離された前記生体細胞を、3×105個/ml~7×108個/mlの細胞密度で細胞非接着性細胞培養容器中で静置培養してスフェロイドを形成させることを特徴とする、多能性幹細胞マーカーの発現方法。
[Appendix 8]
enzymatically treating the differentiated biological cells to separate the individual biological cells;
The individually separated living cells are statically cultured in a cell non-adhesive cell culture vessel at a cell density of 3×10 5 cells/ml to 7×10 8 cells/ml to form spheroids. A method for expressing a pluripotent stem cell marker.
Claims (3)
前記スフェロイドに、OCT3/4、SOX2、NANOG、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA-3、SSEA-4、およびALPの多能性幹細胞マーカーを発現させることを特徴とする、スフェロイドの製造方法。 The differentiated fibroblasts were treated with serine protease and the individualized fibroblasts were treated with 1×10 6 cells/ml to 2×10 7 cells/ml, or 1×10 5 cells/cm 2 to 7×. at a high cell density of 10 6 cells/cm 2 without using any one or more stimulating factors selected from the group consisting of hormones, growth factors, pluripotency-inducing proteins, and pluripotent cell-inducing factors, In a cell non-adhesive cell culture vessel, in D-MEM medium containing glucose and fetal bovine serum or its equivalent medium, while supplying CO 2 , stationary culture at 30 to 40 ° C. to form spheroids,
The spheroids are characterized by expressing pluripotent stem cell markers of OCT3/4, SOX2, NANOG, PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA-3, SSEA-4, and ALP. , a method for producing spheroids .
前記スフェロイドに、OCT3/4、SOX2、NANOG、PAR4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA-3、SSEA-4、およびALPの多能性幹細胞マーカーを発現させる方法。 The differentiated fibroblasts were treated with serine protease and the individualized fibroblasts were treated with 1×10 6 cells/ml to 2×10 7 cells/ml, or 1×10 5 cells/cm 2 to 7×. at a high cell density of 10 6 cells/cm 2 without using any one or more stimulating factors selected from the group consisting of hormones, growth factors, pluripotency-inducing proteins, and pluripotent cell-inducing factors, In a cell non-adhesive cell culture vessel, in D-MEM medium containing glucose and fetal bovine serum or its equivalent medium, while supplying CO 2 , static culture at 30 to 40 ° C. to form spheroids. characterized by
A method of expressing the pluripotent stem cell markers of OCT3/4, SOX2, NANOG, PAR4, TRA-1-60, TRA-1-81, SSEA-3, SSEA-4, and ALP in said spheroids .
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