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JP7195968B2 - 有機性排水処理装置の運転方法及び有機性排水処理装置 - Google Patents

有機性排水処理装置の運転方法及び有機性排水処理装置 Download PDF

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JP7195968B2 JP2019027945A JP2019027945A JP7195968B2 JP 7195968 B2 JP7195968 B2 JP 7195968B2 JP 2019027945 A JP2019027945 A JP 2019027945A JP 2019027945 A JP2019027945 A JP 2019027945A JP 7195968 B2 JP7195968 B2 JP 7195968B2
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Description

本発明は、有機性排水処理装置の運転方法及び有機性排水処理装置に関する。
都市部で多く採用されている合流式下水処理設備は、雨水と汚水の双方を共用の下水管渠で搬送する設備であり、原水である汚水が流入する最初沈殿池と、嫌気槽と無酸素槽と好気槽を備えて嫌気無酸素好気法が行なわれる生物処理槽と、生物処理後の処理水から活性汚泥を沈殿分離する最終沈殿池を備えた活性汚泥法(UCT法またはA2O法と称される。)による有機性排水処理装置が設けられていた。
従来の有機性排水処理装置では、雨天時に生物処理槽及び最終沈殿池の処理能力を超えた大量の汚水が一時に流入すると、最初沈殿池で固形分を沈殿除去した汚水を、その後の生物処理槽での処理を経ることなく簡易放流するように運転されていた。
特許文献1には、窒素濃度の高い有機性汚水を、浸漬型膜分離装置を設置した反応槽内で生物処理する膜分離活性汚泥法(MBR:Membrane Bio Reactor)を採用した有機性排水処理装置が開示されている。
当該有機性排水処理装置は、従来の最終沈殿池に替えて浸漬型膜分離装置を用いることにより、晴天または雨天の何れであっても処理水の水質の向上を図ることができ、さらに設備の小型化を図ることができる有機性排水処理装置として注目されている。
特許文献2には、最初沈殿池と、反応タンクと、最終沈殿池と、最初沈殿池と反応タンクを接続する第1の流路と、反応タンクと最終沈殿池を接続する第2の流路を含む反応系列を複数備える廃水処理システムであって、複数の反応系列中の一種の反応系列は、反応タンクが担体と膜ユニットと活性汚泥とを有し、MLSS濃度が500mg/L~7000mg/Lに調整された膜分離槽を備え、第1の流路を介して反応タンクに廃水が供給され、反応タンクの処理能力を超える廃水が第2の流路を介して最終沈殿池に供給される廃水処理システムが開示されている。
特開2001-62481号公報 特開2011-147868号公報
ところで、膜分離活性汚泥法は膜の単位面積当たりのろ過水量に上限があるため、雨天時などの流量が急増するピークに合わせて全量をろ過可能なように施設設計を行うと過剰な設備投資となり費用対効果が低くなるという問題があった。
このような場合に、図9に示すように、膜分離活性汚泥法を採用した有機性排水処理装置と、上述した従来の活性汚泥法を採用した有機性排水処理装置とを混在させた有機性排水処理装置を構成しておき、汚水の流入量が増加したときに従来法の有機性排水処理装置を稼働させて流入汚水のピーク流量を処理すれば、膜分離活性汚泥法を採用した有機性排水処理装置の施設容量を抑制できるようになるのであるが、以下の問題があった。
即ち、従来の活性汚泥法は膜分離活性汚泥法よりも処理水質が劣るため、平時は膜分離活性汚泥法のみで処理を行う方が望ましいが、雨天時などの特定の期間だけ短時間で従来の活性汚泥法を採用した有機性排水処理装置を立ち上げて処理することはできないため、常に膜分離活性汚泥法を採用した有機性排水処理装置と従来法を採用した有機性排水処理装置を並列で運転することが求められ、各系列への流入汚水の分配量を決める作業が煩雑であった。
また、従来法では一般的に固液分離が沈殿池で行なわれることになるが、良好に固液分離するために沈殿池のMLSS濃度を3000mg/L以下に抑えることが必要であった。そのため、MLSS濃度が8000~10000mg/Lと従来法に比して高い膜分離活性汚泥法を採用した好気槽からの汚泥を沈殿池に導いても良好に固液分離することができず、汚泥が処理水側に流出してしまうという問題もあった。
そこで、膜分離活性汚泥法を採用しながらもMLSS濃度を下げて沈澱池での固液分離性能を確保するために、特許文献2に記載されたように、担体を添加して処理能力を維持する方法を採用すると、流量が増加した際に担体の沈殿池への流出を防止するスクリーンが担体で閉塞されてしてしまうという問題があった。
また、既設の従来法を採用する有機性排水処理装置を、その土木躯体を用いて膜分離活性汚泥法を採用する新たな有機性排水処理装置に改築する場合、膜分離活性汚泥法では不要となる最終沈殿池の土木躯体も有効に活用することが望まれるが、一般的に最終沈殿池の池水深は比較的浅く、また縦に長い水槽形状であるために、膜分離装置を浸漬配置するMBRの反応タンクとしては活用し難く、活用したとしてもそれほど大きく処理水量を増やすことができなかった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、有機性排水の流入量や処理負荷の変動にかかわらず、膜分離活性汚泥法を採用した有機性排水処理装置の施設容量を抑制しながら、適切に処理された処理水を放流可能な有機性排水処理装置の運転方法及び有機性排水処理装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による有機性排水処理装置の運転方法の第一の特徴構成は、無酸素槽と第1好気槽と第2好気槽と沈殿槽とを備える有機性排水処理装置の運転方法であって、有機性排水を前記無酸素槽に供給し、前記無酸素槽と前記第1好気槽との間で有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させて硝化脱窒処理を行ないつつ、前記第1好気槽に配置された膜分離装置からの膜透過液を処理水として取り出すとともに、前記無酸素槽から前記第2好気槽へ混合液を送液し、さらに前記第2好気槽から前記沈殿槽へ混合液を送液し、前記沈殿槽からの固液分離液を処理水として取り出す点にある。
無酸素槽に供給された有機性排水が活性汚泥とともに膜分離装置が配置された第1好気槽との間で循環されることにより硝化脱窒処理され、膜分離装置から混合液の液分が処理水として取り出される。さらに無酸素槽から混合液の一部が第2好気槽へ送液されて第2好気槽で初期吸着処理され、さらに沈殿槽に送られた混合液が沈澱槽で固液分離されて上澄みが処理水として取り出される。無酸素槽を介して第1好気槽と第2好気槽のMLSS濃度を個別に調整することによって、第1好気槽では膜分離に適した高いMLSS濃度に調整しつつ、第2好気槽では沈澱槽での固液分離に適した低いMLSS濃度に調整できる。
なお、初期吸着とは、活性汚泥中の好気性微生物が分泌する粘着性のゼラチン物質によって有機排水中の微粒子及び溶解性有機物が活性汚泥の表面に物理吸着される現象、及び物理吸着した有機物が速やかに微生物に取り込まれる生物吸着現象をいい、活性汚泥と有機性排水が接触した後、数十分でBODが大きく減少する。
この様に、膜に拠る固液分離と従来の沈殿槽に拠る固液分離を混在させることにより、全量をMBRで処理する場合に要する膜分離装置の設置台数を削減して、経済性の良い有機性排水処理装置により効率的に浄化処理できるようになる。
同第二の特徴構成は、無酸素槽と第1好気槽と第2好気槽と混合槽と沈殿槽とを備える有機性排水処理装置の運転方法であって、有機性排水を前記混合槽に供給し、前記混合槽と前記無酸素槽との間で有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させつつ、前記無酸素槽と前記第1好気槽との間で有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させて硝化脱窒処理を行ないつつ、前記第1好気槽に配置された膜分離装置からの膜透過液を処理水として取り出すとともに、前記混合槽から前記第2好気槽へ混合液を送液し、さらに前記第2好気槽から前記沈殿槽へ混合液を送液し、前記沈殿槽からの固液分離液を処理水として取り出す点にある。
混合槽に供給された有機性排水が活性汚泥とともに無酸素槽を介して膜分離装置が配置された第1好気槽に送液され、混合槽、無酸素槽、第1好気槽の間で循環されることにより硝化脱窒処理され、膜分離装置から混合液の液分が処理水として取り出される。さらに混合槽から混合液の一部が第2好気槽へ送液されて第2好気槽で初期吸着処理され、さらに沈殿槽に送られた混合液が沈澱槽で固液分離されて上澄みが処理水として取り出される。混合槽を介して第1好気槽と第2好気槽のMLSS濃度を個別に調整することによって、第1好気槽では膜分離に適した高いMLSS濃度に調整しつつ、第2好気槽では沈澱槽での固液分離に適した低いMLSS濃度に調整でき、しかも、第1好気槽と無酸素槽の間での混合液の循環量を増すことにより脱窒反応に伴うアルカリ度の回復が図られ、第2好気槽への影響を与えることなく、硝化処理が行なわれる第1好気槽におけるpHの低下を回避できる。
同第三の特徴構成は、無酸素槽と第1好気槽と兼用槽と沈殿槽とを備える有機性排水処理装置の運転方法であって、有機性排水を前記無酸素槽に供給し、前記無酸素槽と前記第1好気槽との間で有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させて硝化脱窒処理を行ないつつ、前記第1好気槽に配置された膜分離装置からの膜透過液を処理水として取り出すとともに、前記無酸素槽から好気処理を行なう前記兼用槽へ混合液を送液し、さらに前記兼用槽から前記沈殿槽へ混合液を送液し、前記沈殿槽からの固液分離液を処理水として取り出す第1運転状態と、前記無酸素槽と前記第1好気槽との間で混合液を循環させつつ、前記無酸素槽と無酸素処理を行なう前記兼用槽との間で混合液を循環させて硝化脱窒処理を行いつつ、専ら前記第1好気槽に配置された膜分離装置からの膜透過液を処理水として取り出す第2運転状態と、を備える点にある。
有機性排水量が十分である場合に、兼用槽が好気槽として機能する第1運転状態で処理され、無酸素槽に供給された有機性排水が活性汚泥とともに膜分離装置が配置された第1好気槽との間で循環されることにより硝化脱窒処理され、膜分離装置から混合液の液分が処理水として取り出される。さらに無酸素槽から混合液の一部が兼用槽へ送液されて好気処理として初期吸着処理され、さらに沈殿槽に送られた混合液が沈澱槽で固液分離されて上澄みが処理水として取り出される。有機性排水量が少ない場合に、兼用槽が無酸素槽として機能する第2運転状態で処理され、無酸素槽と第1好気槽と無酸素処理を行なう兼用槽との間で混合液が循環されて硝化脱窒処理を行ないつつ、専ら第1好気槽に配置された膜分離装置からの膜透過液が処理水として取り出される。
同第四の特徴構成は、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記沈殿槽の汚泥を前記第1好気槽へ返送する点にある。
沈殿槽から第1好気槽へ汚泥を返送することにより、膜分離装置が設置された第1好気槽のMLSS濃度の低下を回避することができる。そして、沈殿分離された汚泥はBODを吸着した状態にあるため、初期吸着性能が失われているが、第1好気槽に返送されて低負荷状態で好気処理されることにより、初期吸着されたBODの分解が促進されて、汚泥の初期吸着性能が回復されるようになる。
同第五の特徴構成は、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記沈殿槽の汚泥を前記無酸素槽へ返送する点にある。
無酸素槽へ返送された沈殿分離汚泥に残存するBODが脱窒用有機源として有効活用され、さらに当該汚泥が第1好気槽に移送されて低負荷状態で好気処理されることにより、汚泥の初期吸着性能が回復されるようになる。
同第六の特徴構成は、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記第2好気槽または前記兼用槽から前記沈殿槽へ混合液を移送する途中または前記沈殿槽に凝集剤を添加する点にある。
第2好気槽または前記兼用槽から沈殿槽へ混合液を移送する途中または沈殿槽に凝集剤を添加することにより、処理水に対するCODや脱リン効果と、汚泥の沈澱分離効果を高めることができる。
本発明による有機性排水処理装置の第一の特徴構成は、脱窒処理を行なう無酸素槽と、処理水を膜透過液として取り出す膜分離装置を備え硝化処理を行なう第1好気槽と、初期吸着処理を行なう第2好気槽と、沈殿槽と、前記無酸素槽へ有機性排水を供給する原水供給経路と、前記無酸素槽から前記第1好気槽へ有機性排水と活性汚泥の混合液を送る第1混合液経路と、前記第1好気槽から前記無酸素槽へ混合液を循環させる第1循環経路と、前記第2好気槽から前記沈殿槽へ混合液を送る第2混合液経路と、前記無酸素槽から前記第2好気槽へ混合液を送る第3混合液経路と、を備える点にある。
同第二の特徴構成は、脱窒処理を行なう無酸素槽と、処理水を膜透過液として取り出す膜分離装置を備え硝化処理を行なう第1好気槽と、初期吸着処理を行なう第2好気槽と、混合槽と、沈殿槽と、有機性排水を前記混合槽に供給する原水供給経路と、前記第1好気槽から前記無酸素槽へ有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させる第1循環経路と、前記無酸素槽から前記混合槽へ混合液を循環する第2循環経路と、前記第2好気槽から前記沈殿槽へ混合液を送る第2混合液経路と、前記混合槽から前記第2好気槽へ混合液を送る第4混合液経路とを備える点にある。
同第三の特徴構成は、脱窒処理を行なう無酸素槽と、処理水を膜透過液として取り出す膜分離装置を備え硝化処理を行なう第1好気槽と、兼用槽と、沈殿槽と、前記無酸素槽へ有機性排水を供給する原水供給経路と、前記無酸素槽から前記第1好気槽へ有機性排水と活性汚泥の混合液を送る第1混合液経路と、前記兼用槽から前記沈殿槽へ混合液を送る第2混合液経路と、前記無酸素槽から前記兼用槽へ混合液を送る第3混合液経路と、第1好気槽から前記無酸素槽へ混合液を循環させる第1循環経路と、前記無酸素槽から前記兼用槽へ混合液を循環させる第循環経路と、を備え、前記第3循環経路を開放して、前記兼用槽を第2好気槽として機能させる第1運転状態と、前記第3循環経路を閉塞して、前記兼用槽を第2無酸素槽として機能させる第2運転状態とに切替可能に構成されている点にある。
同第四の特徴構成は、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、第1仕切壁を介して上方空間に前記第1好気槽が配置され、下方空間に前記無酸素槽が配置されている点にある。
無酸素槽が配置された敷地の上方空間に第1好気槽が配置されることにより、空間利用率が高まり、有機性排水処理装置の敷地を効率的に活用できるようになる。
同第五の特徴構成は、上述の第四の特徴構成に加えて、第2仕切壁を介して前記無酸素槽の下方空間に前記沈殿槽が配置されている点にある。
さらに、空間利用率を高めることができる。
同第六の特徴構成は、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記沈殿槽の汚泥を前記第1好気槽へ返送する、汚泥返送経路を備える点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、有機性排水の流入量や処理負荷の変動にかかわらず、膜分離活性汚泥法を採用した有機性排水処理装置の施設容量を抑制しながら、適切に処理された処理水を放流可能な有機性排水処理装置の運転方法及び有機性排水処理装置を提供することができるようになった。
本発明による有機性排水処理装置の全体構成の説明図 第1の実施形態による有機性排水処理装置の説明図 第2の実施形態による有機性排水処理装置の説明図 第2の実施形態の他の態様を示す有機性排水処理装置の説明図 第3の実施形態による有機性排水処理装置の説明図 第4の実施形態による有機性排水処理装置の説明図 第5の実施形態による有機性排水処理装置の説明図 第6の実施形態による有機性排水処理装置の説明図 (a)は、第7の実施形態による有機性排水処理装置の説明図、(b)は循環式MBRの説明図 従来の有機性排水処理設備の運転方法の説明図
以下、本発明による有機性排水処理装置の運転方法及び有機性排水処理装置を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、有機性排水処理装置100は、下水などの有機性排水を原水として導入して生物処理により浄化して河川などに放流するための装置であり、最初沈澱池10と、MBRを採用した6系統の生物処理槽20,40,50と、最終沈澱池70と、消毒槽90などを備えている。
5系統の最初沈澱池10の沈後水が、スクリーン機構を備えたスクリーン井11に送られて夾雑物が除去された後に、活性汚泥が充填された各生物処理槽20,40,50に均等に送水される。各系統の生物処理槽20,40,50では、MBRと従来の活性汚泥法が併用されるように構成されている。
[第1の実施形態]
図2には、図1で示した生物処理槽の1系統の構成が示されている。
当該有機性排水処理装置100は、最初沈澱池10と、脱窒処理を行なう無酸素槽40と、処理水を膜透過液として取り出す膜分離装置30を備え硝化処理を行なう第1好気槽20と、初期吸着処理を行なう第2好気槽50と、最終沈澱池70を備えている。
最終沈澱池70が本発明の沈殿槽70として機能し、当該沈殿槽70には沈澱効率の向上のために傾斜板71を備えている。また、無酸素槽40には槽内の活性汚泥と有機性排水とを撹拌するための撹拌機構が設けられ、第2好気槽50には好気処理を行なうための散気装置が設けられている。なお、図2には、図1で示したスクリーン井が省略されている。なお、沈澱効率の向上のために沈殿槽70に傾斜板71を備える点は、後述する図3から図6、図8から図9に示す沈殿槽70でも同様である。
そして、無酸素槽40へ沈後水である有機性排水を供給する原水供給経路1と、無酸素槽40から第1好気槽20へ有機性排水と活性汚泥の混合液を送る第1混合液経路2と、第1好気槽20から無酸素槽へ混合液を循環させる第1循環経路3と、第2好気槽50から沈殿槽70へ混合液を送る第混合液経路4と、無酸素槽40から第2好気槽へ混合液を送る第混合液経路5と、沈殿槽70の汚泥を第1好気槽20へ返送する汚泥返送経路6を備えている。
当該有機性排水処理装置100では、有機性排水を無酸素槽40に供給し、無酸素槽40と第1好気槽20との間で有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させて硝化脱窒処理を行ないつつ、第1好気槽20に配置された膜分離装置30からの膜透過液を処理水として取り出すとともに、無酸素槽40から第2好気槽50へ混合液を送液し、さらに第2好気槽50から沈殿槽70へ混合液を送液し、沈殿槽70からの固液分離液を処理水として取り出すように運転される。
無酸素槽40に供給された有機性排水が活性汚泥とともに膜分離装置30が配置された第1好気槽20との間で第1混合液経路2及び第1循環経路3を介して循環されることにより、第1好気槽20でアンモニア性窒素が硝酸性窒素に硝化処理されるとともに無酸素槽40で硝酸性窒素が窒素に還元される脱窒処理が実行され、膜分離装置30から混合液の液分が処理水として取り出される。
さらに無酸素槽40から混合液の一部が第2好気槽50へ送液されて第2好気槽50で初期吸着処理され、さらに沈殿槽70に送られた混合液が沈澱槽70で固液分離されて上澄みが処理水として取り出される。
なお、初期吸着とは、活性汚泥中の好気性微生物が分泌する粘着性のゼラチン物質によって有機排水中の微粒子及び溶解性有機物が活性汚泥の表面に物理吸着される現象、及び、物理吸着した有機物が速やかに微生物に取り込まれる生物吸着現象をいい、活性汚泥と有機性排水が接触した後、数十分でBODが大きく減少する。
沈殿槽70の汚泥界面を汚泥界面計でモニタリングしておき、汚泥界面の上昇により固液分離に障害が出る懸念が出てきた場合は、膜ろ過装置30の流量を引き上げて沈殿槽70への配水量を抑制するように制御される。沈殿槽70からの汚泥の流出が防止され、処理水質が良好に保たれる。この様に沈殿槽70による固液分離の活用により膜ろ過装置30の高Flux運転時間が短縮されるようになり、膜の閉塞スピードが抑制され、薬液洗浄頻度も低減される。
無酸素槽40を介して第1好気槽20と第2好気槽50のMLSS濃度を個別に調整することによって、第1好気槽20では膜分離に適した高いMLSS濃度に調整しつつ、第2好気槽50では沈澱槽での固液分離に適した低いMLSS濃度に調整できる。
本実施形態では、原水である有機性排水の流入量1Qに対して、第1好気槽20で0.5Qの処理水量に設定し、沈殿槽70から第1好気槽20への返送量を0.5Qに設定し、第1好気槽20から無酸素槽40への循環量を0.4Qに設定することにより、第1好気槽20のMLSS濃度を10,000mg/L、無酸素槽40のMLSS濃度を3,000mg/L、第2好気槽50のMLSS濃度を3,000mg/Lに調整し、沈殿槽70での固液分離性能を確保している。
その結果、膜分離装置30による膜ろ過が必要な水量が引き下げられ、膜分離装置30の台数の削減、ひいてはコストの低減効果が得られるようになる。また、MBR単独で運転する場合に問題となる低水温期に汚泥中に蓄積する難分解の溶解性CODが沈澱槽70から処理水として流出することで、汚泥の膜ろ過性が改善し設計Fluxを引き上げられるようになる。
なお、上述した各槽のMLSS濃度は例示であり、この値に制限されるものではない。また、第2好気槽50で処理される水量は基本的には成り行きで決定されればよく、細かい流量の制御が不要となる点で、図8に示した従来の有活性汚泥法と膜分離活性汚泥法とを混在させた有機性排水処理装置よりも維持管理の手間が軽減される。
さらに、既設の有機性排水処理装置100をMBRに改築する際に、既設の構造躯体に備えた梁やYウォールなどの影響で、膜分離装置30の設置に空間的な制約が生じる場合がある。そのような場合に有機性排水の全量をMBRで処理するよりも処理能力を増加できるようになる。
ところで、第2好気槽50から沈殿槽70を経て放流される処理水は脱窒作用が見込まれないため、膜分離装置30で膜ろ過される処理水が十分に脱窒処理されている必要がある。そして、無酸素槽40と第1好気槽20との間で循環され、膜分離装置30で膜ろ過される被処理水が良好に脱窒処理されるためには、充分な量のBODが必要となる。しかし、有機性排水のBOD濃度が窒素濃度に対して相対的に低い場合(理論上では、BOD/N≦2.86)には、十分な脱窒処理を行なうことができない。
そのような場合には、沈殿槽70の汚泥を第1好気槽20へ返送する汚泥返送経路6に代えて、沈殿槽70の汚泥を無酸素槽40へ返送する汚泥返送経路6Aを備えることが好ましい(図2中、破線で示す。)。
無酸素槽40へ返送された沈殿分離汚泥に残存するBODが脱窒用有機源として有効活用され、さらに当該汚泥が第1好気槽20に移送されて低負荷状態で好気処理されることにより、初期吸着性能が回復された汚泥が第2好気槽50に供給されるようになる。結果的に、BOD濃度が窒素濃度に対して相対的に低い場合であっても放流される処理水の窒素濃度の低下を実現できるようになる。
[第2の実施形態]
図3には、図1で示した生物処理槽の1系統の構成が示されている。図3には、有機性排水の流入量Qを基準とする各部の流量が示されている。
当該有機性排水処理装置100は、最初沈澱池10と、脱窒処理を行なう無酸素槽40と、処理水を膜透過液として取り出す膜分離装置30を備え硝化処理を行なう第1好気槽20と、初期吸着処理を行なう第2好気槽50と、混合槽60と、最終沈澱池(沈殿槽)70を備えている。
有機性排水を混合槽60に供給する原水供給経路1と、混合槽60から無酸素槽40に有機性排水と活性汚泥の混合液を送る第8混合経路9と、無酸素槽40から第1好気槽20へ有機性排水と活性汚泥の混合液を送る第1混合液経路2と、第1好気槽20から無酸素槽40へ有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させる第1循環経路3と、無酸素槽40から混合槽60へ混合液を循環する第2循環経路7と、第2好気槽50から沈殿槽70へ混合液を送る第混合液経路4と、混合槽60から第2好気槽へ混合液を送る第混合液経路8と、沈殿槽70の汚泥を第1好気槽20へ返送する汚泥返送経路6を備えている。
当該有機性排水処理装置100では、有機性排水を混合槽60に供給し、混合槽60と無酸素槽40と第1好気槽20との間で有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させて硝化脱窒処理を行ないつつ、第1好気槽20に配置された膜分離装置30からの膜透過液を処理水として取り出すとともに、混合槽60から第2好気槽50へ混合液を送液し、さらに第2好気槽50から沈殿槽70へ混合液を送液し、沈殿槽70からの固液分離液を処理水として取り出すように運転される。
混合槽60に供給された有機性排水が活性汚泥とともに無酸素槽40を介して膜分離装置30が配置された第1好気槽20に送液され、混合槽60、無酸素槽40、第1好気槽20の間で循環されることにより硝化脱窒処理され、膜分離装置30から混合液の液分が処理水として取り出される。
さらに混合槽60から混合液の一部が第2好気槽50へ送液されて第2好気槽50で初期吸着処理され、さらに沈殿槽70に送られた混合液が沈澱槽70で固液分離されて上澄みが処理水として取り出される。
上述した第1の実施形態では、第2好気槽50のMLSS濃度を沈殿槽70による固液分離に適した値に調整するために、第1好気槽20から無酸素槽40に返送される汚泥の量が制限される結果、充分なアルカリ度の回復がなされず、硝化処理が行なわれる第1好気槽20のpH値が下がる。
しかし、第2の実施形態では、混合槽60を設けているため、第1好気槽20から無酸素槽40への混合液の循環量を増しても、第2好気槽50への影響を与えることなく(MLSS濃度の上昇を来すことなく)、第1好気槽20におけるpHの異常な低下を回避することができるようになる。
本実施形態では、原水である有機性排水の流入量1Qに対して、第1好気槽20で0.6Qの処理水量に設定し、沈殿槽70から第1好気槽20への返送量を0.2Qに設定し、第1好気槽20から無酸素槽40への循環量を2Qに設定し、無酸素槽40から混合槽60への循環量を0.35Qに設定することにより、第1好気槽20のMLSS濃度を10,000mg/L、無酸素槽40のMLSS濃度を7,800mg/L、第2好気槽50のMLSS濃度を2,000mg/Lに調整し、沈殿槽70での固液分離性能を確保している。
第1の実施形態と同様に、沈殿槽70の汚泥を第1好気槽20へ返送する汚泥返送経路6に代えて、沈殿槽70の汚泥を無酸素槽40へ返送する汚泥返送経路6Aを備えることが好ましい(図3中、破線で示す。)。
無酸素槽40へ返送された沈殿分離汚泥に残存するBODが脱窒用有機源として有効活用され、さらに当該汚泥が第1好気槽20に移送されて低負荷状態で好気処理されることにより、初期吸着性能が回復された汚泥が第2好気槽50に供給されるようになる。
図4には、混合槽60を設けることなく、第1好気槽20におけるpHの異常な低下を回避することができる有機性排水処理装置100が示されている。図3に示した有機性排水処理装置100との違いは、混合槽60を設けずに混合槽60の機能を発揮するような混合機構41を無酸素槽40に備えた点にある。
混合機構41として、第1混合液経路2及び第混合液経路5を備えたエアリフトポンプが用いられている。逆U字状の給気管の端部から気泡を供給して活性汚泥の上昇流を生起させ、給気管内部で活性汚泥と有機性排水を混合して、逆U字状の給気管に連結され第1混合液経路2として機能する送液管により混合液を第1好気槽20に送液するとともに、逆U字状の給気管に連結され第混合液経路5として機能する送液管により混合液を第2好気槽50に直接送液するように構成されている。そして、第1循環経路3を介した第1好気槽20から無酸素槽40への混合液の循環量を2Qに設定することで、脱窒反応に伴うアルカリ度の回復がなされ、第1好気槽20におけるpHの異常な低下を回避している。
第1の実施形態と同様に、沈殿槽70の汚泥を第1好気槽20へ返送する汚泥返送経路6に代えて、沈殿槽70の汚泥を無酸素槽40へ返送する汚泥返送経路6Aを備えることが好ましい(図4中、破線で示す。)。
無酸素槽40へ返送された沈殿分離汚泥に残存するBODが脱窒用有機源として有効活用され、さらに当該汚泥が第1好気槽20に移送されて低負荷状態で好気処理されることにより、初期吸着性能が回復された汚泥が第2好気槽50に供給されるようになる。
[第3の実施形態]
図5(a),(b)には、図1で示した生物処理槽の1系統の構成が示されている。図5(a),(b)には、有機性排水の流入量Qを基準とする各部の流量が示されている。
当該有機性排水処理装置100は、最初沈澱池10と、脱窒処理を行なう無酸素槽40と、処理水を膜透過液として取り出す膜分離装置30を備え硝化処理を行なう第1好気槽20と、上述した初期吸着処理を行なう第2好気槽または第2無酸素槽として機能が切替可能な兼用槽50と、最終沈澱池(沈殿槽)70を備えている。
さらに、無酸素槽40へ有機性排水を供給する原水供給経路1と、無酸素槽40から第1好気槽20へ有機性排水と活性汚泥の混合液を送る第1混合液経路2と、兼用槽50から沈殿槽70へ混合液を送る第混合液経路4と、無酸素槽40から兼用槽50へ混合液を送る第混合液経路5と、第1好気槽20から無酸素槽40へ混合液を循環させる第1循環経路3と、無酸素槽40から兼用槽50へ混合液を循環させる第3循環経路31と、沈殿槽70の汚泥を第1好気槽20へ返送する汚泥返送経路6を備えている。
そして、第3循環経路31を閉鎖して、兼用槽50を初期吸着処理を行なう第2好気槽として機能させる第1運転状態と、第3循環経路31を開放して、兼用槽50を第2無酸素槽として機能させる第2運転状態とに切替可能に構成されている。
当該有機性排水処理装置100では、図5(a)に示すように、有機性排水を無酸素槽40に供給し、無酸素槽40と第1好気槽20との間で有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させて硝化脱窒処理を行ないつつ、第1好気槽20に配置された膜分離装置30からの膜透過液を処理水として取り出すとともに、無酸素槽40から好気処理を行なう兼用槽50へ混合液を送液し、さらに兼用槽50から沈殿槽70へ混合液を送液し、沈殿槽70からの固液分離液を処理水として取り出す第1運転状態と、図5(b)に示すように、無酸素槽40と第1好気槽20と無酸素処理を行なう兼用槽50との間で混合液を循環させて硝化脱窒処理を行いつつ、専ら第1好気槽20に配置された膜分離装置30からの膜透過液を処理水として取り出す第2運転状態とを備え、第1運転状態と第2運転状態を切り替えるように運転される。
有機性排水量が十分な量である場合に、兼用槽50が初期吸着処理を行なう第2好気槽として機能する第1運転状態で処理され、無酸素槽40に供給された有機性排水が活性汚泥とともに膜分離装置30が配置された第1好気槽20との間で循環されることにより硝化脱窒処理され、膜分離装置30から混合液の液分が処理水として取り出される。
さらに無酸素槽40から混合液の一部が兼用槽50へ送液されて好気処理として初期吸着処理され、さらに沈殿槽に送られた混合液が沈澱槽で固液分離されて上澄みが処理水として取り出される。
有機性排水量が少ない場合に、兼用槽50が第2無酸素槽として機能する第2運転状態で処理され、無酸素槽40と第1好気槽20と無酸素処理を行なう兼用槽50との間で混合液が循環されて硝化脱窒処理を行ないつつ、専ら第1好気槽20に配置された膜分離装置30からの膜透過液が処理水として取り出される。従って、第2運転状態では沈殿槽70から処理水が取り出されることはない。
第1運転状態では、第1の実施形態と同様に、沈殿槽70の汚泥を第1好気槽20へ返送する汚泥返送経路6に代えて、沈殿槽70の汚泥を無酸素槽40へ返送する汚泥返送経路6Aを備えることが好ましい(図5(a)中、破線で示す。)。
無酸素槽40へ返送された沈殿分離汚泥に残存するBODが脱窒用有機源として有効活用され、さらに当該汚泥が第1好気槽20に移送されて低負荷状態で好気処理されることにより、初期吸着性能が回復された汚泥が第2好気槽50に供給されるようになる。
[その他の実施形態]
上述した各実施形態において、第2好気槽50または兼用槽50から沈殿槽70へ混合液を移送する途中または沈殿槽70に凝集剤を添加する凝集剤添加装置80を備えていることが好ましく、凝集剤を添加することにより処理水に対するCODや脱リン効果と、汚泥の沈澱分離効果を高めることができる。
図6に示すように、上述した第1の実施形態に関して、第1仕切壁24を介して上方空間に第1好気槽20を配置し、下方空間に無酸素槽40を配置するように有機性排水処理装置100を構成してもよい。無酸素槽40が配置された敷地の上方空間に第1好気槽20が配置されることにより、空間利用率が高まり、有機性排水処理装置の敷地を効率的に活用できるようになる。上述した第2または第3の実施形態においても、同様の構成を採用することが可能である。第2の実施形態では、第1好気槽20の下方空間に無酸素槽40及び混合槽60を配置し、或いは、第1好気槽20の下方空間に無酸素槽40のみを配置することができる。
第1の実施形態と同様に、沈殿槽70の汚泥を第1好気槽20へ返送する汚泥返送経路6に代えて、沈殿槽70の汚泥を無酸素槽40へ返送する汚泥返送経路6Aを備えることが好ましい(図6中、破線で示す。)。
無酸素槽40へ返送された沈殿分離汚泥に残存するBODが脱窒用有機源として有効活用され、さらに当該汚泥が第1好気槽20に移送されて低負荷状態で好気処理されることにより、初期吸着性能が回復された汚泥が第2好気槽50に供給されるようになる。
図7には、さらに他の有機性排水処理装置100が示されている。上述した図6の構成に加えて、第2仕切壁26を介して無酸素槽40の下方空間に沈殿槽70を配置してもよく、このような構成を採用することにより、さらに、空間利用率を高めることができる。この場合、第2仕切壁26を介して上方空間に設置された第1好気槽20及び無酸素槽40の側方に第2好気槽50を配することが好ましい。
第1の実施形態と同様に、沈殿槽70の汚泥を第1好気槽20へ返送する汚泥返送経路6に代えて、沈殿槽70の汚泥を無酸素槽40へ返送する汚泥返送経路6Aを備えることが好ましい(図7中、破線で示す。)。
無酸素槽40へ返送された沈殿分離汚泥に残存するBODが脱窒用有機源として有効活用され、さらに当該汚泥が第1好気槽20に移送されて低負荷状態で好気処理されることにより、初期吸着性能が回復された汚泥が第2好気槽50に供給されるようになる。
図8には、図3に示した有機性排水処理装置100で、沈殿槽70の汚泥を無酸素槽40へ返送する汚泥返送経路6Aを備えて構成され、T-N除去率が90%となるように、第1好気槽20から無酸素槽40への循環流量が7Qに設定された有機性排水処理装置100が示されている。
図9(a)には、さらに他の有機性排水処理装置100が示されている。図8に示したように、T-N除去率を90%とするためには第1好気槽20から無酸素槽40への循環流量を7Qと大きな値に設定する必要があるために、第1好気槽20と無酸素槽40の一対に代えて循環式MBRを採用し、沈殿槽70の汚泥を各無酸素槽40へ返送する汚泥搬送経路を備えることで循環流量を抑えることができる。
図9(b)に示すように、循環式MBRは、第1好気槽20と無酸素槽40を一対の生物処理単位とする複数対の生物処理単位が汚泥の移送方向に直列に接続され、最下流に位置する第1好気槽20から最上流に位置する無酸素槽40に汚泥を返送するように構成されている。
原水供給経路1から混合槽60に供給された有機性排水が第8混合液経路9を介して活性汚泥とともに各無酸素槽40へ供給され、混合液は第1混合液経路2を介して各無酸素槽40から下流側の第1好気槽20に供給されて好気処理された後に、第2混合液経路3を介して各第1好気槽20か下流側の各無酸素槽40に供給されて脱窒処理され、さらに各無酸素槽40から第6混合液経路7を介して混合槽60に循環供給されるように構成されている。
このような有機性排水処理装置100は、処理水の窒素濃度規制が比較的緩やかな、例えばT-N<10mg/L程度の窒素濃度規制となる処理場に適用される。
上述した実施形態は本発明の一態様であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
1:原水供給経路
2:第1混合液経路
3:第1循環経路
4:第混合液経路
5:第混合液経路
6,6A:汚泥返送経路
7:第2循環経路
8:第混合液経路
9:第8混合液経路
10:最初沈澱池
20:好気槽、第1好気槽
30:膜分離装置
31:第3循環経路
40:無酸素槽
50:兼用槽、第2好気槽
60:混合槽
70:沈殿槽(最終沈澱池)
71:傾斜板
80:凝集剤添加手段
90:消毒槽
100:有機性排水処理装置

Claims (12)

  1. 無酸素槽と第1好気槽と第2好気槽と沈殿槽とを備える有機性排水処理装置の運転方法であって、
    有機性排水を前記無酸素槽に供給し、前記無酸素槽と前記第1好気槽との間で有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させて硝化脱窒処理を行ないつつ、前記第1好気槽に配置された膜分離装置からの膜透過液を処理水として取り出すとともに、
    前記無酸素槽から前記第2好気槽へ混合液を送液し、さらに前記第2好気槽から前記沈殿槽へ混合液を送液し、前記沈殿槽からの固液分離液を処理水として取り出す、ことを特徴とする有機性排水処理装置の運転方法。
  2. 無酸素槽と第1好気槽と第2好気槽と混合槽と沈殿槽とを備える有機性排水処理装置の運転方法であって、
    有機性排水を前記混合槽に供給し、前記混合槽と前記無酸素槽との間で有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させつつ、前記無酸素槽と前記第1好気槽との間で有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させて硝化脱窒処理を行ないつつ、前記第1好気槽に配置された膜分離装置からの膜透過液を処理水として取り出すとともに、
    前記混合槽から前記第2好気槽へ混合液を送液し、さらに前記第2好気槽から前記沈殿槽へ混合液を送液し、前記沈殿槽からの固液分離液を処理水として取り出す、ことを特徴とする有機性排水処理装置の運転方法。
  3. 無酸素槽と第1好気槽と兼用槽と沈殿槽とを備える有機性排水処理装置の運転方法であって、
    有機性排水を前記無酸素槽に供給し、前記無酸素槽と前記第1好気槽との間で有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させて硝化脱窒処理を行ないつつ、前記第1好気槽に配置された膜分離装置からの膜透過液を処理水として取り出すとともに、前記無酸素槽から好気処理を行なう前記兼用槽へ混合液を送液し、さらに前記兼用槽から前記沈殿槽へ混合液を送液し、前記沈殿槽からの固液分離液を処理水として取り出す第1運転状態と、
    前記無酸素槽と前記第1好気槽との間で混合液を循環させつつ、前記無酸素槽と無酸素処理を行なう前記兼用槽との間で混合液を循環させて硝化脱窒処理を行いつつ、専ら前記第1好気槽に配置された膜分離装置からの膜透過液を処理水として取り出す第2運転状態と、
    を備える、ことを特徴とする有機性排水処理装置の運転方法。
  4. 前記沈殿槽の汚泥を前記第1好気槽へ返送する、ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の有機性排水処理装置の運転方法。
  5. 前記沈殿槽の汚泥を前記無酸素槽へ返送する、ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の有機性排水処理装置の運転方法。
  6. 前記第2好気槽または前記兼用槽から前記沈殿槽へ混合液を移送する途中または前記沈殿槽に凝集剤を添加する、ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の有機性排水処理装置の運転方法。
  7. 脱窒処理を行なう無酸素槽と、処理水を膜透過液として取り出す膜分離装置を備え硝化処理を行なう第1好気槽と、初期吸着処理を行なう第2好気槽と、沈殿槽と、前記無酸素槽へ有機性排水を供給する原水供給経路と、前記無酸素槽から前記第1好気槽へ有機性排水と活性汚泥の混合液を送る第1混合液経路と、前記第1好気槽から前記無酸素槽へ混合液を循環させる第1循環経路と、前記第2好気槽から前記沈殿槽へ混合液を送る第2混合液経路と、前記無酸素槽から前記第2好気槽へ混合液を送る第3混合液経路とを備える、ことを特徴とする有機性排水処理装置。
  8. 脱窒処理を行なう無酸素槽と、処理水を膜透過液として取り出す膜分離装置を備え硝化処理を行なう第1好気槽と、初期吸着処理を行なう第2好気槽と、混合槽と、沈殿槽と、有機性排水を前記混合槽に供給する原水供給経路と、前記第1好気槽から前記無酸素槽へ有機性排水と活性汚泥との混合液を循環させる第1循環経路と、前記無酸素槽から前記混合槽へ混合液を循環する第2循環経路と、前記第2好気槽から前記沈殿槽へ混合液を送る第2混合液経路と、前記混合槽から前記第2好気槽へ混合液を送る第4混合液経路とを備える、ことを特徴とする有機性排水処理装置。
  9. 脱窒処理を行なう無酸素槽と、処理水を膜透過液として取り出す膜分離装置を備え硝化処理を行なう第1好気槽と、兼用槽と、沈殿槽と、前記無酸素槽へ有機性排水を供給する原水供給経路と、前記無酸素槽から前記第1好気槽へ有機性排水と活性汚泥の混合液を送る第1混合液経路と、前記兼用槽から前記沈殿槽へ混合液を送る第2混合液経路と、前記無酸素槽から前記兼用槽へ混合液を送る第3混合液経路と、第1好気槽から前記無酸素槽へ混合液を循環させる第1循環経路と、前記無酸素槽から前記兼用槽へ混合液を循環させる第循環経路と、を備え、
    前記第3循環経路を開放して、前記兼用槽を第2好気槽として機能させる第1運転状態と、前記第3循環経路を閉塞して、前記兼用槽を第2無酸素槽として機能させる第2運転状態とに切替可能に構成されている、ことを特徴とする有機性排水処理装置。
  10. 第1仕切壁を介して上方空間に前記第1好気槽が配置され、下方空間に前記無酸素槽が配置されている請求項7から9の何れかに記載の有機性排水処理装置。
  11. 第2仕切壁を介して前記無酸素槽の下方空間に前記沈殿槽が配置されている請求項10記載の有機性排水処理装置。
  12. 前記沈殿槽の汚泥を前記第1好気槽へ返送する、汚泥返送経路を備えることを特徴とする請求項から11の何れかに記載の有機性排水処理装置。
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