JP7194656B2 - 多孔質膜 - Google Patents
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Description
特許文献2に記載の方法では、血液中へのポリマー溶出を防ぐために共重合体に導入されている疎水性構造に起因して、ファウリング耐性が低く、使用により透水性が低下しやすい。
本発明は、耐ファウリング性能が高く、かつその性能が使用により低下しにくい多孔質膜を提供することである。
<1>ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンからなる群より選択されるポリマーからなる骨格を有し、さらにポリビニルピロリドンを含む多孔質膜であって、
一般式(I)で表されるモノマーユニットを含む重合体または一般式(II)もしくは
一般式(III)で表される重合体からなる親水性材料を上記骨格内部に含み、
上記親水性材料が孔表面に偏在している上記多孔質膜;
R1は水素原子またはメチル基を表し、
R2は水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、または、PO3C2H4N(CH3)3を表し、
R3は水素原子を表し、ただし、R2とR3とが結合してR2が結合する酸素原子およびR3が結合する炭素原子とともに5員環を形成していてもよく、
tは1~9の整数であり、
一般式(I)で表されるモノマーユニットを含む重合体は一般式(I)で示されるモノマーユニットを60mol%以上含む重合体であり、
一般式(II)中、mおよびnは、それぞれ独立に整数であり、以下の式を満たし;
m/(n+m)=0.3~0.7
一般式(III)中、nは整数である。
IB0/IB100>2;
IB100/IA>0.05。
<4>上記親水性材料が一般式(I)で表されるモノマーユニットを含む重合体からなる<1>~<3>のいずれかに記載の多孔質膜。
<5>上記親水性材料が一般式(II)で表される重合体からなる<1>~<3>のいずれかに記載の多孔質膜。
<6>上記親水性材料が一般式(III)で表される重合体からなる<1>~<3>のいずれかに記載の多孔質膜。
<7>厚みが10~1000μmである<1>~<6>のいずれかに記載の多孔質膜。
<8>厚み方向で孔径分布を有する<1>~<7>のいずれかに記載の多孔質膜。
<9>孔径が最小となる層状の緻密部位を内部に有し、
上記緻密部位から上記多孔質膜の少なくとも一方の膜表面に向かって厚み方向で孔径が連続的に増加している<1>~<8>のいずれかに記載の多孔質膜。
<10>上記緻密部位の平均孔径が0.01~10μmである<9>に記載の多孔質膜。
本明細書において、「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
多孔質膜は複数の孔を有する膜をいう。孔は、例えば膜断面の走査型電子顕微鏡(SEM)撮影画像または透過型電子顕微鏡(TEM)撮影画像で確認することができる。
本発明の親水性多孔質膜は、多孔質膜骨格と、上記骨格内部にある親水性材料とを含み、この親水性材料は多孔質膜の各孔表面に偏在している。本明細書において、多孔質膜の骨格とはそれのみで多孔質膜を形成できる部分を意味し、親水性材料等を保持する基材として機能する部分を意味する。本明細書において、親水性材料を骨格内部に含むとは、親水性材料の少なくとも一部が骨格内部に存在することを意味し、親水性材料が単に骨格表面を被覆する場合、すなわち、孔表面および膜表面を被覆しているのみである場合を含まない意味である。各孔表面とは、多孔質膜内部の各孔に面している多孔質膜の面を意味し、多孔質膜の膜表面(膜のおもて面または裏面)とは区別される。本明細書において、「偏在する」とは他の部分と比較して多くが存在することを意味し、その部分のみに存在することを含む。
上記の構成は、例えばポリマーおよびポリビニルピロリドンを含む製膜原液に下記で説明する親水性材料を添加(原液添加)して多孔質膜骨格を形成することにより実現することができる。
本発明の多孔質膜はポリスルホンおよびポリエーテルスルホンからなる群より選択されるポリマーからなる骨格で形成されている。
ポリスルホンは一般式(1)で表される構造単位の繰り返しからなるポリマーであり、ポリエーテルスルホンは一般式(2)で表される構造単位の繰り返しからなるポリマーである。
非水溶性樹脂から形成される多孔質膜は、一般的に、耐水性、耐薬品性、機械耐性が高く、フィルターとしての工業的使用にも適している。非水溶性樹脂としてポリスルホンおよびポリエーテルスルホンからなる群より選択されるポリマー、特にポリスルホンを用いるとさらに耐水性、耐薬品性、機械耐性が高い多孔質膜を得ることができる。
本発明の多孔質膜において、親水性材料としては、一般式(I)で表されるモノマーユ
ニットを含む重合体または一般式(II)もしくは一般式(III)で表される重合体が用いられる。これらの重合体は、同一分子内に、相対的に親水性を示す部位として、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合、カルボキシル基、カルボニル基、アミド結合、アミノ基、ベタイン構造からなる群より選択される基または構造と、相対的に疎水性を示す部位として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフロロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリアミド、ポリイミドからなる群より選択される構造とを有する。このような構造を有する親水性材料は、多孔質膜の形成時の製膜原液に加えられると、疎水性である多孔質膜骨格と、取り込まれた水分およびポリビニルピロリドンとの中間に位置し、多孔質膜骨格内部の孔表面側に均一に固定化され、偏在する。また、親水性材料は少なくともその一部が骨格内部に含まれる構成となり、流れ出しにくくなり、耐久性の高い膜を形成することができる。
以下、一般式(I)で表されるモノマーユニットを含む重合体または一般式(II)も
しくは一般式(III)で表される重合体について説明する。
R2は水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、または、PO3C2H4N(CH3)3を表す。
R3は水素原子を表し、ただし、R2とR3とが結合してR2が結合する酸素原子およびR3が結合する炭素原子とともに5員環を形成していてもよい。5員環としては、テトラヒドロフランが挙げられる。R2と結合して上記5員環を形成するR3はtが2以上であるとき、最もR2側末端にあるR3である。R2とR3とが結合してR2が結合する酸素原子およびR3が結合する炭素原子とともに5員環を形成するとき、tは1であることが特に好ましい。
tは1~9の整数であり、1~3が好ましい。
m/(n+m)=0.3~0.7
一般式(II)で表される重合体は、すなわち、n個の式II-1で表されるモノマーユニットとm個の式II-2で表されるモノマーユニットとがランダム共重合またはブロック共重合した重合体である。
一般式(III)で表される重合体の重量平均分子量は、いずれも、10,000以上であることが好ましく、30,000以上であることがより好ましく、50,000以上であることがさらに好ましい。
カラム: Shodex OHpak KB805HQ
移動相: 0.1M酢酸ナトリウム緩衝液
流速 : 1.0 mL/min
温度 : 40℃
検出器: RI(示差屈折計)
なお、分子量の算出には標準プルラン標品Shodex Pullulan P-5、P-10、P-20、P-50、P-82、P-100、P-200、P-400、P-800、P-1600を使用することができる。
本発明の多孔質膜が上記いずれかの重合体である親水性材料を多孔質膜の骨格内部に含み、かつ、上記親水性材料が各孔表面に偏在していることについては、以下の手段で確認することができる。
なお、上述のように、多孔質膜の孔表面とは、多孔質膜のおもて面または裏面などの直接手で触れられる部分ではなく、膜内部の孔の表面を指す。孔表面は、多孔質膜を破壊することで露出させることができる。上記破壊は例えば、多孔質膜を液体窒素等で凍結させた後、孔表面が露出するように多孔質膜を切断することにより行えばよい。
IB0/IB100>2
IB100/IA>0.05
IB0/IB100>2であることは親水性材料が各孔表面に偏在していることを意味し、表面が効率的に親水化され、多孔質膜へのタンパク質の付着抑制の効果が高い。
また、IB100/IA>0.05であることは、親水性材料が多孔質膜の骨格内部に存在することを意味し、膜使用中に親水性材料が流出しにくく、耐久性が向上する。
一次イオン源はAu、Biを用いることができ、Biを用いることが好ましい。
深さ方向の分析は、スパッタイオン銃を用いたスパッタ処理を行うことにより実現することができる。スパッタイオンとしては、フラーレン(C60)やアルゴンガスクラスターイオン(Ar-GCIB)を用いることができ、Ar-GCIBを用いることが好ましい。例えば、10~100nm/min程度のスパッタ速度でTOF-SIMS測定を行い、スパッタ速度を深さに換算することで深さ方向に応じた各成分由来のイオンの強度の分析が可能になる。
また、IA、IB0、IB100の各値としては、1つの多孔質膜について上記部位の複数の孔において分析を行って得られた値の平均値を用いることが好ましい。
本発明の多孔質膜は、さらにポリビニルピロリドンを含む。このとき、ポリビニルピロリドンは多孔質膜に保持されている状態であってもよい。ポリビニルピロリドンを含むことにより本発明の多孔質膜の親水性はさらに高くなる。ポリビニルピロリドンは、例えば、特開昭64-34403号公報に記載があるようにポリスルホン膜またはポリエーテルスルホン膜の製膜原液中に孔形成剤として添加されるものである。製膜原液中のポリビニルピロリドンは製膜過程でそのほとんどが凝固水中に溶解して除去されるが、一部が膜表面に残留するものである。
多孔質膜は上記ポリマー、親水性材料、およびポリビニルピロリドン以外の他の成分を添加剤として含んでいてもよい。
上記添加剤としては、食塩、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム等の有機酸の金属塩、ポリエチレングリコール等の高分子、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等の高分子電解質、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルメチルタウリン酸ナトリウム等のイオン系界面活性剤等を挙げることができる。添加剤は多孔質構造のための膨潤剤として作用していてもよい。
上述のように多孔質膜は複数の孔を有する膜である。
多孔質膜の孔の孔径は、ろ過対象物の大きさによって適宜選択することができるが、0.005μm~25μmであればよく、0.01μm~20μmであることがより好ましい。孔径分布を有する場合はこの範囲で分布していればよい。孔径は電子顕微鏡によって得られた膜断面の写真から測定すればよい。多孔質膜はミクロトーム等により切断し、断面が観察できる薄膜の切片として、多孔質膜断面の写真を得ることができる。
本明細書において、非対称構造の多孔質膜の、孔径の大きい側の面を1次面、孔径の小さい側の面を2次面と呼ぶ。
本明細書においては、緻密部位の平均孔径を多孔質膜の最小孔径とする。多孔質膜の最小孔径は0.01μm以上であることが好ましく、0.03μm以上であることがより好ましく、0.05μm以上であることがさらに好ましく、0.1μm以上であることが特に好ましく、また、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。
ここで、緻密部位の平均孔径はASTM F316-80により測定したものとする。
平均孔径が最大となる区分は膜のいずれかの表面にもっとも近い区分またはその区分に接する区分であることが好ましい。
本発明の多孔質膜の製造方法は特に限定されず、通常のポリマー膜形成方法をいずれも用いることができる。ポリマー膜形成方法としては延伸法および流延法などが挙げられるが、多孔質膜の製造には、流延法を用いることが特に好ましい。流延法において、製膜原液に用いる溶媒の種類および量や流延後の乾燥方法を調節することにより孔径分布を有する多孔質膜を作製することができる。
(1)ポリマー、親水性材料、ポリビニルピロリドン、および必要に応じて、その他の添加剤および溶媒を含む製膜原液を溶解状態で支持体上に流延する。
(2)流延された液膜の表面に調温湿風を当てる。
(3)調温湿風を当てた後に得られる膜を凝固液に浸漬する。
(4)必要に応じて支持体を剥離する。
さらに、製膜原液が添加剤として塩化リチウムを含むとき、塩化リチウムは、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンの総質量に対し、5質量%~20質量%で含まれていることが好ましく、10質量%~15質量%で含まれていることがより好ましい。
多孔質膜には滅菌処理を行なってもよい。多孔質膜の滅菌処理として、例えば、高圧蒸気滅菌処理を行うことができる。特にオートクレーブを用いた高温高圧の水蒸気による処理を行うことが好ましい。通常、プラスチックに対する高圧蒸気滅菌処理は、飽和水蒸気によって加圧され110~140℃程度の環境下で10~30分間処理することによって行われるが、本発明の親水性多孔質膜の滅菌処理も同様の条件で行うことができる。滅菌処理に用いられるオートクレーブとしては、例えば、株式会社トミー精工製のSS325が挙げられる。
本発明の多孔質膜はろ過膜として各種用途で使用することができる。ろ過膜は、種々の高分子、微生物、酵母、微粒子を含有あるいは懸濁する液体の分離、精製、回収、濃縮などに適用され、特にろ過を必要とする微細な微粒子を含有する液体からその微粒子を分離する必要のある場合に適用することができる。例えば、微粒子を含有する各種の懸濁液、発酵液あるいは培養液などの他、顔料の懸濁液などから微粒子を分離するときにろ過膜を使用することができる。本発明の多孔質膜は、具体的には、製薬工業における薬剤の製造、食品工業におけるビールなどのアルコール飲料製造、電子工業分野での微細な加工、精製水の製造などにおいて必要となる精密ろ過膜として使用することができる。
長尺の多孔質膜を短辺(幅)方向で折り目がつくようにプリーツ加工する。例えば、通常2枚の膜サポートの間に挟んで、公知の方法でプリーツ加工することができる。膜サポートとしては不織布、織布、ネットなどを使用すればよい。膜サポートは、ろ過圧変動に対してろ過膜を補強すると同時に、ひだの奥に液を導入するために機能する。プリーツひだの幅は例えば5mmから25mmであればよい。プリーツ加工した多孔質膜は円筒状に丸め、その合わせ目をシールすればよい。
なお、多孔質膜におけるヒドロキシアルキルセルロースは、フィルターカートリッジにおいて、一部または全てが洗浄工程等で用いられる溶剤に溶解して除去されていてもよい。
(実施例1~18)
N-メチルピロリドン(富士フイルム和光純薬社製、特級)68.7質量%に表1に記載の親水性材料を0.3質量%混合し、200rpmで30分間撹拌した。次に、ポリビニルピロリドン(ピッツコールk-50)を15.6質量%混合し、300rpmで25分間撹拌した。次にポリスルホン(Solvay社、ユーデルP-3500LCD、実施例18のみ、ポリエーテルスルホン(スミカエクセルPES 5200P))を14.5質量%混合し、300rpmで120分間撹拌した。最後に塩化リチウム(富士フイルム和光純薬社製、分子生物学用)を1質量%添加し300rpmで30分間撹拌した。撹拌はすべてスリーワンモーター(新東科学社製、BL600)を用いて行った。
N-メチルピロリドン(富士フイルム和光純薬社製、特級)68.9質量%にポリビニルピロリドン(ピッツコールk-50)を15.6質量%混合し、300rpmで25分間撹拌した。次にポリスルホン(Solvay社、ユーデルP-3500LCD)を14.5質量%混合し、300rpmで120分間撹拌した。最後に塩化リチウム(富士フイルム和光純薬社製、分子生物学用)を1質量%添加し300rpmで30分間撹拌した。撹拌はすべてスリーワンモーター(新東科学社製、BL600)を用いて行った。
親水性材料溶液は、水(orエタノール)99.3質量%と表1に記載の親水性材料0.7質量%とを混合し、スターラーで30分間撹拌した。
N-メチルピロリドン(富士フイルム和光純薬社製、特級)68.7質量%に表1に記載の親水性材料を0.3質量%混合し、200rpmで30分間撹拌した。次に、ポリビニルピロリドン(ピッツコールk-50)を15.6質量%混合し、300rpmで25分間撹拌した。次にポリスルホン(Solvay社、ユーデルP-3500LCD)を14.5質量%混合し、300rpmで120分間撹拌した。最後に塩化リチウム(富士フイルム和光純薬社製、分子生物学用)を1質量%添加し300rpmで30分間撹拌した。撹拌はすべてスリーワンモーター(新東科学社製、BL600)を用いて行った。
N-メチルピロリドン(富士フイルム和光純薬社製、特級)68.9質量%にポリビニルピロリドン(ピッツコールk-50)を15.6質量%混合し、300rpmで25分間撹拌した。次にポリスルホン(Solvay社、ユーデルP-3500LCD)を14.5質量%混合し、300rpmで120分間撹拌した。最後に塩化リチウム(富士フイルム和光純薬社製、分子生物学用)を1質量%添加し300rpmで30分間撹拌した。撹拌はすべてスリーワンモーター(新東科学社製、BL600)を用いて行った。
各実施例および比較例の多孔質膜を液体窒素で凍結させ、厚み方向で1次面から10μm付近を剃刀を用いて押し切りで割断し、膜内部の孔の表面を露出させた。露出した孔から任意に選んだ5つの孔の表面サンプルをTOF-SIMS装置(アルバック・ファイ社製、TRIFT V nano TOF)に導入し、測定領域1×1μm、スパッタ速度:70nm/min、1次イオン銃:Bi3++(30kV,DC2.0nA)を照射し、2次イオンを質量分析し、孔表面からの深さ(nm)に対する、ポリスルホンまたはポリエーテルスルホンの由来のイオン強度および親水性材料のイオン強度のTOF-SIMSスペクトルを得た。なお、観測したフラグメントは以下のとおりである。
ポリスルホンまたはポリエーテルスルホン:C6H5 +(m/z=77)
一般式(I):C3H3O+(m/Z=55)もしくは、C4H5O+(m/z=69)
一般式(II):C6H10NO+(m/z=112.3)
一般式(III):C3H3O+(m/z=55)
実施例はいずれも以下の2つの式をいずれも満たしていた。
IB0/IB100>2
IB100/IA>0.05
超純水に牛血清アルブミン(シグマアルドリッチ社製)を4g/Lとなるように添加し、30分間撹拌した。この液を27℃に温調し、50kPaの圧力で100mlずつ10回、1次面から多孔質膜に通水した。1回目の通水量(初期通水量)RIと10回目の通水量(後期通水量)RFを比較し、RF/RIを耐ファウリング性能の指標として評価した。RF/RIの値が大きいほど多孔質膜の耐ファウリング性能が高い。RI、RF、およびRF/RIを表1に示す。
Claims (10)
- ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンからなる群より選択されるポリマーからなる骨格を有し、さらにポリビニルピロリドンを含む多孔質膜であって、
一般式(I)で表されるモノマーユニットを含む重合体または一般式(II)もしくは一
般式(III)で表される重合体からなる親水性材料を前記骨格内部に含み、
前記親水性材料が孔表面に偏在している前記多孔質膜;
R1は水素原子またはメチル基を表し、
R2は水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、または、PO3C2H4N(CH3)3を表し、
R3は水素原子を表し、ただし、R2とR3とが結合してR2が結合する酸素原子およびR3が結合する炭素原子とともに5員環を形成していてもよく、
tは1~9の整数であり、
一般式(I)で表されるモノマーユニットを含む重合体は一般式(I)で示されるモノマーユニットを60mol%以上含む重合体であり、
一般式(II)中、mおよびnは、それぞれ独立に整数であり、以下の式を満たし;
m/(n+m)=0.3~0.7
一般式(III)中、nは整数である。 - 飛行時間型二次イオン質量分析装置を用いた孔表面からの深さ方向分析において、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンからなる群より選択される前記ポリマーのイオンが初めて観測された深さからその深さから140nm深い深さまでの前記ポリマーのイオン強度の平均値をIA、前記ポリマーのイオンが初めて観測された深さでの前記親水性材料のイオン強度をIB0、前記ポリマーのイオンが初めて観測された深さから100nm深い深さでの前記親水性材料のイオン強度をIB100としたとき、以下の式を満たす、請求項1に記載の多孔質膜;
IB0/IB100>2;
IB100/IA>0.05。 - 前記親水性材料の重量平均分子量が10,000以上である請求項1または2に記載の多孔質膜。
- 前記親水性材料が一般式(I)で表されるモノマーユニットを含む重合体からなる請求項1~3のいずれか一項に記載の多孔質膜。
- 前記親水性材料が一般式(II)で表される重合体からなる請求項1~3のいずれか一項に記載の多孔質膜。
- 前記親水性材料が一般式(III)で表される重合体からなる請求項1~3のいずれか一項に記載の多孔質膜。
- 厚みが10~1000μmである請求項1~6のいずれか一項に記載の多孔質膜。
- 厚み方向で孔径分布を有する請求項1~7のいずれか一項に記載の多孔質膜。
- 孔径が最小となる層状の緻密部位を内部に有し、
前記緻密部位から前記多孔質膜の少なくとも一方の膜表面に向かって厚み方向で孔径が連続的に増加している請求項1~8のいずれか一項に記載の多孔質膜。 - 前記緻密部位の平均孔径が0.01~10μmである請求項9に記載の多孔質膜。
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