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JP7186462B2 - 歯科用コンポジットブランク及びその製造方法 - Google Patents

歯科用コンポジットブランク及びその製造方法 Download PDF

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JP7186462B2 JP2020535501A JP2020535501A JP7186462B2 JP 7186462 B2 JP7186462 B2 JP 7186462B2 JP 2020535501 A JP2020535501 A JP 2020535501A JP 2020535501 A JP2020535501 A JP 2020535501A JP 7186462 B2 JP7186462 B2 JP 7186462B2
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Description

本発明は、歯科用コンポジットブランク及びその製造方法に係り、より詳細には、歯科用コンポジットペーストを硬化させる前に、互いに異なる圧力を加圧するステップを繰り返し行うことにより、機械的特性が向上した歯科用コンポジットブランク及びその製造方法に関する。
歯科用補綴施術に使用される歯科用補綴材料は、歯のう蝕や破折などにより生じた歯の破損部位及び歯冠全体を修復したり動揺歯を固定させたりする一般な歯科施術に加えて、歯の矯正や審美歯科治療などの非常に広い範囲にわたって使われている主要な歯科材料の一つである。
一般な歯科用補綴物は、修復材、補充材、インレイ(inlay)、オンレイ(onlay)、ベニア(veneer)、全体及び部分クラウン(crown)、ブリッジ(bridge)、インプラント(implant)、ポスト(post)などが挙げられる。補綴物は、専門的な知識を有する歯科医師の手作業によって製作されるか、或いは製作が可能な技工所で熟練した専門製作者である技工士によって製作される。
最近の技術発達に伴い、コンピュータ自動化装備である光学、デジタル化装置、機械的ミル機器及びCAD/CAMなどが登場して、技工士の手作業領域と歯科用補綴物製作期間が著しく減少した。このようなコンピュータ自動化装備は、従来の手作業の方法よりも速い速度及び低い労働量で必要な修復物を正確な形状及び形態に切断、ミル及び粉砕することにより、歯科用補綴物を製作する。CAD/CAM装置を用いた歯科用補綴物は、典型的にミルブランク(mill blank)、すなわち補綴が切断または彫刻される材料である固体ブランクを使用する。
ミルブランクは、ジルコニア、ガラスセラミック、最近導入されたハイブリッドセラミックの素材が主に使用されている。しかし、ジルコニア及びガラスセラミックの場合、複雑な後工程により長い時間がかかり、ジルコニアまたはガラスセラミックの硬さのために対合歯に損傷が生じることがある。また、従来のハイブリッドセラミックの場合、簡単な工程及び自然歯に近い審美性のために脚光を浴びているが、ジルコニアやガラスセラミックに比べて著しく低い機械的強度により臼歯部の修復に不安要素があった。
米国特許出願公開公報US2014/0272798号(2014年9月18日)は、取り外し可能な義歯を製造するための方法に関するもので、フィラーを含んでおらず、韓国公開特許公報第10-2016-0024334号(2016年3月4日)は、内部に中空を含む中空型柱状の歯科用コンポジットブランクに関するものである。
本発明の目的は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、歯科用コンポジットペーストを硬化させる前に、互いに異なる圧力を加圧するステップを繰り返し行うことにより、未分散のフィラーが分散され、気泡が除去された歯科用コンポジットブランク、及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、未分散のフィラーが分散され、気泡が除去されることにより、機械的特性が向上した歯科用コンポジットブランク、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、(a)コンポジットペーストをモールドに位置させるステップと、(b)モールドに注入された前記コンポジットペーストを第1圧力Pで加圧するステップと、(c)モールドに注入された前記コンポジットペーストを第2圧力Pで加圧するステップと、(d)加圧が行われた前記コンポジットペーストを硬化させるステップと、を含み、ステップ(b)及び(c)がそれぞれ単回または複数回行われ、前記第1圧力Pは前記第2圧力Pよりも小さいか大きいものである、歯科用コンポジットブランクの製造方法が提供される。
ステップ(b)及び(c)のうちのいずれか一つが行われた後、もう一つが行われてもよい。
ステップ(b)及び(c)が繰り返し行われてもよい。
ステップ(b)及び(c)がそれぞれ1~20回行われ、ステップ(b)及び(c)が互いに交差して行われてもよい。
前記第1圧力P及び前記第2圧力Pのうちのいずれか一つが5~300MPaであり、もう一つが1~10MPaであってもよい。
前記第1圧力Pと前記第2圧力Pとの差が5~299MPaであってもよい。
ステップ(b)及び(c)がそれぞれ独立して10~59℃で行われてもよい。
ステップ(b)及び(c)は、それぞれ硬化が行われなくてもよい。
ステップ(b)及び(c)が不活性ガス雰囲気の下で行われてもよい。
前記不活性ガスが窒素またはアルゴンであってもよい。
ステップ(d)は5~300MPaの圧力で行われてもよい。
ステップ(d)は80~200℃の温度で行われてもよい。
ステップ(b)が複数回行われ、複数回行われるステップ(b)のうち、先に行われるステップ(b)の圧力P(1)が、後で行われるステップ(b)の圧力P(2)と同じか異なってもよい。
ステップ(c)が複数回行われ、複数回行われるステップ(c)のうち、先に行われるステップ(c)の圧力P(1)が、後で行われるステップ(c)の圧力P(2)と同じか異なってもよい。
前記コンポジットペーストは、不飽和二重結合を含むモノマー、及び不飽和二重結合を含むモノマーのオリゴマーの中から選ばれた1種以上の不飽和二重結合化合物;フィラー;並びに重合開始剤;を含んでもよい。
前記不飽和二重結合を含むモノマーがメタクリレート(MA)系またはアクリレート系モノマーであってもよい。
前記モノマーは、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis-GMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、エチレングリコールジアクリレート(EDGA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、トリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、エトキシレートビスフェノールAジメタクリレート(Bis-EMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、ポリウレタンジアクリレート(PUDA)、ジペンタエリトリトールペンタアクリレートモノホスフェート(dipentaerythritol pentaacrylate monophosphate、PENTA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-hydroxyethyl methacrylate、HEMA)、ポリアルケン酸(polyalkenoic acid)、ビフェニルジメタクリレート(biphenyl dimethacrylate、BPDM)、ビフェニルジアクリレート(biphenyl diacrylate、BPDA)及びグリセロールホスフェートジメタクリレート(glycerol phosphate dimethacrylate、GPDM)の中から選ばれた1種以上を含んでもよい。
前記フィラーは、無機フィラー及び有機フィラーの中から選ばれた1種以上を含んでもよい。
前記無機フィラーは、合成非晶質シリカ(synthetic amorphous silica)、結晶性シリカ(crystalline silica)、バリウムシリケート(barium silicate)、バリウムボロシリケート(barium borosilicate)、バリウムフルオロアルミノボロシリケート(barium fluoroaluminoborosilicate)、バリウムアルミノボロシリケート(barium aluminoborosilicate)、ストロンチウムシリケート(strontium silicate)、ストロンチウムボロシリケート(strontium borosilicate)、ストロンチウムアルミノボロシリケート(strontium aluminoborosilicate)、カルシウムシリケート(calcium silicate)、アルミノシリケート(alumino silicate)、窒化ケイ素(silicon nitrides)、二酸化チタン(titanium dioxide)、カルシウムヒドロキシアパタイト(calcium hydroxy apatite)、ジルコニア(zirconia)、及び生理活性ガラス(Bioactive glass)の中から選ばれた1種以上を含んでもよい。
前記合成非晶質シリカ(synthetic amorphous silica)、結晶性シリカ(crystalline silica)及びジルコニアが粒子形状であり、前記粒子の平均直径が0.01~0.1μmであってもよい。
前記バリウムシリケート(barium silicate)、バリウムボロシリケート(barium borosilicate)、バリウムフルオロアルミノボロシリケート(barium fluoroaluminoborosilicate)、バリウムアルミノボロシリケート(barium aluminoborosilicate)、ストロンチウムシリケート(strontium silicate)、ストロンチウムボロシリケート(strontium borosilicate)、及びストロンチウムアルミノボロシリケート(strontium aluminoborosilicate)は粒子形状であり、前記粒子の平均直径は0.1~3μmであってもよい。
前記重合開始剤が、光重合開始剤及び熱重合開始剤の中から選ばれた1種以上を含んでもよい。
前記コンポジットペーストが、前記不飽和二重結合化合物100重量部、前記フィラー50~1,000重量部、及び前記重合開始剤0.01~5重量部を含んでもよい。
本発明の他の態様によれば、不飽和二重結合を有するモノマー、及び不飽和二重結合を有するモノマーのオリゴマーよりなる群から選ばれた1種以上を含む不飽和二重結合化合物100重量部、フィラー50~1,000重量部、重合開始剤0.01~5重量部を含むコンポジットペーストを重合して製造したコンポジットブランクであり、前記コンポジットブランクは、曲げ強度(flexural strength)が200~300MPaであることを特徴とする、歯科用コンポジットブランクが提供される。
前記曲げ強度が210乃至260Mpaであってもよい。
本発明の歯科用コンポジットブランク及びその製造方法は、歯科用コンポジットペーストを硬化させる前に、互いに異なる圧力を加圧するステップを繰り返し行うことにより、未分散のフィラーが分散され、気泡が除去されるという効果がある。
また、本発明の歯科用コンポジットブランク及びその製造方法は、未分散のフィラーが分散され、気泡が除去されることにより、機械的特性が向上するという効果がある。
図1aは、歯科用コンポジットペースト注入用モールドの平面図である。 図1bは、歯科用コンポジットペースト注入用モールドの斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態による歯科用コンポジットブランクの製造方法の圧力変化を示すグラフである。 図3は、本発明の他の実施形態に係る歯科用コンポジットブランクの製造方法の圧力変化を示すグラフである。
本発明は、多様な変更を加えることができ、種々の実施形態を有することができるので、特定の実施形態を例示し、詳細な説明に詳細に説明する。ところが、これは、本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものと理解されるべきである。本発明を説明するにあたり、関連する公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明確にするおそれがあると判断した場合、その詳細な説明を省略する。
また、以下で使用される「第1」、「第2」などのように序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使用できるが、これらの構成要素は、これらの用語によって限定されない。これらの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。例えば、本発明の権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素とも命名でき、同様に第2構成要素は第1構成要素とも命名できる。
ある構成要素が他の構成要素上に「形成されて」いる或いは「積層されて」いると記載された場合には、該他の構成要素の表面上の全面または一面に直接付着して形成または積層されていることもあるが、それらの間に別の構成要素がさらに存在することもあると理解されるべきである。
単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
以下、本発明の歯科用コンポジットブランクの製造方法について説明する。
まず、コンポジットペーストをモールドに位置させる(ステップa)。
図1a及び図1bは、それぞれ歯科用コンポジットペーストが注入されたモールドを上方または前方から眺めたときの模型である。前記モールドは、四角柱状をし、内部が切削され且つ上下が空いている形状をしているが、前記歯科用コンポジットペーストの粘度が高い場合、前記ペーストを注入しても流れない。
また、前記歯科用コンポジットペーストの粘度が低い場合には、ペーストの注入時に流れるおそれがあるので、前記モールドと同じ素材で下面を塞いでペーストの流れを防止し、前記歯科用コンポジットペーストを硬化させた後の下面の容易な分離のためにモールドの下面が分離型であってもよい。
前記モールドは、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンスルファイド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ナイロン、シリコンなどを含むことができ、好ましくはナイロンを含むことができる。
次いで、モールドに注入された前記コンポジットペーストを第1圧力P で加圧する(ステップb)。
続いて、モールドに注入された前記コンポジットペーストを第2圧力P で加圧する(ステップc)。
ステップ(b)及び(c)は、それぞれ単回または複数回行われ得る。
ステップ(b)及び(c)のうちのいずれか一つが行われた後、もう一つが行われ得る。
ステップ(b)及び(c)が繰り返し行われ得る。
ステップ(b)及び(c)がそれぞれ1~20回行われ、ステップ(b)及び(c)が互いに交差して行われ得るが、好ましくは3~15回行われ得る。回数が1回未満である場合には、気泡の除去効果が微々たるものであり、回数が20回を超える場合には、強度の向上にさらに大きな効果を得ることが難しくて好ましくない。
図2及び図3を参照すると、前記第1圧力Pは、前記第2圧力Pよりも小さいか或いは大きい。
前記第1圧力P及び前記第2圧力Pのうちのいずれか一つが5~300MPa、好ましくは10~150MPaであり、もう一つは1~10Mpaであり得る。1MPa未満で加圧する場合には、ペースト内に存在する気泡を除去する効果がなく、機械的強度が向上しないため好ましくなく、300MPa超過で加圧する場合には、機械的強度の上昇効果が微々たるものであって好ましくない。
前記第1圧力Pと前記第2圧力Pとの差が5~299MPaであり得る。
ステップ(b)及び(c)がそれぞれ独立して10~59℃で行われ得る。前記10~59℃の温度では、コンポジットペースト内に硬化が発生せず、曲げ強度の低下が現れないため機械的特性を維持することができるが、10℃未満の温度では、ペーストの流動性が大きくないため効果を得ることが難しくて好ましくなく、60℃超過の温度では、コンポジットペースト内に部分的に硬化が発生して曲げ強度の低下が現れて好ましくない。
ステップ(b)及び(c)は、それぞれ硬化が行われなくてもよい。
ステップ(b)及び(c)は不活性ガス雰囲気の下で行われ得る。前記不活性ガスは窒素またはアルゴンであり得る。
図2及び図3を参照すると、ステップ(b)が複数回行われ、複数回行われるステップ(b)のうち、先に行われるステップ(b)の圧力P(1)が、後で行われるステップ(b)の圧力P(2)と同じでも異なってもよい。
ステップ(c)が複数回行われ、複数回行われるステップ(c)のうち、先に行われるステップ(c)の圧力P(1)が、後で行われるステップ(c)の圧力P(2)と同じでも異なってもよい。
詳細には、P(1)、P(2)、...及びP(n)は、それぞれ独立して、互いに同じでも異なってもよく、P(1)、P(2)、...及びP(n)は、それぞれ独立して、互いに同じでも異なってもよい。また、P(n)まで行った後、再び加圧して硬化させるか、或いは、P(n)まで行った後、圧力を維持した状態で硬化させることができる。
最後に、加圧が行われた前記コンポジットペーストを硬化させて歯科用コンポジットブランクを製造する(ステップd)。
ステップ(d)は、5~300MPaの圧力で行われ得る。
ステップ(d)は、80~200℃の温度で行われ得る。
前記コンポジットペーストは、不飽和二重結合を含むモノマー、及び不飽和二重結合を含むモノマーのオリゴマーの中から選ばれた1種以上の不飽和二重結合化合物;フィラー;及び重合開始剤;を含むことができる。
前記不飽和二重結合を含むモノマー、及び不飽和二重結合を含むモノマーのオリゴマーの中から選ばれた1種以上の含有量は、使用分野及び目的に応じてさまざまである。前記不飽和二重結合を含むモノマー、及び不飽和二重結合を含むモノマーのオリゴマーは、前記ペースト組成物の重合時の分散度などに重要な役割を果たし、耐摩耗性及び作業性を決定付ける重要な因子であり得る。
前記モノマー及びオリゴマーの含有量が前記ペースト組成物の全重量に対して10重量%未満で少ない場合には、重合体を形成し難く、フィラーとの混合が容易でないおそれがある。前記モノマー及びオリゴマーの含有量が前記ペースト組成物の全重量に対して40重量%超過と多い場合には、機械的強度の低下により好ましくないおそれがある。したがって、前記不飽和二重結合を含むモノマー、及び不飽和二重結合を含むモノマーのオリゴマーの中から選ばれた1種以上は、前記ペースト組成物の全重量に対して10~40重量%、好ましくは16~25重量%で含まれ得る。
前記不飽和二重結合を含むモノマーは、メタクリレート(MA)系またはアクリレート系モノマーであり得るが、歯科用材料としての機械的強度が発揮できる、重合可能なものであればいずれでもよい。
前記モノマーは、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis-GMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、エチレングリコールジアクリレート(EDGA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、トリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、エトキシレートビスフェノールAジメタクリレート(Bis-EMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、ポリウレタンジアクリレート(PUDA)、ジペンタエリトリトールペンタアクリレートモノホスフェート(dipentaerythritol pentaacrylate monophosphate、PENTA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-hydroxyethyl methacrylate、HEMA)、ポリアルケン酸(polyalkenoic acid)、ビフェニルジメタクリレート(biphenyl dimethacrylate、BPDM)、ビフェニルジアクリレート(biphenyl diacrylate、BPDA)及びグリセロールホスフェートジメタクリレート(glycerol phosphate dimethacrylate、GPDM)の中から選ばれた1種以上を含むことができる。
前記フィラーは、前記モノマー及びオリゴマーとの含有量の関係を考慮したとき、好ましくは、前記ペースト組成物の全重量に対して60~88重量%で含まれ得る。前記フィラーは、無機フィラー、有機フィラー、安定剤などを使用することができる。
前記フィラーは、無機フィラー及び有機フィラーの中から選ばれた1種以上を含むことができる。
前記無機フィラーは、合成非晶質シリカ(synthetic amorphous silica)、結晶性シリカ(crystalline silica)、バリウムシリケート(barium silicate)、バリウムボロシリケート(barium borosilicate)、バリウムフルオロアルミノボロシリケート(barium fluoroaluminoborosilicate)、バリウムアルミノボロシリケート(barium aluminoborosilicate)、ストロンチウムシリケート(strontium silicate)、ストロンチウムボロシリケート(strontium borosilicate)、ストロンチウムアルミノボロシリケート(strontium aluminoborosilicate)、カルシウムシリケート(calcium silicate)、アルミノシリケート(alumino silicate)、窒化ケイ素(silicon nitrides)、二酸化チタン(titanium dioxide)、カルシウムヒドロキシアパタイト(calcium hydroxy apatite)、ジルコニア(zirconia)、及び生理活性ガラス(Bioactive glass)の中から選ばれた1種以上を含むことができ、前記ペースト組成物の全重量に対して60~88重量%含まれ得る。
前記合成非晶質シリカ(synthetic amorphous silica)、結晶性シリカ(crystalline silica)及びジルコニアが粒子形状であり、前記粒子の平均直径が0.01~0.1μmであり、その含有量は1~15重量%であり得る。前記含有量が1重量%未満の場合には、ペースト内のフィラー充填密度が減少し、前記含有量が15重量%を超える場合には、粘度が高くなって高含有量のフィラーを混合し難くなる。
一般に、無機フィラーは、親水性であるため、疎水性である前記メタクリレート系またはアクリレート系モノマーとの混和性に劣るので、結合剤成分を含むか、シランカップリング剤で無機フィラーを表面処理してモノマーとの親和性を高めることができる。
前記バリウムシリケート(barium silicate)、バリウムボロシリケート(barium borosilicate)、バリウムフルオロアルミノボロシリケート(barium fluoroaluminoborosilicate)、バリウムアルミノボロシリケート(barium aluminoborosilicate)、ストロンチウムシリケート(strontium silicate)、ストロンチウムボロシリケート(strontium borosilicate)、及びストロンチウムアルミノボロシリケート(strontium aluminoborosilicate)は粒子形状であり、前記粒子の平均直径は0.1~3μmであり得る。前記粒子の平均直径が0.1μmより小さい場合には、粒子相互間の凝集力によりペースト組成物内での均一な分散が困難になるおそれがあり、粘度上昇により気泡の除去及び作業が困難になるおそれがある。これに対し、前記粒子の平均直径が3μmよりも大きい場合には、結合強度及び物性の低下が現れ、歯への適用後に摩耗によって大きな粒子が失われて潤いが減少するおそれがある。
平均粒径0.1~3μmの無機フィラーの含有量は、65乃至84重量%であり得る。これは硬さ及び物性に影響を及ぼし、65重量%未満の含有量では、臼歯部に修復できない低い曲げ強度が現れ、84重量%超過の含有量では、モノマーとフィラーとの混合が難しい。
前記有機フィラーは、前記不飽和二重結合を含むモノマーやこれとの相溶性があるモノマーをバルク重合、エマルジョン重合、懸濁重合などで合成した後、粉末状に製造することにより、平均粒径0.005~100μmに粒子化したものを使用することができる。場合によっては、無機または有機フィラーを添加せず、代わりに前記不飽和二重結合を含むモノマーの硬化分子量を増加させて機械的強度を増加させることもできる。
前記ペースト組成物に使用された粒子のサイズは、平均粒径0.01~3μm、好ましくは0.1~2μmであり得る。平均粒径3μm超過の粒子を使用する場合には、CAM加工の際に機構の摩耗と加工時間が増加し、表面研磨が困難になるおそれがある。また、平均粒径0.01μm未満の粒子を使用する場合には、ブランク組成物の粘度が高くなって気泡の除去が難しく、コンポジットブランクの加工が困難になるおそれがある。
前記安定剤は、好ましくはフェノール系、ホスフェート系安定剤などを使用することができる。
前記ペースト組成物には、発明の効果を阻害しない範囲内で、その他の公知の化合物が添加できる。したがって、重合禁止剤、酸化防止剤、調色剤、蛍光剤、フッ素添加剤、安定剤などが添加できる。
前記ペースト組成物の重合反応は、反応に使用される触媒の種類に応じて、陽イオン形成メカニズム、陰イオン形成メカニズム、ラジカル形成メカニズムなどで行われ得る。これらの中でも、ラジカル形成メカニズムが最も好ましい。
前記重合反応メカニズムに基づいて、前記重合反応は、光重合反応または熱重合反応などで行われ得る。これにより、前記重合開始剤が、光重合開始剤及び熱重合開始剤の中から選ばれた1種以上を含むことができ、好ましくは熱重合開始剤であり得る。
前記熱重合反応は、熱によってラジカルが形成されて重合が開始でき、前記熱重合開始剤は、過酸化ベンゾイル(benzoyl peroxide)などのペルオキシド系が可能である。
このような重合反応のための重合開始剤は、重合反応を誘導しながら生成物の物性に影響を及ぼさない範囲内で組成物に含まれ得るので、組成物のその他の成分の種類及び含有量と触媒の種類に応じて異なり得る。
前記コンポジットペーストは、前記不飽和二重結合化合物100重量部、前記フィラー50~1,000重量部、及び前記重合開始剤0.01~5重量部を含むことができる。
前記コンポジットペーストは、粘稠度が5~70mmであり得る。粘稠度が5mm未満の場合には、モノマーに対するフィラーの含有量があまり高いため、コンポジットペースト加圧工程を行った後にも欠陥が残っており、コンポジットペーストを硬化させたときに曲げ強度が低下し、粘稠度が70mmを超える場合には、モノマーに対するフィラーの含有量が非常に低いため、コンポジットペーストを硬化させた後にモノマーが持っている曲げ強度が現れて好ましくない。
また、本発明は、不飽和二重結合を有するモノマー、及び不飽和二重結合を有するモノマーのオリゴマーよりなる群から選ばれた1種以上を含む不飽和二重結合化合物100重量部、フィラー50~1,000重量部、及び重合開始剤0.01~5重量部を含むコンポジットペーストを重合して製造したコンポジットブランクであり、前記コンポジットブランクは、曲げ強度(flexural strength)が200~300MPa、好ましくは210乃至300MPa、より好ましくは210~260MPaであることを特徴とする、歯科用コンポジットブランクを提供する。
[実施例]
製造例1:第1歯科用コンポジットペーストの製造
Bis-GMA(2,2-ビス-(4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)プロパン):TEGDMA(トリエチレングリコールジメタクリレート):BPO(過酸化ベンゾイル):バリウムシリケート:シリカを9.4:14.2:0.4:70:6の重量比(wt%)で混合して製造した。
まず、モノマーBis-GMAとTEGDMA及び開始剤BPOを一定速度の混合器で前記重量比で混合した後、3~5回にわたってフィラーバリウムシリケートとシリカを前記重量比で分けて仕込み、第1歯科用コンポジットペーストを製造した。
製造例2乃至5:第2乃至第5歯科用コンポジットペーストの製造
モノマー、開始剤、フィラーとしてそれぞれ下記表1に記載の物質を使用し、重量比を異にして第2乃至第5歯科用コンポジットペーストを製造した。
前記第1乃至第5歯科用コンポジットペーストの粘稠度は、ガラス上に前記第1乃至第5歯科用コンポジットペーストを1.0g押出し、ガラスで軽く覆った後、150Nのローディングデバイスを用いて60秒間押圧した。60秒経過後、ローディングデバイスとガラスを取り外した後、伸びたペーストの長い辺と短い辺の長さを測定することにより、平均値を粘稠度(mm)で下記表1に示す。
Figure 0007186462000001
Figure 0007186462000002
実施例1:歯科用コンポジットブランクの製造
図1a及び図1bを参照すると、高さ18mm、縦横20mm×20mmのナイロン板を厚さ5mm、縦横15mm×15mm、高さ18mmの四角柱状に内部切削してモールドを得た。前記モールドに、製造例1によって製造された第1歯科用コンポジットペーストを注入して、前記モールドの内部を隙間なく充填した。製造例1によって製造された第1歯科用コンポジットペーストが充填されたモールドをHIP(Hot Isostatic Pressing、熱間静水圧焼結法)装置内に固定した。
その後、HIP装置の内部温度を55℃に昇温した後、窒素で圧力を40MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを9回繰り返した。
次に、HIP装置の内部温度を120℃に昇温し、圧力を40MPaに維持して前記第1歯科用コンポジットペーストを2時間硬化させた。2時間経過後、圧力を大気圧まで徐々に下降させた後、モールドから分離して歯科用コンポジットブランクを製造した。
実施例2:歯科用コンポジットブランクの製造
前記モールドに、製造例2によって製造された第2歯科用コンポジットペーストを注入して、前記モールドの内部を隙間なく充填した。製造例2によって製造された第2歯科用コンポジットペーストが充填されたモールドをHIP(Hot Isostatic Pressing、熱間静水圧焼結法)装置内に固定した。
その後、HIP装置の内部温度を55℃に昇温した後、窒素で圧力を40MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを9回繰り返した。
次に、HIP装置の内部温度を120℃に昇温し、圧力を40MPaに維持して前記第2歯科用コンポジットペーストを2時間硬化させた。2時間経過後、圧力を大気圧まで徐々に下降させた後、モールドから分離して歯科用コンポジットブランクを製造した。
実施例3:歯科用コンポジットブランクの製造
実施例2でHIP装置の内部温度を55℃に昇温した後、窒素で圧力を40MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを9回繰り返す代わりに、HIP装置の内部温度を55℃に昇温すると同時に窒素で圧力を40MPaに加圧し、温度と圧力が到達すると、5分間維持し、温度は固定し、圧力は5MPaに減圧して1分間維持することを1回行った後、温度変化なしに加圧及び減圧工程を9回繰り返す以外は、実施例2と同様にして、歯科用コンポジットブランクを製造した。
実施例4:コンポジットブランクの製造
実施例2でHIP装置の内部温度を55℃に昇温する代わりに、HIP装置の内部温度を90℃に昇温する以外は、実施例2と同様にして、歯科用コンポジットブランクを製造した。
実施例5:歯科用コンポジットブランクの製造
前記モールドに、製造例3によって製造された第3歯科用コンポジットペーストを注入して、前記モールドの内部を隙間なく充填した。製造例3によって製造された第3歯科用コンポジットペーストが充填されたモールドをHIP装置内に固定した。
その後、HIP装置の内部温度を55℃に昇温した後、窒素で圧力を20MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを9回繰り返した。
次に、HIP装置の内部温度を120℃に昇温し、圧力は20MPaに維持して前記第3歯科用コンポジットペーストを2時間硬化させた。2時間経過後、圧力を大気圧まで徐々に下降させた後、モールドから分離して歯科用コンポジットブランクを製造した。
実施例6:コンポジットブランクの製造
実施例5で圧力を窒素で20MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを9回繰り返す代わりに、窒素で圧力を20MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを1回繰り返す以外は、実施例5と同様にして、歯科用コンポジットブランクを製造した。
実施例7:歯科用コンポジットブランクの製造
実施例1で製造例1によって製造された第1歯科用コンポジットペーストを注入する代わりに、製造例4によって製造された第4歯科用コンポジットペーストを注入し、
窒素で圧力を40MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを9回繰り返す代わりに、窒素で圧力を40MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを3回繰り返す以外は、実施例1と同様にして、歯科用コンポジットブランクを製造した。
実施例8:コンポジットブランクの製造
実施例7で圧力を窒素で40MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを3回繰り返す代わりに、空気(Air)で圧力を40MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを1回繰り返す以外は、実施例7と同様にして、歯科用コンポジットブランクを製造した。
比較例1:コンポジットブランクの製造
実施例1でHIP装置の内部温度を60℃に昇温した後、窒素で圧力を40MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを9回繰り返すステップを行わない以外は、実施例1と同様にして、歯科用コンポジットブランクを製造した。
比較例2:コンポジットブランクの製造
実施例1で圧力を窒素で40MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを9回繰り返し、圧力を40MPaに維持してコンポジットペーストを2時間硬化させる代わりに、窒素で圧力を1MPaに加圧して5分間維持し、1MPaに減圧して1分間維持することを1回繰り返し、圧力を1MPaに維持してコンポジットペーストを2時間硬化させる以外は、実施例1と同様にして、歯科用コンポジットブランクを製造した。
比較例3:コンポジットブランクの製造
実施例1で製造例1によって製造された第1歯科用コンポジットペーストを注入する代わりに、製造例5によって製造された第5歯科用コンポジットペーストを注入し、窒素で圧力を40MPaに加圧して5分間維持し、5MPaに減圧して1分間維持することを9回繰り返し、圧力を40MPaに維持してコンポジットペーストを2時間硬化させる代わりに、窒素で圧力を1MPaに加圧して5分間維持し、1MPaに減圧して1分間維持することを1回繰り返し、圧力を1MPaに維持してコンポジットペーストを2時間硬化させる以外は、実施例1と同様にして、コンポジットブランクを製造した。
下記表2に実施例1~8及び比較例1~3の主な条件をまとめた。
Figure 0007186462000003
[試験例]
試験例1:歯科用コンポジットブランクの亀裂または気泡の有無及び曲げ強度の測定
実施例1~8及び比較例1~3によって製造されたコンポジットブランクを厚さ1.2mm±0.2mm、幅4.0mm±0.2mm、長さ14mm以上に加工して、表面を研磨紙2000番で均一化し、部位間の距離12mm、クロスヘッドスピード1.0mm/分の条件で3点曲げ試験を行った。
また、実施例1~8及び比較例1~3によって製造されたコンポジットブランクを厚さ1mmの間隔でスライスして得られた10枚の板を10倍のルーペで観察することにより、亀裂または気泡の有無を確認した。
上記の条件で試験した結果を表3に示す。
Figure 0007186462000004
表3を参照すると、実施例1~3及び5~8によって製造された歯科用コンポジットブランクは、比較例1~3によって製造された歯科用コンポジットブランクに比べて亀裂または気泡が発見されず、曲げ強度がさらに高いことが分かり、実施例2によって製造された歯科用コンポジットブランクの物性が最も良いことが分かった。
また、実施例4及び比較例2によって製造された歯科用コンポジットブランクは、ブランク内部の気泡により曲げ強度を測定することができなかった。
したがって、本発明の歯科用コンポジットブランクは、歯科用コンポジットペーストを硬化させる前に、適切な温度範囲内で加圧及び減圧過程を繰り返し行うことにより、気泡及び亀裂が発生しないということが分かった。また、実施例1~3及び実施例5~8によって製造された歯科用コンポジットブランクの曲げ強度が、比較例1~3によって製造された歯科用コンポジットブランクに比べて高いことからみて、機械的特性が向上したことが分かった。
本発明の範囲は、上述した詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって定められ、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
本発明の歯科用コンポジットブランク及びその製造方法は、歯科用コンポジットペーストを硬化させる前に、互いに異なる圧力を加圧するステップを繰り返すことにより、未分散のフィラーが分散され、気泡が除去されるという効果がある。
また、本発明の歯科用コンポジットブランク及びその製造方法は、未分散のフィラーが分散され、気泡が除去されることにより、機械的特性が向上するという効果がある。

Claims (14)

  1. (a)コンポジットペーストをモールドに位置させるステップと、
    (b)モールドに注入された前記コンポジットペーストを第1圧力(P)で加圧するステップと、
    (c)モールドに注入された前記コンポジットペーストを第2圧力(P)で加圧するステップと、
    (d)加圧が行われた前記コンポジットペーストを硬化させるステップと、を含み、
    ステップ(b)及び(c)がそれぞれ複数回行われ、
    前記第1圧力(P)は前記第2圧力(P)よりも小さいか或いは大きいものであり、
    ステップ(b)及び(c)のうちのいずれか一つが行われた後、もう一つが行われ、
    ステップ(b)及び(c)が繰り返し行われ、
    前記第1圧力(P)及び前記第2圧力(P)のうちのいずれか一つが5~300MPaであり、もう一つが1~10MPaであ
    前記第1圧力(P )と前記第2圧力(P )との差が15~299MPaである、
    歯科用コンポジットブランクの製造方法。
  2. ステップ(b)及び(c)がそれぞれ3~15回行われ、ステップ(b)及び(c)が互いに交差して行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(b)及び(c)がそれぞれ独立して10~59℃で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. ステップ(b)及び(c)は、それぞれ硬化が行われないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. ステップ(b)及び(c)が不活性ガス雰囲気の下で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. ステップ(d)が5~300MPaの圧力で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. ステップ(d)が80~200℃の温度で行われることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  8. ステップ(b)が複数回行われ、
    複数回行われるステップ(b)のうち、先に行われるステップ(b)の圧力(P(1))が、後で行われるステップ(b)の圧力P(2)と同じか異なることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. ステップ(c)が複数回行われ、
    複数回行われるステップ(c)のうち、先に行われるステップ(c)の圧力(P(1))が、後で行われるステップ(c)の圧力(P(2))と同じか異なることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  10. 前記コンポジットペーストは、不飽和二重結合を含むモノマー、及び不飽和二重結合を含むモノマーのオリゴマーの中から選ばれた1種以上の不飽和二重結合化合物;フィラー;並びに重合開始剤;を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  11. 前記モノマーが、
    2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis-GMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、エチレングリコールジアクリレート(EDGA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、トリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、エトキシレートビスフェノールAジメタクリレート(Bis-EMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、ポリウレタンジアクリレート(PUDA)、ジペンタエリトリトールペンタアクリレートモノホスフェート(dipentaerythritol pentaacrylate monophosphate、PENTA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-hydroxyethyl methacrylate、HEMA)、ポリアルケン酸(polyalkenoic acid)、ビフェニルジメタクリレート(biphenyl dimethacrylate、BPDM)、ビフェニルジアクリレート(biphenyl diacrylate、BPDA)及びグリセロールホスフェートジメタクリレート(glycerol phosphate dimethacrylate、GPDM)の中から選ばれた1種以上を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記フィラーが、無機フィラー及び有機フィラーの中から選ばれた1種以上を含み、
    前記無機フィラーが、合成非晶質シリカ(synthetic amorphous silica)、結晶性シリカ(crystalline silica)、バリウムシリケート(barium silicate)、バリウムボロシリケート(barium borosilicate)、バリウムフルオロアルミノボロシリケート(barium fluoroaluminoborosilicate)、バリウムアルミノボロシリケート(barium aluminoborosilicate)、ストロンチウムシリケート(strontium silicate)、ストロンチウムボロシリケート(strontium borosilicate)、ストロンチウムアルミノボロシリケート(strontium aluminoborosilicate)、カルシウムシリケート(calcium silicate)、アルミノシリケート(alumino silicate)、窒化ケイ素(silicon nitrides)、二酸化チタン(titanium dioxide)、カルシウムヒドロキシアパタイト(calcium hydroxy apatite)、ジルコニア(zirconia)、及び生理活性ガラス(Bioactive glass)よりなる群から選ばれた1種以上を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  13. 前記重合開始剤が熱重合開始剤を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  14. 前記コンポジットペーストが、前記不飽和二重結合化合物100重量部、前記フィラー50~1,000重量部、及び前記重合開始剤0.01~5重量部を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
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