JP7182651B2 - ビンカアルカロイド薬の投薬形態 - Google Patents
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Description
これらの製品のラベルの取扱説明書には、これらの非常強力な腫瘍溶解性、細胞増殖抑制性の薬物が病院職員と接触する可能性が高いため、そのような事例を回避するために最新の注意を払う必要があることが示されている。さらに、凍結乾燥した製剤の不適当な再構成は、病院職員にとって有害な飛沫を作り出すことがある。希釈剤および薬の用量を計算する際にミスが発生する可能性があり、細胞毒性ビンカアルカロイド薬では中毒量と治療用量との差が非常に小さいため、不測の過剰投与を招くことがある。これは致命的結果につながる場合がある。それらの細胞増殖抑制性の性質のために、病院職員による薬剤の操作および接触を最小化すること、ならびに用量を正確に計算し、かつ投与することは、常に課題としてある。さらに、現在市販されている製品は、ガラスバイアルまたはアンプルで利用可能であるが、取扱いおよび輸送が困難であり、破損しがちである。従来の市販品に関連した欠点を考慮すると、これらの投薬形態を投与するには適切な取扱いおよび処理を要する。したがって、この点に関する明瞭な指示が認可された製品の添付文書/ラベルに記載されている。例えば、投与前に希釈する酒石酸ビノレルビンの濃度注射剤である認可された製品NAVELBINE(商標)のラベルには、次の取扱いおよび処分の指示が記載されている:「NAVELBINEの取扱いおよび処理は、危険薬の取扱いおよび処分の推奨に従って下さい。NAVELBINE溶液を取扱い、調製する際には注意を払って下さい。手袋の使用を推奨します。NAVELBINE溶液が皮膚または粘膜に接触した場合は、直ちに皮膚または粘膜を石鹸および水で徹底的に洗浄して下さい。NAVELBINEが目に混入しないよう回避して下さい。曝露した場合には、直ちに目を水で徹底的に洗浄して下さい。」
フレキシブル輸液容器に入った、治療上有効量のビンカアルカロイド薬またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる水溶液および当該フレキシブル輸液容器を含有している光防護性第二パッケージを含んでなり、
すぐに注入可能であり、かつ当該水溶液が室温で安定している、投薬形態を提供する。
本発明の投薬形態はビンカアルカロイド薬を唯一の有効成分として含んでなる。一つの実施態様では、塩は、塩酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、酸性酒石酸塩、クエン酸塩などの任意の好適な薬学的に許容可能な塩であってもよい。好ましい実施態様によれば、ビンカアルカロイド薬およびその薬学的に許容可能な塩には、制限することなく、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンデシンが含まれる。ビンカアルカロイドの濃度は特定の塩のmg/mlで表現されるが、濃度範囲は、本発明の投薬形態で使用される塩に依存して変化してもよい。
別の実施態様では、フレキシブル容器は、外部から内部までCPET-結合-PE-結合-EPCからなる層を有する多層ポリオレフィンフィルムからなる。そのような容器はSealer Air Corporationより、M312およびM312A(商標)フィルムとして入手可能である。これらの容器は、38℃/相対湿度100%)で測定した際の水蒸気透過率が5.0g(m2.日)であり;73゜F/相対湿度0%で測定した際の酸素透過率が1315cm3/(m2.24時間.atm)であり、二酸化炭素透過率が3945cm3/(m2.24時間.atm)である。
しかしながら、投薬形態の単回単位が処方量を満たすことができるように患者の平均体表面積に依存して他の濃度および水溶液体積を使用することも可能である。
水溶液の酸素含量は2ppm未満に制御してもよい。フレキシブル容器は、容器体積の10%未満の上部隙間を残して、容器体積の少なくとも90%まで水溶液で充填される。
さらに、溶液は、保管した上でも沈殿または結晶化または変色が観察されず、物理的に安定していた。
単位注入投薬形態あたりの溶液体積は約20ml~1000mlで変動してもよい。このような実施態様では、フレキシブル輸液容器の内層はポリエチレンからなり、それは即ち、水溶液が、ポリエチレン材と直接接触している。この内層は、変性ポリオレフィンからなる中央結合およびポリアミドの外層によって外側から被覆されている。この種の容器は、水蒸気、酸素および他のガスに対してある程度の透過性を有している。好ましくは、この実施態様では、溶液は、2ppm未満の酸素含有量を有し、この溶液が、容器体積の10%未満の上部隙間を残して、容器体積の少なくとも90%を占領する。投薬形態を、制御された室温(即ち、25℃/相対湿度40%)、同様に2~8℃での6か月間の安定性研究に供した際に、保管後、ビンクリスチンのアッセイは指定限度内の90~110%に留まり、最大未知不純物の含有量は指定限度内の2.0%以下であり、全不純物の含有量は指定限度内の6.0%以下であったことが観察された。さらに、関連物質であるN-デスホルミルビンクリスチンの含有量は指定限度内の3.0%以下であった。さらに、溶液は、保管した上でも沈殿または結晶化または変色が観察されず、物理的に安定していた。
光防護性第二パッケージと内部輸液容器との間の不活性ガスの存在が、投薬形態の最適な室温安定性を達成するのに重要であることを留意してもよい。脱酸素剤が含まれている場合、投薬形態はより低いレベルの全不純物およびN-デスホルミルビンクリスチンと共に、比較的改良された安定性プロファイルを示す。
本発明の好ましい実施態様によれば、酒石酸ビノレルビンの水溶液およびそれのすぐに注入可能な投薬形態が提供される。
本発明の一つの好ましい実施態様によれば、本実施例では、硫酸ビンクリスチンの水溶液およびそのすぐに注入可能な投薬形態が提供される。
一つの特定の実施態様によれば、本実施例では、硫酸ビンブラスチンの水溶液およびそのすぐに注入可能な投薬形態が提供される。
Claims (14)
- フレキシブル輸液容器に入った、治療上有効量のビンカアルカロイド薬またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる水溶液、および該フレキシブル輸液容器を含有している光防護性第二パッケージを含む、投薬形態であって、
当該投薬形態が事前に混合されており、
前記溶液は防腐剤を含まず、
該水溶液が室温で少なくとも6か月安定している、すぐに注入可能な投薬形態。 - 前記溶液の酸素含有量が4ppm未満である、請求項1に記載の投薬形態。
- 前記溶液が酸化防止剤を含まない、請求項1に記載の投薬形態。
- 前記溶液が、前記容器の体積の少なくとも90%を占領し、前記容器の体積の10%未満の上部隙間を残す、請求項1に記載の投薬形態。
- 前記ビンカアルカロイド薬が、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、およびビンデシン、またはそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項1に記載の投薬形態。
- 前記ビンカアルカロイド薬が、該水溶液において約0.01mg/ml~約3.0mg/mlの濃度の酒石酸ビノレルビンであり、ここで該溶液の体積が約25ml~約500mlである、請求項5に記載の投薬形態。
- 前記投薬形態が、0.2%以下の最大未知不純物、2.0%以下の全不純物、0.2%以下の関連物質であるカタランチン、ビノレルビンN-酸化物、アンヒドロビンブラスチンN-酸化物、およびアンヒドロビンブラスチン、ならびに1.0%以下のUSP3,6-エポキシビノレルビンを含む、請求項6に記載の投薬形態。
- 前記ビンカアルカロイド薬が、約0.0002mg/ml~約0.2mg/mlの濃度の硫酸ビンクリスチンであり、ここで該溶液の体積が約25ml~約500mlである、請求項5に記載の投薬形態。
- 前記投薬形態が、2.0%以下の最大未知不純物、および6.0%以下の全不純物、3.0%以下の関連物質であるN-デスホルミルビンクリスチンを含む、請求項8に記載の投薬形態。
- 前記ビンカアルカロイド薬が、約0.001~約3.0mg/mlの濃度の硫酸ビンブラスチンであり、ここで該溶液の体積が約20ml~約500mlである、請求項5に記載の投薬形態。
- 前記投薬形態が、2.0%以下の最大未知不純物、および5.0%以下の全不純物を含む、請求項10に記載の投薬形態。
- 治療上有効量のビンカアルカロイド薬またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる水溶液を含む投薬形態の調製方法であって、
i.注射用水を窒素ガスでパージし、溶存酸素レベルを4PPM未満にする工程、
ii.工程iで得られた注射用水中に浸透圧性薬剤を添加し、かつ溶解させる工程、
iii.工程iiで得られた溶液にビンカアルカロイド薬を添加し、かつ溶解させる工程、
iv.工程iiiで得られた水溶液のpHを確認し、かつ好適なpH調節剤を使用して、所望の範囲の3.0~6.0に調節する工程、
v.注射用水を十分な量添加して最終体積にする工程、
vi.好適な透過膜を使用して、水性薬液を無菌的にろ過する工程、
vii.輸液バッグなどのフレキシブル輸液容器に、工程viで得られた濾過した水溶液を充填する工程、
viii.アルミニウムパウチなどの光防護性第二パッケージで、工程viiで得られたフレキシブル輸液容器を外装する工程、
ix.輸液バッグとアルミニウムパウチとの隙間を窒素ガスなどの不活性ガスと置き換える工程、および
x.場合により、輸液バッグとアルミニウムパウチとの隙間に脱酸素剤を配置する工程、を含む方法。 - 注射用水を窒素ガスでパージすることが、溶存酸素レベルを2PPM未満にするまで行われる、請求項12に記載の方法。
- 腫瘍性疾患の治療に用いられる医薬品を製造するための、請求項1~11のいずれか1項に記載の投薬形態の使用。
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