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JP7179941B1 - 工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な操作により、加工エリア内の視認性を高めることが可能な工作機械、を提供する。【解決手段】工作機械は、加工エリア内で動作可能な動作体と、加工エリア内でクーラントを吐出可能なクーラント吐出装置と、工作機械の動作を命令するために操作される操作装置51と、工作機械を制御するための制御装置71とを備える。制御装置71は、ワークの加工プログラム74が実行される間に、操作装置51の操作を通じて加工プログラム74の進行の一時停止が命令され、かつ、操作装置51の操作に伴うクーラント制御トリガを認識した場合に、クーラントの吐出を停止するようにクーラント吐出装置を制御する。【選択図】図6

Description

この発明は、工作機械に関する。
たとえば、特開2008-18472号公報(特許文献1)には、ワークを切削加工する主軸スピンドルと、主軸スピンドルの一端に装着され、主軸スピンドルの回転に伴ってワークに向かう気流を発生させ、ワークに付着した切削液を除去するためのプロペラファンとを備える工作機械が開示されている。
また、特開2007-90484号公報(特許文献2)には、複数の加工機と、加工機で機械加工されたワークを洗浄する洗浄機と、洗浄水を収容する洗浄水タンクと、洗浄機による洗浄に先立って、ワークに洗浄水タンク内の洗浄水を供給しながら循環させてワークを洗浄する粗洗浄機と、洗浄水タンク内の洗浄水を複数のクーラントタンクに選択的に補給する補給手段とを備える機械加工システムが開示されている。
また、特開2015-85403号公報(特許文献3)には、クーラント通路を有するノズルと、ノズルを回転させるモータと、クーラント供給バルブを介してクーラント通路に接続されるクーラント供給源と、エア供給バルブを介してクーラント通路に接続されるエア供給源とを備えるクーラント噴射装置が開示されている。
特開2008-18472号公報 特開2007-90484号公報 特開2015-85403号公報
上述の特許文献に開示されるように、加工エリアにおいてクーラントを吐出しながらワークを加工する工作機械が知られている。このような工作機械においては、連続加工の前に行なわれるワークの試し加工などの場面で、刃物台、工具主軸、テーブルまたはワーク主軸といった動作体の動作を一時停止させつつ、加工エリア内において、ワークの加工面、または、ワークと、工具刃先との位置関係などを確認することがある。
しかしながら、クーラントを吐出させたままであると、加工エリア内においてワークまたは工具の視認性が低下するため、円滑に確認作業を行なうことができない。また、作業者が、クーラントの吐出を停止させるためのボタン操作等を行なう方法も想定されるが、この場合、作業者に煩雑な操作を強いることになる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、簡易な操作により、加工エリア内の視認性を高めることが可能な工作機械を提供することである。
この発明の1つの局面に従った工作機械は、加工エリア内で動作可能な動作体と、加工エリア内でクーラントを吐出可能なクーラント吐出装置と、工作機械の動作を命令するために操作される操作装置と、工作機械を制御するための制御装置とを備える。制御装置は、ワークの加工プログラムが実行される間に、操作装置の操作を通じて加工プログラムの進行の一時停止が命令され、かつ、操作装置の操作に伴うクーラント制御トリガを認識した場合に、クーラントの吐出を停止するようにクーラント吐出装置を制御する。操作装置は、動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部を含む。制御装置は、第1操作部が、第1操作部を規定時間を越えて操作し続ける方法で操作された場合、第1操作部が、第1操作部を操作することにより動作体の動作が一時停止したあと、第1操作部を再び操作する方法で操作された場合、または、制御装置が、第1操作部が操作されることにより動作体の動作が一時停止したあと、規定時間が経過した否かを判断し、規定時間が経過したと判断した場合に、クーラント制御トリガを認識する。
この発明の別の局面に従った工作機械は、加工エリア内で動作可能な動作体と、加工エリア内でクーラントを吐出可能なクーラント吐出装置と、工作機械の動作を命令するために操作される操作装置と、工作機械を制御するための制御装置とを備える。制御装置は、ワークの加工プログラムが実行される間に、操作装置の操作を通じて加工プログラムの進行の一時停止が命令され、かつ、操作装置の操作に伴うクーラント制御トリガを認識した場合に、クーラントの吐出を停止するようにクーラント吐出装置を制御する。
このように構成された工作機械によれば、動作体の動作を停止させつつ、加工エリア内を確認する場合に、加工エリア内におけるクーラントの吐出を停止させることができる。このとき、クーラントの吐出を停止させる契機となるクーラント制御トリガは、加工プログラムの進行を一時停止させるための操作装置の操作に伴うため、クーラントの吐出を停止させるための操作を簡易にできる。したがって、簡易な操作により、加工エリア内の視認性を高めることができる。
また好ましくは、操作装置は、動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部を含む。制御装置は、第1操作部が予め定められた第1操作方法で操作された場合に、クーラント制御トリガを認識する。
このように構成された工作機械によれば、クーラントの吐出を停止させるための操作が、動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部で行なわれるため、クーラントの吐出を停止させるための操作を簡易にできる。
また好ましくは、第1操作方法は、第1操作部を規定時間を越えて操作し続ける方法、または、第1操作部を操作することにより動作体の動作が一時停止したあと、第1操作部を再び操作する方法である。
このように構成された工作機械によれば、クーラントの吐出を停止させるための操作を簡易にできる。
また好ましくは、操作装置は、動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部と、動作体の動作の変速を命令するために操作される第2操作部とを含む。制御装置は、第1操作部または第2操作部が操作されることにより動作体の動作が一時停止したあと、規定時間が経過した場合に、クーラント制御トリガを認識する。
このように構成された工作機械によれば、クーラントの吐出を停止させるための操作を不要にすることができる。
また好ましくは、工作機械は、加工エリア内でワークまたは工具に向けてエアを吐出可能なエア吐出装置をさらに備える。制御装置は、ワークの加工プログラムが実行される間に、操作装置の操作を通じて加工プログラムの進行の一時停止が命令され、かつ、操作装置の操作に伴うエア制御トリガを認識した場合に、エアの吐出を開始するようにエア吐出装置を制御する。
このように構成された工作機械によれば、動作体の動作を停止させつつ、加工エリア内を確認する場合に、ワークまたは工具に向けてエアを吐出することによって、加工エリア内におけるワークまたは工具の視認性を高めることができる。このとき、エアの吐出を開始させる契機となるエア制御トリガは、加工プログラムの進行を一時停止させるための操作装置の操作に伴うため、エアの吐出を開始させるための操作を簡易にできる。
また好ましくは、操作装置は、動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部を含む。制御装置は、第1操作部が予め定められた第2操作方法で操作された場合に、エア制御トリガを認識する。
このように構成された工作機械によれば、エアの吐出を開始させるための操作が、動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部で行なわれるため、エアの吐出を開始させるための操作を簡易にできる。
また好ましくは、第2操作方法は、第1操作部を規定時間を越えて操作し続ける方法、または、第1操作部を操作することにより動作体の動作が一時停止したあと、第1操作部を再び操作する方法である。
このように構成された工作機械によれば、エアの吐出を開始させるための操作を簡易にできる。
また好ましくは、操作装置は、動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部と、動作体の動作の変速を命令するために操作される第2操作部とを含む。制御装置は、第1操作部または第2操作部が操作されることにより動作体の動作が一時停止したあと、規定時間が経過した場合に、エア制御トリガを認識する。
このように構成された工作機械によれば、エアの吐出を開始させるための操作を不要にすることができる。
また好ましくは、操作装置は、動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部を含む。制御装置は、第1操作部が予め定められた操作方法で操作された場合に、クーラント制御トリガおよびエア制御トリガを同時に認識する。
このように構成された工作機械によれば、クーラントの吐出を停止させ、エアの吐出を開始させるための操作を簡易にできる。
また好ましくは、操作装置は、動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部を含む。制御装置は、第1操作部が予め定められた第1操作方法で操作された場合に、クーラント制御トリガを認識し、第1操作部が予め定められた第2操作方法で操作された場合に、エア制御トリガを認識する。第1操作方法および第2操作方法は、互いに同一の方法である。
このように構成された工作機械によれば、クーラントの吐出を停止させ、エアの吐出を開始させるための操作を簡易にできる。
また好ましくは、制御装置は、操作装置の操作を通じて動作体の動作の一時停止の解除が命令された場合に、クーラントの吐出を再開するように、クーラント吐出装置を制御する。
このように構成された工作機械によれば、クーラントの吐出を再開させるための操作を不要にすることができる。
また好ましくは、操作装置は、動作体の動作の一時停止の解除を命令するために操作される第3操作部を含む。制御装置は、操作装置の操作を通じて、動作体の動作の一時停止が命令され、クーラントの吐出を停止したあと、操作装置の操作を通じて、動作体の動作の一時停止の解除が命令された場合に、クーラントの吐出を再開し、そのクーラントの吐出の再開のあと、第3操作部が操作された場合に、動作体の動作の一時停止を解除する。
このように構成された工作機械によれば、クーラントの吐出を再開させるための操作を簡易にできる。
また好ましくは、動作体は、刃物台、工具主軸、テーブルまたはワーク主軸である。
このように構成された工作機械によれば、刃物台、工具主軸、テーブルまたはワーク主軸の動作を停止させつつ、加工エリア内を確認する場合に、簡易な操作により、加工エリア内の視認性を高めることができる。
以上に説明したように、この発明に従えば、簡易な操作により、加工エリア内の視認性を高めることが可能な工作機械を提供することができる。
この発明の実施の形態における工作機械を示す斜視図である。 図1中の工作機械を模式的に示す断面図である。 図1中の操作装置(下パネル)を示す図である。 ワークの試し加工の場面の一例を示す図である。 ワークの試し加工の場面の一例を示す別の図である。 図1中の工作機械における制御系を示すブロック図である。 図1中の工作機械におけるワークの試し加工の流れを示すフローチャートである。 図7中のワークの試し加工の流れの第1変形例を示すフローチャートである。 図7中のワークの試し加工の流れの第2変形例を示すフローチャートである。 図7中のワークの試し加工の流れの第3変形例を示すフローチャートである。 図7中のワークの試し加工の流れの第4変形例を示すフローチャートである。 図7中のワークの試し加工の流れの第5変形例を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、この発明の実施の形態における工作機械を示す斜視図である。図2は、図1中の工作機械を模式的に示す断面図である。
図1および図2を参照して、工作機械100は、ワークに回転する工具を接触させることによって、ワーク加工を行なうマシニングセンタであり、より特定的には、工具の回転中心軸が水平方向に延びる横形マシニングセンタである。工作機械100は、コンピュータによる数値制御によって、ワーク加工のための各種動作が自動化されたNC(Numerical Control)工作機械である。
図中には、水平方向に平行で、かつ、工具の回転中心軸に平行なZ軸と、水平方向に平行で、かつ、工具の回転中心軸に直交するX軸と、鉛直方向に平行なY軸とが示されている。
まず、工作機械100の全体構造について説明する。工作機械100は、カバー体21を有する。カバー体21は、加工エリア120を区画形成するとともに、工作機械100の外観をなしている。
加工エリア120は、ワークの加工が行なわれる空間であり、ワーク加工に伴う切屑またはクーラント等の異物が加工エリア120の外部に漏出しないように密閉されている。
カバー体21は、第1カバー23と、第2カバー24と、天井カバー22と、正面扉25とを有する。
第1カバー23および第2カバー24は、X軸方向において、互いに対向して配置されている。第2カバー24を挟んで加工エリア120の反対側には、工具を格納するための工具マガジン(不図示)が設けられている。天井カバー22は、工作機械100の天井に配置されている。天井カバー22は、加工エリア120の上方に配置されている。
第1カバー23には、開口部26が設けられている。開口部26は、加工エリア120を外部空間に開放している。正面扉25は、開口部26に設けられている。正面扉25は、開口部26を開口させる開位置と、開口部26を閉塞する閉位置(図1中に示される正面扉25の位置)との間で動作可能である。
工作機械100は、操作装置51をさらに有する。操作装置51は、工作機械100の動作を命令するために操作される。操作装置51は、加工エリア120の外部に設けられている。操作装置51は、第1カバー23に取り付けられている。操作装置51は、開口部26に隣接して設けられている。
操作装置51は、上パネル52と、下パネル53と、ヒンジ部54とを有する。ヒンジ部54は、回動中心軸130の軸上で延びている。上パネル52および下パネル53は、ヒンジ部54を介して、互いに接続されている。上パネル52は、下パネル53に対して、回動中心軸130を中心に回動可能である。
上パネル52は、マニュアルまたは各種のアプリケーション画面などを表示したり、アプリケーションを用いる場合に操作されたりするタッチスクリーンを含む。下パネル53は、工作機械100の動作状態またはワークの加工状況を表示したり、工作機械100を動作させる場合に操作されるタッチスクリーンと、工作機械100を動作させる場合に操作されるボタンまたはスイッチなどの操作部とを含む。
工作機械100は、ベッド14をさらに有する。ベッド14は、後出の工具主軸12およびテーブル16等を支持するためのベース部材であり、工場などの床面に設置されている。ベッド14は、鋳物などの金属からなる。
工作機械100は、動作体11をさらに有する。動作体11は、加工エリア120内に設けられている。動作体11は、加工エリア120内で動作可能である。動作体11は、工具主軸12と、テーブル16とを含む。
工具主軸12は、モータ駆動により、Z軸に平行な回転中心軸110を中心に回転可能である。工具主軸12には、工具を着脱可能に保持するためのクランプ機構が内蔵されている。工具主軸12は、ドリル、リーマーまたはフライス等の工具を、回転中心軸110を中心に回転させる。工具主軸12は、図示しないコラム等によりベッド14上に支持されている。工具主軸12は、コラム等に設けられた各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどにより、X軸方向およびY軸方向に移動可能である。
テーブル16は、ワークを保持するための装置である。テーブル16には、パレットPが着脱可能に装着されている。パレットPには、たとえば、ワークが取り付けられるイケール等の治具が搭載される。テーブル16は、ベッド14等に設けられた各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどにより、Z軸方向に移動可能である。テーブル16は、モータ駆動により、Y軸に平行な旋回中心軸160を中心に旋回可能である。
工作機械100は、クーラント吐出装置31をさらに有する。クーラント吐出装置31は、加工エリア120内でクーラントを吐出可能である。
クーラント吐出装置31は、クーラントタンク32と、第1クーラントポンプ33と、第2クーラントポンプ34と、主軸クーラント吐出部36と、天井クーラント吐出部37とを有する。
クーラントタンク32は、クーラントを貯留可能な箱体からなる。クーラントタンク32は、工作機械100が設置される工場などの床面に載置されている。クーラントタンク32には、クーラントが貯留されている。クーラントタンク32は、加工エリア120内からクーラントを回収可能なように構成されている。
第1クーラントポンプ33および第2クーラントポンプ34は、クーラントタンク32に設けられている。第1クーラントポンプ33および第2クーラントポンプ34は、その駆動に伴って、クーラントタンク32に貯留されたクーラントを加工エリア120に向けて送出する。
主軸クーラント吐出部36には、第1クーラントポンプ33からのクーラントが供給される。主軸クーラント吐出部36は、工具主軸12に設けられている。主軸クーラント吐出部36は、たとえば、工具主軸12のハウジングに取り付けられたノズルからクーラントを吐出する。主軸クーラント吐出部36は、主に、ワークの加工点にクーラントを供給することにより、ワークの加工点の発熱を抑えたり、ワークおよび工具の間を潤滑したりすることを目的としている。
天井クーラント吐出部37には、第2クーラントポンプ34からのクーラントが供給される。天井クーラント吐出部37は、天井カバー22に取り付けられたノズルからクーラントを吐出する。天井クーラント吐出部37は、主に、天井カバー22から加工エリア120の全体にクーラントを供給することにより、ワーク加工に伴って生じた切屑を加工エリア120内から排出することを目的としている。
工作機械100は、エア吐出装置41とをさらに有する。エア吐出装置41は、加工エリア120内でワークまたは工具に向けてエアを吐出可能である。
エア吐出装置41は、コンプレッサ42と、エアバルブ43と、エア吐出部44とを有する。コンプレッサ42は、その駆動に伴って、圧縮空気を送出する。
エア吐出部44には、コンプレッサ42からのエアが供給される。エア吐出部44は、たとえば、工具主軸12のハウジングに取り付けられたノズルからエアを吐出する。エアバルブ43は、コンプレッサ42およびエア吐出部44の間で延びるエア流路上に設けられている。エアバルブ43は、コンプレッサ42からエア吐出部44に向けて供給されるエア流れを制御する。
続いて、操作装置51について詳細に説明する。図3は、図1中の操作装置(下パネル)を示す図である。図3を参照して、操作装置51(下パネル53)は、第1操作部61と、第2操作部62と、第3操作部63とを有する。
第1操作部61は、動作体11の動作の一時停止を命令するために操作される。第1操作部61は、押下可能なボタンからなる。第1操作部61は、X軸方向およびY軸方向における工具主軸12の移動の一時停止、ならびに、Z軸方向におけるテーブル16の移動の一時停止を命令するために、操作(押下)される。
第2操作部62は、動作体11の動作の変速を命令するために操作される。第2操作部62は、回転可能なダイヤルスイッチからなる。第2操作部62は、X軸方向およびY軸方向における工具主軸12の早送り速度、ならびに、Z軸方向におけるテーブル16の早送り速度を調整するために、操作(回転)される。
第3操作部63は、動作体11の動作の一時停止の解除を命令するために操作される。第3操作部63は、押下可能なボタンからなる。第3操作部63は、X軸方向およびY軸方向における工具主軸12の移動の一時停止の解除、ならびに、Z軸方向におけるテーブル16の移動の一時停止の解除を命令するために、操作(押下)される。
第1操作部61は、加工プログラムの実行中に動作体11の軸移動を一時停止させるための操作部であり、フィードホールドボタンとも呼ばれる。第2操作部62は、動作体11の早送り速度を変速(増速、減速および停止)するための操作部であり、早送りオーバーライドスイッチとも呼ばれる。第3操作部63は、加工プログラムを開始したり、第1操作部61の操作による動作体11の一時停止を解除するための操作部であり、スタートボタンとも呼ばれる。
操作装置51(下パネル53)には、タッチスクリーン56、動作体11の切削送り速度を調整するために操作される送りオーバライドスイッチ64、非常停止ボタン65、および、電源ボタン67などがさらに設けられている。
なお、本発明における操作装置は、上記の操作装置51のような工作機械に取り付けられた操作盤タイプに限られず、工作機械から離れた位置で操作可能なペンダントタイプであってもよい。
続いて、ワークの試し加工における工作機械100の制御方法について説明する。図4および図5は、ワークの試し加工の場面の一例を示す図である。図4および図5を参照して、エアカット等によりプログラムチェックを行なった後、ワークWの連続加工に移る前に、ワークWの試し加工を行なう。ワークWの試し加工では、適当なタイミングで動作体11の移動を一時停止することによって、ワークWの加工面210の状態を確認したり、ワークWと、工具Tの刃先との位置関係を確認したりする。
図5中では、工具Tの切削送りの区間が、2点鎖線により示され、工具Tの早送りの区間が実線により示されている。たとえば、工具Tの早送り中、工具T’に示される位置で第1操作部61(フィードホールドボタン)を押下することによって、工具Tの早送りを一時停止させる。作業者は、加工エリア120内において、ワークWと、工具Tの刃先との位置関係を見ることによって、次加工における工具Tの切り込み量が適正であるか否かを確認する。
図6は、図1中の工作機械における制御系を示すブロック図である。図6を参照して、工作機械100は、制御装置71をさらに有する。制御装置71は、工作機械100を制御する。制御装置71は、工作機械100に備え付けられ、工作機械100における各種動作を制御するための制御盤に内装されている。
制御装置71は、記憶部72と、制御部73とを有する。記憶部72は、たとえば、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどの記憶媒体である。
記憶部72は、加工プログラム74と、PLC(Programmable Logic Controller)プログラム75とを格納する。加工プログラム74は、ワークの加工を実現するための各種の命令を規定しており、工作機械100の作業者により作成され、記憶部72に入力される。加工プログラム74は、たとえば、NC(Numerical Control)プログラムで記述されている。PLCプログラム75は、工作機械100に備わる各種装置を制御するための命令を規定しており、予め設計されている。PLCプログラム75は、たとえば、ラダープログラムで記述されている。
制御部73は、工作機械100に備わる各種装置(工具主軸回転モータ85,工具主軸送りモータ86,テーブル送りモータ87,第1クーラントポンプ33,第2クーラントポンプ34,エアバルブ43)を制御する。
制御部73は、加工プログラム実行部76と、動作指令部77と、工具主軸制御部81と、テーブル制御部82と、クーラント吐出装置制御部83と、エア吐出装置制御部84とを有する。
加工プログラム実行部76は、加工プログラム74の命令を読み取って、工具主軸制御部81、テーブル制御部82、クーラント吐出装置制御部83およびエア吐出装置制御部の各々に制御信号を出力する。
工具主軸制御部81は、加工プログラム実行部76からの制御信号を受けて、工具主軸12を回転させるための工具主軸回転モータ85、および、工具主軸12をX軸方向およびY軸方向に移動させるための工具主軸送りモータ86を制御する。テーブル制御部82は、加工プログラム実行部76からの制御信号を受けて、テーブル16をZ軸方向に移動させるためのテーブル送りモータ87を制御する。
クーラント吐出装置制御部83は、加工プログラム実行部76からの制御信号を受けて、主軸クーラント吐出部36に向けてクーラントを供給するための第1クーラントポンプ33、および、天井クーラント吐出部37に向けてクーラントを供給するための第2クーラントポンプ34を制御する。エア吐出装置制御部84は、加工プログラム実行部76からの制御信号を受けて、エア吐出部44に向かうエア流れを許容したり、遮断したりするためのエアバルブ43を制御する。
操作装置51は、操作装置51における操作に対応する操作信号を発生し、操作信号を動作指令部77に出力する。動作指令部77は、操作装置51からの操作信号に基づいて、PLCプログラム75の命令を加工プログラム実行部76に出力する。
たとえば、動作指令部77は、第3操作部63(スタートボタン)が押下された場合に、加工プログラム74の開始命令を加工プログラム実行部76に出力する。加工プログラム実行部76は、動作指令部77からの開始命令を受けた場合に、加工プログラム74の実行を開始する。
動作指令部77は、加工プログラム74が実行される間、第1操作部61(フィードホールドボタン)が押下された場合に、動作体11(工具主軸12/テーブル16)の移動の一時停止命令を工具主軸制御部81/テーブル制御部82に出力する。工具主軸制御部81/テーブル制御部82は、動作指令部77からの一時停止命令を受けた場合に、動作体11(工具主軸12/テーブル16)の移動が一時停止するように、工具主軸送りモータ86/テーブル送りモータ87を制御する。動作指令部77は、動作体11が一時停止する間、第3操作部63(スタートボタン)が押下された場合に、動作体11の移動の再開命令を工具主軸制御部81/テーブル制御部82に出力する。工具主軸制御部81/テーブル制御部82は、動作指令部77からの再開命令を受けた場合に、動作体11(工具主軸12/テーブル16)の移動の一時停止が解除されるように、工具主軸送りモータ86/テーブル送りモータ87を制御する。
図7は、図1中の工作機械におけるワークの試し加工の流れを示すフローチャートである。図4から図7を参照して、制御装置71は、ワークの加工プログラム74が実行される間に、操作装置51の操作を通じて加工プログラム74の進行の一時停止が命令され、かつ、操作装置51の操作に伴うクーラント制御トリガを認識した場合に、クーラントの吐出を停止するようにクーラント吐出装置31を制御する。
より具体的には、動作指令部77は、加工プログラム74が実行される間に、第1操作部61(フィードホールドボタン)が予め定められた第1操作方法で操作された場合に、クーラント停止命令をクーラント吐出装置制御部83に出力する。第1操作方法は、第1操作部61を規定時間を越えて操作し続ける(押し続ける)方法である。クーラント吐出装置制御部83は、動作指令部77からのクーラント停止命令をクーラント制御トリガとして認識することによって、第1クーラントポンプ33および第2クーラントポンプ34が停止するようにクーラント吐出装置31を制御する。
さらに、制御装置71は、ワークの加工プログラム74が実行される間に、操作装置51の操作を通じて加工プログラム74の進行の一時停止が命令され、かつ、操作装置51の操作に伴うエア制御トリガを認識した場合に、エアの吐出を開始するようにエア吐出装置41を制御する。
より具体的には、動作指令部77は、加工プログラム74が実行される間に、第1操作部61(フィードホールドボタン)が予め定められた第2操作方法で操作された場合に、エア吐出の開始命令をエア吐出装置制御部84に出力する。第2操作方法は、第1操作部61を規定時間を越えて操作し続ける(押下し続ける)方法である。エア吐出装置制御部84は、動作指令部77からのエア吐出の開始命令をエア制御トリガとして認識することによって、エア吐出部44に向かうエア流れが許容されるようにエアバルブ43を制御する。
クーラント停止命令を発出するための第1操作方法と、エア吐出の開始命令を発出するための第2操作方法とは、互いに同一方法である。制御装置71は、第1操作部61(フィードホールドボタン)がその第1/第2操作方法で操作された場合に、クーラント制御トリガおよびエア制御トリガを同時に認識する。
制御装置71は、操作装置51の操作を通じて、動作体11(工具主軸12/テーブル16)の移動の一時停止が命令され、クーラントの吐出を停止するとともに、エアの吐出を開始したあと、操作装置51の操作を通じて、動作体11(工具主軸12/テーブル16)の移動の一時停止の解除が命令された場合に、クーラントの吐出を再開するとともに、エアの吐出を停止し、そのあと、第3操作部63(スタートボタン)が操作された場合に、動作体11(工具主軸12/テーブル16)の移動の一時停止を解除する。
図7に示されるように、制御装置71は、加工プログラム74に従って、主軸クーラント吐出部36および天井クーラント吐出部37からクーラントを吐出しつつ、工具主軸12および/またはテーブル16を移動させる(S101)。これにより、ワークWに加工面210を形成するとともに、工具Tを次加工の初期位置に向けて移動させる。
次に、作業者により、第1操作部61(フィードホールドボタン)が操作される(S102)。制御装置71は、工具主軸12および/またはテーブル16の移動(早送り)を一時停止させる(S103)。
次に、制御装置71(動作指令部77)は、第1操作部61(フィードホールドボタン)の操作時間(押下時間)が規定時間を越えているか否かを判断する(S104)。規定時間は、たとえば、2秒であってもよいし、3秒であってもよい。
次に、制御装置71は、S104のステップにおいて、第1操作部61(フィードホールドボタン)の操作時間(押下時間)が規定時間を越えていると判断した場合に、主軸クーラント吐出部36および天井クーラント吐出部37からのクーラントの吐出を停止させ、エア吐出部44からのエアの吐出を開始させる(S105)。制御装置71は、S104のステップにて、第1操作部61(フィードホールドボタン)の操作時間(押下時間)が規定時間を越えていないと判断した場合に、後出のS108のステップに進む。
作業者は、S105のステップのあとに、ワークWの加工面210の状態を確認したり、ワークWと、工具Tの刃先との位置関係を確認したりする。
次に、作業者により、第3操作部63(スタートボタン)が操作される(S106)。次に、制御装置71は、主軸クーラント吐出部36および天井クーラント吐出部37からのクーラントの吐出を再開させるとともに、エア吐出部44からのエアの吐出を停止させる(S107)。
次に、作業者により、第3操作部63(スタートボタン)が再び操作される(S108)。次に、制御装置71は、工具主軸12および/またはテーブル16の移動(早送り)を再開させることにより、加工プログラム74を再び進行させる。
このような構成によれば、S105のステップのあとに、ワークWの加工面210の状態を確認したり、ワークWと、工具Tの刃先との位置関係を確認したりする場合に、主軸クーラント吐出部36および天井クーラント吐出部37からのクーラントの吐出が停止しており、さらに、エア吐出部44からワークWまたは工具Tに向けてエアが吐出されているため、ワークWおよび工具Tの刃先をクリアにすることができる。これにより、確認作業を容易に行なうことができる。
また、作業者は、第1操作部61(フィードホールドボタン)を長押しするだけの操作で、工具主軸12および/またはテーブル16の移動(早送り)を停止させるだけでなく、クーラントの吐出を停止させ、エアの吐出を開始させることができる。このため、作業者は、煩雑な作業を強いられることがなく、確認作業に集中することができる。
図8は、図7中のワークの試し加工の流れの第1変形例を示すフローチャートである。図4から図6、および、図8を参照して、本変形例では、クーラント停止命令を発出するための第1操作方法と、エア吐出の開始命令を発出するための第2操作方法とが、第1操作部61(フィードホールドボタン)を操作することにより動作体11の動作が一時停止したあと、第1操作部61(フィードホールドボタン)を再び操作する方法である。
図8に示されるように、S201からS205のステップが、図7中のS101からS105のステップと入れ替えられる。S201、S202およびS203のステップは、図7中のS101、S102およびS103のステップにそれぞれ対応している。
S203のステップに続いて、作業者により、第1操作部61(フィードホールドボタン)が再び操作される(S204)。次に、制御装置71は、主軸クーラント吐出部36および天井クーラント吐出部37からのクーラントの吐出を停止させ、エア吐出部44からのエアの吐出を開始させる(S205)。このあと、図7中のS106のステップに続く。
このような構成によれば、第1操作部61(フィードホールドボタン)を2度押しするだけの操作で、工具主軸12および/またはテーブル16の移動(早送り)を停止させるだけでなく、クーラントの吐出を停止させ、エアの吐出を開始させることができる。
図9は、図7中のワークの試し加工の流れの第2変形例を示すフローチャートである。図4から図6、および、図9を参照して、本変形例では、制御装置71が、第1操作部61(フィードホールドボタン)が操作されることにより動作体11の動作が一時停止したあと、規定時間が経過した場合に、クーラント制御トリガおよびエア制御トリガを認識する。
図9に示されるように、S301からS305のステップが、図7中のS101からS105のステップと入れ替えられる。S301、S302およびS303のステップは、図7中のS101、S102およびS103のステップにそれぞれ対応している。
S303のステップに続いて、制御装置71は、工具主軸12および/またはテーブル16の移動の一時停止後、規定時間が経過したか否かを判断する(S304)。規定時間は、たとえば、2秒であってもよいし、3秒であってもよい。
次に、制御装置71は、S304のステップにおいて、工具主軸12および/またはテーブル16の移動の一時停止後、規定時間が経過したと判断した場合に、主軸クーラント吐出部36および天井クーラント吐出部37からのクーラントの吐出を停止させ、エア吐出部44からのエアの吐出を開始させる(S305)。このあと、図7中のS106のステップに続く。
制御装置71は、S304のステップにて、工具主軸12および/またはテーブル16の移動の一時停止後、規定時間が経過していないと判断した場合に、S304のステップを再び実行する。
このような構成によれば、クーラントの吐出を停止させ、エアの吐出を開始させるための操作を不要にすることができる。
なお、S302のステップにおいて、早送り速度の倍率がゼロとなるように第2操作部62(早送りオーバーライドスイッチ)を操作することによって、S303のステップにおいて、工具主軸12および/またはテーブル16の移動(早送り)を一時停止させてもよい。この場合、工具主軸12および/またはテーブル16の移動(早送り)の一時停止の解除は、早送り速度の倍率を上げるように第2操作部62(早送りオーバーライドスイッチ)を操作することによって行なう。また、確認作業を行なおうとするタイミングで、工具主軸12および/またはテーブル16の移動が切削送りである場合には、切削送り速度がゼロとなるように送りオーバライドスイッチ64を操作することによって、工具主軸12および/またはテーブル16の移動(切削送り)を一時停止させてもよい。
図10は、図7中のワークの試し加工の流れの第3変形例を示すフローチャートである。図4から図6、および、図10を参照して、本変形例では、制御装置71が、第1操作部61(フィードホールドボタン)が予め定められた第1操作方法で操作された場合に、クーラント制御トリガを認識し、第1操作部61(フィードホールドボタン)が予め定められた第2操作方法で操作された場合に、エア制御トリガを認識する。第1操作方法および第2操作方法は、互いに同一の方法である。
図10に示されるように、S401からS407のステップが、図7中のS101からS105のステップと入れ替えられる。S401、S402およびS403のステップは、図7中のS101、S102およびS103のステップにそれぞれ対応している。
S403のステップに続いて、作業者により、第1操作部61(フィードホールドボタン)が再び操作される(S404)。次に、制御装置71は、主軸クーラント吐出部36および天井クーラント吐出部37からのクーラントの吐出を停止させる(S405)。
次に、作業者により、第1操作部61(フィードホールドボタン)が再び操作される(S406)。次に、制御装置71は、エア吐出部44からのエアの吐出を開始させる(S407)。
本変形例に説明するように、クーラントの吐出を停止させるための操作と、エアの吐出を開始させるための操作とを別々に行なってもよい。この場合に、クーラントの吐出を停止させるための操作と、エアの吐出を開始させるための操作とを同一方法(第1操作部61の押下)にすることによって、操作が煩雑になることを抑制できる。
図11は、図7中のワークの試し加工の流れの第4変形例を示すフローチャートである。図4から図6、および、図11を参照して、本変形例では、制御装置71が、第1操作部61(フィードホールドボタン)が操作されることにより動作体11の動作が一時停止したあと、第1規定時間が経過した場合に、クーラント制御トリガを認識し、さらに、クーラントの吐出が停止したあと、第2規定時間が経過した場合に、エア制御トリガを認識する。
図11に示されるように、S501からS507のステップが、図7中のS101からS105のステップと入れ替えられる。S501、S502およびS503のステップは、図7中のS101、S102およびS103のステップにそれぞれ対応している。
S503のステップに続いて、制御装置71は、工具主軸12および/またはテーブル16の移動の一時停止後、第1規定時間が経過したか否かを判断する(S504)。第1規定時間は、たとえば、2秒であってもよいし、3秒であってもよい。
次に、制御装置71は、S504のステップにおいて、工具主軸12および/またはテーブル16の移動の一時停止後、第1規定時間が経過したと判断した場合に、主軸クーラント吐出部36および天井クーラント吐出部37からのクーラントの吐出を停止させる(S505)。制御装置71は、S504のステップにて、工具主軸12および/またはテーブル16の移動の一時停止後、第1規定時間が経過していないと判断した場合に、S504のステップを再び実行する。
次に、制御装置71は、クーラントの吐出が停止した後、第2規定時間が経過したか否かを判断する(S506)。第2規定時間は、たとえば、2秒であってもよいし、3秒であってもよい。第2規定時間は、第1規定時間と同じであってもよいし、第1規定時間よりも短くてもよいし、第1規定時間よりも長くてもよい。
次に、制御装置71は、S506のステップにおいて、クーラントの吐出が停止した後、第2規定時間が経過したと判断した場合に、エア吐出部44からのエアの吐出を開始させる(S507)。このあと、図7中のS106のステップに続く。
制御装置71は、S506のステップにおいて、クーラントの吐出が停止した後、第2規定時間が経過していないと判断した場合に、S506のステップを再び実行する。
本変形例に説明するように、クーラントの吐出を停止させるタイミングと、エアの吐出を開始させるタイミングとが異なってもよい。
なお、S502のステップにおいて、早送り速度の倍率がゼロとなるように第2操作部62(早送りオーバーライドスイッチ)を操作することによって、S503のステップにおいて、工具主軸12および/またはテーブル16の移動(早送り)を一時停止させてもよい。
図12は、図7中のワークの試し加工の流れの第5変形例を示すフローチャートである。図4から図6、および、図12を参照して、本変形例では、制御装置71が、第3操作部63(スタートボタン)が操作されることにより動作体11の動作の一時停止の解除が命令された場合に、クーラントの吐出を再開するとともに、エアの吐出を停止するように、クーラント吐出装置31およびエア吐出装置41を制御する。
図12に示されるように、S601およびS602のステップが、図7中のS106からS109のステップと入れ替えられる。
図7中のS105のステップに続いて、作業者により、第3操作部63(スタートボタン)が操作される(S601)。次に、制御装置71は、工具主軸12および/またはテーブル16の移動(早送り)を再開させることにより、加工プログラム74を再び進行させる。制御装置71は、さらに、主軸クーラント吐出部36および天井クーラント吐出部37からのクーラントの吐出を再開させるとともに、エア吐出部44からのエアの吐出を停止させる(S602)。
本変形例に説明するように、第3操作部63(スタートボタン)の操作によって、工具主軸12および/またはテーブル16の移動(早送り)の再開に加えて、クーラントの吐出の再開と、エアの吐出の停止とを実行してもよい。
以上に説明した、この発明の実施の形態における工作機械100の構成をまとめると、本実施の形態における工作機械100は、加工エリア120内で動作可能な動作体11と、加工エリア120内でクーラントを吐出可能なクーラント吐出装置31と、工作機械100の動作を命令するために操作される操作装置51と、工作機械100を制御するための制御装置71とを備える。制御装置71は、ワークの加工プログラム74が実行される間に、操作装置51の操作を通じて加工プログラム74の進行の一時停止が命令され、かつ、操作装置51の操作に伴うクーラント制御トリガを認識した場合に、クーラントの吐出を停止するようにクーラント吐出装置31を制御する。
このように構成された、この発明の実施の形態における工作機械100によれば、簡易な操作により、加工エリア120内の視認性が高めることができる。
なお、本発明における工作機械は、横形マシニングセンタに限られず、たとえば、立形マシニングセンタ、旋盤、旋削機能と、ミーリング機能とを有する複合加工機、または、ワークの付加加工(AM(Additive manufacturing)加工)と、ワークの除去加工(SM(Subtractive manufacturing)加工)とが可能なAM/SMハイブリッド加工機にも適用可能である。
また、本発明における動作体は、工具主軸およびテーブルに限られず、たとえば、ワーク主軸であってもよいし、刃物台であってもよい。本発明における動作体の動作は、移動(軸移動)に限られず、回転動作または旋回動作であってもよい。
また、本発明において、加工プログラムのドウェル指令が実行される間に、第1操作部などの操作装置が操作された場合、ドウェル指令で指定された加工プログラムの一時停止時間の進行が止まるとともに、クーラントの吐出が停止する制御が行なわれる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、主に、NC(Numerical Control)工作機械に適用される。
11 動作体、12 工具主軸、14 ベッド、16 テーブル、21 カバー体、22 天井カバー、23 第1カバー、24 第2カバー、25 正面扉、26 開口部、31 クーラント吐出装置、32 クーラントタンク、33 第1クーラントポンプ、34 第2クーラントポンプ、36 主軸クーラント吐出部、37 天井クーラント吐出部、41 エア吐出装置、42 コンプレッサ、43 エアバルブ、44 エア吐出部、51 操作装置、52 上パネル、53 下パネル、54 ヒンジ部、56 タッチスクリーン、61 第1操作部、62 第2操作部、63 第3操作部、64 送りオーバライドスイッチ、65 非常停止ボタン、67 電源ボタン、71 制御装置、72 記憶部、73 制御部、74 加工プログラム、75 PLCプログラム、76 加工プログラム実行部、77 動作指令部、81 工具主軸制御部、82 テーブル制御部、83 クーラント吐出装置制御部、84 エア吐出装置制御部、85 工具主軸回転モータ、86 工具主軸送りモータ、87 テーブル送りモータ、100 工作機械、110 回転中心軸、120 加工エリア、130 回動中心軸、160 旋回中心軸、210 加工面、P パレット、T 工具、W ワーク。

Claims (6)

  1. 工作機械であって、
    加工エリア内で動作可能な動作体と、
    前記加工エリア内でクーラントを吐出可能なクーラント吐出装置と、
    前記工作機械の動作を命令するために操作される操作装置と、
    前記工作機械を制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、ワークの加工プログラムが実行される間に、前記操作装置の操作を通じて前記加工プログラムの進行の一時停止が命令され、かつ、前記操作装置の操作に伴うクーラント制御トリガを認識した場合に、クーラントの吐出を停止するように前記クーラント吐出装置を制御し、さらに、
    前記加工エリア内でワークまたは工具に向けてエアを吐出可能なエア吐出装置を備え、
    前記制御装置は、ワークの加工プログラムが実行される間に、前記操作装置の操作を通じて前記加工プログラムの進行の一時停止が命令され、かつ、前記操作装置の操作に伴うエア制御トリガを認識した場合に、エアの吐出を開始するように前記エア吐出装置を制御し、
    前記操作装置は、前記動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部を含み、
    前記制御装置は、前記第1操作部が予め定められた操作方法で操作された場合に、前記クーラント制御トリガおよび前記エア制御トリガを同時に認識する、工作機械。
  2. 工作機械であって、
    加工エリア内で動作可能な動作体と、
    前記加工エリア内でクーラントを吐出可能なクーラント吐出装置と、
    前記工作機械の動作を命令するために操作される操作装置と、
    前記工作機械を制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、ワークの加工プログラムが実行される間に、前記操作装置の操作を通じて前記加工プログラムの進行の一時停止が命令され、かつ、前記操作装置の操作に伴うクーラント制御トリガを認識した場合に、クーラントの吐出を停止するように前記クーラント吐出装置を制御し、さらに、
    前記加工エリア内でワークまたは工具に向けてエアを吐出可能なエア吐出装置を備え、
    前記制御装置は、ワークの加工プログラムが実行される間に、前記操作装置の操作を通じて前記加工プログラムの進行の一時停止が命令され、かつ、前記操作装置の操作に伴うエア制御トリガを認識した場合に、エアの吐出を開始するように前記エア吐出装置を制御し、
    前記操作装置は、前記動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部と、前記動作体の動作の変速を命令するために操作される第2操作部とを含み、
    前記制御装置は、前記第1操作部または前記第2操作部が操作されることにより前記動作体の動作が一時停止したあと、規定時間が経過した場合に、前記エア制御トリガを認識する、工作機械。
  3. 工作機械であって、
    加工エリア内で動作可能な動作体と、
    前記加工エリア内でクーラントを吐出可能なクーラント吐出装置と、
    前記工作機械の動作を命令するために操作される操作装置と、
    前記工作機械を制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、ワークの加工プログラムが実行される間に、前記操作装置の操作を通じて前記加工プログラムの進行の一時停止が命令され、かつ、前記操作装置の操作に伴うクーラント制御トリガを認識した場合に、クーラントの吐出を停止するように前記クーラント吐出装置を制御し、
    前記操作装置は、前記動作体の動作の一時停止を命令するために操作される第1操作部を含み、
    前記制御装置は、
    前記第1操作部が、前記第1操作部を規定時間を越えて操作し続ける方法で操作された場合、
    前記第1操作部が、前記第1操作部を操作することにより前記動作体の動作が一時停止したあと、前記第1操作部を再び操作する方法で操作された場合、または、
    前記制御装置が、前記第1操作部が操作されることにより前記動作体の動作が一時停止したあと、規定時間が経過した否かを判断し、前記規定時間が経過したと判断した場合に、
    前記クーラント制御トリガを認識し、さらに、
    前記加工エリア内でワークまたは工具に向けてエアを吐出可能なエア吐出装置を備え、
    前記制御装置は、ワークの加工プログラムが実行される間に、前記操作装置の操作を通じて前記加工プログラムの進行の一時停止が命令され、かつ、前記操作装置の操作に伴うエア制御トリガを認識した場合に、エアの吐出を開始するように前記エア吐出装置を制御し、
    前記操作装置は、前記動作体の動作の変速を命令するために操作される第2操作部をさらに含み、
    前記制御装置は、前記第1操作部または前記第2操作部が操作されることにより前記動作体の動作が一時停止したあと、規定時間が経過した場合に、前記エア制御トリガを認識する、工作機械。
  4. 前記制御装置は、前記操作装置の操作を通じて前記動作体の動作の一時停止の解除が命令された場合に、クーラントの吐出を再開するように、前記クーラント吐出装置を制御する、請求項1からのいずれか1項に記載の工作機械。
  5. 前記操作装置は、前記動作体の動作の一時停止の解除を命令するために操作される第3操作部を含み、
    前記制御装置は、前記操作装置の操作を通じて、前記動作体の動作の一時停止が命令され、クーラントの吐出を停止したあと、前記操作装置の操作を通じて、前記動作体の動作の一時停止の解除が命令された場合に、クーラントの吐出を再開し、そのクーラントの吐出の再開のあと、前記第3操作部が操作された場合に、前記動作体の動作の一時停止を解除する、請求項1からのいずれか1項に記載の工作機械。
  6. 前記動作体は、刃物台、工具主軸、テーブルまたはワーク主軸である、請求項1からのいずれか1項に記載の工作機械。
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