JP7176702B2

JP7176702B2 - 装飾部材

Info

Publication number: JP7176702B2
Application number: JP2020562190A
Authority: JP
Inventors: チャンキム、ヨン; ファンキム、キ
Original assignee: LG Chem Ltd
Current assignee: LG Chem Ltd
Priority date: 2018-06-15
Filing date: 2019-06-17
Publication date: 2022-11-22
Anticipated expiration: 2039-06-17
Also published as: JP2021512801A; WO2019240555A1; CN111683562B; JP2021523404A; EP3808208A1; CN111683563B; JP7040710B2; EP3808208A4; US20210037947A1; EP3808207A4; EP3808210A4; EP3808206B1; EP3808210B1; CN111787826B; EP3808874B1; WO2019240553A1; CN111836565A; CN111836565B; EP3808874A4; US11589663B2

Description

本出願は、２０１８年６月１５日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第１０－２０１８－００６９２３４号、および２０１８年１１月１９日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第１０－２０１８－０１４２８７４号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
本出願は、装飾部材に関する。

化粧品容器、多様なモバイル機器、家電製品は、製品の機能のほか、製品のデザイン、例えば、色相、形態、パターンなどが、顧客にとっての製品の価値付与に大きな役割を果たす。デザインによって製品の選好度および価格も左右されている。

一例として、化粧品コンパクト容器の場合、多様な色相と色感を多様な方法で実現して製品に適用している。ケース素材自体に色を付与する方式と、色と形を実現したデコフィルムをケース素材に付着させてデザインを付与する方式とがある。

既存のデコフィルムにおいて、色相の発現は、印刷、蒸着などの方法により実現しようとした。異種の色相を単一面に表現する場合は２回以上印刷をしなければならず、立体パターンに色を多様に加えようとする際は実現が現実的に難しい。また、既存のデコフィルムは、見る角度によって色相が固定されており、やや変化があるとしても色感の差の程度に限る。

大韓民国公開特許公報第１０－２０１０－０１３５８３７号

本明細書は、装飾部材を提供する。

本明細書は、２以上の単位パターンを含むパターン層と、前記パターン層上に形成された無機物層とを含み、前記無機物層は、前記単位パターンが並ぶ方向（ｘ）において、各単位パターンに形成された無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域を含む装飾部材を提供する。

本明細書の一実施態様に係る装飾部材は、パターン層に形成される無機物層の厚さを変化させることにより、装飾部材によって現れる色相がグラデーション効果を有する。

また、外部光が光吸収層を通した入射時の入射経路と反射時の反射経路それぞれで光吸収が行われ、外部光は光吸収層の表面と光反射層の表面でそれぞれ反射が行われるので、光吸収層の表面での反射光と光反射層の表面での反射光との間に強め合う干渉および弱め合う干渉の現象が発生する。前記のような入射経路と反射経路での光吸収と、強め合う干渉および弱め合う干渉の現象により特定の色相が発現できる。したがって、光反射層の材料による反射率スペクトルと光吸収層の組成によって特定の色相を実現することができる。また、発現される色相は厚さ依存性を有しているため、同一の物質構成を有する場合にも、厚さに応じて色相を変化させることができる。

本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。本明細書の一実施態様に係る装飾部材を示す図である。光吸収層および光反射層について説明するための図である。光吸収層および光反射層について説明するための図である。実施例による装飾部材が示す色相を表現した図である。実施例による装飾部材が示す色相を表現した図である。実施例による装飾部材が示す色相を表現した図である。実施例による装飾部材が示す色相を表現した図である。

以下、本明細書について詳細に説明する。

本明細書において、「または」とは、他に定義しない限り、挙げられたものを選択的にまたはすべて含む場合、すなわち「および／または」の意味を表す。

本明細書において、「層」とは、当該層が存在する面積を７０％以上覆っているものを意味する。好ましくは７５％以上、より好ましくは８０％以上覆っているものを意味する。
本明細書において、ある層の「厚さ」とは、当該層の下面から上面までの最短距離を意味する。
本明細書において、「平均厚さ」とは、当該層の２以上の点で測定された厚さの平均値を意味する。

本明細書において、「無機物層」は、装飾部材を眺めたとき、色の金属質感と深み感を付与することができる。前記無機物層は、前記装飾部材のイメージが見る角度によって多様な色相で見えるようにする。これは、前記基材を通過して無機物層の表面で反射する光の波長が、入射する光の波長によって変化するからである。
本明細書において、前記無機物層は、パターン層と同一の形態のパターンを有することができる。

本明細書において、前記光吸収層および光反射層は、それぞれ単一層で構成されてもよく、２層以上の多層で構成されてもよい。

図２１は、本明細書の一実施態様に係る装飾部材の積層構造を例示した図である。図２１は、基材１０１をさらに含む装飾部材を示す図である。図２１には、基材１０１が光反射層２０１の前記光吸収層３０１に対向する面の反対面に備えられたことを示したが、前記光反射層２０１と光吸収層３０１との間；または前記光吸収層３０１の前記光反射層２０１に対向する面の反対面に備えられてもよいし、基材が省略されてもよい。

本明細書において、「凸部パターン」は、凸部形状を意味することができ、「凹部パターン」は、凹部形状を意味することができる。

本明細書は、２以上の単位パターンを含むパターン層と、前記パターン層上に形成された無機物層とを含み、前記無機物層は、前記単位パターンが並ぶ方向（ｘ）において、各単位パターンに形成された無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域を含む装飾部材を提供する。前記装飾部材は、パターン層に形成された無機物層を厚さを変化させることにより、光の干渉現象によるグラデーション効果をより多様に奏し得るという利点がある。また、無機物層の厚さの差によって色相が漸進的に変化し、色相変化が急激に変化しないので、装飾部材を見る人にとって自然な色相変化を感じさせることができる。図１に装飾部材の一例を示した。

本明細書において、前記「単位パターン」は、単位構造体を有するパターン形状であり得、断面が２つの傾斜面を有する凸部形状または凹部形状であり得る。例えば、前記単位パターンは、プリズム形状であり得、前記プリズム形状の断面は、２つの傾斜面を有する三角形状である。

本明細書において、前記「単位パターンが並ぶ方向」は、単位パターンが繰り返し現れる方向を意味する。例えば、図６における赤い矢印の方向を意味することができる。

本明細書において、前記「無機物層の厚さ」は、前記無機物層のいずれか一点を通過する直線が、前記無機物層ではない点までの最も短い距離を意味することができる。例えば、図１の無機物層のいずれか一点（ｒ）を通過する直線が、前記無機物層ではない点（１）までの最も短い距離であり得る。

本明細書の一実施態様において、前記無機物層は、前記単位パターンが並ぶ方向（ｘ）において、各単位パターンに形成された無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域を含む。図１によれば、各単位パターンに形成された無機物層の厚さは異なって調節可能であり、同一の単位パターンに形成された無機物層の厚さは同一でも異なっていてもよい。図１を参照すれば、左側の１番目の単位パターンに形成された無機物層（Ｔ１）、３番目の単位パターンに形成された無機物層（Ｔ３）、および５番目の単位パターンに形成された無機物層（Ｔ５）の順にいくほど、無機物層の厚さが増加することを確認することができる。

図２を参照すれば、点Ａから点Ｈに向かって、無機物層の厚さが次第に増加するグラデーション（ｇｒａｄａｔｉｏｎ）無機物層を確認することができる（パターン層省略）。

前記無機物層の厚さは、各領域によって、蒸着される無機物層物質の蒸着率を変更して調節することができる。例えば、図２のＳ１領域は０％～１０％の蒸着率を有することができ、Ｓ７領域は８０％～９０％の平均蒸着率を有することができる。

前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域の厚さは、蒸着物質（Ｔ）と蒸着される対象（Ｍ）との間の距離を調節して達成することができる。例えば、図３のように、Ｓ７領域は蒸着物質と距離が近いので、Ｓ７領域の無機物層は厚く形成され、Ｓ１領域は蒸着物質と距離が遠くて、Ｓ１領域の無機物層は薄く形成される。

本明細書の一実施態様において、前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域は、無機物層の厚さが漸進的に増加する領域；無機物層の厚さが連続的に増加する領域；および厚さが不連続的に増加する領域、のうちの１以上を含む。

本明細書において、前記無機物層の厚さが漸進的に増加する領域とは、前記無機物層の厚さ方向の断面が、無機物層の厚さが最も小さい点および無機物層の厚さが最も大きい点を含み、前記無機物層の厚さが最も小さい点の、前記無機物層の厚さが最も大きい点に対する方向によって、無機物層の厚さが増加することを意味する。

前記無機物層の厚さが連続的に増加する領域とは、前記一方向に向かって、厚さが増加する領域のみを含む領域を意味する。前記厚さが不連続的に増加する領域とは、前記一方向に向かって、厚さが増加しない領域を含む領域を意味する。

前記無機物層の厚さが連続的に増加する領域とは、前記単位パターンが並ぶ方向（ｘ）において、厚さが増加する領域のみを含む領域を意味する。

前記無機物層の厚さが不連続的に増加する領域とは、前記単位パターンが並ぶ方向（ｘ）において、厚さが増加しない領域を含む領域を意味する。

本明細書の一実施態様において、前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））は１０ｎｍ以上３００ｎｍ以下、１０ｎｍ以上２００ｎｍ以下、好ましくは１０ｎｍ以上１５０ｎｍ以下であってもよい。前記数値範囲を満たすとき、無機物層の厚さ変化によって現れる色相がグラデーション効果をもって現れる。

本明細書の一実施態様において、下記数式Ａで計算される値が０．０１以上２以下、好ましくは０．０５以上１．５以下、より好ましくは０．１以上１．２以下であってもよい。

［数式Ａ］

前記数式Ａにおいて、前記ｔ０は前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域の最低厚さであり、前記ｔ１は前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域の最高厚さである。前記数値範囲を満たすとき、無機物層の厚さ変化によって現れる色相がグラデーション効果をもって現れる。

本明細書の一実施態様において、前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域の最低厚さ（ｔ０）と、前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域の最高厚さ（ｔ１）との差が１ｎｍ以上３０ｎｍ以下、好ましくは１ｎｍ以上２０ｎｍ以下、より好ましくは５ｎｍ以上１５ｎｍ以下であってもよい。前記数値範囲を満たすとき、無機物層の厚さ変化によって現れる色相がグラデーション効果をもって現れる。
本明細書の一実施態様において、前記単位パターンは、非対称構造の断面を含むことができる。

本明細書の一実施態様において、前記単位パターンは、非対称構造の断面を有する凸部または凹部パターンを含むことができる。

本明細書において、前記「断面」とは、前記非対称構造をいずれか一方向に切断したときの面を意味する。例えば、断面とは、前記装飾部材を地面上に置いたとき、前記地面と平行な方向、または地面に対して垂直な方向に、前記非対称構造を切断したときの面を意味することができる。例えば、地面に置かれたプリズム構造の、地面に対して垂直な方向の断面は三角形である。

本明細書において、前記「非対称構造の断面」とは、断面の縁で構成された図形が線対称性または点対称性を有しない構造であることを意味する。線対称性とは、ある図形を一直線を中心に対称させたときに重なる性質を有することをいう。点対称性は、ある図形を一点を基準として１８０度回転したとき、本来の図形に完全に重なる対称性質を有することを意味する。ここで、前記非対称構造の断面の縁は、直線、曲線、またはこれらの組み合わせであり得る。例えば、地面に置かれた傾斜角が異なるプリズム構造の、地面に対して垂直な方向の断面は両傾斜角が異なる三角形である。

前記のように、パターン層に含まれる非対称構造の断面を有する凸部または凹部パターンによって、前記装飾部材は異色性を発現することができる。異色性とは、見る角度によって異なる色相が観測されることを意味する。色の表現はＣＩＥＬ＊ａ＊ｂ＊で表現可能であり、色差はＬ＊ａ＊ｂ＊空間での距離（ΔＥ＊ａｂ）を利用して定義される。具体的には、色差は

＞１であり、０＜ΔＥ＊ａｂ＜１の範囲内では観察者が色差を認識することができない［参考文献：ＭａｃｈｉｎｅＧｒａｐｈｉｃｓａｎｄＶｉｓｉｏｎ２０（４）：３８３－４１１］。したがって、本明細書では、異色性をΔＥ＊ａｂ＞１で定義することができる。

本明細書において、前記「色差」とは、ＣＩＥ（国際照明委員会、ＣｏｍｍｏｓｓｉｏｎＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌｄｅｌ'Ｅｃｌａｉｒａｇｅ）で定めた色相値であるＣＩＥＬａｂ色空間での座標を意味し、ＣＩＥ色空間での任意の位置はＬ＊、ａ＊、ｂ＊の３つの座標値で表現される。前記「色差」とは、ＣＩＥＬａｂ色空間での２色間の距離を意味する。すなわち、距離が遠ければ、色相の差が大きくなるのであり、距離が近いほど、色相の差がほとんどないことを意味し、これはΔＥ＊で表すことができる。

ここで、Ｌ＊値は明るさを表すもので、Ｌ＊＝０であれば、黒色（ｂｌａｃｋ）を示し、Ｌ＊＝１００であれば、白色（ｗｈｉｔｅ）を示す。また、ａ＊値は当該色差系を有する色が純粋な赤色（ｐｕｒｅｍａｇｅｎｔａ）と純粋な緑色（ｐｕｒｅｇｒｅｅｎ）のいずれに偏っているかを示し、ｂ＊値は当該色差系を有する色が純粋な黄色（ｐｕｒｅｙｅｌｌｏｗ）と純粋な青色（ｐｕｒｅｂｌｕｅ）のいずれに偏っているかを示す。

具体的には、前記ａ＊値は－ａ～＋ａの範囲を有し、ａ＊の最大値（ａ＊ｍａｘ）は純粋な赤色（ｐｕｒｅｍａｇｅｎｔａ）を示し、ａ＊の最小値（ａ＊ｍｉｎ）は純粋な緑色（ｐｕｒｅｇｒｅｅｎ）を示す。例えば、ａ＊値が負数であれば、純粋な緑色に偏った色相であり、正数であれば、純粋な赤色に偏った色相を意味する。ａ＊＝８０とａ＊＝５０とを比較したとき、ａ＊＝８０がａ＊＝５０より純粋な赤色に近く位置することを意味する。これとともに、前記ｂ＊値は－ｂ～＋ｂの範囲を有する。ｂ＊の最大値（ｂ＊ｍａｘ）は純粋な黄色（ｐｕｒｅｙｅｌｌｏｗ）を示し、ｂ＊の最小値（ｂ＊ｍｉｎ）は純粋な青色（ｐｕｒｅｂｌｕｅ）を示す。例えば、ｂ＊値が負数であれば、純粋な黄色に偏った色相であり、正数であれば、純粋な青色に偏った色相を意味する。ｂ＊＝５０とｂ＊＝２０とを比較したとき、ｂ＊＝５０がｂ＊＝２０より純粋な黄色に近く位置することを意味する。

本明細書の一実施態様において、前記パターン層は、前記凸部または凹部形状の単位パターンを２以上含む。このように、装飾部材が２以上の凸部または凹部形状の単位パターンを有することで異色性をより大きくできる。このとき、２以上の凸部または凹部形状は同一の形状が繰り返された形態であってもよいが、互いに異なる形状が含まれていてもよい。

本明細書の一実施態様において、前記単位パターンは、少なくとも１つの断面が、傾斜角が異なるか、屈曲度が異なるか、辺の形態が異なる２以上の辺を含む。例えば、少なくとも１つの断面を構成する辺のうち２つの辺が、互いに傾斜角が異なるか、屈曲度が異なるか、辺の形態が異なる場合には、前記単位パターンは非対称構造を有する。

本明細書の一実施態様において、前記非対称構造の断面は、互いに異なる傾斜角を有する第１傾斜辺および第２傾斜辺を含む。

本明細書において、前記「辺」は、直線であってもよいが、これに限定されず、全部または一部が曲線であってもよい。例えば、辺は、円や楕円の弧の一部、波構造、ジグザグなどの構造を含むことができる。

本明細書において、前記辺が円や楕円の弧の一部を含む場合、その円や楕円は曲率半径を有することができる。前記曲率半径は、曲線の極めて短い区間を円弧に換算したとき、円弧の半径として定義される。

本明細書において、前記「傾斜辺」は、前記装飾部材を地面に置いたとき、地面に対して辺のなす角度が０度超過９０度以下である辺を意味する。このとき、辺が直線の場合は、直線と地面とのなす角度を測定することができる。辺に曲線が含まれている場合、前記装飾部材を地面に置いたとき、前記辺のうち地面に最も近い点と、前記面のうち地面から最も遠い点とを最短距離で連結した直線が地面となす角度を測定することができる。

本明細書において、前記「傾斜角」とは、前記装飾部材を地面に置いたとき、前記パターン層を構成する面または辺が地面となす角度であって、０度超過９０度以下である。あるいは、パターン層を構成する面または辺が地面に接する点（ａ'）と、パターン層を構成する面または辺が地面から最も遠く離れた点（ｂ'）とを互いに連結したときに生じる線分（ａ'－ｂ'）と地面とのなす角度を意味することができる。

本明細書において、前記「屈曲度」とは、辺または面の連続した点での接線の勾配の変化程度を意味する。辺または面の連続した点での接線の勾配の変化が大きいほど、屈曲度は大きい。

本明細書の一実施態様において、前記第１傾斜辺および前記第２傾斜辺のなす角度は８０度～１００度であってもよい。前記第１傾斜辺および前記第２傾斜辺のなす角度は、具体的には、８０度以上、８３度以上、８６度以上、または８９度以上であってもよく、１００度以下、９７度以下、９４度以下、または９１度以下であってもよい。前記角度は、第１傾斜辺と第２傾斜辺からなる頂点の角度を意味することができる。前記第１傾斜辺と第２傾斜辺とが互いに頂点をなさない場合、前記第１傾斜辺と第２傾斜辺とを仮想で延ばして頂点をなすようにした状態の頂点の角度を意味することができる。

本明細書の一実施態様において、前記第１傾斜辺の傾斜角と前記第２傾斜辺の傾斜角との差は３０度～７０度であってもよい。前記第１傾斜辺の傾斜角と前記第２傾斜辺の傾斜角との差は３０度以上、３５度以上、４０度以上、または４５度以上であってもよく、７０度以下、６５度以下、６０度以下、または５５度以下であってもよい。第１傾斜辺と第２傾斜辺の傾斜角の差が前記範囲内の場合、方向による色表現の実現の面で有利であり得る。

本明細書の一実施態様において、前記パターン層の表面の凸部または凹部形状は、前記パターン層の表面外側に突出したコーン（ｃｏｎｅ）状の凸部、または前記パターン層の表面内側に陥没したコーン（ｃｏｎｅ）状の凹部であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記コーン状は、円錐、楕円錐、または多角錐の形態を含む。ここで、多角錐の底面の形態は、三角形、四角形、突出点が５個以上の星状などがある。

本明細書の一実施態様において、装飾部材を地面に置いたとき、前記パターン層の表面がコーン状の凸部形状を有する場合（すなわち、前記単位パターンが凸部形状の場合）、前記凸部形状の前記地面に対する垂直断面の少なくとも１つは三角形状であってもよい。もう一つの例によれば、装飾部材を地面に置いたとき、前記パターン層の表面がコーン状の凹部形状を有する場合、前記凹部形状の前記地面に対する垂直断面の少なくとも１つは逆三角形状であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記コーン状の凸部またはコーン状の凹部形状が、非対称構造の断面を少なくとも１つ有することができる。例えば、前記コーン状の凸部または凹部を、前記凸部または凹部形状の表面側から観察して、コーンの頂点を基準に３６０度回転したときに同一の形態が２つ以下存在する場合、異色性が発現するのに有利である。図４は、コーン状の凸部形状を、前記凸部形状の表面側から観察したことを示す図であり、図４（ａ）は、いずれも対称構造のコーン状を示す図であり、図４（ｂ）は、非対称構造のコーン状を示す図である。

前記装飾部材を地面に置いたとき、対称構造のコーン状は、地面に水平な方向の断面（以下、水平断面という）が円であるか、各辺の長さが同じ正多角形であり、コーンの頂点が、地面に対する水平断面の重心点の前記断面に対して垂直な線上に存在する構造である。しかし、非対称構造の断面を有するコーン状は、コーン状の凸部または凹部の形状の表面側から観察して、コーンの頂点の位置が、コーンの水平断面の重心点ではない点の垂直線上に存在する構造であるか、コーンの水平断面が非対称構造の多角形または楕円である構造である。コーンの水平断面が非対称構造の多角形である場合は、多角形の辺または角の少なくとも１つをそれ以外と異なって設計することができる。

例えば、図５のように、コーンの頂点の位置を変更することができる。具体的には、図５の第１の図のように、コーン状の凸部形状の表面側から観察して、コーンの頂点を、コーンの地面に対する水平断面の重心点（０１）の垂直線上に位置するように設計する場合、コーンの頂点を基準に３６０度回転したときに４つの同じ構造を得ることができる（４ｆｏｌｄｓｙｍｍｅｔｒｙ）。しかし、コーンの頂点を、地面に対する水平断面の重心点（０１）ではない位置（０２）に設計することにより、対称構造が破れる。地面に対する水平断面の一辺の長さをｘ、コーンの頂点の移動距離をａおよびｂ、コーンの頂点（０１または０２）から地面に対する水平断面まで垂直に連結した線の長さであるコーン状の高さをｈ、水平断面とコーンの側面とのなす角度をθｎとすれば、図５の面１、面２、面３、および面４について、下記のようなコサイン値が得られる。

このとき、θ１とθ２は同一であるので異色性がない。しかし、θ３とθ４は異なり、│θ３－θ４│は２色間の色差（△Ｅ＊ａｂ）を意味するので、異色性を示すことができる。ここで、│θ３－θ４│＞０である。このように、コーンの地面に対する水平断面と側面とのなす角度を利用して、対称構造がどれくらい破れているか、すなわち、非対称の程度を定量的に示すことができ、このような非対称の程度を示す数値は異色性の色差に比例する。

もう一つの例によれば、前記パターン層は、最高点が線状の凸部形状、または最低点が線状の凹部形状の表面を有する。図６～図８に線状の凸部を実現した例の写真を示した。前記線状は直線状であってもよく、曲線状であってもよく、曲線と直線をすべて含むか、ジグザグ状であってもよい。最高点が線状である凸部、または最低点が線状である凹部形状の表面を、前記凸部または凹部形状の表面側から観察して、前記凸部または凹部の地面に対する水平断面の重心点を基準に３６０度回転したときに同一の形態が１つしか存在しない場合、異色性を発現するのに有利である。図９は、最高点が線状の凸部形状を有する表面を示す図であり、（ａ）は、異色性を発現しない凸部を有するパターンを例示した図であり、（ｂ）は、異色性を発現する凸部を有するパターンを例示した図である。図９（ａ）のＸ－Ｘ'断面は、二等辺三角形または正三角形であり、図９（ｂ）のＹ－Ｙ'断面は、側辺の長さが互いに異なる三角形である。

もう一つの例によれば、前記パターン層は、コーン状の先端部が切断された構造の凸部または凹部形状の表面を有する。図１０に、装飾部材を地面に置いたとき、地面に垂直な断面が非対称である逆台形の凹部を実現した写真を示した。このような非対称断面は、台形または逆台形の形態であってもよい。この場合にも、非対称構造の断面により異色性を発現することができる。

上記で例示した構造の他にも、図１１のような多様な凸部または凹部形状の表面を実現することができる。

本明細書の一実施態様において、前記凸部または凹部形状は、傾斜角が互いに異なる第１傾斜面および第２傾斜面を含む。

本明細書において、前記「面」は、平面であってもよいが、これに限定されず、全部または一部が曲面であってもよい。例えば、面に対して垂直な方向の断面の形態が、円や楕円の弧の一部、波構造、ジグザグなどの構造を含むことができる。

本明細書において、前記「傾斜面」は、前記装飾部材を地面に置いたとき、地面に対して面のなす角度が０度超過９０度以下である面を意味する。このとき、面が平面の場合は、平面と地面とのなす角度を測定することができる。面に曲面が含まれている場合、前記装飾部材を地面に置いたとき、前記面のうち地面に最も近い点と、前記面のうち地面から最も遠い点とを最短距離で連結した直線が地面となす角度を測定することができる。

図１２～図１４は、それぞれ凸部（Ｐ１）形状の表面を含むパターン層および無機物層（図示せず）を含む装飾部材を例示的に示す。図１２～図１４は、それぞれ２以上の単位パターンを含むパターン層の地面に対して垂直な方向にパターン層を切断したときの面を示す図である。したがって、図１２～図１４の図中の地面に垂直な方向に図を拡張する場合、パターン層の凸部形状が現れる。例えば、図１２の場合、高さが異なるプリズムパターンが交互に配列されたことを示す。

本明細書において、凸部（Ｐ１）の傾斜角（ａ２、ａ３）は、凸部（Ｐ１）の傾斜面（Ｓ１、Ｓ２）とパターン層の水平面とのなす角度を意味することができる。本明細書において、特別な言及がない限り、図上にて第１傾斜面は凸部の左側傾斜面として定義することができ、第２傾斜面は凸部の右側傾斜面を意味することができる。

前記パターン層の凸部（Ｐ１）は、断面が多角形であり、一方向に延びる柱形状を有することができる。一つの例示において、前記凸部（Ｐ１）の断面は、三角形であるか、または三角形の先端部（尖った部分または頂点部分）に小さい凹部をさらに含む形状を有することができる。

本明細書の一実施態様において、前記凸部の高さは５μｍ～３０μｍであってもよい。凸部の高さが前記範囲内の場合、生産工程的な面で有利であり得る。本明細書において、前記凸部の高さは、前記パターン層の水平面を基準として、凸部の最も高い部分と最も低い部分との最短距離を意味することができる。この凸部の高さに関する説明は、凹部の深さにも同一の数値範囲が適用可能である。

本明細書の一実施態様において、前記凸部の幅は１０μｍ～９０μｍであってもよい。凸部の幅が前記範囲内の場合、パターンを加工および形成するにあたり工程的な面で有利であり得る。前記凸部の幅は１０μｍ以上、１５μｍ以上、２０μｍ以上、または２５μｍ以上であってもよく、９０μｍ以下、８０μｍ以下、７０μｍ以下、６０μｍ以下、５０μｍ以下、４０μｍ以下、または３５μｍ以下であってもよい。この幅に関する説明は、凸部だけでなく、凹部にも適用可能である。

本明細書の一実施態様において、前記凸部間の間隔は０μｍ～２０μｍであってもよい。本明細書において、凸部間の間隔は、隣接する２つの凸部において、１つの凸部が終わる点と、他の１つの凸部が始まる点との最短距離を意味することができる。前記凸部間の間隔が適切に維持される場合、装飾部材を、凸部の傾斜角がより大きい傾斜面側から眺めたとき、相対的に明るい色を示さなければならないが、反射領域がシェーディングに暗く見える現象を改善することができる。前記凸部の間には、後述のように、前記凸部に比べて高さがより小さい第２凸部が存在し得る。この間隔に関する説明は、凸部だけでなく、上述した凹部にも適用可能である。
本明細書の一実施態様において、前記パターン層は、大きさが互いに異なる凸部または凹部を含む。

本明細書の一実施態様において、前記パターン層は、２以上の第１凸部と、前記第１凸部の間に配置され、前記第１凸部に比べて高さが小さい第２凸部とを含む。図１２は、本明細書の装飾部材を例示的に示す。図１２によれば、前記パターン層の表面は、前記凸部（Ｐ１）の間に、前記凸部に比べて高さが小さい第２凸部（Ｐ２）が配置された形状を有することができる。以下、第２凸部の前に説明された凸部を第１凸部と称してもよい。

本明細書の一実施態様において、前記第２凸部（Ｐ２）の高さ（Ｈ２）は、前記第１凸部（Ｐ１）の高さ（Ｈ１）の１／５～１／４の範囲を有することができる。例えば、前記第１凸部と第２凸部の高さの差（Ｈ１－Ｈ２）は１０μｍ～３０μｍであってもよい。第２凸部の幅（Ｗ２）は１μｍ～１０μｍであってもよい。前記第２凸部の幅（Ｗ２）は、具体的には、１μｍ以上、２μｍ以上、３μｍ以上、４μｍ以上、または４．５μｍ以上であってもよく、１０μｍ以下、９μｍ以下、８μｍ以下、７μｍ以下、６μｍ以下、または５．５μｍ以下であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記第２凸部は、傾斜角が互いに異なる２つの傾斜面（Ｓ３、Ｓ４）を有することができる。前記第２凸部の前記２つの傾斜面のなす角度（ａ４）は２０度～１００度であってもよい。前記角度（ａ４）は、具体的には、２０度以上、３０度以上、４０度以上、５０度以上、６０度以上、７０度以上、８０度以上、または８５度以上であってもよく、１００度以下または９５度以下であってもよい。前記第２凸部の両傾斜面の傾斜角の差（ａ６－ａ５）は０度～６０度であってもよい。前記傾斜角の差（ａ６－ａ５）は０度以上、１０度以上、２０度以上、３０度以上、４０度以上、または４５度以上であってもよく、６０度以下または５５度以下であってもよい。前記第２凸部の寸法が前記範囲内の場合、傾斜面の角度が大きい側面から光の流入を増加させて明るい色相を形成できるという面で有利であり得る。

本明細書の一実施態様において、前記パターン層は、凸部と、前記凸部上に形成された凹部とを含む。図１３は、前記装飾部材を例示的に示す。図１３によれば、前記パターン層の表面は、前記凸部（Ｐ１）の先端部（尖った部分）に、前記凸部に比べて高さが小さい凹部（Ｐ３）をさらに含む形状を有することができる。このような装飾部材は、イメージの色が、見る角度によって繊細に変わる効果を奏することができる。

本明細書の一実施態様において、前記凹部（Ｐ３）の高さ（Ｈ３）は３μｍ～１５μｍであってもよい。前記凹部（Ｐ３）の高さ（Ｈ３）は、具体的には、３μｍ以上であってもよく、１５μｍ以下、１０μｍ以下、５μｍ以下であってもよい。前記凹部は、傾斜角が互いに異なる２つの傾斜面（Ｓ５、Ｓ６）を有することができる。前記凹部の前記２つの傾斜面のなす角度（ａ７）は２０度～１００度であってもよい。前記角度（ａ７）は、具体的には、２０度以上、３０度以上、４０度以上、５０度以上、６０度以上、７０度以上、８０度以上、または８５度以上であってもよく、１００度以下または９５度以下であってもよい。前記凹部の両傾斜面の傾斜角の差（ａ９－ａ８）は０度～６０度であってもよい。前記傾斜角の差（ａ９－ａ８）は０度以上、１０度以上、２０度以上、３０度以上、４０度以上、または４５度以上であってもよく、６０度以下または５５度以下であってもよい。前記凹部の寸法が前記範囲内の場合、鏡面において色感の追加が可能であるいう面で有利であり得る。

本明細書の一実施態様において、前記パターン層は、１８０度の逆像の構造で配列された２以上の凸部を含む。図１４は、前記装飾部材を例示的に示す。図１４によれば、図１４（ａ）に示すように、前記パターン層の表面は、複数の凸部が１８０度の逆像の構造で配列された形状を有することができる。具体的には、前記パターン層の表面は、第２傾斜面に比べて第１傾斜面の傾斜角が大きい第１領域（Ｃ１）と、第１傾斜面に比べて第２傾斜面の傾斜角が大きい第２領域（Ｃ２）とを含むことができる。一つの例示において、前記第１領域に含まれる凸部は第１凸部（Ｐ１）と称することができ、前記第２領域に含まれる凸部は第４凸部（Ｐ４）と称することができる。前記第１凸部（Ｐ１）および第４凸部（Ｐ４）の高さ、幅、傾斜角、および第１および第２傾斜面のなす角度は、前記凸部（Ｐ１）の項目で述べた内容が同様に適用可能である。図１４（ｂ）に示すように、前記第１領域および第２領域のいずれか１つの領域はイメージまたはロゴに対応し、他の１つの領域は背景部分に対応するように構成することができる。このような装飾部材は、イメージまたはロゴの色が、見る角度によって繊細に変わる効果を奏することができる。また、イメージまたはロゴ部分と背景部分が、眺める方向によって色が互いに変わって見える装飾効果を奏することができる。

本明細書の一実施態様において、前記第１領域および第２領域は、それぞれ複数の凸部を含むことができる。前記第１領域および第２領域の幅および凸部の個数は、目的とするイメージまたはロゴの大きさを考慮して適宜調節可能である。

本明細書の一実施態様において、前記第１傾斜辺および前記第２傾斜辺は、それぞれ直線または曲線であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記第１傾斜辺および前記第２傾斜辺は直線である。これを図１５に示した。パターン層の断面は、凸部形状を有し、凸部形状の断面は、第１傾斜辺を含む第１領域（Ｄ１）と、第２傾斜辺を含む第２領域（Ｄ２）とを含む。前記第１傾斜辺および第２傾斜辺は直線状である。第１傾斜辺と第２傾斜辺とのなす角度（ｃ３）は７５度～１０５度、または８０度～１００度であってもよい。第１傾斜辺と地面とのなす角度（ｃ１）と、第２傾斜辺と地面とのなす角度（ｃ２）とは異なる。例えば、ｃ１およびｃ２の組み合わせは２０度／８０度、１０度／７０度、または３０度／７０度であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記第１傾斜辺および前記第２傾斜辺のいずれか１つ以上は曲線である。これを図１６に示した。パターン層の断面は、凸部形状を有し、凸部形状の断面は、第１傾斜辺を含む第１領域（Ｅ１）と、第２傾斜辺を含む第２領域（Ｅ２）とを含む。前記第１傾斜辺および第２傾斜辺のいずれか１つ以上は曲線状であってもよい。例えば、第１傾斜辺と第２傾斜辺はすべて曲線状であってもよく、第１傾斜辺は直線状で、第２傾斜辺は曲線状であってもよい。第１傾斜辺は直線状で、第２傾斜辺は曲線状である場合、角度ｃ１は角度ｃ２より大きくてよい。図１６は、第１傾斜辺が直線状で、第２傾斜辺が曲線状であることを示す図である。曲線状を有する傾斜辺が地面となす角度は、傾斜辺と地面との当接する点から第１傾斜辺と第２傾斜辺の接する点まで任意の直線を引いたとき、その直線と地面とのなす角度から計算される。曲線状の第２傾斜辺はパターン層の高さによって屈曲度が異なり、曲線は曲率半径を有することができる。前記曲率半径は、凸部形状の幅（Ｅ１＋Ｅ２）の１０倍以下であってもよい。図１６（ａ）は、曲線の曲率半径が凸部形状の幅の２倍であることを示す図であり、図１６（ｂ）は、曲線の曲率半径が凸部形状の幅の１倍であることを示す図である。凸部の幅（Ｅ１＋Ｅ２）に対する曲率がある部分（Ｅ２）の比率は９０％以下であってもよい。図１６（ａ）および（ｂ）は、前記凸部の幅（Ｅ１＋Ｅ２）に対する曲率がある部分（Ｅ２）の比率が６０％であることを示す図である。
本明細書の一実施態様において、前記凸部形状の断面は三角形または四角形の多角形状であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記パターン層の断面は、凸部形状を有し、凸部形状の断面は、四角形状であってもよい。これを図１７に示した。前記四角形状は一般的な四角形状であってもよいし、各傾斜辺の傾斜角が互いに異なっていれば特に限定されない。前記四角形状は、三角形を一部切断して残る形態であり得る。例えば、一対の対辺が平行な四角形である台形、または互いに平行な対辺の対が存在しない四角形状であってもよい。凸部形状の断面は、第１傾斜辺を含む第１領域（Ｆ１）と、第２傾斜辺を含む第２領域（Ｆ２）と、第３傾斜辺を含む第３領域（Ｆ３）とを含む。第３傾斜辺は地面に平行であっても、平行でなくてもよい。例えば、四角形状が台形の場合、第３傾斜辺は地面に平行である。第１傾斜辺から第３傾斜辺のいずれか１つ以上は曲線状であってもよいし、曲線状に関する内容は上述した通りである。Ｆ１＋Ｆ２＋Ｆ３をすべて合計した長さは凸部パターンの幅として定義され、幅に関する内容は上述した通りである。

本明細書の一実施態様において、前記パターン層は２以上の凸部形状を含み、各凸部形状間の一部または全部に平坦部をさらに含んでもよい。

図１８は、本明細書の一実施態様に係るパターン層を含む装飾部材を例示的に示す。パターン層の各凸部の間に平坦部を含むことができる。前記平坦部は凸部が存在しない領域を意味する。パターン層が平坦部をさらに含むことを除けば、残りの構成要素（Ｄ１、Ｄ２、ｃ１、ｃ２、ｃ３、第１傾斜辺および第２傾斜辺）に関する説明は上述した通りである。一方、Ｄ１＋Ｄ２＋Ｇ１をすべて合計した長さはパターンのピッチとして定義されるが、上述したパターンの幅とは相違がある。

図１９は、本明細書の一実施態様に係る装飾部材のパターン層とその製造方法を例示的に示した図である。パターン層の断面は、凸部形状を有し、凸部形状の断面は、ＡＢＯ１三角形状の特定の領域を除去した形態であってもよい。前記除去される特定の領域を決定する方法は下記の通りである。傾斜角ｃ１およびｃ２に関する内容は上述した通りである。
１）ＡＯ１線分をＬ１：Ｌ２の比率で分ける、ＡＯ１線分上の任意の点Ｐ１を設定する。
２）ＢＯ１線分をｍ１：ｍ２の比率で分ける、ＢＯ１線分上の任意の点Ｐ２を設定する。
３）ＡＢ線分をｎ１：ｎ２の比率で分ける、ＡＢ線分上の任意の点Ｏ２を設定する。
４）Ｏ２Ｏ１線分をｏ１：ｏ２の比率で分ける、Ｏ１Ｏ２線分上の任意の点Ｐ３を設定する。

このとき、Ｌ１：Ｌ２、ｍ１：ｍ２、ｎ１：ｎ２、およびｏ１：ｏ２の比率は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、１：１０００～１０００：１であってもよい。
５）Ｐ１Ｏ１Ｐ２Ｐ３多角形がなす領域を除去する。
６）ＡＢＰ２Ｐ３Ｐ１多角形がなす形状を凸部の断面とする。

前記パターン層はＬ１：Ｌ２、ｍ１：ｍ２、ｎ１：ｎ２、およびｏ１：ｏ２の比率を調節することにより、多様な形態に変形可能である。例えば、前記Ｌ１およびｍ１が大きくなる場合、パターンの高さが高くなり、前記ｏ１が大きくなる場合、凸部上に形成される凹部の高さが小さくなり、ｎ１の比率を調節することにより、凸部に形成される凹部の最も低い点の位置を、凸部の傾斜辺のいずれか一方に近いように調節することができる。

図２０は、図１９による装飾部材のパターン層の製造方法により製造されたパターン層を例示的に示した図である。前記Ｌ１：Ｌ２、ｍ１：ｍ２、およびｏ１：ｏ２の比率がすべて同一である場合、断面の形状が台形の形態であってもよい。台形の高さ（ｈａ、ｈｂ）は前記Ｌ１：Ｌ２の比率を調節することにより変化可能である。例えば、図２０（ａ）は、前記Ｌ１：Ｌ２の比率が１：１であり、図２０（ｂ）は、前記Ｌ１：Ｌ２の比率が２：１である場合に製造されるパターン層を示す図である。

本明細書の一実施態様において、前記単位パターンは単位プリズムパターンであり、前記プリズムパターンは第１方向への稜線を有し、前記第１方向に直角である第２方向に連続的に配列され、前記無機物層は、前記単位プリズムパターン上にそれぞれ備えられた単位無機物層を含み、いずれか１つの単位プリズムパターン上に備えられた単位無機物層の平均厚さが、前記単位プリズムパターンと隣接して配列された他の単位プリズムパターン上に備えられた単位無機物層の平均厚さと異なっていてもよい。

前記装飾部材は、単位プリズムパターン上にそれぞれ備えられた単位無機物層の平均厚さが互いに異なるようにすることで、光の干渉現象によるグラデーション効果をより多様に示し得るという利点がある。また、無機物層の厚さの差によって色相が漸進的に変化し、色相変化が急激に変化しないので、装飾部材を、見る人にとって自然な色相変化を感じさせることができる。図１に装飾部材の一例を示した。

本明細書の一実施態様において、前記第２方向に向かって、前記単位プリズムパターン上にそれぞれ備えられた単位無機物層の平均厚さが増加または減少可能である。

本明細書において、前記「単位無機物層の平均厚さ」は、前記単位プリズムパターン上に形成された単位無機物層の互いに異なる２つ以上の点で測定された厚さの平均値であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記単位プリズムパターンの前記第１方向と平行な直線を法線とする平面に切断したときに現れる断面が、互いに異なる傾斜角を有する第１傾斜辺および第２傾斜辺を含む。

本明細書の一実施態様において、前記パターン層の単位パターンが形成された面の他面に基材を含むことができる。
本明細書の一実施態様において、前記基材の他面に平坦部を含むことができる。

本明細書の一実施態様において、前記基材としてプラスチック基材を使用することができる。プラスチック基板としては、ＴＡＣ（ｔｒｉａｃｅｔｙｌｃｅｌｌｕｌｏｓｅ）；ノルボルネン誘導体などのＣＯＰ（ｃｙｃｌｏｏｌｅｆｉｎｃｏｐｏｌｙｍｅｒ）；ＰＭＭＡ（ｐｏｌｙ（ｍｅｔｈｙｌｍｅｔｈａｃｒｙｌａｔｅ）；ＰＣ（ｐｏｌｙｃａｒｂｏｎａｔｅ）；ＰＥ（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ）；ＰＰ（ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅ）；ＰＶＡ（ｐｏｌｙｖｉｎｙｌａｌｃｏｈｏｌ）；ＤＡＣ（ｄｉａｃｅｔｙｌｃｅｌｌｕｌｏｓｅ）；Ｐａｃ（ｐｏｌｙａｃｒｙｌａｔｅ）；ＰＥＳ（ｐｏｌｙｅｔｈｅｒｓｕｌｆｏｎｅ）；ＰＥＥＫ（ｐｏｌｙｅｔｈｅｒｅｔｈｅｒｋｅｔｏｎ）；ＰＰＳ（ｐｏｌｙｐｈｅｎｙｌｓｕｌｆｏｎｅ）、ＰＥＩ（ｐｏｌｙｅｔｈｅｒｉｍｉｄｅ）；ＰＥＮ（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅｍａｐｈｔｈａｔｌａｔｅ）；ＰＥＴ（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅｔｅｒｅｐｈｔａｌａｔｅ）；ＰＩ（ｐｏｌｙｉｍｉｄｅ）；ＰＳＦ（ｐｏｌｙｓｕｌｆｏｎｅ）；ＰＡＲ（ｐｏｌｙａｒｙｌａｔｅ）、または非晶質フッ素樹脂などを使用することができるが、これに限定されるものではない。

本明細書の一実施態様において、前記基材の内部または少なくとも一面に有色染料をさらに含んでもよい。

本明細書の一実施態様において、前記有色染料としては、アントラキノン（ａｎｔｈｒａｑｕｉｎｏｎｅ）系染料、フタロシアニン（ｐｈｔｈａｌｏｃｙａｎｉｎｅ）系染料、チオインジゴ（ｔｈｉｏｉｎｄｉｇｏ）系染料、ペリノン（ｐｅｒｉｎｏｎｅ）系染料、イソキシンジゴ（ｉｓｏｘｉｎｄｉｇｏ）系染料、メタン（ｍｅｔｈａｎｅ）系染料、モノアゾ（ｍｏｎｏａｚｏ）系染料、および１：２金属錯体（１：２ｍｅｔａｌｃｏｍｐｌｅｘ）系染料などを使用することができる。

本明細書の一実施態様において、前記基材の内部に有色染料を含む場合、前記硬化性樹脂に染料を添加して適用可能である。前記基材層の下部に有色染料をさらに含む場合、染料が含まれた層を基材の上部または下部にコーティングする方式で適用可能である。
本明細書の一実施態様において、前記基材層と前記パターン層の材料は同一であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記有色染料の含有量は、例えば、０～５０ｗｔ％であってもよい。前記有色染料の含有量は、基材乃至装飾部材の透過度およびヘイズ範囲を決定することができ、透過度は、例えば、２０％～９０％であり、ヘイズは、例えば、１％～４０％であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記無機物層は、インジウム（Ｉｎ）、チタン（Ｔｉ）、スズ（Ｓｎ）、シリコン（Ｓｉ）、ゲルマニウム（Ｇｅ）、アルミニウム（Ａｌ）、銅（Ｃｕ）、ニッケル（Ｎｉ）、バナジウム（Ｖ）、タングステン（Ｗ）、タンタル（Ｔａ）、モリブデン（Ｍｏ）、ネオジム（Ｎｄ）、鉄（Ｆｅ）、クロム（Ｃｒ）、コバルト（Ｃｏ）、金（Ａｕ）、および銀（Ａｇ）の中から選択される１種または２種以上の材料；その酸化物；その窒化物；その酸窒化物；炭素および炭素複合体のうちの１種または２種以上の材料を含む単一層または多層であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記無機物層は、前記パターン層から順次に備えられた光吸収層および光反射層を含むか、前記パターン層から順次に備えられた光反射層および光吸収層を含むことができる。

本明細書において、「光吸収層」と「光反射層」は、互いに相対的な物性を有する層であって、前記光吸収層は、前記光反射層に比べて光吸収度が高い層を意味し、前記光反射層は、前記光吸収層に比べて光反射度が高い層を意味することができる。

図２２により、光吸収層と光反射層について説明する。図２２の装飾部材には、各層（ｌａｙｅｒ）が、光の入る方向を基準としてＬ_ｉ－１層、Ｌ_ｉ層、およびＬ_ｉ＋１層の順に積層されており、Ｌ_ｉ－１層とＬ_ｉ層との間に界面（ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）Ｉ_ｉが位置し、Ｌ_ｉ層とＬ_ｉ＋１層との間に界面Ｉ_ｉ＋１が位置する。

薄膜干渉が起こらないように、各層に垂直な方向に特定の波長を有する光を照射したとき、界面Ｉ_ｉでの反射率を下記数式１で表現することができる。

［数式１］

前記数式１中、ｎ_ｉ（λ）はｉ番目の層の波長（λ）による屈折率を意味し、ｋ_ｉ（λ）はｉ番目の層の波長（λ）による消衰係数（ｅｘｔｉｎｃｔｉｏｎｃｏｅｆｆｉｃｉｅｎｔ）を意味する。消衰係数は特定の波長で対象物質が光をどれくらい強く吸収するかを定義できる尺度であって、定義は上述した通りである。

前記数式１を適用して、各波長で計算された界面Ｉ_ｉでの波長毎反射率の和をＲ_ｉとしたとき、Ｒ_ｉは下記数式２の通りである。

［数式２］

このとき、積層体の界面のうちＩ_ｉのＲ_ｉが最も大きいとしたとき、界面Ｉ_ｉと接し、界面Ｉ_ｉと光の入る方向に対向して位置した層を光反射層、残りの層を光吸収層と定義することができる。例えば、図２２に示す積層体において、界面Ｉ_ｉ＋１の波長毎反射率の和が最も大きい場合、Ｉ_ｉ＋１と接し、界面Ｉ_ｉ＋１と光の入る方向に対向して位置した層Ｌ_ｉ＋１層を光反射層、残りの層Ｌ_ｉ－１層およびＬ_ｉ層を光吸収層と定義することができる。

前記光吸収層では光の入射経路および反射経路で光吸収が行われ、また、光は光吸収層の表面と光吸収層と光反射層との界面でそれぞれ反射し、２つの反射光が強め合う干渉または弱め合う干渉をすることになる。本明細書において、光吸収層の表面で反射する光は表面反射光、光吸収層と光反射層との界面で反射する光は界面反射光と表現される。図２１に、このような作用原理の模式図を示した。図２１には、基材１０１、光反射層２０１、および光吸収層３０１が順に積層された構造を示す図であって、光反射層の下部に基材が位置しているが、必須ではない。

前記光吸収層の表面で反射する光は表面反射光、光吸収層と光反射層との界面で反射する光は界面反射光と表現される。

本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、４００ｎｍの波長で屈折率（ｎ）が０～８であることが好ましく、０～７であってもよく、０．０１～３であってもよく、２～２．５であってもよい。屈折率（ｎ）はｓｉｎθａ／ｓｉｎθｂ（θａは光吸収層の表面から入射する光の角であり、θｂは光吸収層の内部での光の屈折角である）で計算される。

本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、４００ｎｍの波長で消衰係数（ｋ）が０超過４以下であり、０．０１～４であることが好ましく、０．０１～３．５であってもよく、０．０１～３であってもよいし、０．１～１であってもよい。消衰係数（ｋ）は－（ｌ／４ｐＩ）（ｄＩ／ｄｘ）（ここで、光吸収層内で経路単位長さ（ｄｘ）、例えば、１ｍあたりの光の強度の減少分率ｄＩ／Ｉにｌ／４ｐを乗じた値であり、ここで、ｌは光の波長である。

本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、３８０ｎｍ～７８０ｎｍの波長で消衰係数（ｋ）が０超過４以下であり、０．０１～４であることが好ましく、０．０１～３．５であってもよく、０．０１～３であってもよいし、０．１～１であってもよい。４００ｎｍ、好ましくは３８０ｎｍ～７８０ｎｍの可視光線全体波長領域で消衰係数（ｋ）が前記範囲であるので、可視光線範囲内で光吸収層の役割を果たすことができる。

同一の屈折率（ｎ）値を有するとしても、３８０ｎｍ～７８０ｎｍで消衰係数（ｋ）値が０の場合と、消衰係数（ｋ）値が０．０１の場合とは

＞１である差を示すことができる。例えば、ガラス／アルミニウム／アルミニウム酸化物／空気層の積層構造に、光源としてＤ６５（太陽光スペクトル）を照射した場合をシミュレーションしたとき、前記アルミニウム酸化物のｋ値が０のときと、０．０１のときの△Ｅ^＊ａｂは下記表１のように得られた。このとき、アルミニウム層の厚さ（ｈ１）は１２０ｎｍであり、アルミニウム酸化物層の厚さ（ｈ２）は下記表１に記した。ｋ値はシミュレーションのために任意に０と０．０１に設定し、ｎ値はアルミニウムの値を用いた。

本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、単一層であってもよく、２層以上の多層であってもよい。前記光吸収層は、３８０ｎｍ～７８０ｎｍで消衰係数（ｋ）を有する材料、すなわち消衰係数が０超過４以下、好ましくは０．０１～４である材料からなってもよい。本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、インジウム（Ｉｎ）、チタン（Ｔｉ）、スズ（Ｓｎ）、シリコン（Ｓｉ）、ゲルマニウム（Ｇｅ）、アルミニウム（Ａｌ）、銅（Ｃｕ）、ニッケル（Ｎｉ）、バナジウム（Ｖ）、タングステン（Ｗ）、タンタル（Ｔａ）、モリブデン（Ｍｏ）、ネオジム（Ｎｄ）、鉄（Ｆｅ）、クロム（Ｃｒ）、コバルト（Ｃｏ）、金（Ａｕ）、および銀（Ａｇ）の中から選択される１種または２種以上の材料；その酸化物；その窒化物；その酸窒化物；炭素および炭素複合体のうちの１種または２種以上の材料を含む単一層または多層である。

本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、シリコン（Ｓｉ）またはゲルマニウム（Ｇｅ）を含む。シリコン（Ｓｉ）またはゲルマニウム（Ｇｅ）からなる光吸収層は、４００ｎｍで屈折率（ｎ）が０～８であり、０～７であってもよく、消衰係数（ｋ）が０超過４以下、好ましくは０．０１～４であり、０．０１～３または０．０１～１であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、４００ｎｍ、好ましくは３８０ｎｍ～７８０ｎｍで消衰係数（ｋ）を有する材料からなってもよいし、例えば、光吸収層／光反射層は、ＣｕＯ／Ｃｕ、ＣｕＯＮ／Ｃｕ、ＣｕＯＮ／Ａｌ、ＡｌＯＮ／Ａｌ、ＡｌＮ／Ａｌ／ＡｌＯＮ／Ｃｕ、ＡｌＮ／Ｃｕなどの材料で形成される。

本明細書の一実施態様において、前記光反射層は、光を反射できる材料であれば特に限定されないが、光反射率は材料によって決定可能であり、例えば、５０％以上で色相の実現が容易である。光反射率はｅｌｌｉｐｓｏｍｅｔｅｒを用いて測定することができる。

本明細書の一実施態様において、前記光反射層は、金属層、金属酸窒化物層、または無機物層であってもよい。前記光反射層は、単一層で構成され、２層以上の多層で構成されてもよい。

一例として、前記光反射層は、インジウム（Ｉｎ）、チタン（Ｔｉ）、スズ（Ｓｎ）、シリコン（Ｓｉ）、ゲルマニウム（Ｇｅ）、アルミニウム（Ａｌ）、銅（Ｃｕ）、ニッケル（Ｎｉ）、バナジウム（Ｖ）、タングステン（Ｗ）、タンタル（Ｔａ）、モリブデン（Ｍｏ）、ネオジム（Ｎｄ）、鉄（Ｆｅ）、クロム（Ｃｒ）、コバルト（Ｃｏ）、金（Ａｕ）、および銀（Ａｇ）の中から選択される１種または２種以上の材料、その酸化物、窒化物または酸窒化物、炭素および炭素複合体のうちの１種または２種以上の材料を含む単一層または多層であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記光反射層は、前記材料の中から選択される２つ以上の合金、その酸化物、窒化物、または酸窒化物を含むことができる。例えば、前記光反射層は、前記金属の中から選択される２つ以上の合金を含むことができる。より具体的には、前記光反射層は、モリブデン、アルミニウム、または銅を含むことができる。もう一つの例によれば、前記光反射層は、炭素または炭素複合体を含むインクを用いて製造されることにより、高抵抗の反射層を実現することができる。炭素または炭素複合体としては、カーボンブラック、ＣＮＴなどがある。前記炭素または炭素複合体を含むインクは、前述した材料またはその酸化物、窒化物または酸窒化物を含むことができ、例えば、インジウム（Ｉｎ）、チタン（Ｔｉ）、スズ（Ｓｎ）、シリコン（Ｓｉ）、ゲルマニウム（Ｇｅ）、アルミニウム（Ａｌ）、銅（Ｃｕ）、ニッケル（Ｎｉ）、バナジウム（Ｖ）、タングステン（Ｗ）、タンタル（Ｔａ）、モリブデン（Ｍｏ）、ネオジム（Ｎｄ）、鉄（Ｆｅ）、クロム（Ｃｒ）、コバルト（Ｃｏ）、金（Ａｕ）、および銀（Ａｇ）の中から選択される１種または２種以上の酸化物が含まれる。前記炭素または炭素複合体を含むインクを印刷した後、硬化工程が追加的に行われてもよい。

本明細書の一実施態様において、前記光反射層は、２種以上の材料を含む場合、２種以上の材料を１つの工程、例えば、蒸着または印刷の方法を利用して形成してもよいが、１種以上の材料で先に層を形成した後、追加的に１種以上の材料でその上に層を形成する方法が利用可能である。例えば、インジウムやスズを蒸着して層を形成した後、炭素を含むインクを印刷した後、硬化させて光反射層を形成することができる。前記インクは、チタン酸化物、シリコン酸化物のような酸化物が追加的に含まれてもよい。

本明細書の一実施態様において、前記光反射層の厚さは、最終構造で所望する色相によって決定可能であり、例えば、１ｎｍ以上、好ましくは２５ｎｍ以上、例えば、５０ｎｍ以上、好ましくは７０ｎｍ以上である。

本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、光吸収層の形成時、蒸着条件などを調節して多様な形状を示すことができる。

本明細書の一実施態様において、前記装飾部材は、色差△Ｅ＊ａｂ＞１の異色性を有するものであってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記装飾部材は、デコフィルムまたはモバイル機器のケースであってもよい。

本明細書において、前記装飾部材を携帯用電子機器、電子製品、化粧品容器、家具、建築材などに適用する方式は特に限定されず、当業界でデコフィルムを適用する方式として知られた公知の方式が適用可能である。前記装飾部材は、必要に応じて粘着層をさらに含んでもよい。もう一つの例示において、前記装飾部材は、携帯用電子機器または電子製品に直接コーティングによって適用可能である。この場合、前記装飾部材を携帯用電子機器または電子製品に付着させるための別の粘着層を必要としなくなる。他の一つの例示において、前記装飾部材は、粘着層を介在して携帯用電子機器または電子製品に付着できる。前記粘着層は、光学用透明接着テープ（ＯＣＡｔａｐｅ；ｏｐｔｉｃａｌｌｙｃｌｅａｒａｄｈｅｓｉｖｅｔａｐｅ）または接着樹脂を使用することができる。前記ＯＣＡｔａｐｅまたは接着樹脂としては、当業界で公知のＯＣＡｔａｐｅまたは接着樹脂を制限なく適用可能である。必要に応じて、前記粘着層の保護のための剥離層（ｒｅｌｅａｓｅｌｉｎｅｒ）が追加的に備えられてもよい。

以下、実施例を通じて本明細書を具体的に説明するが、本明細書の範囲が下記の実施例によって制限されるものではない。

実施例１
ＰＥＴ基材上にハードモールディングして連続的に配列されたプリズム形状の単位パターンを２つ以上形成した。このとき、各プリズムの形態は同一であり、プリズムの断面が示す三角形の両傾斜角がそれぞれ２０度および７０度であり、頂点の角度は９０度であった。

前記単位パターンは第１方向に稜線を有し、前記第１方向に直角な第２方向に連続的に配列された形態を有する。

この後、前記単位パターン上にシリコン（Ｓｉ）光吸収層およびインジウム（Ｉｎ）光反射層を順次に蒸着し、無機物層（光吸収層／光反射層の積層構造）を形成して装飾部材を製造した。

このとき、前記第２方向に配列された単位パターンに向かって、各単位パターン上に蒸着された無機物層の平均厚さが増加した。前記無機物層の平均厚さの最小値は１０ｎｍであり、前記無機物層の最大厚さは２０ｎｍであった。

製造された装飾部材の横および縦の長さは２００ｍｍ×３００ｍｍであった。製造された装飾部材が示す色相を図２３に示した。このとき、前記第２方向が図２３の矢印で表された方向である。

実施例２
前記無機物層の平均厚さの最小値は２０ｎｍであり、前記無機物層の最大厚さは３０ｎｍであることを除けば、前記実施例１と同様の方法で装飾部材を製造した。製造された装飾部材が示す色相を図２４に示した。このとき、前記第２方向が図２４の矢印で表された方向である。

実施例３
前記無機物層の平均厚さの最小値は８０ｎｍであり、前記無機物層の最大厚さは９０ｎｍであることを除けば、前記実施例１と同様の方法で装飾部材を製造した。製造された装飾部材が示す色相を図２５に示した。このとき、前記第２方向が図２4の矢印で表された方向である。

実施例４
前記無機物層の平均厚さの最小値は９０ｎｍであり、前記無機物層の最大厚さは１００ｎｍであることを除けば、前記実施例１と同様の方法で装飾部材を製造した。製造された装飾部材が示す色相を図２６に示した。このとき、前記第２方向が図２4矢印で表された方向である。

前記実施例１～４による装飾部材は、非対称構造のパターンおよび無機物層の厚さが増加する領域を含むことにより、図２３～図２６に示すように、装飾部材の位置によって漸進的に色相が変化するグラデーション効果を有する。

Claims

２以上の単位パターンを含むパターン層と、
前記パターン層上に形成された無機物層とを含み、
前記無機物層は、前記単位パターンが並ぶ方向（ｘ）において、各単位パターンに形成された前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が、各単位パターンごとに増加する領域を含み、
前記単位パターンが並ぶ方向（ｘ）において、ｎ番目の単位パターンに形成された前記無機物層の厚さｔ（ｎ）、およびｍ番目の単位パターンに形成された前記無機物層の厚さｔ（ｍ）は、ｎ＜ｍのとき、ｔ（ｎ）＜ｔ（ｍ）であり、
前記パターン層は凸部形状の単位パターンを２以上含み、前記凸部の高さが５μｍ～３０μｍであり、
前記無機物層の厚さは、前記無機物層の下面から上面までの最短距離であり、
前記凸部の高さは、前記パターン層の水平面を基準として、前記凸部の最も高い部分と最も低い部分との最短距離である、
装飾部材。
前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域は、厚さが漸進的に増加する領域；厚さが連続的に増加する領域；および厚さが不連続的に増加する領域、のうちの１以上を含む、請求項１に記載の装飾部材。
前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））は１０ｎｍ以上３００ｎｍ以下である、請求項１または２に記載の装飾部材。
下記数式Ａで計算される値が０．０１以上２以下である、請求項１から３の何れか一項に記載の装飾部材：
［数式Ａ］

前記数式Ａ中、前記ｔ０は前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域の最低厚さであり、前記ｔ１は前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域の最高厚さである。
前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域の最低厚さ（ｔ０）と、前記無機物層の厚さ（ｔ（ｘ））が増加する領域の最高厚さ（ｔ１）との差が１ｎｍ以上３０ｎｍ以下である、請求項１から４の何れか一項に記載の装飾部材。
前記単位パターンは、非対称構造の断面を含む、請求項１から５の何れか一項に記載の装飾部材。
前記非対称構造の断面は、互いに異なる傾斜角を有する第１傾斜辺および第２傾斜辺を含むものである、請求項６に記載の装飾部材。
前記第１傾斜辺および前記第２傾斜辺のなす角度は８０度～１００度である、請求項７に記載の装飾部材。
前記第１傾斜辺の傾斜角と前記第２傾斜辺の傾斜角との差は３０度～７０度である、請求項７または８に記載の装飾部材。
前記パターン層の単位パターンが形成された面の他面に基材を含む、請求項１から９の何れか一項に記載の装飾部材。
前記基材の内部または少なくとも一面に有色染料をさらに含むものである、請求項１０に記載の装飾部材。
前記無機物層は、インジウム（Ｉｎ）、チタン（Ｔｉ）、スズ（Ｓｎ）、シリコン（Ｓｉ）、ゲルマニウム（Ｇｅ）、アルミニウム（Ａｌ）、銅（Ｃｕ）、ニッケル（Ｎｉ）、バナジウム（Ｖ）、タングステン（Ｗ）、タンタル（Ｔａ）、モリブデン（Ｍｏ）、ネオジム（Ｎｄ）、鉄（Ｆｅ）、クロム（Ｃｒ）、コバルト（Ｃｏ）、金（Ａｕ）、および銀（Ａｇ）の中から選択される１種または２種以上の材料；その酸化物；その窒化物；その酸窒化物；炭素および炭素複合体のうちの１種または２種以上の材料を含む単一層または多層である、請求項１から１１の何れか一項に記載の装飾部材。
前記無機物層は、前記パターン層から順次に備えられた光吸収層および光反射層を含むか、前記パターン層から順次に備えられた光反射層および光吸収層を含むものである、請求項１から１２の何れか一項に記載の装飾部材。
前記光吸収層は、４００ｎｍの波長で屈折率が０～８である、請求項１３に記載の装飾部材。
前記光吸収層は、４００ｎｍの波長で消衰係数が０超過４以下である、請求項１３または１４に記載の装飾部材。
色差△Ｅ＊ａｂ＞１の異色性を有する、請求項１から１５の何れか一項に記載の装飾部材。
デコフィルムまたはモバイル機器のケースである、請求項１から１６の何れか一項に記載の装飾部材。