以下、本発明を実施するための形態に係る印刷装置を図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に係るハンディプリンタ(印刷装置)100は、図1に示すように、ユーザが手で把持しやすい大きさを有する筐体101を備え、ユーザにより第1の副走査方向に走査されて、文字、記号、ロゴ、キャラクタ、マーク、図形等の印刷対象画像を印刷媒体Rに印刷するものである。ハンディプリンタ100が印刷する印刷対象画像を示すデータは、端末装置(他の装置)200から送信される。端末装置200は、例えば、ディスプレイ230を備えるスマートホン、タブレットPC(Personal Computer)から構成される。ハンディプリンタ100と端末装置200とは、無線回線を通じて相互に通信可能に構成される。なお、ハンディプリンタ100と端末装置200は、印刷システム1を構成する。
ハンディプリンタ100の上面には、図2に示すように、印刷開始の指示を受け付ける決定ボタン120と、ユーザに走査する方向を示す第1のインジケータ130Aおよび第2のインジケータ130Bと、が設けられている。
第1のインジケータ130Aは、ユーザに第1の副走査方向に走査することを示す部分である。第2のインジケータ130Bは、ユーザに第2の副走査方向に走査することを示す部分である。第1のインジケータ130Aが配置されている位置を右端部とし、第2のインジケータ130Bが配置されている位置を左端部とする。第1および第2のインジケータ130A、130Bは、導光板と赤色に発光するLED(Light Emitting Diode)、緑色に発光するLED、および青色に発光するLEDとを有し、任意の色に発光する。ハンディプリンタ100を上から見て、第1のインジケータ130Aは、第1の副走査方向に後述する基準距離移動すると印刷ヘッド150と重なる位置に配置されている。
ハンディプリンタ100の筐体101の底面には、図3に示すように、走査距離検出部140と、印刷ヘッド150とが設けられている。
走査距離検出部140は、LEDなどの光源と、光学センサとから構成され、ハンディプリンタ100が第1または第2の副走査方向に走査された距離を検出する。
印刷ヘッド150は、マゼンタ色のインクを吐出するマゼンタ色印刷ヘッド150Mと、シアン色のインクを吐出するシアン色印刷ヘッド150Cと、黄色のインクを吐出する黄色印刷ヘッド150Yと、図示しない各色のインクタンクと、から構成される。印刷ヘッド150M、150C、150Yには、それぞれ印字素子であるノズルが主走査方向に向けてライン状に並んで設けられている。なお、主走査方向は、第1および第2の副走査方向と直交する。印刷ヘッド150は、印刷対象の画像に対応した通電により、ノズルから選択的にインクを吐出する。マゼンタ色印刷ヘッド150Mは、第1のインジケータ130Aの端部から基準距離d1離れた位置に配置されている。シアン色印刷ヘッド150Cは、第1のインジケータ130Aの端部から基準距離d2、マゼンタ色印刷ヘッド150Mから基準距離d4離れた位置に配置されている。黄色印刷ヘッド150Yは、第1のインジケータ130Aの端部から基準距離d3、マゼンタ色印刷ヘッド150Mから基準距離d5離れた位置に配置されている。
ハンディプリンタ100は、電気的構成として、図4に示すように、上述した決定ボタン120と、第1および第2のインジケータ130A、130Bと、走査距離検出部140と、印刷ヘッド150と、に加えて、制御部110と、通信部160と、ROM(Read Only Memory)170と、RAM(Random Access Memory)180と、を備える。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。制御部110は、ROM170に記憶したプログラムを実行することにより、印刷対象取得部111と、インジケータ表示制御部112と、走査距離判定部113と、印刷ヘッド制御部114として機能する。
印刷対象取得部111は、通信部160を介して、端末装置200から送信された第1と第2の印刷対象画像を示すデータを取得し、RAM180に格納する。第2の印刷対象画像は、第1の印刷対象画像の末端部に続けて印刷する画像である。詳細には、印刷対象取得部111は、端末装置200から送信された第1の印刷対象画像を示すデータを取得し、RAM180に格納する。第1の印刷対象画像の印刷が終了すると、印刷対象取得部111は、RAM180に格納された第1の印刷対象画像を示すデータを消去し、端末装置200に第1の印刷対象画像の印刷が終了した旨を示すデータを送信する。その後、印刷対象取得部111は、端末装置200から送信された第2の印刷対象画像を示すデータを取得し、RAM180に格納する。なお、RAM180に記憶した第1の印刷対象画像を示すデータを消去し、第2の印刷対象画像を示すデータをRAM180に記憶する構成には、RAM180に記憶した第1の印刷対象画像を示すデータに第2の印刷対象画像を示すデータを上書きする構成も含む。
インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aまたは第2のインジケータ130Bを点灯し、ユーザに走査方向を示す。印刷対象取得部111が第1の印刷対象画像を示すデータを取得し、印刷待機状態になると、インジケータ表示制御部112は第1のインジケータ130Aを緑色に点灯する。決定ボタン120が押されると、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aの点灯色を白色に変更する。ハンディプリンタ100が第1の副走査方向に走査されて、第1の印刷対象画像の印刷を終了すると、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを消灯し、第2のインジケータ130Bを緑色に点灯する。ハンディプリンタ100が第1の印刷対象画像の印刷を終了した後、走査距離判定部113が第1の副走査方向に走査された距離(第1の走査距離)L1以上第2の副走査方向に走査されたと判定し、印刷対象取得部111が第2の印刷対象画像を示すデータを取得し、印刷待機状態になると、インジケータ表示制御部112は第2のインジケータ130Bを消灯し、第1のインジケータ130Aを緑色に点灯する。第1の副走査方向に走査されて印刷が開始すると、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aの点灯色を白色に変更する。ハンディプリンタ100が第1の副走査方向に走査されて、第2の印刷対象画像の印刷を終了すると、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを青色に点灯する。その後、所定時間経過すると、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを消灯する。
走査距離判定部113は、第1または第2の副走査方向に所定距離走査されたか否か判定し、所定距離走査されたと判定すると、印刷ヘッド制御部114の制御により印刷ヘッド150に第1または第2の印刷対象画像の印刷を開始させる。具体的には、走査距離判定部113は、決定ボタン120が押されてからハンディプリンタ100が基準距離走査されたか否かを判定し、基準距離走査されたと判定すると、印刷ヘッド制御部114の制御により印刷ヘッド150に第1の印刷対象画像の印刷を開始させる。走査距離判定部113は、決定ボタン120が押されてからハンディプリンタ100が基準距離d1走査されたと判定すると、マゼンタ色印刷ヘッド150Mに印刷を開始させる。走査距離判定部113は、基準距離d2走査されたと判定すると、シアン色印刷ヘッド150Cに印刷を開始させ、基準距離d3走査されたと判定すると、黄色印刷ヘッド150Yに印刷を開始させる。
第1の印刷対象画像の印刷が終了すると、走査距離判定部113は、第2の副走査方向に走査され、さらに第1の副走査方向に走査されたとき、印刷ヘッド150が第1の印刷対象画像の末端部に達しているか否かを判定する。詳細には、走査距離判定部113は、第1の印刷対象画像の印刷が終了した後、第2の副走査方向に走査されるまで第1の副走査方向に走査された距離L1を取得する。マゼンタ色印刷ヘッド150Mは、黄色印刷ヘッド150Yの印刷が終了するまでに、印刷せずに第1の副走査方向に基準距離d5走査されているので、印刷が終了した後、第1の副走査方向に距離L1走査されると、マゼンタ色印刷ヘッド150Mは、距離L1+基準距離5d走査された位置に配置されている。この後、第2の副走査方向に走査されると、走査距離判定部113は、第2の副走査方向に走査された距離Lが距離L1+基準距離5d以上であるか否かを判定する。走査距離判定部113によって、距離Lが距離L1+基準距離5d以上であると判定されると、走査距離判定部113は、距離Lが距離L1+基準距離5d以上である旨を示すデータをインジケータ表示制御部112に出力する。その後、走査距離判定部113は、第2の副走査方向に走査を開始されてから第1の副走査方向に走査されるまでの距離(第2の走査距離)L2を取得する。このときマゼンタ色印刷ヘッド150Mは、距離L1+基準距離5d-距離L2走査された位置に配置されている。この位置から第1の副走査方向に走査されると、走査距離判定部113は、第1の副走査方向に走査された距離L3を取得し、距離L3=距離L2-距離L1-基準距離d5であるか否かを判定する。第1の副走査方向に距離L3=距離L2-距離L1-基準距離d5走査されると、マゼンタ色印刷ヘッド150Mは、第1の印刷対象画像の末端部に位置している。走査距離判定部113は、距離L3=距離L2-距離L1-基準距離d5であると判定されると、印刷ヘッド制御部114に第2の印刷対象画像を印刷させる旨のデータを出力する。
印刷ヘッド制御部114は、走査距離判定部113により基準距離走査されたと判定された後、走査距離検出部140が検出した副走査方向に走査された走査距離に基づいて、印刷ヘッド150を制御して第1の印刷対象画像を印刷させる。走査距離判定部113により、第1の印刷対象画像の印刷が終了した後、第2の副走査方向に走査され、さらに第1の副走査方向に走査されたとき、印刷ヘッド150が第1の印刷対象画像の末端部に位置していると判定されると、印刷ヘッド制御部114は、印刷ヘッド150を制御して第2の印刷対象画像を印刷させる。具体的には、印刷ヘッド制御部114は、印刷ヘッド150が第1の副走査方向に1ドットピッチに相当する距離を走査される度、RAM180に記憶された第1と第2の印刷対象画像をYMC(Yellow Magenta Cyan)毎に主走査方向にライン状に並んだ1画素のラインである1ドットラインを印刷ヘッド150に印刷させる。
決定ボタン120は、ユーザの操作に基づいて、印刷媒体Rにおける第1のインジケータ130Aが配置された位置を印刷開始位置として受け付けるとともに印刷開始を指示するものである。
走査距離検出部140は、上述したように、印刷媒体Rに対して印刷ヘッド150が走査された距離である走査済み距離を検出し、検出された走査済み距離を示すデータを制御部110に出力する。
印刷ヘッド150は、上述したように、印刷ヘッド制御部114の制御に基づいて、印刷ヘッド150に設けられたノズルから印刷データに応じてインクを選択的に吐出させる。吐出したインクは、印刷媒体Rに付着し、印刷ヘッド150の主走査方向に向けてライン状に並んだ画素(1ドットライン)が印刷される。
通信部160は、端末装置200から印刷対象画像を示すデータを受信する。通信部160は、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信モジュールから構成される。
ROM170は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリから構成され、上述したように制御部110が各種機能を実現するためのプログラムおよび基準距離d1~d5を記憶する。RAM180は、揮発性メモリから構成され、制御部110が各種処理を行うためのプログラムを実行するための作業領域として用いられる。また、RAM180は、第1と第2の印刷対象画像のYMCの画像データ、距離L、L1~L3などの走査距離のデータを記憶する。なお、RAM180は、CPUに内蔵されたものであり、第1の印刷対象画像のYMCの画像データと第2の印刷対象画像のYMCの画像データとを両方を記憶する容量を有しないとする。
端末装置200は、図5に示すように、制御部210と、通信部220と、ディスプレイ230と、操作部240と、ROM250と、RAM260と、を備える。
制御部210は、CPU等から構成される。制御部210は、ROM250に記憶されたプログラムを実行することにより、印刷対象取得部211と、印刷対象分割部212と、印刷対象送信部213として機能する。
印刷対象取得部211は、操作部240が取得した、または通信部220が受信した印刷対象画像を示すデータを取得し、RAM260に格納する。
印刷対象分割部212は、印刷対象取得部211が取得した印刷対象画像の副走査方向における長さTLが基準長さBL以上であるか否かを判定する。印刷対象画像の長さTLが基準長さBL以上であると判定すると、印刷対象分割部212は、副走査方向において、印刷対象画像の先頭から基準長さBLまでを第1の印刷対象画像、印刷対象画像の基準長さBLから末端までを第2の印刷対象画像となるように、印刷対象画像示すデータを第1の印刷対象画像を示すデータと第2の印刷対象画像を示すデータに分割する。なお、印刷対象画像の長さTLは、基準長さBLの2倍を超えないものとする。基準長さBLは、ハンディプリンタ100のRAM180の容量により決定され、一回の走査で印刷できる長さであり、例えば15cmである。
印刷対象送信部213は、第1と第2の印刷対象画像を示すデータを通信部220を介して、ハンディプリンタ100に送信する。
通信部220は、ハンディプリンタ100に印刷対象画像を示すデータを送信する。通信部220は、上述した通信部160と同様に、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの無線通信モジュールから構成される。
ディスプレイ230は、入力された印刷対象の画像や操作に必要な画像を表示するものであり、LCD(Liquid Crystal Display)などから構成される。
操作部240は、ユーザの入力に基づいて、印刷対象画像を示すデータや印刷処理の開始、終了の指示を受け付けるものである。なお、操作部240とディスプレイ230とは、タッチパネルディスプレイ装置を構成する。
ROM250は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリから構成され、制御部210が各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。RAM260は、揮発性メモリから構成され、制御部210が各種処理を行うためのプログラムを実行するための作業領域として用いられる。また、RAM260は、印刷対象画像を示すデータを記憶する。
つぎに、以上の構成を有する端末装置200からハンディプリンタ100に印刷対象画像を送信し、ハンディプリンタ100が印刷対象画像を印刷する例について、ハンディプリンタ100が実行する印刷処理、および端末装置200が実行する印刷対象送信処理について説明する。
端末装置200は、ユーザによる処理を開始させる指示に応答し、図6に示す印刷対象送信処理を開始する。また、ハンディプリンタ100は、ユーザによる処理を開始させる指示に応答し、図7に示す印刷処理を開始する。以下、端末装置200が実行する印刷対象送信処理およびハンディプリンタ100が実行する印刷処理を、フローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、印刷対象画像を分割しない例及び第1の印刷対象画像と第2の印刷対象画像に分割する例について説明する。
まず、図6に示すように、印刷対象取得部211は、操作部240に入力された印刷対象画像を示すデータを取得する(ステップS101)。印刷対象取得部211は、取得した印刷対象画像を示すデータをRAM260に記憶する。つぎに、印刷対象送信部213は、印刷対象画像を示すデータを送信する指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS102)。データを送信する指示を受け付けていない場合(ステップS102;No)、ステップS102を繰り返す。
データを送信する指示を受け付けた場合(ステップS102;Yes)、印刷対象分割部212は、印刷対象取得部211が取得した印刷対象画像の副走査方向における長さTLが基準長さBL以上であるか否かを判定する(ステップS103)。印刷対象画像の長さTLが基準長さBL以上であると判定されると(ステップS103;Yes)、印刷対象分割部212は、副走査方向において、印刷対象画像の先頭から基準長さBLまでを第1の印刷対象画像、印刷対象画像の基準長さBLから末端までを第2の印刷対象画像となるように、印刷対象画像示すデータを第1の印刷対象画像を示すデータと第2の印刷対象画像を示すデータに分割する(ステップS104)。印刷対象画像の長さTLが基準長さBL以上でないと判定されると(ステップS103;No)、印刷対象取得部211が取得した印刷対象画像を第1の印刷対象画像とし、ステップS105へ進む。
つぎに、印刷対象送信部213は、変数n=1とする(ステップS105)。つぎに、印刷対象送信部213は、第1の印刷対象画像を示すデータを、通信部220を介して、ハンディプリンタ100に送信する(ステップS106)。つぎに、印刷対象送信部213は、第1の印刷対象画像の印刷を完了したか否かを判定する(ステップS107)。第1の印刷対象画像の印刷を完了したか否かは、ハンディプリンタ100から第1の印刷対象画像の印刷が完了した旨のデータが送信されたか否かにより判定する。印刷対象送信部213は、第1の印刷対象画像の印刷を完了していないと判定すると(ステップS107;No)、ステップS107を繰り返す。印刷対象送信部213は、第1の印刷対象画像の印刷を完了したと判定すると(ステップS107;Yes)、印刷対象送信部213は、第1の印刷対象画像が最後の画像か否かを判定する(ステップS108)。ステップS103で印刷対象画像の長さTLが基準長さBL以上でないと判定された場合、第1の印刷対象画像が最後の画像であると判定し(ステップS108;Yes)、印刷対象送信部213は、印刷完了を示す旨のデータを送信する(ステップS109)。
印刷対象送信部213は、第1の印刷対象画像が最後の画像でないと判定すると(ステップS108;No)、変数nをインクリメントし(ステップS110)、印刷対象送信部213は、第2の印刷対象画像のデータをハンディプリンタ100に送信する(ステップS106)。つぎに、印刷対象送信部213は、第2の印刷対象画像の印刷を完了したか否かを判定する(ステップS107)。印刷対象送信部213は、第2の印刷対象画像の印刷を完了していないと判定すると(ステップS107;No)、ステップS107を繰り返す。印刷対象送信部213は、第2の印刷対象画像の印刷を完了したと判定すると(ステップS107;Yes)、印刷対象送信部213は、第2の印刷対象画像が最後の画像か否かを判定する(ステップS108)。第2の印刷対象画像は分割した2つめの画像であるので、印刷対象送信部213は、第2の印刷対象画像を最後の画像であると判定し(ステップS108;Yes)、印刷完了を示す旨のデータを送信する(ステップS109)。その後、終了指示が入力されているか否かを判定し(ステップS111)、終了指示が入力されていないと判定すると(ステップS111;No)、ステップS101に戻る。終了指示が入力されたと判定すると(ステップS111;Yes)、印刷対象送信処理を終了する。
端末装置200から第1の印刷対象画像を示すデータが送信されると、図7に示すように、ハンディプリンタ100の印刷対象取得部111は、通信部160を介して端末装置200から送信された第1の印刷対象画像を示すデータを取得し、RAM180に格納する(ステップS201)。つぎに、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを緑色に点灯する(ステップS202)。これにより、ハンディプリンタ100は印刷待機状態になる。
つぎに、インジケータ表示制御部112は、決定ボタン120が押されたか否かを判定する(ステップS203)。決定ボタン120が押されていないと判定されると(ステップS203;No)、ステップS203を繰り返す。決定ボタン120が押されたと判定されると(ステップS203;Yes)、インジケータ表示制御部112の制御により、第1のインジケータ130Aは白色に点灯する(ステップS204)。つぎに、走査距離判定部113は、第1の印刷開始処理を開始する(ステップS205)。
図8に示す第1の印刷開始処理が開始すると、走査距離判定部113は、決定ボタン120が押されてからハンディプリンタ100が基準距離d1走査されたか否かを判定する(ステップS301)。基準距離d1走査されていないと判定すると(ステップS301;No)、ステップS301を繰り返す。基準距離d1走査されたと判定すると、(ステップS301;Yes)、走査距離判定部113は、印刷ヘッド制御部114を介してマゼンタ色印刷ヘッド150Mに印刷を開始させ(ステップS302)、印刷ヘッド制御部114は、走査距離検出部140が検出した副走査方向に走査された走査距離に基づいて、マゼンタ色印刷ヘッド150Mに画像を印刷させる。
つぎに、走査距離判定部113は、決定ボタン120が押されてからハンディプリンタ100が基準距離d2走査されたか否かを判定する(ステップS303)。基準距離d2走査されていないと判定すると(ステップS303;No)、ステップS303を繰り返す。基準距離d2走査されたと判定すると(ステップS303;Yes)、走査距離判定部113は、印刷ヘッド制御部114を介してシアン色印刷ヘッド150Cに印刷を開始させ(ステップS304)、印刷ヘッド制御部114は、走査距離検出部140が検出した副走査方向に走査された走査距離に基づいて、シアン色印刷ヘッド150Cに画像を印刷させる。
つぎに、走査距離判定部113は、決定ボタン120が押されてからハンディプリンタ100が基準距離d3走査されたか否かを判定する(ステップS305)。基準距離d3走査されていないと判定すると(ステップS305;No)、ステップS305を繰り返す。基準距離d3走査されたと判定すると(ステップS305;Yes)、走査距離判定部113は、印刷ヘッド制御部114を介して黄色印刷ヘッド150Yに印刷を開始させ(ステップS306)、印刷ヘッド制御部114は、走査距離検出部140が検出した副走査方向に走査された走査距離に基づいて、黄色印刷ヘッド150Yに画像を印刷させる。
つぎに、走査距離検出部140は、印刷が終了したか否かを判定する(ステップS307)。印刷が終了していないと判定すると(ステップS307;No)、ステップS307を繰り返す。印刷が終了したと判定すると(ステップS307;Yes)、印刷対象取得部111は、RAM180に格納された第1の印刷対象画像を示すデータを消去する(ステップS308)。このとき、マゼンタ色印刷ヘッド150Mは、黄色印刷ヘッド150Yの印刷が終了するまでに、印刷せずに第1の副走査方向に基準距離d5走査されている。つぎに、走査距離判定部113は、第1の印刷対象画像の印刷を終了した後、第2の副走査方向に走査されるまで第1の副走査方向に走査された距離L1を取得する(ステップS309)。その後、第1の印刷実行処理を終了し、図7に示す印刷処理に戻る。
つぎに、端末装置200に第1の印刷対象画像の印刷が終了した旨を示すデータを送信する(ステップS206)。つぎに、印刷対象取得部111は、端末装置200から印刷完了を示す旨のデータを受信したか否かを判定する(ステップS207)。ここでは、印刷対象画像が基準長さBL以下の場合、印刷完了を示すデータを受信する。印刷完了を示す旨のデータを受信しなかったと判定すると(ステップS207;No)、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを消灯し、第2のインジケータ130Bを緑色に点灯する(ステップS208)。つぎに、印刷対象取得部111は、端末装置200から送信された第2の印刷対象画像を示すデータを取得し(ステップS209)、第2の印刷対象画像を示すデータをRAM180に格納する(ステップS210)。つぎに、第2の副走査方向に走査されると、走査距離判定部113は、第2の副走査方向に走査された距離Lが距離L1+基準距離5d以上であるか否かを判定する(ステップS211)。距離Lが距離L1以上でないと判定されると(ステップS211;No)、ステップS211を繰り返す。距離Lが距離L1以上であると判定されると(ステップS211;Yes)、インジケータ表示制御部112は第2のインジケータ130Bを消灯し、第1のインジケータ130Aを緑色に点灯する(ステップS212)。つぎに、走査距離判定部113は、第2の副走査方向に走査を開始されてから第1の副走査方向に走査されるまでの距離L2を取得する(ステップS213)。このときマゼンタ色印刷ヘッド150Mは、距離L1+基準距離5d-距離L2走査された位置に配置されている。つぎに、走査距離判定部113は、第2の印刷実行処理を開始する(ステップS214)。
図9に示す第2の印刷実行処理が開始すると、走査距離判定部113は、第1の副走査方向に走査された距離L3を取得する(ステップS401)。つぎに、走査距離判定部113は、距離L3=距離L2-距離L1-基準距離d5であるか否かを判定する(ステップS402)。距離L3=距離L2-距離L1-基準距離d5でないと判定されると(ステップS402;No)、ステップS401に戻る。距離L3=距離L2-距離L1-基準距離d5であると判定されると(ステップS402;Yes)、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aの点灯色を白色に変更する(ステップS403)。つぎに、走査距離判定部113は、印刷ヘッド制御部114を介してマゼンタ色印刷ヘッド150Mに第2の印刷対象画像の印刷を開始させ(ステップS404)、印刷ヘッド制御部114は、走査距離検出部140が検出した副走査方向に走査された走査距離に基づいて、マゼンタ色印刷ヘッド150Mに画像を印刷させる。
つぎに、走査距離判定部113は、マゼンタ色印刷ヘッド150Mが印刷を開始してからハンディプリンタ100が基準距離d4走査されたか否かを判定する(ステップS405)。基準距離d4走査されていないと判定すると(ステップS405;No)、ステップS405を繰り返す。基準距離d4走査されたと判定すると(ステップS405;Yes)、走査距離判定部113は、印刷ヘッド制御部114を介してシアン色印刷ヘッド150Cに第2の印刷対象画像の印刷を開始させ(ステップS406)、印刷ヘッド制御部114は、走査距離検出部140が検出した副走査方向に走査された走査距離に基づいて、シアン色印刷ヘッド150Cに画像を印刷させる。
つぎに、走査距離判定部113は、マゼンタ色印刷ヘッド150Mが印刷を開始してからハンディプリンタ100が基準距離d5走査されたか否かを判定する(ステップS407)。基準距離d5走査されていないと判定すると(ステップS407;No)、ステップS407を繰り返す。基準距離d5走査されたと判定すると(ステップS407;Yes)、走査距離判定部113は、印刷ヘッド制御部114を介して黄色印刷ヘッド150Yに第2の印刷対象画像の印刷を開始させ(ステップS408)、印刷ヘッド制御部114は、走査距離検出部140が検出した副走査方向に走査された走査距離に基づいて、黄色印刷ヘッド150Yに画像を印刷させる。
つぎに、走査距離検出部140は、印刷が終了したか否かを判定する(ステップS409)。印刷が終了していないと判定すると(ステップS409;No)、ステップS409を繰り返す。印刷が終了したと判定すると(ステップS409;Yes)、第2の印刷対象画像の印刷が了した旨のデータを端末装置200に送信し(ステップS410)、第2の印刷実行処理を終了し、図7に示す印刷処理に戻る。
つぎに、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを青色に点灯する(ステップS215)。その後、所定時間経過すると、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを消灯する(ステップS216)。その後、印刷処理を終了する。また、ステップS207で印刷完了を示す旨のデータを受信したと判定した場合(ステップS207;Yes)、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを青色に点灯し(ステップS215)、所定時間経過すると、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを消灯する(ステップS216)。その後、印刷処理を終了する。
つぎに、本実施の形態に係るハンディプリンタ100および端末装置200が実行する処理を具体例に基づいて図10~図15を参照しながら説明する。この例で印刷する印刷対象画像は、「ABCDEFGH」である。この印刷対象画像は、副走査方向における長さTLが、一回の走査で印刷できる長さである基準長さBL以上である。
ユーザによる処理を開始させる指示に応答し、ハンディプリンタ100が印刷処理を開始し、端末装置200が、印刷対象送信処理を開始する。端末装置200が、印刷対象送信処理を開始すると、印刷対象取得部211は、操作部240に入力された印刷対象画像を示すデータを取得する(ステップS101;図6)。ここで入力された印刷対象画像は、「ABCDEFGH」である。印刷対象取得部211は、取得した印刷対象画像を示すデータをRAM260に記憶する。
つぎに、印刷対象送信部213が、データを送信する指示を受け付けると(ステップS102;Yes;図6)、印刷対象分割部212は、印刷対象取得部211が取得した印刷対象画像の副走査方向における長さTLが基準長さBL以上であるか否かを判定する(ステップS103:図6)。この例では、印刷対象画像の副走査方向における長さTLが基準長さBL以上であるので、印刷対象画像の長さTLを基準長さBL以上であると判定する(ステップS103;Yes;図6)。
つぎに、印刷対象分割部212は、副走査方向において、印刷対象画像の先頭から基準長さBLまでを第1の印刷対象画像、印刷対象画像の基準長さBLから末端までを第2の印刷対象画像となるように、印刷対象画像示すデータを第1の印刷対象画像を示すデータと第2の印刷対象画像を示すデータに分割する(ステップS104;図6)。この例では、第1の印刷対象画像は「ABCD」、第2の印刷対象画像は「EFGH」である。つぎに、印刷対象送信部213は、変数n=1とする(ステップS105;図6)。つぎに、印刷対象送信部213は、第1の印刷対象画像を示すデータを、通信部220を介して、ハンディプリンタ100に送信する(ステップS106;図6)。
端末装置200から第1の印刷対象画像を示すデータが送信されると、ハンディプリンタ100の印刷対象取得部111は、端末装置200から送信された第1の印刷対象画像を示すデータを取得し、RAM180に格納する(ステップS201;図7)。つぎに、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを緑色に点灯する(ステップS202;図7)。これにより、ユーザは、ハンディプリンタ100は印刷待機状態になったことを確認できる。
つぎに、ユーザが、緑色に点灯した第1のインジケータ130Aを印刷予定位置Pの左端部に合わせ、決定ボタン120を押すと(ステップS203;Yes;図7)、インジケータ表示制御部112の制御により、第1のインジケータ130Aは白色に点灯する(ステップS204;図7)。つぎに、ユーザが、白色に点灯した第1のインジケータ130Aを見て、第1の副走査方向に走査すると、走査距離判定部113により第1の印刷開始処理が開始する(ステップS205;図7)。
第1の印刷開始処理が開始し、決定ボタン120が押されてからハンディプリンタ100が基準距離d1走査されると(ステップS301;Yes;図8)、走査距離判定部113は、マゼンタ色印刷ヘッド150Mに印刷を開始させる(ステップS302;図8)。ハンディプリンタ100が基準距離d2走査されると(ステップS303;Yes;図8)、走査距離判定部113は、シアン色印刷ヘッド150Cに印刷を開始させる(ステップS304;図8)。ハンディプリンタ100が基準距離d3走査されると(ステップS305;Yes;図8)、走査距離判定部113は、黄色印刷ヘッド150Yに印刷を開始させる(ステップS306;図8)。ユーザがハンディプリンタ100を第1の副走査方向に走査すると、第1の印刷対象画像「ABCD」が印刷される。
その後、走査距離検出部140により印刷が終了したと判定され(ステップS307;Yes;図8)、印刷対象取得部111は、RAM180に格納された第1の印刷対象画像を示すデータを消去する(ステップS308;図8)。このとき、マゼンタ色印刷ヘッド150Mは、黄色印刷ヘッド150Yの印刷が終了するまでに、印刷せずに第1の副走査方向に基準距離d5走査されている。つぎに、走査距離判定部113は、第1の印刷対象画像の印刷を終了した後、第2の副走査方向に走査されるまで第1の副走査方向に走査された距離L1を取得する(ステップS309;図8)。このときハンディプリンタ100は、図11に示す位置まで走査され、第1の副走査方向に距離L1走査されているとすると、マゼンタ色印刷ヘッド150Mは、距離L1+基準距離5d走査された位置に配置されている。その後、第1の印刷実行処理を終了する。つぎに、端末装置200に第1の印刷対象画像の印刷が終了した旨を示すデータを送信する(ステップS206;図7)。
つぎに、端末装置200の印刷対象送信部213は、第1の印刷対象画像の印刷を完了したか否かを判定する(ステップS107;図6)。ハンディプリンタ100から第1の印刷対象画像の印刷が完了した旨のデータが送信されたので、印刷対象送信部213は、第1の印刷対象画像の印刷を完了したと判定する(ステップS107;Yes;図6)。つぎに、印刷対象送信部213は、第1の印刷対象画像が最後の画像か否かを判定する(ステップS108;図6)。印刷対象取得部211が取得した印刷対象画像がステップS104で分割されているので、第1の印刷対象画像が最後の画像でないと判定し(ステップS108;No;図6)、変数nをインクリメントする(ステップS110;図6)。つぎに、印刷対象送信部213は、第2の印刷対象画像「EFGH」を示すデータをハンディプリンタ100に送信する(ステップS106;図6)。
つぎに、ハンディプリンタ100が印刷完了を示す旨のデータを受信しなかったと判定すると(ステップS207;No;図7)、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを消灯し、第2のインジケータ130Bを緑色に点灯する(ステップS208;図7)。つぎに、印刷対象取得部111は、端末装置200から送信された第2の印刷対象画像を示すデータを取得する(ステップS209;図7)。つぎに、第2の印刷対象画像を示すデータをRAM180に格納する(ステップS210;図7)。つぎに、緑色に点灯した第2のインジケータ130Bを見たユーザは、図12に示すように、第2の副走査方向にハンディプリンタ100を走査する。走査距離判定部113は、第2の副走査方向に走査された距離Lが距離L1+基準距離5d以上であるか否かを判定する(ステップS211;図7)。距離Lが距離L1以上であると判定されると、インジケータ表示制御部112は第2のインジケータ130Bを消灯し、第1のインジケータ130Aを緑色に点灯する(ステップS212;図7)。緑色に点灯した第1のインジケータ130Aを見たユーザは、ハンディプリンタ100を第1の副走査方向に走査する。つぎに、走査距離判定部113は、第2の副走査方向に走査を開始されてから第1の副走査方向に走査されるまでの距離L2を取得する(ステップS213;図7)。このときマゼンタ色印刷ヘッド150Mは、距離L1+基準距離5d-距離L2走査された位置に配置されている。つぎに、走査距離判定部113は、第2の印刷実行処理を開始する(ステップS214;図7)。
第2の印刷実行処理が開始すると、走査距離判定部113は、第1の副走査方向に走査された距離L3を取得する(ステップS401;図9)。つぎに、ハンディプリンタ100が、図13に示すように、第1の副走査方向に距離L3=距離L2-距離L1-基準距離d5走査されると(ステップS402;Yes;図9)、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aの点灯色を白色に変更する(ステップS403;図9)。つぎに、図14に示すように、走査距離判定部113は、印刷ヘッド制御部114を介してマゼンタ色印刷ヘッド150Mに第2の印刷対象画像の印刷を開始させる(ステップS404;図9)。つぎに、走査距離判定部113は、マゼンタ色印刷ヘッド150Mが印刷を開始してからハンディプリンタ100が基準距離d4走査されたと判定すると(ステップS405;Yes;図9)、走査距離判定部113は、印刷ヘッド制御部114を介してシアン色印刷ヘッド150Cに第2の印刷対象画像の印刷を開始させる(ステップS406;図9)。つぎに、走査距離判定部113は、マゼンタ色印刷ヘッド150Mが印刷を開始してからハンディプリンタ100が基準距離d5走査されたと判定すると(ステップS407;Yes;図9)、走査距離判定部113は、印刷ヘッド制御部114を介して黄色印刷ヘッド150Yに第2の印刷対象画像の印刷を開始させる(ステップS408;図9)。その後、図15に示すように、第2の印刷対象画像の印刷が完了すると、走査距離検出部140が、印刷が終了したと判定し(ステップS409;Yes;図9)、第2の印刷対象画像の印刷が了した旨のデータを端末装置200に送信し(ステップS410;図9)、第2の印刷実行処理を終了する。
つぎに、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを青色に点灯する(ステップS215;図7)。青色に点灯した第1のインジケータ130Aを見たユーザは、第1と第2の印刷対象画像の全てが印刷完了したことを知ることができる。その後、所定時間経過すると、インジケータ表示制御部112は、第1のインジケータ130Aを消灯する(ステップS216;図7;図7)。
以上のように、本実施の形態のハンディプリンタ100によれば、第1の印刷対象画像に続けて第2の印刷対象画像を印刷できる。これにより、印刷対象画像の副走査方向における長さTLが基準長さBL以上である場合でも印刷できる。特に、RAM180の容量が小さく基準長さBLを大きくできない場合に有効である。また、RAM180は、CPUに内蔵されたものであるため、データの出力速度が速く、印刷する際の最大走査速度を大きくできる。また、CPUに内蔵されたRAM180を用いることで、筐体101の大きさを小さくでき、CPUに内蔵されたRAM180以外のRAMを備える場合に比べてコストダウンできる。また、第1の印刷対象画像を印刷した後、第2の印刷対象画像を印刷するまで、第1の副走査方向および第2の副走査方向に走査された距離を走査距離検出部140で検出しているので、第1の印刷対象画像と第2の印刷対象画像を連続して隙間なく印刷できる。
(変形例)
上述の実施の形態では、端末装置200からハンディプリンタ100に第1の印刷対象画像を示すデータと第2の印刷対象画像を示すデータを2回に分けて送信する例について説明した。ハンディプリンタ100は、第1の印刷対象画像と第2の印刷対象画像を連続して印刷することができればよい。例えば、ハンディプリンタ100は、CPUに内蔵されたRAM180以外に外部RAMを備え、外部RAMに第1の印刷対象画像を示すデータと第2の印刷対象画像を示すデータを記憶してもよい。RAM180は、第1の印刷対象画像を示すデータまたは第2の印刷対象画像を示すデータを記憶する第1の記憶部として機能する。外部RAMは、例えばCPUが配置された基板に配置されたものであり、第2の印刷対象画像を示すデータおよび第2の印刷対象画像を示すデータを記憶する第2の記憶部として機能する。この場合、外部RAMからRAM180に第1の印刷対象画像を示すデータを出力し、RAM180に第1の印刷対象画像を示すデータを記憶し、第1の印刷対象画像を印刷する。第1の印刷対象画像の印刷が終了すると、RAM180に記憶した第1の印刷対象画像を示すデータを消去する。つぎに、外部RAMからRAM180に第2の印刷対象画像を示すデータを出力し、RAM180に第2の印刷対象画像を示すデータを記憶し、第2の印刷対象画像を印刷する。RAM180に記憶した第1の印刷対象画像を示すデータを消去し、第2の印刷対象画像を示すデータをRAM180に記憶する構成には、RAM180に記憶した第1の印刷対象画像を示すデータに第2の印刷対象画像を示すデータを上書きする構成も含む。その他の構成は、上述の実施の形態のハンディプリンタ100と同様である。このようにすることで、端末装置200がなくてもハンディプリンタ100単体で、印刷対象画像の副走査方向における長さTLが基準長さBL以上である場合でも印刷できる。
上述の実施の形態では、第1の印刷対象画像を印刷した後、第2の印刷対象画像を印刷するまでに走査された距離を走査距離検出部140で検出する例について説明した。ハンディプリンタ100は、第1の印刷対象画像と第2の印刷対象画像を連続して隙間なく印刷できればよい。例えば、図16に示すように、ハンディプリンタ100は、印刷ヘッド150と平行に配置されたスキャナ190を備えてもよい。スキャナ190は、印刷ヘッド150と主走査方向と平行な向きにライン状に受光素子が並んで設けられたものである。マゼンタ色印刷ヘッド150Mとスキャナ190の中心との間隔を基準距離d6とする。第1のインジケータ130Aおよび第2のインジケータ130Bは、印刷ヘッド150の主走査方向の長さと同じ長さを有し、ハンディプリンタ100を上面から見て、第1または第2の副走査方向に走査されたとき重なる位置に配置され、印刷ヘッド150の位置を示す目印となっている。第1の印刷対象画像を印刷した後、ユーザが再度、図17に示すように、ハンディプリンタ100を第1の印刷対象画像の上に印刷ヘッド150が通過するように第1の副走査方向に走査する。スキャナ190が第1の印刷対象画像の末端部を検知し、末端部を検知してから末端部を検知した際の末端部とマゼンタ色印刷ヘッド150M間の距離(ここではマゼンタ色印刷ヘッド150Mとスキャナ190の中心との間隔を基準距離d6とする)走査されると、マゼンタ色印刷ヘッド150Mが第2の印刷対象画像の印刷を開始する。その後、シアン色印刷ヘッド150C、黄色印刷ヘッド150Yに印刷を開始させる。ユーザは、第1のインジケータ130Aと第2のインジケータ130Bとを目印として、第1の印刷対象画像に合わせて走査することで、ハンディプリンタ100を第1の印刷対象画像の上に印刷ヘッド150が通過するように第1の副走査方向に走査することができる。この場合、第1の印刷対象画像を印刷した後、ハンディプリンタ100を印刷媒体Rから離したとしても第2の印刷対象画像を第1の印刷対象画像に連続して隙間なく印刷できる。
上述の実施の形態では、第2の印刷対象画像を取得すると、印刷ヘッド制御部114が印刷ヘッド150に第2の印刷対象画像を印刷させる例について説明したが、ハンディプリンタ100は、第2の印刷対象画像の印刷準備が完了したか否かを判定する印刷準備判定部を更に備えてもよい。この場合、インジケータ表示制御部112は、走査距離判定部113により、第1の副走査方向に走査された第1の走査距離L1より第2に副走査方向に走査された第2の走査距離L2が大きいと判定されると、第2のインジケータ130Bを消灯した後、印刷準備判定部によって第2の印刷対象画像の印刷準備が完了したと判定されると第1のインジケータ130Aを点灯する。ハンディプリンタ100が、印刷準備判定部を更に備えることで、印刷準備が完了する前にユーザによりハンディプリンタ100が走査されることを防ぐことができる。
上述の実施の形態では、印刷対象画像を第1の印刷対象画像と第2の印刷対象画像に分割する例について説明したが、ハンディプリンタ100は、印刷対象画像を複数の印刷対象画像に分割し、複数の印刷対象画像を連続して隙間なく印刷できればよい。例えば、印刷対象画像を副走査方向において、第1の印刷対象画像から第Mの印刷対象画像に分割してもよい。Mは2以上の自然数である。この場合、第m-1の印刷対象画像を印刷した後、第mの印刷対象画像を印刷する。m=2、・・・M-1、Mである。このようにすることで、副走査方向における印刷対象画像の長さの制限を無くすことができる。
上述の実施の形態では、印刷ヘッド150がノズルからマゼンタ色、シアン色、黄色のインクをそれぞれ吐出する例について説明したが、印刷ヘッド150は、単色またはインクを吐出するものでもよく、4色以上のインクを吐出する物でもよい。また、印刷ヘッド150が、ライン状にノズルが並んで設けられているインクジェット式の例について説明したが、印刷ヘッド150は、サーマル式のものであってもよく、他の方式であってもよい。
上述の実施の形態では、第1および第2のインジケータ130A、130Bが設けられる例について説明したが、インジケータは1つ設けられればよく、筐体101の右端または左端に1つのインジケータが設けられてもよい。
また、CPU、RAM、ROM等から構成されるハンディプリンタ100、端末装置200が実行する印刷対象送信処理、印刷処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常の情報携帯端末(スマートフォン、タブレットPC)、パーソナルコンピュータなどを用いて実行可能である。たとえば、上述の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等)に格納して配布し、このコンピュータプログラムを情報携帯端末などにインストールすることにより、上述の処理を実行する情報端末を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置にこのコンピュータプログラムを格納しておき、通常の情報処理端末などがダウンロード等することで情報処理装置を構成してもよい。
また、ハンディプリンタ100、端末装置200の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションプログラムとの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にこのコンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介してこのコンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
主走査方向に向けてライン状に印字素子が並んで設けられた印刷ヘッドと、
底面に前記印刷ヘッドを備える筐体と、
前記筐体が副走査方向に走査された距離を検出する走査距離検出手段と、
第1の印刷対象画像および第2の印刷対象画像を示すデータを取得する印刷対象取得手段と、
前記筐体の前記副走査方向への走査に応じた前記第1の印刷対象画像の印刷後、前記筐体が前記副走査方向に走査されることにより、前記印刷ヘッドが前記第1の印刷対象画像の末端部に達したか否かを判定する走査距離判定手段と、
前記走査距離判定手段により印刷開始位置が第1の印刷対象画像の末端部に達したと判定されると、前記印刷ヘッドによる前記第2の印刷対象画像の印刷を開始させる印刷ヘッド制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
(付記2)
前記印刷ヘッド制御手段は、前記筐体の第1の副走査方向に走査に応じて前記第1の印刷対象画像を印刷し、
前記走査距離判定手段は、前記第1の印刷対象画像を印刷した後、前記筐体が前記第1の副走査方向とは逆方向である第2の副走査方向に走査され、再び前記第1の副走査方向に走査すると前記印刷ヘッドが前記第1の印刷対象画像の末端部に達したか否かを判定し、
前記印刷ヘッド制御手段は、前記走査距離判定手段により前記印刷ヘッドが前記第1の印刷対象画像の末端部に達したと判定されると、前記第1の副走査方向への走査に応じて前記印刷ヘッドによる前記第2の印刷対象画像の印刷を開始する、
ことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
(付記3)
前記走査距離判定手段は、前記第1の印刷対象画像の印刷を終了してから前記筐体が前記第2の副走査方向に走査されるまで第1の副走査方向に走査された第1の走査距離を取得し、前記筐体が前記第2の副走査方向に走査されると第1の副走査方向に走査されるまで前記第2の副走査方向に走査された第2の走査距離を取得し、再度前記筐体が前記第1の副走査方向に走査されると、前記第1の副走査方向に前記第2の走査距離から前記第1の走査距離を差し引いた距離を走査されたか否かを判定し、
前記印刷ヘッド制御手段は、前記走査距離判定手段が前記第1の副走査方向に前記第2の走査距離から前記第1の走査距離を差し引いた距離を走査されたと判定した場合に、前記印刷ヘッドによる前記第1の副走査方向への走査に応じた前記第2の印刷対象画像の印刷を開始する、
ことを特徴とする付記2に記載の印刷装置。
(付記4)
第1の副走査方向に走査することを示す第1のインジケータと、
前記第1の副走査方向と逆向きの第2の副走査方向に走査することを示す第2のインジケータと、
前記第1のインジケータおよび前記第2のインジケータの点灯を制御するインジケータ表示制御手段と、を備え、
前記インジケータ表示制御手段は、前記第1の印刷対象画像を印刷するとき、前記第1のインジケータを点灯し、前記第1の印刷対象画像の印刷が完了すると、前記第2のインジケータを点灯する、
ことを特徴とする付記1から3の何れか1つに記載の印刷装置。
(付記5)
前記走査距離判定手段が、第1の副走査方向に走査された第1の走査距離より第2に副走査方向に走査された第2の走査距離が大きいと判定すると、前記インジケータ表示制御手段は、前記第2のインジケータを消灯する、
ことを特徴とする付記4に記載の印刷装置。
(付記6)
前記第2の印刷対象画像の印刷準備が完了したか否かを判定する印刷準備判定手段を更に備え、
前記インジケータ表示制御手段は、前記走査距離判定手段により第1の副走査方向に走査された第1の走査距離より第2に副走査方向に走査された第2の走査距離が大きいと判定され、前記第2のインジケータを消灯した後、前記印刷準備判定手段によって前記第2の印刷対象画像の印刷準備が完了したと判定されると前記第1のインジケータを点灯する、
ことを特徴とする付記5に記載の印刷装置。
(付記7)
前記印刷ヘッドの主走査方向と平行な向きにライン状に受光素子が並んで設けられたスキャナを備え、
前記走査距離判定手段は、前記スキャナにより印刷された前記第1の印刷対象画像の末端部を検知すると、前記末端部を検知した際の前記末端部と前記印刷ヘッド間の距離を前記筐体が前記副走査方向に走査されたか否かを判定する、
ことを特徴とする付記1から6の何れか1つに記載の印刷装置。
(付記8)
前記第1の印刷対象画像を示すデータまたは前記第2の印刷対象画像を示すデータを記憶する第1の記憶部と、
前記第1の印刷対象画像を示すデータおよび前記第2の印刷対象画像を示すデータを記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記印刷対象取得手段は、前記第1の印刷対象画像および前記第2の印刷対象画像を示すデータを取得し、取得した前記第1と第2の印刷対象画像を示すデータを第2の記憶部に記憶し、前記第1の印刷対象画像を印刷する際、前記第1の印刷対象画像を示すデータを前記第1の記憶部に記憶し、前記印刷ヘッド制御手段により前記第1の記憶部に記憶された前記第1の印刷対象画像を示すデータに基づく前記第1の印刷対象画像が印刷されると、前記第1の記憶部に記憶した前記第1の印刷対象画像を示すデータを消去し、前記第2の印刷対象画像を示すデータを第1の記憶部に記憶する、
ことを特徴とする付記1から7の何れか1つに記載の印刷装置。
(付記9)
前記印刷対象取得手段は、
前記第1の印刷対象画像の印刷が完了すると、前記第2の印刷対象画像を示すデータを取得する、
ことを特徴とする付記1から7の何れか1つに記載の印刷装置。
(付記10)
前記印刷対象取得手段は、
前記第1の印刷対象画像および第2の印刷対象画像を示すデータを他の装置から受信する受信手段を備え、
前記受信手段は、
前記第1の印刷対象画像の印刷が完了すると、前記第2の印刷対象画像を示すデータの受信を開始する、
ことを特徴とする付記9に記載の印刷装置。
(付記11)
付記1から10の何れか1つに記載の印刷装置と、
前記印刷装置に前記第1の印刷対象画像および前記第2の印刷対象画像を示すデータを送信する他の装置と、
を備える印刷システムであって、
前記他の装置から前記第1の印刷対象画像が前記印刷装置に送信され、前記印刷装置により前記第1の印刷対象画像の印刷が完了すると、前記他の装置は前記第2の印刷対象画像を示すデータを前記印刷装置に送信する、
ことを特徴とする印刷システム。
(付記12)
前記他の装置は、印刷対象画像の長さが基準長さ以上であると判定すると該印刷対象画像を前記第1の印刷対象画像と前記第2の印刷対象画像に分割する印刷対象分割手段を備える、
ことを特徴とする付記11に記載の印刷システム。
(付記13)
前記印刷対象分割手段は、副走査方向において、前記印刷対象画像の先頭から前記基準長さまでを前記第1の印刷対象画像、前記印刷対象画像の前記基準長さから末端までを前記第2の印刷対象画像となるように、前記印刷対象画像を示すデータを前記第1の印刷対象画像を示すデータと前記第2の印刷対象画像を示すデータに分割する、
ことを特徴とする付記12に記載の印刷システム。
(付記14)
主走査方向に向けてライン状に印字素子が並んで設けられた印刷ヘッドと、
底面に前記印刷ヘッドを備える筐体と、
前記筐体が副走査方向に走査された距離を検出する走査距離検出手段と、を備える印刷装置を用いて印刷する印刷方法であって、
第1の印刷対象画像および第2の印刷対象画像を示すデータを取得する印刷対象取得ステップと、
前記筐体の前記副走査方向への走査に応じて前記第1の印刷対象画像を前記印刷ヘッドに印刷させる印刷ステップと、
前記印刷ステップによって印刷された前記第1の印刷対象画像の末端部に前記印刷ヘッドが副走査方向に走査されて達したか否かを判定する走査距離判定ステップと、
前記走査距離判定ステップにより前記印刷ヘッドが第1の印刷対象画像の末端部に達したと判定されると前記第2の印刷対象画像を前記印刷ヘッドに印刷させる印刷ヘッド制御ステップと、
を備えることを特徴とする印刷方法。
(付記15)
主走査方向に向けてライン状に印字素子が並んで設けられた印刷ヘッドと、
底面に前記印刷ヘッドを備える筐体と、
前記筐体が副走査方向に走査された距離を検出する走査距離検出手段と、を備える印刷装置を制御するコンピュータを、
第1の印刷対象画像および第2の印刷対象画像を示すデータを取得する印刷対象取得手段、
前記印刷装置が印刷した前記第1の印刷対象画像の末端部に前記印刷ヘッドが副走査方向に走査されて達したか否かを判定する走査距離判定手段、
前記走査距離判定手段により前記印刷ヘッドが第1の印刷対象画像の末端部に達したと判定されると前記第2の印刷対象画像を前記印刷ヘッドに印刷させる印刷ヘッド制御手段、
として機能させるプログラム。