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JP7172640B2 - 内燃機関の燃料供給部品保護構造 - Google Patents

内燃機関の燃料供給部品保護構造 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の燃料供給部品保護構造に関する。
内燃機関には燃料タンクから燃料を供給するために燃料供給部品が設けられており、車両前方から内燃機関に外力が加わった際に、燃料供給部品が内燃機関の後方に配置されるカウルトップやダッシュパネル等の車体部材に強く干渉することを防止する必要がある。
従来、燃料供給部品が車体部材に強く干渉することを防止できる技術として、特許文献1に記載されるエンジン燃料供給系部品の保護構造が知られている。
このエンジン燃料供給系部品の保護構造は、エンジンにプロテクタが設置されている。プロテクタは、燃料供給パイプの一端部を衝突荷重の入力方向から覆う主壁部と、この荷重入力方向と直交する方向の一側においてヘッドカバーに締結される片部と、直交方向の他側においてヘッドカバーのフランジ部に近接し、かつ所定の隙間を有する右側壁部の下端部とを備えている。
このプロテクタは、衝突荷重の入力時には他端部がヘッドカバーの厚肉部に当接して、締結部とともに衝突荷重を支えることにより、燃料供給パイプが車体部材を構成するカウルパネルに強く干渉することを防止できる。
特開2017-8769号公報
しかしながら、このような従来のプロテクタにあっては、プロテクタによって燃料供給パイプの一端部しか覆われておらず、他端部が覆われていない。このため、前方から内燃機関に衝突荷重が加わると、プロテクタに覆われていない他端部を含んだ燃料供給パイプそのものがカウルパネルに強く干渉するおそれがある。
すなわち、カウルトップ等の車体部材は、内燃機関の後方で、かつ内燃機関の上方に位置しているため、車両衝突時に、車両後方からだけでなく車両上方からも燃料パイプに接触するおそれがある。
この場合に、ヘッドカバーに連結される燃料供給パイプの一端部に応力が集中してしまうため、燃料供給パイプの一端部とヘッドカバーとの連結力が低下してしまうおそれがある。
これに対して、プロテクタを燃料供給パイプの一端部から他端部まで設置すれば、燃料供給パイプがカウルパネルに強く干渉することを防止できるが、プロテクタが大型化し過ぎてプロテクタの剛性が却って低下してしまう。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、前方から車両の前部に外力が作用して内燃機関が車体部材側に移動した場合に、燃料供給部品を車体部材から保護できる内燃機関の燃料供給部品保護構造を提供することを目的とするものである。
本発明は、車両の車体部材よりも前方に設置され、複数の気筒が設けられたエンジン本体と、前記エンジン本体の上部に設けられ、前記複数の気筒に燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、車両の幅方向に延びるようにして前記エンジン本体の後部に設けられ、前記複数の燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給部品と、前記複数の気筒に空気を吸入する吸気通路を有し、前記燃料供給部品の後方と下方とを覆うように前記エンジン本体に取付けられた吸気マニホールドとを備え、前記燃料供給部品が、燃料供給部材と、前記燃料供給部材と前記複数の燃料噴射弁とを接続する複数の燃料配管とを含んで構成される内燃機関の燃料供給部品保護構造であって、前記エンジン本体は、前記燃料供給部材よりも下側に設置され、前記燃料供給部材よりも後方に突出する複数の突出部と、前記複数の突出部と前記エンジン本体の前部とを連結し、前記燃料供給部材と前記燃料配管を外方から覆うガード部材とを有し、前記ガード部材は、車両の前後方向で前記燃料供給部材と前記吸気マニホールドの間に位置し、前記複数の突出部のそれぞれから上方に延びる第1の軸部材と、前記第1の軸部材の上端部に連結され、車両の幅方向に延びるプレート部材と、前記プレート部材と前記エンジン本体の前部とを連結する第2の軸部とを有することを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、前方から車両の前部に外力が作用して内燃機関が車体部材側に移動した場合に、燃料供給部品を車体部材から保護できる。
図1は、本発明の一実施例に係る内燃機関の燃料供給部品保護構造を備えた車両の前部の平面図である。 図2は、本発明の一実施例に係る内燃機関とダッシュパネルおよびカウルトップとの左側面図である。 図3は、本発明の一実施例に係る内燃機関を備えたパワーユニットの後面図である。 図4は、本発明の一実施例に係る内燃機関の上面図である。 図5は、本発明の一実施例に係る内燃機関のシリンダヘッドおよびシリンダヘッドカバーの後面図である。 図6は、本発明の一実施例に係る内燃機関のシリンダヘッドおよびシリンダヘッドカバーの左側面図である。 図7は、本発明の一実施例に係る内燃機関のシリンダヘッドおよびシリンダヘッドカバーの後面図であり、吸気マニホールドを取り外した状態を示している。
本発明の一実施の形態に係る内燃機関の燃料供給部品保護構造は、車両の車体部材よりも前方に設置され、複数の気筒が設けられたエンジン本体と、エンジン本体の上部に設けられ、複数の気筒に燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、車両の幅方向に延びるようにしてエンジン本体の後部に設けられ、複数の燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給部品と、複数の気筒に空気を吸入する吸気通路を有し、燃料供給部品の後方と下方とを覆うようにエンジン本体に取付けられた吸気マニホールドとを備え、燃料供給部品が、燃料供給部材と、燃料供給部材と複数の燃料噴射弁とを接続する複数の燃料配管とを含んで構成される内燃機関の燃料供給部品保護構造であって、エンジン本体は、燃料供給部材よりも下側に設置され、燃料供給部材よりも後方に突出する複数の突出部と、複数の突出部とエンジン本体の前部とを連結し、燃料供給部材と燃料配管を外方から覆うガード部材とを有し、ガード部材は、車両の前後方向で燃料供給部材と吸気マニホールドの間に位置し、複数の突出部のそれぞれから上方に延びる第1の軸部材と、第1の軸部材の上端部に連結され、車両の幅方向に延びるプレート部材と、プレート部材とエンジン本体の前部とを連結する第2の軸部とを有する。
これにより、本発明の一実施の形態に係る内燃機関の燃料供給部品保護構造は、前方から車両の前部に外力が作用して内燃機関が車体部材側に移動した場合に、燃料供給部品を車体部材から保護できる。
以下、本発明の一実施例に係る内燃機関の燃料供給部品保護構造について、図面を用いて説明する。
図1から図7は、本発明の一実施例に係る内燃機関の燃料供給部品保護構造を示す図である。図1から図7において、上下前後左右方向は、車両に設置された状態の内燃機関の上下前後左右方向とし、車両の前後方向に対して直交する方向が左右方向、内燃機関の高さ方向が上下方向である。
まず、構成を説明する。
図1において、車両1は、車体2を備えており、車体2の前部にはエンジンルーム3が形成されている。エンジンルーム3は、車体2を構成するダッシュパネル4によって後方の車室5と仕切られている。
車体2は、カウルトップ6を備えており、カウルトップ6は、ダッシュパネル4の上端部4aから前方に突出し(図2参照)、かつ車幅方向に延びている。カウルトップ6は、図示しないフロントガラスの下縁を覆っている。本実施例のダッシュパネル4およびカウルトップ6は、本発明の車体部材を構成する。
エンジンルーム3にはパワートレイン7が設置されており、パワートレイン7は、ダッシュパネル4およびカウルトップ6に対して前方に設置されている。パワートレイン7は、内燃機関としてのエンジン8と、エンジン8に連結された変速機9と有する。
エンジン8と変速機9とは、車両1の幅方向(以下、車幅方向という)に並んで設置されており、エンジン8と変速機9は、ダッシュパネル4よりも前方に設置されている。エンジン8は、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換し、変速機9は、エンジン8の回転速度を変速して出力する。
図3において、エンジン8は、シリンダブロック10、シリンダヘッド11、シリンダヘッドカバー12およびオイルパン13を備えている。本実施例のシリンダブロック10、シリンダヘッド11、シリンダヘッドカバー12およびオイルパン13は、本発明のエンジン本体を構成する。
シリンダブロック10には、図4に仮想線で示すように複数の気筒10A、10B、10C、10Dが設けられている。気筒10A、10B、10C、10Dには図示しないピストンが収納されており、ピストンは、気筒10A、10B、10C、10Dに対して上下方向に往復運動する。
ピストンは、図示しないコネクティングロッドを介して図示しないクランクシャフトに連結されており、ピストンの往復運動は、コネクティングロッドを介してクランクシャフトの回転運動に変換される。
シリンダヘッド11にはそれぞれ図示しない複数の吸気ポート、吸気ポートを開閉する複数の吸気バルブ、複数の排気ポートおよび排気ポートを開閉する複数の排気ポート等が設けられている。吸気ポートは、気筒10A、10B、10C、10Dに空気を導入し、排気ポートは、気筒10A、10B、10C、10D内で燃焼された排気ガスを気筒10A、10B、10C、10Dから排出する。
シリンダヘッド11とシリンダヘッドカバー12との間には図示しない動弁室が形成されており、動弁室にはそれぞれ図示しない吸気カムを有する吸気カムシャフトと、排気カムを有する排気カムシャフトとが収容されている。
図3において、シリンダブロック10およびシリンダヘッド11の右端部にはチェーンケース14が設けられており、チェーンケース14は、クランクシャフト、吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトに連結される図示しないチェーンを覆っている。
図6、図7において、エンジン8の後部にはコモンレール15が設けられている。コモンレール15は、シリンダヘッド11の後部にブラケット16を介して取付けられている。コモンレール15は、車幅方向に平行に延びており、コモンレール15には図示しない燃料タンクから高圧配管17を介して燃料が供給される。
図5において、シリンダヘッド11の上部にはシリンダヘッド11の外周縁に沿ってフランジ部11Fが設けられており、シリンダヘッドカバー12の下部にはシリンダヘッドカバー12の外周縁に沿ってフランジ部12Fが設けられている。
シリンダヘッド11とシリンダヘッドカバー12は、フランジ部11F、12Fが図示しないボルトによって締結されることにより、連結されて一体化される。本実施例のフランジ部11F、12Fは、本発明の連結部を構成する。
図7において、ブラケット16は、コモンレール15に沿って車幅方向に延びており、上部にコモンレール15が取付けられている。
ブラケット16は、シリンダヘッド11のフランジ部11Fの後部に図示しないボルトによって取付けられている。ブラケット16は、ボルトによってシリンダヘッドカバー12のフランジ部12Fの後部に取付けられてもよく、ボルトによってフランジ部11Fとフランジ部12Fの後部の両方に取付けられてもよい。
ブラケット16の下部には複数の突出部16A、16B、16Cが設けられており、突出部16A、16B、16Cは、コモンレール15よりも下方において、コモンレール15よりも後方に突出している。
図4において、コモンレール15には燃料配管18A、18B、18C、18Dの一端部が連結されている。燃料配管18A、18B、18C、18Dの他端部は、それぞれインジェクタ19A、19B、19C、19Dに連結されている。
インジェクタ19A、19B、19C、19Dは、エンジン8の上部であるシリンダヘッドカバー12の上部に取付けられており、インジェクタ19A、19B、19C、19Dは、先端側(下端側)に設けられた図示しない噴射ノズルがそれぞれ気筒10A、10B、10C、10Dに臨んでいる。
コモンレール15は、燃料配管18A、18B、18C、18Dを通してインジェクタ19A、19B、19C、19Dに燃料を分配して供給する。インジェクタ19A、19B、19C、19Dは、コモンレール15から供給される燃料を気筒10A、10B、10C、10Dに噴射する。
本実施例のコモンレール15は、本発明の燃料供給部材を構成し、インジェクタ19A、19B、19C、19Dは、本発明の燃料噴射装置を構成する。また、コモンレール15と燃料配管18A、18B、18C、18Dは、本発明の燃料供給部品を構成する。
本実施例のエンジン8は、4気筒エンジンを構成しているが、気筒数は、4気筒に限定されるものではない。また、本実施例のエンジン8は、コモンレールを有するディーゼルエンジンから構成されているが、ディーゼルエンジンに限定されるものでもない。
図5、図6において、シリンダヘッド11の後部には吸気マニホールド20が設けられている。吸気マニホールド20は、シリンダヘッド11の各吸気ポートに連通する図示しない複数の吸気通路を有する。
吸気マニホールド20は、スロットルボディ取付部20Aを有し、スロットルボディ取付部20Aにはスロットルボディ21が取付けられている。スロットルボディ21にはスロットルバルブ21A(図6参照)が収容されており、スロットルバルブ21Aは、スロットルボディ21の内部の図示しない吸気通路の開度を可変するように回動自在となっている。
スロットルボディ21の上流側には図示しない吸気管が接続されており、吸気管に吸入される空気は、スロットルボディ21の内部を流れる過程でスロットルバルブ21Aの開度に応じて空気量が可変される。
そして、スロットルボディ21を流れる吸入空気は、吸気マニホールド20の内部の複数の吸気通路から各吸気ポートを介して気筒10A、10B、10C、10Dに吸入される。
図3に示すように、吸気マニホールド20は、車幅方向に延びている。具体的には、吸気マニホールド20は、シリンダヘッド11の後部においてシリンダヘッド11の左端部から右端部に亙って設けられ、かつ、シリンダヘッド11の後部とシリンダヘッドカバー12の後部とを覆っている。
図6に示すように、吸気マニホールド20は、コモンレール15の後方と下方とを覆うようにシリンダヘッド11に取付けられている。
図6、図7において、エンジン8は、ガード部材31を有し、ガード部材31は、突出部16A、16B、16Cとシリンダヘッド11の前部とを連結し、コモンレール15と燃料配管18A、18B、18C、18Dとを外方から覆っている。コモンレール15と燃料配管18A、18B、18C、18Dとの外方とは、コモンレール15と燃料配管18A、18B、18C、18Dに対して上方と後方である。
ガード部材31は、第1のパイプ32A、32B、32C、プレート部材33および第2のパイプ34A、34B(図4参照)を含んで構成されている。
図7に示すように、突出部16A、16B、16Cには連結部材35A、35B、35Cがそれぞれボルト37Aによって締結されている。第1のパイプ32A、32B、32Cの下端部は、連結部材35A、35B、35Cに圧入または溶着等によって連結されている。
すなわち、第1のパイプ32A、32B、32Cは、連結部材35A、35B、35Cを介して突出部16A、16B、16Cに取付けられている。
図6に示すように、第1のパイプ32A、32B、32Cは、車両1の前後方向でコモンレール15と吸気マニホールド20の間に位置している(第1のパイプ32Aは不図示)。図7に示すように、第1のパイプ32A、32B、32Cは、突出部16A、16B、16Cから上方に延びており、プレート部材33は、第1のパイプ32A、32B、32Cの上端部に連結されている。これにより、第1のパイプ32は、コモンレール15と燃料配管18A、18B、18C、18Dの後方を覆うことができる。
なお、第1のパイプ32A、32B、32Cは、突出部16A、16B、16Cから鉛直方向上方、斜め上方等のように上方であれば、突出部16A、16B、16Cからどの方向に延びてもよい。
プレート部材33は、コモンレール15に沿って車幅方向に延びており、第1のパイプ32A、32B、32Cに連結される縦壁33Aと、縦壁33Aから前方に屈曲されて前方に伸びる天井壁33B(図6参照)と、天井壁33Bの上部の全面に連結されるともに、天井壁33Bの前端から上方に伸びる突出壁33C(図6参照)とを有する。
これにより、プレート部材33は、縦壁33Aによって燃料配管18A、18B、18C、18Dの後方を覆うとともに、天井壁33Bによって燃料配管18A、18B、18C、18Dの後上方を覆うことができる。
図4において、プレート部材33の突出壁33Cには連結部材36A、36Bがボルト37Bによって締結されている。
第2のパイプ34Aは、連結部材36Aに圧入または溶着等によって連結されており、連結部材36Aを介してプレート部材33に取付けられている。第2のパイプ34Aは、燃料配管18A、18Bの上方を覆うようにしてプレート部材33から左方に延びた後、前方に屈曲されて前方に延び、シリンダヘッドカバー12よりも前方で下方に屈曲されている。
図6において、シリンダヘッド11の前部には連結部材38がボルト37C(図4参照)によって締結されている。連結部材38は、シリンダヘッド11の上部から上方に延びており、連結部材38の上端部に第2のパイプ34Aの前端部が圧入または溶着等によって連結されている。
図4において、第2のパイプ34Bは、連結部材36Bに圧入または溶着等によって連結されており、連結部材36Bを介してプレート部材33に取付けられている。第2のパイプ34Bは、燃料配管18C、18Dの上方を覆うようにしてプレート部材33から右方に延びた後、前方に屈曲されて前方に延び、第2のパイプ34Bに連結されている。
このように第2のパイプ34A、34Bは、プレート部材33とシリンダヘッド11の前部とを連結している。なお、第2のパイプ34Bは、直接的にはシリンダヘッド11の前部に連結されていないが、第2のパイプ34Aを介してシリンダヘッド11の前部に連結されている。また、第2のパイプ34Bをシリンダヘッド11の前部まで延ばしてシリンダヘッド11の前部に連結してもよい。
本実施例の第1のパイプ32A、32B、32Cは、本発明の第1の軸部を構成し、第2のパイプ34A、34Bは、本発明の第2の軸部を構成する。
図4に示すように、変速機9に対して車幅方向で反対側に位置する縦壁33Aの右端部には膨出部33aが形成されており、膨出部33aは、縦壁33Aの後面33rよりも後方に膨出している。
図5に示すように、プレート部材33は、膨出部33a側がブラケット39(図6、図7参照)によってシリンダヘッド11に固定されており、膨出部33aと反対側の左側がブラケット40によってシリンダヘッド11に固定されている。
図5、図6において、スロットルボディ21は、第1のパイプ32Cの後方に設置されており、車幅方向および上下方向で第1のパイプ32Aに対向している。
次に、作用を説明する。
車両1の前方から車両1の前部に外力F(図1参照)が加わると、エンジン8がダッシュパネル4およびカウルトップ6に向かって後方に移動する。これにより、ダッシュパネル4およびカウルトップ6から燃料配管18A、18B、18C、18Dに強い衝突荷重が加わるおそれがある。
本実施例のエンジン8の燃料供給部品保護構造によれば、ダッシュパネル4およびカウルトップ6よりも前方にエンジン8が設置されており、エンジン8は、燃料配管18A、18B、18C、18Dによってインジェクタ19A、19B、19C、19Dに連結されるコモンレール15を備えている。
また、エンジン8は、気筒10A、10B、10C、10Dに空気を吸入する複数の吸気通路を有し、コモンレール15の後方と下方とを覆うようにシリンダヘッド11に取付けられた吸気マニホールド20を備えている。
さらに、エンジン8は、コモンレール15よりも下側に設置され、コモンレール15よりも後方に突出する突出部16A、16B、16Cと、突出部16A、16B、16Cとシリンダヘッド11の前部とを連結し、コモンレール15と燃料配管18A、18B、18C、18Dを外方から覆うガード部材31とを備えている。
ガード部材31は、車両1の前後方向でコモンレール15と吸気マニホールド20の間に位置し、突出部16A、16B、16Cから上方に延びる第1のパイプ32A、32B、32Cと、第1のパイプ32A、32B、32Cの上端部に連結され、車幅方向に延びるプレート部材33と、プレート部材33とシリンダヘッド11の前部とを連結する第2のパイプ34A、34Bとを有する。
このように構成されたエンジン8の燃料供給部品保護構造において、車両1の前後方向でコモンレール15と吸気マニホールド20の間に位置する第1のパイプ32A、32B、32Cや突出部16A、16B、16Cは、板状のプレート部材33に比べて剛性が高く変形し難い。
これにより、車両1の前突時に、車両1の前方から車両1の前部に外力Fが加わったときに、エンジン8が後方に移動して吸気マニホールド20がダッシュパネル4およびカウルトップ6に衝突し、吸気マニホールド20がコモンレール15側に移動した場合に、吸気マニホールド20を第1のパイプ32A、32B、32Cに接触させることができる。
このため、第1のパイプ32A、32B、32Cによって吸気マニホールド20、ダッシュパネル4およびカウルトップ6がコモンレール15や燃料配管18A、18B、18C、18D側に移動することを抑制でき、コモンレール15や燃料配管18A、18B、18C、18Dを保護できる。
また、プレート部材33は、第1のパイプ32A、32B、32Cの上端部に連結され、車幅方向に延びているので、燃料配管18A、18B、18C、18Dの全体を覆うことができ、吸気マニホールド20が燃料配管18A、18B、18C、18D側に移動した場合に、プレート部材33よりも上方に位置するカウルトップ6が燃料配管18A、18B、18C、18D側に移動することをプレート部材33によって抑制でき、燃料配管18A、18B、18C、18Dを保護できる。
また、プレート部材33は、第1のパイプ32A、32B、32Cに連結される縦壁33Aと、縦壁33Aから前方に屈曲されて前方に伸びる天井壁33Bとを有するので、燃料配管18A、18B、18C、18Dの後方と後上方とを全体的にプレート部材33によって覆うことができる。
このため、燃料配管18A、18B、18C、18Dの後方に設置されるダッシュパネル4と燃料配管18A、18B、18C、18Dの後上方に設置されるカウルトップ6から燃料配管18A、18B、18C、18Dをより効果的に保護できる。
これに加えて、第2のパイプ34A、34Bがプレート部材33とシリンダヘッド11の前部とを連結している。第2のパイプ34A、34Bは、板状のプレート部材33に比べて剛性が高く変形し難いので、プレート部材33に吸気マニホールド20やダッシュパネル4およびカウルトップ6が衝突した場合に、第2のパイプ34A、34Bによってプレート部材33を支持することにより、プレート部材33が燃料配管18A、18B、18C、18Dに近づくことを防止でき、燃料配管18A、18B、18C、18Dをより効果的に保護できる。
また、第2のパイプ34A、34Bの前側の部位が車両1の前後方向に延びている。すなわち、第2のパイプ34A、34Bの前側の部位が外力Fの作用する方向と同方向に延びているので、エンジン8がダッシュパネル4およびカウルトップ6側に移動した場合に、第2のパイプ34A、34Bの前後方向の剛性を高くでき、第2のパイプ34A、34Bを前後方向に変形し難くできる。
このため、プレート部材33が燃料配管18A、18B、18C、18Dに近づくことをより効果的に防止でき、燃料配管18A、18B、18C、18Dをより効果的に保護できる。
このように、本実施例のエンジン8の燃料供給部品保護構造は、エンジン8の前方から車両1の前部に外力Fが作用してエンジン8がダッシュパネル4およびカウルトップ6側に移動した場合に、ガード部材31によって、コモンレール15や燃料配管18A、18B、18C、18Dをダッシュパネル4およびカウルトップ6から保護できる。
また、本実施例のエンジン8の燃料供給部品保護構造は、シリンダヘッド11のフランジ部11Fの後部に取付けられたブラケット16を備えている。ブラケット16は、コモンレール15に沿って車幅方向に延びており、コモンレール15は、ブラケット16に取付けられている。
これに加えて、突出部16A、16B、16Cは、ブラケット16から後方に突出している。フランジ部11F、12Fは、互いにボルトによって締結されているので、シリンダヘッド11とシリンダヘッドカバー12の中でも剛性が高く変形し難い。
本実施例のエンジン8の燃料供給部品保護構造は、剛性の高いフランジ部11Fにブラケット16を取付け、ブラケット16にコモンレール15を取付けている。これに加えて、ブラケット16から後方に突出部16A、16B、16Cを突出させている。
これにより、コモンレール15をブラケット16によってシリンダヘッド11の上部に強固に取付けることができる。このため、車両1の前方から車両1の前部に外力Fが加わったときに、コモンレール15をシリンダヘッド11に取付けた状態を維持でき、コモンレール15がダッシュパネル4およびカウルトップ6に干渉することを抑制できる。
また、突出部16A、16B、16Cをブラケット16に設けることにより、突出部16A、16B、16Cの位置を吸気マニホールド20の形状に応じて容易に変更できる。
このため、吸気マニホールド20の設置位置にかかわらず、第1のパイプ32A、32B、32Cを車両1の前後方向でコモンレール15と吸気マニホールド20の間に位置させ、突出部16A、16B、16Cから上方に延ばすことができる。このため、吸気マニホールド20がコモンレール15側に移動することを第1のパイプ32A、32B、32Cによってより効果的に抑制できる。
また、本実施例のエンジン8の燃料供給部品保護構造は、吸気マニホールド20は、スロットルバルブ21Aを収容するスロットルボディ21が取付けられるスロットルボディ取付部20Aを有する。これに加えて、スロットルボディ21は、第1のパイプ32Cの後方に設置されており、車幅方向およびエンジン8の上下方向で第1のパイプ32Cに対向している。
これにより、車両1の前方から車両1の前部に外力Fが加わったときに、スロットルボディ21を第1のパイプ32Cに衝突させることができ、スロットルボディ21がコモンレール15や燃料配管18A、18B、18C、18Dに干渉することを抑制できる。このため、コモンレール15や燃料配管18A、18B、18C、18Dをスロットルボディ21から保護できる。
ここで、図1に示すように前方からエンジン8側にオフセットした衝撃荷重Frが加わった場合には、パワートレイン7の重心Oを中心としてパワートレイン7が時計回転方向Rに回転する。
この場合、エンジン8の後端部がダッシュパネル4とカウルトップ6に衝突し、変速機9の後端部よりもエンジン8の後端部に衝突荷重が集中する。
これに対して、本実施例の燃料供給部品の保護構造によれば、変速機9に対して車幅方向で反対側に位置する縦壁33Aの右端部には膨出部33aが形成されており、膨出部33aは、縦壁33Aの後面33rよりも後方に膨出している。
これにより、パワートレイン7の重心Oを中心としてパワートレイン7が時計回転方向Rに回転したときに、膨出部33aをダッシュパネル4とカウルトップ6に衝突させることができる。このため、膨出部33aを変形させることによってダッシュパネル4とカウルトップ6の衝突荷重を吸収できる。
この結果、吸気マニホールド20、ダッシュパネル4およびカウルトップ6がコモンレール15や燃料配管18A、18B、18C、18D側に移動することを抑制でき、コモンレール15や燃料配管18A、18B、18C、18Dを保護できる。
ここで、本実施例の第1の軸部と第2の軸部は、それぞれパイプから構成されているが、空洞となっていない中実軸から構成されてもよい。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...車両、4...ダッシュパネル(車体部材)、6...カウルトップ(車体部材)、8...エンジン(内燃機関)、10...シリンダブロック(エンジン本体)、10A,10B,10C,10D...気筒、11...シリンダヘッド(エンジン本体)、11F,12F...フランジ部(連結部)、12...シリンダヘッドカバー(エンジン本体)、13...オイルパン(エンジン本体)、15...コモンレール(燃料供給部材、燃料供給部品)、16...ブラケット、16A,16B,16C...突出部、18A,18B,18C,18D...燃料配管、19A,19B,19C、19D...インジェクタ(燃料噴射弁)、20...吸気マニホールド、20A...スロットルボディ取付部、21...スロットルボディ、21A...スロットルバルブ、31...ガード部材、32A,32B,32C...第1のパイプ(第1の軸部材)、33...プレート部材、34A,34B...第2のパイプ(第2の軸部材)

Claims (3)

  1. 車両の車体部材よりも前方に設置され、複数の気筒が設けられたエンジン本体と、
    前記エンジン本体の上部に設けられ、前記複数の気筒に燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、
    車両の幅方向に延びるようにして前記エンジン本体の後部に設けられ、前記複数の燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給部品と、
    前記複数の気筒に空気を吸入する吸気通路を有し、前記燃料供給部品の後方と下方とを覆うように前記エンジン本体に取付けられた吸気マニホールドとを備え、
    前記燃料供給部品が、燃料供給部材と、前記燃料供給部材と前記複数の燃料噴射弁とを接続する複数の燃料配管とを含んで構成される内燃機関の燃料供給部品保護構造であって、
    前記エンジン本体は、前記燃料供給部材よりも下側に設置され、前記燃料供給部材よりも後方に突出する複数の突出部と、前記複数の突出部と前記エンジン本体の前部とを連結し、前記燃料供給部材と前記燃料配管を外方から覆うガード部材とを有し、
    前記ガード部材は、車両の前後方向で前記燃料供給部材と前記吸気マニホールドの間に位置し、前記複数の突出部のそれぞれから上方に延びる第1の軸部材と、前記第1の軸部材の上端部に連結され、車両の幅方向に延びるプレート部材と、前記プレート部材と前記エンジン本体の前部とを連結する第2の軸部とを有することを特徴とする内燃機関の燃料供給部品保護構造。
  2. 前記エンジン本体は、前記気筒が形成されたシリンダブロックと、前記シリンダブロックの上部に設けられたシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドの上部に設けられたシリンダヘッドカバーとを備えており、
    前記シリンダヘッドの後部と前記シリンダヘッドカバーの後部とを連結する連結部に取付けられたブラケットを備えており、
    前記ブラケットは、前記燃料供給部材に沿って車幅方向に延びており、
    前記燃料供給部材は、前記ブラケットに取付けられており、
    前記複数の突出部は、前記ブラケットから後方に突出していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給部品保護構造。
  3. 前記吸気マニホールドは、スロットルバルブを収容するスロットルボディが取付けられるスロットルボディ取付部を有し、
    前記スロットルボディは、前記第1の軸部材の後方に設置され、車両の幅方向および前記内燃機関の高さ方向で前記第1の軸部材に対向していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料供給部品保護構造。
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