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JP7146509B2 - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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JP7146509B2 JP2018144740A JP2018144740A JP7146509B2 JP 7146509 B2 JP7146509 B2 JP 7146509B2 JP 2018144740 A JP2018144740 A JP 2018144740A JP 2018144740 A JP2018144740 A JP 2018144740A JP 7146509 B2 JP7146509 B2 JP 7146509B2
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Description

本発明は、CD-RやDVD-Rなどの光ディスクに対して記録することができる記録装置および記録方法に関する。
特許文献1には、トレイに保持された光ディスクと光学センサとを、互いに直交する2方向に相対的に移動させて、当該2方向における光ディスクの外周の端部の位置を検出し、この検出結果から光ディスクの中心を取得する記録装置が開示されている。
特許登録第3925623号公報
しかしながら、光ディスクの外周は寸法精度が低い。このため、特許文献1の技術では、取得した光ディスクの中心は、実際にトレイに保持された光ディスクの中心とずれる虞がある。従って、特許文献1の記録装置では、実際の光ディスクの中心からずれた位置に基づいて記録開始位置が決定されるため、記録位置から記録画像がずれる記録ずれが生じる虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光ディスクの中心の位置を精度よく取得することができる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、光ディスクを保持するとともに、前記光ディスクが保持される領域外に、周囲より光の反射率の高い反射部を備えた保持手段と、前記保持手段に保持された光ディスクを搬送方向に搬送する搬送手段と、前記光ディスクの印刷面に記録する記録手段と、前記保持手段および前記光ディスクに光を照射し、反射光を受光して、受光量の変化を検出する検出手段と、前記検出手段を前記搬送方向と交差する走査方向に移動する移動手段と、前記光ディスクの中央に形成された孔部を前記検出手段が通過するように前記移動手段および前記搬送手段を制御して、前記検出手段で検出した前記孔部に基づいて前記孔部の中心の位置を前記光ディスクの中心の位置として取得し、かつ、前記検出手段が前記反射部を通過するように前記移動手段および前記搬送手段を制御して、前記検出手段で検出した前記反射部に基づいて前記反射部の中心の位置を取得し、前記反射部の中心の位置に基づいて前記光ディスクの中心の位置を算出する制御手段と、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの中心の位置、または、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置のどちらか一方に基づいて、前記光ディスクの記録位置を設定する設定手段と、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの前記走査方向の中心の位置と、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの前記走査方向の中心の位置との第1の差分、および、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの前記搬送方向の中心の位置と、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの前記搬送方向の中心の位置との第2の差分が、それぞれ対応する設定値より大きいか否かを判断する判断手段と、を有し、前記制御手段は、前記検出手段を、前記光ディスクに対して前記搬送方向の第1方向および該第1方向と反対の第2方向に相対的に移動させて、前記検出手段により前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部、あるいは、前記検出手段により前記孔部から抜け出した際に検出した2つの端部に基づいて、前記孔部の前記搬送方向における中心の位置を取得するとともに、前記検出手段を、前記光ディスクに対して前記走査方向の第3方向および該第3方向と反対の第4方向に相対的に移動させながら、前記検出手段により前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部、あるいは、前記検出手段により前記孔部から抜け出した際に検出した2つの端部に基づいて、前記孔部の前記走査方向における中心の位置を取得して、前記孔部の中心の位置を取得し、前記走査方向に移動する前記検出手段が、前記孔部から抜け出し際に検出した2つの端部に基づいて前記走査方向における第1中心位置を取得するとともに、前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部に基づいて前記走査方向における第2中心位置を取得し、前記判断手段は、前記第1中心位置と前記第2中心位置との差分が所定値よりも大きいか否かを判断し、前記設定手段は、前記判断手段によって、前記第1の差分および前記第2の差分の少なくとも一方が対応する設定値よりも大きいと判断され、かつ、前記第1中心位置と前記第2中心位置との差分が前記所定値よりも大きいと判断されると、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定し、前記判断手段によって、前記第1の差分および前記第2の差分の両方が対応する設定値よりも小さいと判断され、かつ、前記第1中心位置と前記第2中心位置との差分が前記所定値より大きいと判断されると、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を決定し、前記判断手段によって、前記第1の差分および前記第2の差分の両方が対応する設定値よりも小さいと判断され、かつ、前記第1中心位置と前記第2中心位置との差分が前記所定値より小さいと判断されると、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定する
本発明によれば、光ディスクの中心の位置を精度よく取得することができるようになる。
本発明による記録装置の概略構成斜視図。 図1の記録装置の制御系のブロック構成図。 トレイの概略構成斜視図。 記録媒体を保持したトレイを示す図。 搬送部によるトレイの搬送を説明する図。 記録処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 反射部の検出を説明する図。 第1の取得処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 第1反射部を検出する際の光学センサの相対的な移動方向を示す図。 第2の取得処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 第2反射部を検出する際の光学センサの相対的な移動方向を示す図。 第1処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 設定処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 第3の取得処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 孔部を検出する際の光学センサの相対的な移動方向を示す図。 孔部の検出を説明する図。 第4の取得処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 トレイに光ディスクが誤って保持された状態を示す図。 孔部の誤った検出を説明する図。 第2処理の処理ルーチンを示すフローチャート。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による記録装置および記録方法の一例を詳細に説明する。図1は、本発明による記録装置の概略構成斜視図である。この図1に示す記録装置10は、光ディスクなどの記録媒体をトレイ12に保持させ、記録ヘッド34の走査方向と交差する方向にトレイ12を搬送して、光ディスクなどの印刷面に対して記録(印刷)する構成となっている。記録装置10は、記録媒体を保持するトレイ12(後述する)を搬送する搬送部14と、トレイ12に保持された記録媒体に対してインクを吐出し記録する記録部16と、記録部16におけるインクの吐出性能を維持および回復するための回復部18とを備えている。
搬送部14(搬送手段)は、搬送モータ20によって駆動する第1搬送ローラ22と第2搬送ローラ24とを備えている。第1搬送ローラ22と第2搬送ローラ24とは間隔を空けて互いに平行となるように配置されている。第1搬送ローラ22は、記録部16に対して、トレイ12を搬送する搬送方向の一方側に配置される。また、第2搬送ローラ24は、記録部16に対して、搬送方向の他方側に配置される。なお、以下の説明において、搬送方向の、一方側を「上流側」、他方側を「下流側」と適宜に称する。
第1搬送ローラ22には、第1搬送ローラ22に従動する第1従動ローラ26(図5(a)参照)が圧接されている。第1搬送ローラ22は、第1従動ローラ26とともにトレイ12を挟持して搬送方向にトレイ12を搬送する。また、第2搬送ローラ24には、第2搬送ローラ24に従動する第2従動ローラ28(図5(a)参照)が圧接されている。第2搬送ローラ24は、第2従動ローラ28とともにトレイ12を挟持して搬送方向にトレイ12を搬送する。
また、搬送部14には、第1搬送ローラ22の搬送方向上流側において、トレイを検知するためのエッジセンサ30が設けられている。エッジセンサ30は、例えば、光学センサである。搬送部14には、搬送するトレイ12を、走査方向への移動を規制しながらガイドするトレイガイド31(図5(a)参照)が設けられている。搬送部14には、第1搬送ローラ22の回転に同期して回転するロータリーエンコーダ132(図2参照)が設けられている。このロータリーエンコーダ132の検出結果に応じて、トレイ12の搬送量および搬送速度が検出される。従って、本実施形態では、ロータリーエンコーダ132によって、トレイ12の搬送方向における位置が検出可能となっている。
記録部16(記録手段)は、搬送方向と交差(本実施形態では直交)する方向に移動するキャリッジ32と、キャリッジ32に設けられ、搬送方向に搬送するトレイ12に保持された記録媒体に対してインクを吐出して記録する記録ヘッド34とを備えている。また、記録部16は、記録ヘッド34のインクを吐出するための吐出口が形成された吐出口面と対向する位置にプラテン36を備えている。なお、プラテン36と吐出口面とは一定の間隔を空けて配置されている。即ち、本実施形態では、記録部16は、インクジェット方式により記録媒体に対して記録を行う構成となっている。
キャリッジ32(移動手段)は、互いに間隔を空けて、搬送方向と交差する方向に延設されたガイド部材38、40に摺動可能に設けられており、移動機構42によって、当該方向に移動可能な構成となっている。なお、以下の説明においては、キャリッジ32が移動する方向、つまり、搬送方向と交差する方向を、「走査方向」と適宜に称する。従って、キャリッジ32に設けられた記録ヘッド34は、キャリッジ32を介して走査方向に移動可能な構成となっている。
移動機構42は、キャリッジ32に固定されるベルト44と、ベルト44を駆動するための駆動モータ46とを備えている。駆動モータ46は、ガイド部材38の一方の端部側に設けられ、その回転軸にはプーリ46aが設けられている。このプーリ46aと、ガイド部材38の他方の端部側に設けられたアイドルプーリ48とに、ベルト44が張設されている。ベルト44は、ガイド部材38と平行に配置されている。従って、駆動モータ46の駆動によってベルト44が回転し、このベルト44の回転によって、キャリッジ32が走査方向の他方側から一方側に向かう往方向(第3方向)、および、一方側から他方側に向かう復方向(第4方向)に移動する。即ち、往方向および復方向は、走査方向において互いに反対の方向となっている。
キャリッジ32は、記録ヘッド34の吐出口面がプラテン36と略平行となるように配置されている。キャリッジ32には、光学センサ50(検出手段)が設けられている。従って、光学センサ50は、キャリッジ32を介して走査方向に移動可能となっている。光学センサ50は、搬送部14によりプラテン36上を搬送されるトレイ12およびトレイ12に保持される記録媒体に対して光を照射し、当該光の反射光を受光して受光量の変化を検出可能な構成となっている。また、キャリッジ32は、図示は省略するが、搬送方向および走査方向と直交する高さ方向に移動可能(昇降可能)となっている。
記録部16には、キャリッジ32の走査方向における移動量および移動速度を検出可能なリニアエンコーダ134(図2参照)が設けられている。従って、本実施形態では、このリニアエンコーダ134によって、キャリッジ32(記録ヘッド34、光学センサ50)の走査方向における位置を検出可能となっている。
回復部18は、走査方向における他方側の非記録領域に設けられている。回復部18は、例えば、記録ヘッド34の吐出口面を保護するキャップ(不図示)や吐出口面に付着した異物やインクを除去するためのワイパ(不図示)を備えている。
図2は、記録装置10の制御系のブロック構成図である。記録装置10は、その全体の動作をコントローラ100により制御される。コントローラ100は、記録動作および回復動作などの各種制御処理を実行する中層処理装置(CPU)102を備えている。また、コントローラ100は、CPU102により全体の動作や種々の処理を実行するためのプログラム、テーブルおよび各種固定データを格納したROM104を備えている。さらに、コントローラ100は、CPU102によるプログラム実行時に必要な各種レジスタなどが設定されたワーキングエリアとしてのRAM106を備えている。
コントローラ100は、インタフェース(I/F)108を介してホスト装置110と接続されている。ホスト装置110は、画像データの供給源であり、画像データの生成や処理などを行うパーソナルコンピュータ、画像読み取り用のスキャナ装置、デジタルカメラなどを用いることができる。ホスト装置110とコントローラ100との間で、画像データ、各種コマンド、ステータス信号などが送受信されることとなる。
コントローラ100は、ユーザにより操作可能な操作部112と、各種センサと、記録ヘッド34を制御するヘッドドライバ114と接続されている。さらにコントローラ100は、駆動モータ46の駆動を制御するモータドライバ116と、搬送モータ20の駆動を制御するモータドライバ118と接続されている。
操作部112は、記録装置10を起動するための電源スイッチ120と、記録ヘッド34のメンテナンス動作や各種記録動作の指示など、ユーザによる指示を入力するための操作パネル122とを備える。また、記録装置10に生じた各種エラーの内容などを表示する表示部124を備える。
各種センサとしては、トレイ12の反射部158およびトレイ12に保持された光ディスクの孔部(後述する)を検出するための光学センサ50を含む。また、搬送されるトレイ12の端部を検出するエッジセンサ30と、温度を検出するために各部位に設けられた温度センサ126とを含む。さらに、トレイ12の搬送量などを検出するためのロータリーエンコーダ132と、キャリッジ32の移動量などを検出するためのリニアエンコーダ134とを含む。
ヘッドドライバ114は、記録データなどに応じて吐出口からインクを吐出するための記録素子128、記録ヘッド34の温度調整を行うサブヒータ130の駆動を制御する。サブヒータ130は、記録ヘッド34におけるインクの吐出性能を安定させるための機構となる。
図3は、記録媒体を保持するトレイ12の概略構成斜視図である。記録装置10では、光ディスクなどの記録媒体はトレイ12に保持された状態で搬送されて記録される。トレイ12(保持手段)は、記録媒体が載置される凹部150と、凹部150に載置された記録媒体を押圧する押圧部材152とを備えている。
記録媒体は、凹部150において、トレイ12の長手方向の一方側に設けられた突き当て部154と、当該長手方向の他方側に設けられた押圧部材152とにより保持されることとなる。押圧部材152は、弾性部材156により、突き当て部154側に向かう矢印A方向に付勢されている。このため、凹部150において保持される記録媒体は、押圧部材152により突き当て部154へ押圧された状態となっている。
凹部150は、複数種類の記録媒体を個別に保持することが可能な形状となっている。本実施形態では、光ディスクDと、ネイルシールマウントMを保持可能な形状となっている。図4(a)は、光ディスクDを保持したトレイを示す図である。光ディスクDとしては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blue-ray Disc)などが用いられる。なお、こうした光ディスクDには、例えば、記録装置10により記録を行う面にインク受容層が形成されている。光ディスクDは、トレイ12に保持されるときには、トレイ12の幅方向(長手方向と直交する方向)に対して傾斜して形成された突き当て部154a、154bと、押圧部材152における突き当て部152aとで外周を狭持される。押圧部材152の突き当て部152aは、押圧部材152の幅方向(トレイ12の幅方向と略平行)の略中央に形成されている。
図4(b)は、ネイルシールマウントMを保持したトレイ12を示す図である。ネイルシールマウントMは、複数のネイルシールNsが配置されており、板状のプラスチック材により構成されている。ネイルシールマウントMには、ネイルアート用の大きさの異なるネイルシールNsが整列して配置されている。なお、各ネイルシールNsは、その表面(記録される面)にインク受容層が形成されている。ネイルシールマウントMは、トレイ12に保持されるときには、トレイ12の幅方向と略平行に形成された突き当て部154c、154dと、押圧部材152の突き当て部152b、152cとで外側を挟持される。押圧部材152の突き当て部152b、152cは、押圧部材152の幅方向において突き当て部152aを挟むように形成される。
図3に戻る。トレイ12には、トレイ12の他の部分と比較して光の反射率が高い3つの反射部158が形成されている。凹部150の外側(光ディスクDの保持領域外)であって、トレイ12の長手方向の一方側に第1反射部158aと第2反射部158bとが配置される。また、凹部150の内側に第3反射部158cが配置される。第3反射部158cは、例えば、凹部150に光ディスクDを保持させたときに、光ディスクDの中心が位置する長手方向に延在する中心線O1上に位置する(図4(a)参照)。また、第3反射部158cは、凹部150に光ディスクDが保持された際に、光ディスクDの孔部DH(後述する)から露出しない位置に配置される。
ここで、光学センサ50は、自ら発した光の拡散反射光を受光し、その受光量の大小に応じて出力値が変化する。本実施形態では、光学センサ50は、受光量が大きいほど出力値が小さくなる。第1反射部158a、第2反射部158bおよび第3反射部158cはそれぞれ、トレイ12のその他の部分と比較して、光学センサ50が発した光を反射し易い。このため、光学センサ50の出力値を確認することで、各反射部の有無やその位置を検出することができる。
次に、トレイ12の搬送について説明する。記録装置10は、記録対象とする記録媒体を保持したトレイ12が挿入されると、記録媒体をトレイ12とともに搬送する。図5(a)は、光ディスクDを保持したトレイ12が記録装置10に挿入された状態を示す図である。図5(b)は、図5(a)からトレイ12を搬送方向の帰り方向に搬送した状態を示す図である。なお、以下の説明においては、搬送方向の上流側から下流側に向かう方向を行き方向(第1方向)とし、搬送方向の下流側から上流側に向かう方向、つまり、搬送方向において行き方向と反対の方向を帰り方向(第2方向)と適宜に称する。
光ディスクDを保持したトレイ12は、搬送方向下流側から記録装置10に挿入される。このとき、トレイ12は、第1反射部158a、第2反射部158bが位置する側から挿入される。挿入されたトレイ12は、トレイガイド31により走査方向の移動を規制されながら、第2搬送ローラ24と第2従動ローラ28とにニップ(挟持)されて、搬送方向の帰り方向に搬送される。
第2従動ローラ28は、トレイ12を搬送する際に、トレイ12の凹部150の幅方向における外側の2カ所に位置するように設けられている。第2従動ローラ28は、走査方向をトレイガイド31により規制されて搬送されるトレイ12の幅方向(走査方向)の中心線O2に対して等距離の位置に設けられることが好ましい。第2従動ローラ28は、第2搬送ローラ24よりも搬送方向上流側に位置している。
第2搬送ローラ24により帰り方向に搬送されたトレイ12は、第1搬送ローラ22と第1従動ローラ26とにニップされる(図5(b)参照)。これにより、第1搬送ローラ22(と第1従動ローラ26)および第2搬送ローラ24(と第2従動ローラ28)によりトレイ12が搬送されることとなる。
以上の構成において、トレイ12に保持された記録媒体に対して記録を行う場合について説明する。搬送方向下流側から記録媒体を保持したトレイ12を挿入し、操作パネル122などを介して記録の開始を指示すると、記録処理が開始される。なお、ユーザは、記録の開始を指示する際には、画像データや記録条件などの各種情報を含む記録ジョブを記録装置10に入力しておく。図6は、記録処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
記録処理が開始されると、まず、搬送方向下流側から挿入されたトレイ12を装置内に引き込む(S602)。即ち、S602では、第2搬送ローラ24と第2従動ローラ28とにニップされたトレイ12を帰り方向に搬送する(図5(a)参照)。なお、トレイ12の搬送が進むと、トレイ12が第1搬送ローラ22と第1従動ローラ26とにニップされ、第1搬送ローラ22および第2搬送ローラ24によりトレイ12が搬送される(図5(b)参照)。
次に、エッジセンサ30がトレイ12を検知したか否かを判断するとともに、トレイ12を帰り方向に所定量搬送したか否かを判断する(S604)。第2搬送ローラ24にはロータリーエンコーダ132が設けられている。即ち、記録装置10では、このロータリーエンコーダ132からの出力結果に基づいて、コントローラ100において、トレイ12の搬送量を検出することができる。従って、S604では、コントローラ100において、ロータリーエンコーダ132からの出力に基づいて、トレイ12が所定量搬送されたか否かを判断するとともに、エッジセンサ30の検出結果に基づいてトレイ12を検知したか否かを判断する。
S604において、トレイ12が所定量搬送された、あるいは、エッジセンサ30によりトレイ12を検知したと判断されると、第1反射部158aの検出を行う(S606)。即ち、S606では、まず、待機位置に位置するキャリッジ32を往方向に移動させ、光学センサ50を第1反射部158aが位置すると想定される位置へ移動させる。そして、トレイ12を行き方向へ移動させることで、光学センサ50により第1反射部158aを検出することとなる。
なお、待機位置とは、記録を行わない際にキャリッジ32(記録ヘッド34)が待機する位置であり、例えば、回復部18の上方の位置となる。また、トレイ12に設けられた第1反射部158aが走査方向において位置すると想定される位置は、コントローラ100に予め格納されている。なお、光学センサ50の位置情報は、リニアエンコーダ134により検出されるキャリッジ32の位置情報に基づいて取得される。
ここで、光学センサ50による反射部158の検出について説明する。図7(a)は、光学センサ50の位置に対する出力値の変化を示すグラフである。図7(b)は、図7(a)における光学センサ50の位置に対応する反射部158近傍の断面図である。図7(c)は、第1反射部158aの検出時に検出される端部a1、a2と、当該検出時の光学センサ50の相対的な移動方向を示す図である。
上記したように、トレイ12において反射部158はその他の部分と比較して、光学センサ50が発する光を反射し易い。このため、反射部158を検出する際には、トレイ12のその他の部分を検出するときと比較して、光学センサ50での受光量が大きくなり、光学センサ50からの出力値は小さくなる。
従って、反射部158を検出する際には、光学センサ50の出力値が、閾値Vth1未満となるか否かを判断する(図7(a)参照)。そして、閾値Vth1未満となった位置を反射部158の端部P1、P2を示す位置情報(座標値)として検出するようにした。なお、反射部158を検出する際には、検出した両端部間の長さL1も取得する。つまり、反射部158の搬送方向における端部を検出する場合には、搬送方向におけるトレイ12の搬送量に基づいて検出した両端部間の長さを取得する。また、反射部158の走査方向における端部を検出する場合には、走査方向におけるキャリッジ32の移動量に基づいて検出した両端部間の長さを取得する。キャリッジ32の走査方向の移動量は、リニアエンコーダ134の検出結果に基づいて、コントローラ100において取得される。
従って、S606では、図7(c)のように、第1反射部158aの搬送方向下流側の端部a1と、搬送方向上流側の端部a2とを検出するとともに、端部a1と端部a2との間の長さを算出することとなる。
その後、第1反射部158aを検出できたか否かを判断する(S608)。即ち、S608では、第1反射部158aの端部a1、a2が検出され、かつ、端部a1、a2間の長さが所定範囲内にあるか否かを判断する。S608において、端部a1、a2の少なくとも一方が検出されない、あるいは、端部a1、a2間の長さが所定範囲内にないときには、第1反射部158aを検出できない、つまり、トレイ12を正確に検知できないと判断し、トレイ12を排出する(S610)。即ち、S610では、トレイ12を行き方向に搬送する。そして、表示部124などを介して、ユーザにトレイ12を検出できない旨のエラーを通知し(S612)、この記録処理を終了する。
一方、S608において、端部a1、a2が検出され、かつ、端部a1、a2間の長さが所定範囲内にある場合には、第1反射部158aを検出できたと判断され、第1反射部158aの中心C1を取得する第1の取得処理を行う(S614)。図8は、記録処理のサブルーチンである第1反射部158aの中心C1を取得する第1の取得処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。また、図9(a)は、トレイ12を行き方向に搬送したときの、光学センサ50の相対的な移動方向と、検出する第1反射部158aの端部a1、a2とを示す図である。図9(b)は、トレイ12を帰り方向に搬送したときの、光学センサ50の相対的な移動方向と、検出する第1反射部158aの端部a1、a2とを示す図である。図9(c)は、キャリッジ32を復方向に移動したときの、光学センサ50の移動方向と、検出する第1反射部158aの端部a3、a4とを示す図である。図9(d)は、キャリッジ32を往方向に移動したときの、光学センサ50の移動方向と、検出する第1反射部158aの端部a3、a4とを示す図である。
このS614の第1の取得処理では、まず、トレイ12を帰り方向に搬送して、光学センサ50を位置R0まで移動した後に、トレイ12を行き方向に搬送して、第1反射部158aの搬送方向における端部a1、a2を検出する(S802)。なお、位置R0は、反射部158aから搬送方向下流側に所定量だけ離れた位置である。S802では、端部a1は、第1反射部158aに光学センサ50が入り込む際に、その搬送方向における位置情報が取得される。また、端部a2は、第1反射部158bから光学センサ50が抜け出す際に、その搬送方向の位置情報が取得される(図9(a)参照)。なお、本実施形態においては、搬送方向における位置情報は、例えば、ロータリーエンコーダ132の検出結果に基づいて取得されることとなる。
次に、トレイ12を帰り方向に搬送し、第1反射部158aの搬送方向における端部a1、a2を検出する(S804)。S804では、端部a2は、第1反射部158aに光学センサ50が入り込む際に、その搬送方向の位置情報が取得される。また、端部a1は、第1反射部158aから光学センサ50が抜け出す際に、その搬送方向の位置情報が取得される(図9(b)参照)。
その後、S802で検出した端部a1およびS804で検出した端部a2の搬送方向における位置情報を用いて、搬送方向における第1反射部158aの中心の位置情報Cy1を取得する(S806)。S806では、第1反射部158aに光学センサ50が入り込む際に検出した端部a1の位置情報と端部a2の位置情報との中点を、第1反射部158aの搬送方向の中心の位置情報Cy1として取得する。
ここで、光学センサ50が反射部158に入り込む際の出力値に基づく波形と、光学センサ50が反射部158から抜け出す際の出力値に基づく波形とは、異なる傾向がある。これにより、出力値に基づいて取得する位置情報には若干の系統的なズレが生じる。このため、S806では、光学センサ50が反射部158に入り込む際の出力値に基づいて、反射部158の中心の位置情報を取得することで、当該位置情報の精度を向上させている。
搬送方向の中心の位置情報Cy1を取得すると、次に、トレイ12を行き方向に搬送して、光学センサ50を、第1反射部158aの搬送方向の中心(Cy1)に位置させる(S808)。その後、キャリッジ32を往方向に移動し、走査方向において光学センサ50が第1反射部158aから所定量だけ離れた位置R1(図9(c)参照)まで移動させる(S810)。
そして、キャリッジ32を復方向に移動し、第1反射部158aの走査方向における端部a3、a4を検出する(S812)。S812では、端部a3は、第1反射部158aに光学センサ50が入り込む際に、その走査方向の位置情報が取得される。また、端部a4は、第1反射部158aから光学センサ50が抜け出す際に、その走査方向の位置情報が取得される(図9(c)参照)。
次に、キャリッジ32を往方向に移動し、第1反射部158aの走査方向における端部a3、a4を検出する(S814)。S814では、端部a4は、第1反射部158aに光学センサ50が入り込む際に、その走査方向の位置情報が取得される。また、端部a3は、第1反射部158aから光学センサ50が抜け出す際に、その走査方向の位置情報が取得される(図9(d)参照)。
その後、S812で検出した端部a3およびS814で検出した端部a4の走査方向における位置情報を用いて、走査方向における第1反射部158aの中心の位置情報Cx1を取得する(S816)。即ち、S816では、光学センサ50が第1反射部158aに入り込む際に検出した端部a3の位置情報と端部a4の位置情報との中点を、第1反射部158aの搬送方向の中心の位置情報Cx1として取得する。そして、S806とS816とで取得した位置情報に基づいて、第1反射部158aの中心C1(Cx1、Cy1)を取得する(S818)。
なお、S802、S804、S812およびS814において第1反射部158aの端部を取得する際に、一方または両方の端部を取得できない、あるいは、端部間の長さが所定範囲内にない場合には、トレイ12を正確に検出できないと判断される。この場合、トレイ12は排出され、ユーザに対して表示部124などを介してエラーを表示する。
図6に戻る。第1の取得処理で第1反射部158aの中心C1を取得すると、次に、光学センサ50を位置R2まで移動させる(S616)。即ち、S616では、キャリッジ32を往方向に移動し、走査方向において光学センサ50が第2反射部158bから所定量だけ離れた位置R2まで移動させる(図9(d)参照)。
その後、第2反射部158bの中心C2を取得する第2の取得処理を行う(S618)。図10は、記録処理のサブルーチンである第2反射部の中心C2を取得する第2の取得処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。また、図11(a)は、キャリッジ32を往方向に移動したときの、光学センサ50の移動方向と、検出する第2反射部158bの端部b3、b4とを示す図である。図11(b)は、キャリッジ32を復方向に移動したときの、光学センサ50の移動方向と、検出する第2反射部158bの端部b3、b4とを示す図である。図11(c)は、トレイ12を帰り方向に搬送したときの、光学センサ50の相対的な移動方向と、検出する第2反射部158bの端部b1、b2とを示す図である。図11(d)は、トレイ12を行き方向に搬送したときの、光学センサ50の相対的な移動方向と検出する第2反射部158bの端部b1、b2とを示す図である。
このS618の第2の取得手段では、まず、キャリッジ32を往方向に移動し、第2反射部158bの走査方向における端部b3、b4を検出する(S1002)。S1002では、端部b4は、第2反射部158bに光学センサ50が入り込む際に、その走査方向の位置情報が取得される。また、端部b3は、第2反射部158bから光学センサ50が抜け出す際に、その走査方向の位置情報が取得される(図11(a)参照)。
次に、キャリッジ32を復方向に移動し、第2反射部158bの走査方向における端部b3、b4を検出する(S1004)。S1004では、端部b3は、第2反射部158bに光学センサ50が入り込む際に、その走査方向の位置情報が取得される。また、端部b4は、第2反射部158bから光学センサ50が抜け出す際に、その走査方向の位置情報が取得される(図11(b)参照)。
その後、S1002で検出した端部b4およびS1004で検出した端部b3の走査方向における位置情報を用いて、走査方向における第2反射部158bの中心の位置情報Cx2を取得する(S1006)。即ち、S1006では、光学センサ50が第2反射部158bに入り込む際に検出した端部b3の位置情報と端部b4の位置情報との中点を、第2反射部158bの走査方向の中心の位置情報Cx2として取得する。
走査方向の中心の位置情報Cx2を取得すると、次に、キャリッジ32を往方向に移動させて、光学センサ50を、第2反射部158bの走査方向の中心(Cx2)に位置させる(S1008)。その後、トレイ12を行き方向に搬送し、搬送方向上流側において光学センサ50が第2反射部158bから所定量だけ離れた位置R3まで移動させる(S1010)。
そして、トレイ12を帰り方向に搬送し、第2反射部158bの搬送方向における端部b1、b2を検出する(S1012)。S1012では、端部b2は、第2反射部158bに光学センサ50が入り込む際に、その搬送方向における位置情報が取得される。また、端部b1は、第2反射部158bから光学センサ50が抜け出す際に、その搬送方向の位置情報が取得される(図11(c)参照)。
次に、トレイ12を行き方向に搬送し、第2反射部158bの搬送方向における端部b1、b2を検出する(S1014)。S1014では、端部b1は、第2反射部158bに光学センサ50が入り込む際に、その搬送方向における位置情報が取得される。また、端部b2は、第2反射部158bから光学センサ50が抜け出す際に、その搬送方向の位置情報が取得される(図11(d)参照)。
その後、S1012で検出した端部b2およびS1014で検出した端部b1の搬送方向における位置情報を用いて搬送方向における第2反射部158bの中心の位置情報Cy2を取得する(S1016)。即ち、S1016では、第2反射部158bに光学センサ50が入り込む際に検出した端部b1の位置情報と端部b2の位置情報の中点を、第2反射部158bの搬送方向の中心の位置情報Cy2として取得する。そして、S1006とS1016とで取得した位置情報に基づいて、第2反射部158bの中心C2(Cx2、Cy2)を取得する(S1018)。
なお、S1002、1004、1012および1014において第2反射部158bの端部を取得する際に、一方または両方の端部を取得できない、あるいは、端部間の長さが所定範囲内にない場合には、トレイ12を検出できないと判断される。この場合、トレイ12は排出され、ユーザに対して表示部124などを介してエラーを通知する。
S614の第1の取得処理およびS618の第2の取得処理では、トレイ12の搬送速度を、S606の第1反射部158aの検出時と比較して、同程度としてもよいし、遅くしてもよい。トレイ12の搬送速度を遅くする場合は、例えば、S606では搬送速度2.00ipsとし、S614、S618では搬送速度0.67ipsとする。トレイ12の搬送速度を遅くすることで、S614、S618では、S606と比較して、反射部158の端部の検出精度が向上する。
図6に戻る。第2の取得処理で第2反射部158bの中心C2を取得すると、次に、第3反射部158cを検出する(S620)。即ち、S620では、まず、トレイ12を帰り方向に搬送して、光学センサ50が、予め記憶された第3反射部158cの搬送方向の中心と対向することが想定される位置まで移動させる。次に、キャリッジ32を復方向に移動して、第3反射部158cから走査方向において所定量だけ離れた位置R4(図11(d)参照)と対向する位置に光学センサ50を位置させる。その後、キャリッジ32を復方向に移動して、第3反射部158cの走査方向における両端部を検出する。
第3反射部158cの検出動作が終了すると、第3反射部158cが検出できたか否かを判断する(S622)。ここで、トレイ12に記録媒体が保持されてないと光学センサ50に対して第3反射部158cは露出した状態となり、光学センサ50によって検出することができる。なお、第3反射部158cの検出については、第1反射部158a、第2反射部158bの走査方向における端部の検出と同様のため、その説明は省略する。一方、トレイ12に記録媒体が保持されていると、第3反射部158cは記録媒体によって覆われるため、光学センサ50により検出することができない。
S622において、第3反射部158cを検出できたと判断されると、トレイ12に記録媒体が保持されていないと判断し、トレイ12を排出する(S624)。その後、ユーザに対して記録媒体がセットされていない旨のエラーを、表示部124などを介して通知し(S626)、この記録処理を終了する。また、S622において、第3反射部158cを検出できなかったと判断されると、トレイ12に保持された記録媒体が光ディスクDか否かを判断する(S628)。即ち、S628では、記録ジョブとしてユーザから入力された情報に基づいて、記録媒体が光ディスクDか否かを判断することとなる。
S628において、光ディスクDであると判断されると、光ディスクDへの記録処理である第1処理を行う(S630)。また、S628において、光ディスクDでない、つまり、ネイルシールNsであると判断されると、ネイルシールNsへの記録処理である第2処理を行う(S632)。
図12は、第1処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。S630の第1処理では、まず、光ディスクの中心に基づいて記録位置(記録開始位置)を設定する設定処理を行う(S1202)。なお、設定処理については、後述する。次に、設定処理で設定した記録位置に基づいて、トレイ12を記録位置まで頭出し搬送して(S1204)、キャリッジ32の記録ヘッド34と光ディスクDの位置を合わせて記録(印刷)を開始する(S1206)。そして、記録が終了すると、トレイ12を装置外部に排出して(S1208)、この第1処理を終了することで記録処理を終了する。
図13は、第1処理のサブルーチンである設定処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。S1202の設定処理では、第1反射部158a、第2反射部158bの位置から算出した光ディスクDの中心C3、または、光ディスクDの孔部DHを検出して取得した光ディスクDの中心C4に基づいて、記録位置を設定することとなる。
設定処理では、まず、第1反射部158aの中心C1と第2反射部158bの中心C2とから光ディスクDの中心C3(MCx、MCy)を算出する(S1302)。例えば、コントローラ100には、第1反射部158aの中心C1および第2反射部158bの中心C2に基づいて、トレイ12に保持される光ディスクDの中心C3を求める計算式が記憶されている。従って、S1302では、この計算式に基づいて光ディスクDの中心C3(MCx、MCy)を算出することとなる。
次に、スピンドルが挿入される光ディスクDの中心に位置する孔部DHの搬送方向の中心を取得する第3の取得処理を行う(S1304)。ここで、図14は、S1304における第3の取得処理の詳細な処理ルーチンを示すフローチャートである。図15(a)は、位置R5までの光学センサ50の相対的な移動経路を示す図である。図15(b)は、トレイ12を帰り方向に搬送したときの、光学センサ50の相対的な移動方向と、検出する孔部DHの端部dh1、dh2とを示す図である。図15(c)は、トレイ12を行き方向に搬送したときの、光学センサの相対的な移動方向と、検出する孔部DHの端部dh1、dh2とを示す図である。図15(d)は、キャリッジ32を往方向に移動したときの、光学センサ50の移動方向と、検出する孔部DHの端部dh3、dh4とを示す図である。図15(e)は、キャリッジ32を復方向に移動したときの、光学センサ50の移動方向と、検出する孔部DHの端部dh3、dh4とを示す図である。図16(a)は、光学センサ50の位置に対する出力値の変化を示すグラフである。図16(b)は、図16(a)における光学センサ50の位置に対応する孔部DH近傍の断面図である。
S1304における第3の取得処理では、まず、光学センサ50を位置R5まで移動する(S1402)。即ち、S1402では、まず、キャリッジ32を往方向に移動して、S1302で算出した光ディスクDの走査方向の中心である位置情報MCxに光学センサ50を位置させる。次に、トレイ12を帰り方向に搬送して、孔部DHよりも所定量だけ搬送方向上流側にある位置R5に光学センサ50を位置させる(図15(a)参照)。
次に、トレイ12を帰り方向に搬送しながら、光学センサ50により光ディスクDにおける孔部DHの端部dh1、dh2を検出する(S1404)。即ち、S1404では、光学センサ50が孔部DH上を通過するように、光ディスクDに対して光学センサ50を行き方向に相対的に移動することとなる。
ここで、光学センサ50の移動経路から見ると、孔部DHの内側にはトレイ12(凹部150)が位置している。凹部150は、光ディスクDの表面(記録される面)と比較して、光学センサ50が発した光を反射する量が小さくなっている。このため、孔部DHを検出する際には、光ディスクDの表面を検出するときと比較して、光学センサ50の受光量は小さくなり、光学センサ50からの出力値は大きくなる。従って、図16(a)のように、孔部DHを検出する際には、光学センサ50の出力値が閾値以上か否かを判断するようにする。そして、閾値Vth2以上となった位置を孔部DHの端部p1、p2を示す位置情報(座標値)として検出する。なお、孔部DHを検出する際には、検出する両端部間の長さL2も取得する。
従って、S1404(後述するS1410)では、端部dh1、dh2とともに、端部dh1、dh2間の長さも取得する。また、S1404では、端部dh2は、孔部DHに光学センサ50が入り込む際に、その搬送方向の位置情報が取得される。端部dh1は、孔部DHから光学センサ50が抜け出す際に、その搬送方向の位置情報が取得される(図15(b)参照)。
その後、端部dh1、dh2を検出できたか否かを判断する(S1406)。即ち、S1406では、端部dh1、dh2が検出され、かつ、端部dh1、dh2間の長さが所定範囲内にあると、検出できたと判断される。端部dh1、dh2の少なくとも一方が検出できない、あるいは、端部dh1、dh2が検出できても、その長さが所定範囲内にないときには、検出できなかったと判断される。
S1406において、検出できなかったと判断されると、失敗フラグをONとして(S1408)、後述するS1410に進む。また、S1406において、検出できたと判断されると、トレイ12を行き方向に搬送しながら、光学センサ50により孔部DHの端部dh1、dh2を検出する(S1410)。即ち、S1410では、光学センサ50が孔部DH上を通過するように、光ディスクDに対して光学センサ50を帰り方向に相対的に移動することとなる。S1410では、端部dh1は、孔部DHに光学センサ50が入り込む際に、その搬送方向の位置情報が取得される。また、端部dh2は、孔部DHから光学センサ50が抜け出す際に、その搬送方向の位置情報が取得される(図15(c)参照)。
次に、端部dh1、dh2を検出できたか否かを判断する(S1412)。なお、S1412の具体的な処理内容は、S1406と同じためその説明を省略する。S1412において、端部dh1、dh2を検出できなかったと判断されると、失敗フラグをONとして(S1414)、後述するS1416に進む。また、S1412において、検出できたと判断されると、失敗フラグがONか否かを判定する(S1416)。
S1416において、失敗フラグがONであれば、後述するS1306の処理に進む。また、S1416において、失敗フラグがONでなければ、S1404で検出した端部dh1およびS1410で検出した端部dh2の位置情報を用いて、搬送方向における孔部DHの中心の位置情報DCyを取得する(S1418)。即ち、S1418では、孔部DHから光学センサ50が抜け出る際に検出した端部dh1の位置情報と端部dh2の位置情報との中点を、孔部DHの搬送方向の中心の位置情報DCyとして取得する。この位置情報DCyが、孔部DHの中心(つまり、光ディスクDの中心C4)の走査方向の位置情報となる。なお、反射部158を検出する際に説明したように、孔部DHを検出する際にも同様に、光学センサ50との相対的な移動方向の違いによって、位置情報に系統的なズレが生じる。このため、孔部DHの中心を取得する際には、光学センサ50が孔部DHから抜け出す際に取得した位置情報を用いるようにした。
図13に戻る。第3の取得処理で、孔部DHの搬送方向の中心の位置情報DCyを取得すると、次に、孔部DHの走査方向の中心を取得する第4の取得処理を行う(S1306)。ここで、図17は、S1306における第4の取得処理の詳細な処理ルーチンを示すフローチャートである。
この第4の取得処理では、まず、光学センサ50を位置R6まで移動する(S1702)。即ち、S1702では、まず、予め設定された移動量だけキャリッジ32を復方向に移動する。次に、トレイ12を帰り方向に搬送して、光学センサ50を、走査方向における孔部DHの中心である位置情報DCyに移動する。これにより、光学センサ50は、走査方向において孔部DHから所定量だけ離れた位置R6に位置することとなる(図15(c)参照)。なお、失敗フラグがONのときには、走査方向における孔部DHの中心は、S1302で取得した位置情報MCyとする。
次に、キャリッジ32を往方向に移動しながら、光学センサ50により孔部DHの端部dh3、dh4を検出する(S1704)。即ち、S1704では、光学センサ50が孔部DH上を通過するように、光ディスクDに対して光学センサ50を往方向に相対的に移動することとなる。S1704(後述するS1710)では、端部dh3、dh4とともに、端部dh3、dh4間の長さを取得する。また、S1704では、端部dh4は、孔部DHに光学センサ50が入り込む際に、その走査方向の位置情報が取得される。端部dh3は、孔部DHから光学センサ50が抜け出す際に、その走査方向の位置情報が取得される(図15(d)参照)。
その後、端部dh3、dh4を検出できたか否かを判断する(S1706)。即ち、S1706では、端部dh3、dh4が検出され、かつ、端部dh3、dh4間の長さが所定範囲内にあると、検出できたと判断される。端部dh3、dh4の少なくとも一方が検出できない、あるいは、端部dh3、dh4が検出できても、その長さが所定範囲内にないときには、検出できなかったと判断される。
S1706において、検出できなかったと判断されると、失敗フラグをONとして(S1708)、後述するS1710に進む。また、S1706において、検出できたと判断されると、キャリッジ32を復方向に移動しながら、光学センサ50により孔部DHの端部dh3、dh4を検出する(S1710)。即ち、S1710では、光学センサ50が孔部DH上を通過するように、光ディスクDに対して光学センサ50を復方向に相対的に移動することとなる。S1710では、端部dh3は、孔部DHに光学センサ50が入り込む際に、その走査方向の位置情報が取得される。また、端部dh4は、孔部DHから光学センサ50が抜け出す際に、その搬送方向の位置情報が取得される(図15(e)参照)。
次に、端部dh3、dh4を検出できたか否かを判断する(S1712)。なお、S1712の具体的な処理内容は、S1706と同じためその説明を省略する。S1712において、端部dh3、dh4を検出できなかったとは判断されると、失敗フラグをONとして(S1714)、後述するS1716に進む。また、S1712において、検出できたと判断されると、失敗フラグがONか否かを判定する(S1716)。
S1716において、失敗フラグがONであれば、後述するS1310へ進む。また、S1716において、失敗フラグがONでなければ、S1704で検出した端部dh3およびS1710で検出した端部dh4の位置情報を用いて、走査方向における孔部DHの中心の第1位置情報DCxを取得する(S1718)。即ち、S1718では、孔部DHから光学センサ50が抜け出す際に検出した端部dh3の位置情報と端部dh4の位置情報との中点を、孔部DHの走査方向の中心の第1位置情報DCx(第1中心位置)として取得する。この第1位置情報DCxが、孔部DHの中心(つまり、光ディスクDの中心C4)の走査方向の位置情報となる。
また、S1704で検出した端部dh4およびS1710で取得した端部dh3の位置情報を用いて、走査方向における孔部DHの中心の第2位置情報DCx2(第2中心位置)を取得する(S1720)。即ち、S1720では、孔部DHに光学センサ50が入り込む際に検出した端部dh4の位置情報と端部dh3の位置情報との中点を、孔部DHの走査方向の中心の第2位置情報DCx2として取得する。
この第3の取得処理および第4の取得処理で取得された孔部DHの搬送方向および走査方向の中心を、孔部DHの端部に基づく光ディスクDの中心C4とする。本実施形態では、第3の取得処理および第4の取得処理は、コントローラ100により実行される。即ち、本実施形態では、コントローラ100が、搬送部14およびキャリッジ32を制御しながら、孔部DHの端部に基づいて光ディスクDの中心を取得する制御手段として機能している。
図13に戻る。第4の取得処理で、孔部DHの走査方向の中心の位置情報DCx、DCx2を取得すると、次に、光ディスクDの中心C4(孔部DHの中心)の走査方向の位置情報DCx、搬送方向の位置情報DCyの少なくとも一方が取得されたか否かを判断する(S1308)。S1308において、位置情報DCx、DCy両方が取得されていないと判断されると、後述するS1326に進む。また、S1308において、位置情報DCx、DCyの少なくとも一方が取得されていると判断されると、光ディスクDの中心C3(MCx、MCy)と、光ディスクDの中心C4(DCx、DCy)とを比較する(S1310)。なお、光ディスクDの中心C4は、S1304で取得した孔部DHの搬送方向の中心の位置情報およびS1306で取得した孔部DHの走査方向の中心の位置情報に基づく。
即ち、S1310では、走査方向における位置情報の差分|DCx-MCx|(第1の差分)が第1設定値より大きいか否かを判断するとともに、搬送方向における位置情報の差分|DCy-MCy|(第2の差分)が第2設定値より大きいか否かを判断する。なお、位置情報DCx、DCyの一方が取得されていない場合には、取得されている位置情報に対してのみ、対応する設定値より大きいか否かを判断することとなる。このS1310(1312)の処理の詳細については、後述する。
次に、走査方向の位置情報の差分および搬送方向の位置情報の差分の少なくとも一方が、対応する設定値よりも大きいか否かを判断する(S1312)。即ち、このS1312では、光ディスクDがトレイ12に適切に保持されているか否かが判断されることとなる。つまり、走査方向の位置情報の差分および搬送方向の位置情報の差分の少なくとも一方が、対応する設定値よりも大きいと判断されると、光ディスクDがトレイ12に適切に保持されていないと判断される。 S1312において、走査方向の位置情報の差分および搬送方向の位置情報の差分の少なくとも一方が対応する設定値よりも大きいと判断されると、第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2との差分が第3設定値より大きいか否かを判断する(S1314)。即ち、S1314では、|DCx-DCx2|が第3設定値(所定値)より大きいか否かを判断する。
S1314において、第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2との差分が第3設定値より大きいと判断されると、失敗フラグをONとし(S1316)、後述するS1326に進む。また、S1314において、第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2との差分が第3設定値以下と判断されると、光ディスクDがトレイ12に保持されていないとみなし、トレイ12を排出する(S1318)。そして、ユーザに対して、光ディスクDがトレイ12に保持されていない旨のエラーを通知し(S1320)、この設定処理を終了することで記録処理を終了する。
一方、S1312において、走査方向の位置情報の差分および搬送方向の位置情報の差分の両方が対応する設定値よりも小さいと判断されると、第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2との差分が第3設定値より大きいか否かを判断する(S1322)。なお、S1322は、S1314と同じ処理である。S1322において、第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2との差分が第3設定値よりも大きいと判断されると、失敗フラグをONとし(S1324)、後述するS1326に進む。また、S1322において、第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2との差分が第3設定値以下と判断されると、後述するS1326に進む。
S1326では、失敗フラグがONか否かを判断する。S1326において、失敗フラグがONと判断されると、S1302で算出した光ディスクDの中心C3(MCx、MCy)に基づいて記録位置を設定する(S1328)。また、S1326において、失敗フラグがONでないと判断されると、S1304、1306で取得した位置情報による孔部DHの中心を光ディスクDの中心とし、中心C4(DCx、DCy)に基づいて記録位置を設定する(S1330)。
光ディスクの中心C3、C4に基づく記録位置の設定はコントローラ100により実行される。即ち、本実施形態においては、コントローラ100が、光ディスクDの中心に基づいて、光ディスクDへの記録画像の記録位置を設定する設定手段として機能している。また、光ディスクの中心C3、C4の比較、判断(S1310、S1312)、第1位置情報DCxおよび第2位置情報DCx2に関する判断(S1314、S1322)および失敗フラグに関する判断(S1326)などは、コントローラ100により実行される。即ち、本実施形態においては、コントローラ100が各種判断を行う判断手段として機能している。
ところで、反射部158の中心から光ディスクDの中心C3を算出する場合、反射部158から突き当て部154までの寸法公差や光ディスクDの外径公差などの影響により、中心C3は、実際にトレイ12に保持された光ディスクDの中心からずれる虞がある。また、特許文献1のように光ディスクDの外周から光ディスクDの中心を算出する場合、光ディスクDの外径公差によって、実際にトレイ12に保持された光ディスクDの中心からずれる虞がある。これに対して、本実施形態では、孔部DHの中心を光ディスクDの中心C4として算出している。
孔部DHの中心を光学センサ50による検出結果に基づいて取得することで、光ディスクDの外径公差や反射部158から突き当て部154までの公差を無視できる。また、光ディスクDにおいて、孔部DHの径は、光ディスクDの外径と比較して寸法精度が高くなっている。また、光ディスクDは、孔部DHにスピンドルが挿入され、そのスピンドルの回転によって光ディスクDが回転する構成となっている。従って、孔部DHの中心は、精度よく光ディスクDの中心と一致するように形成されている。
従って、孔部DHの中心は、光ディスクDの中心C3および外周から算出した光ディスクDの中心と比較して、トレイ12に実際に保持された光ディスクDの中心からのずれが小さくなる。こうした孔部DHの中心を光ディスクDの中心C4として、記録位置を設定することによって、本願発明では、記録ずれを抑制するようにしている。
さらに、本実施形態では、光学センサ50が交差する2方向に小径の孔部DH上を走査して、孔部DHの中心を取得している。これに対し、特許文献1では、センサが直交する2方向に大径の光ディスク全体を走査して、光ディスクの中心を取得している。このため、本実施形態による技術のほうが、光ディスクDの中心の取得時間が短時間で済む。
また、例えば、図18のように、トレイ12に光ディスクDが適切に保持されていない場合には、孔部DHに基づく光ディスクDの中心C4は、反射部158に基づく光ディスクDの中心C3から大きくずれる。このため、設定処理では、S1312において、走査方向における位置情報の差分|DCx-MCx|が第1設定値より大きいか否かを判断するとともに、搬送方向における位置情報の差分|DCy-MCy|が第2設定値より大きいか否かを判断するようにした。そして、各差分の少なくとも一方が対応する設定値よりも大きいときには、中心C4と中心C3とが大きくずれていると判断され、S1314の処理を介して、記録を終了する、あるいは、中心C3に基づいて記録位置を設定するようにした。これにより、トレイ12における適切に保持されていない光ディスクに対する記録ずれやトレイ12への記録を防止することができる。なお、第1設定値および第2設定値については、例えば、光ディスクDが適切に保持されている際の、中心C3(MCx、MCy)に対する中心C4(DCx、DCy)のずれ量の最大値よりも所定量だけ大きい値に設定する。
本実施形態では、図5のように、光ディスクDが保持される凹部150の走査方向両側に隣接するように、第2従動ローラ28が位置している。このため、トレイ12に適切に保持されていない光ディスクDであっても、第2従動ローラ28によって走査方向の位置が規制される。従って、本実施形態では、トレイ12に適切に保持されていない光ディスクDも、搬送方向と比較して走査方向にずれ難い装置構成となっている。
このため、孔部DHの端部の検出の際には、まず光ディスクDに対して光学センサ50を相対的に搬送方向に移動させて端部を検出した後に、光学センサ50を走査方向に移動させて端部を検出するようにしている。搬送方向に移動させて孔部DHの端部を検出する場合には、最初に比較的ずれの少ない走査方向において光学センサ50と孔部DHとの重ねる必要がある。この場合、光学センサ50と孔部DHとは走査方向において重なり易い。これに対して、走査方向に移動させて孔部DHの端部を検出する場合には、最初に比較的ずれの大きな搬送方向において光学センサ50と孔部DHとを重ねる必要がある。この場合、光学センサ50と孔部DHとは搬送方向において重なり難い。従って、孔部DHの搬送方向の端部を検出した後に孔部DHの走査方向の端部を検出する場合は、検出順序が逆の場合と比較して、確実に孔部DHの端部を検出することができるようになる。
ここで、光ディスクDの種類によっては、孔部DHの周囲において光学センサ50から発した光の反射量が低いものがある。こうした光ディスクDでは、孔部DHの周囲と孔部DH内の凹部150との光の反射量が近似するため、孔部DHの端部を正確に検出できない可能性がある。正確に検出されていない孔部DHの端部に基づいて取得した光ディスクDの中心C4により記録位置を設定すると記録ずれが発生してしまう。設定処理では、孔部DHの端部が正確に検出できていなければ、失敗フラグがONとなり、検出できていればONとはならない。このため、設定処理では、S1326において失敗フラグがONであると判断されると、反射部158の中心から算出した光ディスクDの中心C3を用いて記録位置を設定するようにした。これにより、記録装置10では、孔部DHの端部を正確に検出できない光ディスクDに対しても、比較的記録ずれを抑制しながら記録を行うことができるようになる。
以下、孔部DHの端部の検出精度について詳細に説明する。図19(a)は、光の反射量が小さい光ディスクにおける光学センサ50の位置に対する出力値の変化を示すグラフである。図19(b)は、図19(a)における光学センサ50の位置に対応する孔部DH近傍の断面図である。
光ディスクDの種類によっては、孔部DHの周囲での光学センサ50から発した光の反射量が小さく、図19(a)(b)のように、光学センサ50による出力値が閾値Vth2付近となる可能性がある。なお、光学センサ50の移動によって出力値が閾値Vth2以上とならなければ検出失敗とみなされる。図19(a)(b)のように、出力値がかろうじてVth2以上となった場合、検出される孔部DHの端部は精度が低い可能性が大きくなる。なぜなら、出力値のグラフは立ち上がりの始まり部分bpと立ち下りの終わり部分epは鈍く湾曲している。このため、孔部DHの周囲を検出した際の出力値が閾値Vth2と近似する場合には、閾値Vth2以上となった部分を誤って認識してしまう可能性があるからである。こうした誤って認識された値を使用した孔部DHの中心(光ディスクDの中心C4)に基づいて設定した記録位置では、記録ずれが生じる虞がある。
設定処理では、孔部DHの端部の検出精度を判定するために、S1314、1322の処理を行っている。第1位置情報DCxは光学センサ50が孔部DHから抜け出す際に取得した端部に基づいて取得し、第2位置情報DCx2は光学センサ50が孔部DHに入り込む際に取得した端部に基づいて取得している。端部の検出精度が低い場合、つまり、孔部DHの端部が誤って検出されるときには、第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2との差分が大きくなる。従って、この差分が所定値(第3設定値)以下、つまり、第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2とが近似していれば、端部が正確に検出できているとみなすことができる。一方、この差分が所定値より大きければ、端部が正確に検出できていないとみなすことができる。
なお、S1314では、その前のS1312の処理において、光ディスクDがトレイ12に適切に保持されていないと判断されている。このため、S1314では、別の観点から光ディスクDがトレイ12に誤って保持されているか否かを判断している。具体的には、第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2との差分が第3設定値以下であれば、端部の検出精度が高いものと判断し、S1312の判断の通り、光ディスクDが誤って保持されていると判断できる。一方、第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2との差分が第3設定値より大きければ、端部の検出精度が低いものと考えられる。従って、光ディスクDはトレイ12に誤って保持されていない可能性がある。このため、S1314の判断により、エラーとはせずに、失敗フラグをONとしてその後の処理を実行するようにした。
図20は、第2処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。S632の第2処理では、まず、第1反射部158aと第2反射部158bとに基づいて、ネイルシールマウントMに配置された各ネイルシールNsの記録位置を設定する(S2002)。即ち、第1の取得処理で取得した第1反射部158aの中心C1および第2の取得処理で取得した第2反射部158bの中心C2に基づいて、各ネイルシールNsの記録位置を算出して設定する。
本実施形態では、ネイルシールNsは、光ディスクDと比べて、記録ずれの許容量を大きく設定している。このため、ネイルシールNsの記録では、ネイルシールNsのそれぞれを検出せず、第1反射部158aの中心C1、第2反射部158bの中心C2に基づいてネイルシールNsに対する記録位置を設定している。これにより、トレイ12の第1反射部158aの中心C1および第2反射部158bの中心C2から突き当て部154c、154dまでの公差などによる記録ずれが発生するが、その記録ずれ量は許容範囲内に収められている。また、ネイルシールNsを検出する動作を省くことで、光ディスクDのときと比較して、記録開始までの時間が短縮される。
次に、設定した記録位置に基づいて、トレイ12を記録位置まで頭出し搬送して(S2004)、キャリッジ32の記録ヘッド34とネイルシールNsの位置を合わせて記録を開始する(S2006)。そして、記録が終了すると、トレイ12を装置外部に排出して(S2008)、この第2処理を終了することで記録処理を終了する。
以上において説明したように、記録装置10では、光ディスクDへの記録画像の記録位置を設定する際に用いられる光ディスクDの中心C4として、スピンドルが挿入される光ディスクDの孔部DHの中心を取得するようにした。これにより、記録装置10においては、寸法精度の比較的低い光ディスクDの外周に基づいて中心を取得するようにした特許文献1の技術と比較して、高い精度で光ディスクDの中心を取得することができる。また、孔部DHは、光ディスクDの直径よりも小さいため、光ディスクDの外周に基づいて中心を取得する特許文献1の技術と比較して、光ディスクDの中心を短時間で取得することができる。これにより、記録位置の設定時間が短くなり、記録に要する時間を短縮することができるようになる。
また、記録装置10では、光ディスクDを保持するトレイ12に設けられた反射部158に基づいて、光ディスクDの中心C3を算出するようにした。この反射部158に基づく中心C3と、孔部DHに基づく中心C4とのずれが大きければ、光ディスクDがトレイ12に誤って保持されている可能性があるものと判断するようにした。さらに、孔部DHの走査方向の中心としての、光学センサ50が抜け出す際に検出した端部に基づく第1位置情報DCxと、光学センサ50が入り込む際に検出した端部に基づく第2位置情報DCx2とを取得するようにした。この第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2とのずれが大きいときには、孔部DHの端部が適切に検出されていないものと判断するようにした。そして、誤って保持されている可能性があり、かつ、孔部DHの端部が適切に検出されていないと判断されたときには、中心C3に基づいて記録位置を設定するようにした。また、誤って保持されている可能性はないが、孔部DHの端部が適切に検出されていないと判断されたときも、中心C3に基づいて記録位置を設定するようにした。これにより、記録装置10では、孔部DHが検出し難い種類の光ディスクDであっても、比較的記録ずれを生じることなく記録することができるようになる。
(他の実施形態)
なお、上記した実施形態は、以下の(1)乃至(5)に示すように変形してもよい。
(1)上記実施形態では、設定処理において、S1314、1322の処理で、第1位置情報DCxと第2位置情報DCx2とを用いて、孔部DHの端部の検出精度を確認するようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、孔部DHの端部の検出精度を確認するために、例えば、光学センサ50の孔部DH上の往復動作を2回行い、1回の往復動作で検出した端部から得られる孔部DHの中心を比較するようにしてもよい。なお、光学センサ50を往復させる際には、光学センサの移動方向と直交する方向に所定量ずれていてもよい。また、光学センサ50の移動方向については、走査方向でもよいし搬送方向でもよい。さらに、この場合、1回の往復動作で検出した端部から孔部DHの中心を算出する際には、検出した端部位置をどのように用いてもよい。なお、この場合、1回目の往復動作で検出した端部に基づいて取得した孔部DHの中心(第3中心位置)と、2回目の往復動作に基づいて取得した孔部DHの中心(第4中心位置)とは、同じ算出方法が用いられる。
(2)上記実施形態では、第1の取得処理および第2の取得処理において、反射部158の中心C1、C2を取得する際に、光学センサ50が反射部158に入り込む際に検出した端部の位置情報を用いるようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、反射部158の中心を取得する際に、光学センサ50が反射部158から抜け出す際に検出した端部の位置情報を用いるようにしてもよい。また、上記実施形態では、トレイ12の凹部150の外側に、第1反射部158a、第2反射部158bの2つの反射部を配置するようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、トレイ12における凹部150の外側に、1つ、あるいは、3つ以上の反射部を配置するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、第3の取得処理および第4の取得処理において、孔部DHの中心を取得する際に、光学センサ50が孔部DHから抜け出す際に検出した端部の位置情報を用いるようにしているが、これに限定されるものではない。即ち、孔部DHの中心(光ディスクDの中心C4)を取得する際に、光学センサ50が孔部DHに入り込む際に検出した端部の位置情報を用いるようにしてもよい。上記実施形態では、トレイ12に保持する記録媒体として、光ディスク以外では、ネイルシールNsを一例として説明したが、当該記録媒体としては、トレイ12に保持可能であり、記録可能であればどのようなものでもよい。なお、光ディスクD以外の記録媒体については、例えば、第2処理が実行されることとなる。
(4)上記実施形態では、記録装置10における記録方式をインクジェット方式としたが、これに限定されるものではなく、他の記録方式により記録するようにしてもよい。また、上記実施形態では、キャリッジ32を介して光学センサ50を走査方向に移動し、トレイ12を介して光ディスクDを搬送方向に移動するようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、光学センサ50と光ディスクDとは、そのいずれか一方が他方に対して走査方向および搬送方向に移動するように記録装置10を構成してもよい。即ち、光学センサ50と光ディスクDとの走査方向および搬送方向の相対的な位置関係を変更可能な構成であればどのような構成であってもよい。さらに、上記実施形態では、孔部DHの中心を取得する際に、搬送方向の中心を取得した後に、走査方向の中心を取得するようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、走査方向の中心を取得した後に、搬送方向の中心を取得するようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、搬送方向の孔部DHの中心を取得する際には、光学センサ50を搬送方向に往復移動して孔部DHの搬送方向における端部を取得するようにした。また、走査方向の孔部DHの中心を取得する際には、光学センサ50を走査方向に往復移動して孔部DHの走査方向における端部を取得するようにした。しかしながら、孔部DHの中心を取得する際の処理は、上記した処理に限定されるものではない。即ち、搬送方向の孔部の中心を取得する際に、光学センサ50を搬送方向の行き方向または帰り方向のどちらか一方にのみ移動して、孔部DHの搬送方向における端部を取得し、当該端部に基づいて中心を取得するようにしてもよい。同様に、走査方向の孔部の中心を取得する際には、光学センサ50を走査方向の往方向または復方向のどちらか一方にのみ移動して、孔部DHの走査方向における端部を取得し、当該端部に基づいて中心を取得するようにしてもよい。
10 記録装置
12 トレイ
14 搬送部
16 記録部
32 キャリッジ
50 光学センサ
100 コントローラ

Claims (6)

  1. 光ディスクを保持するとともに、前記光ディスクが保持される領域外に、周囲より光の反射率の高い反射部を備えた保持手段と、
    前記保持手段に保持された光ディスクを搬送方向に搬送する搬送手段と、
    前記光ディスクの印刷面に記録する記録手段と、
    前記保持手段および前記光ディスクに光を照射し、反射光を受光して、受光量の変化を検出する検出手段と、
    前記検出手段を前記搬送方向と交差する走査方向に移動する移動手段と、
    前記光ディスクの中央に形成された孔部を前記検出手段が通過するように前記移動手段および前記搬送手段を制御して、前記検出手段で検出した前記孔部に基づいて前記孔部の中心の位置を前記光ディスクの中心の位置として取得し、かつ、前記検出手段が前記反射部を通過するように前記移動手段および前記搬送手段を制御して、前記検出手段で検出した前記反射部に基づいて前記反射部の中心の位置を取得し、前記反射部の中心の位置に基づいて前記光ディスクの中心の位置を算出する制御手段と、
    前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの中心の位置、または、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置のどちらか一方に基づいて、前記光ディスクの記録位置を設定する設定手段と
    前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの前記走査方向の中心の位置と、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの前記走査方向の中心の位置との第1の差分、および、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの前記搬送方向の中心の位置と、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの前記搬送方向の中心の位置との第2の差分が、それぞれ対応する設定値より大きいか否かを判断する判断手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    前記検出手段を、前記光ディスクに対して前記搬送方向の第1方向および該第1方向と反対の第2方向に相対的に移動させて、前記検出手段により前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部、あるいは、前記検出手段により前記孔部から抜け出した際に検出した2つの端部に基づいて、前記孔部の前記搬送方向における中心の位置を取得するとともに、前記検出手段を、前記光ディスクに対して前記走査方向の第3方向および該第3方向と反対の第4方向に相対的に移動させながら、前記検出手段により前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部、あるいは、前記検出手段により前記孔部から抜け出した際に検出した2つの端部に基づいて、前記孔部の前記走査方向における中心の位置を取得して、前記孔部の中心の位置を取得し、
    前記走査方向に移動する前記検出手段が、前記孔部から抜け出し際に検出した2つの端部に基づいて前記走査方向における第1中心位置を取得するとともに、前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部に基づいて前記走査方向における第2中心位置を取得し、
    前記判断手段は、前記第1中心位置と前記第2中心位置との差分が所定値よりも大きいか否かを判断し、
    前記設定手段は、
    前記判断手段によって、前記第1の差分および前記第2の差分の少なくとも一方が対応する設定値よりも大きいと判断され、かつ、前記第1中心位置と前記第2中心位置との差分が前記所定値よりも大きいと判断されると、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定し、
    前記判断手段によって、前記第1の差分および前記第2の差分の両方が対応する設定値よりも小さいと判断され、かつ、前記第1中心位置と前記第2中心位置との差分が前記所定値より大きいと判断されると、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を決定し、
    前記判断手段によって、前記第1の差分および前記第2の差分の両方が対応する設定値よりも小さいと判断され、かつ、前記第1中心位置と前記第2中心位置との差分が前記所定値より小さいと判断されると、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定する、ことを特徴とする記録装置。
  2. 光ディスクを保持するとともに、前記光ディスクが保持される領域外に、周囲より光の反射率の高い反射部を備えた保持手段と、
    前記保持手段に保持された光ディスクを搬送方向に搬送する搬送手段と、
    前記光ディスクの印刷面に記録する記録手段と、
    前記保持手段および前記光ディスクに光を照射し、反射光を受光して、受光量の変化を検出する検出手段と、
    前記検出手段を前記搬送方向と交差する走査方向に移動する移動手段と、
    前記光ディスクの中央に形成された孔部を前記検出手段が通過するように前記移動手段および前記搬送手段を制御して、前記検出手段で検出した前記孔部に基づいて前記孔部の中心の位置を前記光ディスクの中心の位置として取得し、かつ、前記検出手段が前記反射部を通過するように前記移動手段および前記搬送手段を制御して、前記検出手段で検出した前記反射部に基づいて前記反射部の中心の位置を取得し、前記反射部の中心の位置に基づいて前記光ディスクの中心の位置を算出する制御手段と、
    前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの中心の位置、または、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置のどちらか一方に基づいて、前記光ディスクの記録位置を設定する設定手段と、
    前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの前記走査方向の中心の位置と、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの前記走査方向の中心の位置との第1の差分、および、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの前記搬送方向の中心の位置と、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの前記搬送方向の中心の位置との第2の差分が、それぞれ対応する設定値より大きいか否かを判断する判断手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    前記検出手段を、前記光ディスクに対して前記搬送方向の第1方向および該第1方向と反対の第2方向に相対的に移動させて、前記検出手段により前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部、あるいは、前記検出手段により前記孔部から抜け出した際に検出した2つの端部に基づいて、前記孔部の前記搬送方向における中心の位置を取得するとともに、前記検出手段を、前記光ディスクに対して前記走査方向の第3方向および該第3方向と反対の第4方向に相対的に移動させながら、前記検出手段により前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部、あるいは、前記検出手段により前記孔部から抜け出した際に検出した2つの端部に基づいて、前記孔部の前記走査方向における中心の位置を取得して、前記孔部の中心の位置を取得し、
    前記搬送方向および前記走査方向の少なくとも一方において、前記検出手段が前記孔部を通過する往復移動を2回行い、1回目の往復移動により検出した前記孔部の両端部に基づいて取得した前記孔部の第3中心位置と、2回目の往復移動により検出した前記孔部の両端部に基づいて取得した前記孔部の第4中心位置とを取得し、
    前記判断手段は、前記第3中心位置と前記第4中心位置との差分が所定値より大きいか否かを判断し、
    前記設定手段は、
    前記判断手段によって、前記第1の差分および前記第2の差分の少なくとも一方が対応する設定値よりも大きいと判断され、かつ、前記第3中心位置と前記第4中心位置との差分が前記所定値よりも大きいと判断されると、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定し、
    前記判断手段によって、前記第1の差分および前記第2の差分の両方が対応する設定値よりも小さいと判断され、かつ、前記第3中心位置と前記第4中心位置との差分が前記所定値より大きいと判断されると、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を決定し、
    前記判断手段によって、前記第1の差分および前記第2の差分の両方が対応する設定値よりも小さいと判断され、かつ、前記第3中心位置と前記第4中心位置との差分が前記所定値より小さいと判断さえると、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定する、ことを特徴とする記録装置。
  3. 前記保持手段は、前記光ディスクの外周を保持することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記保持手段は、前記光ディスク以外の記録媒体を保持可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  5. 光ディスクを保持するとともに、前記光ディスクが保持される領域外に、周囲より光の反射率の高い反射部を備えた保持手段と、
    前記保持手段に保持された光ディスクを搬送方向に搬送する搬送手段と、
    前記光ディスクの印刷面に記録する記録手段と、
    前記保持手段および前記光ディスクに光を照射し、反射光を受光して、受光量の変化を検出する検出手段と、
    前記検出手段を前記搬送方向と交差する走査方向に移動する移動手段とを備えた記録装置によって、前記光ディスクに対して記録する記録方法であって、
    前記検出手段を、前記反射部を通過するように移動させ、該移動の際に前記検出手段によって検出された前記反射部の中心の位置を取得するとともに、前記反射部の中心の位置に基づいて前記光ディスクの中心の位置を算出する第1工程と、
    前記検出手段を、前記光ディスクの中央に形成された孔部を通過するように前記搬送方向の第1方向および該第1方向と反対の第2方向に相対的に移動させて、前記検出手段により前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部、あるいは、前記検出手段により前記孔部から抜け出した際に検出した2つの端部に基づいて前記孔部の前記搬送方向における中心の位置を取得する第工程と、
    前記検出手段を、前記孔部を通過するように前記走査方向の第3方向および該第3方向と反対の第4方向に相対的に移動させて、前記検出手段により前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部、あるいは、前記検出手段により前記孔部から抜け出した際に検出した2つの端部に基づいて前記孔部の前記走査方向における中心の位置を取得する第工程と、
    前記孔部の前記搬送方向における中心の位置と、前記孔部の前記走査方向における中心の位置とに基づく前記孔部の中心を前記光ディスクの中心の位置として取得する第4工程と、
    前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの前記走査方向の中心の位置と前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの前記走査方向の中心の位置との第1の差分、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの前記搬送方向の中心の位置と、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの前記搬送方向の中心の位置との第2の差分、前記走査方向に移動する前記検出手段により、前記孔部から抜け出した際に検出した2つの端部に基づく前記走査方向における第1中心位置、および前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部に基づく前記走査方向における第2中心位置、に基づいて前記光ディスクの記録位置を設定する第工程と、を有し、
    前記第5工程では、
    前記第1の差分および前記第2の差分の少なくとも一方が対応する設定値よりも大きいと判断され、かつ、前記第1中心位置と前記第2中心位置との差分が所定値よりも大きいと判断されると、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定し、
    前記第1の差分および前記第2の差分の両方が対応する設定値よりも小さいと判断され、かつ、前記第1中心位置と前記第2中心位置との差分が前記所定値より大きいと判断されると、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定し、
    前記第1の差分および前記第2の差分の両方が対応する設定値よりも小さいと判断され、かつ、前記第1中心位置と前記第2中心位置との差分が前記所定値より小さいと判断されると、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定する、ことを特徴とする記録方法。
  6. 光ディスクを保持するとともに、前記光ディスクが保持される領域外に、周囲より光の反射率の高い反射部を備えた保持手段と、
    前記保持手段に保持された光ディスクを搬送方向に搬送する搬送手段と、
    前記光ディスクの印刷面に記録する記録手段と、
    前記保持手段および前記光ディスクに光を照射し、反射光を受光して、受光量の変化を検出する検出手段と、
    前記検出手段を前記搬送方向と交差する走査方向に移動する移動手段と、を備えた記録装置によって、前記光ディスクに対して記録する記録方法であって、
    前記検出手段を、前記反射部を通過するように移動させ、該移動の際に前記検出手段によって検出された前記反射部の中心の位置を取得するとともに、前記反射部の中心の位置に基づいて前記光ディスクの中心の位置を算出する第1工程と、
    前記検出手段を、前記光ディスクの中央に形成された孔部を通過するように前記搬送方向の第1方向および該第1方向と反対の第2方向に相対的に移動させて、前記検出手段により前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部、あるいは、前記検出手段により前記孔部から抜け出した際に検出した2つの端部に基づいて、前記孔部の前記搬送方向における中心の位置を取得する第2工程と、
    前記検出手段を、前記孔部を通過するように前記走査方向の第3方向および該第3方向と反対の第4方向に相対的に移動させて、前記検出手段により前記孔部に入り込む際に検出した2つの端部、あるいは、前記検出手段により前記孔部から抜け出した際に検出した2つの端部に基づいて、前記孔部の前記走査方向における中心の位置を取得する第3工程と、
    前記孔部の前記搬送方向における中心の位置と、前記孔部の前記走査方向における中心の位置とに基づく前記孔部の中心を前記光ディスクの中心の位置として取得する第4工程と、
    前記搬送方向および前記走査方向の少なくとも一方において、前記検出手段が前記孔部を通過する往復動作を2回行い、1回目の往復移動により検出した前記孔部の両端部に基づいて取得した前記孔部の第3中心位置と、2回目の往復移動により検出した前記孔部の両端部に基づいて取得した前記孔部の第4中心位置とを取得する第5工程と、
    前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの前記走査方向の中心の位置と前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの前記走査方向の中心の位置との第1の差分、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの前記搬送方向の中心の位置と、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの前記搬送方向の中心の位置との第2の差分、前記第3中心位置、および前記第4中心位置、に基づいて前記光ディスクの記録位置を設定する第工程と、を有し、
    前記第6工程では、
    前記第1の差分および前記第2の差分の少なくとも一方が対応する設定値よりも大きいと判断され、かつ、前記第3中心位置と前記第4中心位置との差分が所定値よりも大きいと判断されると、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定し、
    前記第1の差分および前記第2の差分の両方が対応する設定値よりも小さいと判断され、かつ、前記第3中心位置と前記第4中心位置との差分が前記所定値より大きいと判断されると、前記反射部の中心の位置に基づいて算出した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定し、
    前記第1の差分および前記第2の差分の両方が対応する設定値よりも小さいと判断され、かつ、前記第3中心位置と前記第4中心位置との差分が前記所定値より小さいと判断されると、前記孔部に基づいて取得した前記光ディスクの中心の位置に基づいて前記記録位置を設定する、ことを特徴とする記録方法。
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