以下に図面を参照して本発明の実施形態を例示する。ただし、原則として、実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状やそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件などにより適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。
また、特に断りのない限り、本実施例において、後述する像担持体の回転軸線、現像剤担持体の回転軸線、封止ユニットの回転軸線は実質的に平行である。さらに、長手方向とは、それぞれの回転軸線の方向と実質的に同一方向である。
本発明に係るカートリッジ及び電子写真画像形成装置を、図面を用いて説明する。以下、電子写真画像形成装置として、装置本体と、装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを例に挙げて説明する。尚、以下の説明において短手方向とは、感光ドラムの回転軸線や現像ローラの回転軸線と直交する方向と定義する。
また、説明文中の符号は、図面を参照するためのものであって、構成を限定するものではない。
(1)プロセスカートリッジAの構成概要
本発明の一実施例を適用したプロセスカートリッジAについて図2を用いて説明する。図2は、現像剤収容ユニット25を有するプロセスカートリッジAの断面図である。図2は、上述の回転軸線に直交する方向に沿って切断した断面を、回転軸線の方向で見たときの図である。
プロセスカートリッジAは、像担持体である感光ドラム11と、感光ドラム11に作用するプロセス手段を備えたものである。ここでプロセス手段としては、例えば感光ドラム11の表面を帯電させる帯電手段、感光ドラム11に像を形成する現像装置、感光ドラム11表面に残留した現像剤(トナー、キャリア等を含む)を除去するためのクリーニング手段がある。
本実施例において、プロセスカートリッジAは、回転可能な像担持体としての感光ドラム11を備える。感光ドラム11は、表面に静電潜像を担持する。プロセスカートリッジAは、感光ドラム11の表面を帯電するための帯電部材としての帯電ローラ12を備える。帯電ローラ12は回転可能である。プロセスカートリッジAは、感光ドラム11の表面を清掃するための清掃部材としてのクリーニングブレード14を備える。
本実施例において、プロセスカートリッジAは、現像剤としてのトナーを担持し、回転可能な現像剤担持体としての現像ローラ13を備える。現像ローラ13は、感光ドラム11にトナーを供給することで、感光ドラム11の上に形成された静電潜像を現像する。プロセスカートリッジAは、現像ローラ13にトナーを供給する回転可能な供給部材としての現像剤供給ローラ23を備える。現像剤供給ローラ23は、現像ローラ13に接触することで、現像ローラ13にトナーを供給する。プロセスカートリッジAは、現像ローラ13に担持されたトナーの厚みを規制するための規制部材としての現像ブレード15を備える。
本実施例において、プロセスカートリッジAは、感光体ユニット24と、現像装置を有する。感光体ユニット24は、感光ドラム11、帯電ローラ12、クリーニングブレード14を備える。現像装置は、現像ローラ13、現像剤供給ローラ23、現像ブレード15を備える。
プロセスカートリッジAは、図2に示すように感光ドラム11の周囲に、帯電手段である帯電ローラ12や、クリーニング手段であるクリーニングブレード14を有する感光体ユニット24を備えている。また、プロセスカートリッジAは、第一の枠体17と第二の枠体18とを有する現像剤収容ユニット25を備えている。プロセスカートリッジAは、感光体ユニット24と現像剤収容ユニット25とを一体化し、画像形成装置の装置本体B(図3参照)に対して着脱自在に構成されている。現像剤収容ユニット25は、トナーを収容する現像剤収容容器26を備えている。
ここで、現像ローラ13と、現像ブレード15は、第一の枠体17に支持されている。つまり、本実施例における現像剤収容ユニット25は、現像装置の一部である。言い換えれば、本実施例における現像装置は、現像剤収容ユニット25と、現像ローラ13とを有する。また、本実施例における現像剤収容ユニット25は、プロセスカートリッジAの一部である。言い換えれば、本実施例におけるプロセスカートリッジAは、感光ドラム11と、現像ローラ13と、現像剤収容ユニット25を有する。また、本実施例において、現像剤収容ユニット25は画像形成装置の装置本体Bに着脱可能である。
(2)電子写真画像形成装置の構成概要
次に、本発明の一実施例を適用した電子写真画像形成装置について図3を用いて説明する。図3は、電子写真画像形成装置(画像形成装置)の断面図である。図3は、上述の回転軸線に直交する方向に沿って切断した断面を、回転軸線の方向で見たときの図である。
図3に示すように、プロセスカートリッジAは画像形成装置の装置本体Bに装着される。画像形成装置は、プロセスカートリッジAを用いて記録材に画像形成動作を行う。画像形成動作において、感光ドラム11が帯電ローラ12によって帯電される。一方、装置本体Bはシートカセット6から搬送ローラ7によって記録材としてのシートSを搬送する。シート搬送と同期して、露光装置8が帯電された感光ドラム11を選択的に露光をして、感光ドラム11に潜像(静電潜像)が形成される。トナーは、スポンジ状の現像剤供給ローラ23によって現像ローラ13(現像剤担持体)に供給さる。現像ローラ13の表面に供給されたトナーは、現像ブレード15により、現像ローラ13の表面に薄層として担持される。そして、現像ローラ13に現像バイアスが印加される事によって、感光ドラム11の静電潜像にトナーが供給され、感光ドラム11の表面に現像剤像(トナー像)が形成される。トナー像は、転写ローラ9へ転写バイアスが印加されることによって、シートSに転写される。シートSが定着装置10へ搬送されて加熱されることで、トナー像がシートSに定着される。シートSは、排紙ローラ1によって装置上部の排紙部3に排出される。
(3)現像剤収容ユニット25の構成
次に、図2、図4及び図5を用いて現像剤収容ユニット25の構成について説明する。図4は現像剤収容ユニット25の断面図である。図5は現像剤収容ユニット25の組み立てを説明する斜視図である。図4は、現像ローラ13の回転軸線に沿って切断した断面を、回転軸線に直交する方向で見たときの図である。
現像剤収容ユニット25は図2に示すように、現像ローラ13と現像ブレード15を支持する第一の枠体17と、第二の枠体18が合体して形成された一つの現像枠体(枠体)を有する。本実施例において、第一の枠体17と第二の枠体18は、現像枠体の一部である。現像枠体の内部には現像剤収容室26が形成される。第一の枠体17には、現像剤収容室26に収容されたトナーを、現像剤収容室26から排出するための開口17aが備えられている。開口17aは、長手方向に延びている。つまり、第一の枠体17と、第二の枠体18によって形成される枠体は、現像剤収容室26と、開口17aが備えられている。
開口17aをふさぐ封止ユニット20が現像剤収容室26の内部に設けられている。封止ユニット20は開口17aに沿って長手方向に伸びた形状を有している。封止ユニット20は、開口17aを封止するための封止部20bと、封止部20bを支持する軸部材20aとを有している。本実施例では、封止部20bと軸部材20aが一体に結合している。封止部20bは弾性を有している。図4に示されるように、軸部材20aの両端には軸部20c、20dが設けられており、第一の枠体17に対して回転可能に支持されている。また、一端の軸部20dには開封ギア41が結合している。開封ギア41は、封止ユニット20と一体的に回転する。つまり、本実施例において、軸部材20aは開封ギア41と第一の枠体17によって支持されている。軸部材20aを支持するための開封ギア41の一部と第一の枠体17の一部は、支持部と呼ぶこともできる。また、開封ギア41は中間ギア44とかみ合っている。中間ギア44は、入力ギア43とかみ合っている。入力ギア43は、装置本体Bから駆動力を受ける。中間ギア44は、装置本体Bから受けた駆動力を開封ギア41に伝達する。封止部20bは、開口17aを封止するように、軸部材20aによって第一の枠体17に押し付けられて圧縮されている。つまり、封止部20bが開口17aを封止するとき、封止部20bは、開口17aの周囲で、第一の枠体17と軸部材20aに挟まれて、圧縮されている。本実施例においては、封止部20bが圧縮された状態とは、後述のリップが開口17aの内側から外側に向けて広がるように変形した状態を指す。軸部材20aに押し付けられることにより、封止部20bは、開口17aの周囲に当接する。つまり、本実施例の封止部20bは、第一の枠体17に溶着されなくても、開口17aを封止できる。
封止ユニット20は、プロセスカートリッジAの出荷時には、図2に示すように封止部20bによって開口17aを封止する位置で出荷される(閉鎖位置)。そして使用時に、入力ギア43が装置本体Bから回転力(駆動力)を付与されて回転することで、封止ユニット20が図2の矢印Rの方向に回転し、開口17aが開封される。封止ユニット20の構成については後に詳しく説明する。
また、現像剤収容室26の外側に現像ローラ13および現像ローラ13にトナーを供給する現像剤供給ローラ23が設けられている。現像ローラ13および現像剤供給ローラ23は、それぞれ長手両端を第一の枠体17に回転可能に支持されている。現像ローラ13の長手一端に現像ギア42が結合しており、入力ギア43と係合している。現像剤供給ローラ23も同様に一端に不図示のギアが結合しており、入力ギア43と係合している。入力ギア43が回転することで、開封ギア41とともに現像ローラ13および現像剤供給ローラ23が回転する。ここで、図2に示すように、現像ローラ13、現像剤供給ローラ23が備えられる部分を、現像室28と呼ぶ。つまり、現像剤収容ユニット25の枠体は、現像室28を備える。現像剤収容室26に収容されたトナーは、開口17aを通じて、現像室28に供給される。言い換えれば、トナーは、開口17aを介して、現像剤収容室26から現像室28に向けて排出される。
また、第二枠体18には図4、図5に示すように内側天面から下向きに開口17aに向かって複数のリブ形状の押さえ部(規制部)18aが突出している。押さえ部18aは開口17aと対向する位置に設けられており、封止ユニット20が封止姿勢(閉鎖位置)にあるとき、封止ユニット20の軸部20aに設けられた被押さえ部(被規制部)20eに当接する。本実施例において、押さえ部18aは第二枠体18に設けられた凸部であり、被押さえ部20eは押さえ部18aを受け入れる凹部である。押さえ部18aの機能については後述する。
(4)封止ユニット20の詳細構成
次に、封止ユニット20の詳細構成について図1、図6および図11を用いて述べる。ここで図1は封止ユニット20の斜視図である。図6は封止ユニット20の断面図であり、図6(a)は封止ユニット20が現像剤収容室26に組み込まれる前の状態を示し、図6(b)は組込まれた状態を示す。図6(c)~(e)は、封止ユニット20の開封動作を説明する説明図である。図11は、別の形態の封止ユニットを示す断面図である。
封止ユニット20は前述のとおり、軸部材20aと弾性を有する封止部20bを含む。そして、封止ユニット20は封止状態の時(図6(b))に封止部20bがわずかに変形する位置で第一の枠体17に支持される。したがって、開口17a全周の被当接部17b、17c、17d(図5参照)と軸部材20aの間に封止部20bがはさまれ、封止部20bが弾性変形することにより封止状態が保たれる。ここで、封止部20bが開口17a封止する封止ユニット20の位置を、閉鎖位置と定義する。本実施例においては、封止ユニット20が閉鎖位置にあるとき、封止部20bは、開口17aを囲むように、開口17aの周囲で第一の枠体17と当接している。封止ユニット20が閉鎖位置にあるとき、封止部20bは、軸部材20aによって、開口17aの周りで第一の枠体17に押し付けられて圧縮されている。
封止部20bとして、図11に示すように短冊状のスポンジ20b’を軸部材20aに貼り付けて軸部材20aと一体化してもよい。しかしながら本実施例では、特に図6に示すように、エラストマの封止部20bを軸部材20aに一体成形して封止ユニット20を形成している。そうすることで、軸部材20aに封止部20bを結合する工程を省いている。また、封止部20bは、軸部材20aの回転軸線に直交する方向に突出したリップ(突起)を有する。図1(b)に示すように細長い長方形に沿うように形成されており、長辺20b1、20b2と短辺20b3、20b4を有する。長辺20b1、20b2と短辺20b3、20b4は、封止ユニット20が封止姿勢(閉鎖位置)にある時、開口17aの外周を囲うように形成されている。封止部20bの長手両端の短辺20b3、20b4は、開口17aの入り口外周の短手被当接部17dの円弧形状に沿った形状を有する。
封止部20bの長辺20b1、20b2と短辺20b3、20b4が交差する角部は円弧でつながれている。また、リップの先端は全周において、図6(a)に示すように、開口17aの内側から外側に向かって傾斜した形状を有する。図6(b)に示すように、現像剤収容室26に封止ユニット20が組み込まれたときに、封止部20bを全周に亘って開口17aの内側から外側に向けて広がるように変形(傾斜)させて当接させることができる。そうすることで、封止ユニット20を簡単に組立てることができて、且つ安定的な封止性能を発揮する。
仮に、リップ先端が軸部材20aに直立していると、封止ユニット20を組み込む際にリップ先端の折れ曲がる方向が安定しないため、不均一に折れ曲がった個所の隙間からトナーが漏れる懸念がある。また、リップ先端が外側に向いているために、封止部20bが現像剤収容室26内のトナーの粉圧によって、リップ先端が被当接部17b、17c、17dに押し付けられることで、リップ先端が内側に向いている構成に比べて封止性能が優れる。
また、軸部材20aには、図6(a)に示すように封止部20bと反対側の位置に、被押さえ部20eが、それぞれの押さえ部18aに対して設けられている。押さえ部18aは、被押さえ部20eに当接して封止部20bがわずかに変形する封止姿勢を保つ位置に設けられている(図6(b))。そのように配置することにより、軸部材20aが封止部20bの弾性によって反ることによって長手方向における内側部で封止性能が落ちることを抑制することができる。また、封止ユニット20が閉鎖位置にあるとき、押さえ部18aは、被押さえ部20eに当接することで、封止ユニット20が回転することを規制している。これにより、プロセスカートリッジAを運搬するときの振動などによって封止ユニット20が変形することによって開口17aからトナーが漏れることを抑制することができる。また、押さえ部18aを設けることで、軸部材20aの曲げ剛性を、押さえ部18aがない場合よりも弱くできる。この場合、押さえ部18aが被押さえ部20eから外れたときに、軸部材20aが変形しやすいので、封止部20bの圧縮が解放されやすい。また、軸部材20aの材料節約、軽量化にも寄与する。なお、押さえ部18aの個数は、本実施例では3つであるが、軸部材20aの剛性や封止部20bの弾性によって適宜選択すればよい。
封止ユニット20は、本体から駆動を受けると図6(b)に示すように、両端の軸部20c、20dを結ぶ回転軸線gを中心に矢印Rの方向に回転する。つまり、回転軸線gは軸部材20aの回転軸線である。同時に、回転軸線gは封止ユニット20の回転軸線である。本実施例において、回転軸線gの方向(軸線方向)は、長手方向と同じ(平行)である。
封止ユニット20の軸部材20aは、重力方向で開口17aの上方に配置される。さらに、回転軸線gの方向で見たとき、水平方向において、回転軸線gの位置は、開口17aの位置と重なる。これらにより、後述する封止ユニット20の往復動作によって、トナーが開口17aに流れ込みやすくなる。
封止部20bとして、図11に示した短冊形状のスポンジ20b’を用いることもできる。スポンジ20b’は、開封開始時に、圧縮状態を維持したまま被当接部17b’、17c’を摺擦する。それに対し、図6に示すリップ構成では、図6(c)に示すように、回転方向Rで下流側の封止部20b1のリップ先端が、被当接部17bに当接した位置から移動せずに、内向きに反転する。そののちに、反転した姿勢を保ちながら摺擦する。そのため、封止部20bが短冊形状の形態(図11)よりも開封の負荷を低くすることができる。
図6(c)に示すように、被押さえ部20eには押さえ部18aの凸円弧形状に倣った凹円弧形状が形成されていることが望ましい。そうすることで、封止ユニット20の組み立て時に封止ユニット20の位相が安定する。また、物流時の振動などによって封止ユニット20が円周方向にずれることを抑制できる。閉鎖位置において、押さえ部18aと被押さえ部20eが当接し、軸部材20aの変形を抑制できれば、押さえ部18a、被押さえ部20eの形状は上述の形状に限られない。
押さえ部18aの回転方向R上流側に、被押さえ部20eの回転半径Kよりも内側に退避させた逃げ部20gを設けている。封止ユニット20が矢印Rの方向に回転すると、押さえ部18aから被押さえ部20eが離れる。押さえ部18aの位置に逃げ部20gが至ると、軸部材20aが封止部20bの弾性の反力で封止部20bと反対側に反る。そうすることで、長手方向の内側(中央部)において、封止部20bが開口17a周囲を付勢する圧が弱まり、その結果、開封負荷が軽減される。封止ユニット20は、装置本体から駆動を受けて、図6(b)に示す閉鎖位置から図6(d)に示すように図中矢印Rの方向に、所定角度θ1(以降、開封角と呼ぶ)回転した第一の開放位置に移動する。このような動作により開封動作が行われる。ここで、封止ユニット20が閉鎖位置から第一の開放位置に向かって回転する方向を、開放方向と呼ぶ。封止ユニット20は第一の開放位置にとどまることなく、図6(e)に示すように閉鎖位置から図中矢印R方向に第二の所定角度θ2(以降、最大角と呼ぶ)回転し、押さえ部18aに接触しない第二の開放位置まで移動する。封止ユニット20が第一の開放位置と第二の開放位置にあるとき、開口17aは開かれている。つまり、開口17aからのトナーの排出が許容される。第二の開放位置に至った封止ユニット20は、図中矢印Cの方向(開放方向と反対方向)に反転し、第一の開放位置まで戻る。その後も同様に、封止ユニット20は第一の開放位置と第二の開放位置と間で往復運動(揺動)を繰り返し続ける。この往復運動は、記録材に画像が形成される画像形成動作の間も継続される。このため、封止ユニット20によって、トナーが撹拌され、開口17aからの排出が促進される。また、この往復運動の間、押さえ部18aは、被押さえ部20eから離れている。本実施例では開封角θ1を77度、最大角θ2を95度となるように駆動構成を設定している。封止部材の上記動作は、たとえばリンク機構などでも実現可能であるが、本実施例では欠け歯ギアとバネを用いて実現している。開封角θ1、最大角θ2は、ギアの諸元次第で任意に設定できる。駆動構成の詳細については後述する。
回転軸線gに直交する方向で、封止ユニット20が往復運動をしている間の封止部20bが圧縮される量は、封止ユニット20が閉鎖位置にあるときの封止部20bが圧縮される量よりも小さい。ここで、軸部材20aのうち、封止部20bが取り付けられる領域を、取付け面と呼ぶ。回転軸線gと直交する方向で、取付け面と第一の枠体17の内壁面との間の距離は、封止ユニット20が閉鎖位置にあるときよりも、封止ユニット20が往復運動をしているときの方が、長い。このようにすることで、封止ユニット20が往復運動をする際に、封止部20bが圧縮されることで生じる負荷を低減できる。本実施例においては、封止ユニット20が往復運動をしている間は、封止部20bは第一の枠体17の内壁面から離れた状態である。つまり、封止部20bは圧縮されていない状態となる。このようにすることで、封止ユニット20が往復運動をする際に、封止部20bが圧縮されることで生じる負荷を無くすことができる。同時に、開口17aからのトナーの排出が、封止部20bによって妨げられることも防止できる。
軸部材20aには、図1(a)に示すように、封止部20bと反対側の位置に、複数の傾斜部としてのリブ20f1、リブ20f2を含む搬送翼20fが設けられている。リブ20f1、リブ20f2は、封止ユニット20が第一の開放位置と第二の開放位置とを往復運動することで、現像剤収容室26のトナーを撹拌する。そして、リブ20f1、リブ20f2は長手方向で現像剤収容室26の一方にトナーが片寄った状態を解消する。詳細については後述する。
上述の通り、本実施例における封止ユニット20は、第一の枠体17に溶着されなくても、開口17aを封止できる。一方、本実施例の構成では、開封後、画像形成動作中に、封止ユニット20を撹拌として機能させるに、封止ユニット20を往復運動させている。仮に弾性を有する付勢部20bを持つ封止部材を、一方向に回転させ続けると、封止ユニット20が押さえ部18aに干渉してしまう。したがって、押さえ部18aを設けることが困難であった。しかしながら、封止ユニット20が往復運動することにより、押さえ部18aを設けることができた。また、封止ユニット20の封止部20bは第一の枠体17に溶着されていないため、開口17aが開かれるときに、溶着部を剥離する負荷が生じない。つまり、封止ユニット20の開封負荷を低減することができる。
さらに、枠体にシート状のシールを溶着する構成の場合、溶着安定性のため、溶着面すなわち開口周囲の面を平面にする必要があった。しかし本構成では、そのような制約がない。したがって、本構成では開口17aの周囲の面を、開口17aに向かって重力方向で下向きに傾斜する傾斜面、または円弧形状を有する面にできる。そうすることで、開口17aの周囲のトナーが開口17aに向かって落ちやすくなる。
また、圧縮される封止部20bを有する封止ユニット20を一方向に回転させ続けると、封止ユニット20が繰り返し閉鎖位置に到達することで、封止部20bが繰り返し圧縮される。そのため、封止ユニット20を回転させる負荷が増加する。さらに、封止ユニット20が閉鎖位置に到達することで、開口17aからのトナーの排出が妨げられる。本実施例では、封止ユニット20を往復運動させることで、上記のような問題の発生を防いでいる。
ここで、封止ユニット20が閉鎖位置から第一の開放位置に向けて移動するとき、封止部20bは、第一の枠体17の内壁面の一部と当接しながら移動する。この内壁面の一部を接触壁と呼ぶ。回転軸線gに直交する直交方向において、この接触面と回転軸線gの間の距離は、開放方向の下流側に向けて長くなっている。より具体的には、本実施例では、上述のように、軸部材20aは、支持部としての開封ギア41の一部と第一の枠体17の一部によって支持される。回転軸線gは、支持部(開封ギア41の一部と第一の枠体17の一部)を通る。回転軸線gに直交する方向で、上述の接触面と支持部の間の距離は、開封方向の下流側に向けて長くなっている。
つまり、封止ユニット20が開放方向に回転した時、軸部材20aに封止部20bが取り付けられる取付け面と接触面の間の距離が増加していく。これにより、回転軸線gに直交する直交方向において、封止部20bが圧縮される量は減少していく。つまり、回転軸線gに直交する直交方向において、開封方向で封止ユニット20が閉鎖位置の下流側にあるときに封止部20bが圧縮されている量は、封止ユニット20が閉鎖位置にあるときに封止部20bが圧縮されている量よりも、小さい。
本実施例では、図6(b)に示すように、封止部20bは、閉鎖位置において被当接部17b、17c、17dと当接している。封止ユニット20が開放方向(R方向)に回転するとき、封止部20bは被当接部17b、17c、17dに当接する。本実施例では、被当接部17b、17c、17dは、回転軸線gの方向で見たとき、円弧形状を有している。この円弧形状の中心を、円弧中心hと呼ぶ。図6(b)に示すように、回転軸線gの方向で見たとき、回転軸線gの位置と、円弧中心hの位置は異なっている。具体的には、回転軸線gは、封止部20bの開封開始時の移動方向において、円弧中心hの上流側(図中右側)に2mm程度オフセットした位置に設けられている。
そのように構成することで、開口17aを開封する際に、封止部20bが、被当接部17b、17c、17dの円弧の半径方向において、被当接部17b、17c、17dから徐々に離れる。仮に、円弧中心hと回動中心gが一致する場合(以降、同芯構成と呼ぶ)、封止ユニット20を開封している間も、封止部20bは封止ユニット20が閉鎖位置にあるときと、同じ量だけ圧縮される。このため、封止ユニット20を移動させるための負荷が高い状態が持続する。一方、本実施例で示した構成では、開封開始から摩擦負荷が徐々に減っていくために、同芯構成にくらべて、開封に係る負荷を開封開始時から徐々に減らすことができる。また、回動中心gを上記の配置にすることにより、往復運動する封止ユニット20を、第一枠体17の底面に対し回転半径K方向に離すタイミングを早められる。したがって、封止ユニット20と第一枠体17の底面との隙間d(図6(d))を広くすることができる。その結果、現像剤収容室26のトナーを封止ユニット20に妨げられることなく開口17aから円滑に外に排出させることができる。つまり、封止ユニット20が開放方向に移動を開始してから、開放方向で開口17aの下流側から開口17aにトナーが流れ込むまでの時間を短縮できる。また、封止部20bが枠体内面を摺擦する構成と比べて、トナーに係るストレスをより軽減することができる。一方で、同芯構成の場合は、少なくとも回転方向R下流側の封止部長辺20b2が被当接部17bに至るまでは、封止ユニット20を第一枠体17の底面から離すことができない。すなわち、封止ユニット20と第一枠体17の底面との隙間dを設けるためには、第一の開放位置よりもさらに大きく回動させる必要がある。
(5)封止ユニット20の駆動構成
次に封止ユニット20の動作について、図7、図8、図9および図10を用いて述べる。図7は封止ユニット20の駆動伝達部を表す斜視図、図8は開封ギア41を表す斜視図である。図9は中間ギア44を表す斜視図で、図9(b)は図9(a)を反対方向から見た図である。図10は封止ユニット20の動作を表す断面図で、図10(a)~(f)の順に動作する。
現像剤収容ユニット25は、画像形成装置の装置本体Bから受けた駆動力を、封止ユニット20に伝達するための駆動伝達部を有する。駆動伝達部は、開封ギア(第一の伝達部材)41と、中間ギア(第二の伝達部材)44と、付勢バネ(付勢部材)21を含む。開封ギア41は封止ユニット20に連結される。中間ギア44は、画像形成装置の装置本体Bから受けた駆動力を、開封ギア41に伝達する。本実施例では、中間ギア44は、入力ギア43を介して、装置本体Bから受けた駆動力を開封ギア41に伝達する。
封止ユニット20と結合する開封ギア(第一の伝達部材)41は図7に示すように、第一の枠体17の長手外側端部に設けられている。そして、図8に示すように、第一の枠体17に近い長手内側から、第一開封ギア部41a(41a1、a2)と第二開封ギア部41b(41b1~b5)を含む。つまり、開封ギア41は、第一開封ギア部41aと第二開封ギア部41bが軸線方向に並んだ、いわゆる多段ギアである。
第一開封ギア部41aは、図8に示すように、欠歯ギアである。第一開封ギア部41aが欠歯ギアではなかったと仮定した場合、第一開封ギア部41aの歯数は28である。第一開封ギア部41aは、全28歯のうち、歯41a1、歯41a2を残し、そのほかのすべての歯を削除した欠歯ギアである。歯41a1、歯41a2の間の間隔は、5歯分に相当する。第一開封ギア41の回転方向Rで、歯41a1は、歯41a2の下流側に位置する。歯41a1を、以降先端歯41a1と呼ぶ。
一方、第二開封ギア部41bは、図8に示すように、欠歯ギアである。第二開封ギア部41bが欠歯ギアではなかったと仮定した場合、第二開封ギア部41bの歯数は28である。第二開封ギア部41bは全28歯のうち、連続する5歯41b1~b5を残し、そのほかのすべての歯を削除した欠歯ギアである。第二開封ギア部41bの連続する5歯は、開封ギア41の周方向で、第一開封ギア部41aの歯41a1、歯41a2の間に設けられている。
また、回転方向Rで第二開封ギア部41bの下流側に、円弧凹部41cが設けられている。長手方向で見たとき、円弧凹部41cの中心と開封ギア41の回動中心とを結ぶ直線M上に、先端歯41a1の中心が位置する。本実施例では円弧凹部41cの一部は、第二開封ギア部41bの歯底円に一致する。これは開封ギア41を形成する金型の構成を簡易にするためである。ただし、長手方向で見たとき、先端歯41a1の両端に円弧形状が形成されていれば、円弧凹部41cは歯底円と一致しなくてもよい。
図9に示すように、開封ギア41と噛み合う中間ギア44は、第一開封ギア部41aに噛み合う第一中間ギア部44a(44a1~a5)、第二開封ギア部41bに噛み合う第二中間ギア部44b(44b1~b5)を含む。中間ギア44は、入力ギア43とかみ合う第三中間ギア部44dを含む。第三中間ギア部44dは、欠歯ギアでなく、通常の形状のギアである。第一中間ギア部44a、第二中間ギア部44bの理解を容易にするため、図9で第三中間ギア部44dは破線で表している。つまり、中間ギア44も、開封ギア41と同様に、いわゆる多段ギアである。
第一中間ギア部44aは、欠歯ギアである。第一中間ギア部44aが欠歯ギアではなかったと仮定した場合、歯数は15である。第一中間ギア部44aは、15歯のうち、5歯44a1~a5を残しそのほかのすべての歯を削除した当接部としての欠歯ギアである。歯44a1~a5において、隣の歯との間隔は、2歯分に相当する。
第二中間ギア部44bは、欠歯ギアである。第一中間ギア部44aが欠歯ギアではなかったと仮定した場合、歯数は15である。第二中間ギア部44bは、15歯のうち、連続する5歯を残し、そのほかの部分を歯先円と同径の円弧部44cで形成した欠歯ギアである。
次に入力ギア43が装置本体Bから回転駆動を受けて回転するときの封止ユニット20の動作を図10(a)~(f)を用いて示す。図中、理解を容易にするために、第三中間ギア部44dは図示を省略している。
図10(a)に示すように、封止ユニット20が封止状態(閉鎖位置)のときに、開封ギア41の円弧凹部41cが中間ギア44の円弧部44cに係合する。このとき、第一中間ギア部44aは先端歯41a1から離れている。すなわち現像剤収容ユニット25を運搬するときの振動などにより、誤って封止ユニット20が回動することを防ぐことができる。
次に、中間ギア44が不図示の入力ギア43の回転駆動を受けて矢印L方向に回転する。そして、回転方向Lで円弧部44cの上流側に設けた第一中間ギア部の一歯44a1が、回転方向Rで円弧凹部41cの上流側に設けた先端歯41a1に回転駆動を伝達する。そして開封ギア41が矢印R方向に回転を開始する。すると、第二中間ギア部44bと第二開封ギア部41bが図10(b)(c)に示すように順次かみ合うことで開封ギア41が回転する。
第二中間ギア部44bと第二開封ギア部41bのかみ合いが完了した状態を図10(d)に示す。このとき、封止ユニット20は封止状態の閉鎖位置から図中矢印R方向に開封角θ1回転した第一の開放位置に移動し開封が完了する。
このとき、第一枠体17に設けられている付勢バネ21が開封ギア41の被付勢部41dに当接する。付勢バネ21はねじりコイルばねであり、巻線部21aが第一枠体17の側面に設けたボス17eに係合している。そして、一方の腕部21bが開封ギア41の被付勢部41dに当接し、他方の腕部21cが第一枠体17の規制リブ17fに当接する。この状態の時に、被付勢部41dは腕部21bに平行になるように形成されている。そうすることで、付勢バネ21は、開封ギア41に、この位相よりも矢印Rの逆方向に向けて回転するための力を与えない。すなわちいったん第一の開放位置に移動した封止ユニット20は、ふたたび第一の開放位置よりも閉鎖位置の方向に戻ることはない。
さらに中間ギア44が矢印L方向に回転すると、第一中間ギア部の一歯44a4が、第一開封ギア部41aの歯のうち、もう一方の当接部としての歯41a2(以降末端歯と称す)に駆動を伝達し、開封ギア41はさらに矢印R方向に回転する。この時、付勢バネ21は、被付勢部41dにおいて、矢印R方向の回転を妨げる方向に開封ギア41を付勢する。やがて開封ギア41は図10(d)の状態から矢印R方向に回転した後、第一中間ギア部44aが欠歯であるために、中間ギア44からの駆動伝達が絶たれる。
すると、図10(e)に示すように、付勢バネ21によって開封ギア41は図中矢印C方向に回転し、図10(d)の位相に戻る。中間ギア44からの駆動伝達が絶たれる瞬間での封止ユニット20の位置(第二の開放位置)は封止状態の閉鎖位置から矢印R方向に最大角θ2開いた位置である。
つまり、付勢バネ21は、中間ギア44が開封ギア41から離れている間に、開封ギア41を、中間ギア44によって移動された方向とは逆の方向に移動させる。
中間ギア44は図10(f)に示すように、その後も矢印L方向に回転を続ける。回転方向Lで第一中間ギア部の一歯44a4の上流側の一歯44a5が末端歯41a2に当接して、開封ギア44は再び矢印R方向に回転し始める。このように第一中間ギア部44aが間欠的に開封ギア41の末端歯41a2に1対の当接部として当接することを繰り返すことによって、封止ユニット20は第一の開放位置と第二の開放位置との往復運動を繰り返す。このように、1対の当接部としての1対の欠歯ギアとバネによるシンプルな部品構成で開封動作と撹拌動作を実現することができる。
また、本駆動構成にすることで、封止ユニット20が第二の開放位置から第一の開放位置に付勢バネ21によって戻る方向への移動開始加速度は、第一の開放位置から第二の開放位置にギアによって移動する移動開始加速度よりも大きくなる。
言い換えると、封止ユニット20が第二の開放位置から第一の開放位置に付勢バネ21によって戻るときの加速度の最大値は、第一の開放位置から第二の開放位置に中間ギア44によって移動されるときの加速度の最大値と異なる。具体的には、第二の開放位置から第一の開放位置に付勢バネ21によって戻るときの加速度の最大値は、第一の開放位置から第二の開放位置に中間ギア44によって移動するときの加速度の最大値よりも大きくなる。なお、本実施例において、加速度が最大となるのは、それぞれの方向の移動が開始されたときである。
このように往復で移動開始加速度に差を設けることにより、封止ユニット20に付着するトナーが振り落とされるため、現像剤収容室26のトナーをより多く使用することができる。
(6)封止ユニット20の撹拌機能
次に、封止ユニット20の撹拌機能について、図1、図2、図6、図12、図13および図14を用いて述べる。図12は封止ユニット20が第一の開放位置に位置した状態における現像剤収容ユニット25の説明図である。図12(a)は現像剤収容ユニット25を長手方向で見た断面図である。図12(a)の矢印Gは、重力方向を示している。以降、矢印Gの方向を重力方向Gと呼ぶ。図12(b)は図12(a)の切断線RSで切断した現像剤収容ユニット25の断面図である。尚、説明の便宜上、一部の部品を省略している。図13は封止ユニット20が往復運動した時のトナーの動きを示した説明図である。図13(a)は長手方向で現像剤収容室26の一方にトナーが片寄った状態を示した図である。図13(b)は封止ユニット20が往復運動することによってトナーが移動する様子を示した図である。図13(c)は封止ユニット20が往復運動することによってトナーの片寄りが解消された様子を示した図である。
ここで、封止ユニット20が第二の開放位置から第一の開放位置に向けて回転する方向を、第一の方向と呼ぶ。封止ユニット20が第一の開放位置から第二の開放位置に向けて回転する方向を、第二の方向と呼ぶ。つまり、第二の方向は第一の方向の反対である。
図1(a)に示すように、軸部材20aにはリブ20f1(第一の搬送部)、リブ20f2(第二の搬送部)を含む搬送翼20fが設けられている。回転軸線gの方向に直交する方向で、搬送翼20fは、軸部材20aから突出している。回転軸線gの方向で見たとき、搬送翼20fは回転軸線gに対して封止部20bと反対側に位置している。また、リブ20f1、リブ20f2は、長手方向(回転軸線gの方向)において、それぞれ複数の位置に設けられている。本実施例において、リブ20f1、リブ20f2は軸部材20aと一体的に形成されている。また、搬送翼20fは、回転軸線gの方向に対して傾斜するように設けられている。
図12(b)に示すように、リブ20f1は、長手方向において、軸部材20aの中央部と軸部材20aの一端部の間に配置されている。リブ20f2は、長手方向において、軸部材20aの中央部と軸部材20aの他端部の間に配置されている。なお、軸部材20aの一端部には軸部20dが配置される。軸部材20aの他端部には軸部20cが配置される。
リブ20f1は、長手方向で軸部材20aの中央部の側に配置された第一の内側面20f11を有する。リブ20f1は、長手方向で軸部材20aの一端部の側に配置された第一の外側面20f12を有する。リブ20f1は回転軸線gの方向に対して傾斜している。リブ20f1は回転軸線gと直交する方向に対しても傾斜している。リブ20f1は回転軸線gの方向に対して第一の方向に傾斜している。
図12(b)に示すように、封止ユニット20が第一の開放位置に位置された状態において、第一の内側面20f11は、重力方向Gでリブ20f1の上側に位置する面である。第一の外側面20f12は、重力方向Gでリブ20f1の下側に位置する面である。このとき、重力方向Gおよび回転軸線gと直交する方向Fに見たときに、第一の内側面20f11は回転軸線gの方向に対して傾斜角α1だけ傾斜し、第一の外側面20f12は回転軸線gに対して傾斜角α2だけ傾斜している。本実施例では傾斜角α1と傾斜角α2は、共に45度である。
言い換えれば、第一の内側面20f11は、長手方向の内側を向いた面である。第一の外側面20f12は、長手方向の外側を向いた面である。
封止ユニット20(軸部材20a)が第一の方向(矢印C方向)に回転するとき、第一の内側面20f11は長手方向で軸部材20aの中央部に向けてトナーを搬送する。言い換えれば、封止ユニット20(軸部材20a)が第一の方向(矢印C方向)に回転するとき、第一の内側面20f11は長手方向で内側に向けてトナーを搬送する。このとき、第一の内側面20f11はトナーを持ち上げるように搬送する。このため、持ち上げられたトナーの下に隙間が生じ、かつトナーがほぐされ、トナーの流動性が増加する。
一方、封止ユニット20(軸部材20a)が第二の方向(矢印R方向)に回転するとき、第一の外側面20f12は長手方向で軸部材20aの一端部に向けてトナーを搬送する。言い換えれば、封止ユニット20(軸部材20a)が第二の方向(矢印R方向)に回転するとき、第一の外側面20f12は長手方向で外側に向けてトナーを搬送する。このとき、第一の外側面20f11はトナーを押し下げるように搬送する。
さらには、長手方向において現像剤収容室26の中央付近を境界にして、搬送翼20fの傾斜する方向が異なっている。つまり、長手方向において現像剤収容室26の中央を境界に、リブ20f1の反対側にリブ20f2が配置されている。本実施例では、長手方向で封止ユニット20の中心を通り、かつ回転軸線gに直交する面に対して、リブ20f1とリブ20f2とは対称形状(鏡像)である。
リブ20f2は、長手方向で軸部材20aの中央部の側に配置された第二の内側面20f21を有する。リブ20f2は、長手方向で軸部材20aの他端部の側に配置された第二の外側面20f22を有する。リブ20f2は回転軸線gの方向に対して傾斜している。リブ20f2は回転軸線gと直交する面に対しても傾斜している。リブ20f2は回転軸線gの方向に対して第二の方向に傾斜している。
図12(b)に示すように、封止ユニット20が第一の開放位置に配置された状態において、第二の内側面20f21は、重力方向Gでリブ20f2の上側に位置する面である。第二の外側面20f22は、重力方向Gでリブ20f2の下側に位置する面である。このとき、重力方向Gおよび回転軸線gと直交する方向Fから見たときに、リブ20f2はリブ20f1と反対の方向に傾斜している。
言い換えれば、第二の内側面20f21は、長手方向の内側を向いた面である。第二の外側面20f22は、長手方向の外側を向いた面である。
封止ユニット20(軸部材20a)が第一の方向(矢印C方向)に回転するとき、第二の内側面20f21は長手方向で軸部材20aの中央部に向けてトナーを搬送する。言い換えれば、封止ユニット20(軸部材20a)が第一の方向(矢印C方向)に回転するとき、第二の内側面20f21は長手方向で内側に向けてトナーを搬送する。このとき、第二の内側面20f21はトナーを持ち上げるように搬送する。このため、持ち上げられたトナーの下に隙間が生じ、かつトナーがほぐされ、トナーの流動性が増加する。
一方、封止ユニット20(軸部材20a)が第二の方向(矢印R方向)に回転するとき、第二の外側面20f22は長手方向で軸部材20aの他端部に向けてトナーを搬送する。言い換えれば、封止ユニット20(軸部材20a)が第二の方向(矢印R方向)に回転するとき、第二の外側面20f22は長手方向で外側に向けてトナーを搬送する。このとき、第二の外側面20f21はトナーを押し下げるように搬送する。
一方、封止ユニット20は第一の開放位置に位置された状態において、搬送翼20fの傾斜する方向が重力方向Gの上流側から下流側に向かうように傾斜する。また、封止ユニット20が第二の開放位置(図6(e))に位置された状態においても、第一の開放位置に配置された状態と同様に、搬送翼20fの傾斜する方向が重力方向Gの上流側から下流側に向かうように傾斜する。
また、長手方向において、リブ20f1が、隣接するリブ20f1と重ならないように、リブ20f1と、隣接するリブ20f1との間に隙間(間隔w)が形成されている。なお、リブ20f2と、隣接するリブ20f2との間にも同じ大きさの隙間が形成されている。
尚、複数の搬送翼20fの少なくとも一部が傾斜していればよいが、本実施例では、複数の搬送翼20fのすべてが傾斜している。
以下、封止ユニット20の撹拌動作に伴うトナーの動きについて説明する。
図2に示すように、現像剤収容ユニット25において、トナーが収容されている現像剤収容室26は、重力方向Gで現像ローラ13や現像剤供給ローラ26の上側に配置されている。また、現像剤収容室26の内部において、重力方向Gで封止ユニット20は開口17aの上側に配置されている。そして、封止ユニット20が閉鎖位置に配置された状態では、重力方向Gで封止部20bが搬送翼20fの下側に配置されて、封止部20bが開口17aを封止している。次に、封止ユニット20が閉鎖位置から矢印R方向に開封角θ1だけ回転した第一の開放位置に移動して、開口17aが開封する(図6(d)参照)。封止ユニット20が第一の開放位置と第二の開放位置との間にあれば、封止ユニット20と第一枠体17の底面との間に隙間d(図6(d))がある。このため、トナーは隙間dを通って開口17aに移動する。また、隣り合うリブ20f1同士、および隣り合うリブ20f2同士の間に間隔wがあるため、トナーは間隔wを通って開口17aに移動する。封止部20bと搬送翼20fとは、開口17aを挟んで反対側に位置している。このため、封止ユニット20が往復運動をすることで、封止部20bと搬送翼20fとが、交互に開口17aに向けて現像剤を搬送する。
ここで、図13(a)に示すように、長手方向で、現像剤収容室26の一方に片寄った状態になっているとする。この状態は、現像剤収容ユニット25が運搬されるときなどに起き得る。
封止ユニット20は、前述のように第一の開放位置と第二の開放位置とを往復運動するため、リブ20f1によりトナーに振動を与え、トナーをほぐす。その結果、トナーは、凝集した状態が崩れて重力方向Gの下流側に移動する。そして、図13(b)に示すように、一部のトナーは間隔wから開口17aに落下する。
封止ユニット20が第一の方向に回転するとき、一部のトナーは、搬送翼20fの第一の内側面20f11に沿って、矢印Hの方向に移動する。封止ユニット20が第二の方向に回転するとき、一部のトナーは、第一の外側面20f12によって、長手方向で外側に向かって搬送される。一方、回転軸線gに直交する方向で、搬送翼20fの先端は、枠体17から離れた位置に配置される。このため、搬送翼20fと枠体17の間には隙間がある。ここで、リブ20f1が届かない領域では、トナーは長手方向で外側に戻されず、封止ユニット20の下方の空間は、トナーで満たされる。
この動作を繰り返すことで、トナーは現像剤収容室26の長手方向の一端から中央(矢印E)に移動する。つまり、封止ユニット20の下方の空間は、長手方向の一端から中央に向かって、トナーで満たされていく。長手方向の中央を越えたトナーの一部は、リブ20f2の第二の内側面20f21によって中央に戻される。一方で、リブ20f2が届かない領域では、トナーは中央に戻されない。リブ20f1は、長手方向の他端に向けてトナーを搬送し続けるため、リブ20f2がある領域であっても、封止ユニット20の下方の空間には、トナーが蓄積される。また、一部のトナーは第二の外側面20f22によって、長手方向で他端に向かって搬送されていく。
最終的には図13(c)に示すように、現像剤収容室26内の長手方向で一方に片寄ったトナーを、長手方向で全域に亘って行き渡らせることができる。つまり、封止ユニット20が往復運動することにより、封止ユニット20(軸部材20a)の回転軸線gの方向(軸線方向)で、一方にトナーが片寄った状態を解消することができる。
加えて、封止ユニット20は、前述の駆動構成により、第二の開放位置から第一の開放位置に移動する方向(第一の方向)への移動開始加速度は、第一の開放位置から第二の開放位置に移動する方向(第二の方向)の移動開始加速度よりも大きくなっている。言い換えれば、封止ユニット20は、第二の開放位置から第一の開放位置に移動する方向(第一の方向)への加速度の最大値は、第一の開放位置から第二の開放位置に移動する方向(第二の方向)の加速度の最大値よりも大きい。これにより、第二の開放位置から第一の開放位置に移動する動作で、搬送翼20fの第一の内側面20f11に付着したトナーを舞い上げ、トナーを長手方向の一端から中央により素早く移動させることができる。
なお、長手方向で、現像剤収容室26の他方に片寄った状態になっている場合は、上述とは逆の方向でトナーが移動するが、説明は省略する。
以上説明した封止ユニット20の往復運動は、記録材に画像を形成する画像形成動作中も続けられる。
尚、トナーを長手方向に搬送し、長手方向の全域に亘って均一に馴らすためには、搬送翼20fの第一の外側面20f12の影響や、重力方向Gにおける搬送翼20fの回転軸線gよりも下側の形状の影響を鑑みて、搬送翼20fを設定する必要がある。例えば、図6(d)、(e)および図13(c)に示すように、重力方向Gにおける搬送翼20fの回転軸線gよりも下側の形状は、長手方向で見たときに、搬送翼20fの回転軸線gよりも上側の形状に対して小さくなるように設定する。言い換えれば、封止ユニット20が往復運動をする間、リブ20f1とリブ20f2は、回転軸線gを通る水平面の上側に位置する部分が、水平面の下側に位置する部分よりも大きくなるように、封止ユニット20は移動する。これにより、もしトナーの高さが回転軸線gよりも下に位置する場合、搬送翼20fが開口17aと封止ユニット20との間にあるトナーに接触しにくくなる。そのため、回転軸線gよりも下に位置するトナーが長手方向に移動するのを抑制することができる。つまり、トナーの片寄りを解消している間に、搬送する方向と逆方向に動くトナーの量を減らすことができる。
尚、封止ユニット20が回転軸線gまわりに往復運動して、長手方向一方に片寄ったトナーをほぐしてトナーを長手方向に搬送する目的であれば、傾斜角α1および傾斜角α2は適宜所定の角度に設定すればよい。例えば、傾斜角α1との傾斜角αとを異なる角度に設計してもよい。
なお、搬送翼20fの形状は、上述のものに限られない。例えば、図14(a)に示す封止ユニット120の搬送翼120fや、図14(b)に示す封止部材220の搬送翼220fを用いることもできる。この形状でも、回転軸線gに対して重力方向下側に傾斜した傾斜部を複数設けることにより、凝集したトナーを長手一端から中央へと搬送することができる。ただし、上述の搬送ユニット20の搬送翼20fの方が、効果的にトナーの片寄りを解消できる。
また、複数の搬送翼20fの一部が、前述した被押さえ部20e(図6(b))として機能するように構成してもよい。
以上説明したように、封止ユニット20は、回転軸線gまわりに第一の開放位置と第二の開放位置とを往復運動し、且つ、回転軸線gと重力方向に対して傾斜した複数のリブ部20fを有する。これにより、長手方向において、現像剤収容室26内の一方に片寄って凝集した状態のトナーを効率良くほぐし、効率良く現像剤収容室26の内部のトナーの片寄を解消することができる。従って、本実施形態の封止ユニット20を用いることで、長手方向の全域に亘って現像ローラ13や現像剤供給ローラ23に均一にトナーを供給することができる。したがって、出力した画像が局所的に薄くなるような現象が発生することを防止できる。或いは、長手方向の全域に亘って現像ローラ13や現像剤供給ローラ23に均一にトナーが供給されるまでに必要となる待機時間を短縮することができる。
また、上述したような圧縮される封止部20bを用いる封止ユニット20が一方向に回転し続けると、開口17aの閉塞および封止部20bの圧縮が繰り返される。また、押さえ部18aと封止ユニット20が干渉する場合もある。そうすると、封止ユニット20の回転負荷が増える。開口17aからのトナーの排出も妨げられる場合もある。これに対して、上述した構成では、封止ユニット20が往復運動することにより、これらの問題を防ぐことができる。
なお、本実施例で示した軸部材20aは、封止部20bを備えなくても、搬送部材として用いることができる。