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JP7141462B2 - 3次元垂直norフラッシュ薄膜トランジスタストリング - Google Patents

3次元垂直norフラッシュ薄膜トランジスタストリング Download PDF

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JP7141462B2
JP7141462B2 JP2020541723A JP2020541723A JP7141462B2 JP 7141462 B2 JP7141462 B2 JP 7141462B2 JP 2020541723 A JP2020541723 A JP 2020541723A JP 2020541723 A JP2020541723 A JP 2020541723A JP 7141462 B2 JP7141462 B2 JP 7141462B2
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Description

本発明は、高密度メモリ構造体に関する。特に、本発明は、相互接続された薄膜記憶素子によって形成された高密度メモリ構造体、例えば、水平ワード線を有する垂直ストリップに形成された薄膜ストレージトランジスタなどに関する。
本開示では、メモリ回路構造体について説明する。これらのメモリ回路構造体は、従来の製造プロセスを用いて、平坦な半導体基板(例えば、シリコンウェハ)上に製造することができる。説明の明確化のために、「垂直」という用語は、半導体基板の表面に対して垂直な方向を指し、「水平」という用語は、半導体基板の表面に対して平行な任意の方向を指すものとする。
例えば「3次元垂直NANDストリング」などの、様々な高密度不揮発性メモリ構造体が、従来技術で知られている。これらの高密度メモリ構造体の多くは、堆積させた薄膜(例えば、ポリシリコン薄膜)から形成された薄膜蓄積トランジスタを使用して作製され、「メモリストリング」のアレイとして構成される。メモリストリングの1つのタイプは、NANDメモリストリング、または単に「NANDストリング」と呼ばれる。NANDストリングは、直列接続された多数の薄膜メモリトランジスタ(「TFT」)から構成される。直列接続されたTFTのうちの或るTFTの内容を読み出すかまたはプログラムするためには、NANDストリング内の全ての直列接続されたTFTのアクティブ化を必要とする。薄膜NANDトランジスタは、単結晶シリコン内に形成されたNANDトランジスタよりも導電率が低いので、長いNANDストリングを介して導通させる必要がある低い読み出し電流では、読み出しアクセスが比較的遅くなる(すなわち、読み出しレイテンシが比較的長くなる)。
別のタイプの高密度メモリ構造体は、NORメモリストリング、または「NORストリング」と呼ばれる。NORストリングは、共有ソース領域及び共有ドレイン領域にそれぞれ接続された多数のストレージトランジスタを含む。このように、NORストリング内のトランジスタは互いに並列に接続されているので、NORストリング内の読み出し電流は、NANDストリングを通る読み出し電流よりもはるかに小さい抵抗で導通される。NORストリング内の或るメモリトランジスタを読み出すかまたはプログラムするためには、そのメモリトランジスタのみをアクティブ化する(すなわち、「オン」または導通状態にする)必要があり、NORストリング内の他の全てのメモリトランジスタは休止状態(すなわち、オフまたは非導通状態)に維持される。この結果、NORストリングにより、読み出すべきアクティブ化されたストレージトランジスタのより迅速な検出が可能になる。従来のNORトランジスタは、適切な電圧が制御ゲートに印加されたときに、電子が、ソース領域とドレイン領域との間の電圧差によってチャネル領域内で加速され、制御ゲートとチャネル領域との間の電荷トラップ層に注入されるチャネルホットエレクトロン注入技術によってプログラムされる。チャネルホットエレクトロン注入プログラムでは、チャネル領域を流れるために比較的大きな電子流を必要とするので、並列にプログラム可能なトランジスタの数が制限される。ホットエレクトロン注入によってプログラムされたトランジスタとは異なり、ファウラー・ノルドハイム・トンネリングまたは直接トンネリングによってプログラムされたトランジスタでは、電子は、制御ゲートとソース領域及びドレイン領域との間に印加される高電界によって、チャネル領域から電荷トラップ層に注入される。ファウラー・ノルドハイム・トンネリング及び直接トンネリングは、チャネルホットエレクトロン注入よりも桁違いに効率的であり、大規模並列プログラムを可能にするが、プログラム禁止状態の影響をより受けやすい。
3次元NORメモリアレイは、2011年3月11日に出願され、2014年1月14日に公開された、H.T Lueによる「3D NORアレイのメモリアーキテクチャ」なる標題の米国特許第8、630、114号明細書(特許文献1)に開示されている。
2015年9月21日に出願され、2016年3月24日に公開された、Haibing Pengによる「3次元不揮発性NOR型フラッシュメモリ」なる標題の米国特許出願公開第2016/0086970A1号明細書(特許文献2)には、個々のメモリセルが、半導体基板に対して平行な水平方向に沿って積層され、導通チャネルの片側または両側に配置される全ての電界効果トランジスタによって共有されるソース電極及びドレイン電極を有する、ベーシックNORメモリグループのアレイから構成される不揮発性NORフラッシュメモリデバイスが開示されている。
3次元NANDメモリ構造体は、例えば、2013年1月30日に出願され、2014年11月4日に公開された、Alsmeierらによる「コンパクトな3次元垂直NAND及びその製造方法」なる標題の米国特許第8、878、278号明細書(特許文献3)(Alsmeier)に開示されている。この特許文献3には、例えば、「テラビットセルアレイトランジスタ」(TCAT)NANDアレイ(図1A)、「パイプ形状のビットコストスケーラブルな(P-BiCS)フラッシュメモリ」(図1B)、及び「垂直NAND」メモリストリング構造などの様々なタイプの高密度NANDメモリ構造体が開示されている。同様に、2002年12月31日に出願され、2006年2月28日に公開された、Walkerらによる「直列接続されたトランジスタストリングを組み込んだプログラマブルメモリアレイ構造の製造方法」なる標題の米国特許第7、005、350号明細書(特許文献4)(Walker I)にも、様々な3次元高密度NANDメモリ構造体が開示されている。
2005年8月3日に出願され、2009年11月3日に公開された、Walkerによる「デュアルゲートデバイス及び方法」なる標題の米国特許第7、612、411号明細書(特許文献5)(Walker II)には、共有アクティブ領域が、その両側に形成された2つのNANDストリングにおける独立して制御される記憶素子を提供する「デュアルゲート」メモリ構造体が開示されている。
3次元NORメモリアレイは、2011年3月11日に出願され、2014年1月14日に公開された、H.T Lueによる「3D NORアレイのメモリアーキテクチャ」なる標題の米国特許第8、630、114号明細書(特許文献1)に開示されている。
垂直ポリシリコンゲートによって制御される水平NANDストリングを含む3次元メモリ構造体が、W.Kimらによる論文「テラビット密度ストレージのためのスタック限界を克服する多層垂直ゲートNANDフラッシュ」(2009年VLSIシンポジウム:技術論文のテクニカルダイジェスト、pp.188-189)(非特許文献1)(Kim)に開示されている。垂直ポリシリコンゲートを有する水平NANDストリングも含む、別の3次元メモリ構造体が、H.T.Liuらによる論文「接合フリー埋込チャネルBE-SONOSデバイスを使用した高スケーラブル8レイヤー3D垂直ゲート(VG)TFT NANDフラッシュ」(2010年VLSIシンポジウム:技術論文のテクニカルダイジェスト、pp.131-132)(非特許文献2)に開示されている。
図1Aは、従来技術による3次元垂直NANDストリング111及び112を示す。図1Bは、従来技術による3次元垂直NANDストリングの基本回路図140を示す。具体的には、図1Aの垂直NANDストリング111及び112、並びに、それらの回路図は、それぞれ、本質的に従来の水平NANDストリングであり、基板の表面に沿って32個以上のトランジスタを直列に接続するのではなく、基板に対して直交するように90度回転して配向されている。垂直NANDストリング111及び112は、基板から高層ビルのようにそびえ立つストリング形態の直列接続された薄膜トランジスタ(TFT)であり、各TFTは、記憶素子と、ワード線導体の隣接スタック内のワード線導体の1つによって提供される制御ゲートとを有する。図1Bに示すように、垂直NANDストリングの最も単純な実施形態では、TFT15及び16はそれぞれ、別個のワード線WL0及びWL31によって制御されるNANDストリング150の最初及び最後のメモリトランジスタである。信号BLSによってアクティブ化されるビット線選択トランジスタ11、及び、信号SSによってアクティブ化される接地選択トランジスタ12は、読み出し、プログラム、プログラム禁止、及び消去の各動作中に、垂直NANDストリング150内のアドレス指定されたTFTを、端子14において対応するグローバルビット線GBLに接続し、端子13においてグローバルソース線(GSL)に接地させる働きをする。任意の1つのTFT(例えば、TFT17)の内容の読み出しまたはプログラムのためには、垂直NANDストリング150内の32個の全てのTFTをアクティブ化して、各TFTを読み出し禁止及びプログラム禁止の状態にする必要がある。このような条件により、垂直NANDストリングに設けることができるTFTの数は、64個以下または128個以下に制限される。さらに、垂直NANDストリングが形成されるポリシリコン薄膜は、単結晶シリコン基板に形成される従来のNANDストリングよりもチャネル移動度が非常に低く、そのためより高い抵抗率を有し、その結果、従来のNANDストリングの読み出し電流に比べて読み出し電流が低くなる。
「垂直構造半導体メモリデバイス及びその製造方法」なる標題の米国特許出願公開第2011/0298013号明細書(特許文献6)(Hwang)には、3次元垂直NANDストリングが開示されている。この特許文献6の図4Dには、ラップアラウンドスタックワード線(図1Cの150として本明細書に再掲されている)によってアドレス指定される3次元垂直NANDストリングのブロックが図示されている(本明細書において、図1Cとして再掲する)。
1996年7月23日に出願され、1998年6月16日に公開された、Eitanによる「非対称電荷トラップを利用したメモリセル」なる標題の米国特許第5、768、192号明細書(特許文献7)には、本発明の一実施形態で使用されるタイプのNROM型メモリトランジスタ動作が開示されている。
2010年10月11日に出願され、2011年9月27日に公開された、Zvi Or-Bachらによる「非対称電荷トラップを利用したメモリセル」なる標題の米国特許第8、026、521号明細書(特許文献8)には、第1の層及び第2の層が水平に配向されたトランジスタを含む、層転写された単結晶シリコンの第1の層及び第2の層が開示されている。この構造では、水平方向に配向されたトランジスタの第2の層が、水平方向に配向されたトランジスタの第1の層を覆い、水平方向に配向されたトランジスタの各グループは側部ゲートを有する。この構造では、水平方向に配向されたトランジスタの第2の層は、水平に配向されたトランジスタの第1の層を覆い、水平方向に配向されたトランジスタの各グループは側部ゲートを有する。
従来の不揮発性メモリトランジスタ構造を有するが、データ保持時間が短いトランジスタは、「準揮発性(quasi-volatile)」と呼ぶことができる。これに関連して、従来の不揮発性メモリのデータ保持時間は、数十年を超える。単結晶シリコン基板上の平坦な準揮発性メモリトランジスタが、H.C. Wann及びC.Huによる論文「ダイナミックメモリ用途のためのモノデバイス構造における高耐久性極薄トンネル酸化物」(IEEE Electron Device letters, Vol. 16, No. 11, November 1995, pp 491-493)(非特許文献3)に開示されている。また、準揮発性メモリを有する準揮発性3-D NORアレイが、上述の米国特許第8、630、114号明細書(特許文献1)に開示されている。
T.Tanakaらによる論文「768Gb 3b/セル3DフローティングゲートNANDフラッシュメモリ」(the Digest of Technical Papers, the 2016 IEEE International Solid-State Circuits Conference, pp. 142-144)(非特許文献4)には、3次元NANDメモリアレイの真下にCMOS論理回路を配置することが開示されている。
米国特許第8、630、114号明細書 米国特許出願公開第2016/0086970号明細書 米国特許第8、878、278号明細書 米国特許第7、005、350号明細書 米国特許第7、612、411号明細書 米国特許出願公開第2011/0298013号明細書 米国特許第5、768、192号明細書 米国特許第8、026、521号明細書
W. Kim et al., "Multi-layered Vertical gate NAND Flash Overcoming Stacking Limit for Terabit Density Storage", 2009 Symposium on VLSI Tech. Dig. of Technical Papers, pp 188-189 H.T. Lue et al., "A Highly Scalable 8- Layer 3D Vertical-gate (VG) TFT NAND Flash Using Junction-Free Buried Channel BE-SONOS Device", 2010 Symposium on VLSI: Tech. Dig. Of Technical Papers, pp.131-13 H.C. Wann and C.Hu, "High-Endurance Ultra-Thin Tunnel Oxide in Monos Device Structure for Dynamic Memory Application", IEEE Electron Device letters, Vol. 16, No. 11, November 1995, pp 491-493 T. Tanaka et al., "A 768 Gb 3b/cell 3D-Floating-Gate NAND Flash Memory", Digest of Technical Papers, the 2016 IEEE International Solid-State Circuits Conference, pp. 142-144
本発明の一実施形態によれば、3次元垂直NORフラッシュメモリストリング(「マルチゲート垂直NORストリング」、または単に「垂直NORストリング」)と呼ばれる高密度メモリ構造体が提供される。垂直NORストリングは、並列に接続された複数の薄膜トランジスタ(「TFT」)を含み、TFTは、それぞれ略垂直方向に延在する共通ソース領域及び共通ドレイン領域を有する。加えて、垂直NORストリングは、それぞれ垂直NORストリングの各TFTを制御する複数の水平制御ゲートを含む。垂直NORストリングのTFTは並列に接続されるので、垂直NORストリングにおける読み出し電流は、TFTが同数のNANDストリングにおける読み出し電流よりもはるかに小さい抵抗で導通する。垂直NORストリング内のTFTのいずれか1つの読み出しまたはプログラムを行うためには、そのTFTのみをアクティブ化するだけでよく、垂直NORストリング内の他の全てのTFTは非導通のままでよい。その結果として、垂直NORストリングは、より高速なセンシングを可能にし、プログラムディスターブ状態または読み出しディスターブ状態を最小限に抑えながら、はるかに多くの(例えば、数百またはそれ以上)TFTを含むことができる。
一実施形態では、垂直NORストリングの共有ドレイン領域はグローバルビット線(「電圧Vbl」)に接続され、垂直NORストリングの共有ソース領域はグローバルソース線(「電圧Vss」)に接続される。あるいは、第2の実施形態では、共有ドレイン領域のみが供給電圧にバイアスされたグローバルビット線に接続され、共有ソース領域は、共有ソース領域内の電荷量によって決定される電圧にプリチャージされる。プリチャージを行うために、共有ソース領域の寄生容量Cをプリチャージする1以上の専用TFTを設けてもよい。
本発明の一実施形態によれば、マルチゲートNORフラッシュ薄膜トランジスタアレイ(「マルチゲートNORストリングアレイ」)は、シリコン基板の表面に対して垂直に延在する垂直NORストリングのアレイとして構成される。各マルチゲートNORストリングアレイは、第1の水平方向に沿って延びる各行をなすように配列された多数の垂直アクティブ列を含む。各アクティブ列は、第1の導電型に高濃度ドープされた2つの垂直ポリシリコン領域を有し、この2つの垂直ポリシリコン領域は、ドープされていないかまたは第2の導電型に低濃度ドープされた1以上の垂直ポリシリコン領域によって互いに絶縁される。高濃度ドープされた領域はそれぞれ、共有ソース領域または共有ドレイン領域を形成する。また、低濃度ドープされた領域はそれぞれ、第1の水平方向に対して直交して延在する1以上の水平導体のスタックと協働して、複数のチャネル領域を形成する。電荷トラップ材料は、アクティブ列内のTFTの少なくともチャネル領域を覆う記憶素子を形成する。各スタック内の水平導電線は、互いに電気的に絶縁されており、アクティブ列の記憶素子及びチャネル領域上に制御ゲートを形成する。このようにして、マルチゲートNORストリングアレイは、ストレージTFTの3次元アレイを形成する。
一実施形態では、サポート回路が半導体基板に形成され、サポート回路及び半導体基板の上方に形成された複数のマルチゲートNORストリングアレイをサポートする。サポート回路としては、アドレスエンコーダ、アドレスデコーダ、センスアンプ、入力/出力ドライバ、シフトレジスタ、ラッチ、基準セル、電源線、バイアス及び基準電圧発生器、インバータ、NAND、NOR、排他的論理和及び他の論理ゲート、他のメモリ素子、シーケンサ、並びに、状態機械などが挙げられる。マルチゲートNORストリングアレイは、各ブロックが複数のマルチゲートNORストリングアレイを有する複数ブロックの回路として構成することができる。
本発明の実施形態によれば、垂直NORストリング内のTFTの閾値電圧の変動は、同一または別のマルチゲート垂直NORストリングアレイ内に、1以上の電気的にプログラム可能な基準垂直NORストリングを設けることによって補償することができる。垂直NORストリングに固有のバックグラウンドリーク電流は、読み出し中のTFTの結果を、プログラム可能な基準垂直NORストリングで同時に読み出されるTFTの結果と比較することによって、読み出し動作中に実質的に無効化することができる。いくつかの実施形態では、垂直NORストリングの各TFTは、各制御ゲートとそれに対応するチャネル領域との間の容量結合を増大させ、それによって、プログラム中のチャネル領域から電荷トラップ材料(すなわち、記憶素子)へのトンネリングを増強させ、消去中の制御ゲートから電荷トラップ材料への電荷注入を減少させるように形成される。この好ましい容量結合は、垂直NORストリングの各TFTに1ビット以上記憶させるのに特に有用である。別の実施形態では、各TFTの電荷トラップ材料は、データ保持時間が短くなり記憶されたデータのリフレッシュが必要となるが、高い書き込み/消去サイクル耐久性を提供するようにその構造を改変してもよい。しかしながら、垂直NORストリングアレイに必要とされるリフレッシュは、従来のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)におけるリフレッシュよりも頻度がはるかに少なくなると予想されるので、本発明のマルチゲートNORストリングアレイは、いくつかのDRAMアプリケーションにおいても動作することができる。このような垂直NORストリングを使用することにより、従来のDRAMと比較して大幅に低いビット当たりコストのフィギュアオブメリット、及び、従来のNANDストリングアレイと比較して大幅に小さい読み出しレイテンシが可能になる。
別の実施形態では、垂直NORストリングは、NROM/ミラービットTFTストリングとして、プログラム、消去、及び読み出しを行うことができる。
TFTを、従来技術の垂直NANDストリングではなく、垂直NORストリングとして構成することにより、(i)ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)アレイのレイテンシに近づけることができる読み出しレイテンシの低減、(ii)長いNANDフラッシュストリングに関連する読み出しディスターブ状態及びプログラムディスターブ状態から受ける影響の低減、並びに、(iii)NANDフラッシュストリングと比較して、ビット当たりのコストの低減、という効果が得られる。
本発明の別の実施形態によれば、メモリ構造体内の各アクティブ列は、1以上の垂直NORストリングを含み、各NORストリングは、ローカルソース線及びローカルビット線を共有する薄膜ストレージトランジスタを有し、ローカルビット線は、セグメント化されたグローバルビット線の1つのセグメントによって、半導体基板に設けられたセンスアンプに接続される。読み出しセンスレイテンシを大幅に低減させるために、かなりの長い距離(例えば、チップの全長からその半分の長さまでの範囲)にわたって延びる単一のグローバルビット線ではなく、複数のより短いグローバルビット線セグメントが提供される。このような各グローバルセグメントは、1以上の隣接するローカルビット線を、グメントコネクタを介して、半導体基板に設けられたセグメントセンスアンプに接続する。ローカルソース線が仮想接地電圧(例えば、Vss)にプリチャージされる実施形態では、隣接するローカルソース線のグループを1つのローカルソース線セグメントに接続する短いグローバルソース線セグメントコネクタを設けることによって、仮想接地の寄生容量が大幅に増加する。セグメントに含まれるローカルソース線の数によって、合成寄生容量(C)が決定される。
本発明は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することにより、より良く理解できるであろう。
図1Aは、従来技術による3次元垂直NANDストリング111及び112を示す図である。 図1Bは、従来技術による3次元垂直NANDストリングの基本回路図140を示す図である。 図1Cは、ラップアラウンドスタックワード線150によってアドレス指定される3次元垂直NANDストリングのブロックの3次元構造を示す図である。 図2は、概念化されたメモリ構造体100を示す図であり、本発明の一実施形態による、垂直NORストリングの形態で設けられたメモリセルの3次元構造を示す。各垂直NORストリングは、多数の水平ワード線のうちの1つによって制御されるメモリセルを有する。 図3Aは、本発明の一実施形態による、アクティブ列に形成された垂直NORストリング300のZ-Y平面の基本回路図である。垂直NORストリング300は、不揮発性ストレージTFTの3次元アレイ(配列)を表し、各TFTは、ローカルソース線(LSL)355及びローカルビット線(LBL)354を共有し、グローバルビット線(GBL)314及びグローバルソース線(GSL)313によってそれぞれアクセスされる。 図3Bは、本発明の一実施形態による、アクティブ列に形成された垂直NORストリング305のZ-Y平面の基本回路図である。垂直NORストリング305は、不揮発性ストレージTFTの3次元アレイ(配列)を表し、寄生キャパシタCを有する共有ローカルソース線355を所定の電圧(「Vss」)に設定するための専用プリチャージTFT370を含む。 図3Cは、1以上のプログラムされた閾値電圧を有し、寄生キャパシタ360に接続された動的不揮発性ストレージトランジスタ317の基本回路図である。キャパシタ360は、ソース端子(ソース線)355が仮想電圧Vssを一時的に保持するようにプリチャージされ、これにより、制御ゲート323pの電圧が閾値電圧を超えた電圧まで上昇したときに、電圧Vssの放電によってトランジスタ317の閾値電圧を動的に検出することが可能になる。 図3Dは、図3Aの実施形態における垂直NORメモリアレイ回路アーキテクチャの変形例を示す。この変形例では、グローバルビット線(GBL)314は、ビット線セグメントMSBL、MSBL、・・・に置き換えられ、各々は、複数の隣接するローカル垂直ビット線374-1、374-2、・・・を接続する。セグメントは、次に、セグメント選択薄膜トランジスタ586-1、・・・、586Nを介して、領域ビット線セグメントSGBL、SGBL、・・・に接続される。領域ビット線セグメントはそれぞれ、複数のビット線セグメントに関連付けられ、誘電体(絶縁層)393によって、それらの下方のシリコン基板310に設けられたセンスアンプ及び他の回路から絶縁される。 図3Eは、図3Dの実施形態の回路アーキテクチャの変形例を示す。この変形例では、グローバルソース選択線313は、ソース選択トランジスタSLS1を介して、ソース線セグメントMSSLに関連する隣接する垂直ローカルソース線375-1、375-2、・・・のグループにアクセスする。 図3Fは、図3Eの実施形態の回路アーキテクチャの変形例を示す。この変形例では、グローバルソース線313は、除去され、垂直ローカルソース線375-1、375-2、・・・を接続するローカルソース線セグメントMSSLに置き換えられる。垂直ローカルソース線375-1、375-2、・・・は、プリチャージトランジスタ(例えば、プリチャージトランジスタ370)を介して、仮想接地電圧VSSにチャージされ保持される。 図3Gは、図3Fの実施形態の回路アーキテクチャの変形例を示す。この変形例では、ローカルビット線セグメントSGBL、SGBL、・・・は、ビット線セグメントMSBL、MSBL、・・・と結合され、ビア322を介して、基板に設けられたセグメント選択トランジスタ315-1、315-2・・・に接続される(これにより、図3Dのセグメント選択薄膜トランジスタ586-1、586-2、・・・に取って代わる)。 図3Hは、図3Gの実施形態の回路アーキテクチャの変形例を示す。この変形例では、互いに隣接する2つのビット線セグメントMSBL、MSBLは、2つのビット線セグメント間のBL0という符号が付された空間に形成された専用の垂直アクティブ列381を介して基板310と接続された、それらのローカルソース線セグメントMSSL、MSSLを有する。 図3I及び3I-1(3I及び3I-1へのキー)は、図3Hの実施形態の上部X-Y平面図を示し、ソースセグメントMSSL内の各垂直ローカルソース線は、アクティブ列381を介して供給される電圧VSSまたはVblに保持される。 図3I及び3I-1(3I及び3I-1へのキー)は、図3Hの実施形態の上部X-Y平面図を示し、ソースセグメントMSSL内の各垂直ローカルソース線は、アクティブ列381を介して供給される電圧VSSまたはVblに保持される。 図4Aは、本発明の一実施形態による、Z-Y平面の断面図であり、各々が図3Aまたは図3Bのいずれかに示した基本回路図を有する垂直NORストリングを形成することができる、互いに並列に配置されたアクティブ列431及びアクティブ列432を示す。 図4A-1は、図4Aの垂直NORストリングの上面図であり、垂直ローカルソース線またはドレイン線の導電性を増強するべく、ローカルソース線またはドレイン線のピラーのコアは金属材料420(M)を含有している。 図4Bは、本発明の一実施形態による、Z-X平面の断面図であり、アクティブ列430R、430L、431R及び431L、電荷トラップ層432及び434、並びに、ワード線スタック423p-L及び423p-Rを示す。 図4Cは、本発明の一実施形態による、垂直NORストリング対491及び492のZ-X平面における基本回路図である。 図5Aは、本発明の一実施形態による、Z-Y平面の断面図であり、アクティブ列531の垂直NORストリングと、グローバルビット線514-1(GBL)、グローバルソース線507(GSL)、及び共通ボディバイアスソース506(Vbb)との間の接続を示す。 図5Bは、本発明の一実施形態による、Z-Y平面の断面図であり、例えばP+ポリシリコンから誘電体層592内に形成された導電性ピラー591を介した、本体領域556(P-チャネル材料を提供する)と、アクティブ列581の上方に設けられ、ワード線に対して平行に延在する導体590との間の接続を示す。導体590は、基板505内の電圧源594から、誘電絶縁体509を貫通して形成された開口部内に設けられたビア593を介して、ボディバイアス電圧Vbbを受け取る。 図6Aは、本発明の一実施形態による、X-Y平面の断面図であり、図4Cに関連して説明したように、垂直NORストリング451aのTFT685(T)、及び垂直NORストリング対491の垂直NORストリング451bのTFT684(T)を示す。図6Aでは、グローバルビット線614-1は、ローカルビット線LBL-1に対して一つおきにアクセスし、トランジスタチャネル領域656Lの所定の湾曲部675によって、プログラム中の各制御ゲートと対応するチャネルとの間の容量結合が増幅される。 図6Bは、本発明の一実施形態による、X-Y平面の断面図であり、図4Cに関連して説明したように、垂直NORストリング対491の垂直NORストリング451bのTFT684(T)、及びアクティブ領域を共有する垂直NORストリング451aのTFT685(T)を示す。図6Bでは、グローバルビット線614-1は、ローカルビット線654(LBL-1)に対して一つおき(奇数番目)にアクセスし、グローバルビット線614-2は、ローカルビット線657-2(LBL-2)に対して一つおき(偶数番目)にアドレス指定し、ローカルソース線LSL-1及びLSL-2は、仮想電源電圧Vssを供給するためにプリチャージされる。 図6Cは、本発明の一実施形態による、X-Y平面の断面図であり、各々がワード線群を含む専用ワード線スタック623pと、(ピラーすなわち柱状部である)ローカル垂直ピラービット線654(Z方向に沿って延びる)及びローカル垂直ピラーソース線655(Z方向に沿って延びる)とを示す。専用ワード線スタック623pのワード線群の各ワード線は、垂直NORストリングのTFTを包み込む(「ラップアラウンド」する)ように延在し、ローカル垂直ピラービット線654及びローカル垂直ピラーソース線655はそれぞれ、グローバル水平ビット線614及びグローバル水平ソース線615によってアクセスされる。図6Cでは、互いに隣接するワード線スタック623pは、エアギャップ610または別の誘電絶縁体によって、互いに絶縁される。 図6Dは、本発明の一実施形態による、X-Y平面の断面図であり、垂直NORストリングが千鳥状に最密充填された形態を示す。垂直NORストリングは、図6Cに示した場合と同様に、ワード線スタック623pを共有し、プリチャージされた寄生キャパシタ660の各々が、プリチャージされた仮想供給電圧Vssを供給する。 図6Eは、図6Bに示した実施形態のレイアウトを使用して、アクティブ列の隣接する行におけるボディ領域656(L+R)間で共有されるボディバイアス電圧Vbb(例えば、導体690-1及び690-2を介して)を提供することを示すX-Y平面図である。 図6Fは、本発明のビット線セグメンテーションスキームに関連する、或る平面(すなわち、或る階段ステップ)上のローカルワード線を接続するためのグローバルワード線の一実施形態を示す。 図6Gは、本発明の一実施形態による、垂直NORストリングメモリアレイの一実施形態を示し、この実施形態では、ストレージトランジスタの層数が垂直方向に2倍になったときに、ワード線階段状ステップによって占有されるシリコン面積が2倍になることを回避することができる。 図7Aは、本発明の一実施形態による、マルチゲートNORストリングアレイの製造プロセスにおいて作製される中間構造体の断面図である。 図7Bは、本発明の一実施形態による、マルチゲートNORストリングアレイの製造プロセスにおいて作製される中間構造体の断面図である。 図7Cは、本発明の一実施形態による、マルチゲートNORストリングアレイの製造プロセスにおいて作製される中間構造体の断面図である。 図7Dは、本発明の一実施形態による、マルチゲートNORストリングアレイの製造プロセスにおいて作製される中間構造体の断面図である。 図7D-1は、X-Y平面の断面図であり、ローカルソース線またはローカルビット線の垂直ピラーのコアに導電性材料720(M)が含有されることを示す。 図8Aは、垂直NORストリングのローカルソース線(LSL)がハードワイヤードされた実施形態における読み出し動作の概略図である。図8Aにおいて、「WL」は選択されたワード線上の電圧を表し、垂直NORストリング内の全ての選択されていないワード線(「WLNS」)は、読み出し動作中は0Vに設定される。 図8Bは、ローカルソース線がプリチャージ仮想電圧Vssでフロート状態になる実施形態における読み出し動作の概略図である。図8Bにおいて、「WLCHG」は、プリチャージされたトランジスタ(例えば、図3Cのプリチャージされたトランジスタ317または370)上のゲート電圧を表す。
図2は、概念化されたメモリ構造体100を示す図であって、垂直NORストリングの形態で設けられたメモリセル(または記憶素子)の3次元構造を示す。本発明の一実施形態によれば、概念化されたこのメモリ構造体100では、各垂直NORストリングは、対応する水平ワード線によってそれぞれ制御されるメモリセルを含む。概念化されたメモリ構造体100では、各メモリセルは、「垂直に」、すなわち、基板層101の表面に対して直交する方向に沿って設けられた堆積薄膜内に形成される。基板層101は、例えば、当業者によく知られている、集積回路を製造するために使用される従来のシリコンウェハであり得る。この詳細な説明では、説明を容易にすることのみを目的として、(図2に示すような)デカルト座標系が採用される。この座標系の下では、基板層101の表面は、X-Y平面に対して平行な平面と見なされる。したがって、本明細書で使用するとき、「水平」という用語は、X-Y平面に対して平行な任意の方向を指し、一方、「垂直」という用語は、Z方向を指す。
図2において、Z方向の各垂直アクティブ列は、垂直NORストリング(例えば、垂直NORストリング121)の記憶素子またはTFTを表す。垂直NORストリングは、X方向に沿ってそれぞれ延びる複数の行をなすように規則的に配列されている(当然ながら、この配列は、Y方向に沿ってそれぞれ延びる行をなす配列として見ることもできる)。垂直NORストリングの記憶素子は、垂直ローカルソース線及び垂直ローカルビット線(図示せず)を共有する。水平ワード線のスタック(例えば、WL123)は、Y方向に沿って延びており、各ワード線は、Y方向に沿ってワード線に隣接して位置する垂直NORストリングの対応するTFTの制御ゲートとして機能する。グローバルソース線(例えば、GSL122)及びグローバルビット線(例えば、GBL124)は、一般に、概念化されたメモリ構造体100の底部の下方または頂部の上方のいずれかを通るX方向に沿って設けられる。代替的に、信号線GSL122及びGBL124は両方とも、概念化されたメモリ構造体100の下方、またはその頂部の上方に配線してもよく、この場合、これら各信号線は、アクセストランジスタ(図示せず)によって、個々の垂直NORストリングのローカルソース線及びローカルビット線に選択的に接続してもよい。従来技術の垂直NANDストリングとは異なり、本発明の垂直NORストリングでは、その記憶素子のいずれか1つに対しする書き込みまたは読み出しは、垂直NORストリング内の他の記憶素子のアクティブ化を伴わない。図2に示すように、説明のみを目的とした例示として、概念化されたメモリブロック(メモリ構造体)100は、垂直NORストリングの4×5配列からなるマルチゲート垂直NORストリングアレイであり、各NORストリングは、通常、32個以上の記憶素子及びアクセス選択トランジスタを有する。概念化された構造体として、メモリブロック(メモリ構造体)100は、単に、本発明のメモリ構造体の或る顕著な特徴を抽象化したものに過ぎない。図2には、各垂直NORストリングが複数の記憶素子を有する垂直NORストリングの4×5配列として示されているが、本発明のメモリ構造体は、X方向及びY方向のいずれかに沿った各行に任意の数の垂直NORストリングを有してもよく、各垂直NORストリングは、任意の数の記憶素子を有してもよい。例として、各NORストリングが、例えば、2、4、8、16、32、64、128またはそれ以上の個数の記憶素子を有する数千の垂直NORストリングを、X方向及びY方向の両方に沿って行をなすように配列してもよい。
図2の各垂直NORストリング(例えば、垂直NORストリング121)の記憶素子の数は、垂直NORストリング制御ゲートを提供するワード線(例えば、WL123)の数に対応する。ワード線は、Y方向に沿ってそれぞれ延びる細長い金属ストリップとして形成される。ワード線は、互いに積み重ねられ、それらの間の誘電体絶縁層によって互いに電気的に絶縁される。各スタック内のワード線の数は、任意の数であってよいが、2の整数乗(すなわち、2のn乗(nは整数))であることが好ましい。ワード線の数に対する2のべき乗の選択は、従来のメモリ設計における慣例に従う。バイナリアドレスをデコードすることによって、アドレス指定可能な各メモリユニットにアクセスすることが慣例である。この慣例的は好みの問題であり、従う必要はない。例えば、本発明の範囲内で、概念化されたメモリ構造体100は、X方向及びY方向の各行に沿って、必ずしも2のn乗(nは任意の整数)ではない数のM個の垂直NORストリングを有することができる。以下に説明するいくつかの実施形態では、2つの垂直NORストリングが垂直ローカルソース線及び垂直ローカルビット線を共有することができるが、2つの垂直NORストリングのそれぞれの記憶要素は、2つの別個のワード線スタックによって制御される。これにより、垂直NORストリングの記憶密度は、実質的に2倍になる。
図2の概念化されたメモリ構造体100は、単にメモリセルの構成を説明するためにのみ提供されているので、X方向、Y方向、及びZ方向のいずれにおいても特定のスケールで描かれてはいない。
図3Aは、アクティブ列に形成された垂直NORストリング300のZ-Y平面における基本回路図である。垂直NORストリング300は、不揮発性ストレージTFTの3次元アレイを表し、本発明の一実施形態によれば、各TFTは、ローカルソース線355及びローカルビット線354を共有する。この詳細な説明では、「アクティブ領域」、「アクティブ列」、または「アクティブストリップ」という用語は、アクティブデバイス(例えば、トランジスタまたはダイオード)がその上に形成され得る1以上の半導体材料の領域、列、またはストリップを指す。図3Aに示すように、垂直NORストリング300は、Z方向に沿って延びており、かつ、垂直ローカルソース線355と垂直ローカルドレインすなわちビット線354との間に並列に接続されたTFT316及びTFT317を有している。ビット線354及びソース線355は互いに対して離間しており、それらの間の領域(すなわち、ボディ領域356)は、垂直NORストリング内のTFTに対するチャネル領域を提供する。記憶素子は、チャネル領域356と各水平ワード線323pとの交差部に形成される。ここで、pは、ワード線スタック内のワード線のインデックスである。この例では、pは、0~31の範囲の任意の値を取り得る。ワード線は、Y方向に沿って延びている。ローカルビット線354は、ビット線アクセス選択トランジスタ311を介して、水平グローバルビット線(GBL)314に接続されている。水平グローバルビット線(GBL)314は、X方向に沿って延びており、ローカルビット線354をアクセスビット線供給電圧Vb1に接続する。ローカルソース線355は、水平グローバルソース線(GSL)313を介して、ソース電源電圧Vssに接続されている。ローカルソース線355とGSL313との間を接続するために、任意選択でソース選択トランジスタ(図3Aでは図示せず)を設けてもよい。任意選択のソース選択トランジスタは、当業者に知られているように、基板(例えば、図2の半導体基板101)に、または基板の上方かつメモリ構造体100の下方に実装可能なソースデコード回路によって制御してもよい。アクティブ列のボディ領域356は、端子331で、基板バイアス電圧Vbbに接続してもよい。基板バイアス電圧Vbbは、例えば、消去動作中に使用することができる。Vbb供給電圧は、マルチゲート垂直NORストリングアレイの全体に印加してもよいし、または、デコード機構を介して垂直NORストリングの1以上の行に対して選択的に印加してもよい。電源電圧Vbbをボディ領域356に接続する線は、ワード線の方向に沿って延びることが好ましい。
図3Bは、アクティブ列に形成された垂直NORストリング305のZ-Y平面における基本回路図である。垂直NORストリング305は、不揮発性ストレージTFTの3次元アレイを表し、本発明の一実施形態によれば、寄生キャパシタC(キャパシタ360によって表される)を有する共有ローカルソース線355上に、所定の電圧(「Vss」)を瞬間的に設定するための専用のプリチャージTFT370を(任意選択で)含む。図3Aの垂直NORストリング300とは異なり、図3Bの垂直NORストリング305はGSL313を実装しておらず、その代わりに、Vssボルトの電圧を一時的に保持する寄生キャパシタ360をプリチャージするプリチャージトランジスタ370を有している。このプリチャージスキーム下では、グローバルソース線(例えば、図3Aのグローバルソース線313)及びそのデコード回路は不要となり、これにより、製造プロセス及び回路レイアウトの両方を単純化し、各垂直NORストリングに対して非常に狭いフットプリントを提供することができる。図3Cは、その通常の記憶機能に加えて、専用のプリチャージトランジスタ370のプリチャージ機能を実行するためにも使用することができる不揮発性ストレージTFT317の構造を強調して示す。TFT317に対する動的な読み出し動作については、TFT317の記憶素子334にプログラムされるいくつかの閾値電圧のうちの正しいものを感知することと関連して後述する。
図4Aは、本発明の一実施形態による、各々が図3Aまたは図3Bのいずれかに示した基本回路図を有する垂直NORストリングを形成することができる、互いに並列に配置されたアクティブ列431及びアクティブ列432を示すZ-Y平面の断面図である。図4Aに示すように、アクティブ列431及びアクティブ列432はそれぞれ、低濃度P-ドープまたは非ドープのチャネル領域456によって互いに絶縁された、垂直N+ドープされたローカルソース領域455、及び垂直N+ドープされたローカルドレインまたはビット線領域454を含む。P-ドープされたチャネル領域456、N+ドープされたローカルソース領域455、及びN+ドープされたローカルドレインまたはビット線領域454は、ボディバイアス電圧Vbb、ソース電源電圧Vss、及びビット線電圧Vblにそれぞれバイアスされる。本発明のいくつかの実施形態によれば、例えばアクティブストリップが十分に薄い(例えば、10nm以下)場合などには、ボディバイアス電圧Vbbの使用は任意選択である。十分に薄いアクティブストリップの場合、電圧Vbbが垂直NORストリングに沿ってTFTのチャネル領域に固体供給電圧を供給しないように、アクティブ領域は制御ゲート上の適切な電圧下で容易に完全に空乏化される。アクティブ列431及びアクティブ列432を電気的に絶縁する絶縁領域436は、誘電体絶縁材またはエアギャップのいずれかであり得る。WL-WL31(及び任意選択でWLCHG)という符合がそれぞれ付されたワード線423pの垂直スタックは、アクティブ列431及びアクティブ列432に形成された垂直NORストリング内のTFTに制御ゲートを提供する。ワード線スタック423pは一般的に、酸化シリコン(例えば、SiO)またはエアギャップで形成された誘電体層426によって互いに電気的に絶縁された、Y方向に沿って延びる細長い金属導体(例えば、タングステン、シリサイド、またはシリサイド)として形成される。不揮発性記憶素子が、ワード線423pとP-ドープされたチャネル領域456との間に電荷トラップ材料(図示せず)を設けることによって、各ワード線423pと各P-ドープチャネル領域456との交差部に形成され得る。例えば、図4Aでは、破線のボックス416が、不揮発性記憶素子(またはストレージトランジスタ)T~T31が形成され得る場所を示している。破線のボックス470は、専用のプリチャージトランジスタが形成され得る場所を示している。この専用のプリチャージトランジスタは、瞬時にスイッチオンされると、全てのトランジスタT~T31がオフ状態にある場合に、共通ローカルビット線領域454から共通ローカルソース線領域455に電荷を転送することを可能にする。
図4Bは、本発明の一実施形態による、アクティブ列430R、430L、431R及び431L、電荷トラップ層432及び434、並びに、ワード線スタック423p-L及び423p-Rを示すZ-X平面の断面図である。図4Aと同様に、図4Bの垂直ワード線スタック423p-L及び423p-Rの各々は、細い導体のスタックを示す。ここで、pは、スタック内のワード線(例えば、ワード線WL~WL31)をラベル付けするインデックスである。図4Bに示すように、各ワード線は、(領域490内の)ワード線の両側の隣接するアクティブ列430L及び431R上に形成された垂直NORストリングの不揮発性TFTの制御ゲートとして機能する。例えば、図4Bでは、ワード線スタック423p-R内のワード線WL31は、アクティブ列430L上のトランジスタ416L、及びアクティブ列431R上のトランジスタ416Rの両方の制御ゲートとして機能する。隣接するワード線スタック(例えば、ワード線スタック423p-L及び423p-R)は、後述するように、連続するワード線層をエッチングして形成されるトレンチの幅である距離495だけ離間している。その後、アクティブ列430R及び430L、並びに、それらのそれぞれの電荷トラップ層432及び434が、ワード線層を介してエッチングされたトレンチの内側に形成される。電荷トラップ層434は、ワード線スタック423p-Rと、垂直アクティブ列431R及び430Lとの間に設けられる。以下で詳述するように、トランジスタ416Rのプログラム中、電荷トラップ層434に注入された電荷は、破線のボックス480内の電荷トラップ層434の部分にトラップされる。トラップされた電荷は、TFT416Rの閾値電圧を変化させる。このことは、アクティブ列431R上のローカルソース領域455とローカルドレイン領域454との間に流れる読み出し電流を測定することによって検出することができる(これらの領域は、例えば、図4Aのアクティブ列の直交断面で示される)。いくつかの実施形態では、プリチャージワード線478(すなわち、WLCHG)が、ローカルソース線455(図3Bのキャパシタ360及び図4Aのローカルソース線455を参照)の寄生キャパシタCを、接地またはソース電源電圧Vssに充電するために使用されるプリチャージTFT470の制御ゲートとして設けられる。便宜上、電荷トラップ層434は、プリチャージトランジスタ470にも記憶素子を提供するが、それ自体はメモリトランジスタとして使用されない。代わりに、アクティブ列431Rに形成されたメモリトランジスタT~T31のいずれかを使用して、プリチャージが実行され得る。これらのメモリトランジスタのうちの1以上は、それらの記憶機能に加えて、プリチャージトランジスタの機能を実行することができる。プリチャージを実行するために、ワード線または制御ゲート上の電圧は、プログラム可能な最高閾値電圧よりも数ボルト高い電圧まで一時的に上昇し、これにより、ローカルビット線454に印加された電圧Vssをローカルソース線455に転送することが可能になる(図4A)。メモリトランジスタT~T31にプリチャージ機能を実行させることにより、専用プリチャージTFT470を個別に設ける必要がなくなる。しかしながら、メモリTFTがそれのプリチャージ機能を実行しているときに、そのメモリTFTの閾値電圧を過度に妨害しないように注意する必要がある。
アクティブ列430R及び430Lは、図4Bでは、エアギャップまたは誘電体絶縁433によって互いに絶縁された2つの別個のアクティブ列として示されているが、隣接する垂直N+ローカルソース線は、単一の共有垂直ローカルソース線によって実現してもよい。同様に、垂直N+ローカルドレインまたはビット線も、単一の共有垂直ローカルビット線によって実現してもよい。このような構成により、「垂直NORストリング対」が提供される。この構成では、アクティブ列430L及び430Rは、1つのアクティブ列内の2つの枝(ブランチ)(したがって、「ペア」)と見なすことができる。垂直NORストリング対は、アクティブ列430R及び430Lと、両側のワード線スタック423p-L及び423p-Rとの間に介在された電荷トラップ層432及び434を介して、倍密度記憶を提供する。実際、アクティブ列430R及び430Lは、エアギャップまたは誘電体絶縁材433を除去することによって1つのアクティブストリングに統合することができるが、それでもなお、単一のアクティブ列の互いに対向する面に形成されたNOR TFTストリングの対(ペア)が提供される。このような構成により、アクティブ列の互いに対向する面に形成されたTFTは、別個のワード線スタックによって制御され、かつ、別個の電荷トラップ層434及び432から形成されるので、同様の倍密度記憶が達成される。別個の薄いアクティブ列430R及び430Lを維持する(すなわち、それらを1つのアクティブ列に統合する代わりに)ことは有利である。その理由は、各アクティブ列のTFTは統合された列よりも薄いので、適切な制御ゲート電圧条件下でより容易に完全に空乏化することができ、それにより、アクティブ列(図4A)の垂直ソース領域455と垂直ドレイン領域454との間のソース-ドレイン副閾値リーク電流を大幅に低減させるからである。非常に長い垂直NORストリング(例えば、128TFT以上)であっても、超薄型(そのため、高抵抗性)アクティブ列を有することが可能である。その理由は、ストリング内のTFTが直列に接続されているため、ストリング内のいずれかのTFTをセンスするために全てのTFTをスイッチオンする必要があるNAND型TFTストリングの高抵抗とは対照的に、垂直NORストリングのTFTが並列接続されており、どの時点においても、多数のTFTのうちの1つだけをスイッチオンできるからである。例えば、32-TFT垂直NORストリングでは、トランジスタT30(図4A)を読み出すためには、チャネル領域456のチャネル長はわずか20nmでよい。NANDストリングの対応するチャネル長は、この32倍、すなわち640nmである。
図4Cは、本発明の一実施形態による、垂直NORストリング対491及び492のZ-X平面における基本回路図である。図4Cに示すように、垂直NORストリング451b及び452aは、図4Bのアクティブストリップ430L及び431Rの垂直NORストリングについて示した態様で、共通ワード線スタック423p-Rを共有する。垂直NORストリング対491及び492における、それぞれの共通に接続されたローカルビット線は、アクセス選択トランジスタ411を介してグローバルビット線414-1(GBL)、及び、アクセス選択トランジスタ414を介してグローバルビット線414-2(GBL)によってそれぞれサーブされる。垂直NORストリング対491及び492における、それぞれの共通に接続されたローカルソース線は、グローバルソース線413-1(GSL)及びグローバルソース線413-2(GSL)によってそれぞれサーブされる(図4Cには図示しないが、ソース線選択用のアクセス選択トランジスタも同様に設けることができる)。図4Cに示すように、垂直NORストリング対491は、ローカルソース線455、ローカルビット線454、及び任意選択のボディ接続部456を共有する垂直NORストリング451a及び451bを含む。したがって、垂直NORストリング対491は、図4Bのアクティブ列430R及び430L上に形成された垂直NORストリングを表す。ワード線スタック423p-L及び423p-R(この例では、31≧p≧0)は、それぞれ、垂直NORストリング451a及び垂直NORストリング451bの制御ゲートを提供する。スタック内のゲートを制御するワード線は、アドレス指定されたTFT(すなわち、アクティブ化されたワード線)及びアドレスされていないTFT(すなわち、ストリング内の他の全ての非アクティブ化ワード線)に適切な電圧が印加されることを確実にするために、基板に形成されたデコード回路によってデコードされる。図4Cは、図4Bのアクティブ列430L及び431R上のストレージトランジスタ416L及び416Rには、同一のワード線スタック423p-Rがどのようにサーブされるかを示す。したがって、垂直NORストリング対491の垂直NORストリング451b及び垂直ストリング対492の垂直NORストリング452aは、図4Bのアクティブ列430L及び431R上に形成された隣接する垂直NORストリングに対応する。垂直NORストリング451aのストレージトランジスタ(例えば、ストレージトランジスタ415R)は、ワード線スタック423p-Lによってサーブされる。
別の実施形態では、図4Cのハードワイヤードグローバルソース線413-1、413-2は除去され、垂直NORストリング451a及び451bの両方に共通する共有N+ローカルソース線455と、それに関連する多数のワード線423p-L及び423p-Rとの間の寄生キャパシタ(例えば、図4Cのキャパシタ460または図3Cのキャパシタ360によって表される寄生キャパシタ)によって置換される。32個のTFTの垂直スタックでは、32本のワード線の各々は、それらの寄生キャパシタに起因して総寄生キャパシタCを提供し、それにより、プリチャージTFT470によって供給される電圧を一時的に保持して、比較的短い読み出しまたはプログラム動作期間中に仮想ソース源電圧Vssを提供するのに十分な大きさとなるようにする。この実施形態では、寄生キャパシタCに一時的に保持される仮想電源電圧は、グローバルビット線GBLから、アクセス選択トランジスタ411及びプリチャージトランジスタ470を介してローカルソース線455に供給される。代替的に、垂直NORストリング内のメモリTFTのうちの1以上が、それらの記憶機能に加えて、そのワード線電圧をそのプログラムされた最高電圧よりも瞬間的に高くすることによってローカルソース線455をプリチャージするために使用される場合は、専用のプリチャージトランジスタ470は省略することができる。しかしながら、ストレージTFTをこの目的のために使用する場合、ストレージTFTの過剰プログラムを避けるために注意する必要がある。仮想Vss電圧を使用することにより、ハードワイヤードグローバルソース線(例えば、GLS、GLS)及びそれらに関連するデコード回路及びアクセストランジスタを除去するという重要な利点が提供される。これにより、プロセスフロー及び設計上の課題が大幅に単純化され、その結果、大幅にコンパクト化された垂直NORストリングが実現される。
図5Aは、本発明の一実施形態による、アクティブ列531の垂直NORストリングと、グローバルNOR型ビット線514-1(GBL)、グローバルソース線507(GSL)、及び共通ボディバイアスソース506(Vbb)との間の接続を示すZ-Y平面の断面図である。図5Aに示すように、ビット線アクセス選択トランジスタ511は、GBLをローカルビット線554に接続し、埋め込みコンタクト556は、アクティブストリップ上のP-ボディ領域を、基板内のボディバイアスソース506(Vbb)に任意選択で接続する。ビット線アクセス選択トランジスタ511は、図5Aのアクティブ列531上に形成されている。しかしながら、代替的に、ビット線アクセス選択トランジスタ511は、アクティブ列531の底部または基板505(図5Aには図示していない)に形成してもよい。図5Aでは、ビット線アクセス選択トランジスタ511は、例えば、アクセス選択ワード線585と共に、N+/P-/N+ドープポリシリコンスタックの独立した島に形成することができる。ワード線585を選択するために十分に大きな電圧が印加されると、P-チャネルが反転し、それによって、ローカルビット線554がGBLに接続される。ワード線585は、垂直NORストリングのTFTの制御ゲートとして機能するワード線523pと同一の方向(すなわち、Y方向)に沿って延びている。ワード線585は、ワード線523pとは別個に形成され得る。一実施形態では、GBLは、X方向に沿って水平に(すなわち、ワード線の方向に対して垂直に)延びており、ビット線アクセス選択トランジスタ511は、GBLによってサーブされる多数の垂直NORストリングのうちのただ1つのローカルビット線であるローカルビット線554へのアクセスを提供する。読み出し及びプログラム動作効率を高めるために、マルチゲートNORストリングアレイにおいて、数千のグローバルビット線を使用して、ワード線585によってアクセスされる数千の垂直NORストリングのローカルビット線に対して並列にアクセスしてもよい。図5Aでは、ローカルソース線555は、例えば基板505の回路をデコードすることによってデコードされ得るグローバルソース線513-1(GSL)に、コンタクト557を介して接続される。代替的に、既に説明したように、ローカルソース線555に仮想電源電圧Vssを供給し、TFT570を介してローカルソース線555の寄生キャパシタ560(すなわち、寄生キャパシタC)を一時的にプリチャージすることによって、グローバルソース線を除去してもよい。
基板505に形成された支持回路には、とりわけ、アドレスエンコーダ、アドレスデコーダ、センスアンプ、入出力ドライバ、シフトレジスタ、ラッチ、基準セル、電源線、バイアス及び基準電圧発生器、インバータ、NAND、NOR、排他的論理和及び他の論理ゲート、他のメモリ素子、シーケンサ、並びに、状態機械などが含まれ得る。マルチゲートNORストリングアレイは、各ブロックが複数のマルチゲートNORストリングアレイを有する、回路の複数のブロックとして構成することができる。
図6Aは、図4Cに関連して上述したように、垂直NORストリング対491の垂直NORストリング451aのTFT685(T)、及び垂直NORストリング451bのTFT684(T)を示すX-Y平面の断面図である。図6に示すように、TFT684及び685は、N+ローカルソース領域655と、N+ローカルドレインまたはビット線領域654とを共有し、この両方の領域は、Z方向に沿って細長いピラーをなすように延びる(N+ローカルソース領域655は、図4Aのローカルソース線455に対応し、N+ローカルドレイン領域654は、図4Aのローカルビット線454に対応する)。この実施形態では、P-ドープされたチャネル領域656L及び656Rは、ローカルソースピラー655とローカルドレインピラー654との間に、絶縁領域640によって互いに絶縁され、Z方向に沿って延びる一対のアクティブストリングを形成する。ワード線623p-L(WL31-0)と623p-R(WL31-1)との間、及び、チャネル領域656L、656Rの外側には、電荷トラップ層634が形成される。電荷トラップ層634は、例えば、トンネル誘電体(例えば、二酸化シリコン)の薄膜と、それに続く、非導電性誘電材料に埋め込まれた窒化シリコンまたは導電性ナノドットなどの電荷トラップ材料の薄層、または絶縁されたフローティングゲートとからなるトランジスタのゲート誘電体材料であり得、ONO(酸化物-窒化物-酸化物三重層)などのブロッキング誘電体の層、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどの高誘電率膜、またはそのような誘電体の任意の組み合わせによってキャップされる。ソース-ドレイン導電部は、電荷トラップ層634の外側に制御ゲートを形成するワード線623p-L及び623p-Rによってそれぞれ制御される。TFT684(T)をプログラムまたは読み出すとき、ワード線623p-Lを適切な禁止電圧に維持することによって、TFT685(T)をオフにする。同様に、TFT685(T)をプログラムまたは読み出すとき、ワード線623p-Rを適切な禁止電圧に維持することによってTFT684(T)をオフにする。
図6Aに示す実施形態では、ワード線623p-L及び623p-Rは、プログラム中にはTFT684及び685へのトンネル効率を高め、消去中には逆トンネリング効率を低下させるような輪郭形状に形成されている。具体的には、当業者に知られているように、チャネル領域656Rの湾曲部675によって、プログラム中におけるアクティブチャネルのポリシリコンとトンネル誘電体との間の界面における電界を増幅させ、その上、消去中におけるワード線とブロッキング誘電体との間の界面における電界を減少させる。この特徴は、マルチレベルセル(MLC)構成において、TFTトランジスタ1つあたり2ビット以上を格納する場合に特に有用である。この技術を用いることにより、各TFTに、2ビット、3ビット、4ビット、またはそれ以上を格納することができる。実際、TFT684及び685は、記憶状態の連続体を有するアナログストレージTFTとして使用することができる。プログラムシーケンス(後述する)に続いて、破線680によって概略的に示されるように、電子は電荷トラップ層634にトラップされる。図6Aでは、グローバルビット線614-1及び614-2は、ワード線623p-R及び623p-Lに対して垂直に延びており、図4Cのビット線414-1及び414-4にそれぞれ対応する垂直NORストリングの上方または下方のいずれかに設けられている。図2に関連して上述したように、ワード線は、X方向に沿ってメモリブロック(メモリ構造体)100の全長にわたって延びており、グローバルビット線は、Y方向に沿ってメモリブロック(メモリ構造体)100の幅にわたって延びている。重要なことには、図6Aでは、ワード線623p-Rは、ワード線623p-Rの両側の2つの垂直NORストリングのTFT684及び683によって共有されている。したがって、TFT684及び683を互いに独立して読み出すまたはプログラムすることを可能にするために、グローバルビット線614-1(GBL)は、ローカルドレインまたはビット線領域657-1(「奇数アドレス」)に接続し、グローバルビット線614-2(GBL)は、ローカルドレインまたはビット線領域657-2(「偶数アドレス」)に接続する。この効果を達成するために、グローバルビット線614-1及び614-2に沿った接続は互い違いに行われ、各グローバルビット線は、垂直NORストリング対とX方向に沿って一つおきに接続する。
同様に、マルチゲートNORストリングアレイの底部または上部に位置するグローバルソース線(図6Aには図示していない)は、グローバルビット線に対して平行に延びており、偶数または奇数アドレスにしたがって垂直方向NORストリング対のローカルソース線と接続する。代替的に、寄生キャパシタC(すなわち、キャパシタ660)を仮想電源電圧Vssに一時的にプリチャージする場合、グローバルソース線を設ける必要はなく、これにより、デコードスキーム及びプロセスの複雑さが単純化される。
図6Aは、垂直NORストリング対が積み重ねられたワード線で提供することができるいくつかの実施形態のうちの1つのみを示す。例えば、チャネル領域656Rの湾曲部675をさらに大きくすることができる。逆に、図6Bの実施形態に示すように、湾曲部675は完全に除去してもよい(すなわち真っ直ぐにしてもよい)。図6Bの実施形態では、図6Aの絶縁領域640の間隔は、チャネル領域656L及び656Rを単一の領域656(L+R)に統合することによって、低減または完全に除去することができ、それにより、デュアルチャネル構成を犠牲にすることなくより大きな面積効率を達成することができる(例えば、同一のアクティブストリップの互いに対向する面上に存在するTFT685(T)及び684(T))。図6A、図6Bの実施形態では、ワード線を共有する垂直NORストリングは、各垂直NORストリングの有効フットプリントを低減させるべく互いに対して近接させるために、互いに対して互い違いに配置され得る(図示せず)。図6A及び図6Bは、グローバルビット線614-1とN+ドープローカルドレインビット線ピラー654(LBL-1)との間のコンタクトを介した直接接続を示しているが、このような接続は、ビット線アクセス選択トランジスタ(例えば、図5Aのビット線アクセス選択トランジスタ511、図6A及び図6Bには図示していない)を使用して達成することもできる。
図6A及び図6Bの実施形態では、N+ドープローカルドレイン領域654とそれに隣接するローカルN+ドープソース領域658(図4Aの絶縁領域436に対応する)との間の誘電体絶縁は、例えば、ワード線623p-R及び623p-Lを2つの背中合わせの電荷トラップ層の厚さ未満に画定し、電荷トラップ層がその堆積処理中に互いに統合されるようにすることによって確立することもできる。このように、堆積された電荷トラップ層を統合することによって、所望の誘電体絶縁が形成される。代替的に、隣接するアクティブストリング間の絶縁は、N+ポリシリコンの高アスペクト比のエッチングを用いて、或るストリングのN+ピラー658をそれに隣接するストリングのN+ピラー654から絶縁するギャップ676(エアギャップまたは誘電体充填)を形成することによって(すなわち、図4Aに示すギャップ436を形成することによって)、達成することができる。
従来技術の垂直NANDストリングと本発明の垂直NORストリングとを比較すると、両方とも、制御ゲートとして同様のワード線スタックを有する薄膜トランジスタを使用するが、それらのトランジスタの向きが異なっている。従来技術のNANDストリングでは、垂直アクティブストリップの各々は、直列に接続された32個、48個、またはそれ以上の個数のTFTを有し得る。対照的に、本発明の垂直NORストリングを形成する各アクティブ列は、並列に接続された1組または2組の複数の個数(32個,48個またはそれ以上の個数)のTFTを有し得る。従来技術のNANDストリングでは、いくつかの実施形態におけるワード線は、一般的に、アクティブストリップを取り囲むように配置される。本発明の垂直NORストリングのいくつかの実施形態では、図4C、図6A、及び図6Bに示すように、各アクティブストリップに対して個別に指定された左右のワード線が使用され、それによって、各グローバルビット線に対して2倍(すなわち、1対)の記憶密度が達成される。本発明の垂直NORストリングは、プログラム妨害または読み出し妨害の問題が生じたり、従来技術のNANDストリングの遅延の問題が生じたりすることがない。したがって、垂直NORストリングには、垂直NANDストリングよりも多数のTFTを設けることができる。しかしながら、垂直NORストリングは、長い垂直ソース及びドレイン拡散部(例えば、図4Aに示すローカルソース領域455及びローカルドレイン領域454)間のサブスレッショルドまたは他のリークの影響をより受け易い。
本発明の垂直NORストリングの2つの追加の実施形態を図6C及び図6Dに示す。これらの実施形態では、各ワード線スタック内の全てのワード線が垂直アクティブストリップを取り囲むように配置されている。
図6Cでは、垂直NORストリングが、金属ワード線のスタック及びワード線間の誘電体絶縁層を介してエッチングすることによって形成される空間内に形成される。製造プロセスフローは、垂直NORストリング内のトランジスタが、垂直NANDストリング内に直列ではなく、互いに並列に設けられることを除いて、従来技術の垂直NANDストリングと同様である。垂直NORストリング内のトランジスタの形成は、空間の深さ全体に延びるN+ドープ垂直ピラーによって容易となり、垂直NORストリングに沿った全てのTFTに対して、共有ローカルソース線655(LSL)及び共有ローカルビット線654(ドレイン)(LBL)を、その両方に隣接する非ドープまたは低濃度ドープされたチャネル領域656と共に提供する。電荷蓄積素子となる電荷トラップ領域634は、チャネル656とワード線スタック623pとの間に配置され、これにより、垂直アクティブストリップに沿って2個、4個、8個、・・・、32個、64個、またはそれ以上の個数のTFTのスタック(例えば、デバイス685(T10))が形成される。図6Cの実施形態では、ワード線スタック623pはY方向に延びており、個々の水平ストリップ(WL31-0)、(WL31-1)は、エアギャップまたは誘電体絶縁610によって互いに絶縁されている。グローバルビット線614(GBL)及びグローバルソース線615(GSL)は、ワード線に対して垂直なX方向に沿って、行をなして水平に延びている。グローバルビット線614の各々は、メモリアレイの下方または上方のいずれかに配置され得るアクセス選択トランジスタ(図5Aの511、ここでは図示せず)を介して、垂直ストリップの行に沿ってローカルビット線ピラー654(LBL)にアクセスする。同様に、各グローバルソース線615は、その行に沿ってローカルソース線ピラーにアクセスする。図6A及び図6Bに示した構造は、図6Cの実施形態における単一の垂直NORストリングによって占められた略同一の領域に一対の垂直NORストリングを適合させることができるが、図6Cに示す各垂直NORストリング内の各TFTは、2つの平行な導電チャネル(すなわち、チャネル領域656a及び656b)を有しているので、より多くの電荷を蓄積し、読み出し電流を増加または倍増させることができ、それによって、各TFTにより多くのビットを蓄積することが可能になる。
図6Dは、本発明の一実施形態による、ラップアラウンドワード線を有する、よりコンパクトな垂直NORストリングを示す。図6Dに示すように、垂直NORストリングは、互いに近接するように互い違いに配置されているので、ワード線スタック623p(WL31-0)を、より多くの垂直NORストリングによって共有させることができる。この互い違いの配置は、ローカルソース線ピラー655(LSL)の寄生キャパシタC(すなわち、キャパシタ660)の使用によって可能になる。後述するように、読み出し及びプログラム動作中に仮想電圧Vssを一時的に保持するためにキャパシタ660をプリチャージすることによって、ハードワイヤードグローバルソース線(例えば、図6CのGSL615)が不要になる。図6C及び図6Dの垂直NORストリング自体は、従来技術の垂直NANDストリング(例えば、図1CのNANDストリング)と比較して、大きな面積効率を提供しないが、このような垂直NORストリングは、垂直NANDストリングよりも大幅に長いストリング長さを達成する。例えば、本発明の垂直NORストリングは、各スタック内に128~512個またはそれ以上の個数分のTFTの長さのストリングを十分に支持することができるが、このようなストリングの長さは、直列接続されたTFTストリングに関連する重大な制限を考慮すると、垂直NANDストリングには全く実用的ではない。
センスアンプへの高速アクセスを容易にするために、短いセグメント化されたビット線に分割された長いグローバルビット線を有する代替実施形態
本発明者は、半導体基板に設けられたセンスアンプ及び他のサポート回路では、メモリアレイの上方または下方に設けられたグローバル相互接続導体を使用してグローバルビット線を配線して、垂直ローカルビット線(例えば、図5Aの垂直ローカルビット線554に接続するグローバルビット線GBL)に接続すると、配線の長さが長くなるので、大きなRC遅延が生じることに注目した。さらに、(メモリアレイの近傍の貴重なシリコン領域を使用するのではなく)メモリアレイの真下のシリコン基板の領域を使用して、センスアンプ、デコーダ、電圧源、及び、メモリ動作に必要な他の回路などの多数のサポート回路を形成することが非常に望ましい。
本発明の一実施形態によれば、さもなければグローバルビット線として使用されるであろう導体は、多数の比較的短い線セグメントにセグメント化される(例えば、各線セグメントは、グローバルビット線の1/100以下の長さを有する)。各線セグメントは、隣接する垂直ローカルビット線のグループを互いに接続するための水平ラインコネクタを提供する。ビット線セグメントは、基板とメモリアレイとの間に存在し、基板とメモリアレイから絶縁されることが好ましい。ビット線セグメントは、グループ内の隣接する垂直ローカルビット線と、垂直NORストリングのアレイの真下の半導体基板内に形成された専用センスアンプ及び他のサポート回路との間の接続を容易にする。この詳細な説明では、「ビット線セグメント」という用語は、ラインコネクタによって接続されたローカルビット線の集合を指す。
同様に、さもなければグローバルソース線として使用されるであろう導体は、多数の比較的短い線セグメントにセグメント化してもよく、この場合、各セグメントは、隣接するローカル垂直ソース線のグループを互いに接続するための水平ラインコネクタを提供する。ラインコネクタ及びそれに関連するローカル垂直ソース線は、単一のローカル垂直ソース線の寄生容量の複数倍の寄生容量を有する共通ソース線を形成する。共通ソース線コネクタは、セグメント選択トランジスタによって、好ましくはアレイの頂部で、グローバルソース線に接続することができる。この詳細な説明では、「ソース線セグメント」という用語は、ラインコネクタによって互いに接続されたローカルソース線の集合を指す。ソース線セグメントが、接続されたローカルソース線のより小さなグループにさらに分割される場合、このようなより小さなグループの各々を「ソース線サブセグメント」と称する。
本発明の別の代替実施形態では、メモリスタックの上方または下方に配線されるグローバルソース線は設けられないが、隣接するローカル垂直ソース線の各ソース線セグメント及びそれに関連するグループは、ローカル共通ソース領域として動作する。この構成では、基板から仮想接地電圧(Vss)を転送するために、ソース線セグメントに接続された各アクティブ列に1以上のプリチャージトランジスタが設けられる。64層垂直NORメモリアレイでは、各ローカルソース線は、約1フェムトファラド(すなわち、1.0×10-15ファラド)の寄生容量を有するが、この寄生容量は、場合によっては、電荷共有読み出し動作中に仮想接地電圧(Vss)を維持するのには電荷が小さすぎることがある。例えば64本のローカルソース線のグループのキャパシタンスを組み合わせることによって、それらの合計されたプリチャージされたキャパシタンスCは、電荷共有読み出し動作に十分過ぎる約64フェムトファラドまで増加する。
図3D、図3E、図3F、及び図3Gは、高速読み出しアクセスを達成し、アレイの真下のシリコン基板を利用して、センスアンプ、デコーダ、レジスタ、及び電圧源などのサポート回路を形成した、本発明の実施形態を示す。図3Dに示すように、垂直NORストリング380は、本発明の一実施形態による、各TFTがローカルソース線375及びローカルビット線374を共有する不揮発性記憶TFTの3次元配列を表す。ローカルビット線374及びローカルソース線375は、垂直NORストリング380内のTFTのためのチャネル領域を提供するボディ領域356によって互いに離間されている。記憶素子が、チャネル領域356と各水平ワード線323pとの間の交差部に形成されている。pは、ワード線スタックにおけるワード線のインデックスである。この例では、pは、0~31の範囲の任意の値を取ることができる。ワード線は、Y方向に沿って延びている。この実施形態では、ソース線供給電圧Vssは、ソース選択トランジスタ(SLS)371を介して、基板310から、垂直アクティブ列の頂部を延びるグローバルソース線(GSL)313を介して、ローカル垂直ソース線375に供給される。アクティブ列のトランジスタチャネルを提供するボディ領域356は、端子331において基板バイアス電圧Vbbに接続されることに留意されたい。しかしながら、P-ドープされたチャネル556を電気的に接続することは、垂直NORストリング(図5Bに関する後述の説明を参照)の頂部から達成することもできる。
図3Dでは、隣接するアクティブ列(例えば、垂直NORストリング380のアクティブ列)はグループ化され、アクティブ列の各グループのローカルビット線は、メモリアレイの真下に設けられた関連するビット線セグメント(例えば、ビット線セグメントMSBL及びMSBL)に接続される。ビット線セグメントMSBLは、低抵抗コネクタ373を提供し、これは、例えば、N+ドープポリシリコン、シリサイド、または高融点金属の狭いストリップによって実施することができる。水平ビット線セグメントMSBLによって接続される、隣接するローカル垂直ビット線のグループ374-1、374-2、・・・、374-nは、ワード線WL~WL31に対して直交するX方向に沿って長手方向に設けられる。ビット線セグメントMSBL、MSBL、・・・は、誘電絶縁体392上に形成され、1(すなわち、セグメンテーションなし)から16、64、256、512、またはそれ以上の垂直ローカルビット線を包含するように、比較的短くてもよい。各ビット線セグメントは、セグメント選択トランジスタ(例えば、薄膜トランジスタとして実施されるセグメント選択トランジスタ586-1、・・・、586-n)を介して、複数のMSBL型ビット線セグメントを含む領域ビット線セグメントSGBL、SGBLを形成するより長い水平導体に接続することができる。水平な領域ビット線セグメントSGBLを基板310の上方の絶縁層393上に形成することにより、センスアンプなどの論理素子を領域ビット線セグメントの直下の基板内に形成することが可能になる。領域セグメントは、基板内に形成されたセンスアンプ、デコーダ、レジスタ、電圧源、及び他の回路が、領域ビット線セグメントの真下に物理的に嵌合できるように十分に長いことが好ましい。
図6Eに示すような二重密度構成では、各ワード線は、その両側の両方のアクティブ列をサーブする。この構成では、ワード線の両側の隣接する2本のローカルビット線はそれぞれ、ビット線セグメントMSBL(L)、MSBL(R)、並びに、各セグメントのセンスアンプ及びデコーダに関連付けられており、これらは、互いに近接してかつ平行に離間している。この間隔は、メモリアレイ内の隣接する垂直アクティブ列間のY方向に沿った間隔でもある。Y方向に沿ってレイアウトされたビット線セグメントの各々に対して、専用のセンスアンプ及び他のサポート回路を設けることは不可能である。このような構成では、各センスアンプは、基板内のセグメント選択デコーダを介して、1、2、4、8、またはそれ以上の隣接するビット線セグメントをサーブすることができる。X方向では、1テラビットの3次元垂直NORフラッシュメモリチップは、長いグローバルビット線ではなく、数百の領域ビット線セグメントを有することができ、これによって、ビット線RC遅延を大幅に減少させることができる。
図3Eは、図3Dの実施形態の回路アーキテクチャの変形例を示す。この図3Eの例では、隣接する垂直ローカルソース線375-1、375-2、・・・のグループは、ビット線セグメントと同一のX方向に沿って延びるソース線セグメントMSSL、MSSL、・・・によって接続されている。ソース線セグメントによって接続されたローカルソース線のこのグループ化は、ソース線セグメントに関連する垂直NORストリングの各々にソース電圧Vssを提供するのに必要なソース線選択トランジスタSLS、SLS、・・・の数を減少させる。また、上述したように、垂直ローカルソース線のグループをソース線セグメントで接続することは、累積寄生容量(C)の増加に直接寄与する。水平ソース線セグメントによって接続された垂直ローカルソース線も、対応する水平ビット線セグメントによって接続された垂直ローカルビット線と密接に関連付けられている。しかしながら、ビット線セグメントに関連する垂直ローカルビット線の数は、ソース線セグメントに関連する垂直ローカルソース線の数と同一である必要はない。その結果、ビット線セグメントは、例えば、複数のソース線セグメントと関連付けられる。例えば、ビット線セグメントMSBL1は、256本のローカル垂直ビット線374-1、374-2、・・・と関連付けることができ、これらは、その各々が32本のローカルソース線375-1、375-2、・・・とのみ関連付けることができる8本のソース線セグメントと関連付けることができる。各ソース線セグメントは、その専用のソース線選択トランジスタ(例えば、ソース線選択トランジスタSLS)を介して、その電圧Vssを個別に印加されることができる。
図3Fは、図3Eの実施形態の回路アーキテクチャの変形例を示す。図3Fの例では、グローバルソース線(例えば、グローバルソース線313)も、ソース線選択トランジスタ(例えば、ソース選択トランジスタSLS)も設けられていない。図3Fでは、各ソース線セグメントに関連するローカル垂直ソース線は、プリチャージトランジスタ(例えば、プリチャージトランジスタ370)を介してソース電圧Vssにプリチャージされ、そのワード線WLCHGは、ソース線セグメントに関連するローカル垂直ビット線を介して基板310内の回路から供給される電圧Vblを転送するのに十分な電圧パルスによってオンにされる。ソース線セグメントに関連する垂直ローカルビット線の数は、ソース線セグメントの寄生容量(C)を最大化して、セルの読み出し中に仮想接地電圧Vssを保持する間の最適化された数であり、ソース線セグメントに関連する垂直NORストリング内の全ての「オフ」のトランジスタに伴うバックグラウンドリーク電流を十分に低く維持し、ソース線セグメント内のアクセスされたストレージトランジスタの読み出しを妨げないようにする必要性のためにバランスが取られる。ビット線セグメント内では、任意の選択されていないソース線サブセグメントを、そのVss電圧をそれに関連するビット線セグメント電圧Vblと等しくしてそのバックグラウンドリーク電流を除去するために、プリチャージすることができる。
図3Gは、図3Eの実施形態における回路アーキテクチャの変形例である。図3Gの例では、メモリアレイと基板との間の接続性は、領域ビット線セグメントSGBL、SGBL、・・・をそれぞれのローカルビット線セグメントMSBL、MSBL、・・・と結合し、各々のビアまたは導体(例えば、埋込コンタクト)を介してセグメント選択トランジスタ315-1、315-2、・・・に接続される各ビット線セグメントをビット線セグメントの真下の基板内に有することによって、さらに単純化される。この構成では、シリコン基板上(例えば、図3Fのセグメント選択トランジスタ586-1、・・・、586-n)に薄膜トランジスタを設けるのではなく、セグメント選択トランジスタは、単結晶基板310内の高効率トランジスタによって提供される。この構成は、ビット線セグメントに関連するセンスアンプ、デコーダ、レジスタ、電圧源、及び他の回路へのロバストなアクセスを提供する。プリチャージ経路によって可能となったグローバルソース線選択トランジスタSLS、SLS、・・・の廃止と、各ビット線セグメントを基板内のセグメント回路の近くに配置することによって可能となったセグメント選択薄膜トランジスタ586-1、・・・、586n(または、従来の3DNANDアレイで一般的に行われているように、高価な選択的エピタキシーシリコンで構築された選択トランジスタ)の廃止によって、プロセス集積フローを大幅に簡素化することができる。
図3H及び図3Iは、図3Gの実施形態に類似する別の実施形態を示す。図3H及び図3Iの例では、ソース線セグメントのコネクタMSSL及びMSSL上の電圧、したがって、各ソース線セグメント内のローカル垂直ソース線375(LSL)上の電圧も、メモリアレイのストレージアクティブ列(例えば、アクティブ列381)のいずれかの構成を模倣しているがメモリストレージには使用されないアクティブ列381(「チャージ列」)を介して、基板310から供給される。換言すれば、チャージ列381は、ソース線セグメントMSSL及びMSSL内のローカルソース線をチャージするための専用である(他の実施形態では、各チャージ列は、単一のソース線セグメントのみに対してサーブする)。図3Hに示すように、チャージ列381は、例えば、隣接するビット線セグメントSEG及びSEG間の開口BLO内に形成される。読み出し動作(任意選択で、任意のプログラム、プログラム禁止、または消去動作)を通じて、チャージ列381は、ソース線セグメントMSSL及びMSSL内の垂直ローカルソース線上に必要な電圧を送達及び保持する(ソース線セグメントMSSL及びMSSLは両方とも、チャージ列381によってサーブされる)。この点に関して、チャージ列381は、例えば、図3Eのグローバルソース線GSL1313の必要性を排除し、関連するソース線セグメント選択トランジスタSLSの必要性を排除する。また、例えば、図3Gの実施形態に示したような、メモリスタック内のプリチャージトランジスタ370(これは、余分なワード線平面WLchgを必要とする)の必要性も排除する。
図3H及び図3Iのセグメント化構造では、任意のメモリ面のストレージトランジスタの読み出し動作において、ソース線セグメントMSSL及びMSSLの各ローカルソース線上のソース電圧は、チャージ列381の垂直ソース線375(LSL)から接続VSLを介してVss(例えば、0ボルト)で印加される。電圧Vssは、シリコン基板310内のデコードされた選択トランジスタ(図3Hに、315Xとして示される)、ビット線ミニセグメントSSVss、垂直ローカルビット線374(LBL)、パストランジスタ371、及び垂直ローカルソース線375(LSL)を介して、基板310から供給される(パストランジスタ371は、読み出し動作中に、ワード線WL31によってアクティブ化され、導通または「オン」状態に保持される)。任意のプログラム、プログラム禁止、または消去動作中にソース線セグメントMSSL及びMSSLに印加されるソース電圧も、同様に提供することができる。シリコン基板310内の選択トランジスタ315Xは、消去動作中にローカルビット線374(LBL)に印加される高電圧に耐えることができる高電圧トランジスタであり得る。
図3Iは、図3Hの実施形態の上部X-Y平面図をより詳細に示し、ソースセグメントMSSL内の各垂直ローカルソース線は、アクティブ列381を介して供給される電圧VssまたはVblに保持される。図3Iにおいて、メモリアレイは、図6Bの実施形態に示したものと同様のレイアウトを有する。図3Iに示すように、ビット線セグメントSEGとSEGとの間には、X方向に沿って延びる各行が2つのチャージ列と、Y方向に沿ってレイアウトされた所定数(例えば、2048)のこのような行とを有するチャージ列のアレイが設けられている。このチャージ列のアレイは、ビット線(図3Iでは、「BLO」という符号が付されている)における2つの不連続部または開口部の間に設けられる。2本の破線の間のアクティブ列の1つの行では、X方向に沿って延びるソース線コネクタが、右側のチャージ列を、ビット線セグメントSEG1のソース線セグメントMSSL1(すなわち、上側の破線に沿ったアクティブ列の1つおきに)のローカルソース線に接続する。同一の右チャージ列が、ビット線セグメントSEGにおけるソース線セグメントMSSLのアクティブ列のローカルソース線に接続されている。ソース電圧は、シリコン基板からビット線コネクタへ、そして、右側のアクティブ列のローカルビット線へ供給される。「WL31」という符号が付されたワード線は、チャージ列内のパストランジスタをアクティブ化して、ソース電圧をVSLという符号が付されたローカルソース線に転送し、これにより、ソース電圧をソース線セグメントMSSL及びMSSLのローカルソース線に供給する(この回路構成が、図3Hの回路に示されている)。破線間のこのチャージ列の行の左側のチャージ列も、同様にして、下側の破線に沿った別のソース線セグメント対に接続される。
複数のワード線平面を有する3次元垂直NORストリングメモリアレイでは、スタック内の全ての平面のローカルワード線は、アレイの端部において階段状ステップWLSTCに配置される(例えば、図3I及び図6G参照)。隣接するビット線セグメント(例えば、図3Hのビット線セグメントSEG1及びSEG2)の各対に対してチャージ列(例えば、チャージ列381)をアクティブ化するために、各メモリ面に対して1以上の専用グローバルワード線(例えば、図3Iでは、「GWLCHG」という符号が付されている)が必要とされ得る。図3I(インサートを参照)の例に示すように、GWLCHGという符号が付されたグローバルワード線は全て、アクティブ列381に対応するローカルワード線WL31に接続され、ビット線セグメントSEG及びSEG内の他の全てのワード線をスキップする。対照的に、メモリアレイ(例えば、GWL)のストレージトランジスタのための各グローバルワード線は、チャージ列381のワード線をスキップしながら、ビット線セグメントSEG及びSEGに関連する多数のローカルワード線にハードワイヤ接続される。異なるメモリ面上のチャージ列381のグローバルワード線(図3Iのインサート内の「GWLCHG」という符号が付された全てのもの)は、周辺回路(図示せず)で一緒に短絡され、それによって、ワード線WL~WL31に関連するチャージ列381のパストランジスタのいずれか(または全て)をアクティブ化する。一実施形態では、接続されたソース線セグメントのブロック内の全てのチャージ列のパストランジスタが、チップの電源を入れたときに一緒にアクティブ化される。しかしながら、ブロック内の任意のソース線セグメントまたはソース線セグメント対は、それの関連するセグメント選択トランジスタ(例えば、セグメント選択トランジスタ315X)をスイッチオフして、シリコン基板から絶縁されたその対応するチャージ列を有することによって、選択解除することができる。
図3H及び図3Iの実施形態は、図3Gの実施形態で実施されるようなフローティング電源のプリチャージシーケンスの必要性を排除する。プリチャージシーケンスの必要性を排除することにより、読み出し動作の開始前にソース電圧を設定し、その後、電圧Vssに安定に保持することができ、これにより、フローティングソースのプリチャージパルスに必要なオーバーヘッド時間が不要となるので、読み出し動作を高速化することができる。さらに、チャージ列381は、読み出し動作を通じて(すなわち、瞬間的なプリチャージパルスだけではない)、ソース線セグメントMSSL1のローカルソース線を電圧Vssに保持するので、接続VSLを介して提供される定常電流は、過剰である場合にアドレス指定されたストレージトランジスタの読み出し検出を損なう恐れがあるいかなるソース-ドレインリークも補償する。
要約すると、チャージ列381は、垂直NORメモリストリング内で電圧VssまたはVblをシリコン基板からローカルソース線に転送するためのローカル垂直コネクタとして機能する。チャージ列の垂直ローカルソース線上の任意の電圧VssまたはVblを、パストランジスタ(例えば、パストランジスタ371)を介して、それに関連するローカルビット線に転送することができるが、ローカルビット線は、セグメント選択デコーダ315-1を介してシリコン基板内の電圧源に接続され得るビット線コネクタMSBLから直接的にチャージしてもよい。
64または128のメモリ面を有する3次元垂直NORメモリスタックでは、スタックの高さは、チャージ列381の長さでもあり、5マイクロメートル(ミクロン)を超えることができ、これは、チャージ列381(図3H)の垂直ローカルソース線375(LSL)またはローカルビット線374(LBL)にとってかなり長い距離である。対応するN+ドープポリシリコンピラー455及び454(図4A参照。また、図6Eにおいて、655(N+)LSL-1及び654(N+)LBL-1として示されており、パイロンと称される場合もある)の電気抵抗(R:オーム)が過剰になり、主として読み出し経路に悪影響を及ぼすRC遅延をもたらすことがある。ピラーの抵抗Rは、ピラーのコア内に低抵抗金属材料を設けることによって、1桁以上低減させることができる。例えば、以下の詳細な説明において、図4A-1は金属コア420(M)を示し、図7D-1は金属コア720(M)を示す。
図5Bは、本発明の一実施形態による、例えばP+ポリシリコンから誘電体層592内に形成された導電性ピラー591を介した、本体領域556(P-チャネル材料を提供する)と、アクティブ列581の上に設けられ、ワード線に対して平行に延在する導体590との間の接続を示すZ-Y平面の断面図である。導体590はまた、高濃度にドープされたポリシリコン、シリサイド、または金属導体から形成してもよい。この構成では、ブロック消去動作を容易にするために、基板505から誘電絶縁体509を貫通して形成された開口部内に設けられたビア593を介して、ボディバイアス電圧(Vbb)594を導体590に提供することができる。
図6Eは、ボディバイアス電圧を、導体690-1及び690-2(「ボディバイアス導体」)を介して提供することを示す。ボディバイアス電圧は、図6Bに示した実施形態のレイアウトを使用して、アクティブ列の隣接する行におけるボディ領域間で共有される。この構成では、ワード線592(すなわち、ワード線623p-L)は、ボディバイアス導体690-1と一致して延びている。消去動作のブロックサイズは、各ボディバイアス導体(例えば、導体690-1)の左側のアクティブ列及び右側のアクティブ列に制限される。より大きな消去ブロックは、例えば、ビット線セグメントをアドレスするワード線の数に一致するように結合されたボディバイアス導体のクラスタを有することによって構成することができる。基板内のデコーダは、1以上の選択された消去ブロックに対して、適切なボディバイアス電圧(例えば、消去電圧)を供給する。
再び図5Bを参照して、アクティブ列(例えば、アクティブ列581)を形成した後、アクティブ列上に誘電体層592を形成する。続いて、誘電体層592の頂部からボディ領域556の頂部まで、ビアホールを異方性エッチングする。次に、誘電体層592上にP+ドープポリシリコンの層を堆積させてビアホールを充填し、導電性ピラー(例えば、導電性ピラー591)を形成する。次いで、P+ドープポリシリコンの層をパターニング及びエッチングして導体(例えば、導体590)を形成し、ビア593を介して、ボディバイアス電圧Vbbを供給する電圧源594に接続する。ボディバイアス電圧Vbbは、TFT閾値電圧を上昇させるか、またはその閾値下リークを減少させるために、消去中に印加される正の高電圧、または読み出し中に印加される低い負の基板バイアス電圧であり得る。図6Eは、形成されたP+ドープポリシリコンフィーチャ690-1及び690-2を示す上面図である。
図5Bに示す実施形態では、導体590は、本体領域556の上方に設けられる。しかしながら、他の実施形態では、導体590は、下方から本体領域556に接触するように、本体領域556の真下に設けてもよい。実際、ボディ領域556の上方及び下方の両方からボディバイアス電圧を提供することは有利であり得る。ボディ領域556の下方からボディバイアス電圧を提供する場合、導体590に類似した導体が、図5Aに示したものと同様に、層間誘電体のビアを介して基板から直接提供されてもよい。
セグメント化ローカルビット線及びセグメント化ローカルソース線アレイの動作モード
本発明の実施形態に関して上述したような、ビット線セグメントを有するワード線の例えば64平面のメモリスタックでは、選択されたビット線セグメントに関連する任意の平面(例えば、25番目の平面)上のストレージトランジスタを読み出すとき、選択されたビット線セグメントに関連する全ての平面における全てのワード線は、選択されたストレージトランジスタをアドレス指定する選択された平面上のワード線を除いて、その「オフ」閾値電圧に保持される。ワード線電圧が上昇すると、消去状態(すなわち、導通状態または「オン」状態)のストレージトランジスタは、そのビット線電圧(Vbl)を、仮想接地電位(Vss)に予めプリチャージされているそのローカルソース線(及び、それに関連するソース明細セグメント;該当する場合)に放電する。ビット線電圧Vblの放電速度は、ビット線セグメントのセンスアンプによって感知される。同一ワード線を共有するY方向に沿った他のビット線セグメントに関連付けられた、選択された平面(すなわち、この例では25番目の平面)上の他のストレージトランジスタ、または、異なるワード線によってアドレス指定されたX方向に沿った他のビット線セグメントに関連付けられた他のストレージトランジスタは、各ビット線セグメントがその専用のセンスアンプを有するので、同時に読み出すことができる。読み出し動作では、まず、プリチャージ動作中にローカルビット線を0Vに設定することにより、仮想ソース電圧をプリチャージする(あるいは、仮想電源電圧を約1Vまで上昇させてもよい)。プリチャージ後、ローカルビット線はセンスアンプ電圧(例えば、電源電圧よりも約0.1V~0.5V高い電圧で)にチャージされ、基板は電圧Vbb(例えば、約0V~約-2V)に設定され、ワード線WLは消去閾値電圧よりも約1V~3V高くされる。
各ワード線の両側のストレージトランジスタの実施形態(例えば、図6A及び図6Eの実施形態)では、2つのストレージトランジスタのうちの1つだけが、読み出し動作中の任意の時点で導通するように注意しなければならない。これは、上述したように、互いに平行に延びる別個のビット線セグメントを提供することによって達成されるが、各々は、それ自体のセンスアンプ、デコーダ、電圧源、及び他のサポート回路によってサーブされる。図6Eに示すように、ビット線セグメントは、左側ストレージトランジスタのMSBL(L)、及び右側ストレージトランジスタのMSBL(R)である。
ストレージトランジスタをプログラムするために、選択された平面(すなわち、この例では25番目の平面)を除く全ての平面上の全てのワード線は接地電位に設定され、一方、選択された(すなわち、25番目の平面上の)ストレージトランジスタをアドレスするワード線は、所望のプログラム電圧が、読み出し動作によって到達したことが確認されるまで、例えば増分電圧ステップ(例えば、約8ボルトで開始し、電圧を段階的に増大させて、電圧パルスを印加する)を用いて、適切なプログラム電圧まで上昇させる。プログラム動作の間、ビット線セグメント上の電圧は、関連するソース線セグメントと同様に接地電位に保持される。
同一ワード線を共有する他のビット線セグメントに関連する選択された平面上のストレージトランジスタをプログラムし続けながら、さらなるプログラムを禁止するために、ビット線セグメント及びソース線セグメントは、連続するプログラムパルスの間のリードベリファイサイクルで、プログラムシーケンスの終了まで、プログラム禁止電圧(例えば、プログラム電圧の約1/3~1/2)まで上昇させる。ビット線またはソース線セグメント内のローカルビット線及びローカルソース線への全てのプログラム電圧及びプログラム禁止電圧は、(ソース線のプリチャージ動作により)ビット線セグメントのみを介して提供される。読み出し動作と同様に、Y方向に沿った他のビット線セグメントに関連するストレージトランジスタ(すなわち、選択されたストレージトランジスタと同一ワード線を共有する)、及び、X方向に沿った他のビット線セグメントに関連するストレージトランジスタ(すなわち、異なるワード線と関連する)は、同時にプログラムまたはプログラム禁止することができる。
消去動作は、ビット線セグメント、ソース線セグメント、または消去されるブロックに関連するストレージトランジスタの全てのワード線を0Vで保持するとともに、バージンストレージトランジスタ(すなわち、一度もプログラムまたは消去されたことのないストレージトランジスタ)のボディバイアス電圧(Vbb)を約12Vに上昇させ、高サイクル数ストレージトランジスタのボディバイアス電圧(Vbb)を20V以上に上昇させることによって達成される。消去ブロック内のフローティングN+垂直ローカルソース線及びN+垂直ローカルビット線は、それらのp-ボディ領域に印加される正の電圧に従うため、ビット線セグメントに関連する全てのセンスアンプを、それらのビット線またはビット線セグメントから絶縁してもよい。
当業者によく知られている他の条件を用いて、読み出し、プログラム、プログラム禁止、及び消去を行うことが可能である。
低レイテンシ分割ローカル線及びグローバルワード線
本発明の実施形態におけるビット線セグメンテーションは、従来の3D-NAND及び3D-NORメモリアレイの従来のグローバルビット線におけるRC遅延を大幅に低減させるのに役立つ。長い読み出しレイテンシの別の主な原因は、通常、チップの幅のほぼ半分または全体にわたって、グローバルビット線に直交して延びる、長い高容量性のローカルワード線導体である。このため、米国特許第2017/0092371A1号明細書の3D垂直NORフラッシュメモリアレイは、従来の3D-NANDフラッシュメモリアレイと同様に、各メモリ面に対して少なくとも1層のローカルワード線導体を必要とする。64面NANDまたはNORメモリアレイでは、これらのワード線導体は、高い階段状ステップで構成される。ローカルワード線は、プログラム中に高電圧を供給するので、それらのデコーダは、そのような階段状の各ステップのかなりのシリコン領域を占めることができる高電圧トランジスタ回路を必要とする。
それらに関連するオーバヘッドコストを低減するために、ワード線は、一般的に、非常に長く形成されており、このため、RC遅延が大きくなり、読み出しレイテンシが悪くなる(例えば、数マイクロ秒の範囲内)。従来の3D-NANDメモリアレイでは、グローバルビット線も長く、立ち上がりまたは立ち下がりが遅いため、長いワード線のレイテンシは、実質的に隠されていた。本発明のビット線セグメントでは、ビット線応答時間を非常に短く(例えば、100ナノ秒の範囲内)することができるので、長いワード線のRC遅延が高速読み出しアクセスの制限要因となる。本発明の一実施形態によれば、部分的な解決策として、3D-NORメモリチップを長くかつ狭くする(すなわち、ワード線の方向に沿って短くし、ビット線セグメントの方向に沿って長くする)。このような設計は、ワード線デコーダを形成するためのシリコン領域は減少しないが、ビット線セグメントに沿ったRC遅延を著しく増加させることなく、ワード線の長さ及びRC遅延を著しく減少させる。
本発明の別の実施形態によれば、メモリアレイを、より短いワード線を有するより多くのブロックに分割し、各ブロックを繰り返される階段状ステップに形成することによって、ワード線遅延をさらに減少させることができる。階段状ステップの数を2倍にしてメモリアレイを分割し、それらのワード線デコーダは、RC遅延を4倍に低減させる。
長い読み出しレイテンシの別の主な原因は、メモリアレイの側面に沿った階段状ステップの上方のメモリアレイの長さにわたってX方向に延びるグローバルワード線(GWL)のRC遅延が大きいことである。図6Fは、本発明のビット線セグメンテーションスキームに関連する、或る平面(すなわち、或る階段状ステップ)上のローカルワード線を接続するためのグローバルワード線の一実施形態を示す。図6Fでは、メモリアレイの側面に沿った階段状ステップを通る或るX-Y平面におけるローカルワード線、階段状ステップ上のグローバルワード線、及び、それらの相互接続のみが示されている。説明を明確にするために、他の全ての詳細(例えば、P-チャネル材料層及び電荷トラップ層)は省略している。図6Fに示すように、メモリアレイ(例えば、図6Eに示した実施形態に対応するメモリアレイ)のワード線WL、WL、・・・は、Y方向に沿って延在している。グローバルワード線GWL、GWL、・・・は、階段状ステップの上方でX方向に沿って延びる。グローバルワード線は、メモリアレイの各面のワード線を、それらの、基板605内のそれぞれのデコーダ、電圧源、及び他のサポート回路に接続する。例えば、図3D、図3E、図3F及び図3Gのアーキテクチャにビット線セグメント化を適用する場合、各階段状ステップは、最大で、ビット線セグメント内のローカルワード線の数nに一致するn個のグローバルワード線を収容する。図6Fの実施形態では、例えば、各ビット線セグメントは128本のビット線を含み、各ステップにおける各ストレージトランジスタは、対応するワード線によって選択される。このため、ビット線セグメントの各ステップには、128本のワード線が存在する。したがって、各グローバルワード線は、128番目のワード線毎に接続される。例えば、各平面上において、グローバルワード線GWLは、ワード線WL-0、WL-127、・・・に、ビアVIA、VIA127、・・・を介して接続され、GWLは、ワード線WL-1、WL-129、・・・に、ビアVIA、VIA128、・・・を介して、その基板デコーダ及び基板605内の電圧源に接続される。この構成により、共通グローバルワード線及びその専用センスアンプデコーダをアクティブ化することによって、各平面上の128組のストレージトランジスタを同時に読み出すことが可能になる。例えば、ワード線WL、WLi+128、・・・(通常、WLi+128k;k=0、1、・・・)に関連するストレージトランジスタは、グローバルワード線GWLiをアクティブ化することによって、同時に読み出しまたはプログラムすることができ、一方、同一のステップ及び他のステップにおける他の全てのグローバルワード線は、接地電位にしてもよいし(すなわち、全ての他のストレージトランジスタをオフにする)、接地電位に浮遊させてもよい。
図6Fに示した実施形態は、シリコン領域においてコストが高いと考えられる。各ビット線セグメント内に128本のワード線が存在し、階段状構造体内に64のステップが存在する場合、64ステップの階段状構造体(または、合計8192のグローバルワード線)の各ステップには、128本のグローバルワード線が必要とされる。本発明の一実施形態によれば、必要とされるグローバルワード線の数は、各グローバルワード線を各ビット線セグメント内の2つ以上のローカルワード線と接触させることによって、2、4、8、16、またはそれ以上減少させることができる。例えば、グローバルワード線GSLは、ワード線WL、WL129、・・・だけでなく、ワード線WL33、WL65、・・・(通常、WL1+32k;k=0、1、・・・)にも接触させることができ、これにより、1ステップ当たりに必要なグローバルワード線の数を4倍減らし、階段状構造体の全幅を4分の1に減らすことができる。当然ながら、シリコン基板には、追加的な復号回路またはビット線セグメントごとに、4倍の数の専用センスアンプが必要とされる(あるいは、ビット線セグメントの単一センスアンプは、4つの連続した読み出しまたはプログラムシーケンスを介して時間共有してもよい)。
グローバルワード線は、階段状ステップの上のメモリアレイの頂部に実装されるので、グローバルワード線は、低抵抗銅配線を使用して実施することができる。当業者に知られているように、ステップ内の隣接するグローバルワード線間のキャパシタンスは、それらの間の誘電体としての置換エアギャップによって低減することができる。グローバルワード線RC遅延は、グローバルワード線デコーダ及びシリコン基板内の電圧源を階段状ステップの真下に接続して、グローバルワード線の長さに沿ったブレークを介して、グローバルワード線の長さの半分、4分の1、または8分の1ごとにアクセスすることによって、さらに低減することができる。
例えば、32層スタックから64層スタックに移行する場合、ワード線階段状ステップの数は、32から64に倍増される。図6Gは、本発明の一実施形態による、そのようなステップ倍増を回避する垂直NORストリングメモリアレイの実施形態を示す。図6Gでは、メモリアレイのZ-Y断面が示されており、メモリアレイ内の平面の総数は、互いに積み重ねられた、2以上の連続して形成されたスタック(例えば、STK及びSTK)として提供される。各スタックには、次のスタックが形成される前に完成した、階段状ステップのセットが設けられる。従来技術の3次元NANDメモリアレイでは、32の平面のそれぞれに、メモリセルの2つのスタックが形成される。その後、64平面の階段状構造体のステップが別々に形成され、その後、それらの関連するグローバルワード線が形成される。対照的に、図6Fは、各ステップがグローバルワード線GWL、GWL、・・・、GWL32(X方向に沿って延びている)のうちの1つによって接続されたワード線(Y方向に沿って延びている)である、32の階段状構造体の幅ステップ(ステップA、ステップB)を各々有するスタックSTK及びスタックSTKの形成を示す。スタックSTK及びSTKは、絶縁層617によって互いに絶縁されており、したがって、64の階段状ステップを提供する総幅の半分に低減される。このスキーム下では、スタックSTK内のローカルビット線(例えば、BL654)及びローカルソース線(例えば、SL655)は、絶縁層617を介して開口部をエッチングしてN+ドープ垂直アクティブ列の上部を露出させることによって、スタックSTK内の対応するローカルビット線及びローカルソース線に接続され、それによって、上側の32の平面の垂直アクティブ列が、基板605の上方の下側の32の平面内の対応するものに接続される。同様に、スタックSTK及びSTKの両方のP-ドープチャネル領域(例えば、図5Bのチャネル領域556に対応するチャネル領域656)は、スタックSTKを形成する前に絶縁層617内に形成されたP+ドーププラグ691によって互いに接続される。
グローバルワード線に関連するシリコン基板領域は、グローバルワード線デコーダ及び電圧源を、基板内のアレイの外側ではなく、階段状ステップの下側またはメモリアレイの上側のいずれかに配置することによって減少させることができる。そのような配置は、図3F及び図3Gのメモリアレイと関連して提供され得る。これらの実施形態では、メモリアレイの頂面は、ソース線またはビット線と相互接続されない。当然ながら、そのようなワード線デコーダ及び電圧源は、プログラム中にグローバルワード線上で必要とされる比較的高い電圧(例えば、12V~20Vの範囲)をサポートできる必要がある薄膜トランジスタを使用して実施される。このような薄膜トランジスタは、堆積されたポリシリコンを部分的に再結晶化するための浅い(エキシマ)レーザアニール、または、ソーラーパネル、LEDディスプレイ、または他の用途のために開発された他のシーディング技術を用いて達成することができる。また、メモリアレイの頂面も、メモリチップ領域を過度に増加させることなく、それらのRC遅延を減少させるために、より広いまたはより高いグローバルワード線相互接続を、より大きな間隔で実行するために利用することができる。
準揮発性NORストリングのためのセグメント化ビット線を使用した3D垂直NORアレイ
非仮特許出願III(米国特許出願公開第2017/0092371A1号明細書)には、極めて高いサイクル耐久性を必要としない特定のストレージ用途においてDRAMと置き換えるのに適した準揮発性のNORストリングが開示されている(段落[0128]-[0131]を参照)。そのため、準揮発性NORストリングの読み出しアクセス時間は、DRAMの読み出しアクセス時間に近づき、100ナノ秒以下で、従来の3D-NANDフラッシュメモリよりも約500倍高速となる。この詳細な説明に開示された3次元垂直NORストリングでは、アレイの底部にあるセグメント化されたビット線は、専用のセンスアンプを有し、ビット線セグメントの真下の基板内のデコーダ(例えば、図3D、図3E、図3F、及び図3Gに示した)は、非仮特許出願IIIの水平ストリングを厳密に模倣し、DRAMに近い読み出しレイテンシを等しく達成することができる。これらの準揮発性垂直NORストリングを構築するためのプロセスステップは、非仮特許出願IIIの段落[0129]で説明されているステップと同様である。準揮発性ストレージトランジスタは、保持時間が比較的短いので(例えば、1時間~数日の範囲)、頻繁に読み出しリフレッシュする必要がある。このため、多数のストレージトランジスタを同時に読み出すまたは再プログラムする(すなわち、多数のビット線セグメントに関連するストレージトランジスタを並列に読み出すまたは再プログラムする)能力を有することは、チップ密度が1テラビットに近づいた場合に、通常の読み出しの中断を最小にするために重要である。
非仮特許出願IIIはまた、水平NORストリングにおける高速読み出しキャッシュメモリのための2つのストレージトランジスタのペアリングを開示している(段落[0194]~[0196]を参照)。この詳細な説明に開示されているように、垂直NORストリング内に専用のセグメントセンスアンプを有するセグメント化されたビット線は、このような高速読み出しキャッシュメモリによく適しており、デュアルトランジスタ対を使用して、同一のワードラインを共有する或るトランジスタ上のデータと、それに隣接するトランジスタ上に逆データ(すなわち、消去された状態)をプログラムすることができる。例えば、図6Eでは、同一のワード線WL31-1の両側を共有する互いに隣接する2つのビット線セグメントMSBL(L)、MSBL(R)における、2つのトランジスタTL(683)、TR(682)からの読み出し出力信号が、シリコン基板内の差動センスアンプに供給される。差動センスアンプは、Y方向に沿って隣接する2つのビット線セグメント間で共有される。このデュアルセグメント構成は、アレイビット効率が50%低減するが、プロセス変動及びストリングリーク、チップ全体にわたるパラメータドリフトまたはデバイス感度に対する優れた耐性を提供する。その上、非常に高速のセンシング、及びより高いサイクル耐久性を提供し、かつ、プログラム可能な基準ストリングの必要性を排除することができる。X方向に沿った(すなわち、グローバルビット線と同一方向に沿った)ビット線セグメント間の絶縁のために、キャッシュ記憶のために対トランジスタ差動感知で構成されたビット線セグメントの同一のチップブロックを有することが可能であり、一方、他のブロックは、倍密度のために一度に単一トランジスタの通常のセンシングを用いる。この柔軟性により、同一チップが、キャッシュメモリとして、ストレージメモリとして部分的に機能することが可能になる。また、多くのページのストレージ(例えば、4MBの記憶容量を必要とする1枚の写真画像は、2KB当たり2000ページを占有する)を必要とするファイルを保存することができ、高速なキャッシュメモリを使用して最初の1以上のページをセグメントに書き込み、残りを同一チップ上の非キャッシュセグメントに書き込み、そして、その最初のページを非常に高速に読み取ることによって画像を取得しながら、他のページのパイプライン読み出しを使用して、4MB全体のための低い読み出しレイテンシを享受する。
本発明の、対応するセグメントセンスアンプによるグローバルビット線の領域ビット線セグメントへのセグメンテーション及びグローバルワード線セグメンテーション(図6F及び図6Hに関連して説明した)は、3次元垂直NORストリングについて説明したが、従来の3D垂直NANDメモリストリングにも同様に適用することができる。
製造プロセス
図7A、図7B、図7C、及び図7Dは、本発明の一実施形態による、マルチゲートNORストリングアレイの製造プロセスにおいて形成される中間構造体の断面図である。
図7Aは、本発明の一実施形態による、低抵抗層723pが基板701の上方に形成された後の、半導体構造体700のZ-Y平面の断面図を示す。この例では、pは、0~31の範囲の整数であり、32本のワード線のそれぞれを表す。図7Aに示すように、半導体構造体700は、低抵抗率層723-0~723-31を含む。半導体基板701は、例えば、垂直NORストリングを形成する前にメモリ構造体700のための支持回路が形成されるP-ドープバルクシリコンウェハを表す。このような支持回路は、アナログ論理回路及びデジタル論理回路の両方を含み得る。このような支持回路のいくつかの例には、シフトレジスタ、ラッチ、センスアンプ、基準セル、電源ライン、バイアス及び基準電圧発生器、インバータ、NAND、NOR、排他的論理和及び他の論理ゲート、入出力ドライバ、ビット線及びワード線デコーダを含むアドレスデコーダ、他のメモリ素子、シーケンサ、並びに、状態機械が含まれ得る。これらの支持回路を提供するために、当業者に知られているように、従来のN-ウェル、P-ウェル、トリプルウェル(図示せず)、N+拡散領域(例えば、領域707-0)及びP+拡散領域(例えば、領域706)、低電圧トランジスタ及び高電圧トランジスタ、キャパシタ(コンデンサ)、抵抗器、ダイオード、並びに、相互接続部が設けられる。
支持回路が半導体基板701内及びその上に形成された後、例えば、厚い二酸化シリコンを堆積または成長させることにより、絶縁層708が設けられる。いくつかの実施形態では、グローバルソース線713-0を含む1以上の金属相互接続層が形成される。この金属相互接続層は、所定の方向に沿って延びる水平な細長いストリップとして設けられる。グローバルソース線713-0は、エッチングされた開口部714を介して、基板701内の回路707に接続される。この詳細な説明における説明を容易にするために、グローバルソース線はX方向に沿って延びていると仮定する。金属相互接続線は、1以上の堆積された金属層上にフォトリソグラフィーパターニング及びエッチングを適用することによって形成することができる(代替的に、これらの金属相互接続線は、従来の銅またはタングステンのダマシン配線プロセスなどの従来のダマシン配線プロセスを用いて形成してもよい)。次に、厚い誘電体層709を堆積させ、次いで、従来の化学機械研磨(CMP)を用いて平坦化する。
次に、導体層723-0~723-31を順次形成する。各導体層は、その下層及びその上層との間に介在する絶縁層726によって、下層及び上層と絶縁される。図7Aでは、32の導体層が示されているが、導体層は任意の数だけ設けることができる。実際には、設けることができる導体層の数は、例えば、多数の導体層及びそれらの間の誘電体絶縁層726を切断することを可能にする十分に制御された異方性エッチングプロセスの利用可能性などの、プロセス技術に依存する。例えば、導体層723pは、まず、厚さ1~2nmの窒化チタン層(TiN)を堆積させ、続いて、厚さ10~50nmのタングステン(W)または同様の高融点金属、またはシリサイド(とりわけ、ニッケル、コバルト、またはタングステンのシリサイド)、またはサリサイドなどの層を堆積させ、次いで、酸化アルミニウム(Al)などのエッチストップ材料の薄層を堆積させることによって形成することができる。各導体層は、堆積後にブロック700内でエッチングされるか、または、従来のダマシン配線プロセスによってブロックとして堆積される。図7Aに示す実施形態では、連続する導体層723pの各々は、直前の金属層の縁部よりも短い(すなわち、縁部から凹んだ)距離727だけY方向に延在し、これにより、全ての導体層は、製造プロセスの後の段階で構造体700の頂部からアクセスすることができる。しかしながら、図7Aの階段状導体スタックを形成するために必要なマスキング及びエッチングのステップの数を減らすために、露出した凹面727を形成するのに個々の導体面を個別にマスキング及びエッチングすることを必要としない当業者に既知の他のプロセス技術を使用して、複数の導体層に対して凹面727を同時に形成することもできる。導体層が堆積及びエッチングされた後、対応する誘電体絶縁層726を堆積させる。誘電体絶縁層726は、例えば、15nm~50nmの厚さの二酸化シリコンであり得る。従来のCMPは、次の導体層を堆積するために各誘電体層の表面を整える。ブロック700のスタック内の導体層の数は、垂直NORストリング内のメモリTFTの数と、プリチャージTFT(例えば、図5AのプリチャージTFT575)などの非メモリTFTの制御ゲート、またはビット線アクセス選択TFT(例えば、図5Aの585ビット線アクセス選択TFT511)の制御ゲートとして使用され得る任意の追加の導体層との数に、少なくとも対応する。導体層の堆積及びエッチングステップ、並びに、誘電体層の堆積及びCMPプロセスは、全ての導体層が設けられるまで繰り返される。
次に、誘電体絶縁層710及びハードマスク層715を堆積させる。ハードマスク715は、導体層723pをエッチングして、まだ形成されていないワード線の長いストリップを形成することを可能にするようにパターニングされる。ワード線の長さは、Y方向に沿って延びている。ワード線623p-R、623p-Lに対するマスキングパターンの一例が図6に示されており、このマスキングパターンは、絶縁部(ギャップ)676において互い対向する隣接ワード線の延長部、及び所望の湾曲部675を生成するための各ワード線の凹部などの特徴を含む。連続した導体層723p及びそれらの間に介在する誘電体絶縁層726を介して、導体層723pの底部の誘電体層709に達するまで異方性エッチングを行うことによって、深いトレンチが形成される。多数の導体層がエッチングされるので、フォトレジストマスク自体は、多数の連続的なエッチングを通じて所望のワード線パターンを保持するのに十分にロバストではない恐れがある。ロバストなマスクを提供するためには、当業者に知られているように、ハードマスク層715(例えば、カーボン)を設けることが好ましい。エッチングは、誘電体材料709、グローバルソース線上のランディングパッド713、または、基板701で終了される。ランディングパッド713をエッチングから保護するために、エッチストップバリア膜(例えば、酸化アルミニウム)を設けることが有益であり得る。
図7Bは、本発明の実施形態による、半導体構造体700のZ-X平面の断面図である。図示のように、連続する導体層723p及び対応する誘電体層726をエッチングすることにより、誘電体層709に達するトレンチ(例えば、深いトレンチ795)が形成されている。図7Bでは、導体層723pを異方性エッチングすることにより、深いトレンチ795によって互いに絶縁された導体スタック723p-R及び723p-Lが形成されている。この異方性エッチングは、高アスペクト比のエッチングである。様々な層の材料をエッチングするので、最良の結果を達成するためには、当業者に知られているように、導体材料エッチングと誘電体エッチングとでは、エッチング化学物質を変更する必要がある。スタックの底部に形成されるワード線の導体幅及びトレンチ間隔が、スタックの頂部またはその付近のワード線の対応する導体幅及びトレンチ間隔と略同一になるように、いずれの層のアンダーカットも回避するべきなので、多段階エッチングの異方性は重要である。当然ながら、スタック内の導体層の数が多いほど、多数の連続したエッチングを通じてタイトなパターン許容差を維持することがより困難になる。例えば64または128以上の導体層を介してエッチングすることに伴う困難を軽減するために、エッチングは、例えば32層のセクション毎に行うとよい。別個にエッチングされたセクションは、その後、例えば上述の非特許文献1に教示されているようにして、互いにステッチ(stitch)することができる。
導体材料(例えば、タングステン、または他のエッチングしにくい材料)の複数の導体層723pを通じて行うエッチングは、介在する絶縁層726のエッチングよりもはるかに困難であり、時間がかかる。そのため、導体層723pの複数のエッチングを不要にする代替プロセスが用いられる。この代替プロセスは、当業者に周知であり、まず、図7Bの導体層723pを、容易にエッチング可能な材料の犠牲層に置き換える。例えば、絶縁層726は二酸化シリコンであり、犠牲層(図7Bでは723pとして示される空間を占める)は、窒化シリコンまたは別の高速エッチング誘電材料であり得る。次に、ONON(酸化物-窒化物-酸化物-窒化物)交互誘電体層を介して、深いトレンチを異方性エッチングして、デュアル誘電体(二重誘電体)の高いスタックを形成する。製造プロセスの後の段階(後述する)で、これらのスタックはポリシリコンのアクティブ垂直ストリップによって支持され、これにより、好ましくは選択的な化学的または等方性エッチングによって犠牲層をエッチング除去することが可能になる。このようにして形成されたキャビティは、その後、導体材料のコンフォーマルな堆積によって充填され、その結果、介在する絶縁層726によって絶縁された導体層723pが得られる。
図7Bの構造が形成された後、電荷トラップ層734及びポリシリコン層730を、エッチングされた導体ワード線スタックの垂直側壁上にコンフォーマルに連続して堆積させる。これにより形成された構造体のZ-X平面の断面を図7Cに示す。図7Cに示すように、電荷トラップ層734は、例えば、高誘電率の誘電体膜(例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、または、二酸化ケイ素及び窒化ケイ素の或る組み合わせなど)からなる厚さが5~15nmのブロッキング誘電体732aを最初に堆積させることによって形成される。その後、電荷トラップ材料732bを、4~10nmの厚さで堆積させる。電荷トラップ材料732bは、例えば、窒化シリコン、シリコンリッチな酸窒化物、誘電体膜に埋め込まれた導電性ナノドット、または、同一の垂直アクティブストリップを共有する隣接TFTから絶縁された薄い導電性フローティングゲートであり得る。次いで、電荷トラップ732bを、2~10nmの範囲の厚さで堆積させたコンフォーマルな薄いトンネル誘電体膜(例えば、二酸化シリコン層、または酸化シリコン-窒化シリコン-酸化シリコン(「ONO」)三重層)によってキャップする。電荷トラップ層734から形成される記憶素子は、SONOS、TANOS、ナノドットストレージ、絶縁されたフローティングゲート、または、当業者に知られている任意の適切な電荷トラッピングサンドイッチ構造体のいずれかであり得る。電荷トラップ層734の合計厚さは、一般的に、15~25nmである。
電荷トラップ層734の堆積後、マスキングステップを用いて、トレンチ795の底部の電荷トラップ層734及び誘電体層709を通じて異方性エッチングを行い、ソース電源電圧Vssのための底部グローバルソース線ランディングパッド713(図7B参照)、グローバルビット線電圧Vbl(図示せず)の領域、またはバックバイアス供給電圧VbbにコンタクトするためのP+領域706(図7C参照)で停止することによって、トレンチ795の底部にコンタクト開口部が形成される。いくつかの実施形態では、トレンチ795の底部での電荷トラップ材料734のコンタクト開口部のエッチング中にトンネル誘電体層732cの垂直表面を保護するために、このエッチングステップに先立って、ポリシリコンの超薄膜(例えば、2~5nmの厚さ)を堆積させる。一実施形態では、各グローバルソース線は、垂直NORストリング対の行における交互の位置にのみ接続される。例えば、図5Aでは、奇数番目のアドレスワード線に電気コンタクト(例えば、コンタクト開口部557)をエッチングして、N+ドープされたローカルソース線(例えば、図5Aのローカルソース線555)をグローバルソース線513-1に接続する。同様に、偶数番目のアドレスワード線に電気コンタクトをエッチングして、垂直NORストリング対の行におけるN+ドープされたローカルソース線をグローバルソース線513-2(図5Aでは図示せず)に接続する。寄生キャパシタC(すなわち、図5Aのキャパシタ560)を介して仮想Vssを使用する実施形態では、トレンチ795の底部の電荷トラップ層734をエッチングするステップをスキップすることができる。
その後、ポリシリコン薄膜730を、5~10nmの厚さで堆積させる。図7Cでは、ポリシリコン薄膜730が、トレンチ795の互いに対向する側壁に、それぞれ730R及び730Lと表示されている。ポリシリコン薄膜730は、ドープされていないか、または好ましくは、ホウ素が1×1016/cm~1×1017/cmの範囲のドーピング濃度でドープされており、内部に形成されるTFTが、より大きい固有の閾値電圧を有ることができる。トレンチ795は、その互いに対向する側壁上に、電荷トラップ層734及びポリシリコン薄膜730を設けるのに十分な幅を有する。ポリシリコン730を堆積させた後、上述したスタック内の犠牲層をエッチング除去し、それにより形成されたキャビティに、コンフォーマルに堆積させた導体層723pを充填する(図7C)。
図7Bに示すように、トレンチ795は、Y方向に沿って延びる。絶縁されたワード線スタック723p-L及び723p-Rの形成後、一実施例の半導体構造体700は、それぞれが、各スタックの長さに沿って形成される8000個またはそれ以上の個数のアクティブ列、すなわち16000個のTFT(スタックの各側に8000個のTFTが設けられる)の制御ゲートとして機能する、16000個またはそれ以上の個数の並列ワード線スタックを有することができる。各スタック内の64本のワード線により、このようなマルチゲート垂直NORストリングアレイのそれぞれに、最終的に160億個のTFTが形成される。各TFTが2つのデータビットを記憶する場合、このようなマルチゲート垂直NORストリングアレイは、32ギガビットのデータを記憶する。このようなマルチゲート垂直NORストリングアレイ(それに加えて、スペアアレイ)は、1つの半導体基板上に約32個形成することができ、これによって、1テラビットの集積回路チップを提供することができる。
図7Dは、一実施形態による、図7Cの構造体の頂面のX-Y平面の断面図である。ワード線723p-Lと723p-Rとの間には、垂直に堆積されたP-ドープされたポリシリコン構造(すなわち、アクティブ列)の2つの側壁730L及び730Rが存在する。側壁730Lと730Rとの間の深い空間740は、高速エッチング絶縁誘電体材料(例えば、二酸化シリコン、液体ガラス、または炭素ドープ酸化シリコン)で充填され得る。頂面は、その後、従来のCMPを使用して平坦化され得る。続いて、フォトリソグラフィーステップにより、開口部776及び777を露出させる。次に、高アスペクト比の選択エッチングを行い、露出領域776及び777内の高速エッチング誘電体材料をトレンチ795の底部まで掘削する。エッチング中の過度のパターン劣化を回避するために、このエッチングステップでは、ハードマスクが必要とされる場合がある。次いで、掘削された空間に、その場でN+ドープされたポリシリコンを充填する。N+ドーパントは、露出した空間内の非常に薄い低濃度ドープされたアクティブポリシリコンピラー730L及び730R内に拡散して、それらをN+ドープさせる。代替的に、掘削された空間にその場でN+ドープポリシリコンを充填する前に、空間内の低濃度ドープポリシリコンを、簡単な等方性プラズマエッチングまたは選択的ウェットエッチングによってエッチング除去してもよい。次に、CMPまたは頂面エッチングにより、頂面からN+ポリシリコンを除去して、領域754(N+)及び755(N+)に高濃度N+ポリシリコンのパイロンを残す。これらのN+パイロンは、結果として形成される垂直NORストリング内のTFTに対する共有垂直ローカルソース線及び共有垂直ローカルビット線を形成する。
図7D-1は、垂直パイロン754及び755の露出した空隙部776の一部のみを充填することによって、背の高い垂直ソース/ドレインパイロンの導電性を実質的に高めることを示す。このことは、例えば、最初にN+ドープポリシリコン754(N+)及び755(N+)の超薄層をそれぞれ5~15ナノメートルの間の厚さで堆積させ(これは、隙間を埋めるのには不十分である)、次いで、金属導電性材料(例えば、窒化チタン、窒化タングステン、またはタングステン)を、(例えば、原子層堆積法(ALD)を用いて)堆積させて、ソース/ドレインパイロンのコアの残りの空隙部720(M)を充填することによってなされる。また、図4A-1も参照されたい。図4A-1は、Y-Z平面においてパイロンのコアに充填された金属導体420(M)が、極薄N+ポリ454(N+)と密接に接触している状態を示す。コアに充填された金属材料の導電率は比較的高いので、極薄N+ドープポリシリコンのN型ドーピング濃度を1または2桁減少させることができ、これにより、チャネルのP型ドーパントへのN型ドーパントの望ましくない熱拡散を減少させることができる。N+/金属導体構造は、ソースパイロン及びドレインパイロンの一方または両方に適用することができる。別の実施形態では、チャネル領域756の外側の領域757内に存在する薄いP-ドープポリシリコンは、チャネル領域756内のP-ドーピングと比較して、まず、より高濃度にP+(例えば、10 19 cm以上)をドープすることができ、これは、2×10 18 /cm以下であり得る。チャネル内のP-ポリに接触するP+ポリをソースパイロン内に加えることにより、消去動作中にローカルソース線が高い正の電圧に上昇したときに、消去効率を高めることができる。
次に、誘電体絶縁層を堆積させ、フォトリソグラフィー・マスキング及びエッチングステップを用いてパターニングする。エッチングステップにより、垂直ローカルビット線を水平グローバルビット線に接続するコンタクトを開口形成する(例えば、図6に示すように、奇数番目アドレスでは657-1をストリングスに接続し、偶数番目アドレスでは657-2をストリングに接続する)。低抵抗の金属層(例えば、タングステン)を堆積させる。次に、堆積された金属をフォトリソグラフィー及びエッチングステップを用いてパターニングして、グローバルビット線(例えば、図6に示すように、奇数番目アドレスではストリングス用のグローバルワード線614-1(GBL)、偶数番目アドレスではストリングング用グローバルビット線614-2(GBL))を形成する。代替的に、グローバルビット線は、従来の銅ダマシン配線プロセスを使用して形成してもよい。全てのグローバルビット線、及びワード線スタックの全ての金属層723p(図7A)は、当業者に知られているように、エッチングされたビアによって、基板内のワード線及びビット線のデコード及び感知回路に接続される。スイッチ及び感知回路、デコーダ、及び基準電圧源は、個別に、またはビット線及びワード線のいくつかが共有して、グローバルビット線及びグローバルワード線に設けることができる。
いくつかの実施形態では、ビット線アクセス選択トランジスタ(図5Aの511)及びそれに関連する制御ゲートワード線(例えば、図5Aのワード線585)は、当業者に知られているように、絶縁された垂直N+P-N+トランジスタとして形成され、奇数番目及び偶数番目のグローバルビット線(例えば、図6Aのビット線614-1及び614-2)を、交互の奇数及び偶数アドレス(例えば、図6Aのローカルビット線657-1及び657-2)において垂直NORストリングに選択的に接続する。
読み出し動作
垂直NORストリングのTFTは並列に接続されているので、本発明の全ての実施形態において、アクティブ列(垂直NORストリング対が形成されたアクティブ列を含む)内の全てのTFTは、好ましくは、読み出し動作中における共有ローカルソース線と共有ローカルビット線(例えば、図4Cに示すローカルビット線454及びローカルソース線455)との間のリーク電流を抑制するために、エンハンスメントモードにあるべき、すなわち、各TFTが正のゲート-ソース間閾値電圧を有するべきである。エンハンスメントモードTFTは、約1VのネイティブTFT閾値電圧を目標とする、一般的には1×1016~1×1017/cmの範囲の濃度のホウ素でチャネル領域(例えば、図7CのP-チャネル領域756)をドーピングすることによって達成される。このようなTFTでは、アクティブ列の垂直NORストリング対内の全ての非選択ワード線を0Vに保持することができる。代替的に、読み出し動作は、共有ローカルN+ドレイン線(例えば、図4Cのローカルソース線455)上の電圧を約1.5Vに上昇させると共に、共有ローカルN+ドレイン線(例えば、ローカルビット線454)を約2Vに上昇させ、選択されていない全てのローカルワード線を0Vに保持する。このような構成は、ワード線をソースに対して-1.5Vに設定することと同等であり、これによって、例えばTFTがわずかに過剰消去された場合に生じる、わずかに空乏化された閾値電圧のTFTによるリーク電流を抑制する。
垂直NORストリングのTFTを消去した後、過剰消去された(すなわち、空乏モードの閾値電圧を有するようになった)垂直NORストリングの任意のTFTをエンハンスメントモードの閾値電圧に戻すために、ソフトプログラム動作が必要とされ得る。図5Aでは、P-チャネルがボディバイアスソース506のバックバイアス電圧(Vbb)に接続される任意選択のコンタクト556が示されている(図4Cでは、ボディ接続部456としても示されている)。共有N+ソースと共有N+ドレイン/ローカルビット線との間のサブスレッショルドリーク電流を低減するために、Vbbに負電圧を使用して各アクティブ列内のTFTの閾値電圧を調節することができる。いくつかの実施形態では、制御ゲートが0Vに保持されるトンネル消去TFTの消去動作中に正のVbb電圧を使用することができる。
垂直NORストリング対のTFTに記憶されたデータを読み出すために、垂直NORストリング対の両方の垂直NORストリング上の全てのTFTは、最初に、マルチゲートNORストリングアレイ内の全てのワード線を0Vに保持することによって、「オフ」状態に置かれる。アドレス指定された垂直NORストリングは、デコード回路を使用して、共通のワード線に沿っていくつかの垂直NORストリング間で感知回路を共有することができる。代替的に、各垂直NORストリングは、グローバルビット線(例えば、図4CのGBL1)を介して専用の感知回路に直接接続してもよい。後者の場合、同一のワード線平面を共有する1以上の垂直NORストリングを並列に感知することができる。アドレス指定された垂直NORストリングのそれぞれは、そのローカルソース線をVss~0Vに設定する。この設定は、図8Aに概略的に示すように、そのハードワイヤードグローバルソース線(例えば、図4CのGSL1)を介して行われるか、または、図8Bに概略的に示すように、プリチャージ中にVbl~0Vを寄生キャパシタC(例えば、フローティングローカルソース線455または355のキャパシタ460またはキャパシタ360)に瞬間的に転送するプリチャージトランジスタ(例えば、図4Cのプリチャージトランジスタ470または図3Cのトランジスタ317)を介して仮想Vss~0Vとして設定される。
プリチャージトランジスタ470をオフにした直後に、ローカルビット線(例えば、図4Cのローカルビット線454)は、ビット線アクセス選択トランジスタ(例えば、図4Cのビット線アクセス選択トランジスタ411、または図5Aのアクセス選択トランジスタ511)を介して、Vbl~2Vに設定される。Vbl~2Vは、アドレス指定された垂直NORストリングのセンスアンプにおける電圧でもある。このとき、アドレス指定されたワード線は、0Vから一般的に約6Vまでの小さなインクリメント電圧ステップで上昇し、一方、垂直NORストリング対の奇数番目アドレスTFT及び偶数番目アドレスTFTの両方における全ての非選択ワード線は、0Vに維持される。図8AのハードワイヤードVssの実施形態では、アドレス指定されたTFTは、一例では、2.5Vの閾値電圧にプログラムされている。したがって、ローカルビット線LBLの電圧Vblは、そのWLが2.5Vを超えるとすぐに、選択されたTFTを介してローカルソース線(Vss)の0Vに向かって放電を開始し、これにより、選択されたグローバルビット線をサーブするセンスアンプで検出される電圧降下(図8Aにおいて破線矢印で示す)をもたらす。図8Bの仮想Vssの実施形態では、プリチャージトランジスタワード線WLCHGは、読み出しシーケンスの開始時に瞬間的にオンにされ、フローティングローカルソース線LSLを0Vにプリチャージする。次に、選択されたワード線WLは、電圧インクリメントステップを行い、プログラムされた2.5Vを超えるとすぐに、選択されたTFTはそのローカルビット線上の電圧をVbl~2Vから瞬間的に降下させる。この電圧ディップ(降下)(図8Bにおいて破線の矢印で示す)は、選択されたローカルビット線に接続されたグローバルビット線のセンスアンプによって検出される。当業者に知られているように、選択されたTFTのプログラムされた閾値電圧を正確に読み出すための他の代替スキームが存在する。寄生キャパシタCに依存して仮想電圧Vssを一時的に保持する実施形態では、垂直スタックが高いほど寄生キャパシタCも大きくなり、そのため保持時間が長くなり、選択されたセンスアンプに提供される読み出し信号は大きくなる。寄生キャパシタCをさらに増加させるために、一実施形態では、キャパシタCを増加させることを主目的とする1以上のダミー導体を垂直ストリングに追加することが可能である。
MLC実施(すなわち、各TFTが2ビット以上を記憶する「マルチレベルセル」実施)の場合、アドレス指定されたTFTは、いくつかの電圧(例えば、1V(消去状態)、2.5V、4V、または5.5V)のうちの1つにプログラムされていてもよい。アドレス指定されたワード線WLは、電圧インクリメントステップにおいて、TFTの導通がセンスアンプで検出されるまで電圧をインクリメントする。代替的に、単一のワード線電圧を印加してもよく(例えば、約6ボルト)、ローカルビット線LBL(Vbl)の放電率を、記憶されたマルチビットの電圧状態を表すいくつかのプログラム可能な基準電圧からの放電率と比較することができる。このアプローチは、連続した状態に対して拡張することができ、アナログストレージを効果的に提供する。プログラム可能な基準電圧は、マルチゲート垂直NORストリングアレイ内に配置された専用の基準垂直NORストリングに格納することができ、これにより、読み出し、プログラム、及びバックグラウンドリークの間の特性を厳密に追跡することができる。垂直NORストリング対では、2つの垂直NORストリングのうちの一方のTFTのみを各読み出しサイクルで読み出すことができ、他方の垂直NORストリング上のTFTは「オフ」状態(すなわち、全てのワード線は0V)に置かれる。読み出しサイクル中、垂直NORストリングのTFTのうちの1つだけに読み出し電圧が印加されるので、読み出しディスターブ条件は本質的に存在しない。
本発明の一実施形態の一例では、64個のTFTと、1個以上のプリチャージTFTとが、垂直NORストリング対の各垂直NORストリングに設けられる。各ワード線は、ローカル垂直N+ソース線ピラーとの交差部において、キャパシタを形成する(例えば、図6Aのキャパシタ660を参照)。このようなキャパシタの一般的な容量は、例えば、1×1018F(ファラド)である。垂直NORストリングの両方の垂直NORストリングの全てのキャパシタを含めると、全体的な分布容量Cは約1×1016ファラドとなる。これは、プリチャージ動作の直後に一般的に1マイクロ秒未満で完了する読み出しサイクル中に、ローカルソース線がプリチャージされた電源電圧(Vss)を保存するのに十分な容量である。ビット線アクセス選択トランジスタ411及びプリチャージTFT470による充電時間は数ナノ秒程度であり、したがって、充電時間は読み出しレイテンシに顕著には加わらない。垂直NORストリング内のTFTからの読み出しは高速である。その理由は、直列接続された多数のTFTを導通することが必要なNANDストリングの読み出し動作とは異なり、読み出し動作が垂直NORストリング内のTFTのうちの1つのみの導通しか伴わないからである。
本発明の垂直NORストリングの読み出しレイテンシに寄与する主な要因は、次の2つである。(a)グローバルビット線(例えば、図6AのGBL614-1)の抵抗Rbl及びキャパシタンスCblに関連するRC時間遅延、及び、(b)アドレス指定されたTFTが導通を開始したときのローカルビット線(例えば、LBL-1)上の電圧降下Vblに対するセンスアンプの応答時間。グローバルビット線に関連するRC時間遅延は、例えば、16、000個の垂直NORストリングをサーブする場合、約数十ナノ秒である。従来技術の垂直NANDストリング(例えば、図1BのNANDストリング)のTFTを読み出すための読み出しレイテンシは、32個以上の直列接続されたTFTと、グローバルビット線のキャパシタンスCblを放電する選択トランジスタとを通る電流によって決定される。対照的に、本発明の垂直NORストリングでは、読み出し電流放電Cblは、ビット線アクセス選択トランジスタ411と直列の1つのアドレス指定されたトランジスタ(例えば、図4Aのトランジスタ416L)のみを介して供給され、これにより、ローカルビット線電圧(Vbl)の放電がはるかに早くなる。この結果、はるかに短いレイテンシが達成される。
図4Cでは、一度に1つのTFT(例えば、垂直NORストリング451b内のTFT416L)が読み出されるとき、垂直NORストリング対491の垂直NORストリング451a及び451b内の他の全てのTFTが「オフ」状態に保持され、それらのワード線は0Vに保持される。垂直NORストリング対492の垂直NORストリング452a内のTFT416Rは、ワード線W31をTFT416Lと共有しているが、垂直NORストリング452aはグローバルビット線414-2によってサーブされ、垂直NORストリング451bはグローバルビット線414-1によってサーブされるので、TFT416RはTFT416Lと同時に読み出される(図6A及び図6Bは、グローバルビット線614-1及び614-2が、隣接する垂直NORストリング対をどのようにサーブするかを示す)。
一実施形態では、ワード線スタックは、32の面に設けられた32本以上のワード線を含む。1つのマルチゲート垂直NORストリングアレイでは、各面は、16、000個のTFTを制御する8、000本のワード線を含み、その各々は、各ビット線が専用のセンスアンプに接続されているという条件で、16、000本のグローバルビット線を通して並列に読み出すことができる。代替的に、いくつかのグローバルビット線がデコード回路を介してセンスアンプを共有する場合、16、000個のTFTは、いくつかの連続した読み出しサイクルにわたって読み出される。大量の放電TFTを並列に読み出すと、チップの接地電源(Vss)に電圧バウンスが発生して、読み出しエラーが発生する可能性がある。しかしながら、ローカルソース線にプリチャージされた寄生キャパシタCを使用する(すなわち、垂直NORストリングに仮想電源電圧(Vss)を提供する)実施形態では、そのような接地電圧バウンスが排除されるという特別な利点を有する。これは、垂直NORストリング内の仮想電源電圧が独立しており、チップの接地電源に接続されていないためである。
プログラム(書き込み)動作及びプログラム禁止動作
アドレス指定されたTFTのプログラムは、選択されたワード線(例えば、ワード線423p-R)と、アクティブチャネル領域(例えば、図4Aのボディ領域456のアクティブチャネル領域)との間に高プログラム電圧が印加されたときに、TFTのチャネル領域(例えば、図4Bに示すチャネル領域430L)から電荷トラップ層(例えば、電荷トラップ層434)への電子のトンネリング(直接トンネリング、またはファウラー・ノルドハイム・トンネリング)によって達成され得る。トンネリングは非常に効率的であり、TFTをプログラムするために非常に少ない電流しか必要としないので、低電力消費で数万個のTFTの並列プログラムを達成することができる。トンネリングによるプログラムは、例えば、20V、100マイクロ秒のパルスを必要とし得る。好ましくは、プログラムは、約14Vで開始され、約20Vまで高くなる、連側的なより短い持続時間の段階的な電圧パルスによって実施される。段階的な電圧パルスを用いることにより、TFTの電気的ストレスを低減させ、意図されたプログラム閾値電圧のオーバーシュートを回避することができる。
各高電圧パルスをプログラムした後、アドレス指定されたトランジスタを読み出して、それがその目標閾値電圧に達したかどうかを調べる。目標閾値電圧に達していない場合、選択されたワード線に印加される次のプログラムパルスは、一般的に数百ミリボルトだけインクリメントされる。このプログラムベリファイシーケンスは、アクティブ列(例えば、図4Bのアクティブ列430L)のローカルビット線(例えば、図4Aのローカルビット線454)に0Vを印加した状態で、1本のアドレスされたワード線(すなわち、制御ゲート)に繰り返し適用される。これらの高ワード線電圧のプログラムでは、TFT416Lのチャネル領域は反転され、かつ0Vに保持され、これにより、電子がTFT416Lの電荷蓄積層にトンネリングする。読み出し感知が、アドレス指定されたTFTがその目標閾値電圧に到達したことを示したとき、アドレス指定されたTFTは、さらなるプログラムを禁止しなければならないが、同一のワード線を共有する他のTFTは、それらのより高い目標閾値電圧へのプログラムを続けることができる。例えば、垂直NORストリング451b内のTFT416Lをプログラムする場合、垂直NORストリング451b及び451a内の他の全てのTFTのプログラムは、その全てのワード線を0Vに保持することによって禁止しなければならない。
TFT416Lがその目標閾値電圧に達した後の、TFT416Lに対するさらなるプログラムを禁止するために、半選択電圧(すなわち、約10V)がローカルビット線454に印加される。チャネル領域に10Vが印加され、制御ゲートに20Vが印加された状態では、正味10Vのみが電荷トラップ層に印加されるので、ファウラー・ノルドハイム・トンネリング電流は重要ではなく、最大20Vまでのステップパルス電圧の残りのシーケンス中は、TFT416Lに対する意味のあるさらなるプログラムは行われない。ワード線WL31上のプログラム電圧パルスをインクリメントしながら、ローカルビット線454の電圧を10Vまで上昇させることにより、同一の選択されたワード線を共有する垂直NORストリング上の全てのTFTが、より高い目標閾値電圧に正しくプログラムされる。数万個のTFTを、並列に、マルチレベルセルストレージにおけるそれらの様々な目標閾値電圧状態に正確にプログラムするためには、「プログラム-読み出し-プログラム禁止」のシーケンスが不可欠である。個々のTFTの過剰プログラムのこのようなプログラム禁止が存在しない場合は、次のより高い目標閾値電圧状態の閾値電圧によるオーバーステアまたはマージを引き起こす可能性がある。TFT416R及びTFT416Lは同一のワード線を共有するが、それらは別個の垂直NORストリング対452及び451に属する。TFT416L及びTFT416Rは、それぞれのビット線電圧がGBL及びGBLを介して供給され、独立して制御されるので、TFT416L及びTFT416Rの両方を同一のプログラムパルス電圧シーケンスでプログラムすることができる。例えば、TFT416Lは、プログラムを継続することができ、一方、TFT416Rは、さらなるプログラムをいつでも禁止することができる。垂直NORストリング対491の垂直NORストリングs451a及び451bは、別々のワード線423p-L及び423p-Rによってそれぞれ制御され、各ローカルビット線の電圧は、他の全ての垂直NORストリング対から独立して設定することができるので、これらのプログラム及びプログラム禁止電圧条件を満たすことができる。プログラム中に、アドレス指定されたワード線スタック内またはアドレス指定されていないワード線スタック内の選択されていないワード線は、0V、半選択電圧10V、または、フロート状態にすることができる。グローバルソース線(例えば、図4CのGSL)がソースアクセス選択トランジスタ(図4Cには図示せず)を介してアクセスされる実施形態では、アクセス選択トランジスタは、プログラム中にはオフになり、その結果、プログラム及びプログラム禁止中には、ローカルソース線455の電圧は、ローカルビット線454の電圧に追従する。ローカルソース線上の電圧が、図4Cではキャパシタ460によって表されるその寄生キャパシタCによって供給される実施形態についても同様である。グローバルソース線は存在するがソースアクセス選択トランジスタは存在しない図4Cの実施形態では、アドレス指定されたストリングのグローバルソース線413-1に印加される電圧は、プログラム及びプログラム禁止の間、アドレス指定されたグローバルビット線414-1の電圧を追跡することが好ましい。
プログラムパルスの電圧の各インクリメント後には、TFT416L及び416Rがそれらのそれぞれの目標閾値電圧に達したか否かを判定する読み出しサイクルが行われる。目標閾値電圧に達している場合には、さらなるプログラムを禁止するために、ドレイン、ソース、及びボディ電圧を10Vに上昇させる(あるいは、これらの電圧を10Vに近づくようにフロートする)、一方、ワード線WL31は、目標閾値電圧にまだ達していない同一平面上の他のアドレス指定されたTFTのプログラムを継続する。このシーケンスは、全てのアドレス指定されたTFTが正しくプログラムされたことが読み出し/ベリファイされたときに終了する。MLCの場合、アドレス指定された各グローバルビット線をいくつかの所定の電圧(例えば、記憶される2ビットデータの4つの互いに異なる状態を表す0V、1.5V、3.0V、または4.5V)のうちの1つに設定し、次いで、階段状のプログラムパルス(約20Vまで)をワード線WL31に印加することによって、複数の閾値電圧状態のうちの1つのプログラムを高速化することができる。このようにして、アドレス指定されたTFTは、有効なトンネリング電圧(すなわち、それぞれ、20V、18.5V、17V、15.5V)のうちの所定の1つを受け取り、その結果、所定の閾値電圧の1つが単一プログラムシーケンスでTFTにプログラムされる。その後、微細なプログラムパルスが、個々のTFTレベルで提供され得る。
高速化された全面並列プログラム
マルチゲート垂直NORストリングアレイの各ローカルソース線の固有の寄生キャパシタCに起因して、マルチゲート垂直NORストリングアレイの全てのローカルソース線は、高電圧パルスシーケンスを適用する前に、全ての垂直NORストリング上に0V(プログラム用)または10V(禁止用)の電圧を(例えば、グローバルビット線GBL、ビット線アクセス選択トランジスタ411、プリチャージトランジスタ470を介して)瞬間的に印加することができる。この手順は、ワード線平面をアドレス指定することによって、平面毎に実行することができる。アドレス指定されたワード線平面毎に、他のワード線平面上の全てのワード線を0Vに保持しながら、アドレス指定されたワード線平面上の多くのまたは全てのワード線にプログラムパルスシーケンスを適用することができ、これにより、アドレス指定された平面上の多数のTFTを並列にプログラムし、次いで、個々の読み出しベリファイを行うことができる。また、必要に応じて、適切にプログラムされたTFTのローカルソース線を、プログラム禁止電圧にリセットすることができる。このアプローチは、プログラム時間が比較的長く(すなわち、約100マイクロ秒)、一方、アドレス指定されたワード線平面を共有する全てのTFTの全てのローカルソース線キャパシタのプリチャージまたは読み出しベリファイの速度は1000倍以上速いので、大きな利点を提供する。したがって、各ワード線平面に可能な限り多数のTFTを並列にプログラムすることは有益である。この高速化されたプログラム機能は、シングルビットプログラムよりも大幅に遅いMLCプログラムにおいて、さらに大きな利点を提供する。
消去動作
いくつかの電荷トラップ材料では、消去動作は、トラップされた電荷の逆トンネリングによって実行される。この消去動作は、かなり遅くなる場合があり、ときには、数十ミリ秒の20Vまたはそれ以上のパルスを必要とする。したがって、消去動作は、垂直NORストリングアレイレベル(「ブロック消去」)で実施することができ、しばしば、バックグラウンドで実行される。一般的な垂直NORストリングアレイは、64のワード線平面を有し、各ワード線平面は、例えば16、384×16、384個、合計で約17億のTFTを制御する。したがって、各TFTに2ビットのデータが格納されている場合、1テラビットチップは、約30個の垂直NORアレイ配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、ブロック消去は、ブロック内の全てのワード線を0Vに保持しつつ、垂直NORストリング(例えば、図4Cのボディ接続部456、及び図5Aのコンタクト556)において全てのTFTによって共有されるPチャネルに約20Vを印加することによって実行することができる。消去パルスの持続時間は、ブロック内の大部分のTFTがエンハンスメントモードのわずかな閾値電圧、すなわち0V~1Vの範囲で消去されるような持続時間にしなくてはならない。いくつかのTFTは、オーバーシュートして空乏モード(すなわち、わずかに負の閾値電圧)に消去される。消去コマンドの一部として、消去パルスの終了後に、過剰消去されたTFTを、エンハンスメントモードのわずかな閾値電圧に戻すために、ソフトプログラムが必要とされ得る。エンハンスメントモードにプログラムすることができない1以上の空乏モードTFTを含むことができる垂直NORストリングは、予備のストリングに置き換えるために除去する必要がある。
代替的に、ボディ(すなわち、P-層)に消去パルスを供給するのではなく、消去パルスの持続時間の間、全てのワード線平面上の全てのワード線を0Vに保持しながら、垂直NORストリングアレイ内の全ての垂直NORストリング対上のローカルソース線及びローカルビット線(例えば、図4Cのローカルソース線455及びローカルビット線454)の電圧を約20Vまで上昇させてもよい。このスキームでは、グローバルソース線及びグローバルビット線選択デコーダは、それらの接合部において20Vに耐えることができる高電圧トランジスタを使用する必要がある。代替的に、アドレス指定されたワード線平面を共有する全てのTFTは、他の全ての平面上のワード線を0Vに保持しながら、アドレス指定された平面上の全てのワード線に-20Vパルスを印加することによって、同時に消去することができる。垂直NORストリング対の他の全ての電圧は、0Vに保持される。このようにして、アドレス指定された1つのワード線平面と接続する全てのTFTのX-Yスライスのみが消去される。
半揮発性NOR TFTストリング
垂直NORストリングへの使用に適したいくつかの電荷トラップ材料(例えば、酸化物-窒化物-酸化物、すなわち「ONO」)は、一般的に、何年もの長さのデータ保持時間を有するが、耐久性は比較的低い(すなわち、一般的に、約1万サイクル以下の回数の書き込み消去サイクルの後、性能が劣化する)。しかしながら、いくつかの実施形態では、電荷の保持時間は非常に短いが、非常に向上した耐久性を有する(例えば、保持時間は、数分または数時間程度であるが、数千万回の書き込み消去サイクルが可能な耐久性を有する)電荷トラップ材料を選択してもよい。例えば、図7Cの実施形態では、一般的に6~8nmのSiO層であるトンネル誘電体層732cは、約2nmまで薄くするか、または、同様の厚さの別の誘電体材料(例えば、SiN)に置き換えることが可能である。この非常に薄い誘電体層は、直接トンネリングによって電荷トラップ層に電子を導入するのに、(より高い電圧を必要とするファウラー・ノルドハイム・トンネリングとは異なる)より小さい電圧を使用することを可能にし、この場合、電子を数分から数時間または数日間にわたってトラップすることができる。電荷トラップ層732bは、窒化シリコン、薄い誘電体膜中に分散された導電性ナノドット、または、絶縁された薄いフローティングゲートを含む他の電荷トラップ膜の組み合わせであり得る。ブロッキング層732aは、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、窒化ケイ素、高誘電率誘電体、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。ブロッキング層732aは、電荷トラップ層732b内の電子が制御ゲートワード線に逃げることを阻止する。トラップされた電子は、最終的には、極薄トンネル誘電体層の破損の結果として、または逆方向の直接トンネリングによって、アクティブ領域730Rに漏出する。しかしながら、トラップされた電子のこのような損失は、比較的遅い。また、電荷トラップ材料の他の組み合わせを使用してもよいが、その場合は、耐久性は高くなるが、失われた電荷を補充するために定期的な書き込みまたは読み出しリフレッシュ動作を必要とする保持性が低い「半揮発性」ストレージTFTが得られる。本発明の垂直NORストリングは、比較的高速の読み出しアクセス(すなわち、低レイテンシ)を有するので、それらは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)の使用を現時点では必要とするいくつかの用途で使用することができる。本発明の垂直方向NORストリングは、3次元スタックに組み込むことができないDRAMに対して、ビット当たりのコストが大幅に低いという大きな利点を有する。また、本発明の垂直方向NORストリングは、リフレッシュサイクルは数分または数時間ごとに1回実行するだけでよいので、数ミリ秒ごとリフレッシュを必要とするDRAMと比べて消費電力が大幅に低いという大きな利点を有する。本発明の3次元半揮発性ストレージTFTは、電荷トラップ材料のために上記したような適切な材料を選択し、プログラム/読み出し/プログラム禁止/消去条件を適切に適合させ、かつ、定期的なデータのリフレッシュを組み込むことによって達成される。
NROM/ミラービットNOR TFTストリング
本発明の別の実施形態では、垂直NORストリングは、当業者に知られている2次元NROM/ミラービットトランジスタで使用されるものと同様のチャネルホットエレクトロン注入法を用いてプログラムすることができる。一例として図4Aの実施形態を使用すると、チャネルホットエレクトロン注入のプログラム条件は、制御ゲート(すなわちワード線423p)では8V、ローカルソース線455では0V、ローカルドレイン線454では5Vであり得る。1ビットを表す電荷は、ローカルビット線454との接合部に隣接する(ボディ領域456の)チャネル領域の一端の電荷蓄積層に蓄積される。ローカルソース線455及びローカルビット線454の極性を反転させることによって、第2のビットを表す電荷がプログラムされ、ローカルソース線455との接合部に隣接するチャネル領域456の反対側の端部の電荷蓄積層に記憶される。両方のビットを読み出すためには、当業者には知られているように、プログラムのときと逆の順序で読み出す必要がある。チャネルホットエレクトロンプログラムは、直接トンネリングまたはファウラー・ノルドハイム・トンネリングによるプログラムよりもはるかに効率が悪いため、トンネリングにより可能な大規模な並列プログラムには適していない。しかしながら、各TFTは2倍のビット密度を有するので、アーカイブメモリなどの用途では魅力的である。NROM TFT実施形態での消去は、バンド間トンネリング誘起ホットホール注入を利用する従来のNROM消去メカニズムを用いて、トラップされた電子の電荷を中和することにより、すなわち、ワード線に-5V、ローカルソース線455に0V、ローカルビット線454に5Vをそれぞれ印加することによって達成することができる。代替的に、NROM TFTは、0Vのワード線を有するボディ領域456に、高い正の基板電圧Vbbを印加することによって消去することができる。チャネルホットエレクトロン注入プログラムは高プログラム電流を必要とするので、垂直NROM TFTストリングの全ての実施形態は、図3A及び図6Cの実施形態のように、ハードワイヤードローカルソース線及びローカルビット線を使用しなければならない。
上記の詳細な説明は、本発明の特定の実施形態を例示するために提供されたものであって、限定することを意図するものではない。本発明の範囲内で様々な変形及び変更が可能である。本発明は、添付の特許請求の範囲に記載されている。

Claims (38)

  1. その内部にメモリ回路を動作させるための回路が形成された半導体基板の平坦な表面上に形成されたメモリ構造体であって、
    第1の薄膜NORメモリストリング、第2の薄膜NORメモリストリング、及び第3の薄膜NORメモリストリングを有し、
    前記第1の薄膜NORメモリストリング、前記第2の薄膜NORメモリストリング、及び前記第3の薄膜NORメモリストリングの各々は、
    前記平坦な表面に対して実質的に直交する第1の方向に沿って延在する共通ソース領域及び共通ドレイン領域と、
    1以上のチャネル領域であって、各チャネル領域が前記共通ドレイン領域及び前記共通ソース領域の間に前記両領域に接触して設けられた、該1以上のチャネル領域と、
    複数のゲート電極であって、各ゲート電極が誘電体材料によって互いに離間及び絶縁され、前記チャネル領域のうちの1つに隣接するように位置決めされるとともにその隣接するチャネル領域から電荷トラップ材料によって絶縁され、かつ、前記平坦な表面に対して実質的に平行な第2の方向に沿って延在している、該複数のゲート電極と、を有する薄膜NORメモリストリングであり、
    前記メモリ構造体はさらに、
    (a)前記第1の薄膜NORメモリストリング及び前記第2の薄膜NORメモリストリングの両方の前記共通ドレイン領域を電気的に接続した第1の導体セグメント、(b)前記第3の薄膜NORメモリストリングの共通ドレイン領域を電気的に接続した第2の導体セグメント、及び(c)前記半導体基板の前記回路に電気的に接続された第3の導体セグメントと、
    第1のビット線選択トランジスタ及び第2のビット線選択トランジスタであって、それぞれ、該ビット線選択トランジスタを導通状態及び非導通状態にスイッチする制御信号を受信するように構成され、かつ、(i)前記第1のビット線選択トランジスタが導通状態にバイアスされたとき、前記第1のビット線選択トランジスタが前記第1の導体セグメントを前記第3の導体セグメントに接続し、(ii)前記第2のビット線選択トランジスタが導通状態にバイアスされたとき、前記第2のビット線選択トランジスタが前記第2の導体セグメントを前記第3の導体セグメントに接続する、第1のビット線選択トランジスタ及び第2のビット線選択トランジスタと、
    を備える、メモリ構造体。
  2. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記薄膜NORメモリストリングの前記共通ソース領域に電気的に接続されたソース線選択トランジスタであって、該ソース線選択トランジスタを導通状態及び非導通状態にスイッチする制御信号を受信するように構成された、該ソース線選択トランジスタと、
    前記第1の方向及び前記第2の方向の両方に対して実質的に直交する第3の方向に沿って延在し、かつ前記回路及び前記ソース線選択トランジスタに電気的に接続された相互接続導体と、をさらに備え、
    前記ソース線選択トランジスタが前記導通状態にあるときに、前記共通ソース領域が、前記相互接続導体及び前記ソース線選択トランジスタを介して、前記回路に電気的に接続される、メモリ構造体。
  3. 請求項2に記載のメモリ構造体であって、
    前記相互接続導体が、前記薄膜NORメモリストリングの上方に設けられる、メモリ構造体。
  4. 請求項3に記載のメモリ構造体であって、
    前記ソース線選択トランジスタが、ソース領域と、前記第1の方向に沿って積層されたチャネル領域及びドレイン領域と、を有する薄膜トランジスタを備えた、メモリ構造体。
  5. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記半導体基板内の前記回路は、1以上の電圧源を含む、メモリ構造体。
  6. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記各チャネル領域が、実質的に半円環状である、メモリ構造体。
  7. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記第1の導体セグメント及び前記第2の導体セグメントは、前記第1の薄膜NORメモリストリング、前記第2の薄膜NORメモリストリング、及び前記第3の薄膜NORメモリストリングのうちのいずれか1つと、前記半導体基板の前記平坦な表面との間に設けられる、メモリ構造体。
  8. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記各ビット線選択トランジスタは、前記半導体基板に形成される、メモリ構造体。
  9. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記第1の導体セグメント、前記第2の導体セグメント、及び前記第3の導体セグメントの各導体セグメントは、前記薄膜NORメモリストリングの上方に設けられる、メモリ構造体。
  10. 請求項9に記載のメモリ構造体であって、
    前記第1のビット線選択トランジスタは、前記第1の導体セグメントと前記第3の導体セグメントとの間に形成され、前記第2のビット線選択トランジスタは、前記第2の導体セグメントと前記第3の導体セグメントとの間に形成される、メモリ構造体。
  11. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記各ビット線選択トランジスタが、ソース領域、ならびに前記第1の方向に沿って積層されたチャネル領域及びドレイン領域を有する薄膜トランジスタを備える、メモリ構造体。
  12. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    各々が対応する前記第1の薄膜NORメモリストリング、前記第2の薄膜NORメモリストリング、及び前記第3の薄膜NORメモリストリングの前記共通ソース領域に電気的に接続された、第1のソース線選択トランジスタ、第2のソース線選択トランジスタ、及び第3のソース線選択トランジスタであって、各ソース線選択トランジスタが、該ソース線選択トランジスタを導通状態及び非導通状態にスイッチする制御信号を受信するように構成された、該ソース線選択トランジスタと、
    各々が前記第1の方向及び前記第2の方向の両方に対して実質的に直交する第3の方向に沿って延在し、かつ前記回路に電気的に接続された、第1の相互接続導体及び第2の相互接続導体と、をさらに備え、
    前記第1のソース線選択トランジスタ、前記第2のソース線選択トランジスタ、及び前記第3のソース線選択トランジスタのうちのいずれかが前記導通状態にあるときに、それぞれ対応する前記薄膜NORメモリストリングの前記共通ソース領域が、各々の電気的に接続された前記相互接続導体及び各々の電気的に接続された前記ソース線選択トランジスタを介して前記回路に電気的に接続されるように、前記第1の相互接続導体が前記第1のソース線選択トランジスタ及び前記第2のソース線選択トランジスタの両方に電気的に接続され、かつ、前記第2の相互接続導体が前記第3のソース線選択トランジスタに電気的に接続される、メモリ構造体。
  13. 請求項12に記載のメモリ構造体であって、
    前記第1の相互接続導体及び前記第2の相互接続導体は、前記第1の薄膜NORメモリストリング、前記第2の薄膜NORメモリストリング、及び前記第3の薄膜NORメモリストリングのうちの少なくとも1つの上方に設けられる、メモリ構造体。
  14. 請求項12に記載のメモリ構造体であって、
    前記第1の薄膜NORメモリストリングと実質的に同様に構成された第4の薄膜NORメモリストリング(チャージ列)をさらに備え、
    前記第4の薄膜NORメモリストリングは、前記第1の相互接続導体及び前記第2の相互接続導体に電気的に接続された共通ソース領域と、前記半導体基板内の前記回路に電気的に接続された共通ドレイン領域とを有し、かつ、各々のソース線選択トランジスタによって前記第1の相互接続導体または前記第2の相互接続導体に電気的に接続された前記共通ソース領域をプリチャージするために、読み出し動作、プログラミング動作、または消去動作の前に、前記半導体基板内の前記回路から引き出した電流を提供する、メモリ構造体。
  15. 請求項14に記載のメモリ構造体であって、
    前記第4の薄膜NORメモリストリング(チャージ列)の1以上のチャネル領域が、前記プリチャージ中に導通される、メモリ構造体。
  16. 請求項14に記載のメモリ構造体であって、
    前記半導体基板内の前記回路を前記第4の薄膜NORメモリストリングに接続するソース線選択トランジスタをさらに備える、メモリ構造体。
  17. 請求項12に記載のメモリ構造体であって、
    前記第1の相互接続導体及び前記第2の相互接続導体は、それぞれ複数の導体セグメントのうちの1つである、メモリ構造体。
  18. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記薄膜NORメモリストリングは、行列状に構成され、各行は、前記第1の方向及び前記第2の方向の両方に対して実質的に直交する第3の方向に沿って延在している、メモリ構造体。
  19. 請求項18に記載のメモリ構造体であって、
    前記薄膜NORメモリストリングは、絶縁誘電体材料またはエアギャップによって互いに絶縁される、メモリ構造体。
  20. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記各薄膜NORメモリストリングの前記ゲート電極は、階段状構造体で終端し、
    前記各ゲート電極は、前記階段状構造体において、ビアによって前記回路に電気的に接続される、メモリ構造体。
  21. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記第1の薄膜NORメモリストリング及び前記第3の薄膜NORメモリストリングの前記共通ソース領域が、同一の半導体層によって実装される、メモリ構造体。
  22. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記第1の薄膜NORメモリストリング及び前記第3の薄膜NORメモリストリングの前記共通ドレイン領域が、同一の半導体層によって実装される、メモリ構造体。
  23. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記半導体基板の前記回路は、前記半導体基板の前記平坦な表面の全体にわたって配置された複数のセンスアンプを含む、メモリ構造体。
  24. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記薄膜NORメモリストリングは、導通状態にバイアスされたときに前記共通ソース領域と前記共通ドレイン領域とを電気的に接続するプリチャージトランジスタをさらに含む、メモリ構造体。
  25. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記半導体基板の前記回路は、ボディバイアス電圧源を含み、
    前記薄膜NORメモリストリングの前記チャネル領域は、前記ボディバイアス電圧源に接続される、メモリ構造体。
  26. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記ゲート電極は、絶縁誘電体材料またはエアギャップによって互いに絶縁される、メモリ構造体。
  27. 互いに重ねて配置された第1のモジュール式メモリ構造体及び第2のモジュール式メモリ構造体を含む複合メモリ構造体であって、
    前記第1及び第2のモジュール式メモリ構造体の各々が、請求項1に記載のメモリ構造体を含む、複合メモリ構造体。
  28. 請求項27に記載の複合メモリ構造体であって、
    前記第1のモジュール式メモリ構造体及び前記第2のモジュール式メモリ構造体は、誘電体層によって互いに絶縁される、複合メモリ構造体。
  29. 請求項27に記載の複合メモリ構造体であって、
    前記第1のモジュール式メモリ構造体及び前記第2のモジュール式メモリ構造体内の前記薄膜NORメモリストリングは、前記第1の方向に沿って配列され、前記第1のモジュール式メモリ構造体及び前記第2のモジュール式メモリ構造体内の対応する前記薄膜NORメモリストリングの前記共通ソース領域において、誘電体層を介してビアによって接続される、複合メモリ構造体。
  30. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記薄膜NORメモリストリングの前記共通ソース領域及び前記共通ドレイン領域の両方に埋め込まれた金属製のパイロンをさらに備える、メモリ構造体。
  31. 請求項30に記載のメモリ構造体であって、
    前記金属製のパイロンは、窒化チタン、窒化タングステン、及びタングステンのうちの1以上を含む、メモリ構造体。
  32. 請求項31に記載のメモリ構造体であって、
    前記金属製のパイロンは、原子層蒸着技術を用いて形成される、メモリ構造体。
  33. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記薄膜NORメモリストリング内の前記チャネル領域の各々は、第1のセクション及び第2のセクションを含み、
    前記第2のセクションは、前記第1のセクションの2倍以上のドーパント濃度を有する、メモリ構造体。
  34. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記薄膜NORメモリストリングの前記共通ソース領域及び前記共通ドレイン領域が、それぞれ、電気的に接続された複数の半導体層によって実装される、メモリ構造体。
  35. 請求項1に記載のメモリ構造体であって、
    前記電荷トラップ材料が、窒化シリコン、非導通誘電体材料内に埋め込まれた導電性ナノドット、絶縁されたフローティングゲート、及び酸素-窒素-酸素三重層のうちの1以上を含む、メモリ構造体。
  36. 請求項35に記載のメモリ構造体であって、
    前記電荷トラップ材料が、ブロッキング誘電体の層、または高誘電率膜によってキャップされる、メモリ構造体。
  37. 請求項36に記載のメモリ構造体であって、
    前記高誘電率膜が、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、またはそれらの組み合わせを含む、メモリ構造体。
  38. 請求項6に記載のメモリ構造体であって、
    前記電荷トラップ材料が、前記チャネル領域を取り囲むアニュラーリングを形成する、メモリ構造体。
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