JP7032884B2 - 口腔用組成物及び口腔内歯垢分散剤 - Google Patents
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Description
(A)炭素数14以上20以下のオレフィンスルホン酸塩、
(B)炭素数14以上20以下のヒドロキシアルカンスルホン酸塩、及び
(C)ソルビトール
を含有し、かつ
成分(A)の含有量が、成分(A)と成分(B)との合計含有量中に、3質量%以上50質量%以下である口腔用組成物に関する。
(A)炭素数14以上20以下のオレフィンスルホン酸塩、及び
(B)炭素数14以上20以下のヒドロキシアルカンスルホン酸塩
を有効成分とし、かつ
成分(A)の含有量が、成分(A)と成分(B)との合計含有量中に、3質量%以上50質量%以下である口腔内歯垢分散剤に関する。
本発明の口腔用組成物は、成分(A)として、炭素数14以上20以下のオレフィンスルホン酸塩を含有するとともに、成分(B)として、炭素数14以上20以下のヒドロキシアルカンスルホン酸塩を含有する。
サンプル調製(メタノールで1000倍希釈)、溶離液A(10mM酢酸アンモニウム添加水)、溶離液B(10mM酢酸アンモニウム添加メタノール)、グラジェント(0min.(A/B=30/70%)→10min.(30/70%)→55min.(0/100%)→65min.(0/100%)→66min.(30/70%)→75min.(30/70%))、MS装置「アジレントテクノロジー1100MS SL(G1946D))」(アジレントテクノロジー社製),MS検出(陰イオン検出 m/z60-1600、UV240nm)。
具体的には、成分(A)、(B)に対してトリメチルシリルジアゾメタンを反応させることによりメチルエステル化誘導体とした後、各成分をGCで分離する。各成分のピーク面積比を質量比として、スルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量を算出する。測定に使用する装置及び分析条件は、次の通りである。
GC装置「アジレントテクノロジー6850」(アジレントテクノロジー社製)、カラム「HP-1キャピラリーカラム」(30m×320μm×0.25μm,アジレントテクノロジー社製)、検出器(水素炎イオン検出器(FID))、インジェクション温度300℃、ディテクター温度300℃、He流量1.0mL/min.、オーブン(60℃(0min.)→10℃/min.→300℃(10min.)。
スルホン化、中和、加水分解の条件には特に制限はなく、例えば、特許第1633184号公報、特許第2625150号公報、Tenside Surf.Det.31(5)299(1994)に記載の条件を参照することができる。また、上記加水分解を経ることにより得られた分解物を精製する工程としては種々の方法を用いることができるが、かかる精製する工程は、非極性溶媒を添加して油相分離した後の水相に含まれる成分(A)及び成分(B)を抽出する工程を備えるのが好ましい。すなわち、具体的には、加水分解により得られた分解物をエタノールに分散させ、そして非極性溶媒を添加する工程、及びその後に油相を分離する工程を備え、さらに分離された後の水相から成分(A)及び成分(B)を抽出する工程を備える。上記非極性溶媒としては、石油エーテル、ヘキサン、トルエン等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。また、油相を分離する工程は、複数回行ってもよい。分離された水相から成分(A)及び成分(B)を抽出する工程としては、水を蒸発させる手段、水相の析出物を除去する手段が挙げられる。
なお、成分(A)の原料オレフィンと成分(B)の原料オレフィンは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ショ糖脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ステアリン酸モノグリセリン、モノステアリン酸デカグリセリン、モノミリスチン酸ペンタグリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル;アルキルグルコシド;ポリグリセリン脂肪酸エステル:ポリオキシエチレンモノアルキル(又はアルケニル)エーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;アミンオキサイド系界面活性剤;モノ-(又はジ-)エタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド;ステアリン酸デカグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;並びにポリエチレンポリプロピレングリコール等のポリグリコールから選ばれる1種又は2種以上のノニオン界面活性剤;
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチル-N-イミダゾリウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン、ラウリルスルホベタインやラウリルヒドロキシスルホベタイン等のアルキルスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン、及びアルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等の長鎖アルキルイミダゾリンベタイン塩から選ばれる1種又は2種以上の両性界面活性剤が挙げられる。
また、成分(D)の界面活性剤としてノニオン性界面活性剤(D2)を用いる場合、かかる成分(D2)の含有量は、各成分の分散性を促進させ、安定性を向上する観点、歯垢分散効果を充分に確保させる観点、及びこれらの効果の発揮と口腔内適用時における良好な使用感の確保とのバランスを確保する観点から、本発明の口腔用組成物中に、成分(D2)の合計で、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.8質量%以下である。
本発明の口腔用組成物は、このように歯面に堅固に固着した歯垢の分散効果を高める効果に優れることから、口腔内歯垢分散用組成物、或いは口腔内歯垢除去用組成物として極めて有用である。
(A)炭素数14以上20以下のオレフィンスルホン酸塩、及び
(B)炭素数14以上20以下のヒドロキシアルカンスルホン酸塩
を有効成分とし、かつ
成分(A)の含有量が、成分(A)と成分(B)との合計含有量中に、3質量%以上50質量%以下である。
なお、これら成分(A)及び成分(B)の有効成分以外の成分として、必要に応じ、上記口腔用組成物と同様のその他の成分を含有することもできる。
本発明の口腔内歯垢分散剤の形態は、液状であってもよく、ゲル状やペースト状であってもよい。
[1]次の成分(A)、(B)、及び(C):
(A)炭素数14以上20以下のオレフィンスルホン酸塩、
(B)炭素数14以上20以下のヒドロキシアルカンスルホン酸塩、及び
(C)ソルビトール
を含有し、かつ
成分(A)の含有量が、成分(A)と成分(B)との合計含有量中に、3質量%以上50質量%以下である口腔用組成物。
[2]成分(A)のオレフィンスルホン酸塩の炭素数は、好ましくは16以上であり、好ましくは18以下であり、成分(B)のヒドロキシアルカンスルホン酸塩の炭素数は、好ましくは16以上であり、好ましくは18以下である上記[1]の口腔用組成物。
[3]成分(A)の含有量は、成分(A)と成分(B)との合計含有量中に、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下であり、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは7質量%以上であり、さらに好ましくは9質量%以上である上記[1]又は[2]の口腔用組成物。
[5]成分(A)におけるスルホン酸基がオレフィン鎖の1位に存在するオレフィンスルホン酸塩と、成分(B)におけるスルホン酸基がアルカン鎖の1位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩との合計含有量は、成分(A)及び成分(B)の合計含有量中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは1.5質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上であり、よりさらに好ましくは2.5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である上記[1]~[4]いずれか1の口腔用組成物。
[6]成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.4質量%以上であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である上記[1]~[5]いずれか1の口腔用組成物。
[8]さらに成分(A)及び成分(B)以外の界面活性剤(D)を含有し、成分(D)が、好ましくは成分(A)及び成分(B)以外のアニオン界面活性剤、及びノニオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはアルキル硫酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、アシルグルタミン酸塩、及びアシルサルコシン塩から選ばれる1種又は2種以上のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のノニオン性界面活性剤である上記[1]~[7]いずれか1の口腔用組成物。
[9]成分(D)がアニオン界面活性剤(D1)である場合、成分(D1)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、成分(D1)の合計で、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.2質量%以上であり、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1.2質量%であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.8質量%以下であり、成分(D)がノニオン性界面活性剤(D2)である場合、成分(D2)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、成分(D2)の合計で、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.8質量%以下である上記[1]~[8]いずれか1の口腔用組成物。
[11]次の成分(A)、及び(B):
(A)炭素数14以上20以下のオレフィンスルホン酸塩、及び
(B)炭素数14以上20以下のヒドロキシアルカンスルホン酸塩
を有効成分とし、かつ
成分(A)の含有量が、成分(A)と成分(B)との合計含有量中に、3質量%以上50質量%以下である口腔内歯垢分散剤。
[12]成分(A)におけるスルホン酸基がオレフィン鎖の2位に存在するオレフィンスルホン酸塩と、成分(B)におけるスルホン酸基がアルカン鎖の2位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩との合計含有量は、成分(A)及び成分(B)の合計含有量中に、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは8質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上であり、よりさらに好ましくは15質量%以上であり、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下である上記[11]の口腔内歯垢分散剤。
[13]成分(A)におけるスルホン酸基がオレフィン鎖の1位に存在するオレフィンスルホン酸塩と、成分(B)におけるスルホン酸基がアルカン鎖の1位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩との合計含有量は、成分(A)及び成分(B)の合計含有量中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは1.5質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上であり、よりさらに好ましくは2.5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である上記[11]又は[12]の口腔内歯垢分散剤。
[14]成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.4質量%以上であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である上記[11]~[13]いずれか1の口腔内歯垢分散剤。
[15]成分(A)のオレフィンスルホン酸塩の炭素数は、好ましくは16以上であり、好ましくは18以下であり、成分(B)のヒドロキシアルカンスルホン酸塩の炭素数は、好ましくは16以上であり、好ましくは18以下である上記[11]~[14]いずれか1の口腔内歯垢分散剤。
[16]成分(A)の含有量は、成分(A)と成分(B)との合計含有量中に、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下であり、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは7質量%以上であり、さらに好ましくは9質量%以上である上記[11]~[15]いずれか1の口腔内歯垢分散剤。
[18]精製する工程が、加水分解により得られた分解物に非極性溶媒を添加する工程、及びその後に油相を分離する工程を備え、さらに分離された後の水相から成分(A)及び成分(B)を抽出する工程を備える上記[17]の口腔用組成物の製造方法。
[19]加水分解により得られた分解物に非極性溶媒を添加する工程が、加水分解により得られた分解物をエタノールに分散させ、そして非極性溶媒を添加する工程である上記[18]の口腔用組成物の製造方法。
[20]非極性溶媒が、石油エーテル、ヘキサン、及びトルエンから選ばれる1種又は2種以上である上記[18]又は[19]の口腔用組成物の製造方法。
[21]成分(A)及び成分(B)の原料として用いるオレフィン中における二重結合が2位に存在するオレフィンの合計含有量は、成分(A)及び成分(B)の原料として用いるオレフィン全量中に、合計で好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは45質量%以下であり、さらに好ましくは35質量%以下である上記[18]~[20]いずれか1の口腔用組成物の製造方法。
[23]歯面に固着した歯垢を分散させるための上記[1]~[9]いずれか1の口腔用組成物の使用。
[24]上記[1]~[9]いずれか1の口腔用組成物を口腔内に適用する、歯面に固着した歯垢の分散方法。
なお、各物性については、以下の方法を用いた。
原料オレフィンの二重結合位置は、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと省略)により測定した。具体的には、原料オレフィンに対し、ジメチルジスルフィドを反応させることでジチオ化誘導体とした後、各成分をGCで分離した。それぞれのピーク面積より原料オレフィンの二重結合位置を求めた。
なお、測定に使用した装置および分析条件は次の通りである。GC装置(商品名:HP6890,HEWLETT PACKARD社製)、カラム(商品名:Ultra-Alloy-1HTキャピラリーカラム30m×250μm×0.15μm,フロンティア・ラボ株式会社製)、検出器(水素炎イオン検出器(FID))、インジェクション温度300℃、ディテクター温度350℃、He流量4.6mL/min.
かかる成分(A)の含有量は、HPLC-MSにより測定した。具体的には、HPLCによりヒドロキシ体とオレフィン体を分離し、オレフィン体をMSにかけることで同定した。そのHPLC-MSピーク面積からオレフィン体の割合を求めた。
なお、測定に使用した装置および条件は次の通りである。HPLC装置(商品名:アジレントテクノロジー1100、アジレントテクノロジー社製)、カラム(商品名:L-columnODS4.6×150mm、一般財団法人化学物質評価研究機構製)、サンプル調製(メタノールで1000倍希釈)、溶離液A(10mM酢酸アンモニウム添加水)、溶離液B(10mM酢酸アンモニウム添加メタノール)、グラジェント(0min.(A/B=30/70%)→10min.(30/70%)→55min.(0/100%)→65min.(0/100%)→66min.(30/70%)→75min.(30/70%))、MS装置(商品名:アジレントテクノロジー1100MS SL(G1946D)),MS検出(陰イオン検出 m/z60-1600、UV240nm)
スルホン酸基の結合位置は、GCにより測定した。具体的には、オレフィンスルホン酸塩及びヒドロキシアルカンスルホン酸塩に対し、トリメチルシリルジアゾメタンを反応させることでメチルエステル化誘導体とした後、各成分をGCで分離した。それぞれのピーク面積比を質量比として、スルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸塩及の含有量を算出し、成分(A)及び成分(B)の合計含有量中における含有量を求めた。
なお、測定に使用した装置および分析条件は次の通りである。GC装置(商品名:アジレントテクノロジー6850,アジレントテクノロジー社製)、カラム(商品名:HP-1キャピラリーカラム30m×320μm×0.25μm,アジレントテクノロジー社製)、検出器(水素炎イオン検出器(FID))、インジェクション温度300℃、ディテクター温度300℃、He流量1.0mL/min.、オーブン(60℃(0min.)→10℃/min.→300℃(10min.)。
攪拌装置付きフラスコに1-ヘキサデカノール(製品名:カルコール6098、花王株式会社製)7000g(28.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREM Chemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10質量%)を仕込み、攪拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら3時間、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、炭素数16(C16)の原料オレフィン純度は99.6%であった。得られた粗原料オレフィンを蒸留用フラスコに移し、136-160℃/4.0mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の精製C16原料オレフィンを得た。得られた原料オレフィンの二重結合分布は、C1位1.8質量%、C2位30.4質量%、C3位23.9質量%、C4位16.8質量%、C5位12.0質量%、C6位7.4質量%、C7、8位の合計が7.8質量%であった。
攪拌装置付きフラスコに1-ヘキサデカノール(製品名:カルコール6098、花王株式会社製)7000g(28.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREM Chemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10質量%)を仕込み、攪拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら5時間、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、C16内部オレフィン純度は99.7%であった。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、136-160℃/4.0mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の炭素数16の内部オレフィンを得た。得られた内部オレフィンの二重結合分布は、C1位0.9質量%、C2位15.5質量%、C3位14.0質量%、C4位16.7質量%、C5位16.2質量%、C6位15.6質量%、C7、8位の合計が21.2質量%であった。
攪拌装置付きフラスコに1-オクタデカノール(製品名:カルコール8098、花王株式会社製)7000g(25.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREM Chemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10質量%)を仕込み、攪拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら10時間、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、炭素数18(C18)の原料オレフィン純度は98.2%であった。得られた粗原料オレフィンを蒸留用フラスコに移し、148-158℃/0.5mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の精製原料オレフィンを得た。得られた原料オレフィンの二重結合分布は、C1位0.8質量%、C2位31.3質量%、C3位22.9質量%、C4位15.5質量%、C5位10.8質量%、C6位7.2質量%、C7位5.3質量%,C8、9位の合計が6.2質量%であった。
攪拌装置付きフラスコに1-オクタデカノール(製品名:カルコール8098、花王株式会社製)7000g(25.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREM Chemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10質量%)を仕込み、攪拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら13時間、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、炭素数18(C18)の原料オレフィン純度は98.5%であった。得られた粗原料オレフィンを蒸留用フラスコに移し、148-158℃/0.5mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の精製原料オレフィンを得た。得られた原料オレフィンの二重結合分布は、C1位0.8質量%、C2位13.8質量%、C3位12.4質量%、C4位14.8質量%、C5位14.2質量%、C6位13.1質量%、C7位12.1質量%,C8、9位の合計が18.6質量%であった。
攪拌装置付きフラスコに1-テトラデセン(製品名:リニアレン14、出光興産株式会社製)6000g(26.7モル)、固体酸触媒としてプロトン性β―ゼオライト(CP-814E、Zeolyst社)180g(原料α―オレフィンに対して3質量%)を仕込み、攪拌下、120℃にて20時間、反応を行った。続いて、粗原料オレフィンを蒸留用フラスコに移し、124-136℃/7.5mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の炭素数14(C14)の精製原料オレフィンを得た。得られた原料オレフィンの二重結合分布は、C1位1.3質量%、C2位31.8質量%、C3位23.8質量%、C4位21.0質量%、C5位8.6質量%、C6、7位の合計が13.6質量%であった。
製造例Aと同様の方法にて反応時間を調整することで、炭素数16(C16)の原料オレフィン(二重結合分布は、C1位0.5質量%、C2位30.1質量%、C3位25.5質量%、C4位18.9質量%、C5位11.1質量%、C6位7.0質量%、C7、8位の合計が7.0質量%)を得た。
また、製造例Bと同様の方法にて反応時間を調整することで、炭素数18(C18)の原料オレフィン(二重結合分布は、C1位0.3質量%、C2位19.0質量%、C3位17.6質量%、C4位17.4質量%、C5位14.9質量%、C6位12.3質量%、C7位8.8質量%、C8、9位の合計が9.8質量%)を得た。
得られたC16原料オレフィン11.9kgとC18原料オレフィン3.1kgとを混合することでC16/18(質量比79.4/20.6)原料オレフィン15.0kgを得た。この原料オレフィンの二重結合分布は、C1位0.4質量%、C2位27.8質量%、C3位23.9質量%、C4位18.6質量%、C5位11.9質量%、C6位8.1質量%、C7位4.6質量%、C8位3.8質量%、C9位1.0質量%であった。
製造例Aで得たC16の原料オレフィン(二重結合が2位に存在する原料オレフィンの含有量が30.4質量%)を、外部にジャケットを有する薄膜式スルホン化反応器を使用して三酸化硫黄ガス、反応器外部ジャケットに20℃の冷却水を通液することでスルホン化反応を行った。スルホン化反応の際のSO3/原料オレフィンのモル比は1.09に設定した。得られたスルホン化物を、理論酸価に対し1.5モル倍量の水酸化ナトリウムで調製したアルカリ水溶液へ添加し、攪拌しながら30℃、1時間中和した。中和物をオートクレーブ中で160℃、1時間加熱することで加水分解を行い、C16の粗生成物として成分(A)及び成分(B)を得た。該粗生成物300gを分液漏斗に移し、エタノール300mLを加えた後、1回あたり石油エーテル300mLを加えて油溶性の不純物を抽出除去した。この際、エタノールの添加により油水界面に析出した無機化合物(主成分は芒硝)も、油水分離操作により水相から分離除去した。この抽出除去操作を3回行った。次いで、水相側を蒸発乾固することで、C16の成分(A)及び成分(B)を得た。
得られた成分(A)及び成分(B)全量中における成分(A)の含有量は、10質量%であった。また、得られた成分(A)及び成分(B)全量中に残存する原料オレフィンの含有量は100ppm未満(GC検出下限未満)、無機化合物は1.9質量%であった。また、成分(A)及び成分(B)全量中における、スルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸塩、及びスルホン酸基が2位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩の合計含有量は、20.3質量%であった。
製造例Bで得たC16の原料オレフィン(二重結合が2位に存在する原料オレフィンの含有量が15.5質量%)から製造例Iと同様の条件でC18の成分(A)及び成分(B)を得た。
得られた成分(A)及び成分(B)全量中における成分(A)の含有量は、16質量%であった。また、得られた成分(A)及び成分(B)全量中に残存する原料オレフィンの含有量は100ppm未満(GC検出下限未満)、無機化合物は0.2質量%であった。また、成分(A)及び成分(B)全量中における、スルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸塩、及びスルホン酸基が2位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩の合計含有量は、9.3質量%であった。
製造例Aで得たC16の原料オレフィン(二重結合が2位に存在する原料オレフィンの含有量が30.1質量%)を、外部にジャケットを有する薄膜式スルホン化反応器を
使用して三酸化硫黄ガス、反応器外部ジャケットに20℃の冷却水を通液することでスル
ホン化反応を行った。スルホン化反応の際のSO3/内部オレフィンのモル比は1.09
に設定した。得られたスルホン化物を丸底フラスコへ移し、攪拌しながら40℃で30分
間の加熱熟成を行った。続いて、理論酸価に対し1.5モル倍量の水酸化ナトリウムで調
製したアルカリ水溶液へ添加し、攪拌しながら30℃、1時間中和した。中和物をオート
クレーブ中で160℃、1時間加熱することで加水分解を行い、C16の粗生成物として成分(A)及び成分(B)を得た。該粗生成物300gを分液漏斗に移し、エタノール
300mLを加えた後、1回あたり石油エーテル300mLを加えて抽出を行った。抽出操作は3回実施した。水相側を蒸発乾固することで、C16の成分(A)及び成分(B)を得た。
得られた成分(A)及び成分(B)全量中における成分(A)の含有量は、44質量%であった。また、得られた成分(A)及び成分(B)全量中に残存する原料オレフィンの含有量は100ppm未満(GC検出下限未満)、無機化合物は1.0質量%であった。また、成分(A)及び成分(B)全量中における、スルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸塩、及びスルホン酸基が2位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩の合計含有量は、20.1質量%であった。
製造例Cで得たC18の内部オレフィン(二重結合が2位に存在する原料オレフィンの含有量が31.3質量%)から、製造例Iと同様の条件でC18の成分(A)及び成分(B)を得た。
得られた成分(A)及び成分(B)全量中の成分(A)の含有量は、20質量%であった。また、成分(A)及び成分(B)全量中に残存する原料内部オレフィンの含有量は100ppm未満(GC検出下限未満)、無機化合物は0.9質量%であった。また、成分(A)及び成分(B)全量中における、スルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸塩、及びスルホン酸基が2位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩の合計含有量は、21.4質量%であった。
製造例Dで得たC18の内部オレフィン(二重結合が2位に存在する原料オレフィンの含有量が13.8質量%)から、製造例Iと同様の条件でC18の成分(A)及び成分(B)を得た。
得られた成分(A)及び成分(B)全量中の成分(A)の含有量は、20質量%であった。また、成分(A)及び成分(B)全量中に残存する原料内部オレフィンの含有量は100ppm未満(GC検出下限未満)、無機化合物は1.0質量%であった。また、成分(A)及び成分(B)全量中における、スルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸塩、及びスルホン酸基が2位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩の合計含有量は、9.1質量%であった。
製造例Eで得たC14の原料オレフィン(二重結合が2位に存在する原料オレフィンの含有量が31.8質量%)から、製造例Iと同様の条件でC14の成分(A)及び成分(B)を得た。
得られた成分(A)及び成分(B)全量中の成分(A)の含有量は、7質量%であった。また、成分(A)及び成分(B)全量中に残存する原料オレフィンの含有量は0質量%、無機化合物は0質量%であった。また、成分(A)及び成分(B)全量中における、スルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸塩、及びスルホン酸基が2位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩の合計含有量は、21.7質量%であった。
製造例III―2としては、市販のオレフィンスルホン酸塩(リポランLB―440、ライオン(株)製)を用いた。
製造例Dで得たC16/18の原料オレフィン(二重結合が2位に存在する原料オレフィンの含有量が27.8質量%)を出発原料とし、製造例Iと同様の方法によりC16/18の成分(A)及び成分(B)を得た。得られた成分(A)及び成分(B)全量中の成分(A)の含有量は、14質量%であった。また、成分(A)及び成分(B)全量中に残存する原料オレフィンの含有量は100ppm未満(GC検出下限未満)、無機化合物は1.2質量%であった。また、成分(A)及び成分(B)全量中における、スルホン酸基が2位に存在するオレフィンスルホン酸塩、及びスルホン酸基が2位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩の合計含有量は、17.6質量%であった。
製造例III-1で得たC14の成分(A)及び成分(B)と、市販のオレフィンスルホン酸塩(リポランLB―440、ライオン(株)製)とを、質量比45:55で混合した。
表2に示す処方にしたがい、各組成物を調製した。なお、比較例2では、成分(A)及び成分(B)の代わりにラウリル硫酸ナトリウムを用いた。次いで、得られた各組成物を用い、下記試験方法にしたがって歯垢分散効果を評価した。
結果を表2に示す。
1)刺激唾液の採取
20~30代の健常男性を対象に、デントバフ ストリップ(株式会社オーラルケア OralCare Inc.)に含まれているガムペレットを噛んでもらい、その都度口の中に溜まった唾液をファルコンチューブに吐き出してもらうことにより、かかるファルコンチューブに唾液を採取した。なお、唾液中の細菌には個人差があるため、1名の健常男性の唾液により、全ての実施例と比較例について歯垢分散効果試験を行った。
2)歯垢モデルの作製
ファルコンチューブに採取した唾液を、3000rpm/rt/10minにて遠心分離した。分離された上澄み唾液を用い、スクロースを5質量%溶液となるように添加した後、撹拌機器(voltex、日本ジェネティクス(株)製)を用いて撹拌し、歯垢モデル試験液を調製した。
次にHAp基板(コスモ・バイオ製、1cm角)の片面を40μm、12μm、3μmの研磨紙を用いて鏡面研磨した後、1N HClに1分間浸漬して酸脱灰処理を施した。処理後のHAp板をイオン交換水で洗浄して乾燥し、24穴プレートに入れ、上記調製した歯垢モデル試験液を1mLずつ添加した後、これをCO2パックとともにプラスチックケースに格納して嫌気条件下とし、37℃で48時間培養した。
減圧ポンプを用い、プレート中の唾液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振とうした。次にポンプを用いて水を吸い取り、実施例及び比較例で得られた各組成物1mLを添加して1時間振盪した。振盪は、振盪機(BioShake iQ(ワケンビーテック株式会社))を用い、室温(25℃)、500rpmの条件で行った。
その後、各組成物を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪し、これを2回繰り返した。次いで、水を吸い取り、0.1質量%クリスタルバイオレット(CV)溶液を750μL添加して15分間振盪した。
さらにポンプでCV染色液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪し、これを2回繰り返した。次いで、水をポンプで吸い取り、エタノール500mLを添加してピペッティングした後、抽出液をイオン交換水で10倍希釈し、マイクロプレートレコーダー(TECAN社製 波長可変型吸光マイクロプレートリーダー サンライズレインボーサーモ)で吸光度OD595nmを測定した。
また、上記得られた組成物を用いることなく、イオン交換水で洗浄したのみの吸光度OD595nm(初期値)を基準とし、下記式にしたがって歯垢残存率(%)を算出した。
なお、得られた歯垢残存率の値が小さいほど、歯垢分散効果が高いことを意味する。
歯垢残存率(%)={上記得られた組成物を用いた際のOD595nm/イオン交換水で洗浄したのみのOD595nm}×100
表3に示す処方にしたがい、各口腔用組成物を調製した。次いで、得られた各口腔用組成物を用い、下記試験方法にしたがって不快感及び風味を評価した。
結果を表3に示す。
得られた各口腔用組成物20mLを口腔内に40秒間含み、吐き出した後に歯肉や口腔内粘膜にてピリピリと感じるような刺激性による為害性等の不快感、及び風味について、専門パネラーにより、評価基準にしたがって評価し、協議により評価結果とした。
なお、得られた値が小さいほど、不快感が抑制され、風味も良好であることを意味する。
1:全くピリピリとした刺激感がなく、良好な風味を呈していた
2:わずかにピリピリとした刺激感があった
3:ピリピリとした刺激感があった
4:ピリピリとした刺激感を強く感じた
Claims (4)
- 次の成分(A)、(B)、及び(C):
(A)炭素数16以上20以下のオレフィンスルホン酸塩、
(B)炭素数16以上20以下のヒドロキシアルカンスルホン酸塩、及び
(C)ソルビトール 2質量%以上60質量%以下
を含有し、かつ
成分(A)及び成分(B)の合計含有量が、0.1質量%以上10質量%以下であり、
成分(A)の含有量が、成分(A)と成分(B)との合計含有量中に、3質量%以上30質量%以下であり、
成分(A)におけるスルホン酸基がオレフィン鎖の2位に存在するオレフィンスルホン酸塩と、成分(B)におけるスルホン酸基がアルカン鎖の2位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩との合計含有量が、成分(A)及び成分(B)の合計含有量中に10質量%以上30質量%以下である口腔用組成物。 - 成分(A)におけるスルホン酸基がオレフィン鎖の1位に存在するオレフィンスルホン酸塩と、成分(B)におけるスルホン酸基がアルカン鎖の1位に存在するヒドロキシアルカンスルホン酸塩との合計含有量が、成分(A)及び成分(B)の合計含有量中に1質量%以上20質量%以下である請求項1に記載の口腔用組成物。
- 成分(A)の炭素数が、16以上18以下である請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
- 口腔内歯垢分散用組成物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
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