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JP7022524B2 - 排泄物吸引装置及び排泄物判定方法 - Google Patents

排泄物吸引装置及び排泄物判定方法 Download PDF

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JP7022524B2 JP2017129189A JP2017129189A JP7022524B2 JP 7022524 B2 JP7022524 B2 JP 7022524B2 JP 2017129189 A JP2017129189 A JP 2017129189A JP 2017129189 A JP2017129189 A JP 2017129189A JP 7022524 B2 JP7022524 B2 JP 7022524B2
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Description

本発明は、排泄物吸引装置及び排泄物判定方法に関する。
寝たきり患者や老人等の排泄物の処理は介護人にとって大きな負担となっている。そこで、下記の特許文献1に記載のように、オムツ型のカップ部材で受け止めた排泄物を排泄物収容器に吸引するとともに、排泄部位を温水で洗浄可能とした排泄物処理装置が提案されている。
こうした排泄物処理装置においては、小便(尿)検知センサとして設けられた電極と、大便検知センサとして設けられた赤外線の発光部及び受光部の検出結果に応じて、排泄物が便(大便)か尿かを判定し、判定結果に応じたモードで洗浄処理を実行している。
特開2008-43501号公報
しかしながら、上記の従来技術では、カップ部材における大便の位置や状態によっては大便検知センサにより検出されなかったり、洗浄水や尿に反応して誤検出してしまったりすることがある。こうした場合には、排泄物の吸引や、排泄部位の洗浄が適切なモードで実行されないために、排泄物の吸引や排泄部位の洗浄が十分に行われないことがある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、排泄物が便か尿かを精度良く判定できる排泄物吸引装置及び排泄物判定方法を提供することにある。
上記の課題は、本発明に係る排泄物吸引装置によれば、排泄部位を覆うカップ部材と、前記カップ部材の中に排泄された排泄物を収容器に向けて吸引する吸引部と、前記カップ部材に温度が調整された洗浄水を供給する洗浄部と、前記カップ部材の中の物体を検出する検出部と、前記吸引部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記カップ部材の中における前記排泄物の有無を判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記カップ部材に前記排泄物が有ると判定された場合に、前記吸引部に吸引を実行させるとともに、前記洗浄部により前記洗浄水を前記カップ部材に供給させる洗浄前処理手段と、前記洗浄前処理手段による吸引の実行後に、前記第1判定手段により前記排泄物が有ると判定された場合に前記排泄物が便と判定し、前記第1判定手段により前記排泄物が無いと判定された場合に前記排泄物が尿と判定する第2判定手段と、を有することにより解決される。
また、上記の課題は、本発明に係る排泄物判定方法によれば、排泄物吸引装置による排泄物判定方法であって、前記排泄物吸引装置は、排泄部位を覆うカップ部材と、前記カップ部材の中に排泄された排泄物を収容器に向けて吸引する吸引部と、前記カップ部材に温度が調整された洗浄水を供給する洗浄部と、前記カップ部材の中の物体を検出する検出部と、前記吸引部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部が、前記検出部の検出結果に基づいて、前記カップ部材の中における前記排泄物の有無を判定する第1判定工程と、前記制御部が、前記第1判定工程により前記カップ部材に前記排泄物が有ると判定された場合に、前記吸引部に吸引を実行させるとともに、前記洗浄部により前記洗浄水を前記カップ部材に供給させる洗浄前処理工程と、前記制御部が、前記洗浄前処理工程による吸引の実行後に、前記カップ部材の中に前記排泄物が有ると判定した場合に前記排泄物が便と判定し、前記カップ部材の中に前記排泄物が無いと判定された場合に前記排泄物が尿と判定する第2判定工程と、を有することにより解決される。
本発明に係る排泄物吸引装置及び排泄物判定方法によれば、排泄物の吸引前後の検出部による排泄物の検出結果に基づいて、排泄物が便か尿かを精度良く判定できる。これにより、排泄物の種類の誤判定を抑制し、排泄物を適切に処理することができる。
上記の排泄物吸引装置において、記制御部は、前記第2判定手段による判定結果に応じたモードで前記洗浄部を動作させて、前記排泄部位の洗浄を実行する洗浄処理手段をさらに有すると好適である。
こうすることで、排泄物の種類に応じた適切な洗浄処理を実行できる。
上記の排泄物吸引装置において、前記洗浄部は、前記洗浄水を溜めるタンクと、前記タンクと前記カップ部材とを接続する流路と、前記タンクに溜まった洗浄水を前記カップ部材に供給するポンプと、を有し、前記洗浄前処理手段は、前記ポンプにより洗浄水を前記カップ部材に供給させると好適である。
こうすることで、排泄物を収容器側に吸引しやすくなる。また、排泄部位を洗浄する前に、流路に溜まった水を排水できる。
上記の排泄物吸引装置において、前記ポンプは、第1の出力モードと、前記第1の出力モードよりも低出力の第2の出力モードで動作可能であり、前記洗浄処理手段は、前記第1の出力モードにより前記ポンプを動作させ、前記洗浄前処理手段は、前記第2の出力モードにより前記ポンプを動作させると好適である。
こうすることで、洗浄水の流路に溜まった水を排出する際に、排泄部位にかかってしまうことを抑制できる。
上記の排泄物吸引装置において、前記検出部は、1以上の電極ペアを含む電極部を有し、前記第1判定手段は、前記1以上の電極ペアのうち少なくともいずれかの検出値が所定条件を満足した場合に、前記排泄物が有ると判定すると好適である。
こうすることで、電極ペアに接する排泄物が導体となることで、各電極ペアに接する排泄物を検出することができる。カップ部材に複数の電極ペアを設けることで、カップ部材の複数の箇所において排泄物を検出することができる。これにより、排泄物の検出範囲率を向上できる。
上記の排泄物吸引装置において、前記カップ部材は、前記排泄物を受ける受け面を有し、前記電極部は、前記受け面の中央に設けられた第1電極ペアと、前記第1電極ペアの周囲に設けられた1以上の第2電極ペアと、を有すると好適である。
こうすることで、カップ部材の排泄物の受け面の中央部と、その周囲のいずれにおいても排泄物を検出することができる。これにより、ユーザの姿勢に依らず、排泄物の検出率を向上できる。
本発明に係る排泄物吸引装置及び排泄物判定方法によれば、排泄物が便か尿かを精度良く判定できる。
排泄物吸引装置の外観を示す図である。 排泄物吸引装置のカップ部材をユーザが装着した状態を示す図である。 排泄物吸引装置の装置本体、排泄物収容器及びカートリッジタンクを示す図である。 カップ部材の外観を示す図である。 カップ部材の受け面周辺を部分的に拡大して示す図である。 排泄物吸引装置の内部構造を模式的に示す図である。 コントローラのハードウェア構成を示す図である。 コントローラに備えられる機能を示す図である。 排泄物の処理に係るフロー図である。 冷水パージ処理のフロー図である。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)に係る排泄物吸引装置について、その構成例について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。また、当然ながら本発明にはその等価物が含まれ得る。
また、以降の説明中、「高さ方向」とは、排泄物吸引装置1の高さ方向であり、排泄物吸引装置1を水平面に置いたときの鉛直方向に相当する。また、「奥行方向」とは、排泄物吸引装置1の奥行方向であり、具体的には、後述するハウジング31の長手方向に相当する。そして、「奥行方向」において排泄物を吸引する吸引ホース51が取り付けられている側を手前側、その反対側を奥側とする。
<<本実施形態に係る排泄物吸引装置の構成>>
先ず、本実施形態に係る排泄物吸引装置(以下、排泄物吸引装置1)の構成について図1乃至図8を参照しながら説明する。
排泄物吸引装置1は、図1に示す外観をなしており、歩行困難な患者や寝たきりの高齢者(以下、ユーザU)の排泄物の処理に利用される。
図1及び図2に示されるように、排泄物吸引装置1は、ユーザUが直接装着するカップ部材10、装置本体30、カップ部材10及び装置本体30を接続する吸引ホース51、洗浄水ホース52、エア返送ホース53及び信号伝送ケーブル54を備える。
吸引ホース51は、排泄物吸引用のホースである。吸引ホース51の一端部(カップ部材10に接続されている側の端部)は、カップ部材10の底壁を貫通しており、カップ部材10の底壁とユーザの股間部との間の空間に臨んでいる。吸引ホース51の他端部(カップ部材10に接続されている側とは反対側の端部)は、排泄物収容器20に接続されている。カップ部材10が底壁にて受けた排泄物Dは、排泄物吸引装置1によって吸引される際に吸引ホース51の内部を通って排泄物収容器20まで搬送される。
洗浄水ホース52は、洗浄水供給用のホースである。洗浄水ホース52は、図6に示す洗浄部60から供給されてくる洗浄水の流路をなしている。洗浄水ホース52の一端部(カップ部材10に接続されている側の端部)は、カップ部材10を貫通しており、カップ部材10とユーザの股間部(具体的には、股間部中、腹側よりも背側に位置する部分)との間の空間に臨んでいる。したがって、洗浄部60から洗浄水が供給されると、洗浄水がユーザの身体中、カップ部材10があてがわれている部位、すなわち、股間部に向けて洗浄水ホース52内を流れる。そして、最終的に洗浄水ホース52の一端側開口(具体的には洗浄水用ノズル16)から噴出する。
なお、ユーザの身体に向けて噴出した洗浄水は、排泄物Dと同様、カップ部材10に受けられて吸引ホース51を通じて吸引されて排泄物収容器20まで搬送される。
エア返送ホース53は、空気返送用のホースである。エア返送ホース53は、吸引ホース51を通じて排泄物Dや洗浄水を吸引する際に、これらと一緒に吸引されたカップ部材10内の空気を再びカップ部材10内に返送するための流路をなしている。エア返送ホース53の一端部(カップ部材10に接続されている側の端部)は、カップ部材10を貫通しており、カップ部材10とユーザの股間部(具体的には、股間部中、腹側よりも背側に位置する部分)との間の空間に臨んでいる。排泄物Dや洗浄水と共に吸引された空気は、排泄物吸引装置1内部を通過した後に、洗浄水がユーザの身体中、カップ部材10があてがわれている部位、すなわち、股間部に向けてエア返送ホース53の内部を流れる。そして、最終的にエア返送ホース53の一端側開口(具体的にはエア吹出口14)から放出される。
つまり、カップ部材10内の空気は、カップ部材10内部と排泄物吸引装置1の装置本体30内部との間で循環することになる。これにより、排便時の臭気をカップ部材10内部及び排泄物吸引装置1の装置本体30内部に留めておき、当該臭気が外部に漂うのを極力抑えることが可能となる。
また、信号伝送ケーブル54は、カップ部材10内の物体を検出する検出部としての電極部15からの検出信号を排泄物吸引装置1の装置本体30側に送出するための伝送路である。なお、上記の「物体」とは例えば排泄物である。また、本実施形態では、上記の「検出部」として電極を利用する例について説明するが、上記の「検出部」は、電極式のセンサ、静電容量式のセンサ、光学式のセンサ、熱感知式のセンサ等の各種センサのうち一種、又は複数種を組み合わせてもよい。本実施形態では、上記の「検出部」を電極により構成することにより、複数種のセンサを用いる場合よりも、コスト低減、構造の簡素化を図ることができる。
そして、電極部15からの検出信号は、信号伝送ケーブル54を介して排泄物吸引装置1の動作を制御するコントローラ80に入力される。
次に、排泄物吸引装置1のカップ部材10の構成、及び排泄物吸引装置1の動作の概要について説明する。
図2に示すように、ユーザUは、排泄部位Eをカップ部材10でカバーした状態で、カップ部材10の上からオムツPを装着する。そして、ユーザUは、例えば仰向きや、若干上体を起こした状態で排泄する。すると、排泄物吸引装置1は、カップ部材10内の排泄物を検知し、排泄物の種類を判定する。なお、上記の排泄物の種類とは、便(大便)又は尿である。
より詳しく説明すると、図4に示されるように、カップ部材10は、ユーザUの排泄部位Eを覆う第1カバー部材11と、ユーザUの臀部のうち背中側に位置する部分にあてがわれる第2カバー部材12を有する。第2カバー部材12は、第1カバー部材11の後端から略垂直に立ち上がる方向に延出し、カップ部材10は側面視において略L字の外形形状をなす。
第1カバー部材11は、カップ部材10内に排泄された排泄物を受ける受け面11aと、受け面11aに排泄物を誘導する誘導面11bを有する。そして、受け面11aと誘導面11bの周囲には、受け面11aと誘導面11bから垂直に立ち上がり、カップ部材10の装着時に人体に密着する壁部11cが形成されている。これにより、カップ部材10の装着時に、人体、受け面11a、誘導面11b及び壁部11cによる閉空間(以下、排泄物貯留空間)が形成される。この排泄物貯留空間には、ユーザの排泄物が一時的に溜められる。
図5に示されるように、第1カバー部材11の受け面11aには、複数の電極15cからなる電極部15が設けられている。この電極部15は、受け面11aの中心部に配される第1電極ペア15aと、第1電極ペア15aの周囲に配される複数(本例においては3つ)の第2電極ペア15bを有する。第1電極ペア15aと第2電極ペア15bはそれぞれ、プラス極とマイナス極の二つの電極15cの組からなり、排泄物が電極ペアのプラス極とマイナス極に接触している場合には、排泄物が導体となって、電極ペアに電流が流れる。
ここで、それぞれの電極15cには、金等の金属によるめっきを施すことにより、腐食耐性を強化することとしてよい。
なお、洗浄水と、排泄物とでは導電率が相違するために、電極ペアに流れる電流値の大きさに基づいて、受け面11aに排泄物があるか否かを判定することができる。なお、排泄物の検出、及び排泄物の種類の判定処理の詳細については後述する。
また、図5に示されるように、第1電極ペア15aは、ユーザUの肛門に対向する位置に配することで、受け面11aで受け止めた便を検出しやすくなる。また、第1電極ペア15aの周囲に3つの第2電極ペア15bを設け、各第2電極ペア15bを第1電極ペア15aに対して略120度の角度ずつずらして配置する。これにより、ユーザUの体勢(右向きか左向きか、仰向けか上体起こしか)によらず、排泄物が検出されやすくなる。すなわち、ユーザUの体勢が変わると、鉛直方向に対する受け面11aの角度が変化し、受け面11aにおいて排泄物が置かれやすい部位が変わるが、こうした場合でも3つの第2電極ペア15bのいずれかにおいて排泄物を検出することが可能となる。
そして、上記の電極部15により排泄物が検出された場合に、排泄物吸引装置1では、洗浄処理と、排泄物の吸引処理の動作を開始する。以下、排泄物吸引装置1に設けられた、洗浄処理と吸引処理を実現する構成について説明する。
図5に示されるように、壁部11cには洗浄水用ノズル16が設けられており、洗浄水用ノズル16には洗浄水ホース52が接続されている。そして、洗浄水ホース52を介して排泄物吸引装置1の装置本体30側から供給される洗浄水を、洗浄水用ノズル16からユーザUの(股間、陰部)やその周辺(臀部等)に掛けて、排泄部位Eやその周囲に付着した排泄物を洗い流す。
なお、洗浄水用ノズル16は、壁部11cに沿って複数箇所設けられていることとしてよい。
また、図4及び図5に示されるように、第1カバー部材11の誘導面11bにおいて、受け面11aとの接続部近傍には、排泄物吸引口13が形成されている。この排泄物吸引口13には、排泄物を吸引するための吸引ホース51が接続されている。
そして、排泄物吸引装置1は、排泄物貯留空間に溜められた排泄物を、吸引ホース51を通じて排泄物吸引装置1の装置本体30側に吸引するとともに、排泄後のユーザの排泄部位Eやその周辺に、洗浄水用ノズル16から洗浄水を掛ける。ここで、排泄物を含む汚水は、排泄物貯留空間に一時的に溜められた後に、排泄物吸引口13及び吸引ホース51を通じて、排泄物吸引装置1内にセットされた排泄物収容器20内に吸引されて、排泄物収容器20に溜められる。
また、図4に示されるように、誘導面11bには、エア返送ホース53から送られるエアを吹き出すエア吹出口14が形成されている。このエア吹出口14は、吸引ホース51を通じて汚水とともに吸引した空気を循環させてカップ部材10に戻す通気口である。そして、排泄部位Eの洗浄水による洗浄完了後に、エア吹出口14からのエアの吹き出しを所定時間継続することで、洗浄水が掛けられた排泄部位Eやその周囲を早期に乾燥させることができる。
<<排泄物吸引装置1の装置本体30の構成>>
次に、排泄物吸引装置1の装置本体30の構成について主に図1、図3、図6を参照しながら説明する。
装置本体30は、排泄物吸引装置1の主要部分であり、図1に示すように略直方体形状をなしている。なお、本実施形態に係る装置本体30は、例えばユーザの介護者(補助者)によって運搬可能なサイズとなっている。ただし、装置本体30のサイズについては任意に設定可能である。
図3及び図6に示すように、装置本体30は、その内部に排泄物収容器20を格納し、排泄物収容器20内を減圧することでカップ部材10内の排泄物Dを排泄物収容器20内に吸引する。より詳しく説明すると、装置本体30が排泄物収容器20内を減圧すると、これに伴って、排泄物収容器20に接続された吸引ホース51内、及び、吸引ホース51の末端部に連通する排泄物貯留空間(カップ部材10とユーザの股間部との間の空間)が減圧される。これにより、装置本体30は、カップ部材10が受けた排泄物Dを、吸引ホース51を通じて排泄物収容器20内に吸引する。このとき、装置本体30は、カップ部材10内で噴出された洗浄水、及び、カップ部材10内に返送された空気と共に排泄物Dを吸引する。
装置本体30は、図3及び図6に示すように、ケース部としてのケースユニット35と、吸引部40と、洗浄部60とを有する。これらの各ユニットは、装置本体30のハウジング31内に収納されている。以下、排泄物吸引装置1の各構成機器のうち、ケースユニット35、吸引部40、洗浄部60及び排泄物収容器20について説明する。
ケースユニット35は、例えば合成樹脂(一例としてABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂))製の有底箱状の容器であり、その内部に排泄物収容器20を収めることが可能である。ケースユニット35は、上端に開口部を有する。すなわち、ケースユニット35内の排泄物収容器20は、ケースユニット35の上端の開口部から取り出すことが可能である。なお、本実施形態において、ケースユニット35は、排泄物収容器20全体を収容するために幾分深底となっており、排泄物収容器20の高さよりも若干大きい高さを有している。
また、ケースユニット35は、図3に示すように、横長なハウジング31の内部のうち、奥行方向(すなわち、ハウジング31の長手方向)における手前側に位置する空間に配置されている。より詳しく説明すると、ハウジング31の上壁(ハウジング上壁31a)のうち、奥行方向の手前側に位置する部分には略方形状の開口部が設けられている。ケースユニット35は、当該開口部からハウジング31内に挿入されることで、ハウジング31の内部中、奥行方向の手前側に配置されるようになる。なお、本実施形態において、奥行方向の「手前側」とは、ケースユニット35が配置される側に対応し、「奥側」とは、ケースユニット35が配置される側とは反対側に対応する。
また、ケースユニット35が有する側壁のうち、奥行方向において奥側の端部に位置する側壁には、図3及び図6に示すように、矩形状の吸気口36が形成されている。この吸気口36は、奥側の端部に位置するケースユニット35の側壁の上側部分に設けられている。さらに、図3及び図6に示すように、ケースユニット35の内部において、吸気口36と排泄物収容器20との間のスペースには、吸引フィルタ37が設置されている。吸引フィルタ37は、幾分の厚みを有するパネル状の部材である。
そして、吸引フィルタ37は、ケースユニット35に取り付けられた状態では吸気口36を覆っている。これにより、ケースユニット35内の空気が吸気口36を通過する直前で空気中の異物等が吸引フィルタ37によって捕捉されるようになる。
また、図1及び図3に示すように、ケースユニット35には、ケースユニット35の上端開口を塞ぐ蓋部(以下、第1蓋部32)が取り付けられている。この第1蓋部32は、ハウジング上壁31aの一部を構成し、ヒンジ機構によって開閉自在な状態で設けられている。本実施形態では、図3に示すように、第1蓋部32において奥側に位置する端部を持ち上げることで第1蓋部32が開く。
一方、第1蓋部32が閉じた状態では、ケースユニット35の上端開口が完全に塞がれる。かかる状態においてケースユニット35内に排泄物収容器20が入っている場合、第1蓋部32は、ケースユニット35内の排泄物収容器20を上方から覆うようになる。
また、第1蓋部32において手前側に位置する端部には、吸引ホース51の端部と係合する円筒状のコネクタ32aが形成されている。そして、コネクタ32aは、第1蓋部32の裏面側(すなわちケースユニット35)にも突出している。ケースユニット35に排泄物収容器20を収容した状態で、第1蓋部32を閉めると、コネクタ32aの下端部が排泄物収容器20の第1吸引口20bの内に嵌まり込む。
これにより、カップ部材10、吸引ホース51、コネクタ32a、第1吸引口20bを通じた排泄物Dの吸引路が形成される。
吸引部40は、ケースユニット35を減圧するためにケースユニット35内の空気を吸引すると共に、吸引した空気を、エア返送ホース53を通じてカップ部材10内に排出(返送)する機構である。具体的には、吸引部40は、ブロア41、ブロア41を収容するケースであるブロアケーシング43を備える。ブロアケーシング43は、空気の流入側として吸気口36を介してケースユニット35と接続されている。そして、ブロアケーシング43は、空気の循環用の流出側としてエア返送ホース53と接続され、空気の排気側として排気用ホース55と接続されている。
ブロア41は、図6に示される制御電源70からの駆動電力の供給を受けるとともに、コントローラ80により動作を制御される。
例えば、ブロア41は、出力(換言すると、単位時間における吸気量)を調整することが可能である。一例としては、ブロア41は、強モード、中モード、弱モード等の複数の出力モードで動作可能とする。そして、吸引部40の出力モードは、排泄物の吸引、洗浄、洗浄前の冷水パージ、換気等の処理に応じて適宜設定される。
ブロア41が動作すると、ケースユニット35内の空気が吸気口36を通じて吸引部40に吸引される。なお、本実施形態において、吸引部40は、ケースユニット35内に排泄物収容器20が収められている状態にあるときに限り作動することとする。
また、吸引部40によって吸い込まれた空気の大部分は、エア返送ホース53を通じてカップ部材10に向けて返送される。より具体的に説明すると、エア返送ホース53は、ハウジング上壁31aを貫通してハウジング31内に進入している。また、図6に示すように、エア返送ホース53の端部(カップ部材10と接続している側とは反対の端部)は、ブロアケーシング43に繋ぎ込まれている。そして、ブロア41がケースユニット35内から吸引した空気をブロアケーシング43内で排出すると、その空気は、不図示の脱臭装置を経由した後、エア返送ホース53を通じてカップ部材10に返送されるようになる。
なお、本実施形態では、オムツP内に空気をスムーズに返送するために、ブロア41が吸引した空気の一部を、排気用ホース55及び脱臭装置56を通じて大気に放出している。これにより、カップ部材10内からの空気吸引量とカップ部材10への空気返送量との間に差が生じ、結果として、カップ部材10内へ空気が返送され易くなっている。
洗浄部60は、洗浄水供給部に相当し、カップ部材10に洗浄水を供給する機構である。本実施形態において、洗浄部60は、温水を生成し、生成した温水を洗浄水として供給する。洗浄部60は、図6に示されるように、カートリッジタンク61、温水タンク62及びポンプ63によって構成されている。
カートリッジタンク61は、洗浄水の原水を溜めておくタンクであり、装置本体30に対して着脱自在である。具体的に説明すると、ハウジング31内において、奥側の端部に位置する部分(すなわち、ケースユニット35とは反対側に位置する端部)には、箱状の容器であるタンクケーシング38が配置されている。タンクケーシング38は、その内部にカートリッジタンク61を収めることが可能である。また、タンクケーシング38は、上端に開口端を有する。すなわち、タンクケーシング38内のカートリッジタンク61は、タンクケーシング38の上端開口から取り出すことが可能である。なお、本実施形態において、タンクケーシング38は、カートリッジタンク61全体を収容するのに十分な深さを有している。
また、図3に示すように、タンクケーシング38には、タンクケーシング38の上端開口を塞ぐ第2蓋部33が取り付けられている。第2蓋部33は、ハウジング上壁31aの一部として構成され、ヒンジ機構によって開閉自在な状態で設けられている。本実施形態では、図3に示すように、第2蓋部33において奥側に位置する端部を持ち上げることで第2蓋部33が開く。一方、第2蓋部33が閉じた状態では、タンクケーシング38の上端開口が完全に塞がれ、タンクケーシング38内のカートリッジタンク61の上方が第2蓋部33によって覆われるようになる。
また、カートリッジタンク61の上部には水補給用のキャップが設けられており、下部には、タンクケーシング38内に収容された際に、タンクケーシング38に給水するための弁機構が設けられている。そして、タンクケーシング38に給水された水は、一度、ポンプ63に一旦受けられた後、ポンプ63から温水タンク62に送られる。
図6に示されるように、温水タンク62は、ポンプ63から受け取った水の温度を調整(具体的には加温)して温水を生成し、その温水を洗浄水として圧送する。そして、温水タンク62が有する洗浄水の吐出口には、洗浄水ホース52の端部(カップ部材10に接続されている側とは反対側の端部)が接続されている。これにより、温水タンク62から吐出された洗浄水は、洗浄水ホース52内を流れ、最終的にカップ部材10の洗浄水用ノズル16から噴出する。
なお、本実施形態に係るポンプ63は、洗浄水の供給量を調整することが可能であり、例えば、排泄物Dの種類や洗浄開始時からの経過時間に応じて適宜供給量を変更することが可能である。
排泄物収容器20は、吸引ホース51を通じて吸引された排泄物D及び洗浄水を収容する中空容器である。本実施形態に係る排泄物収容器20は、例えば、合成樹脂製(一例としてABS、PP、PVC製)の容器であり、図3に示すように縦長直方体形状をなしている。排泄物収容器20は、通常、ケースユニット35内に収められた状態で利用される。また、ケースユニット35内に排泄物収容器20が収められている状態では、排泄物収容器20の内部空間と、ケースユニット35の内部スペース(具体的には、ケースユニット35内の、排泄物収容器20の外側に位置する空間)が連通している。
そして、ケースユニット35内に排泄物収容器20が収められている状態でブロア41が作動してケースユニット35内の空気を吸引すると、排泄物収容器20内の空気が第2吸引口20cから排出される。そして、排泄物収容器20内の空気がケースユニット35内の空気と共にブロア41によって吸引されるようになる。この結果、排泄物収容器20内が減圧される。
なお、図6に示すように、第2吸引口20cを覆う位置に除塵・脱臭フィルタ23が取り付けられている。除塵・脱臭フィルタ23は、サイズが第2吸引口20cよりも一回り大きいフィルタである。例えば、除塵・脱臭フィルタ23は、矩形シート状のフィルタとしてもよいし、形状は特に限定されない。排泄物収容器20内の空気が第2吸引口20cを通過する際、当該空気中の排泄物Dの成分を除塵・脱臭フィルタ23によって捕捉する。
また、排泄物収容器20の上部において、第2吸引口20cが形成されている端部とは反対側の端部には略長円状の貫通孔(以下、第1吸引口20b)が設けられている。この第1吸引口20bは、排泄物Dや洗浄水を排泄物収容器20内に吸引するために形成されたものである。また、第1吸引口20bには、図6に示すように、吸引ホース51の端部(カップ部材10に接続されている側とは反対側の端部)が入り込む。
また、本実施形態では、第1蓋部32の開閉操作により、排泄物収容器20に対する吸引ホース51及びコネクタ32aの挿抜を簡単に行うことが可能としている。また、このように構成することで、吸引ホース51の端部を排泄物収容器20から抜く際にホース端部に過度な力が掛かり難い。この結果、ホース端部を抜く際にホース端部に過度な力が掛かるために排泄物Dがホース端部の開口から飛び散ってケースユニット35内を汚してしまうような事態を回避することが可能となる。
そして、第1蓋部32が閉じて吸引ホース51の端部が排泄物収容器20内に至った状態でブロア41がケースユニット35内の空気を吸引すると、排泄物収容器20内が減圧される。この際、カップ部材10上に排泄物Dが載っていると、排泄物Dが吸引されて吸引ホース51内を移動し排泄物収容器20内まで搬送される。また、洗浄部60からカップ部材10に洗浄水が供給されると、洗浄水も吸引ホース51を通じて排泄物収容器20内へ吸引される。
具体的に説明すると、吸引された排泄物Dや洗浄水は、排泄物収容器20内に入り込んでいる吸引ホース51の端部の先端開口を通過すると、排泄物収容器20内で自重落下して同タンク内に溜まっていく。一方、排泄物Dや洗浄水と共に吸引された空気は、排泄物収容器20で排泄物Dや洗浄水から分離し、排泄物収容器20の第2吸引口20cからタンク外へ排出されてブロア41に吸い込まれる。
排泄物収容器20は、その内部に所定量以上の排泄物や洗浄水が溜まった段階でケースユニット35から取り外される。すなわち、排泄物収容器20は、ケースユニット35に対して着脱可能である。より詳しく説明すると、閉じた状態の第1蓋部32を開くことにより、吸引ホース51の端部が排泄物収容器20から抜け、ケースユニット35の上端開口が開放される。その後、排泄物収容器20の取っ手20aを把持しながら排泄物収容器20を上方に持ち上げると、排泄物収容器20がケースユニット35から取り外すことができる。
以上までに説明してきたように本実施形態では、排泄物Dや洗浄水と共に排泄物収容器20内に吸引された空気は、排泄物収容器20の内部空間(特に、内部空間中の上方部分)を移動し、第2吸引口20cを通じて排泄物収容器20の外に排出される。ここで、排泄物収容器20内を空気が移動する場合、一般的な配管やホース内を空気が移動する場合と比較して空気の移動速度(流速)が遅くなる。これにより、排泄物収容器20内で空気を排泄物Dや洗浄水から分離させることが一層容易になる。
また、第2吸引口20cから排泄物収容器20の外に出た空気は、ケースユニット35内を移動して吸気口36に向かう。やがて、空気は、ケースユニット35内で吸引フィルタ37を通過した後、吸気口36を通じてケースユニット35内からブロアケーシング43内に移り、ブロアケーシング43内でブロア41に吸い込まれる。このように本実施形態では、排泄物収容器20の第2吸引口20cとケースユニット35の吸気口36とは、これらの間にケースユニット35内の一部の空間が介在していることで、互いに隔てられている。つまり、本実施形態では、第2吸引口20cと吸気口36とが直接連結されてなく、第2吸引口20cと吸気口36との間を連結する配管等も設けられていない。
以上のように第2吸引口20cと吸気口36との間にスペースが設けられていることで、第2吸引口20cから排泄物収容器20の外に出た空気は、上記のスペースに一旦放出されてから吸気口36を通じてブロア41に吸引されるようになる。これにより、ブロア41が排泄物収容器20内の空気を吸気する際に、水分(排泄物Dや洗浄水に由来するミスト水)や排泄物D中の菌等が空気と共に吸引されてブロア41やエア返送ホース53等が汚染されてしまうのを抑制することが可能となる。
なお、上述したように、排泄物収容器20の外に出た空気は、ケースユニット35内に一旦放出されるので、空気が仮に水分や菌等が混入した状態で排泄物収容器20の外に出たとしても、水分や菌等をケースユニット35内に収めておくことが可能となる。つまり、本実施形態では、汚染箇所の拡大を抑えることが可能である。
また、本実施形態では、排泄物吸引装置1の循環経路をコンパクトなものとすることで、装置内を空気が流れるときの圧損も小さく抑えられている。これにより、ブロア41が吸気する際の負荷が小さくなるので、ブロア41の出力(消費電力)の大きさも抑えられるようになる。さらに、ブロア41の出力が抑えられることで、ブロア41の作動熱を取り除くための付属機器(例えば、ラジエータ)等も不要となる。
<<コントローラ80の構成>>
次に、カップ部材10に排泄された排泄物を検出するとともに、排泄物の種類を判定し、判定結果に応じてブロア41及びポンプ63の動作を制御する制御部としてのコントローラ80の構成について説明する。
図7に示すように、コントローラ80は、ハードウェアとして、プロセッサ81、記憶装置82及び入出力インターフェース83を備える。
プロセッサ81は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。そして、プロセッサ81は、記憶装置82に記憶されるプログラムやデータに基づいて各種の演算処理を実行する。
記憶装置82は、例えばメモリ、磁気ディスク装置を含み構成され、各種のプログラムやデータを記憶するほか、プロセッサ81のワークメモリとしても機能する。なお、記憶装置82には、フラッシュメモリ、光学ディスク等の情報記憶媒体が含まれていてもよい。
入出力インターフェース83は、信号の伝送ケーブルを介して接続される電極部15、ブロア41、ポンプ63、操作部34等のデバイスと通信する。なお、入出力インターフェース83と、電極部15、ブロア41、ポンプ63、及び操作部34のそれぞれとは、各々専用の通信ケーブルにより接続されることとしてよい。
操作部34は、装置本体30の上部に設けられており、複数のボタンと、表示部を備え、排泄物吸引装置1の各種処理(洗浄、乾燥、吸引等)の実行及び停止の操作を受け付ける。
具体的には、コントローラ80には、入出力インターフェース83を介して、電極部15の第1電極ペア15a及び第2電極ペア15bのそれぞれから電流値のデータが入力される。
また、コントローラ80は、プロセッサ81が生成したブロア41の制御信号を、入出力インターフェース83を介してブロア41に送出して、ブロア41の動作を制御する。
また、コントローラ80は、プロセッサ81が生成したポンプ63の制御信号を、入出力インターフェース83を介してポンプ63に送出して、ポンプ63の動作を制御する。
また、コントローラ80は、操作部34に入力された操作信号を、入出力インターフェース83を介して受信し、操作信号に応じた処理を実行する。
また、コントローラ80は、無線通信用回路を備えることとしてもよい。こうすることで、コントローラ80は、無線通信用回路を通じて、PC、スマートフォン、タブレット端末等のコンピュータと通信可能となる。こうした場合には、コントローラ80は、外部のコンピュータから操作信号を受信し、受信した操作信号に基づいて排泄物吸引装置1を動作させてもよい。また、コントローラ80は、排泄物吸引装置1の動作のログ、電極部15の測定値等のデータをユーザごとに記録し、記録したデータを外部のコンピュータに送信するようにしてもよい。
なお、無線通信回路は、コントローラ80でなく、操作部34に備えられることとしても構わない。
また、図8に示されるように、コントローラ80は機能として、第1判定手段としての第1判定部84、洗浄前処理手段としての洗浄前処理部85、第2判定手段としての第2判定部86、及び洗浄処理手段としての洗浄処理部87を備える。
コントローラ80に備えられる上記の各機能は、コントローラ80のプロセッサ81が、記憶装置82に記憶されるプログラム及びデータに基づいて、コントローラ80の各部を制御することにより実現されるものである。なお、コントローラ80は、上記のプログラムを、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体から読み込んで取得してもよいし、インターネットやイントラネット等の通信網を介してダウンロードして取得してもよい。
以下、コントローラ80に備えられる上記の各機能の詳細について説明する。
第1判定部84は、電極部15の検出結果に基づいて、カップ部材10の中における排泄物の有無を判定する機能である。
例えば、第1判定部84は、電極部15の第1電極ペア15a、第2電極ペア15bからなる複数の電極ペアのうち少なくともいずれかの検出値が所定条件を満足する場合に、カップ部材10の受け面11aの上に排泄物が有ると判定する。
ここで、上記の「検出値」は例えば、電流値、インピーダンス(抵抗値)、電気伝導率、アドミタンス等を用いてよい。また、上記の「所定条件」は電極ペアが導体(排泄物)により接続されたことを「検出値」により検出するための条件である。換言すれば、電極ペアの上に排泄物等の導体が接している場合には、電極ペアの「検出値」が「所定条件」を満足することとなる。一方で、電極ペアの上に排泄物等の導体が接していない場合には、「検出値」が「所定条件」を満足しないこととなる。
例えば、上記の「検出値」に電流値を用いた場合には、いずれかの電極ペアで検出される電流値が所定値以上である場合に、第1判定部84は、カップ部材10の受け面11aの上に排泄物が有ると判定する。一方で、いずれの電極ペアで検出される電流値も所定値未満である場合に、第1判定部84は、カップ部材10の受け面11aの上に排泄物が無いと判定する。
第1判定部84は、主にコントローラ80のプロセッサ81、記憶装置82及び入出力インターフェース83により以下のように実現される。
コントローラ80のプロセッサ81は、入出力インターフェース83を介して電極部15の各電極ペアに流れる電流値のデータを取得する。具体的には、プロセッサ81は、入出力インターフェース83を介して、電極部15の第1電極ペア15a、第2電極ペア15bのそれぞれに流れる電流値のデータを取得する。そして、電極ペアのプラス極とマイナス極が排泄物を導体として接続されると、微弱な電流が流れる。
なお、電極ペアのプラス極とマイナス極が洗浄水を導体として接続された場合にも電流が流れるが、排泄物は洗浄水よりも塩度が高い(電解質が多い)ため、排泄物を導体として接続された場合の方が、電気伝導率が高くなり、その結果電流値が大きくなる。そこで、電極ペアに流れる電流値を適切な閾値と比較することにより、電極ペアに接しているものが排泄物であるか洗浄水であるかを区別可能である。
具体的には、プロセッサ81は、いずれかの電極ペアに流れる電流値が所定の閾値以上である場合に、カップ部材10の中に排泄物があると判定する。なお、上記の所定の閾値は、記憶装置82に予め記憶されたデータであり、実験結果等に基づいて適宜設定されることとしてよい。
また、上記の例では、電極部15の各電極ペアに、電極ペアのいずれかに流れる電流値が所定の閾値以上である場合に検出信号をコントローラ80に出力する検出回路を接続してもよい。この場合には、プロセッサ81は、検出回路からの検出信号を受け取った場合にはカップ部材10の中に排出物が検出されたと判定する。
なお、上記の例では、電極部15から検出される電流値に基づいて判定を行うこととしたが、電極部15の各電極ペアの導電率に応じて変化するデータであれば、電流値に限られず、他のデータ(抵抗値、電気伝導率等)を用いてもよい。
また、第1判定部84は、第1電極ペア15aのプラス極(又はマイナス極)と、いずれかの第2電極ペア15bのマイナス極(又はプラス極)との間の導電率の変化を検出して、排泄物の有無を判定してもよい。
また、第1判定部84は、1つの第2電極ペア15bのプラス極(又はマイナス極)と、隣接する第2電極ペア15bのマイナス極(又はプラス極)との間の導電率の変化を検出して、排泄物の有無を判定してもよい。
こうすることで、カップ部材10の中の広い範囲で排泄物を検知することが可能となる。
洗浄前処理部85は、第1判定部84によりカップ部材10に排泄物が有ると判定された場合に、吸引部40に吸引を実行させる機能である。
例えば、洗浄前処理部85は、第1判定部84によりカップ部材10に排泄物が有ると判定された場合に、吸引部40による吸引とともに、洗浄部60により洗浄水をカップ部材10に供給させる。
また、洗浄前処理部85は、洗浄部60による洗浄水の供給に当たり、ポンプ63の出力を、通常の洗浄時におけるモード(第1の出力モード)よりも低出力のモード(第2の出力モード)に設定して、ポンプ63を動作させることとしてよい。
洗浄前処理部85は、主にコントローラ80のプロセッサ81、記憶装置82及び入出力インターフェース83により以下のように実現される。
コントローラ80のプロセッサ81は、第1判定部84によりカップ部材10内に排泄物が有ると判定した場合に、ブロア41を強モードで動作させるための強吸引信号を、入出力インターフェース83を介してブロア41に伝送する。そして、ブロア41は、上記の強吸引信号の受信に応じて、強モードでの吸引を開始する。これにより、カップ部材10内の排泄物が吸引ホース51を通じて排泄物収容器20側に吸引される。
次に、プロセッサ81は、上記の強モード動作信号の送出時点から所定の第1時間が経過すると、ポンプ63を弱モードで動作させるための弱噴出信号を、入出力インターフェース83を介してポンプ63に伝送する。そして、ポンプ63は、上記の弱噴出信号の受信に応じて、弱モードでの温水タンク62からの送水を開始する。これにより、洗浄水用ノズル16からはカップ部材10の内部に向けて洗浄水が弱モードで噴出する。
なお、ポンプ63から洗浄水が送られている間にも、ブロア41は強モードでの吸引を継続している。このように、洗浄水用ノズル16からは弱い勢いで洗浄水を噴出させ、かつブロア41により強モードで吸引を行うようにする。これにより、洗浄水が排泄物吸引口13側に引き込まれるため、吸引ホース51に溜まった加温されていない洗浄水が排泄部位Eに当たることを抑制できる。
上記の処理により、洗浄前に、温水タンク62とカップ部材10の間の洗浄水ホース52に溜まった冷水をパージ(抜く)ことができる。なお、以下においては、ブロア41とポンプ63を連動して動作させることで、洗浄前の洗浄水ホース52に溜まった冷水を抜く処理を、冷水パージ処理と称する。
そして、プロセッサ81は、ポンプ63を弱モードで動作させてから、所定の第2時間が経過すると、入出力インターフェース83を介して、ブロア41とポンプ63のそれぞれに対して動作停止信号を伝送して、ブロア41とポンプ63の動作を停止させる。なお、上記の第2時間は、例えば洗浄水ホース52内に溜まった洗浄水を完全に入れ換えるために十分な時間とする。
第2判定部86は、洗浄前処理部85による吸引の実行後に、第1判定部84により排泄物が有ると判定された場合に排泄物が便と判定し、第1判定部84により排泄物が無いと判定された場合に排泄物が尿と判定する機能である。
第2判定部86が上記のように判定するのは、以下の理由による。
まず、排泄物が尿である場合には、洗浄前処理部85による吸引及び冷水パージ処理によって、尿は吸引ホース51側に吸引され、吸引後には第1判定部84による排泄物の検出が行われなくなると考えられるためである。
一方で、排泄物が便である場合には、便は尿に比べて重いため、洗浄前処理部85による吸引及び冷水パージ処理によっては、全ての便が吸引ホース51側に吸引されず、吸引後においても第1判定部84による排泄物の検出が行われると考えられるためである。
第2判定部86は、主にコントローラ80のプロセッサ81、記憶装置82及び入出力インターフェース83により以下のように実現される。
コントローラ80のプロセッサ81は、洗浄前処理部85による冷水パージ処理の実行後に、電極部15の各電極ペアに流れる電流値を、入出力インターフェース83を介して取得する。そして、プロセッサ81は、電極部15のいずれかの電極ペアに流れる電流値が所定の閾値以上である場合に、カップ部材10の中に排泄された排泄物が便(大便)であると判定する。
一方、プロセッサ81は、電極部15のいずれの電極ペアに流れる電流値が所定の閾値未満である場合に、カップ部材10の中に排泄された排泄物が尿であると判定する。
洗浄処理部87は、第2判定部86による判定結果に応じたモードで洗浄部60を動作させて、排泄部位の洗浄を実行する機能である。
洗浄処理部87は、洗浄部60による洗浄水の供給に当たり、ポンプ63の出力を、洗浄前処理部85による冷水パージ処理における出力モード(第2の出力モード)よりも強いモード(第1の出力モード)に設定して、ポンプ63を動作させることとしてよい。
洗浄処理部87は、主にコントローラ80のプロセッサ81、記憶装置82及び入出力インターフェース83により以下のように実現される。
コントローラ80のプロセッサ81は、第2判定部86により排泄物が便(大便)と判定した場合には、便モードによる洗浄処理を実行する。
具体的には、プロセッサ81は、ブロア41による送風(吸引)をA秒(例えば3秒)、ポンプ63による噴水をB秒(例えば5秒)実行する便モード基本洗浄パターンをC回(例えば5回)実行することで、上記の便モードによる洗浄処理を実行する。
なお、プロセッサ81は、洗浄処理の実行中に、操作部34を介して停止信号が入力された場合には、上記の便モードによる洗浄処理を停止することとしてよい。
また、プロセッサ81は、第2判定部86により排泄物が尿と判定した場合には、尿モードによる洗浄処理を実行する。
具体的には、プロセッサ81は、ブロア41による送風(吸引)をD秒(例えば3秒)、ポンプ63による噴水をE秒(例えば3秒)実行する尿モード基本洗浄パターンをF回(例えば1回)実行することで、上記の尿モードによる洗浄処理を実行する。
なお、プロセッサ81は、洗浄処理の実行中に、操作部34を介して停止信号が入力された場合には、上記の尿モードによる洗浄処理を停止することとしてよい。
なお、洗浄処理時におけるブロア41の出力は、例えば冷水パージにおける出力以上としてよい。例えば、大便の洗浄時のブロア41の出力をA、尿の洗浄時Bのブロア41の出力をB、冷水パージ実行時のブロア41の出力をCとすると、A≧B≧Cとしてよい。具体的には、ブロア41の出力が強、中、弱の三段階であり、大便の洗浄時のブロア41の出力を強、小便の洗浄処理時のブロア41の出力を中、冷水パージ時のブロア41の出力を弱に設定することとしてよい。
また、洗浄処理時におけるポンプ63の出力は、例えば冷水パージにおける出力よりも強い設定を用いることとしてよい。具体的には、ポンプ63の出力が強、中、弱の三段階であり、冷水パージにおけるポンプ63の出力を弱とすると、洗浄処理時におけるポンプ63の出力は、例えば中又は強に設定することとしてよい。また、ポンプ63の出力は、便モードと尿モードとにおいて変更してもよく、例えば便モードのポンプ63の出力を、尿モードのポンプ63の出力よりも強くしてもよい。
また、尿モードによる洗浄処理において、前回の尿モードの洗浄処理からの経過時間が所定の頻尿判定時間以下である場合には、ポンプ63による洗浄水の噴射は行わずに、ブロア41による送風(吸引)のみを行うようにしてもよい。
<<排泄物吸引装置1における排泄物の処理の流れ>>
次に、図9及び図10を参照しながら、排泄物吸引装置1による排泄物の処理の流れについて説明する。
図9及び図10に示される処理は、主にコントローラ80が排泄物吸引装置1の各部を制御することにより実行される。
図9に示されるように、コントローラ80のプロセッサ81は、電極部15により、カップ部材10内に排泄物が検出されたか否かを判定する(S1)。例えば、S1の処理は第1判定部84により実行される第1判定工程である。
S1で排泄物が検出されていない場合には(S1:No)、S1の処理を継続する。
次に、S1で排泄物が検出された場合には(S1:Yes)、コントローラ80のプロセッサ81は、冷水パージ処理を実行する(S2)。
ここで、冷水パージ処理の流れについては図10のフロー図を参照しながら説明する。なお、図10に示す冷水パージ処理(洗浄前処理工程)は、S1で排泄物が検出されてから所定時間後に開始することとしてよい。
図10に示されるように、コントローラ80のプロセッサ81は、強モードでブロア41を動作させて、ブロア41によるカップ部材10内の排泄物の吸引を実行する(S11)。
なお、ブロア41による吸引は、排泄物の吸引処理の最後まで継続する。また、ブロア41の出力は、排泄物の吸引処理の最中において変更可能である。
そして、S11におけるブロア41による吸引実行の開始から第1所定時間が経過まで待機し(S12:No)、第1所定時間が経過すると(S12:Yes)、プロセッサ81は、弱モードでポンプ63を動作させる。これにより、カップ部材10に洗浄水の噴出が行われる(S13)。
なお、ポンプ63による洗浄水のカップ部材10への供給は、後述するS15の処理まで継続する。
そして、S13におけるポンプ63による洗浄水のカップ部材10への供給の開始から第2所定時間が経過するまで待機し(S14:No)、第2所定時間が経過すると(S14:Yes)、プロセッサ81は、ポンプ63の動作を停止して(S15)、冷水パージ処理を終える。
ここで再び図9に戻り説明を続ける。図9に示されるように、冷水パージ処理を終えると、コントローラ80のプロセッサ81は、再び電極部15により、カップ部材10内に排泄物が検出されたか否かを判定する(S3)。例えば、S3の処理は第1判定部84により実行される第1判定工程である。
そして、S3においてカップ部材10内に排泄物が検出された場合には(S3:Yes)、コントローラ80のプロセッサ81は、S1で検出した排泄物は便(大便)と判定する(S4)。例えば、S3、S4の処理は第2判定部86により実行される第2判定工程である。
この場合、コントローラ80のプロセッサ81は、便モードによる洗浄処理を実行する(S5)。なお、便モードによる洗浄処理は、洗浄処理部87により実行される。
また、洗浄処理を実行後に、適宜、換気処理が実行される。具体的には、換気処理は、例えば、S1において排泄物を検出していない間に(S1:No)、ブロア41のみを所定時間動作させる処理を繰り返すことにより実行される。この換気処理におけるブロア41の出力は、弱モードに設定される。なお、換気処理は、操作部34で受け付けた操作に応じて、途中で停止してもよいし、ユーザの設定により停止するようにしてもよい。
一方で、S3においてカップ部材10内に排泄物が検出されなかった場合であって(S3:No)、冷水パージ処理の終了から所定時間が経過し判定タイムオーバーとなっていないときには(S6:No)、S3の処理を継続する。
そして、S3においてカップ部材10内に排泄物が検出されなかった場合であって(S3:No)、冷水パージ処理の終了から所定時間が経過し判定タイムオーバーとなったときには(S6:Yes)、コントローラ80のプロセッサ81は、S1で検出した排泄物は尿と判定する(S7)。例えば、S3、S6、S7の処理は第2判定部86により実行される第2判定工程である。
この場合、コントローラ80のプロセッサ81は、尿モードによる洗浄処理及び乾燥処理を実行する(S8)。なお、尿モードによる洗浄処理は、洗浄処理部87により実行される。また、乾燥処理は、洗浄処理の完了後に、ポンプ63による洗浄水の供給を停止した状態で、ブロア41を所定時間動作させることにより実行される。
なお、便モードと尿モードにおいて乾燥時間は同じであってもよいし、便モードの乾燥時間を尿モードよりも長くしてもよい。
以上が排泄物吸引装置1により実行される排泄物の処理の流れである。
そして、以上説明した排泄物吸引装置1、及び排泄物吸引装置1による排泄物判定方法によれば、排泄物の吸引前後の電極部15による排泄物の検出結果に基づいて、排泄物が便か尿かを精度良く判定できる。これにより、排泄物の種類の誤判定を抑制し、排泄物を適切に処理することができる。
また、排泄物吸引装置1では、排泄物の種類に応じたモードで洗浄部60を動作させることで、排泄物の種類に応じた適切な洗浄処理を実行することができる。
また、排泄物吸引装置1では、排泄物の吸引時に、洗浄水を供給することで、排泄物を排泄物収容器20側に吸引しやすくなる。また、排泄部位を洗浄する前に、吸引ホース51に溜まった冷水を排出することができる。
また、排泄物吸引装置1では、冷水パージにおいては、ポンプ63の出力を、通常の洗浄時の出力よりも弱いモードを用いることで、洗浄水の吸引ホース51に溜まった冷水を排出する際に、冷水が排泄部位にかかってしまうことを抑制できる。
また、排泄物吸引装置1では、電極部15は、複数の電極ペアを有し、複数の電極ペアのうち少なくともいずれかを流れる電流値が所定値以上となった場合に、排泄物が有ると判定する。
こうすることで、電極部15の電極ペアに接する排泄物が導体となることで、各電極ペアに接する排泄物を検出することができる。また、カップ部材10に複数の電極ペアを設けることで、複数の箇所において排泄物を検出することができる。これにより、排泄物の検出範囲率を向上できる。
また、排泄物吸引装置1では、電極部15は、カップ部材10において排泄物を受ける受け面11aの中央に設けられた第1電極ペア15aと、第1電極ペア15aの周囲に設けられた1以上の第2電極ペア15bと、を有する。
こうすることで、排泄物の受け面11aの中央と、その周囲のいずれにおいても排泄物を検出することができる。これにより、ユーザの姿勢に依らず、排泄物の検出率を向上できる。
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態では、本発明の排泄物吸引装置の構成について一例を挙げて説明した。ただし、上記の実施形態は一例に過ぎず、他の実施形態も考えられる。例えば、上記の実施形態では、ケース部としてのケースユニット35と、排泄物収容器20と、吸引部としてのブロア41とが一つのハウジング31内に収まっていることとした。ただし、これに限定されるものではなく、排泄物収容器20及びケースユニット35がハウジング31内に収められている一方で、ブロア41がハウジング31の外に設けられてもよい。
また、上記の実施形態では、ユーザが寝たままの状態で排泄した排泄物を吸引するために本発明の排泄物吸引装置を利用するケースを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、被災地等に設置される非水洗式の簡易トイレで排泄した人の排泄物を吸引するために本発明の排泄物吸引装置を利用してもよい。
また、上記の実施形態では、排泄物を吸引する際に排泄物と共に吸引された空気をカップ部材10内に返送することとしたが、これに限定されるものではなく、排泄物と共に吸引された空気を装置内から大気へ放出してもよい。
また、上記の実施形態では、電極部15において中央に配される第1電極ペア15aを1つ設けたが複数設けてもよい。また、電極部15において周辺に配される第2電極ペア15bを3つ設けたが1、2又は4以上設けてもよい。
1 排泄物吸引装置
10 カップ部材
11 第1カバー部材
11a 受け面
11b 誘導面
11c 壁部
12 第2カバー部材
13 排泄物吸引口
14 エア吹出口
15 電極部
15a 第1電極ペア
15b 第2電極ペア
15c 電極
16 洗浄水用ノズル
20 排泄物収容器(収容器)
20a 取っ手
20b 第1吸引口
20c 第2吸引口
23 除塵・脱臭フィルタ
30 装置本体
31 ハウジング
31a ハウジング上壁
32 第1蓋部
32a コネクタ
33 第2蓋部
34 操作部
35 ケースユニット
36 吸気口
37 吸引フィルタ
38 タンクケーシング
40 吸引部
41 ブロア
43 ブロアケーシング
51 吸引ホース
52 洗浄水ホース(流路)
53 エア返送ホース
54 信号伝送ケーブル
55 排気用ホース
56 脱臭装置
60 洗浄部
61 カートリッジタンク
62 温水タンク
63 ポンプ
70 制御電源
80 コントローラ(制御部)
81 プロセッサ
82 記憶装置
83 入出力インターフェース
84 第1判定部(第1判定手段)
85 洗浄前処理部(洗浄前処理手段)
86 第2判定部(第2判定手段)
87 洗浄処理部(洗浄処理手段)
D 排泄物
E 排泄部位
P オムツ
U ユーザ

Claims (7)

  1. 排泄部位を覆うカップ部材と、
    前記カップ部材の中に排泄された排泄物を収容器に向けて吸引する吸引部と、
    前記カップ部材に温度が調整された洗浄水を供給する洗浄部と、
    前記カップ部材の中の物体を検出する検出部と、
    前記吸引部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記カップ部材の中における前記排泄物の有無を判定する第1判定手段と、
    前記第1判定手段により前記カップ部材に前記排泄物が有ると判定された場合に、前記吸引部に吸引を実行させるとともに、前記洗浄部により前記洗浄水を前記カップ部材に供給させる洗浄前処理手段と、
    前記洗浄前処理手段による吸引の実行後に、前記第1判定手段により前記排泄物が有ると判定された場合に前記排泄物が便と判定し、前記第1判定手段により前記排泄物が無いと判定された場合に前記排泄物が尿と判定する第2判定手段と、を有することを特徴とする排泄物吸引装置。
  2. 記制御部は、前記第2判定手段による判定結果に応じたモードで前記洗浄部を動作させて、前記排泄部位の洗浄を実行する洗浄処理手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の排泄物吸引装置。
  3. 前記洗浄部は、
    前記洗浄水を溜めるタンクと、
    前記タンクと前記カップ部材とを接続する流路と、
    前記タンクに溜まった洗浄水を前記カップ部材に供給するポンプと、を有し、
    前記洗浄前処理手段は、前記ポンプにより洗浄水を前記カップ部材に供給させることを特徴とする請求項2に記載の排泄物吸引装置。
  4. 前記ポンプは、第1の出力モードと、前記第1の出力モードよりも低出力の第2の出力モードで動作可能であり、
    前記洗浄処理手段は、前記第1の出力モードにより前記ポンプを動作させ、
    前記洗浄前処理手段は、前記第2の出力モードにより前記ポンプを動作させることを特徴とする請求項3に記載の排泄物吸引装置。
  5. 前記検出部は、1以上の電極ペアを含む電極部を有し、
    前記第1判定手段は、前記1以上の電極ペアのうち少なくともいずれかの検出値が所定条件を満足する場合に、前記排泄物が有ると判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の排泄物吸引装置。
  6. 前記カップ部材は、前記排泄物を受ける受け面を有し、
    前記電極部は、
    前記受け面の中央に設けられた第1電極ペアと、
    前記第1電極ペアの周囲に設けられた1以上の第2電極ペアと、を有することを特徴とする請求項5に記載の排泄物吸引装置。
  7. 排泄物吸引装置による排泄物判定方法であって、
    前記排泄物吸引装置は、
    排泄部位を覆うカップ部材と、
    前記カップ部材の中に排泄された排泄物を収容器に向けて吸引する吸引部と、
    前記カップ部材に温度が調整された洗浄水を供給する洗浄部と、
    前記カップ部材の中の物体を検出する検出部と、
    前記吸引部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部が、前記検出部の検出結果に基づいて、前記カップ部材の中における前記排泄物の有無を判定する第1判定工程と、
    前記制御部が、前記第1判定工程により前記カップ部材に前記排泄物が有ると判定された場合に、前記吸引部に吸引を実行させるとともに、前記洗浄部により前記洗浄水を前記カップ部材に供給させる洗浄前処理工程と、
    前記制御部が、前記洗浄前処理工程による吸引の実行後に、前記カップ部材の中に前記排泄物が有ると判定した場合に前記排泄物が便と判定し、前記カップ部材の中に前記排泄物が無いと判定された場合に前記排泄物が尿と判定する第2判定工程と、を有することを特徴とする排泄物判定方法。
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