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JP7017997B2 - 煙突支持構造 - Google Patents

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JP7017997B2 JP2018169145A JP2018169145A JP7017997B2 JP 7017997 B2 JP7017997 B2 JP 7017997B2 JP 2018169145 A JP2018169145 A JP 2018169145A JP 2018169145 A JP2018169145 A JP 2018169145A JP 7017997 B2 JP7017997 B2 JP 7017997B2
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Description

本発明は、支持部に下端部を載置した煙突の上方部を、その周囲に設けられた腰壁に対して、複数の取付部材を介して接続して支持する煙突支持構造に関する。
天井裏等の空間部を貫通する煙突を支持する従来の煙突支持構造として、煙突の上方部をその周囲に設けられた腰壁等に対して、複数の取付部材を介して接続するものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。かかる特許文献1に記載の煙突支持構造では、腰壁等に固定された取付部材としての化粧板に挿通孔を設け、その挿通孔に煙突を挿通させる形態で、当該煙突が支持されている。
実登録3194148号公報
上記特許文献1に記載の煙突支持構造では、腰壁に対して煙突から化粧板を介して腰壁の面外方向に沿った反力が作用すると、腰壁に面外方向に向かう曲げモーメントが生じて、当該腰壁が破損し易くなる。よって、このように煙突の姿勢を保持する腰壁については、厚みを増して強固に構成する必要があり、高コスト化や構造の煩雑化等の要因となっていた。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、支持部に下端部を載置した煙突の上方部を、その周囲に設けられた腰壁に対して、複数の取付部材を介して接続して支持する煙突支持構造において、スリム化した腰壁を適用した場合であっても煙突を良好に支持することができる技術を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、支持部に下端部を載置した煙突の上方部を、その周囲に設けられた腰壁に対して、複数の取付部材を介して接続して支持する煙突支持構造であって、
前記複数の取付部材の夫々が、前記腰壁の面内方向に直交する直交方向に沿った前記煙突の変位を許容するとともに、前記腰壁の面内方向に沿った前記煙突の変位を阻止する構成を有し、
平面視において、前記煙突の外面が矩形に形成されていると共に、前記腰壁が前記煙突の外面に平行な状態で矩形に設けられていることを特徴とする点にある。
本構成によれば、煙突の上方部の周囲に設けられた腰壁に対して、複数の取付部材の夫々を介して煙突から作用する反力の方向は、何れの取付部材においても、腰壁の面内方向に沿ったものとなる。すると、腰壁において、面外方向に向かう曲げモーメントが生じ難くなり、それに起因する損傷が抑制される。このことで、腰壁の厚みを薄くしてスリム化した場合であっても、当該腰壁により良好に煙突の姿勢を保持することができ、例えば腰壁とは別に煙突の姿勢を保持するための支持部等を追加する必要がなくなる。
従って、本発明により、スリム化した腰壁を適用した場合であっても煙突を良好に支持することができる煙突支持構造を提供することができる。
更に、本構成によれば、平面視において、直線状に延びた煙突の外面部分に対してそれに平行な直線状の腰壁が互いに対向して配置されることになり、それらの間に形成された直線状の隙間に、一乃至複数の取付部材を架設させることができる。そして、このような簡単且つ合理的な構成により、平面視矩形の煙突の姿勢を、それを外囲して平面視矩形に設けられた腰壁により適切に保持することができる。
本発明の第特徴構成は、前記取付部材が、前記煙突の外面から前記腰壁の上端面に向けて延出する平板状の取付プレートと、当該取付プレートに形成されたボルト挿通孔に挿通されて前記腰壁の上端面に締結される取付ボルトとを有して構成され、
前記取付プレートにおいて前記ボルト挿通孔が、前記腰壁の面内方向に直交する直交方向を長手方向とする長孔状に形成されている点にある。
本構成によれば、腰壁に対して煙突の上方部を取り付ける取付部材を、上記取付プレートと上記取付ボルトとで簡単に構成することができる。そして、この場合、取付プレートに形成されるボルト挿通孔を腰壁の面外方向を長手方向とする長孔状に形成すれば、腰壁の面外方向に沿った煙突の変位については、取付ボルトをボルト挿通孔の長手方向に沿って変位させる形態で許容することができる。一方、腰壁の面内方向に沿った煙突の変位については、取付ボルトをボルト挿通孔の幅方向の内面に当接させる形態で阻止することができる。
煙突支持構造の縦断面図 煙突支持構造の平面図 煙突支持構造の取付部分の拡大縦断面図 煙突支持構造の取付部分の拡大平面図
本発明に係る煙突支持構造の実施形態について図面に基づいて説明する。
本実施形態の煙突支持構造は、図1及び図2に示すように、建物内部に設置された発電装置や冷温水器等の煙突1を支持するものとして構成されている。
煙突1は、その下端部が建物内部の支持部(図示省略)に載置され、その上方部が建物の屋上等のスラブ3に形成された開口部2に挿通される。スラブ3おける開口部2の縁部には、上方へ突出する腰壁4が設けられている。よって、煙突1の上方部の周囲は、所定幅の隙間を隔てた状態で、腰壁4が設けられることになる。そして、煙突1の上方部が、その腰壁4に対して、複数のファスナ10を介して接続されて支持されている。
また、図2に示すように、煙突1の外面の形状は、長方形とされており、それに合わせて、腰壁4は、煙突1の外面に平行な状態で長方形に設けられている。
上記ファスナ10は、図3及び図4にも示すように、煙突1の外面に固定される煙突側取付プレート10Aと、当該煙突側取付プレート10Aの下端部(煙突1の外面)から腰壁4の上端面4aに向けて延出する平板状の腰壁側取付プレート10B(取付プレートの一例)と、これら煙突側取付プレート10Aと腰壁側取付プレート10Bとで形成されるL字状の姿勢を維持するための補強用プレート10Cとを有して構成されている。
また、腰壁側取付プレート10Bには、ボルト挿通孔10aが形成されている。そして、煙突1の外面に固定されたファスナ10のボルト挿通孔10aに、腰壁4の上端面4aに固定された取付ボルト20を挿通し、その取付ボルト20にナット21を締結する状態で、煙突1と腰壁4とが複数のファスナ10を介して接続されることになる。
尚、本願において、腰壁4の厚さ方向を、腰壁4の面外方向X(図3,4参照)と呼ぶ。一方、腰壁4の面外方向に直交する方向を、腰壁4の面内方向Y(図3,4参照)と呼ぶ。更に、腰壁4の面内方向Yのうち、垂直方向成分は腰壁4の面内垂直方向Yv(図3参照)と呼び、水平方向成分は腰壁4の面内水平方向Yh(図4参照)と呼ぶ。
上記ファスナ10の腰壁側取付プレート10Bに形成されたボルト挿通孔10aは、腰壁4の面外方向Xを長手方向とする長孔状に形成されている。このボルト挿通孔10aに挿通された取付ボルト20は、当該ボルト挿通孔10aの長手方向に沿って変位可能な状態となる。
従って、図3及び図4に示すように、腰壁4の面外方向Xに沿った煙突1に固定されたファスナ10の変位については、取付ボルト20をファスナ10のボルト挿通孔10aの長手方向に沿って変位させる形態で許容されることになる。即ち、ボルト挿通孔10aにおいて長手方向に沿った取付ボルト20の前後に形成される隙間が、腰壁4の面外方向Xに沿った煙突1の変位を許容する面外方向変位許容部として機能する。
一方、図4に示すように、腰壁4の面内方向Yのうちの面内水平方向Yhに沿った煙突1に固定されたファスナ10の変位については、取付ボルト20をボルト挿通孔10aの幅方向の内面に当接させる形態で阻止されることになる。即ち、ボルト挿通孔10aにおいて幅方向の内面が、腰壁4の面内水平方向Yhに沿った煙突1の変位を阻止する面外水平方向変位阻止部として機能する。尚、図3に示すように、腰壁4の面内方向Yのうちの面内垂直方向Yvに沿った煙突1に固定されたファスナ10の変位については、煙突1の自重が別の支持部により支持されていること、更にはファスナ10が腰壁4の上端面4aに取付ボルト20により固定されていることにより阻止されている。
例えば、図2を参照して、煙突1が上下方向に沿って変位すると仮定する。この場合、煙突1の図中の上下面に固定されたファスナ10については、そのファスナ10に設けられたボルト挿通孔10aが図中の上下方向を長手方向とするものであるため、腰壁4に固定された取付ボルト20がそのボルト挿通孔10aの長手方向に沿って変位する。そのため、当該腰壁4に対しては煙突1の変位に起因する反力は作用しなくなる。一方、煙突1の図中の左右面に固定されたファスナ10については、そのファスナ10に設けられたボルト挿通孔10aが図中の左右方向を長手方向とするものであるため、腰壁4に固定された取付ボルト20がそのボルト挿通孔10aの幅方向の内面に当接する。そのために、当該腰壁4に対しては煙突1の変位に起因する反力が作用することになる。
即ち、図4を参照して、煙突1の上方部の周囲に設けられた腰壁4に対して、複数のファスナ10の夫々を介して煙突1から作用する反力の方向は、何れのファスナ10においても、腰壁4の面内水平方向Yhに沿ったものとなる。すると、腰壁4において、面外方向Xに向かう曲げモーメントが生じ難くなり、それに起因する腰壁4の損傷が抑制される。このことで、腰壁4の厚みを薄くしてスリム化した場合であっても、当該腰壁4により良好に煙突1の姿勢を保持することができ、例えば腰壁4とは別に煙突1の姿勢を保持するための支持部等を追加する必要がなくなる。
更に、図2に示すように、平面視において、直線状に延びた煙突1の外面部分に対してそれに平行な直線状の腰壁4が互いに対向して配置されることになる。そして、それらの間に形成された直線状の隙間に、夫々のファスナ10を架設させる、というような簡単且つ合理的な構成が採用されている。よって、平面視で長方形の煙突1の姿勢が、それを外囲して平面視で長方形に設けられた腰壁4により適切に保持されることになる。
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、平面視での煙突1の外面及び腰壁4の設置形状を長方形としたが、円形又は他の矩形として構成しても構わない。
(2)上記実施形態では、煙突1と腰壁4とを接続するファスナ10の形態を、煙突1の外面に固定される煙突側取付プレート10Aと、腰壁4に固定された取付ボルト20が挿通されるボルト挿通孔10aを有する腰壁側取付プレート10Bとを一体化したものとして構成したが、このようなファスナ10の形態は適宜変更しても構わない。また、ボルト挿通孔10aを長孔状とするのではなく、例えば一方向のみの変位を許容するスライド機構部を設けるなどの別の方法で、ファスナ10の夫々を、腰壁4の面外方向Xに沿った煙突1の変位を許容するとともに、腰壁4の面内方向Yに沿った煙突1の変位を阻止する構成としても構わない。
1 煙突
4 腰壁
4a 上端面
10 ファスナ(取付部材)
10B 腰壁側取付プレート(取付プレート)
10a ボルト挿通孔
20 取付ボルト
X 面外方向
Y 面内方向

Claims (2)

  1. 支持部に下端部を載置した煙突の上方部を、その周囲に設けられた腰壁に対して、複数の取付部材を介して接続して支持する煙突支持構造であって、
    前記複数の取付部材の夫々が、前記腰壁の面内方向に直交する直交方向に沿った前記煙突の変位を許容するとともに、前記腰壁の面内方向に沿った前記煙突の変位を阻止する構成を有し、
    平面視において、前記煙突の外面が矩形に形成されていると共に、前記腰壁が前記煙突の外面に平行な状態で矩形に設けられている煙突支持構造。
  2. 前記取付部材が、前記煙突の外面から前記腰壁の上端面に向けて延出する平板状の取付プレートと、当該取付プレートに形成されたボルト挿通孔に挿通されて前記腰壁の上端面に締結される取付ボルトとを有して構成され、
    前記取付プレートにおいて前記ボルト挿通孔が、前記腰壁の面内方向に直交する直交方向を長手方向とする長孔状に形成されている請求項1に記載の煙突支持構造。
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