JP7013736B2 - プライマー層形成用組成物、バリアフィルム、波長変換シート、及び、波長変換シートの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明のプライマー層形成用組成物は、光学積層体の蛍光体層に隣接するプライマー層を形成するためのプライマー層形成用組成物であって、多官能性化合物と硬化剤とを含有し、上記多官能性化合物は、樹脂骨格の主鎖又は側鎖の末端に、上記蛍光体層に用いられる硬化性樹脂に対して反応性又は分子間力結合性を有する官能基Aと、上記官能基Aと同一又は異なる、上記硬化剤に対して反応性を有する官能基Bとを有し、上記官能基Bは、水酸基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、シラノール基、アミノ基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含み、上記硬化剤はイソシアヌレート型化合物を含むものである。以下、各成分について詳細に説明する。
多官能性化合物において、主鎖又は側鎖に官能基A及び官能基Bを有する樹脂骨格は、ポリエステル系樹脂及び/又はアクリル系樹脂に由来するものであることが好ましい。ポリエステル系樹脂及びアクリル系樹脂は、直鎖状及び分岐状のいずれでもよい。ポリエステル系樹脂としては、末端にカルボキシル基、水酸基を有するポリエステル系樹脂が一般的に挙げられる。また、共重合成分として、トリメチロールプロパン及びネオペンチルグリコール等を用いたポリエステル系樹脂や、ピロメリット酸及びトリメリット酸等を用いたポリエステル系樹脂は、側鎖に水酸基やカルボキシル基を導入することが可能となり、末端だけでなく側鎖にも反応性を付与することが可能となる。アクリル系樹脂の場合は、共重合成分としてアクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート等を用いることで、側鎖に水酸基やカルボキシル基を導入することが可能である。また、アクリル系樹脂は、主鎖又は側鎖にアミノ基を導入したものであってもよい。
硬化剤は、多官能性化合物を硬化させることが可能なイソシアヌレート型化合物を含む。イソシアヌレート型化合物としては、脂肪族イソシアヌレート型化合物及び芳香族イソシアヌレート型化合物が挙げられる。これらの中でも、経時によるプライマー層の黄変を抑制する観点から、脂肪族イソシアヌレート型化合物が好ましい。ここで、脂肪族イソシアヌレート型化合物とは、鎖状脂肪族イソシアヌレート型化合物及び脂環式イソシアヌレート型化合物を意味する。鎖状脂肪族イソシアヌレート型化合物は、直鎖状脂肪族イソシアヌレート型化合物であってもよく、分岐鎖状脂肪族イソシアヌレート型化合物であってもよい。多官能性化合物と反応するために硬化剤に含まれる官能基としては、イソシアネート基、アリル基、シラノール基、エポキシ基等が挙げられ、これらの中から多官能性化合物の官能基Bの種類に応じて適宜選択される。
本発明のプライマー層形成用組成物の製造方法は、先に説明した第一~第三実施形態に係る方法により多官能性化合物を作製する工程を有する方法である。
本発明のバリアフィルムは、ガスバリア性フィルムと、バリアフィルムの一方の最表面に配置された、上記プライマー層形成用組成物の硬化物からなるプライマー層と、を備える。以下、図面を用いつつ本発明のバリアフィルムの好適な実施形態について説明する。
第1、第2及び第3の基材11,21,31は、高分子フィルムであることが望ましい。高分子フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド;ポリプロピレン及びシクロオレフィン等のポリオレフィン;ポリカーボネート;並びにトリアセチルセルロース等が挙げられるが、これらに限定されない。高分子フィルムはポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム又はポリオレフィンフィルムであることが好ましく、ポリエステルフィルム又はポリアミドフィルムであることがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが更に好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、透明性、加工適正及び密着性の観点から望ましい。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、透明性及びガスバリア性の観点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
アンカーコート層12,22は、第1及び第2の基材11,21と無機薄膜層13,23との間の密着性を向上させるために、それらの間に設けられるものである。また、アンカーコート層12,22は、水分や酸素の透過を防止するバリア性を有していてもよい。
バリア層15,25は、水蒸気透過度及び酸素透過度を更に向上させるために設けられる層である。バリア層15,25は、光学的な観点から、透明性が高いことが望ましい。バリア層15,25は単層であっても多層であってもよいが、図1~図5に示したように、無機薄膜層13,23及びガスバリア性被覆層14,24を有することが望ましい。
無機薄膜層13,23の形成方法は真空蒸着法、スパッタリング法、又はPECVD法であることが好ましい。真空蒸着法では、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム(Electron Beam)加熱式真空蒸着法、誘導加熱式真空蒸着法がより好ましく、スパッタリング法では、反応性スパッタリング法、デュアルマグネトロンスパッタリング法であることがより好ましい。膜の均質性の観点からはスパッタリング法が好ましく、コストの観点からは、真空蒸着法が好ましく、目的、用途に応じて選択することができる。
ガスバリア性被覆層14,24は、後工程での二次的な各種損傷を防止すると共に、高いバリア性を付与するために設けられるものである。ガスバリア性被覆層14,24は、シロキサン結合を含んでいてもよい。ガスバリア性被覆層14,24は、大気中で形成することもできる。ガスバリア性被覆層14,24を大気中で形成する場合は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチレンビニルアルコールのような極性を持つ化合物、ポリ塩化ビニリデン等の塩素を含む化合物、及びSi原子を含む化合物、Ti原子を含む化合物、Al原子を含む化合物、Zr原子を含む化合物等を含有する塗布液を無機薄膜層13,23上に塗布し、乾燥硬化させることで形成することができる。
R1 n(OR2)4-nSi …(1)
[式中、nは0~3の整数を示し、R1及びR2はそれぞれ独立に炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1~4のアルキル基を示す。]
R1 n(OR2)4-nTi …(2)
[式中、nは0~3の整数を示し、R1及びR2はそれぞれ独立に炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1~4のアルキル基を示す。]
R1 m(OR2)3-mAl …(3)
[式中、mは0~2の整数を示し、R1及びR2はそれぞれ独立に炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1~4のアルキル基を示す。]
R1 n(OR2)4-nZr …(4)
[式中、nは0~3の整数を示し、R1及びR2はそれぞれ独立に炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1~4のアルキル基を示す。]
接着層4は、図1~3及び図5に示すように、第1のフィルム1と第2のフィルム2とを貼り合わせて積層するために、第1のフィルム1と第2のフィルム2との間に設けられている。また、接着層4は、図5に示すように、第2のフィルム2と第3のフィルム3を貼り合わせる場合にも設けられる。接着層4としては、高分子フィルム用の接着剤又は粘着剤として一般的なものを使用することができ、第1のフィルム1及び第2のフィルム2の貼り合わせる側の表面に応じて適宜選択される。接着層4の材料の候補としては、エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系、フェノール系、及びウレタン系等の接着剤又は粘着剤が挙げられる。
プライマー層5は、バリアフィルムと蛍光体層との密着性を向上させるために設けられる層である。プライマー層5は、第1のフィルム1の第1の基材11上又はガスバリア性被覆層14上に設けられる。プライマー層5は、バリアフィルムの一方の最表面に設けられ、バリアフィルムのプライマー層5側の表面を蛍光体層に貼り合わせることとなる。
マット層6は、1以上の光学的機能や帯電防止機能を発揮させるために、バリアフィルムのプライマー層5とは反対側の表面に設けられている。ここで、光学的機能としては、特に限定されるものではないが、干渉縞(モアレ)防止機能、反射防止機能、拡散機能等が挙げられる。これらの中でも、マット層6は、光学的機能として少なくとも干渉縞防止機能を有することが好ましい。本実施形態では、マット層6が少なくとも干渉縞防止機能を有するものである場合について説明する。
次に、上記バリアフィルムを用いた本発明の波長変換シートについて説明する。本発明の波長変換シートは、蛍光体を含む蛍光体層と、上記蛍光体層の少なくとも一方の面上に積層された上記本発明のバリアフィルムと、を備えるものであり、上記バリアフィルムは、上記蛍光体層側の最表面に上記プライマー層を備える。図6は、本発明の波長変換シートの一実施形態を示す模式断面図である。図6に示す波長変換シート600は、蛍光体を含む波長変換機能を有する蛍光体層7が、一対のバリアフィルム100で挟まれた構造を有している。一対のバリアフィルム100と蛍光体層7とは、プライマー層5が蛍光体層7と接するように積層されている。かかる構成を有する波長変換シート600は、プライマー層5を介してバリアフィルム100と蛍光体層7とが貼り合わせられているため、優れた密着性が得られる。なお、バリアフィルム100は、上述したバリアフィルム200、バリアフィルム300又はバリアフィルム400であってもよい。
蛍光体層7は、励起光の照射によって異なる波長の光を発光する波長変換機能を有する層であり、少なくとも1種類以上の蛍光体(図示せず)を含む。
次に、本発明のバリアフィルム及び波長変換シートの製造方法の一実施形態について説明する。本実施形態のバリアフィルムの製造方法は、ガスバリア性フィルムと、一方の最表面に配置されたプライマー層と、を備えるバリアフィルムの製造方法であって、上述した本実施形態のプライマー層形成用組成物の製造方法によりプライマー層形成用組成物を得る工程と、上記ガスバリア性フィルム上に上記プライマー層形成用組成物を塗布し、硬化させて上記プライマー層を形成する工程と、を有する。また、本実施形態の波長変換シートの製造方法は、蛍光体及び硬化性樹脂の硬化物(封止樹脂)を含む蛍光体層と、上記蛍光体層の少なくとも一方の面上に積層された、上記蛍光体層側の最表面にプライマー層を有するバリアフィルムと、を備える波長変換シートの製造方法であって、上述した本実施形態のバリアフィルムの製造方法により上記バリアフィルムを得る工程と、上記バリアフィルムの上記プライマー層上に、蛍光体及び硬化性樹脂を含む蛍光体層形成用組成物を塗工して塗膜を形成する工程と、上記塗膜中の上記硬化性樹脂を硬化させて蛍光体層を形成する工程と、を有する。本実施形態において、プライマー層を形成するガスバリア性フィルムの表面は、図1、図3及び図5に示したバリアフィルム100,300,500では第1の基材11であり、図2及び図4に示したバリアフィルム200,400ではガスバリア性被覆層14である。
(プライマー層形成用組成物の調製)
アクリルポリオール(DIC社製、商品名:アクリディックA-801-P)100質量部に対し、溶剤(酢酸エチル)200質量部を加えて攪拌した後、イソシアネート系シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名:KBE-9007)12.5質量部加え、室温で24時間攪拌した。次いで、メタクリル系シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM-503)10質量部を加え、室温で24時間攪拌した。その後、硬化剤としてイソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名:DURANATE TPA100)10質量部を加え、室温で1時間攪拌して、プライマー層形成用組成物を得た。
片面がコロナ放電処理された二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:P60、厚さ:16μm、東レ株式会社製)のコロナ放電処理された面上に、ポリエステル樹脂溶液をバーコート法により塗布し、80℃で1分間乾燥硬化させることにより、厚さ100nmのアンカーコート層を形成した。
一方のバリアフィルムのプライマー層上に、コアがセレン化カドミウム(CdSe)、シェルが硫化亜鉛(ZnS)、粒子径6nmの量子ドット発光体と、主鎖あるいは側鎖の末端にアクリロイル基を有するアクリル系光硬化性樹脂と、アリル基を有する脂肪族イソシアヌレート型硬化剤(日本化成株式会社製、商品名:タイク トリアリルイソシアヌレート)とを含む蛍光体層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、そこに、もう一方のバリアフィルムのプライマー層を貼り合わせた。上記塗膜に対し、紫外線照射装置を用いて2100mJ/cm2の露光量で露光して硬化させ、波長変換機能を有する蛍光体層(厚さ100μm)を形成した。これにより、波長変換シートを得た。
(プライマー層形成用組成物の調製)
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製、商品名:バイロン240、水酸基価9mgKOH/g)100質量部に対し、溶剤(酢酸エチル)200質量部を加えて攪拌した後、GMA(三菱ガス化学株式会社製、メタクリル酸グリシジル)10質量部を加え、40℃で24時間攪拌した。次いで、アリル基を有する脂肪族イソシアヌレート型硬化剤(日本化成株式会社製、商品名:タイク トリアリルイソシアヌレート)10質量部、及び、光重合開始剤(BASF社製、商品名:IRAGACURE 184)1質量部を加え、室温で1時間攪拌して、プライマー層形成用組成物を得た。
実施例1と同様にして積層フィルム(1)を作製した。得られた積層フィルム(1)における第1の基材上に、上記プライマー層形成用組成物をワイヤーバーコーターで塗工して塗膜を形成し、100℃で60秒間乾燥させた。その後、上記塗膜に対し、紫外線照射装置を用いて1000mJ/cm2の露光量で露光して硬化させることによりプライマー層を形成した。プライマー層の厚さは1μmであった。また、実施例1と同様にして第2の基材上にマット層を形成し、バリアフィルムを得た。更に、上記バリアフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、波長変換シートを得た。
(プライマー層形成用組成物の調製)
アクリルポリオール(DIC社製、商品名:アクリディックA-801-P)100質量部に対し、溶剤(酢酸エチル)200質量部を加えて攪拌した後、イソシアネート系シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名:KBE-9007)6質量部を加え、室温で24時間攪拌した。その後、アルコキシシリル基を有する脂肪族イソシアヌレート型硬化剤(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM-9659、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート)10質量部を加え、室温で1時間攪拌して、プライマー層形成用組成物を得た。
上記プライマー層形成用組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、バリアフィルム及び波長変換シートを得た。本例において、プライマー層中の官能基Aである水酸基は、蛍光体層に用いた硬化性樹脂の例えば-COO-基に対して分子間力結合性を有する。
(プライマー層形成用組成物の調製)
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製、商品名:バイロン240、水酸基価9mgKOH/g)100質量部に対し、溶剤(酢酸エチル)200質量部を加えて攪拌した後、GMA(三菱ガス化学株式会社製、メタクリル酸グリシジル)5質量部を加え、40℃で24時間攪拌した。次いで、エポキシ基を有する脂肪族イソシアヌレート型硬化剤(日産化学工業株式会社製、商品名:TEPIC-VL10質量部、及び、光重合開始剤(和光純薬工業株式会社製、商品名:WPI-116)1質量部を加え、室温で1時間攪拌して、プライマー層形成用組成物を得た。
上記プライマー層形成用組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、バリアフィルム及び波長変換シートを得た。
(プライマー層形成用組成物の調製)
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製、商品名:バイロン240、水酸基価9mgKOH/g)100質量部に対し、溶剤(酢酸エチル)200質量部を加えて攪拌した後、GMA(三菱ガス化学株式会社製、メタクリル酸グリシジル)5質量部を加え、40℃で24時間攪拌した。次いで、アリル基を有する脂肪族イソシアヌレート型硬化剤(日本化成株式会社製、商品名:タイク トリアリルイソシアヌレート)10質量部、及び、光重合開始剤(BASF社製、商品名:IRAGACURE 184)1質量部を加え、室温で1時間攪拌して、プライマー層形成用組成物を得た。
上記プライマー層形成用組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、バリアフィルムを得た。一方のバリアフィルムのプライマー層上に、コアがセレン化カドミウム(CdSe)、シェルが硫化亜鉛(ZnS)、粒子径6nmの量子ドット発光体と、主鎖あるいは側鎖の末端にアミノ基を有するアミン系熱硬化性樹脂と、エポキシ基を有する脂肪族イソシアヌレート型硬化剤(日産化学工業株式会社製、商品名:TEPIC-VL)とを含む蛍光体層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、そこに、もう一方のバリアフィルムのプライマー層を貼り合わせた。オーブンにて上記塗膜を100℃で2分間加熱して硬化させ、波長変換機能を有する蛍光体層(厚さ100μm)を形成した。これにより、波長変換シートを得た。
(プライマー層形成用組成物の調製)
アミノエチル化アクリル樹脂(株式会社日本触媒製、商品名:ポリメント NK-350、アミン価0.6~1.0mmol/g-solid)100質量部に対し、溶剤(酢酸エチル)200質量部を加えて攪拌した後、GMA(三菱ガス化学株式会社製、メタクリル酸グリシジル)5質量部を加え、室温で24時間攪拌した。次いで、エポキシ基を有する脂肪族イソシアヌレート型硬化剤(日産化学工業株式会社製、商品名:TEPIC-VL)10質量部、及び、光重合開始剤(和光純薬工業株式会社製、商品名:WPI-116)1質量部を加え、室温で1時間攪拌して、プライマー層形成用組成物を得た。
上記プライマー層形成用組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、バリアフィルム及び波長変換シートを得た。
(プライマー層形成用組成物の調製)
アミノエチル化アクリル樹脂(株式会社日本触媒製、商品名:ポリメント NK-350、アミン価0.6~1.0mmol/g-solid)100質量部に対し、溶剤(酢酸エチル)200質量部を加えて攪拌した後、GMA(三菱ガス化学株式会社製、メタクリル酸グリシジル)5質量部を加え、室温で24時間攪拌した。次いで、アリル基を有する脂肪族イソシアヌレート型硬化剤(日本化成株式会社製、商品名:タイク トリアリルイソシアヌレート)10質量部、及び、光重合開始剤(BASF社製、商品名:IRAGACURE 184)1質量部を加え、室温で1時間攪拌して、プライマー層形成用組成物を得た。
上記プライマー層形成用組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、バリアフィルムを得た。上記バリアフィルムを用いたこと以外は実施例5と同様にして、波長変換シートを得た。
(プライマー層形成用組成物の調製及びバリアファイルの作製)
実施例7と同様にして、プライマー層形成用組成物及びバリアファイルを得た。
一方のバリアフィルムのプライマー層上に、コアがセレン化カドミウム(CdSe)、シェルが硫化亜鉛(ZnS)、粒子径6nmの量子ドット発光体と、主鎖あるいは側鎖の末端にエポキシ基を有するエポキシ系光硬化性樹脂と、エポキシ基を有する脂肪族イソシアヌレート型硬化剤(日産化学工業株式会社製、商品名:TEPIC-VL)とを含む蛍光体層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、そこに、もう一方のバリアフィルムのプライマー層を貼り合わせた。上記塗膜に対し、紫外線照射装置を用いて1000mJ/cm2の露光量で露光して硬化させ、波長変換機能を有する蛍光体層(厚さ100μm)を形成した。これにより、波長変換シートを得た。
(プライマー層形成用組成物の調製)
窒素雰囲気下、GMA(三菱ガス化学株式会社製、メタクリル酸グリシジル)100質量部に、AIBN(和光純薬工業株式会社製、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル))0.1質量部を加えて攪拌し、重合させた。これを溶媒(酢酸エチル)200質量部に溶かし、MAA(三菱ガス化学株式会社製、メタクリル酸)5質量部を加え、40℃で24時間攪拌した。その後、アリル基を有する脂肪族イソシアヌレート型硬化剤(日本化成株式会社製、商品名:タイク トリアリルイソシアヌレート)10質量部、及び、光重合開始剤(BASF社製、商品名:IRAGACURE 184)1質量部を加え、室温で1時間攪拌して、プライマー層形成用組成物を得た。
上記プライマー層形成用組成物を用いたこと以外は実施例5と同様にして、バリアフィルム及び波長変換シートを得た。
(プライマー層形成用組成物の調製、並びにバリアフィルム及び波長変換シートの作製)
プライマー層形成用組成物に用いる硬化剤を、芳香族イソシアヌレート型硬化剤(東ソー株式会社製、商品名:コロネート2030)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プライマー層形成用組成物、バリアフィルム及び波長変換シートを得た。
(プライマー層形成用組成物の調製及びバリアフィルムの作製)
実施例1と同様にして、プライマー層形成用組成物及びバリアフィルムを得た。
一方のバリアフィルムのプライマー層上に、コアがセレン化カドミウム(CdSe)、シェルが硫化亜鉛(ZnS)、粒子径6nmの量子ドット発光体と、主鎖あるいは側鎖の末端に水酸基を有するポリオール系熱硬化性樹脂と、硬化剤としてイソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名:DURANATE TPA100)とを含む蛍光体層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、そこに、もう一方のバリアフィルムのプライマー層を貼り合わせた。オーブンにて上記塗膜を100℃で2分間加熱して硬化させ、波長変換機能を有する蛍光体層(厚さ100μm)を形成した。これにより、波長変換シートを得た。
(プライマー層形成用組成物の調製、並びにバリアフィルム及び波長変換シートの作製)
プライマー層形成用組成物に用いる硬化剤を、ビウレット型ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名:DURANATE 24A-100)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プライマー層形成用組成物、バリアフィルム及び波長変換シートを得た。
(プライマー層形成用組成物の調製、並びにバリアフィルム及び波長変換シートの作製)
プライマー層形成用組成物に用いる硬化剤を、アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名:DURANATE P301-75E)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プライマー層形成用組成物、バリアフィルム及び波長変換シートを得た。
実施例及び比較例で得られた波長変換シートを幅1cmの短冊状にカットし、カットした波長変換シートをガラス板上に固定した。固定された短冊状の波長変換シートのプライマー層を、テンシロン万能材料試験機(エーアンドデイ社製)を用いて、ガラス板に対して垂直な方向に、300mm/分の速度で、蛍光体層から剥離し、剥離に要した強度を測定した。密着性は、剥離強度が3N/1cm以上である場合を「〇」、3N/1cm未満である場合を「×」と判定した。この判定が「〇」である場合を合格とした。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で作製したバリアフィルムについて、キセノンウェザーメーターを用いて波長300~400nmの紫外線を放射照度60W/m2で1000時間照射し、照射前と照射後のバリアフィルムのイエローインデックス(YI)の差(ΔYI)を求めた。イエローインデックスは、スガ試験機(株)製のColour Cute i(商品名)を用いて測定した。色変化は、ΔYIが2.0未満である場合を「〇」、2.0以上3.0未満である場合を「△」、3.0以上である場合を「×」と判定した。この判定が「〇」又は「△」である場合を合格とした。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で作製したバリアフィルムの水蒸気透過度を、JIS K7129に準じた赤外線センサ法により、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、商品名:Permatran)を用い、透過セルの温度を40℃とし、高湿度チャンバの相対湿度を90%RHとし、低湿度チャンバの相対湿度を0%RHとして測定した。結果を表1に示す。
Claims (7)
- 光学積層体の蛍光体層に隣接するプライマー層を形成するためのプライマー層形成用組成物であって、
多官能性化合物と硬化剤とを含有し、
前記多官能性化合物は、ポリエステル系樹脂及び/又はアクリル系樹脂に由来する樹脂骨格を有し、且つ、前記樹脂骨格の主鎖又は側鎖の末端に、前記蛍光体層に用いられる硬化性樹脂に対して反応性又は分子間力結合性を有する官能基Aと、前記官能基Aと異なる、前記硬化剤に対して反応性を有する官能基Bとを有し、
前記官能基Aは、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含み、
前記官能基Bは、水酸基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、シラノール基、アミノ基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含み、
前記硬化剤はイソシアヌレート型化合物を含む、プライマー層形成用組成物。 - 前記イソシアヌレート型化合物が、脂肪族イソシアヌレート型化合物である、請求項1に記載のプライマー層形成用組成物。
- 前記多官能性化合物は、前記官能基Aが、ウレタン結合及びシロキサン結合を介して、前記官能基Bを主鎖又は側鎖に有する前記樹脂骨格の側鎖に結合した構造を有する、請求項1又は2に記載のプライマー層形成用組成物。
- 前記官能基A及び前記官能基Bの少なくとも一方がメタクリロイル基である、請求項1~3のいずれか一項に記載のプライマー層形成用組成物。
- ガスバリア性フィルムと、
一方の最表面に配置された、請求項1~4のいずれか一項に記載のプライマー層形成用組成物の硬化物からなるプライマー層と、
を備えるバリアフィルム。 - 蛍光体及び硬化性樹脂の硬化物を含む蛍光体層と、前記蛍光体層の少なくとも一方の面上に積層された請求項5に記載のバリアフィルムと、を備え、
前記バリアフィルムは、前記蛍光体層側の最表面に前記プライマー層を備える、波長変換シート。 - ガスバリア性フィルムと、一方の最表面に配置された、請求項1~4のいずれか一項に記載のプライマー層形成用組成物の硬化物からなるプライマー層と、を備えるバリアフィルムの前記プライマー層上に、蛍光体及び硬化性樹脂を含む蛍光体層形成用組成物を塗工して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜中の前記硬化性樹脂を硬化させて蛍光体層を形成する工程と、
を有する、波長変換シートの製造方法。
Priority Applications (1)
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