JP7011422B2 - スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
[1]スチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上8.0重量部以下の難燃剤を含むスチレン系樹脂押出発泡体であって、
発泡剤として炭素数3~5の飽和炭化水素とハイドロフルオロオレフィンを含み、
(I)前記スチレン系樹脂押出発泡体中のハイドロフルオロオレフィン残存量が該押出発泡体1kgあたり0.41mol以上0.80mol以下であり、
(II)前記スチレン系樹脂押出発泡体中の炭素数3~5の飽和炭化水素の残存量が該押出発泡体1kgあたり0.05mol以上0.35mol以下であり、
(III)前記スチレン系樹脂押出発泡体中の炭素数3~5の飽和炭化水素の残存量とハイドロフルオロオレフィンの残存量との合計量が該押出発泡体1kgあたり0.46mol以上0.90mol以下であることを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体。
[2]グラファイトをスチレン系樹脂100重量部に対して1.0重量部以上、5.0重量部以下含む、[1]に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
[3]発泡剤として更に、ジメチルエーテル、塩化エチル、および、塩化メチルからなる群の少なくとも1種をスチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上15重量部以下含む、[1]または[2]に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
[4]前記炭素数3~5の飽和炭化水素の少なくとも1種がイソブタンである、[1]~[3]のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
[5]前記ハイドロフルオロオレフィンが、テトラフルオロプロペンである、[1]~[4]のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
[6]厚みが10mm以上150mm以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
[7]見掛け密度が20kg/m3以上60kg/m3以下、独立気泡率が90%以上である、[1]~[6]のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
[8]臭素系難燃剤をスチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上5.0重量部以下含有する、[1]~[7]のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
[9][1]~[8]のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、スチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上8.0重量部以下の難燃剤を含むスチレン系樹脂押出発泡体であって、発泡剤として炭素数3~5の飽和炭化水素とハイドロフルオロオレフィンを含む。さらに必要に応じてその他の添加剤を適量含有するスチレン系樹脂組成物を、押出機などを用いて加熱溶融し、ついで発泡剤を高圧条件下にて添加し、所定の樹脂温度に冷却した後、これを低圧域に押し出すことにより連続的に製造される。
本発明の一実施形態で用いるスチレン系樹脂としては、特に限定はなく、(i)スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等のスチレン系単量体の単独重合体または2種以上の単量体の組み合わせからなる共重合体や、(ii)前記スチレン系単量体と、ジビニルベンゼン、ブタジエン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの単量体の1種または2種以上と、を共重合させた共重合体などが挙げられる。スチレン系単量体と共重合させるアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの単量体は、製造されるスチレン系樹脂押出発泡体の圧縮強度等の物性を低下させない程度の量を用いることができる。また、本発明の一実施形態に用いるスチレン系樹脂は、前記スチレン系単量体の単独重合体または共重合体に限られず、前記スチレン系単量体の単独重合体または共重合体と、前記他の単量体の単独重合体または共重合体とのブレンド物であってもよい。例えば、本発明の一実施形態に用いるスチレン系樹脂は、前記スチレン系単量体の単独重合体もしくは共重合体と、ジエン系ゴム強化ポリスチレンまたはアクリル系ゴム強化ポリスチレンとのブレンド物であってもよい。更に、本発明の一実施形態で用いるスチレン系樹脂は、メルトフローレート(以下、MFRという。)、成形加工時の溶融粘度、溶融張力などを調整する目的で、分岐構造を有するスチレン系樹脂であってもよい。
本発明で用いるハイドロフルオロオレフィンとしては、特に制限はないが、テトラフルオロプロペンが、低い気体の熱伝導率や安全性の観点から好ましい。具体的にはトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)、シス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234yf)などが挙げられる。また、本発明で用いるハイドロフルオロオレフィンは、塩素化されたハイドロクロロフルオロオレフィンでも良い。ハイドロクロロフルオロオレフィンとしては、特に制限はないが、ハイドロクロロトリフルオロプロペンが、低い気体の熱伝導率や安全性の観点から好ましい。具体的にはトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス-HCFO-1233zd)などが挙げられる。これらのハイドロフルオロオレフィンは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(I)前記スチレン系樹脂押出発泡体中のハイドロフルオロオレフィン残存量が該押出発泡体1kgあたり0.41mol以上0.80mol以下であり、
(II)前記スチレン系樹脂押出発泡体中の炭素数3~5の飽和炭化水素の残存量が該押出発泡体1kgあたり0.05mol以上0.35mol以下であり、
(III)前記スチレン系樹脂押出発泡体中の炭素数3~5の飽和炭化水素の残存量とハイドロフルオロオレフィンの残存量との合計量が該押出発泡体1kgあたり0.46mol以上0.90mol以下である。
本発明の一実施形態では、スチレン系樹脂押出発泡体において、スチレン系樹脂100重量部に対して難燃剤を0.5重量部以上8.0重量部以下含有させることにより、得られるスチレン系樹脂押出発泡体に難燃性を付与することができる。難燃剤の含有量が0.5重量部未満では、難燃性などの発泡体としての良好な諸特性が得られがたい傾向があり、一方、8.0重量部を超えると、発泡体製造時の安定性、表面性などを損なう場合がある。但し、難燃剤の含有量は、JIS A 9521 測定方法Aに規定される難燃性が得られるように、発泡剤添加量、発泡体の見掛け密度、難燃相乗効果を有する添加剤などの種類あるいは含有量などに応じて、適宜調整されることがより好ましい。
本発明の一実施形態においては、必要に応じて樹脂、及び/又は、難燃剤の安定剤を使用することが出来る。特に限定されるものでは無いが、安定剤の具体的な例としては、(i)ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂のようなエポキシ化合物、(ii)ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等の多価アルコールと、酢酸、プロピオン酸等の一価のカルボン酸、又は、アジピン酸、グルタミン酸等の二価のカルボン酸との反応物であるエステルであって、その分子中に一個以上の水酸基を持つエステルの混合物であり、原料の多価アルコールを少量含有することもある、多価アルコールエステル、(iii)トリエチレングリコール-ビス-3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、及びオクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナートのようなフェノール系安定剤、(iv)3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、及びテトラキス(2,4-ジ-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンジホスホナイト)のようなホスファイト系安定剤、などが発泡体の難燃性能を低下させることなく、かつ、発泡体の熱安定性を向上させることから、好適に用いられる。
本発明の一実施形態に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、断熱性向上のため、熱線輻射抑制剤としてグラファイトを添加してもよい。本発明の一実施形態で使用するグラファイトは、例えば、鱗(片)状黒鉛、土状黒鉛、球状黒鉛、人造黒鉛などが挙げられる。これらの中でも、熱線輻射抑制効果が高い点から、主成分が鱗(片)状黒鉛のものを用いることが好ましい。グラファイトは、固定炭素分が80%以上のものが好ましく、85%以上のものがより好ましい。固定炭素分を上記範囲とすることで高い断熱性を有する発泡体が得られる。
(1-6.成形性改善剤)
本発明の一実施形態では、必要に応じて、成形性改善剤としてポリエチレングリコール、及び/または、多価アルコール脂肪酸エステルを添加してもよい。これらを使用することにより、押出発泡体に美麗な表面を付与すること、押出発泡体の厚みを出すこと(つまり、押出発泡体の成形性を改善すること)が可能となる。
本発明の一実施形態においては、さらに、必要に応じて、本発明の一実施形態に係る効果を阻害しない範囲で、例えば、シリカ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、タルクなどの気泡径調整剤、前記以外の難燃剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤、可塑剤などの添加剤がスチレン系樹脂に含有されてもよい。
本発明の一実施形態に係るスチレン系樹脂押出発泡体の熱伝導率は特に限定はないが、例えば建築用断熱材、又は、保冷庫用若しくは保冷車用の断熱材として機能することを考慮した断熱性の観点から、平均温度23℃で測定した製造1週間後の熱伝導率が0.0244W/mK以下であることが好ましく、0.0234W/mK以下であることがより好ましく、0.0224W/mK以下であることが特に好ましい。
・・・(1)。
・・・(2)。
・・・(3)。
本発明の一実施形態に係るスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法は、前記した〔1.スチレン系樹脂押出発泡体〕に記載のスチレン系樹脂押出発泡体を製造するために用いられる製造方法である。本発明の一実施形態に係るスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法で使用される構成のうち、〔1.スチレン系樹脂押出発泡体〕にて既に説明した構成については、ここではその説明を省略する。
・スチレン系樹脂 [PSジャパン(株)製、G9401;MFR2.2g/10分]
○熱線輻射抑制剤
・グラファイト [(株)丸豊鋳材製作所製、M-885;鱗(片)状黒鉛、平均粒径5.5μm、固定炭素分89%]
・酸化チタン [堺化学工業(株)製、R-7E;平均粒径0.23μm]。
・テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピル)エーテル、及びテトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテルの混合臭素系難燃剤[第一工業製薬(株)製、GR-125P]。
・臭素化スチレン-ブタジエンブロックコポリマー [ケムチュラ製、EMERALD INNOVATION #3000]。
・トリフェニルホスフィンオキシド [住友商事ケミカル]。
・テトラキス(2,6-ジメチルフェニル)-m-フェニレンビスホスフェート[大八化学製、PX-200]
○ラジカル発生剤
・ポリ-1,4-ジイソプロピルベンゼン [UNITED INITIATORS製、CCPIB]。
○安定剤
・ビスフェノール-A-グリシジルエーテル [(株)ADEKA製、EP-13]。
・クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 [ハンツマンジャパン製、ECN-1280]
・ジペンタエリスリトール-アジピン酸反応混合物 [味の素ファインテクノ(株)製、プレンライザーST210]
・ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート] [ケムチュラ製、ANOX20]
・3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン [ケムチュラ製、Ultranox626]
・トリエチレングリコール-ビス-3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート [Songwon Japan(株)製、ソンノックス2450FF]。
○その他添加剤
・タルク [林化成(株)製、タルカンパウダーPK-Z]
・ステアリン酸カルシウム [堺化学工業(株)製、SC-P]
・ベントナイト [(株)ホージュン製、ベンゲルブライト11K]
・シリカ [エボニックデグサジャパン(株)製、カープレックスBS-304F]
・エチレンビスステアリン酸アミド [日油(株)製、アルフローH-50S]。
○成形性改善剤
・ポリエチレングリコール [第一工業製薬(株)製、PEG 6000;平均分子量7400~9000、凝固点56~61℃]
・ステアリン酸モノグリセリド [理研ビタミン(株)製、リケマールS-100P、融点67℃]
○発泡剤
・トランス-HFO-1234ze [ハネウェルジャパン(株)製]
・ジメチルエーテル [岩谷産業(株)製]
・イソブタン [三井化学(株)製]
・塩化エチル [日本特殊化学工業(株)製]
・水 [大阪府摂津市水道水]。
ノギス[(株)ミツトヨ製、M型標準ノギスN30]を用いて、幅方向中央部を中心として75mm間隔毎に、計13点の場所の厚みを測定した。13点の平均値をスチレン系樹脂押出発泡体の厚みとした。また、測定値を以下の基準にて評価した。
○:厚みのばらつき(最大値-最小値)が10mm以内である。
×:厚みのばらつき(最大値-最小値)が10mmを越える。
得られたスチレン系樹脂押出発泡体をJIS K 7100に規定された標準温度状態3級(23℃±5℃)、及び標準湿度状態3級(50+20、-10%R.H.)の条件下に静置し、製造から7日後のHFO-1234ze残存量、及びイソブタン残存量を以下の設備、手順にて評価した。
a)使用機器;ガスクロマトグラフ GC-2014 [(株)島津製作所製]
b)使用カラム;G-Column G-950 25UM [化学物質評価研究機構製]
c)測定条件;
・注入口温度:65℃
・カラム温度:80℃
・検出器温度:100℃
・キャリーガス:高純度ヘリウム
・キャリーガス流量:30mL/分
・検出器:TCD
・電流:120mA
得られたスチレン系樹脂押出発泡体の重量を測定すると共に、長さ寸法、幅寸法、厚み寸法を測定した。
見掛け密度(g/cm3)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm3)・・・(5)
得られたスチレン系樹脂押出発泡体の幅方向中央部、及び幅方向の一端から逆端方向に150mmの場所(幅方向両端について同じ場所)の計3箇所から厚さ40mm×長さ(押出方向)25mm×幅25mmに切り出した試験片を用い、ASTM-D2856-70の手順Cに従って測定し、以下の計算式(6)にて各試験片の独立気泡率を求め、3箇所の平均値をスチレン系樹脂押出発泡体の独立気泡率とした。
独立気泡率(%)=(V1-W/ρ)×100/(V2-W/ρ)・・・(6)
ここで、V1(cm3)は空気比較式比重計[東京サイエンス(株)製、空気比較式比重計、型式1000型]を用いて測定した試験片の真の体積(独立気泡でない部分の容積が除かれる。)である。V2(cm3)は、ノギス[(株)ミツトヨ製、M型標準ノギスN30]を用いて測定した試験片の外側寸法より算出した見掛けの体積である。W(g)は試験片の全重量である。また、ρ(g/cm3)は押出し発泡体を構成するスチレン系樹脂の密度であり、1.05(g/cm3)とした。
得られたスチレン系樹脂押出発泡体について、前述の通り評価した。
JIS A 9521に準じて、厚さ製品厚み×長さ(押出方向)300mm×幅300mmに切り出した試験片を用い、熱伝導率測定装置[英弘精機(株)、HC-074]にて平均温度23℃での熱伝導率を測定した。測定は、スチレン系樹脂押出発泡体の製造後、前記寸法の試験片に切削し、JIS K 7100に規定された標準温度状態3級(23℃±5℃)、及び標準湿度状態3級(50+20、-10%R.H.)の条件下に静置し、製造から7日後に行った。測定により得られた熱伝導率値を以下の基準により判定した。
○(合格):熱伝導率が0.024(0.0244)W/mK以下。
×(不合格):熱伝導率が0.024(0.0244)W/mKより大きい。
JIS A 9521に準じて、厚さ10mm×長さ200mm×幅25mmの試験片を用い、以下の基準で評価した。測定は、スチレン系樹脂押出発泡体の製造後、前記寸法の試験片に切削し、JIS K 7100に規定された標準温度状態3級(23℃±5℃)、及び標準湿度状態3級(50+20、-10%R.H.)の条件下に静置し、製造から1週間後に行った。
○:3秒以内に炎が消えて、残じんがなく、燃焼限界指示線を超えて燃焼しないとの基準を満たす。
×:上記基準を満たさない。
以下(8)-1、(8)-2に記載する、形状、表面性の評価結果から、下記の評価基準によって判定した。
合格:形状、及び表面性の評価結果が両方○である。
不合格:形状、及び表面性の評価結果の少なくとも一方が△、又は×である。
成形ロール以降カット以前の押出発泡体を目視し、下記の評価基準によって評価した。
○:押出発泡体の押出方向、幅方向、厚み方向のいずれの方向にも波打ちがなく板状である。
×:押出発泡体の押出方向、幅方向、厚み方向のいずれか一方向以上が波打ちしており板状でない。
カット以前、及びカット以後の押出発泡体を目視し、下記の評価基準によって評価した。尚、表面とは厚み方向と垂直な面を指し、カット以後とはスチレン系樹脂押出発泡体の厚み(3点平均値)を基準として、厚み方向に片側5mmの深さで両表面をカットした状態を指す。
○:フローマーク、クラック、ムシれなどの表面異常がなく、美麗な表面である。
△:フローマーク、クラック、ムシれなどの表面異常があるが、カット以後の表面にはそれらの痕が残らない。
×:フローマーク、クラック、ムシれなどの表面異常があり、カット以後の表面にもそれらの痕が残る。
バンバリーミキサーに、基材樹脂であるスチレン系樹脂[PSジャパン(株)製、G9401]100重量部、並びに、スチレン系樹脂A100重量部に対して、グラファイト[(株)丸豊鋳材製作所製、M-885]102重量部、及びエチレンビスステアリン酸アミド[日油(株)製、アルフローH-50S]2.0重量部を投入して、5kgf/cm2の荷重をかけた状態で加熱冷却を行わずに20分間溶融混練した。この際、樹脂温度を測定したところ190℃であった。ルーダーに供給して先端に取り付けられた小穴を有するダイスを通して吐出量250kg/hrで押し出されたストランド状の樹脂を30℃の水槽で冷却固化させた後、切断してマスターバッチを得た。
バンバリーミキサーに、基材樹脂であるスチレン系樹脂A[PSジャパン(株)製、G9401]100重量部、並びに、スチレン系樹脂A100重量部に対して、酸化チタン[堺化学工業(株)製、R-7E]154重量部、及びエチレンビスステアリン酸アミド[日油(株)製、アルフローH-50S]2.6重量部を投入して、5kgf/cm2の荷重をかけた状態で加熱冷却を行わずに20分間溶融混練した。この際、樹脂温度を測定したところ190℃であった。ルーダーに供給して先端に取り付けられた小穴を有するダイスを通して吐出量250kg/hrで押し出されたストランド状の樹脂を30℃の水槽で冷却固化させた後、切断してマスターバッチを得た。
[樹脂混合物の作製]
基材樹脂であるスチレン系樹脂[PSジャパン(株)製、G9401]100重量部、並びに、スチレン系樹脂100重量部に対して、難燃剤としてテトラブロモビスフェノールA-ビス(2、3-ジブロモ-2-メチルプロピル)エーテルと、及びテトラブロモビスフェノールA-ビス(2、3-ジブロモプロピル)エーテルとの混合臭素系難燃剤[第一工業製薬(株)製、GR-125P]3.0重量部、難燃剤助剤としてトリフェニルホスフィンオキシド [住友商事ケミカル]1.0重量部、気泡径調整剤としてタルク[林化成(株)製、タルカンパウダーPK-Z]2.01.0重量部、安定剤としてビスフェノール-A-グリシジルエーテル[(株)ADEKA製、EP-13]0.20重量部、トリエチレングリコール-ビス-3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート[Songwon Japan(株)製、ソンノックス2450FF]0.20重量部、ジペンタエリスリトール-アジピン酸反応混合物[味の素ファインテクノ製、プレンライザーST210]0.10重量部、滑剤としてステアリン酸カルシウム[堺化学工業(株)製、SC-P]0.20重量部、吸水媒体としてベントナイト[(株)ホージュン製、ベンゲルブライト11K]0.40重量部、及び、シリカ[エボニックデグサジャパン(株)製、カープレックスBS-304F]0.40重量部をドライブレンドした。
得られた樹脂混合物、口径150mmの単軸押出機(第一押出機)、口径200mmの単軸押出機(第二押出機)、及び冷却機を直列に連結した押出機へ、約950kg/hrで供給した。
表1に示すように、各種配合の種類、添加量、及び/又は製造条件を変更した以外は、実施例1と同様の操作により、押出発泡体を得た。得られた押出発泡体の物性を表1に示す。尚、グラファイト、酸化チタンは、前記したようにあらかじめスチレン系樹脂のマスターバッチの形態として、樹脂混合物の作製時に投入した。マスターバッチを使用した場合、基材樹脂はマスターバッチ中に含まれる基材樹脂と合計して100重量部とした。
表2に示すように、各種配合の種類、添加量、及び/又は製造条件を変更した以外は、実施例1と同様の操作により、押出発泡体を得た。得られた押出発泡体の物性を表2に示す。尚、グラファイト、酸化チタンは、前記したようにあらかじめスチレン系樹脂のマスターバッチの形態として、樹脂混合物の作製時に投入した。マスターバッチを使用した場合、基材樹脂はマスターバッチ中に含まれる基材樹脂と合計して100重量部とした。
Claims (9)
- スチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上8.0重量部以下の難燃剤を含むスチレン系樹脂押出発泡体であって、
発泡剤として炭素数3~5の飽和炭化水素とハイドロフルオロオレフィンを含み、
(I)前記スチレン系樹脂押出発泡体中のハイドロフルオロオレフィン残存量が該押出発泡体1kgあたり0.48mol以上0.80mol以下であり、
(II)前記スチレン系樹脂押出発泡体中の炭素数3~5の飽和炭化水素の残存量が該押出発泡体1kgあたり0.05mol以上0.35mol以下であり、
(III)前記スチレン系樹脂押出発泡体中の炭素数3~5の飽和炭化水素の残存量とハイドロフルオロオレフィンの残存量との合計量が該押出発泡体1kgあたり0.46mol以上0.90mol以下であることを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体:
ここで、前記ハイドロフルオロオレフィンの残存量および前記炭素数3~5の飽和炭化水素の残存量は、
前記スチレン系樹脂押出発泡体をJIS K 7100に規定された標準温度状態3級(23℃±5℃)、及び標準湿度状態3級(50+20、-10%R.H.)の条件下に静置し、製造から7日後に、以下の設備および手順にて評価した:
a)使用機器;ガスクロマトグラフ
b)使用カラム;G-Column
c)測定条件;
・注入口温度:65℃
・カラム温度:80℃
・検出器温度:100℃
・キャリーガス:高純度ヘリウム
・キャリーガス流量:30mL/分
・検出器:TCD
・電流:120mA
d)測定手順;
密閉可能なガラス容器に、前記スチレン系樹脂押出発泡体から切り出した試験片を入れ、真空ポンプにより前記ガラス容器の空気抜きを行い、その後、前記ガラス容器を170℃で10分間加熱し、前記試験片中の前記発泡剤を前記ガラス容器内に取り出し、前記ガラス容器が常温に戻った後、前記ガラス容器内にヘリウムを導入して大気圧に戻した後、マイクロシリンジにより40μLの前記発泡剤を含む混合気体を取り出し、前記a)~c)の使用機器および測定条件にて評価した。 - スチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上8.0重量部以下の難燃剤を含むスチレン系樹脂押出発泡体であって、
発泡剤として炭素数3~5の飽和炭化水素とハイドロフルオロオレフィンを含み、
(I)前記スチレン系樹脂押出発泡体中のハイドロフルオロオレフィン残存量が該押出発泡体1kgあたり0.41mol以上0.80mol以下であり、
(II)前記スチレン系樹脂押出発泡体中の炭素数3~5の飽和炭化水素の残存量が該押出発泡体1kgあたり0.05mol以上0.21mol以下であり、
(III)前記スチレン系樹脂押出発泡体中の炭素数3~5の飽和炭化水素の残存量とハイドロフルオロオレフィンの残存量との合計量が該押出発泡体1kgあたり0.46mol以上0.90mol以下であることを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体:
ここで、前記ハイドロフルオロオレフィンの残存量および前記炭素数3~5の飽和炭化水素の残存量は、
前記スチレン系樹脂押出発泡体をJIS K 7100に規定された標準温度状態3級(23℃±5℃)、及び標準湿度状態3級(50+20、-10%R.H.)の条件下に静置し、製造から7日後に、以下の設備および手順にて評価した:
a)使用機器;ガスクロマトグラフ
b)使用カラム;G-Column
c)測定条件;
・注入口温度:65℃
・カラム温度:80℃
・検出器温度:100℃
・キャリーガス:高純度ヘリウム
・キャリーガス流量:30mL/分
・検出器:TCD
・電流:120mA
d)測定手順;
密閉可能なガラス容器に、前記スチレン系樹脂押出発泡体から切り出した試験片を入れ、真空ポンプにより前記ガラス容器の空気抜きを行い、その後、前記ガラス容器を170℃で10分間加熱し、前記試験片中の前記発泡剤を前記ガラス容器内に取り出し、前記ガラス容器が常温に戻った後、前記ガラス容器内にヘリウムを導入して大気圧に戻した後、マイクロシリンジにより40μLの前記発泡剤を含む混合気体を取り出し、前記a)~c)の使用機器および測定条件にて評価した。 - グラファイトをスチレン系樹脂100重量部に対して1.0重量部以上、5.0重量部以下含む、請求項1または2に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
- 発泡剤として更に、ジメチルエーテル、塩化エチル、および、塩化メチルからなる群の少なくとも1種をスチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上15重量部以下含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
- 前記炭素数3~5の飽和炭化水素の少なくとも1種がイソブタンである、請求項1~4のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
- 前記ハイドロフルオロオレフィンが、テトラフルオロプロペンである、請求項1~5のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
- 厚みが10mm以上150mm以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
- 見掛け密度が20kg/m3以上60kg/m3以下、独立気泡率が90%以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
- 臭素系難燃剤をスチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上5.0重量部以下含有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
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