JP7098513B2 - 環境形成装置及び冷却装置 - Google Patents
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Description
環境試験装置は、例えば図10の様な構成を備えている。図10に示す環境試験装置100は、試験室(物品配置室)3、冷却手段106、加熱ヒータ6、加湿装置7及び送風機8を備えている。試験室3は、断熱材2によって覆われた空間である。そして試験室3と連通する空気流路10があり、当該空気流路10に前記した冷却手段106の蒸発器107と、加熱ヒータ6、加湿装置7及び送風機8が設けられている。また、空気流路10の出口側に、温度センサー12と湿度センサー13が設けられている。
環境試験装置100では、前記した空気流路10内の部材と、温度センサー12及び湿度センサー13によって空気調和装置15が構成されている。
そして前記した圧縮機101と、凝縮器102と、膨張弁103及び蒸発器107が配管で環状に接続されて循環回路105を構成し、その内部に相変化する冷媒が封入されている。冷媒は、前記した循環回路105を循環する。
冷却手段106は、蒸発器107内で冷媒を膨張させ、蒸発器107の表面温度を低下させて環境から熱を奪う。
湿度センサー13は、湿度を検知可能なものであれば特に限定するものではなく、例えば、乾湿球湿度計等が採用できる。
即ち、送風機8を駆動して試験室3内の空気を空気流路10に導入し、必要に応じて、加熱、冷却、加湿、除湿して試験室3内を所望の温度・湿度環境にする。
例えば低温環境を創る場合には、冷却手段106を駆動して、試験室3内の温度を低下させ、さらに加熱ヒータ6を駆動して試験室3内の温度を微調整する。
なお特許文献1に開示された環境試験装置では、膨張弁103の出口側温度を測定し、当該出口側温度が目標温度になる様に膨張弁103の開度が調節される。
ここで従来技術の環境試験装置100では、例えば低温環境を維持する場合でも、加熱ヒータ6を駆動しなければならない場合がある。また従来技術の環境試験装置100は、加熱ヒータ6の使用頻度や加熱ヒータ6の電力消費量が多い場合があるという不満がある。
例えば試験室3内が低温状態であるが、外乱等の影響により、試験室3の温度が設定温度よりも僅かに上昇した場合を想定する。この様な場合には冷却手段106が起動し、試験室3内の温度を設定温度に下げようとする。
しかしながら、従来技術で採用する冷却手段106は、発現可能な冷却量(以下、冷凍能力と称する)に下限がある場合が多く、冷熱を少しだけ発生させるということができない場合がある。即ち従来技術の冷却手段106は、一定以上の冷凍能力しか出現させることができず、低出力運転を行うことができない場合がある。
しかしながら膨張弁103を絞り過ぎると、圧縮機101に戻る冷媒量が減少し、圧縮機101の吸込側の圧力が過度に低下し、圧縮機101による冷媒の圧縮ができなくなってしまうことがある。
上記した課題を解決するための具体的態様は、物品を配置する物品配置室と、空調手段を有し、当該空調手段は冷却手段を有し、前記冷却手段は、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、蒸発器を有していて相変化する冷媒が循環するものである環境形成装置において、前記冷却手段には少なくとも前記蒸発器をバイパスして前記圧縮機の吸込側に至るバイパス流路があり、前記蒸発器に至る流路の実質的開度を拡縮する開度調節手段と、前記圧縮機の吸込側の圧力を検知する吸込側圧力検知手段を備え、前記吸込側圧力検知手段で検知される圧力が所定の目標圧力となる様に前記開度調節手段の開度を調節するものであり、制御装置を有し、前記バイパス流路の開度を調節可能であり、前記制御装置は前記バイパス流路の目標開度を決定する開度決定手段を有し、前記バイパス流路の開度が前記目標開度となる様に制御されるものであり、前記制御装置は目標圧力決定手段を有し、当該目標圧力決定手段は、必要な冷凍能力に基づいて前記目標圧力を決定するものであり、必要な冷凍能力が一定未満である場合に、前記目標圧力決定手段は、前記目標圧力を下限設定圧力に固定するとともに、前記開度決定手段は、必要な冷凍能力に基づいて前記目標開度を決定することを特徴とする環境形成装置である。
本態様の環境形成装置では、蒸発器をバイパスして前記圧縮機の吸込側に至るバイパス流路がある。バイパス流路を通過する冷媒は蒸発器に流れ込まないので、室内の冷凍能力に寄与しない。
またバイパス流路を通過する冷媒は、圧縮機の吸込側に供給されるので、当該冷媒によって圧縮機の吸込側に戻る冷媒量を嵩上げし、圧縮機の吸込側の圧力を上昇させることができる。
そのため室内の冷凍能力を下げた状態であっても、圧縮機の吸込側の圧力を下限以上に維持することができ、冷凍能力を下げた状態で冷却手段を運転することができる。
本態様の環境形成装置では、圧縮機の吸込側の圧力を検知する吸込側圧力検知手段を備え、吸込側圧力検知手段で検知される圧力が所定の目標圧力となる様に開度調節手段の開度を調節する。
ここで冷凍回路においては、圧縮機に戻る冷媒の圧力と、冷凍能力との間に相関関係がある。本態様の環境形成装置はこの点に注目し、吸込側圧力検知手段で検知される圧力が所定の目標圧力となる様に開度調節手段の開度を調節することによって冷凍能力を調節する。
即ち室内の必要な冷凍能力に基づいて前記目標圧力を決定することが望ましい。
同様の課題を解決するための具体的態様は、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、蒸発器を有していて相変化する冷媒が循環する冷却装置において、少なくとも前記蒸発器をバイパスして前記圧縮機の吸込側に至るバイパス流路があり、前記蒸発器に至る流路の実質的開度を拡縮する開度調節手段と、前記圧縮機の吸込側の圧力を検知する吸込側圧力検知手段を備え、前記吸込側圧力検知手段で検知される圧力が所定の目標圧力となる様に前記開度調節手段の開度を調節するものであり、制御装置を有し、前記バイパス流路の開度を調節可能であり、前記制御装置は前記バイパス流路の目標開度を決定する開度決定手段を有し、前記バイパス流路の開度が前記目標開度となる様に制御されるものであり、前記制御装置は目標圧力決定手段を有し、当該目標圧力決定手段は、必要な冷凍能力に基づいて前記目標圧力を決定するものであり、必要な冷凍能力が一定未満である場合に、前記目標圧力決定手段は、前記目標圧力を下限設定圧力に固定するとともに、前記開度決定手段は、必要な冷凍能力に基づいて前記目標開度を決定することを特徴とする冷却装置である。
そのため冷凍能力を下げた状態であっても、圧縮機の吸込側の圧力を下限以上に維持することができ、冷凍能力を下げた状態でも運転することができる。
本発明の実施形態の環境試験装置1の機械的構成は、冷却手段(冷却装置)30の構造を除いて従来技術の環境試験装置100と同一である。
即ち環境試験装置1は図1の様に、試験室(物品配置室)3、冷却手段30、加熱ヒータ6、加湿装置7及び送風機8を備えている。
試験室3は、断熱材2によって覆われた空間である。試験室3は、被試験物(物品)を配置する物品配置室でもある。
そして試験室3と連通する空気流路10があり、当該空気流路10に前記した冷却手段30の蒸発器38と、加熱ヒータ6、加湿装置7及び送風機8が設けられている。加湿装置7は、加湿ヒータ25と水皿26が組み合わされたものであり、水皿26内の水を加湿ヒータ25で加熱して蒸発させる。
また、空気流路10の出口側に、温度センサー12と湿度センサー13が設けられている。環境試験装置1では、前記した空気流路10内の部材と、温度センサー12及び湿度センサー13によって空気調和装置(空調手段)20が構成されている。空気調和装置20は、冷却手段30を備えている。
本実施形態の冷却手段30では、冷媒を主膨張手段(開度調節手段)37及び蒸発器38を経由して圧縮機35に戻す主流路40と、主膨張手段37及び蒸発器38をパイパスするバイパス流路41を有している。
バイパス流路41は、主流路40の凝縮器36と主膨張手段37の間から分岐され、圧縮機35の吸込側に至る流路である。
バイパス流路41の中途にバイパス用膨張手段(バイパス調節弁)45と戻り冷媒加熱用熱交換器43の二次側流路がある。
バイパス用膨張手段45は、開度を調節可能なバイパス調節弁である。
本実施形態では、バイパス用膨張手段45はパルス制御され、指定されたパルスに相当する開度となる。バイパス用膨張手段45は、例えば100パルスのときに100パーセント開度となり、0パルスのときに0パーセント開度となる。バイパス用膨張手段45の最大開度をHWとし、最小開度をLWとする。
吸込側圧力検知センサー22は、バイパス流路41の合流部よりも圧縮機35側で、圧縮機35の吸込側開口の近傍に設けられている。
吐出側圧力検知センサー23は、圧縮機35と戻り冷媒加熱用熱交換器43の間に設けられている。吐出側圧力検知センサー23は、圧縮機35から吐出され、冷却や凝縮される前の気体状の冷媒の圧力を検知するものである。
制御装置31には図示しない設定スイッチがあり、試験室3内の目標温度と目標湿度を設定することができる。
制御装置31には、温度センサー12の検知信号が入力される。また制御装置31には、吸込側圧力検知センサー(吸込側圧力検知手段)22及び吐出側圧力検知センサー(吐出側圧力検知手段)23の検知信号も入力される。
なお実際には、制御装置31には湿度センサー13の検知信号も入力されるが、発明の理解を容易にするために、湿度センサー13については触れないこととする。
また本実施形態の環境試験装置1では、制御装置31によって加熱ヒータ6が制御される。
なお実際には、加湿装置7も制御装置31によって制御されるが、発明の理解を容易にするために、加湿装置7については触れないこととする。
即ち圧縮機35によって冷媒ガスが圧縮され、凝縮器36を通過して熱が奪われて冷媒が液化する。なお冷媒がバイパス流路41を流れる場合には、バイパス流路41を流れる冷媒によっても冷媒ガスの熱が奪われる。
冷媒は、主膨張手段37の狭い開口から放出されて蒸発器38内で気化し、その際に周囲から熱を奪って蒸発器38の表面温度を低下させる。蒸発器38を出た冷媒ガスは、圧縮機35の吸い込み側に戻り、再度圧縮される。
即ちバイパス用膨張手段45を開くと、冷媒はバイパス流路41を流れ、戻り冷媒加熱用熱交換器43で加熱されて気化し、蒸発器38から排出された冷媒ガスと合流して圧縮機35の吸い込み側に戻る。
バイパス流路41を流れる冷媒は、蒸発器38を経由しないので、試験室の温度低下には寄与しないが、吐出ガスの熱を奪うので環境試験装置の排熱を低減する。
また蒸発器38から排出された冷媒ガスにバイパス流路41を経由する冷媒ガスが合流するので、圧縮機35の吸い込み側の圧力が嵩上げされる。
本実施形態の冷却手段30では、吸込側圧力検知センサー22で検知される圧縮機35の吸い込み側の圧力FPを監視し、吸込側圧力検知センサー22の検知圧力FPが、所定の目標圧力TPとなる様に主膨張手段37の開度Wが制御される。
またバイパス用膨張手段45は、目標開度TWとなる様に制御される。
目標圧力TP及び目標開度TWの決定には、試験室3内の実際の温度や設定温度、必要な冷凍能力(要求冷凍能力RO)、上限設定圧力HP及び下限設定圧力LPが参考にされる。
ここで上限設定圧力HPは、制御装置31の図示しないメモリーに格納されたデータテーブルから読み出されて自動設定される圧力であり、バイパス流路41を閉じた状態で冷却手段30が最大能力を発現する際に想定される圧縮機35の吸込側の圧力である。
下限設定圧力LPについてもデータテーブルから読み出されて自動設定される圧力であり、バイパス流路41を閉じた状態で冷却手段30を最小能力で使用した場合に想定される圧縮機の吸込側の圧力である。
下限設定圧力LPに代えて、圧縮機35を安定して駆動することができる吸込側の最低圧力を参考にしてもよい。
要求冷凍能力ROは、冷却手段30をフル運転した際の冷凍能力(以下、上限冷凍能力)HOを100パーセント出力とした場合に、何パーセントの冷凍能力が必要であるのかが演算されたものである。また予め設定したデータテーブルから要求冷凍能力ROを読み出してもよい。
本実施形態では、上限冷凍能力HOを100パーセントとした場合の割合で、要求冷凍能力ROを示す。要求冷凍能力ROは、例えばNパーセント(Nは任意の数字)という様に表現する。
即ちバイパス流路41を閉じた状態で運転する場合、圧縮機35が冷媒ガスを圧縮することができる冷凍能力に下限がある。この下限を、フル運転した際を100パーセントとした場合の割合で表したものを、下限冷凍能力LOとする。
下限冷凍能力LOは、必ずしも使用可能な限界でなくてよい。
これに対して、要求冷凍能力ROが、下限冷凍能力LO未満である場合には、バイパス用膨張手段45を所定の目標開度TWにしてバイパス流路41に冷媒の一部を流す。
即ち要求冷凍能力ROが、下限冷凍能力LO未満である場合には、バイパス用膨張手段45の目標開度TWをゼロを超える値にしてバイパス流路41を開き、バイパス流路41に冷媒の一部を流す。
いずれにしても、要求冷凍能力ROが小さい程、バイパス用膨張手段45の開度TWが広げられる。
その結果、要求冷凍能力ROが小さい程、バイパス流路41を流れる冷媒の割合が増加し、蒸発器38に流入する冷媒量が減少する。
要求冷凍能力ROが上限冷凍能力HO(100パーセント)である場合の目標圧力TPは、上限設定圧力HPと一致する。
また要求冷凍能力ROが下限冷凍能力LO以下である場合の目標圧力TPは、下限設定圧力LPと一致する。
要求冷凍能力ROが下限冷凍能力LOから上限冷凍能力HOの間である場合の目標圧力TPは、下限冷凍能力LO相当点と、上限冷凍能力HO(100パーセント)相当点を繋ぐ直線上の値となる。
即ち要求冷凍能力ROが下限冷凍能力LO以上である場合は、主流路40を流れる冷媒の圧力だけが圧縮機35の吸込側の圧力である。
要求冷凍能力ROが下限冷凍能力LO未満になると、主流路40を流れる冷媒の分圧が減少し、それにバイパス流路41を流れる冷媒の分圧が加わる。そして両者の合計が、下限設定圧力LPとなる。
即ち、図2に示すフローチャートの様に、ステップ1で、吸込側圧力検知センサー22で圧縮機35の吸い込み側の圧力を検知し、当該センサー検知圧力FPが目標圧力TPよりも高いか否かが判定される。
その結果、蒸発器38から排出される冷媒ガスの量が減少し、圧縮機35の吸込側の圧力が降下し、センサー検知圧力FPが低下する。
次いでステップ3に移行し、センサー検知圧力FPが目標圧力TPと等しいか否かが判断される。
センサー検知圧力FPが目標圧力TPと等しい場合はステップ4に移行し、一定時間の間、その開度が維持される。一定時間が経過すると、ステップ1に戻る。
ステップ3でセンサー検知圧力FPが目標圧力TPとは異なる場合には、ステップ1に戻る。
センサー検知圧力FPが目標圧力TPよりも低い場合には、ステップ6に移行し、主膨張手段37の開度を一定パルス分だけ増やし、主流路40から蒸発器38に導入される冷媒量を増加させる。その後、ステップ1に戻る。
その結果、蒸発器38から排出される冷媒ガスの量が増加し、センサー検知圧力FPが上昇する。
そして前記と同様に、センサー検知圧力FPが目標圧力TPと等しい場合はステップ3からステップ4に移行し、センサー検知圧力FPが目標圧力TPとは異なる場合には、ステップ1に戻る。
なお、センサー検知圧力FPが目標圧力TPに一定の幅を持たせた値の範囲にある場合に、センサー検知圧力FPが目標圧力TPと等しいと判断してステップ1から6の制御をするようにしてもよい。
即ち図3に示すフローチャートの様に、ステップ1でバイパス用膨張手段45の実際の開度FWを検知し、当該開度FWが目標開度TWよりも大きいか否かが判定される。
実際の開度FWが目標開度TWよりも大きい場合には、ステップ2に移行し、バイパス用膨張手段45の開度が一定パルス分だけ絞られる。その結果、バイパス流路41に導入される冷媒量が絞られることとなる。
次いでステップ3に移行し、実際の開度FWが目標開度TWと等しいか否かが判断される。
実際の開度FWが目標開度TWと等しい場合はステップ4に移行し、一定時間の間、その開度が維持される。一定時間が経過すると、ステップ1に戻る。
ステップ3で実際の開度FWが目標開度TWとは異なる場合には、ステップ1に戻る。
実際の開度FWが目標開度TWよりも小さい場合には、ステップ6に移行し、バイパス用膨張手段45の開度が一定パルス分だけ増やされ、ステップ1に戻る。
またステップ5で実際の開度FWが目標開度TWよりも小さいか否かが判定され、実際の開度FWが目標開度TWよりも小さくない場合には、ステップ3に移行し、実際の開度FWが目標開度TWと等しいか否かが判断される。
要求冷凍能力ROが一定以上ある場合における冷凍能力の増減は、主膨張手段37の開度を増減することによって行う。また要求冷凍能力ROに対応する冷凍出力とするために、圧縮機35の吸い込み側の圧力を吸込側圧力検知センサー(吸込側圧力検知手段)22で監視し、この検出値が目標圧力TPと一致する様に主膨張手段37の開度を調整する。
また要求冷凍能力ROが一定以上ある場合には、通常の使用方法である限り、圧縮機35の吸い込み側の圧力が下限設定圧力LP未満となることはないから、圧縮機35を傷める恐れは小さい。
また本実施形態では、バイパス流路41の開度、即ちバイパス用膨張手段45の開度は、圧縮機35の吸い込み側の圧力が下限設定圧力LPである場合に、要求冷凍能力ROを得ることができる開度に調節されている。
圧縮機35の吸い込み側の圧力は、下限設定圧力LPを維持しているので、圧縮機35を傷める恐れは小さい。
そのため加熱ヒータ6の使用頻度が低く、且つ加熱ヒータ6を使用する場合であっても、加熱ヒータ6の出力は低い。
本実施形態では、冷却手段30の運転中に吐出側圧力検知センサー23の検知圧力を監視し、圧縮機35の高圧側の圧力が規定の圧力を超えないように制御されている。
本実施形態の冷却手段30は、特徴的機能として、圧縮機35の吸い込み側の圧力が過度に低下しない様に制御されている。しかしながら、逆に圧縮機35に過剰に冷媒が供給される場合も想定される。そこで本実形態では、圧縮機35の吐出側に、吐出側圧力検知センサー23を設け、圧縮機35の高圧側の圧力が規定の圧力を超えないように制御している。
なお吐出側圧力検知センサー23は、必須ではなく、省略してもよい。
例えば図7に示す膨張手段80の様に、キャピラリーチューブ81と電磁弁82を直列に接続して開閉弁付きキャピラリーチューブ83を構成し、これを複数、並列的に配管したものであってもよい。
即ち主膨張手段37やバイパス用膨張手段45を膨張手段80に置き換えることができる。
また、膨張手段は、電磁弁のON-OFFによる手段であってもよい。
例えば、冷媒配管に温度センサーを設けて冷媒の温度を検知し、この情報と外気温度にから、冷媒の圧力を演算するものであってもよい。
即ち図1に示す実施形態では、戻り冷媒加熱用熱交換器43内における主流路40側の流れと、バイパス流路41側を流れる冷媒の流れは、並行流であるが、図5の様に対向流としてもよい。
いずれの位置に戻り冷媒加熱用熱交換器43を設置しても、バイパス流路41を流れる冷媒の気化が促進される。
この構成によると、バイパス流路41を流れる冷媒が、高圧側の冷媒の温度を低下するのに寄与する。また高圧側の冷媒と熱交換することにより、バイパス流路41側を流れる冷媒が気化し、圧縮機35に液戻りが発生することが防止される。
第二バイパス流路53は、前記したバイパス流路41と同様、主流路40の凝縮器36と主膨張手段37の間から分岐され、圧縮機35の吸込側に至る流路である。
ただし第二バイパス流路53には、戻り冷媒加熱用熱交換器43に相当する部材はなく、凝縮器36から出た冷媒が、第二バイパス用膨張手段(バイパス調節弁)27を経由して直接的に圧縮機35の吸込側に接続されている。
例えば、冷却手段52の負荷が高く、圧縮機35に吸入される冷媒の温度が過度に高い場合には、第二バイパス流路53の第二バイパス用膨張手段(バイパス調節弁)27を開いて冷媒を蒸発器38の下流側に混入し、冷媒の温度を低下させて圧縮機35に吸入させることができる。
例えば、主膨張手段37の下流側を分岐して圧縮機35の吸込側に繋がるものでもよい。
圧縮機35の吐出側と凝縮器36の間を分岐して圧縮機35の吸込側に繋がるものであってもよい。
上記した実施形態では、目標圧力TPは、試験室3内の温度と要求冷凍能力ROに基づいて決定されるものであったが、試験室3内の温度に代えて設定温度を用いてもよい。
図6に示す冷却手段50では、圧縮機35の吸い込み側の圧力を吸込側圧力検知センサー(吸込側圧力検知手段)22で監視し、この検出値が目標圧力TPと一致する様に主膨張手段37の開度を調整することによって要求冷凍能力ROに対応する冷凍出力を発現させる。
本実施形態では、圧縮機35の吸い込み側の圧力を吸込側圧力検知センサー22で監視しているので、圧縮機35の吸い込み側の圧力が、下限設定圧力LP未満となることを防ぐことができる。
例えば、精密な温度制御を必要とする冷蔵庫等にも冷却手段30等や空気調和装置20等を採用することができる。
3 試験室(物品配置室)
6 加熱ヒータ
20 空気調和装置
22 吸込側圧力検知センサー(吸込側圧力検知手段)
30、50、51、52、55 冷却手段
31 制御装置(要求能力決定手段、開度決定手段及び目標圧力決定手段)
35 圧縮機
36 凝縮器
37 主膨張手段(開度調節手段)
38 蒸発器
40 主流路
41 バイパス流路
43 戻り冷媒加熱用熱交換器
45 バイパス用膨張手段(バイパス調節弁)
53 第二バイパス流路
Claims (8)
- 物品を配置する物品配置室と、空調手段を有し、当該空調手段は冷却手段を有し、前記冷却手段は、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、蒸発器を有していて相変化する冷媒が循環するものである環境形成装置において、
前記冷却手段には少なくとも前記蒸発器をバイパスして前記圧縮機の吸込側に至るバイパス流路があり、前記蒸発器に至る流路の実質的開度を拡縮する開度調節手段と、前記圧縮機の吸込側の圧力を検知する吸込側圧力検知手段を備え、
前記吸込側圧力検知手段で検知される圧力が所定の目標圧力となる様に前記開度調節手段の開度を調節するものであり、
制御装置を有し、
前記バイパス流路の開度を調節可能であり、
前記制御装置は前記バイパス流路の目標開度を決定する開度決定手段を有し、前記バイパス流路の開度が前記目標開度となる様に制御されるものであり、
前記制御装置は目標圧力決定手段を有し、当該目標圧力決定手段は、必要な冷凍能力に基づいて前記目標圧力を決定するものであり、
必要な冷凍能力が一定未満である場合に、前記目標圧力決定手段は、前記目標圧力を下限設定圧力に固定するとともに、前記開度決定手段は、必要な冷凍能力に基づいて前記目標開度を決定することを特徴とする環境形成装置。 - 前記膨張手段は開度調節可能であって前記開度調節手段としても機能し、
前記バイパス流路は、前記凝縮器と前記膨張手段の間から分岐され、前記蒸発器と前記圧縮機の間に至るものであり、
前記バイパス流路には開度を調節可能なバイパス調節弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の環境形成装置。 - 必要な冷凍能力が一定以上である場合には、前記バイパス流路が実質的に閉鎖されることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境形成装置。
- 戻り冷媒加熱用熱交換器を有し、当該戻り冷媒加熱用熱交換器には一次側流路と二次側流路があり、前記一次側流路は前記圧縮機と前記凝縮器の間、又は前記凝縮器と前記膨張手段の間に介在され、前記二次側流路は前記バイパス流路に介在されており、前記戻り冷媒加熱用熱交換器によって前記バイパス流路を流れる冷媒の気化が促進されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境形成装置。
- 前記圧縮機の吐出側の圧力を検知する吐出側圧力検知手段があり、
前記吐出側の圧力が規定の圧力を超えないように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の環境形成装置。 - 蒸発器出口から圧縮機吸込口までの間に、前記圧縮機に吸込される冷媒を冷却する冷媒冷却手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の環境形成装置。
- 圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、蒸発器を有していて相変化する冷媒が循環する冷却装置において、
少なくとも前記蒸発器をバイパスして前記圧縮機の吸込側に至るバイパス流路があり、前記蒸発器に至る流路の実質的開度を拡縮する開度調節手段と、前記圧縮機の吸込側の圧力を検知する吸込側圧力検知手段を備え、
前記吸込側圧力検知手段で検知される圧力が所定の目標圧力となる様に前記開度調節手段の開度を調節するものであり、
制御装置を有し、
前記バイパス流路の開度を調節可能であり、
前記制御装置は前記バイパス流路の目標開度を決定する開度決定手段を有し、前記バイパス流路の開度が前記目標開度となる様に制御されるものであり、
前記制御装置は目標圧力決定手段を有し、当該目標圧力決定手段は、必要な冷凍能力に基づいて前記目標圧力を決定するものであり、
必要な冷凍能力が一定未満である場合に、前記目標圧力決定手段は、前記目標圧力を下限設定圧力に固定するとともに、前記開度決定手段は、必要な冷凍能力に基づいて前記目標開度を決定することを特徴とする冷却装置。 - 戻り冷媒加熱用熱交換器を有し、当該戻り冷媒加熱用熱交換器には一次側流路と二次側流路があり、前記一次側流路は前記圧縮機と前記凝縮器の間、又は前記凝縮器と前記膨張手段の間に介在され、前記二次側流路は前記バイパス流路に介在されており、前記戻り冷媒加熱用熱交換器によって前記バイパス流路を流れる冷媒の気化が促進されることを特徴とする請求項7に記載の冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018231527A JP7098513B2 (ja) | 2018-12-11 | 2018-12-11 | 環境形成装置及び冷却装置 |
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JP2018231527A JP7098513B2 (ja) | 2018-12-11 | 2018-12-11 | 環境形成装置及び冷却装置 |
Publications (2)
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