JP7097767B2 - プラズマ処理立体造形装置 - Google Patents
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それぞれの方式は、樹脂組成物が限定されたり、微細な造形が困難であったりする点において不十分なところがある。
このような方式に使用する装置は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物用に限定されるので、目的通りの強度等の物性を備えた成形体を得ることが困難であり、さらに成形体を得るまでに長時間を要する。
1.チャンバー内に、樹脂組成物として、硬化性樹脂組成物を噴射するインクジェットノズルを設け、インクジェットノズルから噴射された硬化性樹脂組成物を順に硬化して堆積させるように、インクジェットノズルが移動でき、かつインクジェットノズルと同じ室内に大気圧プラズマ噴射装置を設置してなるプラズマ処理立体造形装置。
2.該大気圧プラズマ噴射装置はリモート型プラズマ噴射装置であり、プラズマの発生源は該チャンバー外に設置されている1に記載のプラズマ処理立体造形装置。
3.該大気圧プラズマ噴射装置の噴射口は、インクジェットノズル及び堆積する樹脂組成物に向けて設けられていない1又は2に記載のプラズマ処理立体造形装置。
4.該大気圧プラズマ噴射装置の噴射口は、インクジェットノズルに隣接して設けられている1~3のいずれかに記載のプラズマ処理立体造形装置。
5.インクジェットノズルの開口部の周囲に、該大気圧プラズマ噴射装置の噴射口が1つ以上設けられている1~4のいずれかに記載のプラズマ処理立体造形装置。
(インクジェットノズル)
本発明中のインクジェットノズルとしては、各種の公知の紫外線硬化型樹脂組成物を噴射させるためのインクジェットノズルと同様のものを採用することができる。さらにインクジェットノズルをチャンバー内にて移動させる機構や、その移動を制御するシステムも公知のものを採用することができる。
インクジェットノズルは、1色以上の色に対応した1つ以上のノズルから構成される。立体造形用データを演算して、色毎に正確な造形個所(各ノズルからのインキの吐出の場所)を求め、この個所に吐出できるように各インクジェットノズルからの各色の硬化型樹脂組成物の吐出のタイミングを求めて、この演算結果にもとづいて立体造形を行う。
またインクジェットノズルから噴射された硬化性樹脂組成物が堆積される基材としては、硬化後の樹脂組成物を剥離し易く、かつ立体造形物を支持しえるものであり、必要に応じて表面処理された金属板、樹脂板やガラス板等を使用することができる。
本発明における大気圧プラズマ噴射装置は、インクジェットノズルから噴射されて堆積された硬化性樹脂組成物を大気圧プラズマにより硬化させるためものである。
大気圧プラズマ噴射装置のプラズマ吐出口は、少なくとも、インクジェットノズルと上記基材と共にチャンバー内に収容できる大きさであり、プラズマ発生部及び電源部をチャンバー外に配置し、リモート式で発生するプラズマを吐出するものである。
プラズマの吐出量も公知の程度で良く、そのためチャンバーには、排気口を備えることが必要である。
プラズマ吐出口から吐出されたプラズマを含む気流がインクジェットノズルから噴射されて、堆積していない状態の硬化性樹脂組成物に当たると、その噴射された軌道が曲がる可能性があり、その結果として目的の形状の造形ができない可能性がある。
また硬化性樹脂組成物が堆積後、硬化前の間に、プラズマを含む気流が直接当たると、その未硬化の硬化性樹脂組成物の堆積状態に歪みや変形が生じる可能性がある。
そのためプラズマ吐出口は、インクジェットノズルから上記基材までの間の空間に向かないことが望ましい。また堆積直後の硬化性樹脂組成物で硬化前のものに対してもプラズマを含む気流が当たらないようにすることが望ましい。
そのため、チャンバー内にプラズマ吐出口を固定し、その向きを調整したり、インクジェットノズルと連動して、硬化性樹脂組成物が飛翔する軌道を避けるようにプラズマ吐出口を移動させたりすることができる。
この結果としてプラズマ吐出口から吐出されたプラズマを、積極的に硬化性樹脂組成物に照射することができ、より効率よく硬化させることができる。
またチャンバー内のプラズマ量を検知し、目的の量となるように制御してもよい。
このような装置として、例えば図1に示されるような、吹き出し口を有する放電空間と、この放電空間に電界を発生させるために、0.5~5.0mm程度の間隔で互いに対向するように放電用電極とを備えるプラズマ処理装置を用いる。このプラズマ処理装置では、前記放電空間にプラズマ生成用ガスGを供給すると共にこの放電空間内の圧力を大気圧近傍に維持し、更に前記放電用の電極31に電圧を印加して、放電開始電圧を超えることで放電空間に放電を発生させると、放電空間内でプラズマが生成する。
また、本発明に使用する大気圧プラズマは、原料ガスがプラズマ化により変性したすべてのガスを含む。
また大気圧プラズマに使用するガスとしては、空気、酸素、窒素等を採用できる。
なお、上記の電極の間隔は印加する電圧にも関連するが、その電極には、高周波、パルス波、マイクロ波等の電界が印加されてプラズマが発生する。
プラズマ発生装置において電極間に発生する電界強度は1kV/cm以上、好ましくは20kV以上、及び/又は1000kV以下、好ましくは300kV以下である。
またパルス波により電界をかけるときには、その周波数として0.5kHz以上が好ましく、10~20MHz程度でも良く、50~150MHz程度でも良い。
さらに電極間に係る電力としては、40W/cm以下、好ましくは30W/cm以下である。
そのようなリモート型大気圧プラズマ発生部の断面の模式図を図1に示す。図1では一方が接地されて、表面に絶縁体32等による層が形成された一対の電極31の間をプラズマ化されるガスが通過し、その通過時において、電極間にて印加された電圧によりガスがプラズマ化される。図1では大気圧プラズマPを含む気流が被印刷基材Sの表面に直接当たるように設けられているが、大気圧プラズマを直接当てないこともできる。
このノズル部2は、成形体を造形するための基材4の表面に平行なx方向及びy方向、又はその複合方向に移動でき、また成形体5の成形につれて基材4の垂直方向のz方向にも移動させることができる。図2において、成形体5は成形途中であり、さらにノズル部2の移動につれて目的とする成型品となるものである。
図2において、チャンバー1の内部に向けて3方向からプラズマを含む気流を導入できるようにプラズマ導入管3が設けられている。このプラズマ導入管3は公知の構造及び材料からなり、図示しない公知の大気圧プラズマ発生部において発生したプラズマを含む気流をチャンバー内に導入するためのものである。
さらにノズル部2及び図示しないプラズマ導入管を覆うカバー6を設けることができる。このカバーを設けることによって、照射された大気圧プラズマが拡散されるのを防止でき、カバー6内の大気圧プラズマ密度をより高くすることができる。
また、このようなカバーを設ける際には、カバー6内の雰囲気中のプラズマ密度を高くすること、さらに未硬化状態の樹脂に対して直接大気圧プラズマPを有する気流をあてないことを両立し易くなる。
さらに、ノズル部2の先端を上方に向け、該先端から噴出された、大気圧プラズマPを有する気流をカバー6内に滞留させることができる、これによりさらにカバー6内のプラズマ密度を向上させることが容易となる。
電極12は図に示すようにノズル11の両側に設けられていても良いがいずれか一方でも良く、ノズル11を取り囲むように設けられていてもよい。
この電極12は電極12近傍のプラズマ密度を高めるために設けられる。そのため電極12の先端のみが露出するようにその他の部位は絶縁物により被覆されてもよい。またノズル11から吐出した樹脂を速やかに硬化させるために設けられるので、電極12の先端はノズル11の先端よりも、基材に近い方が好ましい。
2・・・・ノズル部
3・・・・プラズマ導入管
4・・・・基材
5・・・・成形体
11・・・ノズル
12・・・電極
13・・・電極
31・・・電極
32・・・絶縁体
G・・・・プラズマ生成用ガス
P・・・・大気圧プラズマ
S・・・・被印刷基材
Claims (5)
- チャンバー内に、樹脂組成物として、硬化性樹脂組成物を噴射するインクジェットノズルを設け、さらに大気圧プラズマ噴射装置を設け、インクジェットノズルから噴射された硬化性樹脂組成物を順に硬化して堆積させるように、インクジェットノズルが移動でき、かつインクジェットノズルに隣接してプラズマ導入管を設けてなるプラズマ処理立体造形装置。
- 該大気圧プラズマ噴射装置はリモート型プラズマ噴射装置であり、プラズマの発生源は該チャンバー外に設置されている請求項1に記載のプラズマ処理立体造形装置。
- 該大気圧プラズマ噴射装置の吐出口は、インクジェットノズル及び堆積する樹脂組成物に向けて設けられていない請求項1又は2に記載のプラズマ処理立体造形装置。
- 該大気圧プラズマ噴射装置の吐出口は、インクジェットノズルに隣接して設けられている請求項1~3のいずれかに記載のプラズマ処理立体造形装置。
- インクジェットノズルの開口部の周囲に、該大気圧プラズマ噴射装置の吐出口が1つ以上設けられている請求項1~4のいずれかに記載のプラズマ処理立体造形装置。
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