以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下では、複数の実施形態を説明するが、該複数の実施形態のうちの少なくとも一部の技術思想を、他の実施形態に適用することができる。
<第1実施形態>
[画像データ送信システムの機構構成例]
図1は、本実施形態の画像データ送信システム1000(データ送信装置)の構成例を示す図である。また、画像データ送信システムは、画像データ通信システムとしてもよい。図1に示すように、画像データ送信システム1000は、画像形成装置と、外部装置20とを含む。以下では、画像形成装置を、MFP15(Multifunction Peripheral)という。MFP15は、データ送信装置10(データ通信装置)を含む。MFP15または外部装置20は、データを受信する機能、データを受信する機能、データに基づく画像を印刷する機能、データを外部装置20などに送信する機能などを有する。ここで、データとは、文字のデータ(テキストデータなど)、記号のデータ、画像のデータなどのうちいずれか1つとしてもよく、またはこれらのデータのうち少なくとも2つのデータが混合されたデータとしてもよい。以下では、データを画像データとして説明する。
外部装置20は、情報に対して種々の処理を実行する情報処理装置であり、たとえば、PC(personal computer)、スマートフォン、タブレット、MFP15とは別のMFP,およびインターネットFAX機などを含む。
また、外部装置20は、G3FAX機としてもよい。外部装置20が、G3FAX機である場合には、MFP15と外部装置20とは電話回線で接続される。
[MFP15のハードウェア構成例]
図2は、MFP15のハードウェア構成例を示したものである。図2を参照して、データ送信装置10は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)101と、データを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)102と、データを揮発的に格納するRAM(Random Access Memory)103と、記憶部104と、タッチスクリーン105と、スピーカー106と、データ送信装置10(MFP15)のユーザーによる指示の入力を受ける操作キー107と、ネットワーク通信IF(Interface)108と、G3FAX通信IF109と、画像入力部110とを有する。
タッチスクリーン105は、表示装置としてのディスプレイ1051と、入力装置としてのタッチパネル1052とにより構成される。具体的には、タッチスクリーン105は、ディスプレイ1051(たとえば液晶ディスプレイ)上にタッチパネル1052を位置決めした上で固定することにより実現される。なお、タッチスクリーンは、タッチパネルディスプレイ、タッチパネル付きディスプレイ、あるいはタッチパネルモニタとも称される。なお、タッチスクリーン105においては、タッチ位置の検出方法として、たとえば抵抗膜方式または静電容量方式を用いることができる。
記憶部104には、画像データなどの種々のデータが記憶される。記憶部104は、たとえば、不揮発性の半導体メモリであるHDDである。
スピーカー106は、CPU101からの指令に応じて音を発生させる。ネットワーク通信IF108は、ネットワーク30を介して、種々の外部装置20と通信可能である。ネットワーク30に接続可能な外部装置は、たとえば、PC、インターネットFAX、および他のMFPを含む。G3FAX通信IFは、電話回線を用いて、外部装置20としてのG3FAXと通信可能である。
また、画像入力部110は、ユーザーから画像データの入力を受付ける。ユーザーは、たとえば、MFP15に入力したい画像をMFP15のスキャン機能により画像データに変換することにより、該MFP15に入力する。
タッチパネル1052は、ユーザーの指等による入力(タッチ入力)を受け付ける入力デバイスである。CPU101は、タッチパネル1052からの出力に基づいて入力位置を特定し、当該特定した入力位置に基づいた画面表示を行なう。
また、外部装置のうちの少なくとも一部の装置のハードウエア構成も図2と同様の構成としてもよい。
MFP15および外部装置20における処理は、各ハードウェアおよびCPU101により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、フラッシュメモリ(図示せず)に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカードその他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、ICカードリーダライタその他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IFを介してダウンロードされた後、フラッシュメモリに一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU101によってフラッシュメモリから読み出され、さらにフラッシュメモリに実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU101は、そのプログラムを実行する。
同図に示されるデータ送信装置10を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、フラッシュメモリ、メモリカードその他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。
なお、記憶媒体としては、DVD-ROM、CD-ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
[画像データの流れについて]
次に、図3を用いて画像データの流れを説明する。ステップ(A)として、MFP15が受信した画像データを記憶部104は、記憶する。この画像データは、たとえば、外部装置20から送信されたデータである。
次に、ステップ(B)として、MFP15は、記憶部に記憶された画像データに対してウイルスチェックを実行する。ウイルスチェックについて簡単に説明する。画像データへのウイルスの一例として、PDFなどの画像データのアルファチャンネル内に不正プログラム(悪質なJAVA(登録商標)Scriptなど)がある。一般的に、画像データのうち、画像データの本体部分そのものには、ウイルスを介入させることは困難である。画像データは、たとえば、ウィルスのデータを含む本体部分(JPEG画像)と,その画像からコードを取り出す抽出プログラムの2部構成であれば、該ウイルスチェックを実行可能である。以下では、ウイルスチェックにおいて、ウイルスを検出することなく、該ウイルスチェックが終了したことを「ウイルスチェックが完了した」という。
ウイルスチェックが完了したと判断されたときには、ステップ(C)として、該ウイルスチェックが完了した画像データを、ユーザーなどからの送信指定に基づいて出力する。
図3の例では、画像データを出力する処理は、画像データに基づく画像を印刷する処理(ステップ(C-1))を含む。また、画像データを出力する処理は、E-mailで送信する処理、FTP(File Transfer Protocol)サーバーへ送信する処理、SMB(Server Message Block)サーバーへ送信する処理、およびG3FAXへ送信する処理(ステップ(C-2))の少なくとも1つを含む。また、画像データを出力する処理は、MFP15のディスプレイ1051に該画像データに基づく画像を表示する(プレビューする)処理(ステップ(C-3))を含む。また、画像データを出力する処理は、外部装置20に画像データを送信することにより、外部装置20のブラウザーに該画像データに基づく画像を表示する処理(ステップ(C-4))を含む。
[MFP15などの機能構成例]
次に、図4を用いて、MFP15などの機能構成例を説明する。MFP15または、該MFP15に含まれるデータ送信装置10は、記憶部104と、ウイルスチェック部130と、判断部132と、制御部134と、表示部138と通信部136とを含む。
記憶部104は、図3などでも説明したように、画像データなどのデータを記憶する。ウイルスチェック部130は、記憶部104に記憶されている画像データに対してウイルスチェックを行う。ウイルスチェックの手法は如何なる手法であってもよい。また、ウイルスチェックは、該ウイルスチェック処理の種別、および画像データの種別・容量などに応じた期間、必要とする。
また、MFP15には、送信指定が入力される。ここで、送信指定とは、MFP15の操作部(操作キー107およびタッチパネル1052など)から、ユーザーにより入力される送信指定を含む。この送信指定は、ユーザーが送信することを所望した画像データの指定と、該画像データの送信先の指定などを含む。
また、送信指定は、外部装置20から入力される指定も含む。たとえば、外部装置20に対して、ユーザーにより送信指定が入力され、該送信指定が該外部装置20からMFP15に対して入力される。この送信指定についても、ユーザーが送信することを所望した画像データの指定と、該画像データの送信先の指定などを含む。
以下では、ユーザーの操作により、外部装置20がMFP15に対して送信指定を送信する場合を説明する。判断部132は、MFP15に送信指定が入力されたときに、該送信指定により指定された画像データに対するウイルスチェックの実行状況を判断する。ここでウイルスチェックの実行状況には、(a)ウイルスチェックがそもそも実行されていないという状況(未実行という状況)と、(b)ウイルスチェック実行途中であるという状況と、(c)ウイルスチェックが終了してウイルスチェックの結果がウイルス未検出であるという状況と、(d)ウイルスチェックが終了してウイルスチェックの結果がウイルスが検出されたという状況などを含む。
以下では、「(a)ウイルスチェックがそもそも実行されていないという状況(未実行という状況)と、(b)ウイルスチェック実行途中であるという状況」とをまとめて、「ウイルスチェックが完了していない」、または、「ウイルスチェックが未完了である」という。また、(c)ウイルスチェックが終了してウイルスチェックの結果がウイルス未検出であるという状況を、「ウイルスチェックが完了した」という。また、(d)ウイルスチェックが終了してウイルスチェックの結果がウイルスが検出されたという状況を「ウイルスチェックによりウイルスが検出された」という。
判断部132により、ウイルスチェックによりウイルスが検出されたと判断されたときには、通信部136は、ウイルスチェックによりウイルスが検出された旨を示すウイルス検出情報を外部装置20に対して送信する。この外部装置20は、判断部132の判断処理を実行させる契機となる送信指定により指定された外部装置である。
外部装置20は、ウイルス検出情報を受信すると、該ウイルスが検出された旨を報知する。この報知とは、たとえば、表示部206などにウイルスが検出された旨を示す画像を表示する。この画像とは、たとえば、「ウイルスが検出されました」という文字の画像である。
MFP15の表示部138が、ウイルスが検出された旨を示す画像を表示するようにしてもよい。
判断部132により、ウイルスチェックによりウイルスが検出されたと判断されたときには、MFP15は、該ウイルスが検出された旨を報知する。この報知とは、たとえば、ディスプレイなどにウイルスが検出された旨を示す画像を表示する。この画像とは、たとえば、「ウイルスが検出されました」という文字の画像である。
判断部132により、ウイルスチェックが完了したと判断されたときには、外部装置20に対して、画像データを送信する。この画像データは、ウイルスチェックが完了したと判断された画像データである。この外部装置20は、判断部132の判断処理を実行させる契機となる送信指定により指定された外部装置である。これにより、外部装置20は、ウイルスチェックが完了した画像データ、つまり、安全な画像データを受信することができる。
MFP15から送信された画像データを、外部装置20の通信部202が、受信部として、受信する。通信部202が、画像データを受信すると、制御部210は、表示部206に画像データに基づく画像を表示する。本実施形態では、画像データに基づく画像は、該画像データのサムネイル画像である(図6参照)。これにより、ユーザーは、所望していた画像データを外部装置20が受信できたことを認識できる。また、制御部210は、該受信した画像データを記憶部204に記憶させるようにしてもよい。
判断部132により、ウイルスチェックが完了していないと判断されたときには、制御部134は、ウイルスチェックが完了していないと判断された画像データを送信せずに、アクセス情報を外部装置20に対して通信部136(第1送信部)経由で送信する。
ここで、アクセス情報とは、記憶部104に記憶されている画像データに対して外部装置20がアクセス可能な情報であれば如何なる情報であってもよい。アクセス情報は、たとえば、記憶部104のリンク情報(たとえば、アドレス)としてもよい。また、アクセス情報は、記憶部104に記憶されている画像データのうち、外部装置20が所望している画像データのアドレスとしてもよい。以下では、アクセス情報を「記憶部104のリンク情報」として説明する。アドレスは、IPアドレス、MACアドレスなど如何なるアドレスであってもよい。
外部装置20の通信部202が、記憶部104のリンク情報を受信すると、制御部210は、該リンク情報を表示部206に表示させる。図5は、表示部206の表示領域206Aに表示されたリンク情報の一例を示す図である。
図5の例では、「BOXへのリンク」という文字と共に、リンク情報2060とポインター2062とが表示されている。MFP15に対して送信指定が入力されたときに該送信指定により送信が指定された画像データのウイルスチェックが完了していないことを、このリンク情報2060の表示により、外部装置20は、ユーザーに対して認識させることができる。
また、リンク情報2060は、ユーザーの操作部212への操作により指定可能な態様で表示される。次に、リンク情報2060への指定について説明する。
外部装置20がPCである場合には、この操作部212は、たとえば、マウスとキーボードである。ユーザーは、マウスを操作することによりポインター2062を、リンク情報2060と重畳する位置に移動させる。該ポインター2062がリンク情報2060と重畳する位置に移動されると、ユーザーは、マウスをクリックすることにより、リンク情報2060を指定できる。
また、外部装置20が、スマートフォン、またはタブレットである場合には、リンク情報2060は表示される一方、ポインター2062は表示されない。ユーザーは、リンク情報2060をタッチすることにより、該リンク情報2060を指定できる。
ユーザーにより、リンク情報2060が指定されると、外部装置20の制御部210は、要求情報を生成して、該要求情報をMFP15に対して送信する。ここで、このMFP15とは、指定されたアクセス情報から特定される記憶部104を有するMFP15である。また、要求情報は、判断部132によりウイルスチェックが未完了であると判断された画像データを要求するための情報である。以下では、該要求された画像データを「要求画像データ」という場合もある。
MFP15の通信部136は、該要求情報を受信すると、判断部132は、該要求情報により要求されている画像データ(要求画像データ)に対するウイルスチェックが完了しているか否かを判断する。
制御部134は、該ウイルスチェックが完了したと判断するまで、待機する。判断部132が、該ウイルスチェックが完了したと判断したときには、該ウイルスチェックが完了したと判断された画像データを、制御部134は、外部装置20に対して送信する。
たとえば、外部装置20は、該ウイルスチェックが完了したと判断された画像データに基づいて、Web画面(World Wide Web)を生成して、外部装置20に対して送信する。外部装置20は、該画像データを受信すると、制御部210は、表示部206に画像データに基づく画像を表示する。たとえば、外部装置20は、ブラウザーにより、画像データに基づくWeb画面を表示する。
これにより、ユーザーは、所望していた画像データを外部装置20が受信できたことを認識できる。また、制御部210は、該受信した画像データを記憶部204に記憶させるようにしてもよい。
図6は、画像データに基づく画像を説明するための図である。図6の例では、画像データに基づく画像として、サムネイル画像2064が表示領域206Aに表示される。表示領域206Aには、さらに、ポインター2062も表示される。
ユーザーが、マウスなどで、ポインター2062を移動させて、該ポインター2062を、リンク情報2060と重畳する位置に移動させる。該ポインター2062がリンク情報2060と重畳する位置に移動されると、ユーザーは、マウスをクリックすることにより、サムネイル画像2064を指定できる。該サムネイル画像2064が指定されると、制御部210は、該サムネイル画像に基づく画像データを記憶部204から読出し、該読み出した画像データに基づく画像(特に図示せず)を表示領域206Aに表示させる。
[画像データ送信システム1000のフローチャート]
図7は、画像データ送信システム1000のフローチャートである。図7において破線で示す矢印は、情報のやり取りを示すものである。
図7を用いて、MFP15と外部装置20との処理を示す。まず、ステップS2において、制御部134は、送信指定が入力されたか否かを判断する。制御部134は、送信指定が入力されるまで待機する(ステップS2でNO)。
制御部134が送信指定が入力されたと判断したときには(ステップS2でYES)、ステップS4に進む。ステップS4において、判断部132は、送信指定により指定された画像データに対するウイルスチェックが完了したか否かを判断する。
ステップS4において、ウイルスチェックが完了した(ウイルスが検出されることなく、ウイルスチェックが終了した)と判断された場合には(ステップS4のYES)、ステップS6に進む。
ステップS6においては、MFP15の制御部134は、要求元の外部装置20(つまり、送信指定により指定された外部装置)に対して、ウイルスチェックが完了したと判断された画像データ(安全な画像データ)を送信する。
一方、ステップS4において、NOと判断された場合には、ステップS8に進む。ステップS8においては、制御部134は、通信部136経由で、記憶部104へのアクセス情報(リンク)を、要求元の外部装置20(つまり、送信指定により指定された外部装置)に対して送信する。
ステップS10において、外部装置20の制御部210は、通信部202経由で、アクセス情報を受信する。次に、ステップS12において、制御部210は、表示部206に、アクセス情報(リンク)を表示する(図5参照)。
次に、ステップS14において、制御部210は、アクセス情報が指定されたか否かを判断する。制御部210は、アクセス情報が指定されるまで、待機する(ステップS14のNO)。制御部210は、該アクセス情報が指定されたと判断すると(ステップS14のYES)、ステップS16に進む。
ステップS16において、制御部210は、アクセス情報に基づいて(アクセス情報により示されるリンクのアドレスに対して)、画像データを要求するための要求情報をMFP15に対して送信する。ステップS18において、制御部134は、通信部136経由で、要求情報を受信する。
制御部134が、該要求情報を受信すると、ステップS18において、判断部132は、要求情報により要求された画像データに対するウイルスチェックが完了したか否かを判断する。
ステップS18においては、ウイルスチェックが完了したと判断されるまでは待機する(ステップS18でNO)。ステップS18において、ウイルスチェックが完了したと判断されたときに(ステップS18でYES)、ステップS20において、該ウイルスチェックが完了したと判断された画像データを外部装置20に対して送信する。
ステップS22において、外部装置20の制御部210は、画像データを受信する。次に、ステップS24において、制御部210は、該画像データに基づくサムネイル画像を表示する(図6参照)。
[本実施形態の画像データ送信システムが奏する効果]
次に、本実施形態の画像データ送信システム1000が奏する効果について説明する。
(1) 本実施形態の画像データ送信システム1000では、判断部132は、送信指定が入力されたときには(ステップS2のYES)、ウイルスチェックが完了しているか否かを判断する。制御部134は、ウイルスチェックが完了していないと判断されたときに(ステップS4でNO)、画像データを送信せずに、アクセス情報を外部装置20に送信する。その後、外部装置20は、たとえば、送信されたアクセス情報を表示する(図5参照)。
これにより、送信指定により画像データの送信が指定されたときであっても、該画像データのウイルスチェックが完了していないときには、外部装置20(送信指定により送信先が指定された外部装置)は、アクセス情報を表示する。
したがって、本実施形態の画像データ送信システム1000では、ウイルスチェックの実行中の他の処理における柔軟性を向上させることができる。これとともに、ユーザーの利便性を向上させることができる。また、ユーザーは、表示されたアクセス情報を視認することにより、送信指定された画像データに対するウイルスチェックは未完了であること、および画像データが外部装置20に送信されることを前もって認識することができる。
(2) 外部装置20は、表示部206により表示されたアクセス情報がユーザーにより指定されると、該アクセス情報に基づいて、外部装置20に対して要求情報を送信する(ステップS16)。MFP15が、要求情報を受信したときにおいて、該ウイルスチェックが完了したと判断された場合に、該要求情報で要求された画像データを外部装置20に対して、送信する。したがって、画像データのウイルスチェックが未完了であっても、ユーザーの所望のタイミングで画像データを要求できる。
(3) また、外部装置20は、ウイルスチェックが完了した旨の情報として、サムネイル画像を表示する(図6参照)。したがって、ユーザーに対して直感的に、ウイルスチェックが完了した旨を認識させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第1実施形態では、図7のステップS20においてウイルスチェックが完了していないと判断されたときには、該ウイルスチェックが完了したと判断されるまで、制御部134は待機するとして説明した(ステップS20の処理を繰り替えす)。第2実施形態では、ステップS20において、ウイルスチェックが完了していないと判断されたときには、制御部134は、該ウイルスチェックの結果を示す第1結果情報を外部装置20に対して送信する。
制御部210は、該第1結果情報を解析することにより、ウイルスチェックが完了したか否かを判断する。制御部210は、該第1結果情報に基づいた情報を表示部206に表示させる。第1結果情報が、ウイルスチェックが完了した旨を示す情報である場合には、制御部210は、ウイルスチェックが完了した旨を示す情報として、サムネイル画像を表示する(図6参照)。
一方、第1結果情報が、ウイルスチェックが完了していない旨を示す情報である場合には、制御部210は、ウイルスチェックが完了していない旨を示す情報を表示する。図8は、ウイルスチェックが完了していない旨を示す情報の一例を示す図である。図8の例では、ウイルスチェックが完了していない旨を示す情報として、「ウイルスチェック中」というウイルスチェック中文字画像2068が表示される。
このように、第2実施形態では、ウイルスチェックが未完了である場合には、外部装置20の表示部206は、ウイルスチェックが完了していない旨を示す情報として、「ウイルスチェック中」というウイルスチェック中文字画像2068を表示する。したがって、ウイルスチェックが未完了であることをユーザーに対して認識させることができる。
また、MFP15に対して2以上の画像データの送信指定が入力される場合がある。以下では、このような場合での処理を実行する画像データ送信システム1000を説明する。以下の説明では、MFPに対して、2以上の画像データとして第1画像データおよび第2画像データ(つまり、2つの画像データ)の送信指定が入力された場合を説明する。
制御部134は、2以上の画像データの送信指定が入力された場合において、該2以上の画像データのうち、少なくとも1の画像データがウイルスチェック未完了である場合には、記憶部104のアクセス情報を送信する(図5およびステップS8参照)。
ユーザーにより、該アクセス情報が指定されると、外部装置20は、MFP15に対して要求情報を送信する。判断部132は、要求情報により要求された2以上の要求画像データそれぞれに対するウイルスチェックが完了したか否かを判断する。判断部132は、該2以上の要求画像データそれぞれに対するウイルスチェックが完了したか否かを判断し、該2以上の要求画像データそれぞれについての第1結果情報を外部装置20に対して送信する。
図9は、要求画像データが、第1要求画像データと第2要求画像データとがある場合を説明した図である。図9の例では、第1要求画像データが第1画像に対応し、第2要求画像データが第2画像に対応する。図9の例では、第1画像については、ウイルスチェックが完了した旨の情報として、サムネイル画像2064が表示されている。一方、第2画像については、ウイルスチェックが完了していない旨の情報として、ウイルスチェック中文字画像2068が表示されている。
このように、要求画像データが複数ある場合であっても、該複数の要求画像データそれぞれについて、ウイルスチェックの実行状況をユーザーに認識させることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、1の画像データに複数の単位画像データが含まれている場合について説明する。要求画像データは、第1画像データと、第2画像データとであり、さらに、該第2画像データは、複数の単位画像データを含む。
制御部134は、第1画像データと、複数の単位画像データを含む第2画像データとの送信指定が入力された場合において、これらの画像データのうち、少なくとも1の画像データがウイルスチェック未完了である場合には、記憶部104のアクセス情報を送信する(図5およびステップS8参照)。
ユーザー(たとえば、画像データ送信システムの管理者)により、該アクセス情報が指定されると、外部装置20は、MFP15に対して要求情報を送信する。判断部132は、要求情報により要求された画像データに対するウイルスチェックが完了したか否かを判断する。以下では、該要求された画像データを、第1要求画像データと、第2要求画像データ(複数の単位画像データを含む)という。
判断部132は、これらの要求画像データそれぞれに対するウイルスチェックを実行し、これらの要求画像データそれぞれについての第1結果情報を外部装置20に対して送信する。
制御部210は、該第1結果情報を解析することにより、ウイルスチェックが完了したか否かを判断する。制御部210は、該第1結果情報に基づいた情報を表示部206に表示させる。
図10は、要求画像データが、第1要求画像データと、複数の単位画像データを含む第2要求画像データとがある場合を説明した図である。図10の例では、第1要求画像データが第1画像に対応し、第2要求画像データが第2画像に対応する。
図10の例では、第1画像については、ウイルスチェックが完了していない旨の情報として、ウイルスチェック中文字画像2068が表示されている。また、第2画像のうち、1つ目の単位画像(Page1の単位画像)、および2つ目の単位画像(Page2の単位画像)については、ウイルスチェックが完了した旨の情報として、サムネイル画像2064が表示される。また、第3画像のうち、3つ目の単位画像(Page3の単位画像)については、ウイルスチェックが完了していない旨の情報として、ウイルスチェック中文字画像2068が表示されている。
このように、第3実施形態では、1の画像データが複数の単位画像データを含む場合であっても、該複数の単位画像データそれぞれについて、ウイルスチェックの実行状況をユーザーに認識させることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態では、モード設定部140(図4の破線参照)が、複数種類のモードのうちいずれかのモードの設定が可能である。この複数種類のモードは、第1モードと第2モードとを含む。
第1モードは、送信指定が入力されたときにおいてウイルスチェックが完了していないと判断されたときには、該ウイルスチェックが完了するまで待機するモードである。さらに第1モードは、待機後に、MFP15が、該ウイルスチェックが完了したと判断された後に該ウイルスチェックが完了した画像データを外部装置20に送信するモードである。
第2モードは、送信指定が入力されたときにおいてウイルスチェックが完了していないと判断されたときには、MFP15が、アクセス情報を外部装置20に対して送信するモードである。
また、第1モードおよび第2モードのいずれが設定されているかに関わらず、送信指定が入力されたときのウイルスチェックが完了している場合には、MFP15は、該ウイルスチェックが完了した画像データを外部装置20に対して送信する。
第1モードと第2モードとを比較すると、第2モードでは、ウイルスチェックが完了していないときに、外部装置20から要求情報が送信される場合があることから、ウイルスの拡散などの危険性が若干あるといえる。一方、第1モードは、ウイルスチェックが完了した画像データを送信することから、ウイルスの拡散などの危険性はない。したがって、第1モードの方が第2モードよりもセキュリティレベルは高い。
第4実施形態では、ユーザーが、第1モードと第2モードとのうち、所望のモードをタッチパネル1052などから選択する。該選択されたモードをモード設定部140は設定する。たとえば、モード設定部140は、設定するモードを示すモード情報を記憶部104に記憶させる。制御部134は、記憶部104に記憶されているモード情報を読み出すことにより、設定されているモードを確認する。
図11は、第4実施形態のMFP15のフローチャートである。図11の例では、図7のように外部装置20のフローは示さない。
図11に示すように、ステップS4でNOと判断された場合には、ステップS30に進む。ステップS30では、制御部134は、第1モードと第2モードとのうちいずれのモードが設定されているかを確認する。
ステップS30でNOと判断されたとき、つまり、第2モードが設定されていると判断された場合には、制御部134は、ステップS8の処理を実行する。
また、ステップS30でYESと判断されたとき、つまり、第1モードが設定されていると判断された場合には、ステップS32に進む。ステップS32では、判断部132は、送信指定により送信が指定された画像データについてのウイルスチェックが完了したか否かを判断する。
ステップS32において、ウイルスチェックが完了していないと判断された場合には(ステップS32でNO)、該ウイルスチェックが完了したと判断されるまで待機する。その後、該ウイルスチェックが完了したと判断されたときに(ステップS32でYES)は、ステップS34に進む。
ステップS34では、MFP15の制御部134は、要求元の外部装置20(つまり、送信指定により指定された外部装置)に対して、ウイルスチェックが完了したと判断された画像データを送信する。
第4実施形態によれば、第2モードと、第2モードよりもセキュリティレベルが高い第1モードとのうち、設定するモードをユーザーが選択することができる。したがって、画像データ送信システムが設置された環境に応じたセキュリティレベルで、該画像データ送信システムは、画像送信処理を実行することができる。
[第5実施形態]
第4実施形態では、ユーザーが第1モードと第2モードとのうちいずれかを選択するとして説明した。第5実施形態では、MFP15が、画像データの送信先の外部装置20の種別を判断する。モード設定部140は、設定部該種別に応じたモードを設定する。
図12は、外部装置20の種別と、設定されるモードとの関係の一例を示した図である。図12において、社外の外部装置とは、MFP15が設置されている会社の社外の外部装置をいう。また、社内の外部装置とは、MFP15が設置されている会社の社内の外部装置をいう。
一般的に、社外の外部装置は、たとえば、MFP15が設置されている会社の取引先に設置されている外部装置である場合がある。一方、社内の外部装置は、MFP15が設置されている会社に設置されている外部装置である。したがって、典型的には、画像データの送信に関するセキュリティレベルは、社外の外部装置の方を、社内の外部装置よりも高く設定することが好ましい。
したがって、図12の例では、社外の外部装置に対しては、第1モードが対応付けられている。また、社内の外部装置に対しては、第2モードが対応付けられている。
制御部134は、入力された送信指定から外部装置のアドレス(たとえば、IPアドレスまたはMACアドレス)を特定する。制御部134は、該アドレスに基づいて、画像データの送信先の外部装置が、社内の外部装置および社内の外部装置のいずれであるかを特定する。
モード設定部140は、制御部が特定した外部装置20の種別に応じたモードを設定する。画像データの送信先の外部装置は社外の外部装置であると、制御部134が特定した場合には、モード設定部140は、第1モードを設定する。一方、画像データの送信先の外部装置は社内の外部装置であると、制御部134が特定した場合には、モード設定部140は、第2モードを設定する。
このように、本実施形態では、モード設定の基準は、画像データを送信する外部装置が、社外の外部装置および社内の外部装置のいずれであるのかというものである。また、モード設定の基準は、他の基準としてもよい。たとえば、モード設定の基準は、外部装置の持ち主としてもよい。たとえば、外部装置の持ち主が、取引先の人間である場合には、セキュリティレベルを高くする、つまり、第1モードを設定するようにしてもよい。また、外部装置の持ち主が、友人などである場合には、セキュリティレベルを低くする、つまり、第2モードを設定するようにしてもよい。
本実施形態によれば、制御部134が、画像データを送信する外部装置の種別を特定し、該特定された種別に応じたモードが設定される。したがって、ユーザーがモードを設定しなくても、モードが自動的に設定されることから、ユーザーの利便性を向上させることができる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態では、送信指定により指定された画像データの重要度に着目する。
たとえば、送信指定により指定された画像データが、パスワードで暗号化されている場合には、一般的に、該画像データの重要度は高い。このような重要度が高い画像データについての送信指定が入力された場合において、該画像データに対するウイルスチェックが未完了である場合には、該ウイルスチェックが完了したと判断されたときに、画像データを外部装置20に対して送信する。
図13は、本実施形態のMFP15のフローチャートである。ステップS4でNOと判断された場合には、ステップS40に進む。ステップS40では、重要度判断部142は、送信指定により指定された画像データはパスワードなどで暗号化されているか否かを判断する。
ステップS40でNOと判断されたとき、つまり、画像データは暗号化されていないと判断された場合(つまり、画像データの重要度は低いと判断された場合)には、制御部134は、ステップS8の処理を実行する。
また、ステップS40でYESと判断されたとき、つまり、画像データは暗号化されていると判断された場合(つまり、画像データの重要度は高いと判断された場合)には、ステップS32に進む。
本実施形態によれば、重要度判断部142が、送信指定により指定された画像データの重要度を判断する。制御部134は、送信指定が入力されたときにおいて、ウイルスチェックが完了していないと判断されたときには、ウイルスチェックが完了したと判断されるまで画像データを送信しない。その後、制御部134は、ウイルスチェックが完了したと判断された後に該画像データを外部装置20に対して送信する。
したがって、重要な画像データについては、ウイルスチェックが完了した後に外部装置20に送信する。よって、本実施形態の画像データ送信システム1000では、該重要な画像データについてウイルスが拡散することを防止できる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態について説明する。第7実施形態では、MFP15は、セキュリティ強化のために、アクセス情報のみでは、記憶部104にアクセス不可能となっている。第7実施形態では、MFP15は、アクセス情報とは別個に、記憶部104にアクセスするためのパスワードを、外部装置20に対して送信する。つまり、第7実施形態では、アクセス情報と、パスワードとの2通のメールを送信する。パスワードについては如何なる手法で生成するようにしてもよい。たとえば、制御部134が、乱数を用いてパスワードを生成する。
アクセス情報と、パスワードとの送信順序については、MFP15は、アクセス情報を先に送信し、パスワードを後に送信するようにしてもよい。また、MFP15は、パスワードを先に送信し、アクセス情報を後に送信するようにしてもよい。外部装置20の表示部206は、該送信されたパスワードを表示する。
図14は、該表示されたパスワードの一例を示す図である。図14の例では、パスワード2084と、関連情報2082とが表示される。関連情報2082は、たとえば、MFP15の名称、記憶部104(BOX)の名称、および、送信指定されている画像データの名称を含む。図14の例では、MFP15の名称として、「Product11」が表示され、記憶部104の名称として、「BoxNo7」が表示され、画像データの名称として、「Sample1.pdf」が表示されている。また、パスワード2084として、「qwertyuio」が表示されている。
ユーザーが、外部装置20においてアクセス情報(図5参照)を指定すると、MFP15の制御により、外部装置20は、パスワード要求画像(特に図示せず)を表示する。パスワード要求画像は、パスワードを要求するための画像である。パスワード要求画像では、ユーザーによりパスワードが入力される領域を含む。ユーザーにより該領域に正しいパスワードが入力されたときには、記憶部104へのアクセスが許容され、たとえば、図7のステップS18からの処理が実行される。
本実施形態によれば、アクセス情報とともに、パスワードも送信される。したがって、記憶部104へのアクセスについてのセキュリティ性を向上させることができる。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態について説明する。第1実施形態では、図7などにも示したように、送信指定が入力されたときにおいて、判断部132によりウイルスチェックが完了したと判断されたときには、画像データを外部装置20に送信し、判断部132によりウイルスチェックが完了していないと判断されたときには、アクセス情報を外部装置20に送信するとして説明した。
図15は、第8実施形態のフローチャートを示す図である。図15に示すように、ステップS4でウイルスチェックが完了していないと判断されたとき、つまり、ステップS4においてNOと判断されたときには、制御部134は待機する。その後、該ウイルスチェックが完了したと判断されたときには、ステップS8においてアクセス情報を外部装置20に対して送信する。
このように、本実施形態では、送信指定が入力されたときにおいて(ステップS2のYES)、ウイルスチェックが完了していないと判断されたときに(ステップS4でNO)、該ウイルスチェックが完了したと判断された後に(ステップS4でYES)、制御部134は、アクセス情報を外部装置20に送信する。
これにより、本実施形態の画像データ送信システム1000では、ウイルスチェックの実行中の他の処理における柔軟性を向上させることができる。これとともに、ユーザーの利便性を向上させることができる。また、ユーザーは、表示されたアクセス情報を視認することにより、送信指定された画像データに対するウイルスチェックは完了したことを認識することができる。また、ウイルスチェック中のアクセスを予防する手段(アクセス情報からのアクセス制限など)を設けることを要しない。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態について説明する。第9実施形態の画像データ送信システムは、ジョブリストを用いる。まず、ジョブリストについて説明する。
図16は、本実施形態のジョブリストの一例である。ジョブリストは、たとえば、記憶部104に記憶されている。図16のジョブリストでは、ジョブにジョブIDが付与されるとともに、該ジョブで用いる画像の画像IDと、該ジョブの詳細情報とが対応付けられる。以下では、ジョブの呼称について、ジョブの後にジョブIDを付与する。たとえば、ジョブIDが2のジョブについては、「ジョブ2」という。また、画像データの呼称については、画像データの後に画像データIDを付与する。たとえば、画像データIDがG2のジョブについては、「画像データG2」という。
図16の例では、ジョブ1(1番目のジョブ)は、送信ジョブであり、対象データは画像データG1であり、詳細情報として送信先アドレスが対応付けられている。図16の例では、ジョブ2(2番目のジョブ)として「印刷ジョブ」が登録され、対象データは画像データG2であり、詳細情報としてモード情報が対応付けられている。モード情報は、印刷処理のモードを示し、たとえば、カラー印刷およびモノクロ印刷のうちのいずれであるのか、両面印刷および片面印刷のいずれであるのか、および印刷枚数は何枚であるのかといった事項を示す情報である。また、図16の例では、N個のジョブが登録されている。
本実施形態では、「実行されることで、ウイルスの拡散などの可能性があるジョブ」で用いられる画像データは、ウイルスチェック部130によるウイルスチェックの対象となる。「実行されることで、ウイルスの拡散などの可能性があるジョブ」とは、たとえば、送信ジョブである。
本実施形態では、ジョブリストの送信ジョブで送信対象となる画像データに対して、ジョブナンバーの小さいものから昇順に、ウイルスチェック部130はウイルスチェックを実行する。
また、本実施形態では、予約ジョブリストのうち、印刷ジョブで用いられる画像データについては、ウイルスチェックは実行されない。これにより、ウイルスチェックの実行頻度を低減できる。なお、変形例として、印刷ジョブで用いられる画像データについて、ウイルスチェック部130は、ウイルスチェックを実行するようにしてもよい。
図17は、第9実施形態のMFP15のフローチャートである。図17は、図15のMFPのフローチャートにジョブリストの思想を適用したフローチャートである。
ステップS4において、NOと判断されると、ステップS50に進む。ステップS50においては、ステップS2での送信指定に基づく送信ジョブを、制御部134は、ジョブリストに登録する。
次に、ステップS52において、制御部134は、ジョブリストに1以上のジョブが残存しているか否かを判断する。制御部134が、ジョブリストにジョブが残存していないと判断した場合には(ステップS52のNo)、処理を終了する。また、制御部134が、ジョブリストにジョブが残存していると判断した場合には(ステップS52のYes)、ステップS54に進む。
ステップS54では、制御部134は、予約ジョブリストから最初のジョブを読み出す。図17の例では、ジョブNo.(ジョブナンバー)が最も小さいジョブ(つまり、ジョブ1)を読み出す。図17の例では、ジョブ1の送信ジョブが読み出される。
次に、ステップS56において、判断部132は、送信指定された画像データ、つまり、読み出された送信ジョブで送信される画像データのウイルスチェックが完了したか否かを判断する。判断部132によりウイルスチェックが完了していないと判断されたときには(ステップS56でNO)、ステップS58に進む。
ステップS58では、制御部134は、通信部136経由で、記憶部104へのアクセス情報を、要求元の外部装置20(つまり、送信指定により指定された外部装置)に対して送信する。このステップS58の処理は、図7のステップS8の処理と同一である。
ステップS58の処理が終了すると、ステップS60に進む。ステップS60では、制御部134は、ステップS56でウイルスチェックが完了したと判断された画像データの送信ジョブを削除する。その後、ステップS52に戻る。
また、ステップS56でNOと判断された場合にもステップS52に戻る。また、ステップS56でウイルスチェックが完了していないと判断された画像データの送信ジョブについては、削除されずに、残存される。
また、図16には示していないが、ステップS54での予約ジョブリストからのジョブの読出しにおいて、「ウイルスの拡散などが生じないジョブ」が読み出された場合には、該ジョブに基づいた処理が実行される。「ウイルスの拡散などが生じないジョブ」は、たとえば、印刷ジョブである。印刷ジョブは、他の外部装置にデータを送信する処理ではなくMFP10自身が印刷するジョブである。したがって、印刷ジョブを実行した場合であっても、ウイルスの拡散などは生じない。したがって、ウイルスの拡散などが生じないとされるジョブ(印刷ジョブなど)は、ジョブリストから読み出されたときに実行される。
このように、予約ジョブリストは、入力された送信指定で指定された画像データについて、ウイルスチェックが完了していないと判断された1以上の画像データそれぞれを識別するための画像データID(データ識別情報)を記憶する。
また、制御部134は、送信指定された画像データについて、ウイルスチェックが完了したか否かを判断する(ステップS56)。制御部134は、送信指定された画像データのウイルスチェックが完了したと判断される毎に(ステップS56のYesと判断される毎に)、該画像データに外部装置20がアクセスするためのアクセス情報を該外部装置20に対して送信する。したがって、たとえば、複数のジョブがMFP15に入力されたとしても、ジョブリストを用いることにより、柔軟に該複数のジョブを処理できる。
次に、第9実施形態の変形例を説明する。図17で説明したステップS52~ステップS58の処理は、図7のMFP15の処理に適用するようにしてもよい。図18は、ステップS52~ステップS58の処理を、図7のMFP15の処理に適用したフローチャートである。このようなフローチャートでの処理を実行するMFP15であっても、第9実施形態と同様の効果を奏する。
次に、第9実施形態の別の変形例を説明する。ステップS58の処理を、アクセス情報を送信する処理ではなく、画像データ(ステップS56でウイルスチェック処理が終了したと判断された画像データ)を送信する処理としてもよい。このような構成であれば、ジョブリストでの送信指定について、直接、画像データを外部装置20に対して送信できることから、ユーザーの利便性を向上させることができる。
[第10実施形態]
次に、第10実施形態について説明する。図19は、第10実施形態のフローチャートである。図19に示すように、第10実施形態では、判断部132によりウイルスチェックが完了していないと判断された場合には(ステップS4でNO)、ステップS70に進む。
ステップS70では、制御部134(処理実行部)は、該送信指定された画像データのウイルスを拡散させないようにするために、該画像データの変換処理を実行する。画像データは、所定のフォーマット(形式)で構成されている。本実施形態では、所定のフォーマットとは、PDF(Portable Document Format)である。所定のフォーマットは、この他にもJPEG(Joint Photographic Experts Group)、XPS(XML Paper Specification)、TIFF(Tag Image File Format)、PNG(Portable Network Graphics)、およびBMP(bitmap)のいずれかとしてもよい。
該変換処理は、該画像データを、所定のフォーマットであるPDFからラスタデータおよびRAWデータのいずれか一方に変換する処理である。ラスタデータは、行と列の格子状(グリッド状)に並んだセル(ピクセル)で構成されるデータである。RAWデータは、元のデータ(PDFに変換される前のデータ)である。ステップS70の処理が終了すると、ステップS72に進む。
ステップS72では、制御部134(処理実行部)は、ステップS70で変換された画像データを元のフォーマット(PDF)に戻す。次に、ステップS74において、制御部134は、ステップS72で元のフォーマットに戻された画像データを、外部装置20(送信指定で指定された外部装置)に送信する。
本実施形態では、送信指定が入力されたときにおいて、ウイルスチェックが完了していないときには、制御部134は、変換処理を実行し、該変化処理後の画像データを外部装置20に対して送信する。この変換処理は、図19のステップS70およびステップS72の処理である。つまり、この変換処理は、画像データをラスタデータおよびRAWデータのいずれかに変換し、かつ該変換された画像データを該変換前の画像データのフォーマットに戻す処理である。この変換処理により、元のPDFの画像データにウイルスが感染していたとしても、該ウイルスを排除することができる。したがって、送信指定が入力されたときにおいて、ウイルスチェックが完了していないときであっても、MFP15は、セキュアな画像データを外部装置20に送信できる。また、MFP15は、ウイルスチェックの完了を待つ必要がないことから、該セキュアな画像データを迅速に送信できる。
なお、第9実施形態と第10実施形態の更なる変形例として、MFP15は、第9実施形態の変換処理と、第10実施形態の削除処理のうちの双方を実行するようにしてもよい。つまり、MFP15は、変換処理と削除処理とのうちの少なくとも1つの処理を実行するようにしてもよい。
[第11実施形態]
次に、第11実施形態について説明する。図20は、第11実施形態のフローチャートである。図20に示すように、第11実施形態では、判断部132によりウイルスチェックが完了していないと判断された場合には(ステップS4でNO)、ステップS80に進む。
ステップS80では、制御部134(処理実行部)は、該送信指定された画像データのウイルスを拡散させないようにするために、該画像データの一部の削除処理を実行する。該画像データの一部は、画像データの本体部に付加されている付加データである。付加データは、該画像データのメタデータ、および該画像データのアルファチャネルの少なくとも1つを含む。画像データのメタデータとは、たとえば、画像データが付随してもつその画像データ自身についての付加的なデータである。また、画像データのアルファチャンネルとは、たとえば、画像データの各ピクセルに対し色表現のデータとは別の補助データである。補助データは、たとえば、画素の不透明度を表現するデータである。
次に、ステップS82において、制御部134は、付加的なデータが削除された画像データを、要求元の外部装置20に対して送信する。
本実施形態では、送信指定が入力されたときにおいて、ウイルスチェックが完了していないときには、制御部134は、削除処理を実行し、該削除処理後の画像データを外部装置20に対して送信する。この削除処理は、図20のステップS80の処理である。つまり、この削除処理は、画像データの付加データ(画像データのメタデータ、および画像データのアルファチャネルのうち少なくとも1つのデータ)を削除する処理である。この削除処理により、画像データの付加データにウイルスが感染していたとしても、該ウイルスを排除することができる。したがって、送信指定が入力されたときにおいて、ウイルスチェックが完了していないときであっても、MFP15は、安全な(セキュアな)画像データを外部装置20に送信できる。また、MFP15は、ウイルスチェックの完了を待つ必要がないことから、該セキュアな画像データを迅速に送信できる。
[第12実施形態]
次に、第12実施形態を説明する。第12実施形態のMFP15は、外部装置20の画像データの出力種別に基づいて処理を実行する。図21は、送信指定により指定された外部装置20の画像データの出力種別と、ウイルスチェック未完了の画像データの出力禁止有無の対応を示した図である。図21に基づくデータは予め記憶部104に記憶されている。
図21の例では、外部装置20の出力種別が、転送(この外部装置20とは別の外部装置への転送)である場合には、ウイルスチェック未完了の画像データは外部装置20への送信を禁止する。ウイルスチェック未完了の画像データがウイルスに感染している場合において、該画像データが転送されると、該ウイルスが拡散する可能性がある。したがって、図21の例では、外部装置20の出力種別が、転送である場合には、ウイルスチェック未完了の画像データの外部装置20への送信を禁止する。
また、図21の例では、外部装置20の出力種別が、印刷である場合には、ウイルスチェック未完了の画像データは外部装置20への送信を可能にする(許容する)。この場合とは、たとえば、外部装置20が、MFP15とは異なるMFPである場合である。外部装置20(MFP15とは別のMFP)が、画像データに基づいて、印刷する場合において、該画像データにウイルスが感染している場合には、この外部装置20自身がウイルスに感染する恐れがあるが、他の装置には情報を送信しないことから、ウイルスが拡散する可能性はない(または可能性は少ない)。したがって、外部装置20の出力種別が、印刷である場合には、ウイルスチェック未完了の画像データは外部装置20への送信を可能にする。
また、図21の例では、外部装置20の出力種別が、BOX(記憶部)への保存(出力)である場合には、ウイルスチェック未完了の画像データは外部装置20への送信を禁止する。ウイルスチェック未完了の画像データが、BOXに保存された場合において、該画像データが他の装置に送信される場合がある。仮に、ウイルスチェック未完了の画像データがウイルスに感染している場合には、該他の装置がウイルスに感染する可能性がある。したがって、図21の例では、外部装置20の出力種別が、転送である場合には、ウイルスチェック未完了の画像データの外部装置20への送信を禁止する。
このように、図21の例では、転送に係る出力種別、およびBOX保存に係る出力種別については、ウイルスが拡散する可能性のある種別であることから、「ウイルス拡散出力種別」という。ウイルスの拡散とは、たとえば、ネットワーク30(図1参照)に接続されている電子機器にウイルスが拡散することをいう。
図22は、第12実施形態のMFP15のフローチャートである。ステップS4でNOと判断されると、ステップS90に進む。
ステップS90では、制御部134(確認部)は、入力された送信指定により指定された外部装置20の出力種別を確認する。この確認手法は、第1の確認手法および第2の確認手法を含む。
第1の確認手法は、たとえば、制御部134は、入力された送信指定を解析することにより、外部装置20の出力種別を確認する手法である。また、第2の確認手法は、制御部134は、外部装置20に対して確認情報を送信する。この確認情報は、外部装置20に対して出力種別を確認するための情報である。外部装置20は、確認情報を受信すると、確認結果情報をMFP15に対して送信する。この確認結果情報は、外部装置20の出力種別が、ウイルス拡散出力種別であるか否かを示す情報である。MFP15は、この確認結果情報を解析することにより、外部装置20の出力種別が、ウイルス拡散出力種別であるか否かを確認する。
次に、ステップS94において、制御部134は、外部装置の出力種別がウイルス拡散出力種別(転送、またはBOXへの記憶など)か否かを判断する。制御部134は、ステップS92の確認結果に基づいて、この判断処理を実行する。
ステップS92において、Yesと判断された場合、つまり、外部装置20の出力種別が、ウイルス拡散出力種別である場合には、ステップS4に戻る。以降は、ステップS4においてYESと判断されるまで(ウイルスチェックが完了したと判断されるまで)、ステップS4でNO→ステップS90→ステップS92でYES→ステップS4でNO・・・の処理が繰返される。その後、ステップS4でYESと判断された場合(ウイルスチェックが完了したと判断された場合)には、ステップS6において、制御部134は、画像データを送信する。つまり、外部装置20は、ウイルスチェックが完了したと判断された画像データ(ステップS6で送信された画像データ)の出力を実行する。
また、ステップS92において、Yesと判断された場合、つまり、外部装置20の出力種別が、ウイルス拡散出力種別ではないである場合には、ステップS6に進む。ステップS6において、制御部134は、画像データを送信する。つまり、外部装置20は、ウイルスチェックが完了したと判断された画像データ(ステップS6で送信された画像データ)の出力を実行する。
本実施形態によれば、外部装置20の出力種別が、ウイルス拡散出力種別でないと確認された場合に(ステップS92でYES)、ウイルスチェックが完了していないと判断された画像データを外部装置20に対して送信する。つまり、ウイルスの拡散の可能性がない出力種別であれば、ウイルスチェックが完了していない画像データであっても、外部装置20に送信する。したがって、外部装置20は、安全、かつ迅速に、該画像データを出力できる(画像データに基づく印刷処理を実行できる)。
また、外部装置20の出力種別が、ウイルス拡散出力種別であると確認された場合に(ステップS92でNO)、ウイルスチェックが完了していないと判断された画像データについては、ウイルスチェックが完了するまで待機し、該ウイルスチェックが完了したと判断されたときに画像データを外部装置20に対して送信する。したがって、外部装置20は、安全に、該画像データを出力できる(安全に、画像データに基づく転送処理またはBOX記憶処理を実行できる)。
また、前述の実施形態では、送信指定が入力されたときにおいて、ウイルスチェックが完了していないときの種々の処理を説明した。したがって、前述の実施形態でのMFP15は、ウイルスチェックの実行中の他の処理における柔軟性を向上させることができる。
[変形例]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
(1) たとえば、図7のステップS12、およびステップS14に示すように、MFP15に対して要求情報を送信する送信契機は、ユーザーによりアクセス情報が指定されたという契機であるとして説明した。しかしながら、送信契機は、他の契機であってもよい。たとえば、送信契機は、ウイルスチェック完了情報を受信したときとしてもよい。ウイルスチェック完了情報とは、入力された送信指定で指定された画像データに対するウイルスチェックが完了したことを示す情報である。
このような構成の場合には、ステップS10において、外部装置20が、MFP15からアクセス情報を受信したときには、外部装置20は、MFP15からのアクセス完了情報を受信するまで待機する。その後、外部装置20は、MFP15からのアクセス完了情報を受信すると、MFP15は、要求情報を送信する。また、このような構成の場合には、アクセス情報を表示しなくてもよい(ステップS12の処理を実行しなくてもよい)。
このような構成によれば、ユーザーにアクセス情報を指定させることなく、外部装置20は、MFP15に対して自動的に、画像データを要求する。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
(2) 外部装置20は、MFP15とは異なる他のMFPとしてもよい。つまり、送信システムは、MFP15と、他のMFPとを含む。このような構成において、たとえば、図7のステップS10の処理で受信したアクセス情報が、該他のMFPの記憶部に記憶される。その後、他のMFPは、MFP15からのアクセス完了情報を受信したときに、アクセス情報に基づいて、画像データを要求する。このような構成によれば、本実施形態の思想を適用しつつ、MFP同士で画像データの通信を実行することができる。
(3) 図7では、ステップS18では、ウイルスチェックが完了していないと1回判断されたときには(ステップS18でNO)、ウイルスチェックが完了したと判断されるまで(ステップS18でYES)、待機するとして説明した。しかしながら、ウイルスチェックが完了していないと1回判断されたときには(ステップS18でNO)、MFP15は、ウイルスチェック未完了情報を外部装置20に対して送信し、外部装置20は「ウイルスチェックが未完了です」という文字画像を表示するようにしてもよい。
(4) 本実施形態のデータ送信装置10は、MFP15に適用する例を説明した。しかしながら、データ送信装置10は、他の機器に適用するようにしてもよい。データ送信装置10は、たとえば、情報処理装置(PC,スマートフォン、タブレット)などに適用するようにしてもよい。
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。