JP7074420B2 - 白色樹脂組成物、及びそれからなる白色成形体と白色積層体 - Google Patents
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Description
また近年では、内部に微細な空隙を含有してなるシート状またはフィルム状の白色成形体が、その優れた反射性能、及び隠蔽性能を活かす目的で、液晶表示装置、照明器具、照明看板などの反射板などとして用いられている。
これら白色成形体を形成するものとして、白色度や隠蔽性能を高める目的で、高屈折率フィラーである酸化チタンを含有してなる白色樹脂組成物が用いられている。
例えば特許文献2には、紫外光に対する耐久性を改良する目的で、紫外光吸収フィラーとしての酸化チタンと併せて、各種酸化防止剤、及びヒンダードアミン系光安定剤を含有してなる熱可塑性樹脂組成物からなる光反射体が開示されている。
また、例えば特許文献3には、特定の被覆層を有する酸化チタンと併せて、各種酸化防止剤、紫外線吸収剤、及びヒンダードアミン系光安定剤を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成物からなる光反射体が開示されている。
さらに、フェノール系酸化防止剤と共に酸化チタンを含有する白色成形体においては、フェノール系化合物から有色物質であるキノン系化合物へ変化するための熱酸化反応の触媒作用を酸化チタンが果たすため、白色成形体の色調や特性がさらに経時劣化し易いという課題を抱えていた。
またさらに、上記白色成形体が内部に空隙を備えている場合には、空隙内の空気が熱酸化劣化を促して、白色成形体の色調や特性の経時劣化をさらにし易いものとしていた。
シリカの含有量:0.6~4.5質量
アルミナの含有量:0.1~2.5質量
アルミナの含有量<シリカの含有量
本発明の実施形態の一例としての白色樹脂組成物(「本白色樹脂組成物」と称する)は、熱可塑性樹脂、フェノール系安定剤及び、酸化チタンを含有する白色樹脂組成物である。
本白色樹脂組成物を用いて、例えば本白色樹脂組成物を成形して、様々な形態な白色成形体(「本白色成形体」と称する)を形成することができる。
本白色樹脂組成物に用いることのできる熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリスチレン系樹脂等を挙げることができ、これらのうちの1種又は2種以上の組合せを用いることができる。
中でも、本白色成形体の内部に空隙を含有させる目的で、少なくとも一軸方向に延伸する場合には、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂又はこれらの混合樹脂を好ましい例として挙げることができる。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えばポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリ-1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどを挙げることができ、これらのうちの1種又は2種以上の組合せを用いることができる。
なお、上記ポリエステル系樹脂は、上記のようなジカルボン酸成分のおよび/またはグリコール成分を2種以上用いたポリエステル共重合体であってもよい。
本白色樹脂組成物に用いるフェノール系安定剤としては、フェノール系酸化防止剤、フェノール系光安定剤などを挙げることができる。中でも、後述する機能の違いから、フェノール系酸化防止剤を用いることが好ましい。
一方、フェノール系光安定剤は、熱可塑性樹脂に代わって紫外線を吸収し、樹脂に無害な運動エネルギーや熱エネルギーに変換して、樹脂が光酸化劣化を起こすのを抑止する作用を備え、本白色樹脂組成物に配合することができるものである。
本白色樹脂組成物に用いることのできるフェノール系酸化防止剤としては、例えばテトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルエステル、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、3,9-ビス{2-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、エチレンビス(オキシエチエレン)ビス[3-(5-t-ブチル-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート、トリエチレングリコールビス[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート、1,1,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、4,4´-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチル)フェノール、4,4´-チオビス(3-メチル-6-t-ブチル)フェノールトリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-t-ブチルベンジル)イソシアヌレート等を挙げることができ、これらのうちの一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、セミヒンダード型フェノール系酸化防止剤である、3,9-ビス{2-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、エチレンビス(オキシエチエレン)ビス[3-(5-t-ブチル-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート、トリエチレングリコールビス[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネートから選ばれた一種又は二種以上を組み合わせて用いることが好ましく、これらは本白色樹脂組成物を高温下に長時間曝しても、本白色樹脂組成物の熱酸化劣化を抑制し、さらにその変色を軽減することができる。
かかる観点から、当該フェノール系酸化防止剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01質量部~1質量部であることが好ましく、中でも0.05質量部以上或いは0.5質量部以下であることがより好ましい。
本白色樹脂組成物に用いることのできるフェノール系光安定剤としては、フェノール構造を有する紫外線吸収剤を挙げることができる。
フェノール構造を有する紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、及びサリシレート系紫外線吸収剤等を挙げることができ、これらのうちの一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
かかる観点から、当該フェノール系光安定剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01質量部~1質量部であることが好ましく、中でも0.05質量部以上或いは0.5質量部以下であることがより好ましい。
酸化チタンは、汎用的な白色無機フィラーのうち最も高い屈折率を有するものの1つで、その他の白色無機フィラー、例えば炭酸カルシウムや硫酸バリウムを使用する場合よりも、少ない配合量で高白色度、高隠蔽性、及び高反射性を本白色樹脂組成物により形成される白色成形体に付与することができる。また、酸化チタンを用いることにより、白色成形体の厚みを薄くした場合でも、同様に高白色度、高隠蔽性、及び高反射性を付与することができる。
塩素法プロセスでは、酸化チタンを主成分とするルチル鉱を1000℃程度の高温炉で塩素ガスと反応させて、先ず四塩化チタンを生成させ、次いでこの四塩化チタンを酸素で燃焼させることにより、より高純度の酸化チタンを得ることができる。従って、本白色成形体に高白色度、高隠蔽性、及び高反射性を付与するには、塩素法プロセスによる高純度の酸化チタンを用いることが好ましい。塩素法プロセスにより得られる酸化チタンであれば、バナジウム、鉄、銅、マンガン、ニオブ等の着色元素の含有量が少なく、主に可視光領域での光吸収能が抑制されるので好ましい。
なお、本発明において「高純度の酸化チタン」とは、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ない酸化チタンの意である。
シリカは酸化チタン表面の活性部分に作用してその不活性化の役割を果たす一方で、アルミナは熱可塑性樹脂との親和性の付与、即ち分散性を確保する役割を果たすことから、シリカ層は酸化チタン側に配し、アルミナ層は熱可塑性樹脂側に配するため、酸化チタンの粒子表面から外側に向かって、シリカ層、アルミナ層の順に積層してなる構成を備えた酸化チタンであるのが好ましい。
しかしながら、本発明者は、特定の不活性無機酸化物、即ちアルミナが、ある一定量以上、被覆処理されてなる酸化チタンでは、逆に光触媒活性の抑制効果が損なわれて、それを含有してなる成形体の耐光性が不十分になってしまう場合があることを確認した。それを受けて、そのアルミナと組み合わせて被覆処理されるシリカの量を、所定の範囲に調整すれば、十分な耐光性が確保されることを見出し、さらに保管時、及び使用時において、本白色樹脂組成物に含有されるフェノール系安定剤の熱酸化などの酸化劣化が抑制されて、白色成形体の色調の変化や特性の低下が抑止されることを見出した。
他方、上記シリカ層のシリカの質量が、酸化チタンの全体質量を100質量とした時に、0.6質量以上であれば、白色成形体中のフェノール系安定剤の熱酸化などの酸化を抑制する効果を確保することができるので好ましい。
一方、シリカの質量が4.5質量以下であれば、前記熱可塑性樹脂に対する酸化チタンの分散性を確保できる。また、前記熱可塑性樹脂として、例えばポリエステル系樹脂を用いた場合に、押出成形など溶融加熱した際に、シリカに含有される水分による樹脂の加水分解が抑制されて、白色成形体の外観や物性が維持されるので好ましい。
かかる観点から、上記シリカ層のシリカ量は、本白色成形体中のフェノール系安定剤の熱酸化などの酸化を抑制する効果の確保及び生産性等を考慮すると、酸化チタンの全体質量を100質量とした時に、0.6~4.5質量であることが好ましく、中でも1質量以上或いは4質量以下であるのがさらに好ましい。
かかる観点から、上記アルミナ層のアルミナの質量は、白色成形体の耐光性、及び生産性等の確保を考慮すると、酸化チタンの全体質量を100質量とした時に、0.1~2.5質量であって、且つ、上記シリカの質量より少ないのが好ましく、中でも0.5質量以上或いは2.0質量以下、その中でも1質量以上或いは1.5質量以下であることがさらに好ましい。
この際、シリカ又はアルミニウムを含有する表面処理剤としては、例えば水性スラリー中に水溶性アルミニウム塩又は水溶性ケイサン塩を添加し、必要に応じて分散剤などの添加剤を添加して調製した表面処理剤を挙げることができる。より好ましい例として、シランカップリング剤又はアルミニウムカップリング剤などの表面処理剤を、有機溶媒に分散させてディスパージョンを作り、該ディスパージョンと、酸化チタンコア粒子粉末とを接触させて表面処理を行う方法を挙げることができる。
なお、前記の表面処理剤としては、有機官能基と加水分解性基を分子中に有する化合物であればよく、中でも側鎖にリン(P)を有するものが好ましい。側鎖にリン(P)を有するカップリング剤は、バインダーとのなじみがより良いため、バインダーとの結着性に特に優れている。
また、酸化チタンコア粒子粉末と、シリカ層又はアルミナ層を構成する組成物の粉末とを混合し、当該組成物の粉末が溶融されて酸化チタンコア粒子を取り囲むように、該組成物の粉末と酸化チタンコア粒子粉末との混合物を熱処理した後、その混合物を冷却するようにしてもよい。
そのほか、酸化チタンコア粒子の表面を化学気相反応法によって被覆する方法や、金属化合物の粒子を付着させる方法などを採用することも可能である。
シリカ層及びアルミナ層を備えた上記酸化チタンは、熱可塑性樹脂との親和性を付与するために、さらに有機物層を備えることができる。
上述のようにシリカ層及びアルミナ層を備えた酸化チタンの表面に、有機化合物からなる有機物層を形成することにより、熱可塑性樹脂への分散性を向上させることができる。
この際、上記酸化チタンは、フェノール系化合物の熱酸化反応を抑制して白色成形体の色調や特性の経時劣化を抑えると共に熱可塑性樹脂とのなじみ易さを確保する観点から、粒子表面から外側に向かってシリカ層、アルミナ層、有機化合物層の順に積層してなる構成を備えた酸化チタンであるのが好ましい。但し、かかる積層構成に限定するものではない。
これらの有機化合物は、酸化チタン表面の水酸基と物理吸着または化学反応することにより、酸化チタンの疎水性、及び樹脂との親和性を向上させる点で好ましい。
かかる観点から、上記有機化合物層の有機化合物層の量は、酸化チタンの全体質量を100質量とした時に、0.01~5質量であることが好ましく、中でも0.05質量以上或いは3質量以下、その中でも0.1質量以上或いは2質量以下であることがさらに好ましい。
本白色樹脂組成物に用いる酸化チタンの平均一次粒径は、0.1μm~1μmであることが好ましい。酸化チタンの平均一次粒径が、0.1μm以上であれば熱可塑性樹脂への分散性を確保できるので好ましい。一方、平均一次粒径が1μm以下であれば、可視光領域及び近赤外の光に対する散乱反射性を確保できるので好ましい。
かかる観点から、上記酸化チタンの平均一次粒径は、0.1μm~1μmであるのが好ましく、中でも0.15μm以上或いは0.5μm以下、その中でも0.2μm以上或いは0.35μm以下であることがさらに好ましい。
なお、酸化チタンの平均一次粒径は、電子顕微鏡を用いた画像解析により計測することができる。
本白色樹脂組成物における酸化チタンの含有量は、白色成形体としたときに求められる白色度、光反射性、生産性等を考慮すると、本白色樹脂組成物全体の質量に対して、5~70質量%であることが好ましい。酸化チタンの含有量が5質量%以上であれば、本白色成形体に高い白色度を付与することができるので好ましい。一方、酸化チタンの含有量が70質量%以下であれば、熱可塑性樹脂への分散性を確保できるので好ましい。
かかる観点から、本白色樹脂組成物における酸化チタンの含有量は、本白色樹脂組成物全体の質量に対して、5~70質量であるのが好ましく、中でも10質量%以上或いは60質量%以下、その中でも20質量%以上或いは50質量%以下であることがさらに好ましい。
本白色樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を含有することができる。
また、本白色樹脂組成物は、有機フィラー、酸化チタン以外の無機フィラー、フェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤、フェノール系光安定剤以外の光安定剤、熱安定剤、分散剤、蛍光増白剤、相溶化剤、滑剤、核剤、加水分解防止剤、鎖延長剤及び、その他の添加剤を含有することができる。
本白色成形体の形態は、フィルム、シート、板体、パネル体など、形状を特に限定するものではない。
また、本白色成形体を形成する方法としての成形方法も特に限定するものではない。例えば、押出成形、射出成形、真空加熱成形、プレス成形など、適宜成形方法で形成された成形体を包含するものである。
本白色成形体は、成形体内部に空隙を含有しても、含有してなくてもよい。
かかる観点から、本白色成形体の空隙率は10~70%の範囲内であることが好ましく、中でも20%以上或いは60%以下、その中でも特に30%以上或いは50%以下であるのがさらに好ましい。
延伸前など、白色成形体が内部に空隙を含有する前の密度(「空隙未含有成形体の密度」と表記する)と延伸後など、白色成形体が内部に空隙を含有する状態の密度(「空隙含有成形体の密度」と表記する)を測定し、下記式に代入して白色成形体の空隙率を求める。
空隙率(%)={(空隙未含有成形体の密度-空隙含有成形体の密度)/空隙未含有成形体の密度}×100
中でも、本白色成形体に関しては、空隙サイズの制御、微細化が容易な上記(4)あるいは(5)を好ましい方法として挙げることができる。
本白色成形体をプレート状、シート状またはフィルム状とした場合の厚みは、特に制限されるものではない。目安としては、50μm~2000μmの範囲であることが好ましく、例えば実用上のハンドリング性を考慮すると70μm~1000μmの範囲であることがより好ましい。
本白色成形体の耐光性の程度は、本白色成形体の表面に、所定の条件でLED光を照射した時の、白色成形体の表面光沢度の変化率によって表すことができる。
耐光性の確保には、本白色成形体の表面光沢度の変化率が2.5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。表面光沢度の変化率が2.5%以下であれば、白色成形体に優れた耐光性が付与されており、即ち本白色樹脂組成物は優れた耐光性を備えているといえる。
変化率(%)={(LED光照射前の表面光沢度-LED光照射後の表面光沢度)/LED光照射前の表面光沢度}×100
本白色成形体の耐光性の程度は、本白色成形体を、所定の条件で屋内保管した時の、白色成形体の反射率の低下幅によって表すことができる。
本白色成形体の反射率の低下幅は2.5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。反射率の低下幅が2.5%以下であれば、白色成形体に優れた変色防止性が付与されており、長期間の保管を経ても色調の変化を抑止することができる。
なお、白色成形体の反射率の低下幅は、次の式によって求めることができる。
ここで、「所定の波長」とは510nmのことをいい、屋内保管時の変色現象、いわゆる暗所黄変により最も影響を受ける波長のことを指す。
本白色成形体の高温耐熱性の程度は、本白色成形体を、所定の条件の高温雰囲気下に曝露した時の、白色成形体の反射率の低下幅によって表すことができる。
具体的には、白色成形体を120℃に温調した恒温槽内で500hr曝露した後の、白色成形体表面の反射率の低下幅によって表すことができる。
低下幅(%)=(曝露前の所定の波長における反射率-曝露後の同波長における反射率)
ここで、「所定の波長」とは、440nmのことをいい、高温雰囲気下での変色現象により最も影響を受ける波長のことを指す。
本白色成形体の長期耐熱性の程度は、本白色成形体を、所定の条件の高温雰囲気下に曝露した時の、白色成形体の反射率の低下幅によって表すことができる。
具体的には、白色成形体を85℃に温調した恒温槽内で1000hr曝露した後の、白色成形体表面の反射率の低下幅によって表すことができる。
本白色成形体の反射率の低下幅は1%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがより好ましい。反射率の低下幅が1%以下であれば、白色成形体に優れた長期耐熱性が付与されており、長期の使用期間を経ても色調の変化を抑止することができる。
低下幅(%)=(曝露前の所定の波長における反射率-曝露後の同波長における反射率)
ここで、「所定の波長」とは440nmのことをいい、高温雰囲気下での変色現象により最も影響を受ける波長のことを指す。
本白色成形体の製造方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を採用することができる。以下に、白色成形体の製造方法について一例を挙げて説明するが、下記製造方法に何ら限定されるものではない。
具体的には、フェノール系安定剤に必要に応じてリン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、及びその他の添加剤等をリボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合したものを、熱可塑性樹脂、及び酸化チタンとともに、バンバリーミキサー、一軸又は二軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度(例えば、ポリプロピレン系樹脂の場合には180℃~250℃)で混練することにより本白色樹脂組成物のコンパウンドを得る。
または、熱可塑性樹脂、酸化チタン、さらにフェノール系安定剤に必要に応じて各種添加剤等を混合したものを、各々別々のフィーダー等によりバンバリーミキサー、一軸又は二軸押出機等に供給して、樹脂の融点以上の温度で混練することにより本白色樹脂組成物のコンパウンドを得る。
または、予め、酸化チタン、及びフェノール系安定剤等を熱可塑性樹脂に高濃度に配合したコンパウンド、いわゆるマスターバッチとした後、このマスターバッチと前記熱可塑性樹脂とを混合して所望の組成を有する本白色樹脂組成物とすることもできる。
その後、溶融状態の本白色樹脂組成物を単層用のTダイに通して、Tダイのスリット状の吐出口から押出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートとする。
また、二軸方向に延伸すると、得られる白色成形体の異方性が緩和され、即ちその物性の異方性を小さくすることができるので好ましい。また、白色成形体の機械的強度を向上させることができる。
延伸する際の温度を熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)-25℃以上とすれば、延伸時に白色成形体が破断を起こすことがなく、製膜を安定して行うことができる。また、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)+25℃以下で延伸すれば、例えばテンター延伸によってTDに延伸する場合、白色成形体の幅方向の空隙率分布が均一になるので好ましい。
本白色成形体は、高白色度で、かつ保管時及び使用時の変色や劣化が抑制されるので、印刷や筆記を行う表示基材として好適に用いることができる。また、高反射性で、かつ紫外光に曝された時の変色や劣化が抑制されるので、液晶表示装置、照明器具、照明看板等の反射材として好適に用いることができる。
低収縮性や耐折性などの機械的強度を本白色成形体に付与する観点から、本白色成形体の少なくとも片面に、樹脂組成物Aからなる補強層を形成してなる積層体(「本白色積層体」と称する)とするのが好ましい。
このように本白色成形体の少なくとも片面に補強層を積層することで、本白色成形体は高白色度や高反射性を付与する役割を担い、補強層は高温における寸法安定性、即ち低収縮性や耐折性などの機械的強度を維持する役割を担うというように、機能を分離することが可能になり、それぞれの機能を高いレベルで両立させることができる。
補強層は、寸法安定性、特に高温での熱収縮による波や皺の発生を抑える高温寸法安定性を本白色成形体に付与し、且つ、白色度又は反射性能を妨げないという観点から、本白色樹脂組成物よりも耐熱性に優れ、且つ、白色又は透明な樹脂組成物Aから形成するのが好ましい。
当該熱可塑性樹脂としては、前記の本白色樹脂組成物と同様に、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を挙げることができ、これらのうちの一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、ポリオレフィン系樹脂またはポリエステル系樹脂を好ましい例として挙げることができる。
また、例えば本白色樹脂組成物の熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂である場合には、該ポリプロピレン系樹脂と相性がよく、且つ、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂として、シクロオレフィン系樹脂又は、シクロオレフィン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の混合樹脂を樹脂組成物の主成分樹脂として用いるのが好ましい。
さらには、フィルム状の成形体からなる補強層を、白色成形体の間に接着剤層或いは粘着剤層を設けて、白色成形体上に貼合してもよい。
また、白色積層体同士を貼合せた、補強層/白色成形体/白色成形体/補強層の構成とすることもできる。
さらには、白色成形体、補強層、及びこれら以外の樹脂層Bとからなる3層以上の構成とすることができる。
本白色積層体をプレート状、シート状またはフィルム状とした場合の厚みは、特に制限されるものではないが、50μm~2000μmの範囲であることが好ましく、例えば実用上のハンドリング性を考慮すると70μm~1000μmの範囲であることがより好ましい。
一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JISK6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
実施例・比較例で得た白色樹脂組成物、及びそれから形成される白色成形体や白色積層体の各種物性値の測定方法及び評価方法について説明する。
以下、成形体の引取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと表示する。
酸化チタンの表面に形成されたシリカ層及びアルミナ層のシリカ及びアルミナの質量は、下記の装置、及び設定条件で当該酸化チタン中のチタン、アルミニウム及びケイ素について、それぞれに帰属するピーク高さから定量した結果をもとに各酸化物の比率に換算した後、酸化チタン全体の質量を100質量としたときの相対値として求めた。
X線管:Rhロジウム 4.0kW
分析径:φ30
スリット:標準
分光結晶:LiF(チタン用)
PET(アルミニウム、ケイ素用)
検出器:SC(チタン用)
PC(アルミニウム、ケイ素用)
測定モード:バルク法(バランス成分なし)
サンプル厚み:5mm
フィルタ:フィルタHD10(リガク社製、CatNo.RS1440M)
分析窓用薄膜:ロールシート(リガク社製、CatNo.3399G003)
白色成形体の表面光沢度は、下記の装置、及び設定条件により測定した。
なお、測定に先立ち、光沢標準板の光沢度が92.2%となるように装置を校正した。
光源入射角度:60度
受光器受光角度:60度
光沢標準板:黒色平面光学研磨ガラス No.2012-015-B
白色成形体の耐光性に関しては、白色成形体の表面に、所定の条件でLED光を照射した時の、白色成形体の表面光沢度の変化率によって評価を行った。
恒温槽内温度:65℃
LED光源型式:白色LED
LED光源と白色成形体表面の距離:20mm
白色成形体表面における照度:63,000ルクス
照射時間:500hr
○:変化率≦1% で、耐光性が特に優れている。
△:1%<変化率≦2.5% で、耐光性が優れている。
×:変化率>2.5% で、耐光性が劣っている。
白色成形体の空隙率を、次の操作にしたがって求めた。
延伸前などの白色成形体が内部に空隙を含有する前の密度(「空隙未含有成形体の密度」と表記する)と、延伸後などの白色成形体が内部に空隙を含有する状態の密度(「空隙含有成形体の密度」と表記する)を測定し、下記式に代入して白色成形体の空隙率(%)を求めた。
白色成形体の変色防止性、及び耐熱性を評価する際に必要となる、所定の波長光に対する白色成形体の反射率は、下記の装置、及び設定条件により測定した。
なお、測定に先立ち、標準用のアルミナ白板の反射率が100%となるように装置を調整した上で、白色成形体の反射率の測定に用いた。
標準板:アルミナ白板
測定波長範囲・間隔:340nm~800nm・0.5nm
白色成形体の変色防止性の程度は、所定の条件で屋内保管した時の、白色成形体の反射率の低下幅によって評価を行った。
具体的には、下記の条件下で白色成形体を屋内保管した後、保管前、及び保管後の白色成形体表面の反射率を測定し、次の式によって反射率の低下幅を求めた。
なお、反射率の測定に関しては前記にしたがい、510nmの波長光に対する反射率を読み取り、低下幅の計算に用いた。
屋内温度:23℃
屋内照明:蛍光灯
照明器具と白色成形体間の距離:1.5m
白色成形体表面における照明照度:300ルクス
照明点灯時間:12hr
○:低下幅≦2% で、変色防止性が特に優れている。
△:2%<低下幅≦2.5% で、変色防止性が優れている。
×:低下幅>2.5% で、変色防止性が劣っている。
白色成形体の高温耐熱性の程度は、所定の高温雰囲気下に曝露した時の、白色成形体の反射率の低下幅によって評価を行った。
具体的には、120℃に温調した恒温槽内で、白色成形体を高温雰囲気下に曝露した後、曝露前、及び曝露後の白色成形体表面の反射率を測定し、次の式によって反射率の低下幅を求めた。
恒温槽内温度:120℃
曝露時間:500hr
低下幅(%)=(曝露前の440nm波長光に対する反射率-曝露後の同波長光に対する反射率)
○:低下幅≦2.5% で、高温耐熱性が特に優れている。
△:2.5%<低下幅≦4% で、高温耐熱性が優れている。
×:低下幅>4% で、高温耐熱性が劣っている。
白色成形体の長期耐熱性の程度は、所定の高温雰囲気下に曝露した時の、白色成形体の反射率の低下幅によって評価を行った。
具体的には、85℃に温調した恒温槽内で、白色成形体を高温雰囲気下に曝露した後、曝露前、及び曝露後の白色成形体表面の反射率を測定し、次の式によって反射率の低下幅を求めた。
恒温槽内温度:85℃
曝露時間:1000hr(要最適化)
低下幅(%)=(曝露前の440nm波長光に対する反射率-曝露後の同波長光に対する反射率)
但し、△以上が実用レベルである。
○:低下幅≦0.8% で、耐熱性が特に優れている。
△:0.8%<低下幅≦1% で、耐熱性が優れている。
×:低下幅>1% で、耐熱性が劣っている。
(酸化チタンAの作製)
ハロゲン化チタンを気相酸化する、いわゆる塩素法プロセスにより酸化チタンを得、得られた酸化チタンの表面を、シリカ含有表面処理剤で表面処理してシリカ層を形成した後、アルミナ含有表面処理剤で表面処理してアルミナ層を形成した後、さらに、ジメチルシリコーンで表面処理して有機物層を形成し、酸化チタンA(平均一次粒径0.3μm)を得た。上述の方法で、シリカ、アルミナの被覆量(質量)を測定したところ、シリカ1.8質量、アルミナ1.3質量であった。
熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(ノバテックPP FY6HA:日本ポリプロ社製)のペレットと、酸化チタンとして酸化チタンAとの、60:40の質量割合の混合物を作製した。さらにこの混合物100質量部に対して、フェノール系安定剤として、フェノール系酸化防止剤A(3,9-ビス{2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)、その他添加剤としてリン系酸化防止剤A(ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト))およびヒンダードアミン系光安定剤A(テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート)とを、0.1質量部:0.1質量部:0.1質量部の割合で配合した後、230℃に加熱された二軸押出機を用いて溶融混練して、白色樹脂組成物1のペレット状コンパウンドを作製した。
上記の白色樹脂組成物1のコンパウンドを、230℃に加熱された押出機に供給し、溶融混練した後、単層用のTダイよりシート状に押出し、キャストロール上で冷却固化して厚み350μmのシート状中間成形体を得た。得られた中間成形体を3枚重ねた状態で、厚み1mmのスペーサーと共にポリイミド離型フィルムを敷いた鏡面仕上げSUS板間に挟んで200℃で加熱溶融プレスを行い、厚み1mmで60mm角サイズのプレート状の白色成形体1(表面光沢度80%)を作製した。得られた白色成形体について、耐光性の評価を行い、結果を表1に示した。
(樹脂組成物A-1の作製)
シクロオレフィン系樹脂A(TOPAS6013、ポリプラスチックス社製)のペレットと、シクロオレフィン系樹脂B(TOPAS8007、ポリプラスチックス社製)のペレットと、ポリプロピレン(ノバテックPP FY6HA:日本ポリプロ社製)のペレットとの、55:20:25の質量割合の混合物を作製した。さらにこの混合物100質量部に対して、フェノール系酸化防止剤Aと、リン系酸化防止剤Aとを、0.1質量部:0.1質量部の割合で配合した後、230℃に加熱された二軸押出機を用いて溶融混練して、樹脂組成物A-1のペレット状コンパウンドを作製した。
実施例1で作製した白色樹脂組成物1のコンパウンドと上記樹脂組成物A-1のコンパウンドを、それぞれ230℃に加熱された押出機A及びBに供給し、溶融混練した後、2種3層用のTダイに合流させ、補強層-1/白色成形体1/補強層-1の3層構成になるようにシート状に押出し、冷却固化してシート状の中間積層体を得た。得られた中間成形体を、130℃に温調したロール延伸機に通してMDに2.5倍延伸した後、表裏面の補強層-1を剥がして、厚み200μmのシート状の白色成形体2を得た。得られた白色成形体2について空隙率、及び変色防止性の評価を行い、結果を表2に示した。
(白色成形体3の作製)
実施例1で作製した白色樹脂組成物1のコンパウンドを、230℃に加熱された押出機に供給し、溶融混練した後、単層用のTダイよりシート状に押出し、キャストロール上で冷却固化して厚み200μmのシート状の白色成形体3を得た。得られた白色成形体3について高耐熱性の評価を行い、結果を表3に示した。
(白色積層体1の作製)
実施例1で作製した白色樹脂組成物1のコンパウンドと実施例2で作製した樹脂組成物A-1のコンパウンドを、それぞれ230℃に加熱された押出機A及びBに供給し、溶融混練した後、2種3層用のTダイに合流させ、補強層-1/白色成形体1/補強層-1の3層構成になるようにシート状に押出し、冷却固化してシート状の中間積層体を得た。得られた中間成形体を、130℃に温調したロール延伸機に通してMDに2倍延伸した後、さらに140℃に温調したテンター装置に通してTDに2倍延伸を行い、厚み200μm(白色成形体1:180μm、補強層:10μm、積層比が白色成形体1:補強層=9:1)のシート状の白色積層体1を得た。得られた白色積層体1について空隙率、及び長期耐熱性の評価を行い、結果を表4に示した。
なお、空隙率に関しては、補強層内部の空隙は無しとして、積層体全体の空隙率から白色成形体の空隙率を算出し、これを白色積層体1の空隙率(%)とした。
(酸化チタンBの作製)
ハロゲン化チタンを気相酸化する塩素法プロセスにより酸化チタンを得、得られた酸化チタンの表面を、シリカ含有表面処理剤で表面処理してシリカ層を形成した後、アルミナ含有表面処理剤で表面処理してアルミナ層を形成した後、さらに、ジメチルシリコーンで表面処理して有機物層を形成し、酸化チタンB(平均一次粒径0.25μm)を得た。上述の方法で、シリカ、アルミナの被覆量(質量)を測定したところ、シリカ1.7質量、アルミナ1.0質量であった。
実施例1の白色樹脂組成物1の作製において、酸化チタンとして酸化チタンBを用いた点を除いて、実施例1と同様にして、白色樹脂組成物2のペレット状コンパウンドを作製した。
実施例1の白色成形体1の作製において、白色樹脂組成物1のコンパウンドの代わりに白色樹脂組成物2のコンパウンドを用いた点を除いて、実施例1と同様にして白色成形体2(表面光沢度77%)を作製した。得られた白色成形体2について、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示した。
(酸化チタンCの作製)
ハロゲン化チタンを気相酸化する塩素法プロセスにより酸化チタンを得、得られた酸化チタンの表面を、アルミナ含有表面処理剤で表面処理してアルミナ層を形成した後、さらにジメチルシリコーンで表面処理して有機物層を形成し、酸化チタンC(平均一次粒径0.25μm)を得た。上述の方法で、シリカ、アルミナの被覆量(質量)を測定したところ、シリカ0質量、アルミナ1.1質量であった。
実施例1の白色樹脂組成物1の作製において、酸化チタンとして酸化チタンC)を用いた点を除いて、実施例1と同様にして、白色樹脂組成物3のペレット状コンパウンドを作製した。
実施例1の白色成形体1の作製において、白色樹脂組成物1のコンパウンドの代わりに白色樹脂組成物3のコンパウンドを用いた点を除いて、実施例1と同様にして白色成形体5(表面光沢度88%)を作製した。得られた白色成形体5について、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示した。
(白色樹脂組成物4の作製)
実施例1の白色樹脂組成物1の作製において、酸化チタンとして酸化チタンC(平均一次粒径0.25μm、シリカ1.0質量、アルミナ1.0質量)を用いた点を除いて、実施例1と同様にして、白色樹脂組成物4のペレット状コンパウンドを作製した。
実施例1の白色成形体1の作製において、白色樹脂組成物1のコンパウンドの代わりに白色樹脂組成物4のコンパウンドを用いた点を除いて、実施例1と同様にして白色成形体6を作製した。得られた白色成形体6(表面光沢度74%)について、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示した。
(酸化チタンDの作製)
ハロゲン化チタンを気相酸化する塩素法プロセスにより酸化チタンを得、得られた酸化チタンの表面を、シリカ含有表面処理剤で表面処理してシリカ層を形成した後、アルミナ含有表面処理剤で表面処理してアルミナ層を形成した後、さらに、ジメチルシリコーンで表面処理して有機物層を形成し、酸化チタンD(平均一次粒径0.25μm)を得た。上述の方法で、シリカ、アルミナの被覆量(質量)を測定したところ、シリカ0.2質量、アルミナ0.7質量であった。
実施例1の白色樹脂組成物1の作製において、酸化チタンとして酸化チタンD(平均一次粒径0.25μm、シリカ0.2質量、アルミナ0.7質量)を用いた点を除いて、実施例1と同様にして、白色樹脂組成物5のペレット状コンパウンドを作製した。
実施例1の白色成形体1の作製において、白色樹脂組成物1のコンパウンドの代わりに白色樹脂組成物5のコンパウンドを用いた点を除いて、実施例1と同様にして白色成形体7(表面光沢度91%)を作製した。得られた白色成形体7について、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示した。
った。
(白色成形体8の作製)
実施例2の白色成形体2の作製において、白色樹脂組成物1のコンパウンドの代わりに白色樹脂組成物5のコンパウンドを用いた点を除いて、実施例2と同様にして白色成形体8を作製した。得られた白色成形体8について、実施例2と同様に空隙率及び変色防止性の評価を行い、結果を表2に示した。
(白色成形体9の作製)
実施例3の白色成形体3の作製において、白色樹脂組成物1のコンパウンドの代わりに白色樹脂組成物3のコンパウンドを用いた点を除いて、実施例3と同様にして白色成形体9を作製した。得られた白色成形体9について、実施例3と同様に高耐熱性の評価を行い、結果を表3に示した。
(白色積層体2の作製)
実施例4の白色積層体1の作製において、白色樹脂組成物1のコンパウンドの代わりに白色樹脂組成物5のコンパウンドを用いた点を除いて、実施例4と同様にして白色積層体2を作製した。得られた白色積層体2について、実施例4と同様に空隙率、及び長期耐熱性の評価を行い、結果を表4に示した。
中でも、実施例1及び5の内部に空隙を含有しない白色成形体において、酸化チタン表面で生じる光触媒作用の影響も含めて、それと接する熱可塑性樹脂の劣化が抑制されて、光沢度の低下を抑止できることから、優れた耐光性を備えた白色樹脂組成物であることが分かった。
また、実施例2の内部に空隙を含有する白色成形体においても、その空隙内部に存在する酸素による酸化作用の影響も含めて、熱可塑性樹脂およびフェノール系安定剤の劣化が抑制されて、色調の変化を抑止できることから、優れた変色防止性を備えた白色樹脂組成物であることが分かった。
一方、比較例1~6の白色樹脂組成物からなる白色成形体、及び白色積層体では、耐光性、変色防止性、高温耐熱性、及び長期耐熱性に劣り、実用レベルに達していないことが分かった。
Claims (10)
- 熱可塑性樹脂と、酸化チタンと、フェノール系酸化防止剤と、リン系酸化防止剤又は硫黄系酸化防止剤とを含有してなる白色樹脂組成物であって、前記酸化チタンは、その表面に、シリカを含有するシリカ層と、アルミナを含有するアルミナ層とを備え、且つ、前記シリカ層に含有されるシリカ及び前記アルミナ層に含有されるアルミナの含有量が、酸化チタンの全体質量を100質量とした時に、それぞれ以下の範囲で含有されることを特徴とする白色樹脂組成物。
シリカの含有量:1を超えて4.5質量以下
アルミナの含有量:1~2.5質量
アルミナの含有量<シリカの含有量 - 前記酸化チタンは、平均一次粒子径が0.1~1μmであることを特徴とする請求項1に記載の白色樹脂組成物。
- 前記酸化チタンは、粒子表面から外側に向かって、シリカ層、アルミナ層の順に積層してなる構成を備えた酸化チタンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の白色樹脂組成物。
- 前記酸化チタンは、粒子表面から外側に向かって、シリカ層、アルミナ層、有機化合物層の順に積層してなる構成を備えた酸化チタンであることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の白色樹脂組成物。
- 前記酸化チタンにおいて、アルミナの含有量に対するシリカの含有量の比率が1.1~1.9であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の白色樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の白色樹脂組成物。
- 請求項1~6の何れかに記載の白色樹脂組成物を有する白色成形体。
- 成形体内部に空隙を含有することを特徴とする請求項7に記載の白色成形体。
- 請求項1~6の何れかに記載の白色樹脂組成物を製膜した後、一軸又は二軸方向に延伸し、成形体内部に空隙を形成することを特徴とする白色成形体の製造方法。
- 請求項7又は8に記載の白色成形体の表裏片側又は両側に、補強層を備えた白色積層成形体。
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