JP7073671B2 - Crank shaft - Google Patents
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Description
本発明は、自動車、自動二輪車、農業機械又は船舶等のレシプロエンジンに搭載されるクランク軸に関する。 The present invention relates to a crank shaft mounted on a reciprocating engine of an automobile, a motorcycle, an agricultural machine, a ship, or the like.
レシプロエンジンはクランク軸を必要とする。シリンダ(気筒)内でのピストンの往復運動を回転運動に変換することによって動力を取り出すためである。通常、自動車等には多気筒エンジンが用いられる。 Reciprocating engines require a crank axle. This is to extract power by converting the reciprocating motion of the piston in the cylinder (cylinder) into rotary motion. Usually, a multi-cylinder engine is used for automobiles and the like.
図1及び図2は、一般的なクランク軸の一例を示す側面図である。図1及び図2に示すクランク軸1は、4気筒エンジンに搭載されるものである。クランク軸1は、5つのジャーナル部J1~J5、4つのピン部P1~P4、フロント部Fr、フランジ部Fl、及び8つのクランクアーム部(以下、単に「アーム部」ともいう)A1~A8を備える。8つのアーム部A1~A8は、各々が対応するジャーナル部J1~J5とピン部P1~P4をつなぐ。
1 and 2 are side views showing an example of a general crank shaft. The
図1に示すクランク軸1では、8つの全てのアーム部A1~A8がカウンターウエイト部(以下、単に「ウエイト部」ともいう)W1~W8を一体で有する。このクランク軸1は4気筒-8カウンターウエイトのクランク軸と称される。
In the
以下では、ジャーナル部J1~J5、ピン部P1~P4、アーム部A1~A8及びウエイト部W1~W8のそれぞれを総称するとき、その符号は、ジャーナル部で「J」、ピン部で「P」、アーム部で「A」、ウエイト部で「W」とも記す。 In the following, when the journal parts J1 to J5, the pin parts P1 to P4, the arm parts A1 to A8, and the weight parts W1 to W8 are collectively referred to, the reference numerals are "J" for the journal part and "P" for the pin part. , "A" in the arm part and "W" in the weight part.
図2に示すクランク軸1では、8つのアーム部Aのうち、先頭の第1アーム部A1、最後尾の第8アーム部A8、及び中央の2つのアーム部A(第4アーム部A4及び第5アーム部A5)がウエイト部Wを一体で有する。残りの第2、3、6及び7アーム部A2、A3、A6及びA7はウエイト部を有しない。このクランク軸1は4気筒-4カウンターウエイトのクランク軸と称される。
In the
ジャーナル部J、フロント部Fr及びフランジ部Flは、クランク軸1の回転中心と同軸上に配置される。各ピン部Pは、クランク軸1の回転中心からピストンストロークの半分の距離だけ偏心して配置される。ジャーナル部Jは、すべり軸受けによってエンジンブロックに支持され、回転中心軸となる。各ピン部Pはすべり軸受けによってコネクティングロッド(以下、「コンロッド」ともいう)の大端部に連結され、ピストンがそのコンロッドの小端部に連結される。フロント部Frには、タイミングベルト、ファンベルト等を駆動するためのプーリ(図示省略)が取り付けられる。フランジ部Flには、フライホイール(図示省略)が取り付けられる。
The journal portion J, the front portion Fr, and the flange portion Fl are arranged coaxially with the rotation center of the
燃費の向上の観点から、クランク軸には軽量化が求められる。この要求に応える従来の技術が、例えば特開2000-320531号公報(特許文献1)に開示される。図3及び図4は、特許文献1に開示されたクランク軸におけるウエイト部付きアーム部を示す図である。これらの図のうち、図3は側面図であり、図4はピン部側から見たときの正面図である。図3及び図4を参照し、ウエイト部W付きアーム部Aのうちでアーム部Aのピン部P側の表面に、肉抜き部100が形成されている。肉抜き部100はアーム部Aの幅方向の全域に形成され、アーム部Aの2つの側部Aaに広がっている。肉抜き部100によってアーム部Aの重量が減少する。これにより、クランク軸の軽量化が図られる。
From the viewpoint of improving fuel efficiency, the crank shaft is required to be lighter. A conventional technique for meeting this requirement is disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-320531 (Patent Document 1). 3 and 4 are views showing an arm portion with a weight portion in the crank shaft disclosed in
近年、クランク軸の軽量化に対する要求はますます強くなっている。しかしながら、この要求に応えるために、ウエイト部付きアーム部に形成される肉抜き部をアーム部の領域内で単に拡大すれば、アーム部の支持剛性が低下するおそれがある。アーム部の支持剛性が低下した場合、クランク軸が弾性変形し易くなることから、ジャーナル部がすべり軸受けに焼き付くかもしれないし、かえって燃費が悪化するかもしれない。また、振動特性が悪化する可能性もある。要するに、クランク軸の基本性能が損なわれかねない。 In recent years, there has been an increasing demand for weight reduction of crank shafts. However, in order to meet this demand, if the lightening portion formed in the arm portion with the weight portion is simply expanded in the region of the arm portion, the support rigidity of the arm portion may decrease. If the support rigidity of the arm portion is reduced, the crank shaft is likely to be elastically deformed, so that the journal portion may seize on the slide bearing, and the fuel efficiency may be deteriorated. In addition, the vibration characteristics may deteriorate. In short, the basic performance of the crank shaft may be impaired.
本発明の1つの目的は、基本性能を維持しつつ、軽量化を実現できるクランク軸を提供することである。 One object of the present invention is to provide a crank shaft capable of achieving weight reduction while maintaining basic performance.
本発明の実施形態によるクランク軸は、複数のジャーナル部と、複数のジャーナルに対して偏心した複数のピン部と、各々が対応するジャーナル部とピン部をつなぐ複数のクランクアーム部と、を備える。クランクアーム部の1つ又は1つ以上はカウンターウエイト部を一体で有する。カウンターウエイト部を有するクランクアーム部の少なくとも1つは、カウンターウエイト部のピン部側の表面に形成され、各々が対応するカウンターウエイト部の2つの側部に広がる2つの肉抜き部と、2つの肉抜き部と隣接し、クランクアーム部の中心線に沿って設けられるリブ部と、を備える。 The crank shaft according to the embodiment of the present invention includes a plurality of journal portions, a plurality of pin portions eccentric with respect to the plurality of journals, and a plurality of crank arm portions connecting the journal portions and the pin portions corresponding to each. .. One or more of the crank arm portions have a counterweight portion integrally. At least one of the crank arm portions having the counterweight portion is formed on the surface of the counterweight portion on the pin portion side, and has two lightening portions and two lightening portions, each of which extends to two side portions of the corresponding counterweight portion. It is provided with a rib portion adjacent to the lightening portion and provided along the center line of the crank arm portion.
本発明の実施形態によるクランク軸は、2つの肉抜き部及びリブ部がカウンターウエイト部に形成されるため、基本性能を維持しつつ、軽量化を実現できる。 Since the crank shaft according to the embodiment of the present invention has two lightening portions and rib portions formed in the counterweight portion, it is possible to realize weight reduction while maintaining basic performance.
上記の課題を解決するために、本発明者らは、ウエイト部付きアーム部に形成される肉抜き部の形態に着目し、鋭意検討を重ねた。その結果下記の知見を得た。 In order to solve the above-mentioned problems, the present inventors have focused on the form of the lightening portion formed in the arm portion with the weight portion, and have made extensive studies. As a result, the following findings were obtained.
[検討ステップ1]
ステップ1では、前記図3及び図4に示すウエイト部W付きアーム部Aに形成される肉抜き部100を、アーム部Aの領域内で拡大するのではなくて、ウエイト部Wの領域に拡大する形態を検討した。この検討はFEM解析によって行った。
[Examination step 1]
In
図5~図9は、検討ステップ1で想定したクランク軸を示す図である。これらの図のうち、図5はそのクランク軸の斜視図であり、図6はそのクランク軸の側面図である。図7はそのクランク軸におけるウエイト部付きアーム部の側面図であり、図8はそのウエイト部付きアーム部の斜視図であり、図9は図7の線IX-IXにおけるウエイト部付きアーム部の断面図である。なお、図9に示される図7の線IX-IXにおける断面は、アーム部の中心線に垂直な断面のうち、肉抜き部110が形成された領域におけるウエイト部Wの最小幅の位置での断面である。本明細書において、アーム部Aの中心線は、ジャーナル部Jの軸心Jcとピン部Pの軸心Pcを含む面に含まれる直線であって、ジャーナル部Jの軸心Jcに垂直な直線を意味する。
5 to 9 are diagrams showing the crank shaft assumed in the
図5~図9を参照し、検討ステップ1で想定したクランク軸1の解析モデルでは、ウエイト部W付きアーム部Aのうちでウエイト部Wのピン部P側の表面に、肉抜き部110が形成されている。肉抜き部110はウエイト部Wの幅方向の全域に形成され、ウエイト部Wの2つの側部Waに広がっている。また、肉抜き部110はアーム部Aのピン部P側の表面にも広がり、アーム部Aの2つの側部Aaにも広がっている。
In the analysis model of the
図7を参照し、肉抜き部110を備えるウエイト部W付きアーム部Aを側面から見たとき、ジャーナル部Jの外周とアーム部Aとの交点のうちでウエイト部Wに最も近い点JBの位置L1が、アーム部Aとウエイト部Wの境界となる。つまり、点JBの位置L1からピン部P側の部分がアーム部Aとなり、点JBの位置L1からピン部P側とは反対側の部分がウエイト部Wとなる。なお、図5、図6、図7及び図9には、実態に即して、ジャーナル部Jとアーム部Aとの間にジャーナルスラストが描かれている。エンジン内では、ジャーナルスラストとすべり軸受けとの接触によって、ジャーナル部Jの軸方向移動が制限される。
With reference to FIG. 7, when the arm portion A with the weight portion W provided with the lightening
このような条件のもとで、図6及び図7を参照し、肉抜き部110を備えるウエイト部W付きアーム部Aを側面から見たとき、肉抜き部110におけるピン部P側とは反対側の端(以下、「第1端」ともいう)110aは、点JBの位置L1よりもピン部P側とは反対側寄りの位置に、すなわちウエイト部W寄りの位置に配置されている。その第1端110aは、ウエイト部Wの最大幅の位置L2よりもピン部P寄りの位置に配置されている。一方、肉抜き部110のピン部P側の端(以下、「第2端」ともいう)110bは、点JBの位置L1よりもピン部P寄りの位置に配置されている。より具体的には、その第2端110bは、ジャーナル部Jの軸心Jcの位置L3よりもピン部P寄りの位置に配置されている。
Under such conditions, with reference to FIGS. 6 and 7, when the arm portion A with the weight portion W provided with the lightening
検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aでは、肉抜き部110がウエイト部Wの領域に存在する。さらにその肉抜き部110がアーム部Aの領域にも広がる。ここで、ウエイト部Wの幅は比較的大きい。特に、ウエイト部Wの平面形状は概ね扇形であるため、ウエイト部Wの最大幅はアーム部Aの最大幅よりも遙かに大きい。そのため、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aの重量は、ウエイト部Wに存在する肉抜き部110によって大幅に減少する。また、ウエイト部Wの形状は、ウエイト部W付きアーム部Aの支持剛性にほとんど影響を及ぼさない。そのため、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aの支持剛性はほとんど低下しない。本明細書において、支持剛性とは、ピン部Pに荷重が負荷されたときのアーム部Aの変形抵抗を意味する。
In the arm portion A with the weight portion W in the
しかしながら、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aでは、肉抜き部110がウエイト部Wの幅方向の全域に形成されている。この場合、大きな軽量化を期待できる反面、ウエイト部W付きアーム部Aの固有振動数が大幅に低下する。固有振動数はウエイト部Wを含むアーム部Aの全体の剛性に比例するからである。
However, in the arm portion A with the weight portion W in the
検討ステップ1では、実際に、図5~図9に示すウエイト部W付きアーム部Aのモデルを用いて、その固有振動数を解析した。その結果、そのウエイト部W付きアーム部Aの固有振動数は、肉抜き部110が形成されていないウエイト部W付きアーム部Aの固有振動数と比較して、大幅に低下した。また、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aの場合、固有振動数の低下に伴って特異な振動モードが出現した。
In the
図10は、検討ステップ1のウエイト部付きアーム部に出現する振動モードの一例を示す斜視図である。図10を参照し、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aの場合、1次縦曲げモードの振動が主体的に発生する。1次縦曲げモードの振動では、アーム部Aの中心線を支点にして、ウエイト部Wの2つの端部が同位相で前後方向に振れる。ウエイト部Wの1次縦曲げモードの振動は、クランク軸の振動を引き起こす。したがって、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aを備えるクランク軸は、基本性能を維持できない。
FIG. 10 is a perspective view showing an example of a vibration mode appearing in the arm portion with a weight portion in the
[検討ステップ2]
ステップ2では、検討ステップ1のウエイト部付きアーム部の形態をベースにして、ウエイト部Wの1次縦曲げモードの振動を抑制する形態を検討した。この検討もFEM解析によって行った。
[Examination step 2]
In step 2, based on the form of the arm portion with the weight portion in the
図11~図15は、検討ステップ2で想定したクランク軸を示す図である。これらの図のうち、図11はそのクランク軸の斜視図であり、図12はそのクランク軸の側面図である。図13はそのクランク軸におけるウエイト部付きアーム部の側面図であり、図14はそのウエイト部付きアーム部の斜視図であり、図15は図13の線XV-XVにおけるウエイト部付きアーム部の断面図である。なお、図15に示される図13の線XV-XVにおける断面は、アーム部の中心線に垂直な断面のうち、肉抜き部10が形成された領域におけるウエイト部Wの最小幅Lの位置での断面である。
11 to 15 are diagrams showing the crank shaft assumed in the study step 2. Of these figures, FIG. 11 is a perspective view of the crank shaft, and FIG. 12 is a side view of the crank shaft. FIG. 13 is a side view of the arm portion with a weight portion on the crank shaft, FIG. 14 is a perspective view of the arm portion with a weight portion, and FIG. 15 is a perspective view of the arm portion with a weight portion in the line XV-XV of FIG. It is a cross-sectional view. In addition, the cross section in the line XV-XV of FIG. 13 shown in FIG. 15 is the position of the minimum width L of the weight portion W in the region where the lightening
図11~図15を参照し、検討ステップ2で想定したクランク軸1の解析モデルでは、ウエイト部W付きアーム部Aのうちでウエイト部Wのピン部P側の表面に、2つ肉抜き部10が形成されている。2つの肉抜き部10は、各々が対応するウエイト部Wの2つの側部Waに広がっている。また、2つの肉抜き部10は、アーム部Aのピン部P側の表面にも広がり、各々が対応するアーム部Aの2つの側部Aaにも広がっている。さらに、ウエイト部Wのピン部P側の表面に、アーム部Aの中心線に沿ってリブ部11が設けられている。リブ部11は2つの肉抜き部10と隣接している。また、リブ部11は、アーム部Aのピン部P側の表面にも延びている。リブ部11の幅Xはアーム部Aの中心線に沿って一定である(図15参照)。
In the analysis model of the
図12及び図13を参照し、肉抜き部10及びリブ部11を備えるウエイト部W付きアーム部Aを側面から見たとき、肉抜き部10における第1端(ピン部P側とは反対側の端)10aは、上記の点JBの位置L1よりもピン部P側とは反対側寄りの位置に配置されている。その第1端10aは、ウエイト部Wの最大幅の位置L2よりもピン部P寄りの位置に配置されている。一方、肉抜き部10の第2端(ピン部P側の端)10bは、上記の点JBの位置L1よりもピン部P寄りの位置に配置されている。より具体的には、その第2端10bは、ジャーナル部Jの軸心Jcの位置L3よりもピン部P寄りの位置に配置されている。
With reference to FIGS. 12 and 13, when the arm portion A with the weight portion W including the lightening
検討ステップ2のウエイト部W付きアーム部Aでは、2つの肉抜き部10がウエイト部Wの領域に存在する。さらにそれらの肉抜き部10がアーム部Aの領域にも存在する。ここで、ウエイト部Wの幅は比較的大きい。特に、ウエイト部Wの平面形状は概ね扇形であるため、ウエイト部Wの最大幅はアーム部Aの最大幅よりも遙かに大きい。そのため、検討ステップ2のウエイト部W付きアーム部Aの重量は、ウエイト部Wに存在する肉抜き部10よって大幅に減少する。また、ウエイト部Wの形状は、ウエイト部W付きアーム部Aの支持剛性にほとんど影響を及ぼさない。そのため、検討ステップ2のウエイト部W付きアーム部Aの支持剛性はほとんど低下しない。
In the arm portion A with the weight portion W in the study step 2, two lightening
さらに、検討ステップ2のウエイト部W付きアーム部Aでは、肉抜き部10が形成された領域に、リブ部11が存在する。この場合、上記した検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aと比較して、ウエイト部W付きアーム部Aの剛性が増加するため、ウエイト部W付きアーム部Aの固有振動数が増加する。そのため、ウエイト部Wの1次縦曲げモードの振動が抑制される。これにより、クランク軸の振動も抑制される。したがって、検討ステップ2のウエイト部W付きアーム部Aを備えるクランク軸は、基本性能を維持しつつ、軽量化を実現できる。
Further, in the arm portion A with the weight portion W in the examination step 2, the
検討ステップ2では、実際に、図11~図15に示すウエイト部W付きアーム部Aのモデルを用いて、その固有振動数を解析した。その際、リブ部11の幅Xを種々変更した。リブ部11の幅Xごとに、ウエイト部W付きアーム部Aの固有振動数f及びその質量mを得た。
In study step 2, the natural frequency thereof was actually analyzed using the model of the arm portion A with the weight portion W shown in FIGS. 11 to 15. At that time, the width X of the
図16は、検討ステップ2での解析結果をまとめたグラフである。図16の横軸は、肉抜き部10が形成された領域におけるウエイト部Wの最小幅Lに対するリブ部11の幅Xの割合X/Lを百分率(%)で示す。以下では、その割合X/Lをリブ幅割合X/Lともいう。横軸の左端(リブ幅割合X/L=0%)では、リブ部11の幅Xが0(ゼロ)であり、リブ部11がなくて、幅方向の全域に肉抜き部10が存在すること、を意味する。リブ幅割合X/Lが大きいほど、固有振動数f及び質量mは増加する。
FIG. 16 is a graph summarizing the analysis results in the study step 2. The horizontal axis of FIG. 16 indicates the ratio X / L of the width X of the
一方、図16の縦軸は、質量mに対する固有振動数fの比f/mを、リブ部11の幅Xが0であるときのf/mを基準(100%)とした比率(%)で示す。以下では、そのf/mの比率を振動数増加率f/mともいう。振動数増加率f/mが100%よりも大きければ、リブ部11がない場合と比較して、リブ部11の設置効果が高い。リブ部11の設置による固有振動数の増加度合いが、リブ部11の設置による重量の増加度合いよりも大きいからである。
On the other hand, the vertical axis of FIG. 16 is a ratio (%) of the ratio f / m of the natural frequency f to the mass m, with f / m when the width X of the
図16のグラフから次のことが示される。横軸に示されるリブ幅割合X/Lが48%以上であれば、縦軸に示される振動数増加率f/mは100%よりも大きい。そのため、リブ部11の設置効果を有効に得る観点から、リブ幅割合X/Lは48%以上であることが好ましい。より好ましくはリブ幅割合X/Lは50%以上である。さらにリブ幅割合X/Lが80%を超えても、振動数増加率f/mはほぼ同じである。そのため、重量の増加を抑える観点から、リブ幅割合X/Lは80%以下であることが好ましい。より好ましくはリブ幅割合X/Lは75%以下である。
The graph of FIG. 16 shows the following. When the rib width ratio X / L shown on the horizontal axis is 48% or more, the frequency increase rate f / m shown on the vertical axis is larger than 100%. Therefore, from the viewpoint of effectively obtaining the effect of installing the
本発明のクランク軸は、上記の知見に基づいて完成されたものである。 The crank shaft of the present invention has been completed based on the above findings.
本発明の実施形態によるクランク軸は、複数のジャーナル部と、複数のピン部と、複数のクランクアーム部と、を備える。複数のピン部は、複数のジャーナルに対して偏心する。複数のクランクアーム部は、各々が対応するジャーナル部とピン部をつなぐ。クランクアーム部の1つ又は1つ以上はカウンターウエイト部を一体で有する。カウンターウエイト部を有するクランクアーム部の少なくとも1つは、2つの肉抜き部と、リブ部と、を備える。2つの肉抜き部は、カウンターウエイト部のピン部側の表面に形成される。2つの肉抜き部は、各々が対応するカウンターウエイト部の2つの側部に広がる。リブ部は、2つの肉抜き部と隣接する。リブ部は、クランクアーム部の中心線に沿って設けられる。 The crank shaft according to the embodiment of the present invention includes a plurality of journal portions, a plurality of pin portions, and a plurality of crank arm portions. Multiple pins are eccentric to multiple journals. The plurality of crank arm portions connect the journal portion and the pin portion corresponding to each. One or more of the crank arm portions have a counterweight portion integrally. At least one of the crank arm portions having a counterweight portion includes two lightening portions and a rib portion. The two lightening portions are formed on the surface of the counterweight portion on the pin portion side. The two lightening portions extend to the two sides of the corresponding counterweight portions. The rib portion is adjacent to the two lightening portions. The rib portion is provided along the center line of the crank arm portion.
本実施形態によるクランク軸では、2つの肉抜き部及びリブ部がウエイト部に形成される。ウエイト部の幅は比較的大きい。また、ウエイト部の形状は、ウエイト部付きアーム部の支持剛性にほとんど影響を及ぼさない。これに対し、仮に肉抜き部がウエイト部の幅方向の全域に形成された場合、ウエイト部付きアーム部の固有振動数が低下するため、ウエイト部が特異な振動を起こすかもしれない。ウエイト部の振動は、クランク軸の振動を引き起こす。これに対し、ウエイト部にリブ部を設けることによって、ウエイト部付きアーム部の固有振動数が増加する。そのため、ウエイト部の特異な振動が抑制される。これにより、クランク軸の振動も抑制される。したがって、本実施形態によるクランク軸は、基本性能を維持しつつ、軽量化を実現できる。 In the crank shaft according to the present embodiment, two lightening portions and rib portions are formed in the weight portion. The width of the weight portion is relatively large. Further, the shape of the weight portion has almost no effect on the support rigidity of the arm portion with the weight portion. On the other hand, if the lightening portion is formed in the entire width direction of the weight portion, the natural frequency of the arm portion with the weight portion decreases, so that the weight portion may cause peculiar vibration. The vibration of the weight portion causes the vibration of the crank shaft. On the other hand, by providing the rib portion in the weight portion, the natural frequency of the arm portion with the weight portion increases. Therefore, the peculiar vibration of the weight portion is suppressed. As a result, the vibration of the crank shaft is also suppressed. Therefore, the crank shaft according to the present embodiment can be reduced in weight while maintaining the basic performance.
典型的な例では、本実施形態のクランク軸は、4気筒-8カウンターウエイトのクランク軸、又は4気筒-4カウンターウエイトのクランク軸である。ただし、本実施形態のクランク軸はこのタイプに限定されない。例えば、本実施形態のクランク軸は、3気筒エンジン用のクランク軸であってもよいし、直列6気筒エンジン用のクランク軸であってもよい。 In a typical example, the crank shaft of the present embodiment is a 4-cylinder-8 counterweight crank shaft or a 4-cylinder-4 counterweight crank shaft. However, the crank shaft of this embodiment is not limited to this type. For example, the crank shaft of the present embodiment may be a crank shaft for a 3-cylinder engine or a crank shaft for an in-line 6-cylinder engine.
肉抜き部及びリブ部が形成されるウエイト部付きアーム部の数は、特に限定されない。クランク軸が複数のウエイト部付きアーム部を有する場合、1つのウエイト部付きアーム部に肉抜き部及びリブ部が形成されてもよいし、1つ以上のウエイト部付きアーム部に肉抜き部及びリブ部が形成されてもよいし、全てのウエイト部付きアーム部に肉抜き部及びリブ部が形成されてもよい。クランク軸の重量を最大限に低減する観点から、全てのウエイト部付きアーム部に肉抜き部及びリブ部が形成されることが好ましい。 The number of arm portions with weight portions on which the lightening portion and the rib portion are formed is not particularly limited. When the crank shaft has a plurality of arm portions with weight portions, a lightening portion and a rib portion may be formed on one arm portion with weight portions, or a lightening portion and a lightening portion and a rib portion may be formed on one or more arm portions with weight portions. The rib portion may be formed, or the lightening portion and the rib portion may be formed on all the arm portions with weight portions. From the viewpoint of maximally reducing the weight of the crank shaft, it is preferable that the lightening portion and the rib portion are formed on all the arm portions with weight portions.
典型的な例では、ウエイト部付きウエイト部の形状は、アーム部の中心線に対して対称である。2つの肉抜き部の形状もアーム部の中心線に対して対称である。ただし、2つの肉抜き部の形状は、アーム部の中心線に対して非対称であってもよい。ウエイト部付きウエイト部の形状もアーム部の中心線に対して非対称であってよい。リブ部の幅はアーム部の中心線に沿って一定であってもよいし、一定でなくてもよい。 In a typical example, the shape of the weight portion with the weight portion is symmetrical with respect to the center line of the arm portion. The shapes of the two lightening portions are also symmetrical with respect to the center line of the arm portion. However, the shapes of the two lightening portions may be asymmetric with respect to the center line of the arm portion. The shape of the weight portion with the weight portion may also be asymmetric with respect to the center line of the arm portion. The width of the rib portion may or may not be constant along the center line of the arm portion.
肉抜き部及びリブ部は、ウエイト部及びアーム部のうちのウエイト部のみに形成されてもよいし、ウエイト部及びアーム部の両方に形成されてもよい。ウエイト部付きアーム部の重量を最大限に低減する観点から、ウエイト部及びアーム部の両方に肉抜き部及びリブ部が形成されることが好ましい。 The lightening portion and the rib portion may be formed only on the weight portion of the weight portion and the arm portion, or may be formed on both the weight portion and the arm portion. From the viewpoint of maximally reducing the weight of the arm portion with the weight portion, it is preferable that the lightening portion and the rib portion are formed on both the weight portion and the arm portion.
本実施形態のクランク軸において、肉抜き部及びリブ部を備えるクランクアーム部を側面から見たとき、肉抜き部におけるピン部側とは反対側の端(第1端)は、ウエイト部の最大幅の位置よりもピン部寄りの位置に配置される、ことが好ましい。この場合、ウエイト部において、クランク軸の回転中心(ジャーナル部の軸心)から遠い部分の重量が確保される。そのため、ウエイト部の本来の機能が失われない。 In the crank shaft of the present embodiment, when the crank arm portion including the lightening portion and the rib portion is viewed from the side surface, the end (first end) of the lightening portion opposite to the pin portion side is the most of the weight portion. It is preferable that the position is closer to the pin portion than the significant position. In this case, in the weight portion, the weight of the portion far from the rotation center of the crank shaft (the axis of the journal portion) is secured. Therefore, the original function of the weight portion is not lost.
本実施形態のクランク軸において、肉抜き部及びリブ部を備えるクランクアーム部を側面から見たとき、肉抜き部におけるピン部側の端(第2端)は、ジャーナル部の軸心の位置よりもピン部寄りの位置に配置される、ことが好ましい。この場合、ウエイト部付きアーム部の重量をより低減できる。ただし、肉抜き部の第2端は、ジャーナル部の軸心の位置よりもウエイト部寄りの位置に配置されてもよい。 In the crank shaft of the present embodiment, when the crank arm portion including the lightening portion and the rib portion is viewed from the side surface, the end (second end) on the pin portion side of the lightening portion is from the position of the axis of the journal portion. Is also preferably arranged at a position closer to the pin portion. In this case, the weight of the arm portion with the weight portion can be further reduced. However, the second end of the lightening portion may be arranged at a position closer to the weight portion than the position of the axial center of the journal portion.
本実施形態のクランク軸において、肉抜き部が形成された領域におけるカウンターウエイト部の最小幅Lに対するリブ部の幅Xの割合が48%~80%である、ことが好ましい。この場合、重量の増加を最大限に抑えつつ、リブ部の設置効果を有効に得ることができる。 In the crank shaft of the present embodiment, the ratio of the width X of the rib portion to the minimum width L of the counterweight portion in the region where the lightening portion is formed is preferably 48% to 80%. In this case, the effect of installing the rib portion can be effectively obtained while suppressing the increase in weight to the maximum.
以下に、図面を参照しながら、本実施形態のクランク軸の具体例を説明する。 Hereinafter, a specific example of the crank shaft of the present embodiment will be described with reference to the drawings.
図17及び図18は、本実施形態のクランク軸におけるウエイト部付きアーム部を示す図である。これらの図のうち、図17は側面図であり、図18はピン部側から見たときの正面図である。図17及び図18に示すウエイト部W付きアーム部Aは、例えば4気筒-8カウンターウエイトのクランク軸が備える8つのウエイト部付きアーム部の全てに適用される。 17 and 18 are views showing an arm portion with a weight portion in the crank shaft of the present embodiment. Of these views, FIG. 17 is a side view, and FIG. 18 is a front view when viewed from the pin portion side. The arm portion A with a weight portion W shown in FIGS. 17 and 18 is applied to all of the eight arm portions with a weight portion included in the crank shaft of, for example, a 4-cylinder-8 counterweight.
図17及び図18を参照し、ウエイト部W付きアーム部Aは、アーム部Aの中心線Acに対して対称である。ウエイト部W及びアーム部Aの両方のピン部P側の表面に、2つ肉抜き部10が形成されている。2つの肉抜き部10は、各々が対応するウエイト部Wの2つの側部Wa及びアーム部Aの2つの側部Aaに広がっている。2つの肉抜き部10の形状はアーム部Aの中心線Acに対して対称である。
With reference to FIGS. 17 and 18, the arm portion A with the weight portion W is symmetrical with respect to the center line Ac of the arm portion A. Two lightening
さらに、ウエイト部W及びアーム部Aの両方のピン部P側の表面に、アーム部Aの中心線Acに沿ってリブ部11が設けられている。リブ部11は2つの肉抜き部10と隣接している。リブ部11の幅Xはアーム部Aの中心線Acに沿って一定である。上記のリブ幅割合X/Lは50%である。
Further, a
本実施形態のクランク軸では、ウエイト部W付きアーム部Aのうちのウエイト部W及びアーム部Aの両方に2つ肉抜き部及びリブ部が形成される。そのため、ウエイト部W付きアーム部Aの剛性及びその固有振動数を確保しつつ、ウエイト部W付きアーム部Aの重量を減少できる。その結果、本実施形態のクランク軸は、基本性能を維持しつつ、軽量化を実現できる。 In the crank shaft of the present embodiment, two lightening portions and rib portions are formed on both the weight portion W and the arm portion A of the arm portion A with the weight portion W. Therefore, the weight of the arm portion A with the weight portion W can be reduced while ensuring the rigidity of the arm portion A with the weight portion W and its natural frequency. As a result, the crank shaft of the present embodiment can be reduced in weight while maintaining the basic performance.
その他、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。 In addition, the present invention is not limited to the above-described embodiment, and it goes without saying that various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention.
本発明は、あらゆるレシプロエンジンに搭載されるクランク軸に有効に利用できる。 The present invention can be effectively used for a crank shaft mounted on any reciprocating engine.
J、J1~J5 ジャーナル部
Jc ジャーナル部の軸心
P、P1~P4 ピン部
Pc ピン部の軸心
A、A1~A8 クランクアーム部
Aa クランクアーム部の側部
Ac アーム部の中心線
W、W1~W8 カウンターウエイト部
Wa カウンターウエイト部の側部
10 肉抜き部
10a 肉抜き部の第1端
10b 肉抜き部の第2端
11 リブ部
J, J1 to J5 Journal part Jc Journal part axis P, P1 to P4 Pin part Pc Pin part axis A, A1 to A8 Crank arm part Aa Crank arm part side part Ac Arm part center line W, W1 ~ W8 Counterweight part Wa Counterweight
Claims (3)
前記クランクアーム部の1つ又は1つ以上はカウンターウエイト部を一体で有し、
前記カウンターウエイト部を有する前記クランクアーム部の少なくとも1つは、
前記カウンターウエイト部の前記ピン部側の表面に形成され、各々が対応する前記カウンターウエイト部の2つの側部に広がる2つの肉抜き部と、
前記2つの肉抜き部と隣接し、前記クランクアーム部の中心線に沿って設けられるリブ部と、を備え、
前記リブ部の幅は前記クランクアーム部の中心線に沿って一定であり、
前記肉抜き部及び前記リブ部を備える前記クランクアーム部を側面から見たとき、前記肉抜き部における前記ピン部側とは反対側の端は、前記ジャーナル部の外周と前記クランクアーム部との交点のうちで前記カウンターウエイト部に最も近い点の位置よりも前記カウンターウエイト部寄りの位置に配置され、
前記肉抜き部が形成された領域における前記カウンターウエイト部の最小幅Lに対する前記リブ部の幅Xの割合が48%~80%である、クランク軸。 A crank shaft including a plurality of journal portions, a plurality of pin portions eccentric to the plurality of journals, and a plurality of crank arm portions connecting the journal portion and the pin portion corresponding to each of the journal portions.
One or more of the crank arm portions has a counterweight portion integrally.
At least one of the crank arm portions having the counterweight portion is
Two lightening portions formed on the surface of the counterweight portion on the pin portion side and each extending to two side portions of the corresponding counterweight portion.
It is provided with a rib portion adjacent to the two lightening portions and provided along the center line of the crank arm portion.
The width of the rib portion is constant along the center line of the crank arm portion.
When the crank arm portion including the lightening portion and the rib portion is viewed from the side surface, the end of the lightening portion on the side opposite to the pin portion side is the outer circumference of the journal portion and the crank arm portion. It is arranged at a position closer to the counterweight portion than the position of the point closest to the counterweight portion among the intersections.
A crank shaft in which the ratio of the width X of the rib portion to the minimum width L of the counterweight portion in the region where the lightening portion is formed is 48% to 80% .
前記肉抜き部及び前記リブ部を備える前記クランクアーム部を側面から見たとき、
前記肉抜き部における前記ピン部側とは反対側の前記端は、前記カウンターウエイト部の最大幅の位置よりも前記ピン部寄りの位置に配置される、クランク軸。 The crank shaft according to claim 1.
When the crank arm portion including the lightening portion and the rib portion is viewed from the side surface,
The end of the lightening portion opposite to the pin portion side is a crank shaft arranged at a position closer to the pin portion than the position of the maximum width of the counterweight portion.
前記肉抜き部及び前記リブ部を備える前記クランクアーム部を側面から見たとき、
前記肉抜き部における前記ピン部側の端は、前記ジャーナル部の軸心の位置よりも前記ピン部寄りの位置に配置される、クランク軸。 The crank shaft according to claim 1 or 2.
When the crank arm portion including the lightening portion and the rib portion is viewed from the side surface,
The end of the lightening portion on the pin portion side is a crank shaft arranged at a position closer to the pin portion than the position of the axial center of the journal portion.
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