JP7068153B2 - タービン部品の補修方法および補修されたタービン部品の製造方法 - Google Patents
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Description
下記に溶接補修またはろう付けによる手法の公知例を示す。
このことから、補修作業の手間や時間、コストがかかりがちであった。
タービン部品の補修が必要な箇所に、コールドスプレーで補修材を付着させる工程と、 この付着された補修材の表面に、多孔質構造を有している吸収層をコールドスプレーを用いて形成する工程と、
前記の補修材を、この補修材を構成するろう材の溶融温度以上の温度に加熱し、拡散熱処理を行なう工程と、
前記の拡散熱処理におけるろう材の溶融温度以上の温度への加熱により液化したろう材を、固化させる工程と、
前記吸収層を除去する工程と、
を含んでなること、を特徴とするものである。
タービン部品の補修が必要な箇所に、コールドスプレーで補修材を付着させる工程と、 この付着された補修材の表面に、多孔質構造を有している吸収層をコールドスプレーを用いて形成する工程と、
前記の補修材を、この補修材を構成するろう材の溶融温度以上の温度に加熱し、拡散熱処理を行なう工程と、
前記の拡散熱処理におけるろう材の溶融温度以上の温度への加熱により液化したろう材を、固化させる工程と、
前記吸収層を除去する工程と、
を含んでなること、を特徴とするものである。
そして、補修材をコールドスプレーを用いて付着させているので、補修必要箇所が水平でなくても、補修材を効率的かつ確実に付着保持させることが出来る。
したがって、本発明の実施形態によるタービン部品の補修方法によれば、高品質の補修を、効率的かつ安価に、実施することができる。
本発明の実施形態によるタービン部品の補修方法は、
タービン部品の補修が必要な箇所に、コールドスプレーで補修材を付着させる工程と、 この付着された補修材の表面に、多孔質構造を有している吸収層をコールドスプレーを用いて形成する工程と、
前記の補修材を、この補修材を構成するろう材の溶融温度以上の温度に加熱し、拡散熱処理を行なって、補修を行う工程と、
前記の拡散熱処理におけるろう材の溶融温度以上の温度への加熱により液化したろう材を、固化させる工程と、
前記吸収層を除去する工程と、
を含んでなること、を特徴とする。
図1は、タービン部品の一具体例として、ガスタービンの静翼について示している。図1Aに示されるガスタービンの静翼1は、運転に使用されて、翼面2に、補修が必要な箇所3として、き裂30および減肉部31が生じたガスタービンの静翼1である。
本発明の実施形態によるタービン部品の補修方法は、運転に使用された各種のタービン部品、好ましくは、例えば、ガスタービンの静翼、動翼、燃焼器ライナ、トランジションピース、シュラウドセグメントおよび圧縮機を補修する際に適用することができる。特に、ガスタービン静翼の翼部、インナーウォール部あるいはアウターウォール部に生じた一個または複数個の損傷(例えば、き裂や、破断、あるいは摩耗ないし減肉領域)を補修する際に、適用することができる。
本発明の実施形態によるタービン部品の補修方法では、コールドスプレーで補修材を付着させる工程が行われる。例えば、好ましくは、図1に示されるように、コールドスプレーで、補修材をき裂30内に充填すること、あるいはタービン部品の使用によって生じた減肉(摩耗)部31を減肉(摩耗)する以前の形態に回復させるために、減肉領域に補修材を付着させて被覆することが行われる。ここで、本明細書において、「コールドスプレー」とは、「金属粉末を融点より低い温度の高速のガス流によって加速し、固相状態のまま基板に高速で衝突させ、主として基材および粒子の塑性変形によって金属粉末を付着させる技術」をいう。
本発明の実施形態によるタービン部品の補修方法では、上記の工程によって付着された補修材4’の表面に吸収層5’を形成する工程が行われる。
本発明の実施形態によるタービン部品の補修方法では、吸収層5’の形成後に、前記の補修材4’を、この補修材4’を構成するろう材4b’の溶融温度以上の温度に加熱し、拡散熱処理を行なう工程が行われる。
本発明の実施形態によるタービン部品の補修方法においては、上記の補修工程に先だって、必要に応じて、他の処理工程を実施することができる。そのような他の処理工程としては、例えば、洗浄処理、酸化ないし腐食物の除去処理、溶体化処理等を挙げることができる。ここで、酸化ないし腐食物の除去処理とは、具体的には、損傷を補修する前に、タービン部品の表面に存在している酸化物および腐食物を含む層を除去する処理工程である。この除去工程は、例えば、微粒子を吹き付けることからなるブラスト法、グラインダーによる研磨法等による機械的研磨や、還元性ガス(例えば水素ガスまたはフッ化水素)等による還元処理によって行うことができる。この除去処理工程を実施することによって、ろう材の流れ性や浸透性の向上、ろう付け強度や溶接強度等を向上させることができる。また、溶体化処理とは、具体的には、損傷を補修する前に、タービン部品の表面部を溶体化温度に加熱して、タービン部品を形成している金属組織の均一化ならびに改質を行うことができる。この溶体化処理を実施することによって、溶接性が改善されたものとすることができる。溶体化処理の処理温度は、好ましくは1150~1190℃、特に好ましくは1160~1180℃であり、処理時間は、好ましくは30~480分、特に好ましくは120~240分である。
本発明の実施形態による補修されたタービン部品の製造方法は、
タービン部品の補修が必要な箇所に、コールドスプレーで補修材を付着させる工程と、 この付着された補修材の表面に、多孔質構造を有しているコールドスプレーを用いて吸収層を形成する工程と、
前記の補修材を、この補修材を構成するろう材の溶融温度以上の温度に加熱し、拡散熱処理を行なって、補修を行う工程と、
前記の拡散熱処理におけるろう材の溶融温度以上の温度への加熱により液化したろう材を、固化させる工程と、
前記吸収層を除去する工程と、
を含んでなること、を特徴とする。
図2は、本実施形態による特に好ましい補修方法の流れを模式的に示している。
実施例1では、上記のき裂、減肉の補修を実機静翼と同じ材料を用いて実験室的にき裂を模擬した材料を用いて実験を行った。なお、実験室的な試験材を用いているため、図2に示された受入れ検査、酸化・腐食層の除去、吸収層の除去、出荷前検査は省略している。補修対象となるタービン部品は、下記表1に示されるCo基超合金FSX414からなるものである。
ここでは、実プラントで使用した静翼で表1に示す材料と同等であるCo基超合金のガスタービン第一段静翼を対象に実施した例を示す。ここでの補修方法は、図2に示される手順で行った。
以上の通り、本発明に係るガスタービン高温部品のき裂、減肉の拡散ろう付け補修方法およびその高温部品において、異なる方向のき裂、貫通したき裂でもろう付け補修材で充填され、補修材の流出がなく、母材とほぼ同等の高温強度が確認できた。また、拡散ろう付け処理を複数回に分けて実施する必要がなく、合理的な補修が達成できた。
Claims (7)
- タービン部品の補修が必要な箇所に、コールドスプレーで補修材を付着させる工程と、 この付着された補修材の表面に、多孔質構造を有している吸収層をコールドスプレーを用いて形成する工程と、
前記の補修材を、この補修材を構成するろう材の溶融温度以上の温度に加熱して、拡散熱処理を行なう工程と、
前記の拡散熱処理におけるろう材の溶融温度以上の温度への加熱により液化したろう材を、固化させる工程と、
前記吸収層を除去する工程と、
を含んでなることを特徴とする、タービン部品の補修方法。 - 前記の補修材は、前記の拡散熱処理の際に溶融するろう材と、前記の拡散熱処理の際に溶融しない粉末材料とを含んでなる、請求項1に記載のタービン部品の補修方法。
- 前記の拡散熱処理の際に溶融するろう材は、Ni基合金の粉末材料を含むものである、請求項2に記載のタービン部品の補修方法。
- 前記の拡散熱処理の際に溶融しない粉末材料は、Co基合金粉末材料、またはNi基合金粉末材料を含むものである、請求項2または3に記載のタービン部品の補修方法。
- 前記のタービン部品の補修が必要な箇所が、タービン部品の使用によって発生した、き裂もしくは貫通孔、あるいは摩耗によって生じた減肉領域である、請求項1~4のいずれか1項に記載のタービン部品の補修方法。
- 前記のタービン部品は、ガスタービンの静翼、動翼、燃焼器ライナ、トランジションピース、シュラウドセグメントおよび圧縮機から選ばれるものである、請求項1~5のいずれか1項に記載のタービン部品の補修方法。
- タービン部品の補修が必要な箇所に、コールドスプレーで補修材を付着させる工程と、 この付着された補修材の表面に、多孔質構造を有している吸収層をコールドスプレーを用いて形成する工程と、
前記の補修材を、この補修材を構成するろう材の溶融温度以上の温度に加熱し、拡散熱処理を行なう工程と、
前記の拡散熱処理におけるろう材の溶融温度以上の温度への加熱により液化したろう材を、固化させる工程と、
前記吸収層を除去する工程と、
を含んでなることを特徴とする、補修されたタービン部品の製造方法。
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