JP7067619B2 - 疲労抑制方法及び乗員支援装置 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態に係る乗員支援装置の構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る乗員支援装置による疲労抑制処理の手順を示すフローチャートである。
次に、負荷評価部20において実行する、乗員の身体的負荷の大きさの尺度となる評価値(以下、評価値)の算出方法については説明する。なお、負荷評価部20は、以下で例示されるような算出方法を、少なくとも一つを実行する。また、負荷評価部20は、複数の算出方法を実行するものであってもよい。
「第1算出方法」として、負荷評価部20は、車両の移動速度(前後方向、左右方向の移動速度、旋回速度)が大きいほど評価値を大きく算出する(すなわち、乗員の身体的負荷が大きいと評価する)。このように算出する理由は、車両の移動速度が大きいほど、乗員の視覚に入力される情報が増えることを考慮したからである。その結果、乗員は疲れやすくなることから、車両の移動速度が大きい状況は、乗員の身体的負荷が大きい状況であると考えられるためである。
「第2算出方法」として、負荷評価部20は、車両の前方もしくは側方の物体の移動速度が大きいほど、評価値を大きく算出する(すなわち、乗員の身体的負荷が大きいと評価する)。このように算出する理由は、車両の前方もしくは側方の物体の移動速度が大きいほど、乗員の視覚に入力される情報が増えることを考慮したからである。その結果、乗員は疲れやすくなることから、車両の前方もしくは側方の物体の移動速度が大きい状況は、乗員の身体的負荷が大きい状況であると考えられるためである。
「第3算出方法」として、負荷評価部20は、車両が走行している車線の車線幅が狭いほど、評価値を大きく算出する(すなわち、乗員の身体的負荷が大きいと評価する)。このように算出する理由は、車両が走行している車線の車線幅が狭いほど、乗員が単位時間当たりの処理すべき視覚情報が増加することを考慮したからである。特に、乗員が運転を行う場合には、乗員は隣接車線に対する警戒をする必要があるため、処理すべき視覚情報が増加する。その結果、乗員は疲れやすくなることから、車両が走行している車線の車線幅が狭い状況は、乗員の身体的負荷が大きい状況であると考えられるためである。
「第4算出方法」として、負荷評価部20は、車両の外部の明度が低いほど、評価値を大きく算出する(すなわち、乗員の身体的負荷が大きいと評価する)。このように算出する理由は、夜間など、車両の外部が暗い場合には、乗員の視覚に入力される情報量が減るため、車両を運転する乗員にとっては、より多くの視覚情報を得ようと注視するようになる傾向があることを考慮したからである。
「第5算出方法」として、負荷評価部20は、車両が走行している車線の路面の滑りやすさに基づいて、路面が滑りやすいほど、評価値を大きく算出する(すなわち、乗員の身体的負荷が大きいと評価する)。このように算出する理由は、路面が滑りやすいほど、乗員は車両の滑りに合わせて体勢を維持しようとし、三半規管などで体感する加速度や、平衡感覚、視覚情報をより多く取得しようとする傾向があることを考慮したからである。さらには、車両を運転する乗員にとっては、滑りやすい路面を走行する際には、安定した運転制御を保つために、三半規管などで体感する体感する加速度や、平衡感覚、視覚情報をより多く取得しようとする傾向があることを考慮したからである。
「第6算出方法」として、負荷評価部20は、車両の前後方向、上下方向、左右方向の少なくとも一つの加速度に基づいて、当該加速度が大きいほど、評価値を大きく算出する(すなわち、乗員の身体的負荷が大きいと評価する)。このように算出する理由は、悪路や曲がりくねった道路を走行する場合には、三半規管などで体感する加速度と車両の動きとの間で偏差などが生じやすく、乗員は車酔いしやすいことを考慮したからである。
「第7算出方法」として、負荷評価部20は、車両が備える車輪の転舵角の変化速度が大きいほど、評価値を大きく算出する(すなわち、乗員の身体的負荷が大きいと評価する)。このように算出する理由は、悪路や曲がりくねった道路を走行する場合などで車両が備える車輪の転舵角の変化速度が大きい場合には、三半規管などで体感する加速度と車両の動きとの間で偏差などが生じやすく、乗員は車酔いしやすいことを考慮したからである。
次に、本実施形態に係る乗員支援装置1による疲労抑制処理の手順を、図2のフローチャートを参照して説明する。
次に、疲労抑制部50によって実行されるハイパーソニックサウンド法の効果について説明する。
上述の二重タスク試験の結果が示すように、ハイパーソニックサウンドの出力は乗員の疲労抑制の効果を生じさせる。しかしながら、乗員に対してハイパーソニックサウンドを常に出力し続けた場合、疲労抑制の効果は弱まる傾向がある。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る疲労抑制方法及び乗員支援装置によれば、車両および車両の周囲状況に関する車両情報を取得し、車両情報に基づき、乗員が疲労し易い状態であるか否かを判定し、乗員が疲労し易い状態であると判定された場合に、車両に搭載され、車両の乗員の脳幹の活性化により乗員の疲労を抑制する疲労抑制部を稼働させる。
10 取得部
20 負荷評価部
30 環境判定部
50 疲労抑制部
51 第1音波出力部
53 第2音波出力部
90 車載センサ
100 処理部(コントローラ)
Claims (14)
- 車両に搭載され、前記車両の乗員の脳幹の活性化により前記乗員の疲労を抑制する疲労抑制部と、
前記疲労抑制部を制御するコントローラと、
を備える乗員支援装置における疲労抑制方法であって、
前記コントローラは、
前記車両および前記車両の周囲状況に関する車両情報を取得し、
前記車両情報に基づき、前記車両の運動に合わせて身体の平衡感覚を保とうとする脳幹の働きによる脳の疲労が前記乗員に生じ易い状態であるか否かを判定し、
前記疲労が前記乗員に生じ易い状態が所定時間以上継続していると判定された場合に、前記疲労抑制部を稼働させると共に、
前記疲労が前記乗員に生じ易い状態が前記所定時間以上継続していると判定されない場合に、前記疲労抑制部を稼働させないこと
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項1に記載の疲労抑制方法であって、
前記コントローラは、
前記乗員の身体的負荷を評価し、
前記身体的負荷が所定負荷以上である場合に、前記疲労が前記乗員に生じ易い状態であると判定すること
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項2に記載の疲労抑制方法であって、
前記コントローラは、
前記車両の移動速度が大きいほど、前記身体的負荷が大きいと評価すること
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項2又は3に記載の疲労抑制方法であって、
前記乗員支援装置は、前記車両の前方もしくは側方を撮像する撮像部を更に備え、
前記コントローラは、
前記撮像部によって撮像した画像から、前記車両の前方もしくは側方の物体の移動速度を取得し、
前記車両の前方もしくは側方の物体の移動速度が大きいほど、前記身体的負荷が大きいと評価すること
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項2~4のいずれか一項に記載の疲労抑制方法であって、
前記コントローラは、
前記車両情報に基づいて、前記車両が走行している車線の車線幅を評価し、
評価した前記車線幅が狭いほど、前記身体的負荷が大きいと評価すること
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項5に記載の疲労抑制方法であって、
前記乗員支援装置は、道路情報として道路に対応した車線幅を少なくとも記憶する記憶部を更に備え、
前記コントローラは、
前記車両情報に含まれる前記車両の位置情報に基づいて、前記車両が走行している前記道路を特定し、
前記記憶部を参照し、特定した前記道路に対応する前記道路情報を読み出すことで、前記車両が走行している前記車線の前記車線幅を取得すること
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項5に記載の疲労抑制方法であって、
前記コントローラは、
前記車両と前記車両の側方の物体との間の距離を検出し、
検出した前記距離が小さいほど、前記車線幅が小さいと評価すること
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項2~7のいずれか一項に記載の疲労抑制方法であって、
前記コントローラは、
前記車両の外部の明度を検出し、
検出した前記明度が低いほど、前記身体的負荷が大きいと評価すること
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項2~8のいずれか一項に記載の疲労抑制方法であって、
前記コントローラは、
前記車両が走行している車線の路面の滑りやすさを検出し、
前記路面が滑りやすいほど、前記身体的負荷が大きいと評価すること
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項2~9のいずれか一項に記載の疲労抑制方法であって、
前記コントローラは、
前記車両の前後方向、上下方向、左右方向の少なくとも一つの加速度を検出し、
検出した前記加速度が大きいほど、前記身体的負荷が大きいと評価すること
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項2~10のいずれか一項に記載の疲労抑制方法であって、
前記コントローラは、
前記車両が備える車輪の転舵角の変化速度を検出し、
検出した前記変化速度が大きいほど、前記身体的負荷が大きいと評価すること
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項1~11のいずれか一項に記載の疲労抑制方法であって、
前記疲労抑制部は、人間の可聴音域よりも高い周波数の第1音波を前記乗員に対して出力する第1音波出力部を備え、
前記疲労抑制部は、前記第1音波を前記乗員に対して出力することで、前記乗員の脳幹の活性化を行うこと
を特徴とする疲労抑制方法。 - 請求項12に記載の疲労抑制方法であって、
前記疲労抑制部は、更に、前記第1音波よりも低い周波数の第2音波を前記乗員に対して出力する第2音波出力部を備え、
前記疲労抑制部は、前記第1音波と前記第2音波を同時に前記乗員に対して出力することで、前記乗員の脳幹の活性化を行うこと
を特徴とする疲労抑制方法。 - 車両に搭載され、前記車両の乗員の脳幹の活性化により前記乗員の疲労を抑制する疲労抑制部と、
前記疲労抑制部を制御するコントローラと、
を備える乗員支援装置であって、
前記コントローラは、
前記車両および前記車両の周囲状況に関する車両情報を取得し、
前記車両情報に基づき、前記車両の運動に合わせて身体の平衡感覚を保とうとする脳幹の働きによる脳の疲労が前記乗員に生じ易い状態であるか否かを判定し、
前記疲労が前記乗員に生じ易い状態が所定時間以上継続していると判定された場合に、前記疲労抑制部を稼働させると共に、
前記疲労が前記乗員に生じ易い状態が前記所定時間以上継続していると判定されない場合に、前記疲労抑制部を稼働させないこと
を特徴とする乗員支援装置。
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