JP7065665B2 - 接合体及び回転電機 - Google Patents
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Description
ここで、端子にコイルの端末部を接合するにあたり、さまざまな技術が提案されている。例えば、インシュレータに、コイルの端末部を保持するための保持部を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。保持部は、一対の柱状に形成されており、これら柱状の保持部によって、コイルを挟持している。
また、例えば、抵抗溶接によって端子とコイルの端末部とを接合する場合、コイルが抵抗溶接の邪魔にならないように、端子から離間させて保持部を配置する必要がある。このため、インシュレータ上の有効スペースが減少し、効果的に回転電機を小型化できない可能性があった。
また、端子と樹脂モールド体との間にコイルが引き回されるので、例えば、端子とコイルとを抵抗溶接する場合、コイルが邪魔になることもなく、従来のように端子から離れた箇所に保持部を設ける必要もない。このため、樹脂モールド体上の有効スペースが減少することもなく、効果的に接合体を小型化できる。
また、簡素な構造でコイル挿通部を設けることができる。
また、端子と樹脂モールド体との間にコイルが引き回されるので、例えば、端子とコイルとを抵抗溶接する場合、コイルが邪魔になることもなく、従来のように端子から離れた箇所に保持部を設ける必要もない。このため、樹脂モールド体上の有効スペースが減少することもなく、効果的に接合体を小型化できる。
(回転電機)
図1は、回転電機1の斜視図である。
図1に示すように、回転電機1は、例えば、車両用エンジンを始動するために用いられたり車両用エンジンのクランクシャフト(不図示)の回転を利用して発電するために用いられたりする。
なお、以下の説明では、ロータ3の回転軸線方向を単に軸方向、ロータ3の回転方向を周方向、軸方向及び周方向に直交するロータ3の径方向を単に径方向と称して説明する。
ステータコア4は、電磁鋼板を積層したり、軟磁性粉を加圧成形したりして形成される。ステータコア4は、略円環状に形成された本体部4aと、本体部4aの外周面から径方向外側に向かって放射状に突出する複数のティース部4bとを有している。
図2に示すように、複数のコイル6は、例えば、アルミ合金により形成されており、U相、V相、W相の3相構造になっている。また、複数のコイル6はスター結線されており、結線回路が2並列となっている。このように、結線回路が2並列のスター結線されるコイル6の中性点として、ターミナル8が機能している。つまり、図1に示すように、ターミナル8には、各相のコイル6の端末部6aが2本ずつ、合計6本の端末部6aが接合される。
図1、図3、図4に示すように、ターミナル8は、インシュレータ5のティース部4bよりも径方向内側で、かつ軸方向一端側の一面5aに配置されている。また、ターミナル8は、一部がインシュレータ5に埋設された形で配置されている。
第1ターミナル側接合面11aには、第1ターミナル凹部18aが形成されている。第1ターミナル凹部18aは、第1端子11の厚さ方向からみて環状で、かつ四角形状に形成されている。また、第1ターミナル凹部18aは、断面矩形状に形成されている。
なお、各小端子12A,12Bは、同一構成であるので、以下の説明では、一方の小端子12Aのみ説明し、他方の小端子12Bの説明を省略する。
第2ターミナル側接合面12aには、ターミナル凹部18bが形成されている。ターミナル凹部18bは、第1端子11の厚さ方向からみて環状で、かつ四角形状に形成されている。またターミナル凹部18bは、断面矩形状に形成されている。
また、連結部13には、複数(本第1実施形態では2つ)の貫通孔13cが形成されている。インシュレータ5に連結部13を埋設すると、貫通孔13cに樹脂が流れ込むので、インシュレータ5からの連結部13の抜けが規制される。
各インシュレータ凹部15,16は、ターミナル8を厚さ方向に跨るように、ほぼ径方向に沿って形成されている。また、各インシュレータ凹部15,16は断面矩形状に形成されている。すなわち、第1インシュレータ凹部15は、底面15aと、底面15aの周方向両側から立ち上がる2つの内側面15bと、を有している。一方、第2インシュレータ凹部16は、底面16aと、底面16aの周方向両側から立ち上がる2つの内側面16bと、を有している。
すなわち、コイル6の端末部6aは、同相の各ティース部4bに巻回された後、巻き終わりのティース部4bの根本から引き出される。このコイル6の端末部6aが引き出される箇所の径方向内側に、ターミナル8が配置されている。そして、ターミナル8の径方向外側から各インシュレータ凹部15,16にコイル6の端末部6aを挿通する。
ここで、各端子11,12に形成されている各ターミナル凹部18a,18bは、各端子11,12とコイル6とを抵抗溶接した際に、コイル6の剥離強度を高める。すなわち、各端子11,12とコイル6とを抵抗溶接した際、コイル6の一部が溶融して各ターミナル凹部18,18bに流れ込む。これがアンカー効果を奏し、各端子11,12に対するコイル6の剥離強度が高まる。
さらに、インシュレータ5にインシュレータ凹部15,16を形成し、これらインシュレータ凹部15,16をコイル挿通部17として機能させている。このため、ターミナル8の厚さ方向にコイル6を挿通させるためのコイル挿通部17を、簡素な構造で容易に形成することができる。
なお、上述の第1実施形態では、中性点としてのターミナル8は、インシュレータ5の一面5aから軸方向に沿って突出している2つの端子11,12(第1端子11、第2端子12)と、インシュレータ5に埋設され、2つの端子11,12に跨る連結部13と、が一体成形されたものである場合について説明した。しかしながら、中性点としてのターミナル8の形状は、上記に限られるものではなく、3相の各コイル6の端末部6aを結線できればよい。具体的に、以下に説明する。
また、連結部114の端子111,112,113とは反対側には、各コイル挿通孔21の間に対応する位置に、貫通孔114cが形成されている。インシュレータ5に連結部114を埋設すると、貫通孔13cに樹脂が流れ込むので、インシュレータ5からの連結部114の抜けが規制される。
したがって、上述の第1実施形態の変形例によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏する。
次に、図7~図10に基づいて、第2実施形態について説明する。
図7は、回転電機201を軸方向一方側からみた斜視図である。図8は、回転電機201を軸方向他方側からみた斜視図である。
ここで、前述の第1実施形態の回転電機1は、3相ブラシレス型の回転電機であり、例えば、車両用エンジンを始動するために用いられたり車両用エンジンのクランクシャフト(不図示)の回転を利用して発電するために用いられたりする。これに対し、第2実施形態の回転電機201は、単相構造の発電機であり、例えば、車両用エンジンのクランクシャフト(不図示)の回転を利用して発電するために用いられる。この点が、前述の第1実施形態と第2実施形態との相違点である。
また、前述の第1実施形態と第2実施形態とでは、ティース部4bの個数が異なる。しかしながら、第2実施形態では、ステータコア4や他の基本的構成等については前述の第1実施形態と同一態様を示すものとして、同一符号を付して説明を省略する。
ターミナル208は、軸方向に長い鉄等の金属板の表面に錫メッキが施されたものである。ターミナル208は、厚さ方向が径方向に沿うように配置されている。
図7~図9に示すように、ターミナル208は、ステータコア4と絶縁された状態で、このステータコア4の本体部4aを軸方向に貫通するターミナル本体208aを有している。ターミナル本体208aの軸方向一端側(図7、図9における下側参照)には、第1端部211が一体成形されている。第1端部211は、ターミナル本体208aの周方向の幅(厚さ方向と直交する幅、以下、単に幅という)と同じ幅で軸方向に沿って延出されている。また、第1端部211は、ステータコア4の本体部4aから突出されている。第1端部211は、二股状に形成されている。この第1端部211に挟持されるように、ハーネス7の一端が接続されている。ハーネス7は、例えば銅線であり、ターミナル208とはんだ等により接合されている。
また、第2端部212には、幅方向一方側で、かつインシュレータ5の一面5aと当接する下辺212cに、コイル挿通凹部213が形成されている。コイル挿通凹部213が形成されることにより、第2端部212のコイル挿通凹部213よりも幅方向一方側には、凸部215が形成される。
また、コイル挿通凹部213は、断面矩形状に形成されている。すなわち、コイル挿通凹部213は、上辺213aと、上辺213aの幅方向両側に形成された内側辺213bと、を有している。
すなわち、コイル6の端末部6aは、各ティース部4bに巻回された後、巻き終わりのティース部4bの根本から引き出される。このコイル6の端末部6aが引き出される箇所の径方向内側に、ターミナル208が配置されている。そして、第2端部212(ターミナル208)の径方向外側からコイル挿通部217(コイル挿通凹部213、インシュレータ凹部216)にコイル6の端末部6aを挿通する。
ここで、第2端部212に形成されているターミナル凹部212bは、第2端部212とコイル6とを抵抗溶接した際に、コイル6の剥離強度を高める。すなわち、第2端部212とコイル6とを抵抗溶接した際、コイル6の一部が溶融してターミナル凹部212bに流れ込む。これがアンカー効果を奏し、第2端部212に対するコイル6の剥離強度が高まる。
なお、上述の第2実施形態では、ターミナル208の第2端部212に、コイル挿通凹部213を形成し、このコイル挿通凹部213にコイル6の端末部6aを挿通する場合について説明した。しかしながら、第2端部212の形状は、これに限られるものではなく、第2端部212とインシュレータ5との間に、第2端部212の厚さ方向にコイル6を挿通可能に形成されていればよい。具体的に、以下に説明する。
図10に示すように、第2端部212の幅方向一方側に形成されたコイル挿通凹部313は、第2端部212のターミナル本体208aから突出した部位全体に形成されている。すなわち、コイル挿通凹部313は、第2端部212の幅方向の一辺212d側が開口するように形成されている。
例えば、上述の各実施形態及び変形例では、コイル6は、アルミ合金により形成されている場合について説明した。さらに、ターミナル8,208は、鉄等の金属板の表面に錫メッキが施されたものである場合について説明した。しかしながら、これらに限られるものではなく、コイル6,206やターミナル8,208にさまざまな導電部材を用いることができる。
Claims (4)
- 樹脂モールド体の一面に、立設された端子にコイルが接合された接合体であって、
前記端子と前記樹脂モールド体の前記一面との間に、前記端子の厚さ方向に前記コイルを挿通可能なコイル挿通部が設けられており、
前記樹脂モールド体の前記一面には、前記端子と対向する箇所にモールド凹部が形成されており、前記モールド凹部が前記コイル挿通部である
ことを特徴とする接合体。 - 前記端子には、前記樹脂モールド体の前記一面側の一辺に、端子凹部が形成されており、前記端子凹部が前記コイル挿通部である
ことを特徴とする請求項1に記載の接合体。 - 前記端子凹部は、前記端子の前記一辺と交差する他の第1側辺側が開口するように形成されており、
前記端子の前記他の第1側辺と対向する他の第2側辺に、前記樹脂モールド体に対する前記端子の位置決めを行うための位置決め凸部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の接合体。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の接合体を有する回転電機であって、
環状のステータコア、及び前記ステータコアの外周面から径方向外側に向かって突出されるティースを有するステータを備え、
前記樹脂モールド体は、前記ステータコアの外周部、及び前記ティースを覆うインシュレータであり、
前記インシュレータを介して前記ティースに前記コイルが巻回されており、
前記端子は、前記インシュレータにおける前記ステータコアの前記外周部に対応する位置に、厚さ方向が径方向に沿うように配置され、
前記端子の径方向外側から前記コイル挿通部を介して前記端子の径方向内側に前記コイルが挿通され、前記端子の径方向内側の面に、前記コイルの端末部が接合されていることを特徴とする回転電機。
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