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JP7062555B2 - 被覆粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性粒子が絶縁層に被覆された被覆粒子に関する。
樹脂粒子の表面にニッケルや金などの金属を形成させた導電性粒子は、導電性接着剤、異方性導電膜、異方性導電接着剤等の導電性材料として使用されている。
近年、電子機器類の一層の小型化に伴い、電子回路の回路幅やピッチはますます小さくなっている。それに伴い、上述の導電性接着剤、異方性導電膜、異方性導電接着剤等に用いられる導電性粒子として、その粒径が小さいものが求められている。このような小さい粒径の導電性粒子を使用した場合、その接続性を高めるためには導電性粒子の配合量を増加させなければならない。しかしながら、導電性粒子の配合量を増加させると、意図しない方向への導通、すなわち対向電極間とは異なる方向への導通により短絡が生じてしまい、該方向における絶縁性が得難いことが問題となっている。この問題を解決するために、導電性粒子の表面を絶縁性の物質で被覆して、導電性粒子の金属層同士の接触を防止した絶縁層被覆導電性粒子が使用されている。このような構成の被覆粒子は、通常、該被覆粒子を電極間で圧着することで絶縁性微粒子が溶融、変形又は剥離して金属被覆粒子の金属表面が露出し、これにより電極間での導通が可能となり接続性が得られる。
例えば、非特許文献1には、トリエチルホスホニウム基を有する絶縁性微粒子により導電性粒子表面を被覆した被覆粒子が記載されている。
第66回高分子討論会 予稿集 Vol.66, No.2, P 60
非特許文献1に記載のようなホスホニウム基を有する絶縁性微粒子は、従来本技術分野で用いられてきたアンモニウム基等の正電荷を有する絶縁性微粒子に比して導電性粒子への密着性が高い。
一方、ニッケルなどの金属皮膜を有する導電性粒子は、金属皮膜の酸化が十分防止されることが求められる。金属皮膜が酸化してしまうと経時的に導電性が低下する場合がある。
また、絶縁性微粒子で被覆された導電性粒子からなる被覆粒子では、金属被覆粒子表面を絶縁性微粒子で密に被覆しやすいことも求められる。絶縁性微粒子による金属被覆粒子表面の被覆が十分密でない場合、導電性粒子表面の一部が被覆されておらず、異方性導電膜の内部で導電性粒子同士が近接した場合には、膜の平面方向で電気的に接触してしまう可能性がある。また導電性材料の製造時やデバイス製造の熱圧着時などに絶縁性微粒子が金属被覆粒子表面から少し剥がれただけで絶縁性が確保できない状態となる可能性がある。
しかしながら、非特許文献1に記載の従来の絶縁性微粒子に被覆された被覆粒子では、金属皮膜の酸化防止、及び金属被覆粒子表面における絶縁性微粒子の密な被覆性を両立する点で十分なものではなかった。
そこで本発明の目的は、従来の被覆粒子が有する課題を解決しうる絶縁層被覆導電性粒子を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、絶縁性の物質として特定炭素数のアルキル鎖を有するホスホニウム基を含む絶縁性微粒子を用いた場合、導電性粒子に対し、トリエチルホスホニウム基を含む従来の絶縁性微粒子と同等の密着性を得ながら、金属皮膜の酸化を効果的に防止できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、芯材の表面に金属皮膜が形成された導電性の金属被覆粒子と、該金属被覆粒子を被覆するポリマーからなる絶縁層とを有し、該絶縁層が下記式(1)で表されるホスホニウム基を有する、被覆粒子を提供するものである。
Figure 0007062555000001
(式中、Rはそれぞれ独立に、炭素数4以上10以下のアルキル基である)。
本発明の被覆粒子は金属皮膜の酸化が防止され、経時的な導電性の低下が抑制されたものである。また、絶縁層が絶縁性微粒子又はそれを溶融若しくは溶解させた連続皮膜である場合に、導電性の金属被覆粒子表面を絶縁層で密に被覆しやすく、安定した絶縁性を有する。
このような本発明の被覆粒子は、高い接続信頼性を有する。
図1は、実施例4で得られた被覆粒子をSEMで観察した写真である。 図2は、実施例7で得られた被覆粒子をSEMで観察した写真である。 図3は、実施例8で得られた被覆粒子をSEMで観察した写真である。
以下、本発明を好ましい実施形態に基づき説明する。
本実施形態の被覆粒子は、芯材の表面に金属皮膜が形成された導電性の金属被覆粒子と、該金属被覆粒子を被覆するポリマーからなる絶縁層とを有し、該絶縁層が式(1)で表されるホスホニウム基を有する。
導電性の金属被覆粒子(以下「導電性粒子」ともいう。)としては、導電性接着剤、異方性導電膜、異方性導電接着剤に従来用いている公知のものを用いることができる。
導電性粒子における芯材としては、粒子状であり、無機物であっても有機物であっても特に制限なく用いることができる。無機物の芯材粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ハンダ等の金属粒子、合金、ガラス、セラミック、シリカ、金属又は非金属の酸化物(含水物も含む)、アルミノ珪酸塩を含む金属珪酸塩、金属炭化物、金属窒化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属リン酸塩、金属硫化物、金属酸塩、金属ハロゲン化物及び炭素等が挙げられる。一方、有機物の芯材粒子としては、例えば、天然繊維、天然樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブテン、ポリアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルニトリル、ポリアセタール、アイオノマー、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、金属からなる芯材粒子に比べて比重が小さくて沈降し難く、分散安定性に優れ、樹脂の弾性により電気接続を維持し易いという点で、樹脂材料からなる芯材粒子が好ましい。
芯材粒子として有機物を用いる場合、ガラス転移温度を有しないか、或いは、そのガラス転移温度は100℃超であることが、異方導電接続工程において芯材粒子の形状が維持されやすいことや金属皮膜を形成する工程において芯材粒子の形状を維持しやすい点から好ましい。また芯材粒子がガラス転移温度を有する場合、ガラス転移温度は、200℃以下であることが、異方導電接続において導電性粒子が軟化しやすく接触面積が大きくなることで導通が取りやすくなる点から好ましい。この観点から、芯材粒子がガラス転移温度を有する場合、ガラス転移温度は、100℃超180℃以下であることがより好ましく、100℃超160℃以下であることが特に好ましい。ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
芯材粒子として有機物を用いる場合において、その有機物が高度に架橋した樹脂であるときは、ガラス転移温度は下記実施例に記載の方法にて200℃まで測定を試みても、ほとんど観測されない。本明細書中ではこのような粒子を、ガラス転移点を有しない粒子ともいい、本発明においては、このような芯材粒子を用いてもよい。前記のこのようなガラス転移温度を有しない芯材粒子材料は、前記で例示した有機物を構成する単量体に架橋性の単量体を併用して共重合させて得ることができる。架橋性の単量体としては、テトラメチレンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンオキシド(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメテロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の多官能ビニル系単量体、ビニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン含有系単量体、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル等の単量体が挙げられる。特にCOG(Chip on Glass)分野では上記多官能(メタ)アクリレート、上記多官能ビニル系単量体、上記シラン含有系単量体、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド又はジアリルエーテルに架橋された硬質な有機材料による芯材粒子が多く使用される。
芯材粒子の形状に特に制限はない。一般に、芯材粒子は球状である。しかし、芯材粒子は球状以外の形状、例えば、繊維状、中空状、板状又は針状であってもよく、その表面に多数の突起を有するもの又は不定形のものであってもよい。本発明においては、充填性に優れる、金属を被覆しやすいといった点で、球状の芯材粒子が好ましい。
導電性粒子の形状は、芯材粒子の形状にもよるが、特に制限はない。例えば、繊維状、中空状、板状又は針状であってもよく、その表面に突起を有するもの又は不定形のものであってもよい。本発明においては、充填性、接続性に優れるという点で、球状又は表面に突起を有する形状であることが好ましい。
導電性粒子が表面に突起を有する形状である場合、表面に複数の突起を有することが好ましく、球状の表面に複数の突起を有することが更に好ましい。導電性粒子が複数の突起を有する形状である場合、芯材粒子が複数の突起を有するものであってもよいし、芯材粒子が突起を有さず、金属皮膜が複数の突起を有するものであってもよい。好ましくは芯材粒子が突起を有さず、金属皮膜が複数の突起を有するものである。導電性粒子表面に突起を有することで、実装時に電極によって導電性粒子が圧縮されたときに、該突起により絶縁層を効果的に押し退けることができる。導電性粒子の突起の高さHは、絶縁層の厚さをLとしたときに、H/Lが0.1以上であることが、実装時に絶縁層を排除して電気的な導通を確実なものとする観点から好ましい。またH/Lが10以下であることが、充填性や対向電極とは異なる方向での絶縁性を得る観点から好ましい。これらの点から、H/Lは0.2以上5以下であることが更に一層好ましい。これらの好ましい範囲において、厚さLは、絶縁層が絶縁性微粒子である場合に絶縁性微粒子の平均粒子径を指す。
突起の高さHは、平均して20nm以上、特に50nm以上であることが好ましい。突起の数は、導電性粒子の粒径にもよるが、1つの粒子当たり、1~20000個、特に5~5000個であることが、導電性粒子の導電性の一層の向上の点から好ましい。また、突起のアスペクト比は、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上である。突起のアスペクト比が大きいと、電極表面に形成されている酸化皮膜を容易に突き破ることができるので有利である。アスペクト比とは、突起の高さHと突起の基部の長さDとの比、すなわちH/Dで定義される値である。突起の高さH、突起の基部の長さDは、電子顕微鏡により観察された20個の異なる粒子について測定した平均値であり、突起のアスペクト比は、電子顕微鏡により観察された20個の異なる粒子のアスペクト比を算出し、その平均値を求めたものである。基部の長さDとは電子顕微鏡像における、突起の基部の、導電性粒子の表面に沿う長さをいう。
導電性粒子の表面に形成されている突起のアスペクト比は上述のとおりであるところ、突起の基部の長さD自体は5~500nm、特に10~400nmであることが好ましく、突起の高さHについては20~500nm、特に50~400nmであることが好ましい。
導電性粒子における金属皮膜は、導電性を有するものであり、その構成金属としては、例えば、金、白金、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、コバルト、インジウム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、アルミニウム、クロム、パラジウム、タングステン、モリブデン等の金属又はこれらの合金のほか、ITO、ハンダ等の金属化合物等が挙げられる。中でも金、銀、銅、ニッケル、パラジウム又はハンダが抵抗が少ないため好ましく、とりわけ、ニッケル、金、ニッケル合金又は金合金が、絶縁性微粒子におけるホスホニウム基との結合性が高いために好適に用いられる。また、ニッケル、ニッケル合金、鉄、亜鉛、スズ、鉛、コバルト、チタン、アルミニウムは、本発明による酸化防止効果が得られやすい点で好ましい。これらの点からニッケル又はニッケル合金が最も好ましい。導電性粒子における金属は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属皮膜は、単層構造であっても、複数層からなる積層構造であってもよい。複数層からなる積層構造である場合には、最表層が、ニッケル、金、ニッケル合金又は金合金からなることが、絶縁性微粒子におけるホスホニウム基との結合性が高いために好ましく、ニッケル、ニッケル合金、鉄、亜鉛、スズ、鉛、コバルト、チタン、アルミニウムからなることが本発明による酸化防止効果が得られやすい点で好ましい。これらの点からニッケル又はニッケル合金が最も好ましい。
金属皮膜の外表面は、金属皮膜の腐食や酸化を防止するため表面処理されていてもよい。この表面処理は、公知の表面処理剤を用いることで行うことができる。表面処理剤としては、リン酸系化合物、クロム酸系化合物、トリアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チアゾール系化合物等が挙げられる。
また金属皮膜は、芯材粒子の表面全体を被覆していてもよく、或いはその一部のみを被覆していてもよい。芯材粒子の表面の一部のみを被覆している場合は、被覆部位が連続していてもよく、例えばアイランド状に不連続に被覆していてもよい。金属皮膜の厚さは0.001μm以上2μm以下が好ましい。
芯材粒子の表面に金属皮膜を形成する方法としては、蒸着法、スパッタ法、メカノケミカル法、ハイブリダイゼーション法等を利用する乾式法、電解めっき法、無電解めっき法等を利用する湿式法が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせて芯材粒子の表面に金属皮膜を形成してもよい。
導電性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上50μm以下、より好ましくは1μm以上30μm以下である。導電性粒子の平均粒子径が上記範囲内であることで、得られる被覆粒子が対向電極間とは異なる方向での短絡を発生させることなく、対向電極間での導通を確保しやすい。なお、本発明において、導電性粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて測定した粒子径の平均値である。なお走査型電子顕微鏡画像において導電性粒子が球状である場合は、SEMを用いて測定する粒子径とは、円形の導電性粒子像の径である。導電性粒子が球状でない場合、SEMを用いて測定する粒子径は、導電性粒子の像を横断する線分のうち最も大きい長さ(最大長さ)をいう。このことは、後述する絶縁性微粒子の平均粒子径についても同様である。ただし、導電性粒子が突起を有する場合は、突起以外の部分についての上記の最大長さを平均粒子径とする。
具体的には、導電性粒子の平均粒子径は実施例に記載の方法にて測定される。
導電性粒子を被覆する絶縁層は式(1)で表されるように、炭素数4~10のアルキル基からなるトリアルキルホスホニウム基を有する。炭素数4~10のアルキル基からなるトリアルキルホスホニウム基はトリエチルホスホニウム基よりも疎水性が高い。本発明者はこのことが、絶縁層がトリエチルホスホニウム基を有する従来の被覆粒子に比して本発明では導電性粒子の金属皮膜が酸化しにくい理由の一つではないかと推測している。
本発明における絶縁層としては、ホスホニウム基を有する化合物を含む複数の絶縁性微粒子が層状に配置されたものからなるか、或いは、ホスホニウム基を有する化合物を含む絶縁性の連続皮膜が挙げられる。
まず、絶縁層が絶縁性微粒子からなり、該微粒子がホスホニウム基を有する化合物を含む場合について説明する。この場合、被覆粒子を電極間で熱圧着することで絶縁性微粒子が溶融、変形、剥離又は導電性粒子表面を移動することにより熱圧着された部分における導電性粒子の金属表面が露出し、これにより電極間での導通を可能として接続性が得られる。一方、被覆粒子における熱圧着方向以外の方向を向く表面部分は、絶縁性微粒子による導電性粒子表面の被覆状態が概ね維持されているため、熱圧着方向以外の方向における導通が防止される。
絶縁性微粒子は式(1)で表されるホスホニウム基をその表面に有することが好ましい。本明細書中、絶縁性微粒子が式(1)で表されるホスホニウム基を有し、且つ走査型電子顕微鏡観察により絶縁性微粒子が導電性粒子表面に付着していることが確認できれば、「絶縁性微粒子が式(1)で表されるホスホニウム基を表面に有する」ことに該当するとする。
絶縁性微粒子の形状は、特に制限はなく、球状であってもよく、或いは球状以外の形状であってもよい。球状以外の形状としては例えば、繊維状、中空状、板状又は針状が挙げられる。また絶縁性微粒子はその表面に多数の突起を有するもの又は不定形のものであってもよい。導電性粒子への付着性の点や合成の容易性の点で球状の絶縁性微粒子が好ましい。
絶縁性微粒子において式(1)で表されるホスホニウム基は、絶縁性微粒子を構成する物質の一部として、該物質の化学構造の一部をなしていることが好ましい。絶縁性微粒子においてホスホニウム基は、絶縁性微粒子を構成するポリマーの構成単位の少なくとも1種の構造中に含有されていることが好ましい。式(1)で表されるホスホニウム基は、絶縁性微粒子を構成するポリマーに化学結合していることが好ましく、より好ましくはポリマーの側鎖に結合している。
Rで表されるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状及び環状のものが挙げられる。直鎖状のものとしては、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基が挙げられる。
Rで表される分岐鎖状のアルキル基としては、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、3-ペンチル基、s-ペンチル基、t-ペンチル基、イソヘキシル基、s-ヘキシル基、t-ヘキシル基、エチルヘキシル基等が挙げられる。
Rで表される環状のアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基といったシクロアルキル基等が挙げられる。
絶縁性微粒子が導電性粒子に近接し密着することが容易になる点から、Rは直鎖状アルキル基であることが好ましい。
また導電性粒子の絶縁性微粒子への密な充填性、及び、絶縁性微粒子の疎水性を適度なものとする点から、Rで表されるアルキル基の炭素数は4以上10以下であり、炭素数4以上8以下であることがより好ましい。
絶縁性微粒子を構成するポリマーは、エチレン性不飽和結合を有する複数種の重合性化合物の重合体であることが好ましく、該ポリマーを構成するためのエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の少なくとも1種が式(1)で表されるホスホニウム基を有することが好ましい。
式(1)で表されるホスホニウム基を有するエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物としては、スチレン類、オレフィン類、エステル類、α,β不飽和カルボン酸類、アミド類、ニトリル類などが挙げられる。スチレン類としては、スチレン、o,m,p-メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン等の核置換スチレンやα-メチルスチレン、α-クロロスチレン、β-クロロスチレンなどのスチレン誘導体等が挙げられる。オレフィン類としては、エチレン、プロピレン等が挙げられる。エステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルベンゾエート等のビニルエステル、及び、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸のエステル等が挙げられる。α,β不飽和カルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等が挙げられる。これらα,β不飽和カルボン酸の塩もα,β不飽和カルボン酸類に含まれる。アミド類としては、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。ニトリル類としては、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは更に置換されていてもよく、置換基としては、ホスホニウム基、アミノ基、第4級アンモニウム基、アミド基、スルホニウム基、スルホン酸基、チオール基、カルボキシル基、リン酸基、シアノ基、アルデヒド基、エステル基、カルボニル基等が挙げられる。これらのモノマーは、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
式(1)で表されるホスホニウム基を有するエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物としては、とりわけ、スチレン類又はエステル類が好ましい。
絶縁性微粒子を構成するポリマーは、上記式(1)で表されるホスホニウム基として、下記式(2)又は式(3)で表される構成単位を有することがモノマーの入手容易性やポリマー合成の容易性の点から好ましい。式(2)及び式(3)中のRの例としては、式(1)中のRの例として上記で説明した通りである。ホスホニウム基は、式(2)のベンゼン環のCH基に対しパラ位、オルト位、メタ位の何れに結合していてもよく、パラ位に結合することが好ましい。式(2)及び式(3)中、一価のAnとしてはハロゲン化物イオンが好適に挙げられる。ハロゲン化物イオンの例としては、Cl、F、Br、Iが挙げられる。
Figure 0007062555000002
(式中、Rはそれぞれ独立に炭素数4~10のアルキル基を示す。Anは一価のアニオンを示す。mは0~5の整数を示す。)
Figure 0007062555000003
(式中、Rはそれぞれ独立に炭素数4~10のアルキル基を示す。Anは一価のアニオンを示す。nは1~5の数である。Rは水素原子又はメチルである。)
上記式(2)において、mは0~2が好ましく、0又は1がより好ましく、1が特に好ましい。上記式(3)においてnは1~3が好ましく、1~2がより好ましく、2が最も好ましい。
上記の式(2)で表される化合物を与えるエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物としては、
4-(ビニルベンジル)トリブチルホスホニウムクロライド、
4-(ビニルベンジル)トリペンチルホスホニウムクロライド、
4-(ビニルベンジル)トリヘキシルホスホニウムクロライド、
4-(ビニルベンジル)トリヘプチルホスホニウムクロライド、
4-(ビニルベンジル)トリオクチルホスホニウムクロライド、
4-(ビニルベンジル)トリノニルホスホニウムクロライド、
4-(ビニルベンジル)トリデシルホスホニウムクロライド、が挙げられる。
上記の式(3)で表される化合物を与えるエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物としては、
2-(メタクリロイルオキシエチル)トリブチルホスホニウムクロライド、
2-(メタクリロイルオキシエチル)トリペンチルホスホニウムクロライド、
2-(メタクリロイルオキシエチル)トリヘキシルホスホニウムクロライド、
2-(メタクリロイルオキシエチル)トリヘプチルホスホニウムクロライド、
2-(メタクリロイルオキシエチル)トリオクチルホスホニウムクロライド、
2-(メタクリロイルオキシエチル)トリノニルホスホニウムクロライド、
2-(メタクリロイルオキシエチル)トリデシルホスホニウムクロライド、
等が挙げられる。
絶縁性微粒子を構成するポリマーにおいて、全構成単位中、式(1)で表されるホスホニウム基が結合した構成単位の割合は、0.01モル%以上5.0モル%以下であることが好ましく、0.02モル%以上2.0モル%以下であることがより好ましい。ここで、ポリマー中の構成単位の数は、1つのモノマーに由来する構造を1の構成単位としてカウントする。
上述した通り、絶縁性微粒子を構成するポリマーは、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物を複数種組み合わせた重合体であることが好ましい。絶縁性微粒子を構成するためのエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物のうち、式(1)で表されるホスホニウム基を有さない重合性化合物としては、上述した、スチレン類、オレフィン類、エステル類、α,β不飽和カルボン酸類、アミド類、ニトリル類が挙げられる。スチレン類、オレフィン類、エステル類、α,β不飽和カルボン酸類、アミド類、ニトリル類それぞれの例としては上述したものが挙げられる。絶縁性微粒子を構成するポリマーとしては、とりわけ、スチレン類、エステル類及びニトリル類から選ばれる少なくとも1種の重合体であることが、重合率が高い点、容易に絶縁性微粒子を球状にできる点で好ましい。絶縁性微粒子を構成するポリマーが、複数種の構成単位を有する場合、ポリマーにおけるそれらの構成単位の存在態様はランダムであっても交互であってもブロックであってもよい。
絶縁性微粒子を構成するポリマーは架橋されていてもよく、非架橋であってもよいが、架橋されていることが、絶縁性微粒子の粒子分布を広げて導電性粒子への密な充填性を得やすい点で好ましい。
絶縁性微粒子を構成するポリマーを架橋させる場合は、絶縁性微粒子を構成するポリマーを得るためのエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の組成物に、2つ以上のエチレン性不飽和結合性基を有する架橋剤を加えればよい。架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;メタクリル酸アリル、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。
絶縁性微粒子を構成するポリマーにおいて、全構成単位中、架橋剤に由来する構成単位の割合は、1モル%以上15モル%以下であることが好ましく、2モル%以上13モル%以下であることがより好ましい。ここで、ポリマー中の構成単位の数は、1つのモノマーに由来する構造を1の構成単位としてカウントする。
絶縁性微粒子を構成するポリマーは、2種以上の構成単位を有するコポリマーであり、該構成単位の少なくとも1種が構造中にエステル結合を有することが好ましい。これにより、ポリマーのガラス転移温度を好適に低いものとしやすく、絶縁性微粒子における導電性粒子と接触する面積の割合を高めて絶縁性微粒子と導電性粒子との密着性を高めることができるほか、絶縁性微粒子同士の結合度を高めることができ、被覆粒子間での絶縁性をより高いものとすることができる。
構造中にエステル結合を有する構成単位としては、構造中にエチレン性不飽和結合及びエステル結合を併せ持つ重合性化合物に由来するものが挙げられる。そのような重合性化合物としては前記で挙げたエステル類、具体的には、プロピオン酸ビニル、ビニルベンゾエート等のビニルエステルや(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸のエステル等が挙げられる。とりわけ構造中にエチレン性不飽和結合及びエステル結合を併せ持つ重合性化合物としては、その構造中に、-COOR又は-OCOR(R及びRはアルキル基)で表される基を有するものが好ましく、とりわけ、これらの基がHC=CH*、又はHC=C(CH)*(*は、上記の-COOR又は-OCORで表される基における結合手の結合先である)に結合した化合物が好ましい。R及びRとしては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素原子数が1以上12以下であることが好ましく、2以上10以下であることがより好ましい。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
絶縁性微粒子を構成するポリマーにおいて、全構成単位中、構造中にエステル結合を有する構成単位の割合は、絶縁性微粒子のガラス転移温度を好適な範囲とする観点や、重合反応進行時に生成した絶縁性微粒子が、熱によって溶融し反応容器の壁面に付着することなく取り出せる観点から0.1モル%以上30モル%以下であることが好ましく、1モル%以上25モル%以下であることがより好ましい。ここでいう構造中にエステル結合を有する構成単位の好ましい例は、例えば以下の一般式(4)で表される。
Figure 0007062555000004
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは-COOR又は-OCORで表される基である。)
絶縁性微粒子のガラス転移温度は、導電性粒子の芯材のガラス転移温度よりも低いことが好ましい。このように構成することで、絶縁性微粒子における導電性粒子と接触する面積の割合、及び絶縁性微粒子同士の付着性を容易に高めることができる。
特に本実施形態では絶縁性微粒子として表面にホスホニウム基を有するものを用いることにより、上述した通り、絶縁性微粒子の導電性粒子への単層での密着が可能であるところ、絶縁性微粒子としてガラス転移温度の低いものを用いることで更に容易に絶縁性微粒子の導電性粒子への密着性、及び、絶縁性微粒子同士の付着性を高めることができる。従って本実施形態では被覆粒子間の絶縁性が効果的に向上できる。
より具体的には、絶縁性微粒子のガラス転移温度は、100℃以下であることが好ましく、95℃以下であることがより好ましく、90℃以下であることが特に好ましい。
また絶縁性微粒子のガラス転移温度は、40℃以上であることが、被覆粒子の保存時等の形状安定性や絶縁性微粒子の合成の容易性の点から好ましく、45℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることが特に好ましい。ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
前記と同様の点から芯材がガラス転移温度を有する場合、絶縁性微粒子のガラス転移温度と導電性粒子の芯材のガラス転移温度との差は、160℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましく、100℃以下であることが特に好ましい。絶縁性微粒子のガラス転移温度と導電性粒子の芯材のガラス転移温度との差は、5℃以上であることが好ましく、10℃以上であることがより好ましい。
ガラス転移温度の測定方法は、例えば以下の方法が挙げられる。
示差走査熱量計「STAR SYSTEM」(METTLER TOLEDO社製)を用いて、試料0.04~0.06gを、200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/minで25℃まで冷却した。次いで試料を昇温速度5℃/minで昇温し、熱量を測定した。ピークが観測されるときはそのピークの温度を、ピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の高温側のベースラインの延長線との交点の温度をガラス転移温度とした。
絶縁性微粒子の平均粒子径(D)は、好ましくは10nm以上3,000nm以下、より好ましくは15nm以上2,000nm以下である。絶縁性微粒子の平均粒子径が上記範囲内であることで、得られる被覆粒子が対向電極間とは異なる方向での短絡を発生させることなく、対向電極間での導通を確保しやすい。本発明において、絶縁性微粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡を用いた観察において測定した値であり、具体的には後述する実施例に記載の方法にて測定できる。
前述の方法によって測定された絶縁性微粒子の粒度分布には幅がある。一般に、粉体の粒度分布の幅は、下記計算式(1)で示される変動係数(Coefficient of Variation、以下「C.V.」とも記載する)により表わされる。
C.V.(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100・・・(1)
このC.V.が大きいということは粒度分布に幅があることを示し、一方、C.V.が小さいということは粒度分布がシャープであることを示す。本実施形態の被覆粒子は、絶縁性微粒子のC.V.が5%以上であることが好ましく、7%以上であることがより好ましく、10%超であることが最も好ましい。C.V.を上記下限以上とすることで絶縁性微粒子による導電性粒子表面の被覆をより密にしやすい。またC.V.値は、絶縁性微粒子による被覆層の厚みを均一にする観点から20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
絶縁層としては、前記の絶縁性微粒子からなるものに替えて、ポリマーからなりホスホニウム基を有する化合物を含む連続皮膜であってもよい。連続皮膜の「連続」とは、絶縁性微粒子に比して、より連続的に導電性粒子を被覆することを指すものであり、必ずしも一つの導電性粒子を一つの連続皮膜だけで覆う形態を指すものではなく、一つの導電性粒子を断続的に複数の皮膜により覆っていてもよい。絶縁層が、ホスホニウム基を有する化合物を含む連続皮膜である場合、該被覆粒子を電極間で熱圧着することで該連続皮膜が溶融、変形又は剥離することにより導電性粒子の金属表面が露出し、これにより電極間での導通を可能とし接続性が得られる。特に、被覆粒子を電極間で熱圧着することで連続皮膜が破けることにより金属表面が露出する場合が多い。一方、被覆粒子における熱圧着方向とは異なる方向を向く表面部分では、連続皮膜による導電性粒子の被覆状態が概ね維持されているため、熱圧着方向以外の方向における導通が防止される。絶縁性皮膜もホスホニウム基を表面に有することが好ましい。
絶縁層が連続皮膜からなる場合であっても式(1)で表されるホスホニウム基を有することにより、金属皮膜の酸化を防止しやすい。連続皮膜が、導電性粒子を被覆した絶縁性微粒子を加熱してなるものであるか、或いは導電性粒子を被覆した絶縁性微粒子を有機溶剤で溶解させたものである場合、絶縁層の前駆体となる絶縁性微粒子を密に被覆できるため、絶縁性微粒子の溶融又は溶解によって得られる連続皮膜が緻密に導電性粒子表面を被覆し、安定した絶縁性を得ることができる。
絶縁層がホスホニウム基を有する化合物を含む連続皮膜である場合、該皮膜は導電性粒子の表面全体を被覆するものであってもよく、表面の一部を被覆するものであってもよい。また連続皮膜の表面は平坦であってもよく、絶縁性微粒子を溶融又は溶解してなることに由来する凹凸を表面の一部又は全部に有していてもよい。また絶縁層は、連続皮膜と絶縁性微粒子とが混在した状態であってもよい。
連続皮膜の厚さとしては、10nm以上であることが、対向電極間と異なる方向における絶縁性の向上の点から好ましく、3,000nm以下であることが、対向電極間での導通しやすさの点で好ましい。この点から、連続皮膜の厚さは、10nm以上3,000nm以下であることが好ましく、15nm以上2,000nm以下であることがより好ましい。
絶縁性微粒子と同様、連続皮膜において式(1)で表されるホスホニウム基は、連続皮膜を構成する物質の一部として、該物質の化学構造の一部をなしていることが好ましい。連続皮膜において式(1)で表されるホスホニウム基は、連続皮膜を構成するポリマーの構成単位の少なくとも1種の構造中に含有されていることが好ましい。式(1)で表されるホスホニウム基は、連続皮膜を構成するポリマーに化学結合していることが好ましく、より好ましくはポリマーの側鎖に結合している。
連続皮膜が有する式(1)で表されるホスホニウム基としては上記絶縁性微粒子が有する式(1)で表されるホスホニウム基と同様のものが挙げられる。
また連続皮膜を構成するポリマーの構成単位及びその組成の例としては上述した絶縁性微粒子を構成するポリマーの構成単位及びその組成の例として上記で挙げたものと同様のものが挙げられ、上記の構成単位の好ましい比率範囲は、全て連続皮膜についても当てはまる。連続皮膜のガラス転移温度としては、上述した絶縁性微粒子のガラス転移温度と同様のものが挙げられる。連続皮膜のガラス転移温度と芯材粒子のガラス転移温度との関係としては、上述した絶縁性微粒子のガラス転移温度と芯材粒子のガラス転移温度との関係と、同様の関係が挙げられる。
次いで本実施形態の被覆粒子の好適な製造方法について説明する。
本製造方法は、式(1)で表されるホスホニウム基を有する重合性化合物を含む重合性組成物を重合させて、表面にホスホニウム基を有する絶縁性微粒子を得る第1工程、
絶縁性微粒子と、導電性粒子とを混合して、導電性粒子表面に絶縁性微粒子を付着させる第2工程、とを有する。
(第1工程)
上記重合性組成物は、2種以上の重合性化合物からなるものであり、少なくとも1種がホスホニウム基を有するものが挙げられる。重合性化合物としては、上述した絶縁性微粒子を構成するポリマーの構成単位となるエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物が挙げられる。また、好ましい重合性化合物やその構成比としては、上述した、絶縁性微粒子を構成するポリマーの好ましい構成単位やその好ましい量比を与えるものが挙げられる。
重合方法としては、乳化重合、ソープフリー乳化重合、分散重合、懸濁重合等が挙げられ、何れであってもよいが、ソープフリー乳化重合であると、単分散な微粒子を界面活性剤を使用せずに製造できる利点があることから好ましい。ソープフリー乳化重合の場合、重合開始剤としては、水溶性開始剤が用いられる。重合は窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
以上により、表面に式(1)で表されるホスホニウム基を有する絶縁性微粒子が得られる。
(第2工程)
次いで、絶縁性微粒子と、導電性粒子とを混合して、導電性粒子表面に絶縁性微粒子を付着させる。絶縁性微粒子と導電性粒子との混合は、液媒中で行うことが好ましい。液媒としては、水及び有機溶媒並びにその混合物が挙げられ、水が好ましい。有機溶媒としては後述するように絶縁性微粒子を溶解させないものとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等のアルコール類等を用いることができる。
導電性粒子としてその外表面に表面処理剤を有するものを用いる場合は、例えば、絶縁性微粒子と混合する前に、導電性粒子を表面処理剤の溶液中に分散させるなどの表面処理を行えばよい。
絶縁性微粒子と導電性粒子とを液媒中で混合させる際、これらの粒子と液媒からなる分散液は無機塩、有機塩又は有機酸を含有することが、被覆率が一定以上の被覆粒子を得やすい点から好ましい。無機塩、有機塩又は有機酸としては、陰イオンを解離するものが好適に用いられ、この陰イオンとしては、Cl、F、Br、I、SO 2-、CO 2-、NO 、COO、RCOO(Rは有機基)等が好適である。無機塩としては、例えばNaCl、KCl、LiCl、MgCl、BaCl、NaF、KF、LiF、MgF、BaF、NaBr、KBr、LiBr、MgBr、BaBr、NaI、KI、LiI、MgI、BaI、NaSO、KSO、LiSO、MgSO、NaCO、NaHCO、KCO、KHCO、LiCO、LiHCO、MgCO、NaNO、KNO、LiNO、MgNO、BaNO等を用いることができる。また有機塩としては、コハク酸Na、シュウ酸Na、酢酸Na、クエン酸Na、マロン酸Na、酒石酸Na、フマル酸Na、マレイン酸Na、等を用いることができる。有機酸としてはグリシン等のアミノ酸や、コハク酸、シュウ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸等を用いることができる。
好ましい無機塩、有機塩及び有機酸の濃度は、導電性粒子表面積において絶縁性微粒子が占める被覆面積としてどの程度とするかにより異なるが、絶縁性微粒子及び導電性粒子を含む分散液中において、例えば、1mmol/L以上100mmol/L以下となる濃度であると、好適な被覆率を有し、また絶縁性微粒子が単層である被覆粒子を得やすいために好ましい。この観点から、当該分散液中の無機塩、有機塩及び有機酸の濃度は2mmol/L以上90mmol/L以下であることがより好ましく、3mmol/L以上80mmol/L以下であることが特に好ましい。
絶縁性微粒子及び導電性粒子を液媒中で混合させるにあたっては、絶縁性微粒子を含む分散液と導電性粒子とを混合してもよく、導電性粒子を含む分散液と絶縁性微粒子とを混合してもよく、或いは、液媒に絶縁性微粒子及び導電性粒子をそれぞれ投入してもよく、絶縁性微粒子を含む分散媒と導電性粒子を含む分散媒とを混合してもよい。導電性粒子と絶縁性微粒子とを含む分散液中に、導電性粒子は質量基準で100ppm以上100,000ppm以下含有されていることが好ましく、500ppm以上80,000ppm以下含有されていることがより好ましい。
導電性粒子と絶縁性微粒子とを含む分散液中に、絶縁性微粒子は質量基準で10ppm以上50,000ppm以下含有されていることが好ましく、250ppm以上30,000ppm以下含有されていることがより好ましい。
導電性粒子と絶縁性微粒子とを含む分散液の温度は、一般に、15℃以上100℃以下とすることが、品質が一定な被覆粒子が得やすい点から好ましく、20℃以上90℃以下であることが特に好ましい。特に絶縁性微粒子のガラス転移温度をTg℃としたときに、分散液の温度は、Tg-60℃以上Tg+30℃以下であることが好ましく、Tg-50℃以上Tg+15℃以下であることがより好ましい。この範囲であると、絶縁性微粒子がその形状を維持しながら導電性粒子に密着し、絶縁性微粒子と導電性粒子との間に好適な接触面積を得やすいため好ましい。尤も、本発明の式(1)で表されるホスホニウム基を有する絶縁性微粒子は、導電性粒子との親和性が高いため、上記温度の範囲内であれば十分に被覆することが可能である。
導電性粒子混合後の分散液において、絶縁性微粒子の導電性粒子への付着に供する時間は、好ましくは0.1時間以上24時間以下である。この間、分散液を撹拌することが好ましい。次いで、分散液の固形分を必要に応じ、洗浄、乾燥し、ホスホニウム基を有する絶縁性微粒子が導電性粒子表面に付着した被覆粒子が得られる。
上述したように、絶縁性微粒子が導電性粒子表面に付着した被覆粒子を加熱することにより、絶縁性微粒子を溶融状態として、導電性粒子表面を膜状に被覆することができる。絶縁性微粒子を膜状にすることにより、絶縁性がより強固なものとなる。加熱する方法としては、絶縁性微粒子を導電性粒子表面に付着させた後の分散液を加温する方法、被覆粒子を水などの溶媒中で加温する方法、被覆粒子を不活性ガスなどの気相中で加温する方法等が挙げられる。加熱温度としては、絶縁性微粒子が脱落することなく均一な膜状を形成しやすい点から、絶縁性微粒子を構成するポリマーのガラス転移温度をTgとしたときにTg+1℃以上Tg+60℃以下が好ましく、Tg+5℃以上Tg+50℃以下がより好ましく、Tg+10℃超であることが最も好ましい。また、被覆粒子を気相中で加温する場合、その圧力条件は大気圧下、減圧下又は加圧下で行うことができる。
また、絶縁性微粒子が導電性粒子表面に付着した被覆粒子は、その分散液に有機溶剤を添加することによっても、絶縁性微粒子を流動状態にすることができるため、導電性粒子表面を膜状に被覆することができる。絶縁性微粒子を溶解させる場合、この有機溶剤としてはテトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、N-メチル-2-ピロリドン及びN,N-ジメチルホルムアミド等を用いることができる。有機溶剤の添加量としては、絶縁性微粒子が脱落することなく均一な膜状を形成しやすい点から、分散液中の被覆粒子1質量部に対して1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、5質量部以上50質量部以下であることがより好ましい。添加温度としては、絶縁性微粒子が脱落することなく均一な膜状を形成しやすい点から、10℃以上100℃以下が好ましく、20℃以上80℃以下がより好ましい。
導電性粒子表面を膜状に被覆した被覆粒子は、連続皮膜をより安定化させるために、アニーリング処理を行ってもよい。アニーリング処理の方法としては、被覆粒子を不活性ガスなどの気相中で加温する方法等が挙げられる。加熱温度としては、絶縁性微粒子を構成するポリマーのガラス転移温度をTgとしたときにTg+1℃以上Tg+60℃以下が好ましく、Tg+5℃以上Tg+50℃以下がより好ましい。加熱雰囲気としては特に制限されず、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気又は空気等の酸化性雰囲気において、大気圧下、減圧下又は加圧下の何れの条件で行うこともできる。
以上、好ましい製造方法を説明したが、本発明の被覆粒子は他の製造方法によっても製造することができる。例えば、ホスホニウム基を有しない絶縁性微粒子を予め重合反応により製造し、得られた絶縁性微粒子をホスホニウム基を有する化合物と反応させる等して、絶縁性微粒子表面にホスホニウム基を導入してもよい。
以上のようにして得られた被覆粒子は導電性粒子と、ホスホニウム基を有する絶縁性微粒子や連続皮膜とを組みあわせた利点による被覆粒子間の絶縁性及び対向電極間での接続性を活かして、導電性接着剤、異方性導電膜、異方性導電接着剤等の導電性材料として好適に使用される。
以下、本発明を実施例により説明する。しかしながら本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。例中の特性は下記の方法により測定した。
(1)平均粒子径
測定対象の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(倍率100,000倍)から、任意に200個の粒子を抽出して、それらの粒子径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。平均粒子径の定義は上述した通りである。
(2)C.V.(変動係数)
前記平均粒子径の測定から、下記式により求めた。
C.V.(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100
(3)ガラス転移温度
示差走査熱量測定装置(METTLER TOLEDO社製、STAR SYSTEM)にて昇降温速度5℃/min、窒素雰囲気下、測定温度25℃から200℃までの熱量変化を上記の手順で測定した。
(実施例1)
[トリブチルホスホニウム系絶縁性微粒子の製造]
長さ60mmの撹拌羽根を取り付けた200mLの4つ口フラスコに、純水を100mL投入した。その後、スチレンモノマー(関東化学(株)社製)30.00mmol、n-ブチルアクリレート(関東化学(株)社製)5.3mmol、4-(ビニルベンジル)トリブチルホスホニウムクロライド(日本化学工業(株)社製)0.30mmol、架橋剤としてジビニルベンゼン(新日鉄住金化学社製)を1.50mmol及び重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業社製、V-50)0.50mmolを投入した。窒素を15分間通気し、溶存酸素を追い出した後、60℃に昇温し、6時間保持して重合反応を進行させた。重合後の微粒子の分散液を目開き150μmのSUS篩にかけ、凝集物を除去した。凝集物を除去した分散液を、遠心分離機(日立工機(株)社製、CR-21N)にて20,000rpm、20分間の条件にて遠心分離して微粒子を沈降させ、上澄み液を除去した。得られた固形物に純水を加えて洗浄して、架橋樹脂からなるトリブチルホスホニウム系絶縁性微粒子の球状の微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は139nmであり、C.V.が8.6%であった。またガラス転移温度は約81℃であった。
[絶縁性微粒子被覆導電性粒子の製造]
球状の樹脂粒子の表面に厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。前記のNiめっき粒子5.0gに純水100mLを投入、撹拌してNiめっき粒子の分散液を得た。この分散液に、上記で得られた絶縁性微粒子と、NaSOを投入し、40℃で30分間撹拌した。絶縁性微粒子及びNaSOの投入後、分散液中、絶縁性微粒子の固形分濃度は質量基準で10,000ppmであり、NaSOの濃度は5mmol/Lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子における絶縁性微粒子の被覆率を下記方法にて求めた。結果を表1に示す。
(実施例2)
[トリブチルホスホニウム系絶縁性微粒子の製造]
実施例1と同じ方法で絶縁性微粒子を得た。
[絶縁性微粒子被覆導電性粒子の製造]
球状の樹脂粒子の表面に厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。前記のNiめっき粒子5.0gに純水100mLを投入、撹拌してNiめっき粒子の分散液を得た。この分散液に、上記で得られた絶縁性微粒子と、NaClを投入し、40℃で30分間撹拌した。絶縁性微粒子及びNaClの投入後、分散液中、絶縁性微粒子の固形分濃度は質量基準で10,000ppmであり、NaClの濃度は10mmol/Lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子における絶縁性微粒子の被覆率を下記方法にて求めた。結果を表1に示す。
(実施例3)
[トリブチルホスホニウム系絶縁性微粒子の製造]
実施例1と同じ方法で絶縁性微粒子を得た。
[絶縁性微粒子被覆導電性粒子の製造]
球状の樹脂粒子の表面に厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。前記のNiめっき粒子5.0gに純水100mLを投入、撹拌してNiめっき粒子の分散液を得た。この分散液に、上記で得られた絶縁性微粒子と、コハク酸を投入し、40℃で30分間撹拌した。絶縁性微粒子及びコハク酸の投入後、分散液中、絶縁性微粒子の固形分濃度は質量基準で10,000ppmであり、コハク酸の濃度は10mmol/Lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子における絶縁性微粒子の被覆率を下記方法にて求めた。結果を表1に示す。
(実施例4)
[トリブチルホスホニウム系絶縁性微粒子の製造]
実施例1と同じ方法で絶縁性微粒子を得た。
[絶縁性微粒子被覆導電性粒子の製造]
球状の樹脂粒子の表面に厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。前記のNiめっき粒子5.0gに純水100mLを投入、撹拌してNiめっき粒子の分散液を得た。1質量%のベンゾトリアゾールの水溶液10mLをこの分散液に投入して5分間撹拌し表面処理を行った。その後、目開きが2.0μmのメンブレンフィルターでろ過し、ベンゾトリアゾールの層を表面に有するNiめっき粒子を回収した。回収したNiめっき粒子を純水で洗浄後、純水100mLを投入してベンゾトリアゾールの層を表面に有するNiめっき粒子の分散液を得た。この分散液に、上記で得られた絶縁性微粒子と、NaSOを投入し、40℃で30分間撹拌した。絶縁性微粒子及びNaSOの投入後、分散液中、絶縁性微粒子の固形分濃度は質量基準で10,000ppmであり、NaSOの濃度は5mmol/Lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子における絶縁性微粒子の被覆率を下記方法にて求めた。結果を表1に示す。得られた被覆粒子のSEM写真を図1に示す。
(実施例5)
[トリブチルホスホニウム系絶縁性微粒子の製造]
実施例1と同じ方法で絶縁性微粒子を得た。
[絶縁性微粒子被覆導電性粒子の製造]
球状の樹脂粒子の表面に、平均高さが0.1μm、平均の基部の長さが0.197μm、アスペクト比0.5である、1,030個の突起を有し且つ厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。また前記のNiめっき粒子5.0gに純水100mLを投入、撹拌してNiめっき粒子の分散液を得た。1質量%のベンゾトリアゾールの水溶液10mLをこの分散液に投入して5分間撹拌し表面処理を行った。その後、目開きが2.0μmのメンブレンフィルターでろ過し、ベンゾトリアゾールの層を表面に有するNiめっき粒子を回収した。回収したNiめっき粒子を純水で洗浄後、純水100mLを投入してベンゾトリアゾールの層を表面に有するNiめっき粒子の分散液を得た。この分散液に、上記で得られた絶縁性微粒子と、NaSOを投入し、これを40℃で30分間撹拌した。絶縁性微粒子及びNaSOの投入後、分散液中、絶縁性微粒子の固形分濃度は質量基準で10,000ppmであり、NaSOの濃度は5mmol/Lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子における絶縁性微粒子の被覆率を下記方法にて求めた。結果を表1に示す。
(実施例6)
[トリオクチルホスホニウム系絶縁性微粒子の製造]
長さ60mmの撹拌羽根を取り付けた200mLの4つ口フラスコに、純水を100mL投入した。その後、スチレンモノマー(関東化学(株)社製)30.00mmol、n-ブチルアクリレート(関東化学(株)社製)5.3mmol、4-(ビニルベンジル)トリオクチルホスホニウムクロライド(日本化学工業(株)社製)0.30mmol、架橋剤としてジビニルベンゼン(新日鉄住金化学社製)を1.5mmol及び重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業社製、V-50)0.50mmolを投入した。窒素を15分間通気し、溶存酸素を追い出した後、60℃に昇温し、6時間保持して重合反応を進行させた。重合後の微粒子の分散液を目開き150μmのSUS篩にかけ、凝集物を除去した。凝集物を除去した分散液を、遠心分離機(日立工機(株)社製、CR-21N)にて20,000rpm、20分間の条件にて遠心分離して微粒子を沈降させ、上澄み液を除去した。得られた固形物に純水を加えて洗浄して、架橋樹脂からなるトリオクチルホスホニウム系絶縁性微粒子の球状の微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は152nmであり、C.V.が10.6%であった。またガラス転移温度は約82℃であった。
[絶縁性微粒子被覆導電性粒子の製造]
上記で得た絶縁性微粒子を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。詳細には、球状の樹脂粒子の表面に厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。前記のNiめっき粒子5.0gに純水100mLを投入、撹拌してNiめっき粒子の分散液を得た。この分散液に、上記で得られた絶縁性微粒子と、NaSOを投入し、40℃で30分間撹拌した。絶縁性微粒子及びNaSOの投入後、分散液中、絶縁性微粒子の固形分濃度は質量基準で10,000ppmであり、NaSOの濃度は5mmol/Lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子における絶縁性微粒子の被覆率を下記方法にて求めた。結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1で得られた絶縁性微粒子被覆導電性粒子1.0gを、純水20mL中に投入し、95℃で6時間撹拌した。撹拌終了後、目開きが2μmのメンブレンフィルターにより固形物を分離後、乾燥して、導電性粒子の表面全体が厚さ125nmの皮膜に被覆された絶縁性連続皮膜被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子のSEM写真を図2に示す。
(実施例8)
実施例1で得られた絶縁性微粒子被覆導電性粒子1.0gを、純水20mL中に投入して分散液を得た。この分散液にテトラヒドロフラン10mLを加え、室温で6時間撹拌した。撹拌終了後、目開きが2μmのメンブレンフィルターにより固形物を分離して水洗後、乾燥して、導電性粒子の表面全体が厚さ100nmの連続皮膜に被覆された連続皮膜被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子のSEM写真を図3に示す。
(比較例1)
[トリエチルホスホニウム系絶縁性微粒子の製造]
長さ60mmの撹拌羽根を取り付けた200mLの4つ口フラスコに、純水を100mL投入した。その後、スチレンモノマー(関東化学(株)社製)30.00mmol、n-ブチルアクリレート(関東化学(株)社製)5.3mmol、4-(ビニルベンジル)トリエチルホスホニウムクロライド(日本化学工業(株)社製)0.30mmol、架橋剤としてジビニルベンゼン(新日鉄住金化学社製)を1.5mmol及び重合開始剤として2,2‘-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業社製、V-50)0.50mmolを投入した。窒素を15分間通気し、溶存酸素を追い出した後、60℃に昇温し、6時間保持して重合反応を進行させた。重合後の微粒子の分散液を目開き150μmのSUS篩にかけ、凝集物を除去した。凝集物を除去した分散液を、遠心分離機(日立工機(株)社製、CR-21N)にて20,000rpm、20分間の条件にて遠心分離して微粒子を沈降させ、上澄み液を除去した。得られた固形物に純水を加えて洗浄して、架橋樹脂からなるトリエチルホスホニウム系絶縁性微粒子の球状の微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は143nmであり、C.V.が10.7%であった。またガラス転移温度は約80℃であった。
[絶縁性微粒子被覆導電性粒子の製造]
上記で得た絶縁性微粒子を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。詳細には、球状の樹脂粒子の表面に厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。前記のNiめっき粒子5.0gに純水100mLを投入、撹拌してNiめっき粒子の分散液を得た。この分散液に、上記で得られた絶縁性微粒子と、NaSOを投入し、40℃で30分間撹拌した。絶縁性微粒子及びNaSOの投入後、分散液中、絶縁性微粒子の固形分濃度は質量基準で10,000ppmであり、NaSOの濃度は5mmol/Lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子における絶縁性微粒子の被覆率を下記方法にて求めた。結果を表1に示す。
(比較例2)
[トリエチルホスホニウム系絶縁性微粒子の製造]
比較例1と同じ方法で絶縁性微粒子を得た。
[絶縁性微粒子被覆導電性粒子の製造]
上記で得た絶縁性微粒子を用いたこと以外は、実施例2と同じ方法で絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。詳細には、球状の樹脂粒子の表面に厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。前記のNiめっき粒子5.0gに純水100mLを投入、撹拌してNiめっき粒子の分散液を得た。この分散液に、上記で得られた絶縁性微粒子と、NaClを投入し、40℃で30分間撹拌した。絶縁性微粒子及びNaClの投入後、分散液中、絶縁性微粒子の固形分濃度は質量基準で10,000ppmであり、NaClの濃度は10mmol/Lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子における絶縁性微粒子の被覆率を下記方法にて求めた。結果を表1に示す。
(比較例3)
[トリエチルホスホニウム系絶縁性微粒子の製造]
比較例1と同じ方法で絶縁性微粒子を得た。
[絶縁性微粒子被覆導電性粒子の製造]
上記で得た絶縁性微粒子を用いたこと以外は、実施例3と同じ方法で絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。詳細には、球状の樹脂粒子の表面に厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。前記のNiめっき粒子5.0gに純水100mLを投入、撹拌してNiめっき粒子の分散液を得た。この分散液に、上記で得られた絶縁性微粒子と、コハク酸を投入し、40℃で30分間撹拌した。絶縁性微粒子及びコハク酸の投入後、分散液中、絶縁性微粒子の固形分濃度は質量基準で10,000ppmであり、コハク酸の濃度は10mmol/Lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子における絶縁性微粒子の被覆率を下記方法にて求めた。結果を表1に示す。
(比較例4)
[トリドデシルホスホニウム系絶縁性微粒子の製造]
長さ60mmの撹拌羽根を取り付けた200mLの4つ口フラスコに、純水を100mL投入した。その後、スチレンモノマー(関東化学(株)社製)30.00mmol、n-ブチルアクリレート(関東化学(株)社製)5.3mmol、4-(ビニルベンジル)トリドデシルホスホニウムクロライド(日本化学工業(株)社製)0.30mmol、架橋剤としてジビニルベンゼン(新日鉄住金化学社製)を1.5mmol及び重合開始剤として2,2‘-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業社製、V-50)0.50mmolを投入した。窒素を15分間通気し、溶存酸素を追い出した後、60℃に昇温し、6時間保持して重合反応を進行させた。重合後の微粒子の分散液を目開き150μmのSUS篩にかけ、凝集物を除去した。凝集物を除去した分散液を、遠心分離機(日立工機(株)社製、CR-21N)にて20,000rpm、20分間の条件にて遠心分離して微粒子を沈降させ、上澄み液を除去した。得られた固形物に純水を加えて洗浄して、架橋樹脂からなるトリドデシルホスホニウム系絶縁性微粒子の球状の微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は149nmであり、C.V.が11.7%であった。またガラス転移温度は約78℃であった。
[絶縁性微粒子被覆導電性粒子の製造]
上記で得た絶縁性微粒子を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。詳細には、球状の樹脂粒子の表面に厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。前記のNiめっき粒子5.0gに純水100mLを投入、撹拌してNiめっき粒子の分散液を得た。この分散液に、上記で得られた絶縁性微粒子と、NaSOを投入し、40℃で30分間撹拌した。絶縁性微粒子及びNaSOの投入後、分散液中、絶縁性微粒子の固形分濃度は質量基準で10,000ppmであり、NaSOの濃度は5mmol/Lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して絶縁性微粒子被覆導電性粒子を得た。得られた被覆粒子における絶縁性微粒子の被覆率を下記方法にて求めた。結果を表1に示す。
(被覆率の評価)
実施例1~6及び比較例1~4で得られた被覆粒子の被覆率を下記方法にて求めた。
Niめっき粒子の表面に、絶縁性微粒子が最密充填で配列したときの絶縁性微粒子の個数Nを以下の計算式で算出した。
N=4π(R+r)/2√3r
(R:Niめっき粒子の半径(nm)、r:絶縁性微粒子の半径(nm))
SEMにてNiめっき粒子に付着した絶縁性微粒子の個数nを数え、以下の式から被覆率を算出した。
被覆率(%)=(n/N)×100
評価に用いた被覆率は、Niめっき粒子20個の平均値とした。
(ニッケル皮膜の評価)
被覆粒子を85℃、85%RHで24時間保持した後、約1.0gをガラス製シャーレにはかり取り、赤外線水分計FD-610(株式会社ケツト化学研究所製)により、120℃、30分の条件で含水率を測定した。含水率が低いほどニッケル皮膜の酸化が防止されやすい。

Figure 0007062555000005

Claims (7)

  1. 芯材の表面に金属皮膜が形成された導電性の金属被覆粒子と、該金属被覆粒子を被覆するポリマーからなる絶縁層とを有し、該絶縁層が下記式(1)で表されるホスホニウム基を有する、被覆粒子。
    Figure 0007062555000006
    (式中、Rはそれぞれ独立に、炭素数4以上10以下のアルキル基である)。
  2. 前記絶縁層が、複数の絶縁性微粒子からなるか、又は連続皮膜である、請求項1に記載の被覆粒子。
  3. 前記絶縁層が、複数の絶縁性微粒子からなるか、又は絶縁性微粒子を溶融又は溶解させた連続皮膜である、請求項2に記載の被覆粒子。
  4. 前記ポリマーが架橋されている、請求項1~3の何れか1項に記載の被覆粒子。
  5. 前記絶縁性微粒子のC.V.が5%以上である、請求項2又は3に記載の被覆粒子。
  6. 前記絶縁層が、スチレン類、エステル類及びニトリル類から選ばれる少なくとも1種の重合体からなる、請求項1~5の何れか1項に記載の被覆粒子。
  7. 前記金属皮膜がニッケル又はニッケル合金の皮膜である、請求項1~6の何れか1項に記載の被覆粒子。
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