JP7059751B2 - 電子部品及び電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
前記接合部の50質量%以上を、Sn-Ag合金、または、Sn-Cu合金が占めることが好ましい。なお、本発明における合金は、固溶体合金と、金属間化合物を含む概念である。
前記第1金属含有層、及び、前記第2金属含有層を溶融して前記外部電極および前記リード端子間に接合部を形成するB工程と、を備え、次の(a)または(b)のいずれかを満たす。
(a)前記第1金属含有層は、Ag又はCuを含み、前記第2金属含有層はSnを含む。
(b)前記第2金属含有層は、Ag又はCuを含み、前記第1金属含有層はSnを含む。
前記外部電極の表面にAg又はCuを含むペーストを塗布し、その後、加熱して前記外部電極の表面に前記第1金属含有層を形成する工程、及び、
前記第1金属含有層と前記リード端子との間にSnを含むペーストを供給して前記第2金属含有層を形成する工程と、を備えることができる。
図1を参照して、本発明の実施形態にかかる電子部品100を説明する。
内部電極1の材料は、Ni,Cu,Pd等の金属材料であることができる。
セラミック層2の材料は、チタン酸バリウム等のセラミックであることができる。
第2の組成の接合部60において、Cuの質量%が25%以上であることにより、融点の低い部分が少なくなり、接合部の耐熱性が良くなるため、積層セラミックコンデンサの脱落が発生しにくい。Cuの質量%が90%以下であることにより、接合強度の低い部分が少なくなり、接合部の強度の高さを担保することができる。
接合部60におけるSn-Ag合金、または、Sn-Cu合金の質量%すなわち合金率が50質量%以上であると、接合部60において単一の金属の部分が殆ど存在せず、脆い部分が少ないため、よりクラックが発生しにくい。
続いて、上述の電子部品の製造方法を図2の(a)~(b)を参照して説明する。
(b)第2金属含有層40は、Ag又はCuを含有し、第1金属含有層20はSnを含有する。
(b)第2金属含有層40は、金属成分としてAg又はCuを95質量%以上含有することができ、第1金属含有層20は金属成分としてSnを95質量%以上含有することができる。
各金属含有層がSnを含む場合、各金属含有層は金属成分としてSnを99質量%以上含有することがより好適である。
このような金属含有層は、金属ペースト層であることができる。金属ペーストは、金属粉末などの金属成分と、非金属成分を含む。非金属成分は、樹脂成分、及び、溶媒を含む。金属粒子の例は、Ag粒子、Cu粒子、Sn粒子である。
金属含有層は、金属ペースト層でもよいが、金属ペースト層を焼き付け(熱処理)して、ペースト中の樹脂成分、及び、溶媒を除去した、金属層であってもよい。
本実施形態に係る電子部品100によれば、Niを80質量%以上含有する外部電極6、及び、上述の組成の接合部60を有している。NiとAgと、又は、NiとCuとは互いに反応性に乏しい一方、AgまたはCuは、熱処理によって溶融するSn内に容易に拡散する。したがって、融点が高く接合強度の高いSn-Ag合金またはSn-Cu合金が接合部に形成されやすくなる。さらに、リード端子80の使用により、積層セラミックコンデンサ10に与えられる応力を緩和することができる。これらにより、高温でのリフロー時においてリード端子80から積層セラミックコンデンサ10が脱落しにくく、電子部品100に外力が与えられた場合でも接合部60及び積層セラミックコンデンサ10にクラックが生じにくく、かつ、外部電極6とリード端子80との接合強度が十分となる。
積層セラミックコンデンサを用意した。このコンデンサは、両端部に、外部電極6を有している。外部電極6はガラスフリット及びNiを含む層である。ガラスフリットは、SrO-B2O3-SiO2ガラスを主成分とした。外部電極6のNi含有量は90質量%である。
実施例6は、以下のようにサンプルを作製した。
実施例1と同様の積層セラミックコンデンサ10及びリード端子80を用意した。次に、Agの金属粉末及びビヒクルを含むAgペーストを、リード端子側におけるAg表層82上に塗布してAgペースト層を形成し、Agペースト層を500℃のN2中で焼き付けて、Ag表層82の上に第2金属含有層40としてAg層を形成した。
リード端子側の表層82として、Ag表層でなくNi表層を用いた以外は、実施例6と同じにした。
Agペーストに代えて、Cuの金属粉末及びビヒクルを含むCuペーストを作製し、外部電極上に塗布してCuペースト層を形成し、Cuペースト層を500℃のN2中で焼き付けて、外部電極上に第1金属含有層としてCu層を形成した。
比較例5は、第1金属含有層として、Agペーストに代えて、Pdペーストを用い、Pd層を形成し、接合部の金属組成を表1のようにする以外は、実施例1と同様とした。
外部電極としてガラスフリット及びNiを含む層を有する積層セラミックコンデンサに代えて、外部電極として、コンデンサチップ側から順に、ガラスフリット及びCuを含む層、および、Niメッキ層を有する積層セラミックコンデンサを用意した。外部電極の最外のNi層上に、第1金属含有層としてSn層をメッキにより形成した。さらに、このSn層と、リード端子のAg層との隙間にSn半田ペーストを注入してSn半田ペースト層(第2金属含有層)を形成した。これ以降は実施例1と同様とした。
外部電極として、ガラスフリット及びNiを含む層に代えて、ガラスフリット及びCu(90質量%)を含む層を有する積層セラミックコンデンサを用意した。次に、Agの金属粉末及びビヒクルを含むAgペーストを、外部電極上に塗布してAgペースト層を形成し、Agペースト層を500℃のN2中で焼き付けて、外部電極上に第1金属含有層としてAg層を形成した。さらに、このAg層と、リード端子のAg層との隙間にSn半田ペーストを注入してSn半田ペースト層(第2金属含有層)を形成した。これ以降は実施例1と同様とした。
電子部品100の二つのリード端子80をそれぞれ治具に固定し、図1に示すように、一方の治具をX方向、他方の治具を-X方向に引っ張り、破断した時の張力値を強度とした。
Ag系の導電性接着剤を用いてプリント基板と電子部品とを接合した。-55℃と250℃との間の往復を1サイクルの熱処理とし、1サイクルの熱処理を1時間かけて行い、合計1000サイクルの熱処理を行い、電子部品の破損状態を調べた。熱処理サイクル後の強度の測定は初期強度と同じ方法で行った。
250℃の雰囲気下で電子部品100の積層セラミックコンデンサ10に図1の状態で上から下に向かって10N(実害のないレベル)の荷重を負荷し、接合部60の再溶融が生じて、リード端子80から積層セラミックコンデンサ10が脱落するか否かを調べた。100個サンプルの中、コンデンサが脱落したサンプルの数/100からなる数値(積層セラミックコンデンサ脱落率)を求めた。
コンデンサ脱落試験の負荷印加後の、接合部60、及び、積層セラミックコンデンサ10自体におけるクラックの有無を調べた。100個サンプルの中、クラックが発生したサンプルの数/100からなる数値(クラック発生率)を求めた。クラックは、接合部60及び積層セラミックコンデンサ10の断面を研磨し、目視で確認した。
接合部60における金属の組成は、電子部品を研磨し、接合部断面をEDX(エネルギー分散型蛍光X線)で分析して求めた。1つの実施例に対して、その接合部断面の異なる部分に対して5回の分析を行い、平均値を求めた。
積層セラミックコンデンサの外部電極とリード端子間に形成される接合部について、外部電極とリード端子とを結ぶ方向に平行な断面を形成し(図3参照)、接合部60と外部電極6との境界から、接合部60とリード端子80との境界までEDXで線分析を行い、線上の各点における各原子の濃度(組成)を分析した。2種類以上の金属が存在した場所を合金と判断した。同一断面内において異なる5か所の線分析を行い、線分析の合計長さに占める合金部分の長さの割合の平均より接合部の合金率(質量%)を求めた。
Claims (4)
- 外部電極を有する積層セラミックコンデンサと、
リード端子と、
前記外部電極と前記リード端子とを接合する接合部と、を備え、
前記外部電極はNiを80質量%以上含み、
前記接合部は、20~80質量%のAg、及び、残部の95質量%以上を占めるSnを含む、又は、25~90質量%のCu、及び、残部の95質量%以上を占めるSnを含み、
前記外部電極と前記接合部とが直接接触している、電子部品。 - 前記接合部の50質量%以上を、Sn-Ag合金、または、Sn-Cu合金が占める請求項1に記載の電子部品。
- リード端子と積層セラミックコンデンサの外部電極とを接合する工程を備え、前記外部電極はNiを80質量%以上含む、請求項1又は2に記載の電子部品の製造方法であって、
前記外部電極と、前記リード端子との間に、前記外部電極側から順に、第1金属含有層、及び、第2金属含有層を配置するA工程、
前記第1金属含有層、及び、前記第2金属含有層を溶融して前記外部電極および前記リード端子間に接合部を形成するB工程と、を備え、次の(a)または(b)のいずれかを満たす、電子部品の製造方法。
(a)前記第1金属含有層は、Ag又はCuを含み、前記第2金属含有層はSnを含む。
(b)前記第2金属含有層は、Ag又はCuを含み、前記第1金属含有層はSnを含む。 - (a)を満たし、
前記A工程は、
前記外部電極の表面にAg又はCuを含むペーストを塗布し、その後、加熱して前記外部電極の表面に前記第1金属含有層を形成する工程、
前記第1金属含有層と前記リード端子との間にSnを含むペーストを供給して前記第2金属含有層を形成する工程と、を備える、請求項3に記載の方法。
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