以下では、本発明の実施の形態に係る成分検知センサについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
まず、実施の形態に係る成分検知センサ100について説明する。
図1は実施の形態に係る成分検知センサ100の使用イメージを示す斜視図である。図1では、成分検知センサ100が、例えば浴室Bの天面に設置された状態を例示している。成分検知センサ100は、この状態で浴室Bの壁面及び床面などを走査することで、各部分の石鹸成分及び水分を検出する。
なお、成分検知センサ100は、浴室B内の壁面及び床面などを走査可能な位置に設置されていればよい。このため、成分検知センサ100は、浴室Bの壁面、天面または床面に埋め込まれていてもよい。
図2は、実施の形態に係る成分検知センサ100の概略構成を示す斜視図である。図3は、実施の形態に係る成分検知センサ100の制御ブロック図である。図2においては、下方が浴室Bの天面側となる。図2及び図3に示すように、成分検知センサ100は、センサ部1と、報知部2と、走査部3と、制御部4とを備えている。
センサ部1は、定位置から対象物に対して光を走査させながら照射して、各照射位置における成分の含有量を検出する。具体的には、センサ部1は、対象物である浴室B内の壁面及び床面に対して定位置から光を走査させながら照射して、各照射位置における石鹸成分及び水分を検出する。センサ部1は、走査部3によって姿勢が変動されるように、走査部3に設置されている。センサ部1は、走査部3によって姿勢が変動されることで、浴室B内の壁面及び床面を走査しながら光を照射して、当該浴室Bの部分毎の石鹸成分及び水分を検出する。センサ部1の詳細については、後述する。
図4は、実施の形態に係るセンサ部1の走査範囲Aを模式的に示す平面図である。走査範囲Aは、成分検知センサ100によって石鹸成分及び水分が検出される検出エリアである。つまり、走査範囲Aは、成分検知の対象物である。なお、図4では、浴室Bの一つの壁面に対応する走査範囲Aを示しているが、他の壁面、床面、あるいは天面においても同様である。図4に示すように、走査部3は、センサ部1からの光が走査範囲Aを走査する間に、当該光の走査を一時的に複数回停止する。図4では、一行あたり等間隔で6箇所停止され、一列あたり等間隔で6箇所停止される場合を、照射範囲Rとして図示している。照射範囲Rは、センサ部1が一回の停止時に光を照射する範囲である。
報知部2は、センサ部1の検出結果に基づく情報を報知する報知部である。報知部2は、例えば、浴室Bの壁面に設けられた表示モニタなどである。なお、報知部2は、浴室Bの別の部屋に設けられていてもよい。
走査部3は、センサ部1の姿勢を変動させて、照射範囲Rを走査させる。具体的には、図2に示すように走査部3は、回転台31と、第一回転部32と、第二回転部33とを備えている。回転台31は、浴室Bの天面に固定されており、第一回転部32及び第二回転部33を保持している。
第一回転部32は、一部が回転台31に対して回転するように回転台31に設けられている。具体的には、第一回転部32は、第一基台321と、第一基台321に対して立設した壁部322と、第一基台321を回転させる第一モータ323とを備えている。第一モータ323の回転軸は上下方向に沿う方向となっている。第一モータ323が駆動することで、第一基台321及び壁部322が回転台31に対して回転する。第一基台321及び壁部322の回転方向は、図2中、矢印Y1で示している。
第二回転部33は、一部が第一回転部32に対して回転するように第一回転部32に設けられている。具体的には、第二回転部33は、第二基台331と、第二基台331を回転させる第二モータ332とを備えている。第二基台331は、第二モータ332を介して、壁部322に取り付けられている。第二基台331には、センサ部1が固定されている。第二モータ332の回転軸は、第一モータ323の回転軸に対して直交している。第二モータ332が駆動することで、第二基台331が第一回転部32に対して回転する。第二基台331の回転方向は、図2中、矢印Y2で示している。
第一モータ323及び第二モータ332のそれぞれの回転角を制御することにより、センサ部1の姿勢が変動する。これにより、図4に示すように、照射範囲Rが走査範囲A内を走査することとなる。例えば、第一モータ323は、回転角が制御されることによって、主走査方向の照射範囲Rのピッチを調整する。また、第二モータ332は、回転角が制御されることによって、副走査方向の照射範囲Rのピッチを調整する。
図3に示すように、制御部4は、例えばマイクロコントローラで構成されており、センサ部1と、報知部2と、走査部3とを制御する。制御部4は、センサ部1と、報知部2と、走査部3とを制御するための処理プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。
具体的には、制御部4は、走査部3の第一モータ323と第二モータ332とを制御することにより、照射範囲Rの位置が走査範囲A内を一時的に複数回停止しながら走査するように、センサ部1の姿勢を制御する。一時停止時においては、制御部4は、センサ部1を制御して、その位置にある照射範囲R内の石鹸成分及び水分を検出する。制御部4は、報知部2を制御して、検出結果に基づく情報を報知する。
[センサ部]
次に、実施の形態に係るセンサ部1の概要について説明する。
図5は、実施の形態に係るセンサ部1の構成と対象物(走査範囲A)とを示す模式図である。図6は、実施の形態に係るセンサ部1の制御ブロック図である。
本実施の形態では、図5及び図6に示すように、センサ部1は、空間を隔てて存在する対象物に含まれる成分を検出する。
センサ部1は、筐体10と、発光部20と、受光部40と、信号処理回路50とを備えている。以下では、センサ部1の各構成要素について詳細に説明する。
[筐体]
筐体10は、発光部20と、受光部40と、信号処理回路50とを収容している。筐体10は、遮光性の材料から形成されている。これにより、外光が筐体10内に入射するのを抑制することができる。具体的には、筐体10は、第一受光モジュール41、第二受光モジュール42及び第三受光モジュール43が受光する光に対して遮光性を有する樹脂材料又は金属材料から形成されている。
筐体10の外壁には、複数の開口が設けられており、これらの開口に、発光部20のレンズ21と、受光部40のレンズ411、421、431とが取り付けられている。
[発光部]
発光部20は、第一検知光と、第二検知光と、参照光とを走査範囲Aに向けて発する発光部である。ここで、第一検知光は、炭素化合物成分による吸収が第一所定値よりも大きな第一波長帯を含む光である。また、第二検知光は、水分による吸収が第二所定値よりも大きな第三波長帯を含む光である。参照光は、水分による吸収が第二所定値以下であり、かつ炭素化合物成分による吸収が第一所定値以下である第二波長帯を含む光である。具体的には、発光部20は、レンズ21と、光源22とを備えている。
レンズ21は、光源22が発した光を、走査範囲Aに対して集光する集光レンズである。レンズ21は、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
光源22は、第一検知光をなす第一波長帯と、第二検知光をなす第三波長帯と、参照光をなす第二波長帯とを含む連続した光を発するLED(Light Emitting Diode)光源である。具体的には、光源22は、化合半導体からなるLED光源である。
図7は、ラウリン酸の吸光スペクトルを示す図である。ラウリン酸は、石鹸成分の一つである界面活性剤成分である。界面活性剤成分は、炭素化合物成分の一種でもある。つまり、本実施の形態では、炭素化合物成分の一つであるラウリン酸を検出することで、石鹸成分を検出する。図7に示すように、ラウリン酸は、約1200nm及び約1750nmの波長に吸収ピークを有する。このため、第一検知光をなす第一波長帯としては、ラウリン酸の吸光度が第一所定値よりも高い波長帯を選択する。つまり、第一波長帯は、ラウリン酸によって吸収されやすい波長帯と言える。第一所定値として用いられる吸光度は、例えば0.25である。例えば、第一波長帯は、1200nm及び1750nmの少なくとも1つを含む波長帯とする。
図8は、水分の吸光スペクトルを示す図である。図8に示すように、水分は、約1450nm及び約1940nmの波長に吸収ピークを有する。このため、第二検知光をなす第三波長帯としては、水の吸光度が第二所定値よりも高い波長帯を選択する。つまり、第三波長帯は、水分によって吸収されやすい波長帯と言える。第二所定値として用いられる吸光度は、例えば、0.3である。例えば、第三波長帯は、1450nm及び1940nmの少なくとも1つを含む波長帯とする。
参照光をなす第二波長帯としては、ラウリン酸による吸収が第一所定値以下であり、かつ、水分による吸収が第二所定値以下である波長帯を選択する。つまり、第二波長帯は、炭素化合物成分及び水分によって吸収されにくい波長帯と言える。例えば、第二波長帯は、1100nm及び1300nmの少なくとも一つを含む波長帯とする。
このように、光源22が、第一波長帯と第二波長帯と第三波長帯とを連続して含む光を照射するので、走査範囲Aには、第一検知光と参照光と第二検知光とが照射される。
[受光部]
受光部40は、発光部20から照射されて走査範囲Aを反射した光を受光し、電気信号に変換して測定する。受光部40は、第一受光モジュール41と、第二受光モジュール42と、第三受光モジュール43とを備えている。
図5に示すように第一受光モジュール41は、レンズ411と、第一バンドパスフィルタ412と、第一受光素子413とを備えている。
レンズ411は、走査範囲Aによって反射された反射光を第一受光素子413に集光するための集光レンズである。レンズ411は、例えば、焦点が第一受光素子413の受光面に位置するように筐体10に固定されている。レンズ411は、例えば、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
第一バンドパスフィルタ412は、反射光から第一波長帯の光を抽出するバンドパスフィルタである。具体的には、第一バンドパスフィルタ412は、レンズ411と、第一受光素子413との間に配置されており、レンズ411を透過して第一受光素子413に入射する反射光の光路上に設けられている。これにより、第一バンドパスフィルタ412は、第一波長帯の光を透過し、かつ、それ以外の波長帯の光を吸収する。
第一受光素子413は、走査範囲Aによって反射され、第一バンドパスフィルタ412を透過した第一波長帯の光を受光し、第一電気信号に変換する受光素子である。第一受光素子413は、受光した第一波長帯の光を光電変換することで、当該光の受光量(すなわち、強度)に応じた第一電気信号を生成する。つまり、第一電気信号は、第一測定結果である。生成された第一電気信号は、信号処理回路50に出力される。第一受光素子413は、例えば、フォトダイオードであるが、これに限定されない。例えば、第一受光素子413は、フォトトランジスタ、又は、イメージセンサでもよい。
第二受光モジュール42は、レンズ421と、第二バンドパスフィルタ422と、第二受光素子423とを備えている。
レンズ421は、走査範囲Aによって反射された反射光を第二受光素子423に集光するための集光レンズである。レンズ421は、例えば、焦点が第二受光素子423の受光面に位置するように筐体10に固定されている。レンズ421は、例えば、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
第二バンドパスフィルタ422は、反射光から第二波長帯の光を抽出するバンドパスフィルタである。具体的には、第二バンドパスフィルタ422は、レンズ421と、第二受光素子423との間に配置されており、レンズ421を透過して第二受光素子423に入射する反射光の光路上に設けられている。これにより、第二バンドパスフィルタ422は、第二波長帯の光を透過し、かつ、それ以外の波長帯の光を吸収する。
第二受光素子423は、走査範囲Aによって反射され、第二バンドパスフィルタ422を透過した第二波長帯の光を受光し、第二電気信号に変換する受光素子である。第二受光素子423は、受光した第二波長帯の光を光電変換することで、当該光の受光量に応じた第二電気信号を生成する。つまり、第二電気信号は、第二測定結果である。生成された第二電気信号は、信号処理回路50に出力される。第二受光素子423は、例えば、フォトダイオードであるが、これに限定されない。例えば、第二受光素子423は、フォトトランジスタ、又は、イメージセンサでもよい。
第三受光モジュール43は、レンズ431と、第三バンドパスフィルタ432と、第三受光素子433とを備えている。
レンズ431は、走査範囲Aによって反射された反射光を第三受光素子433に集光するための集光レンズである。レンズ431は、例えば、焦点が第三受光素子433の受光面に位置するように筐体10に固定されている。レンズ431は、例えば、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
第三バンドパスフィルタ432は、反射光から第三波長帯の光を抽出するバンドパスフィルタである。具体的には、第三バンドパスフィルタ432は、レンズ431と、第三受光素子433との間に配置されており、レンズ431を透過して第三受光素子433に入射する反射光の光路上に設けられている。これにより、第三バンドパスフィルタ432は、第三波長帯の光を透過し、かつ、それ以外の波長帯の光を吸収する。
第三受光素子433は、走査範囲Aによって反射され、第三バンドパスフィルタ432を透過した第三波長帯の光を受光し、第三電気信号に変換する受光素子である。第三受光素子433は、受光した第三波長帯の光を光電変換することで、当該光の受光量に応じた第三電気信号を生成する。つまり、第三電気信号は、第三測定結果である。生成された第三電気信号は、信号処理回路50に出力される。第三受光素子433は、例えば、フォトダイオードであるが、これに限定されない。例えば、第三受光素子433は、フォトトランジスタ、又は、イメージセンサでもよい。
[信号処理回路]
信号処理回路50は、発光部20の光源22を点灯制御するとともに、第一受光素子413、第二受光素子423及び第三受光素子433から出力された第一電気信号、第二電気信号及び第三電気信号を処理することで、ラウリン酸の量及び水分量を演算する回路である。
信号処理回路50は、筐体10に収容されていてもよく、又は、筐体10の外側面に取り付けられていてもよい。あるいは、信号処理回路50は、無線通信などの通信機能を有し、第一受光素子413からの第一電気信号、第二受光素子423からの第二電気信号及び第三受光素子433からの第三電気信号を受信してもよい。
具体的には、図6に示すように、信号処理回路50は、光源制御部51、第一増幅部521、第二増幅部522、第三増幅部523、第一信号処理部531、第二信号処理部532、第三信号処理部533及び演算部56を備えている。
光源制御部51は、駆動回路及びマイクロコントローラで構成される。光源制御部51は、光源22の制御プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。光源制御部51は、光源22の点灯及び消灯が所定の発光周期で繰り返されるように、光源22を制御する。具体的には、光源制御部51は、所定の周波数(例えば、1kHz)のパルス信号を光源22に出力することで、光源22を所定の発光周期で点灯及び消灯させる。
第一増幅部521は、第一受光素子413が出力した第一電気信号を増幅して第一信号処理部531に出力する。具体的には、第一増幅部521は、第一電気信号を増幅するオペアンプである。
第一信号処理部531は、マイクロコントローラで構成される。第一信号処理部531は、第一電気信号に対する処理プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。第一信号処理部531は、第一電気信号に対して、通過帯域制限を行うとともに当該通過帯域制限による位相遅延を補正してから、光源22の発光周期との乗算処理を施す。この第一電気信号に対する処理は、いわゆるロックインアンプ処理である。これにより、外乱光に基づくノイズを第一電気信号から抑制することが可能である。
第二増幅部522は、第二受光素子423が出力した第二電気信号を増幅して第二信号処理部532に出力する。具体的には、第二増幅部522は、第二電気信号を増幅するオペアンプである。
第二信号処理部532は、マイクロコントローラで構成される。第二信号処理部532は、第二電気信号に対する処理プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。第二信号処理部532は、第二電気信号に対して、通過帯域制限を行うとともに当該通過帯域制限による位相遅延を補正してから、光源22の発光周期との乗算処理を施す。この第二電気信号に対する処理は、いわゆるロックインアンプ処理である。これにより、外乱光に基づくノイズを第二電気信号から抑制することが可能である。
第三増幅部523は、第三受光素子433が出力した第三電気信号を増幅して第三信号処理部533に出力する。具体的には、第三増幅部523は、第三電気信号を増幅するオペアンプである。
第三信号処理部533は、マイクロコントローラで構成される。第三信号処理部533は、第三電気信号に対する処理プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。第三信号処理部533は、第三電気信号に対して、通過帯域制限を行うとともに当該通過帯域制限による位相遅延を補正してから、光源22の発光周期との乗算処理を施す。この第三電気信号に対する処理は、いわゆるロックインアンプ処理である。これにより、外乱光に基づくノイズを第二電気信号から抑制することが可能である。
演算部56は、例えば、マイクロコントローラである。演算部56は、信号処理プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。
演算部56は、第一受光素子413から出力された第一電気信号と、第三受光素子433から出力された第三電気信号とに基づいて、対象物が含むラウリン酸を検出する。具体的には、演算部56は、第一電気信号の電圧レベルと第三電気信号の電圧レベルとの比(信号比)に基づいて、対象物が含むラウリン酸の量を検出する。本実施の形態では、演算部56は、第一信号処理部531によって処理された第一電気信号と、第三信号処理部533によって処理された第三電気信号とに基づいて、対象物が含むラウリン酸の量を検出する。
また、演算部56は、第二受光素子423から出力された第二電気信号と、第三受光素子433から出力された第三電気信号とに基づいて、対象物が含む水分を検出する。具体的には、演算部56は、第二電気信号の電圧レベルと第三電気信号の電圧レベルとの比(信号比)に基づいて、対象物が含む水分量を検出する。本実施の形態では、演算部56は、第二信号処理部532によって処理された第二電気信号と、第三信号処理部533によって処理された第三電気信号とに基づいて、対象物が含む水分量を検出する。
このように演算部56は、対象物に含まれる成分(ラウリン酸及び水分)の量を検出する。
[成分検出処理]
続いて、演算部56による成分検出処理について説明する。本実施の形態では、演算部56は、反射光に含まれる検知光の光エネルギーPdと、参照光の光エネルギーPrとを比較することで、対象物に含まれる成分量を検出する。
例えば、ラウリン酸を検出する場合には、検知光は第一検知光となる。つまり、この場合には、光エネルギーPdは、第一受光素子413から出力される第一電気信号の強度に対応し、光エネルギーPrは、第三受光素子433から出力される第三電気信号の強度に対応する。
また、水分を検出する場合には、検知光は第二検知光である。つまり、この場合には、光エネルギーPdは、第二受光素子423から出力される第二電気信号の強度に対応し、光エネルギーPrは、第三受光素子433から出力される第三電気信号の強度に対応する。
なお、以下の説明では、ラウリン酸を検出する場合について説明する。なお水分を検出する場合には、「第一検知光」を「第二検知光」に、「第一波長帯」を「第二波長帯」に、「第一受光素子413」を「第二受光素子423」に、「第一バンドパスフィルタ412」を「第二バンドパスフィルタ422」に、「ラウリン酸」を「水分」に、「第一電気信号」を「第二電気信号」に読み替えればよい。
光エネルギーPdは、次の(式1)で表される。
(式1) Pd=Pd0×Gd×Rd×Td×Aad×Ivd
ここで、Pd0は、光源22が発した光のうち、第一検知光をなす第一波長帯の光の光エネルギーである。Gdは、第一波長帯の光の第一受光素子413に対する結合効率(集光率)である。具体的には、Gdは、光源22が発した光のうち、対象物(走査範囲A)で拡散反射される成分の一部(すなわち、反射光に含まれる第一検知光)になる部分の割合に相当する。
Rdは、対象物による第一検知光の反射率である。Tdは、第一バンドパスフィルタ412により検知光の透過率である。Ivdは、第一受光素子413における反射光に含まれる第一検知光に対する受光感度である。
Aadは、対象物に含まれる成分(ラウリン酸)による第一検知光の吸収率あり、次の(式2)で表される。
(式2) Aad=10-αa×Ca×D
ここで、αaは、予め定められた吸光係数であり、具体的には、成分(ラウリン酸)による第一検知光の吸光係数である。Caは、対象物に含まれる成分(ラウリン酸)の体積濃度である。Dは、第一検知光の吸収に寄与する成分の厚みの2倍である寄与厚みである。
より具体的には、成分(ラウリン酸)が均質に分散した対象物では、光が対象物に入射し、反射して対象物から出射する場合において、Caは、対象物の成分に含まれる体積濃度に相当する。また、Dは、反射して対象物から出射するまでの光路長に相当する。例えば、Caは、対象物を覆っている液相に含まれる成分(ラウリン酸)の濃度である。また、Dは、対象物を覆っている液相の平均的な厚みとして換算される寄与厚みである。
したがって、αa×Ca×Dは、対象物に含まれる成分量(ラウリン酸の量)に相当する。以上のことから、対象物に含まれるラウリン酸の量に応じて、第一電気信号の強度に相当する光エネルギーPdが変化することが分かる。
同様に、第三受光素子433に入射する参照光の光エネルギーPrは、次の(式3)で表される。
(式3) Pr=Pr0×Gr×Rr×Tr×Ivr
本実施の形態では、参照光は、対象物に含まれる成分によって実質的には吸収されないとみなすことができるので、(式1)と比較して分かるように、ラウリン酸による吸収率Aadに相当する項は(式3)には含まれていない。
(式3)において、Pr0は、光源22が発した光のうち、参照光をなす第三波長帯の光の光エネルギーである。Grは、光源22が発した参照光の第三受光素子433に対する結合効率(集光率)である。具体的には、Grは、参照光のうち、対象物で拡散反射される成分の一部(すなわち、反射光に含まれる参照光)になる部分の割合に相当する。Rrは、対象物による参照光の反射率である。Trは、第三バンドパスフィルタ432による参照光の透過率である。Ivrは、第三受光素子433の反射光に対する受光感度である。
本実施の形態では、光源22から照射される光、つまり、第一検知光と参照光とは、同軸かつ同スポットサイズで照射されるため、第一検知光の結合効率Gdと参照光の結合効率Grとは略等しくなる。また、第一検知光と参照光とはピーク波長が比較的近いので、第一検知光の反射率Rdと参照光の反射率Rrとが略等しくなる。
したがって、(式1)と(式3)との比(信号比)を取ることにより、次の(式4)が導き出される。
(式4) Pd/Pr=Z×Aad
ここで、Zは、定数項であり、(式5)で示される。
(式5) Z=(Pd0/Pr0)×(Td/Tr)×(Ivd/Ivr)
光エネルギーPd0及びPr0はそれぞれ、光源22の初期出力として予め定められている。また、透過率Td及び透過率Trはそれぞれ、第一バンドパスフィルタ412及び第三バンドパスフィルタ432の透過特性により予め定められている。受光感度Ivd及び受光感度Ivrはそれぞれ、第一受光素子413及び第三受光素子433の受光特性により予め定められている。したがって、(式5)で示されるZは、定数とみなすことができる。
演算部56は、第一電気信号に基づいて第一検知光の光エネルギーPdを算出し、第三電気信号に基づいて参照光の光エネルギーPrを算出する。具体的には、第一電気信号の信号レベル(電圧レベル)が光エネルギーPdに相当し、第三電気信号の信号レベル(電圧レベル)が光エネルギーPrに相当する。
したがって、演算部56は、(式4)に基づいて、対象物に含まれるラウリン酸の吸収率Aadを算出することができる。これにより、演算部56は、(式2)に基づいてラウリン酸の量を算出することができる。
[ラウリン酸の量及び水分量に関連した情報]
演算部56は、算出したラウリン酸の量及び水分量の少なくとも一方に基づく情報を算出し、制御部4に出力する。この情報には、例えば、水分に対するラウリン酸の含有濃度、乾燥度、対象物に対する石鹸成分(ラウリン酸)の粘着度及び固着度、カビの発生度などが挙げられる。
演算部56は、ラウリン酸の量と、水分量とに基づいて、水分に対するラウリン酸の含有濃度を算出する。具体的には、演算部56は、ラウリン酸の量と、水分量との比率を求めることにより、水分に対するラウリン酸の含有濃度を算出する。
演算部56は、水分量に基づいて、対象物の乾燥度を算出する。例えば、対象物の乾燥時における重量をW1とし、対象物が含有する水分量をW2(αa×Ca×Dに相当)とすると、乾燥度Drは、Dr=W1/(W1+W2)×100[%]で求めることができる。なお、水分量も求めなくとも、信号比(第二電気信号の電圧レベルと第三電気信号の電圧レベルとの比)の変化率と、対象物の乾燥度との関係を示すテーブルを演算部56の不揮発性メモリに予め記憶させていれば、演算部56は、検出した信号比とテーブルとに基づいて、対象物の乾燥度Drを検出することができる。例えば、乾燥度Drが高くなると、石鹸成分の粘着度及び固着度のそれぞれは低くなる傾向がある。つまり、乾燥度Drと、石鹸成分の粘着度及び固着度のそれぞれとは、負の相関がある。演算部56は、乾燥度Drを用いることで、対象物に対する石鹸成分(ラウリン酸)の粘着度及び固着度を推定することができる。
演算部56は、ラウリン酸の量に基づいてカビの発生度を算出する。カビの発生度とは、対象物に対するカビの発生可能性を示す指標であり、可能性が高ければカビの発生度も高くなる。図9は、ラウリン酸の量と、カビの発生度との関係を示すグラフである。図9に示すように、ラウリン酸の量と、カビの発生度とは、正の相関がある。このため、演算部56は、例えば、カビの発生度を複数段階(本実施の形態では3段階)のレベルに分けたテーブルを予め不揮発性メモリに記憶させており、算出したラウリン酸の量とテーブルとに基づいて、カビの発生度合いのレベルを求めることができる。
制御部4は、報知部2を制御して、演算部56の算出結果に基づく情報(水分に対するラウリン酸の含有濃度、乾燥度、対象物に対する石鹸成分(ラウリン酸)の粘着度及び固着度、カビの発生度など)を報知する。ユーザは、報知内容を確認することで、浴室Bに対する適切なメンテナンスを検討することが可能である。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る成分検知センサ100によれば、対象物(走査範囲A)に向けて、走査しながら光を照射する発光部20と、発光部20から照射されて対象物を反射した光を受光し、電気信号に変換して測定する受光部40と、受光部40の測定結果に基づいて、対象物に含まれる成分を検出する演算部56とを備え、受光部40は、成分の一つである炭素化合物成分による吸収が第一所定値よりも大きな第一波長帯の光と、成分の一つである水分による吸収が第二所定値以下であり、かつ炭素化合物成分による吸収が第一所定値以下である第二波長帯の光と、水分による吸収が第二所定値よりも大きな第三波長帯の光とを測定し、演算部56は、受光部40による第一波長帯の光に対する第一測定結果(第一電気信号)と、第二波長帯の光に対する第二測定結果(第二電気信号)とを比較して炭素化合物成分の量を検出するとともに、受光部40による第三波長帯の光に対する第三測定結果(第三電気信号)と第二測定結果とを比較して水分量を検出し、炭素化合物成分の量と、水分量とに基づいて、水分に対する炭素化合物成分の含有濃度を算出する。
石鹸成分には、炭素化合物成分が含まれている。このため、水分に対する炭素化合物成分の含有濃度を算出することができれば、石鹸成分を検出することができる。これにより、石鹸成分を検出可能な成分検知センサ100を提供することができる。
また、演算部56は、水分量に基づいて、対象物の乾燥度を算出する。
これによれば、演算部56が対象物の乾燥度を算出するので、演算部56はさらに乾燥度に基づいて対象物に対する石鹸成分(ラウリン酸)の粘着度及び固着度を推定することができる。
また、演算部56は、炭素化合物成分の量に基づいて、対象物に対するカビの発生可能性を示す指標(カビの発生度)を算出する。
これによれば、演算部56が対象物に対するカビの発生可能性を示す指標を自動で算出することができる。
また、第一波長帯は、1200nm及び1750nmの少なくとも一つを含み、第三波長帯は、1450nm及び1940nmの少なくとも一つを含む。
これによれば、第一波長帯が1200nm及び1750nmの少なくとも一つを含んでいるので、炭素化合物成分の一つであるラウリン酸を検出することができる。また、第三波長帯が1450nm及び1940nmの少なくとも一つを含んでいるので、水分を確実に検出することができる。
また、受光部40は、第一受光素子413、第二受光素子423及び第三受光素子433を備え、第一受光素子413は、第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタ412を有し、第二受光素子423は、第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタ422を有し、第三受光素子433は、第三波長帯の光を透過する第三バンドパスフィルタ432を有する。
これによれば、各受光素子と、各バンドバスフィルタとが一対一で設けられているので、第一波長帯、第二波長帯及び第三波長帯のそれぞれの光を同時に検出することができる。これにより、高速でリアルタイムな検出処理が可能である。
また、成分検知センサ100は、演算部56の算出結果に基づく情報を報知する報知部2を備える。
これによれば、報知部2は、演算部56の算出結果に基づく情報(水分に対するラウリン酸の含有濃度、乾燥度、対象物に対する石鹸成分(ラウリン酸)の粘着度及び固着度、カビの発生度など)を報知する。したがって、ユーザは、報知内容を確認することで、対象物に対する適切なメンテナンスを検討することが可能である。
また、炭素化合物成分は、界面活性剤成分である。
これによれば、成分検知センサ100が検出する炭素化合物成分は、石鹸成分に含まれる可能性が高い界面活性剤成分であるので、石鹸成分をより確実に検出することができる。特に、本実施の形態では、界面活性剤成分の中でも、石鹸成分に含まれる可能性が高いラウリン酸を検出対象としているので、石鹸成分を一層確実に検出することができる。
[変形例1]
上記実施の形態では、光源22と、第一受光素子413と、第二受光素子423と、第三受光素子433とが直線状に配列されている場合を例示した。しかし、光源22と、第一受光素子413と、第二受光素子423と、第三受光素子433との配置は、如何様でもよい。この変形例1では、その他の配置例について説明する。図10は、変形例1に係る受光部40aの概略構成を示す模式図である。図10は、光源22aの光軸方向から各部を見た図である。図10に示すように、変形例1では、光源22aを中心とした円周上に、第一受光素子413aと、第二受光素子423aと、第三受光素子433aとが配置されている。また、第一受光素子413aには、第一バンドパスフィルタ412aが対向配置されていて、第二受光素子423aには、第二バンドパスフィルタ422aが対向配置されていて、第三受光素子433aには、第三バンドパスフィルタ432aが対向配置されている。この場合においては、光源22aの光軸に対して、各受光素子が等間隔で配置されることになるので、各受光素子に対して入射する光を均一にすることが可能である。
[変形例2]
上記実施の形態では、各受光素子と、各バンドバスフィルタとが一対一で設けられている場合を例示した。この変形例2では、第一検知光及び第二検知光を一つの受光素子で測定する場合について説明する。図11は、変形例2に係る受光部40bの概略構成を示す模式図である。なお、以降の説明において、上記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図11に示すように、参照光用の第二受光素子423bは、第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタ422bと、レンズ421bとを有しており、これらが第二受光素子423bの光軸上に並んで配置されている。これにより、第二バンドパスフィルタ422bを透過した第二波長帯の光(参照光)が第二受光素子423bに入射されるので、第二受光素子423bが第二電気信号(第二測定結果)を出力する。
一方、第一検知光及び第二検知光用の第一受光素子413bは、レンズ411bを有しており、このレンズ411bが第一受光素子413bの光軸上に配置されている。また、第一受光素子413bは、第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタ412bと、第三波長帯の光を透過する第三バンドパスフィルタ432bとを有している。第一バンドパスフィルタ412bと第三バンドパスフィルタ432bとは、第一受光素子413bの光軸上で切り替わるように設けられている。具体的には、制御部4によって制御される切替機構(図示省略)によって、第一バンドパスフィルタ412bと第三バンドパスフィルタ432bとが、光軸上に交互に配置される。
つまり、第一バンドパスフィルタ412bが光軸上に配置されている場合には、第一波長帯の光(第一検知光)が第一受光素子413bに入射されるので、第一受光素子413bが第一電気信号(第一測定結果)を出力する。一方、第三バンドパスフィルタ432bが光軸上に配置されている場合には、第三波長帯の光(第二検知光)が第一受光素子413bに入射されるので、第一受光素子413bが第三電気信号(第三測定結果)を出力する。つまり、一つの第一受光素子413bであっても、第一検知光及び第二検知光を確実に測定することができる。
変形例2によれば、受光部40bは、第一受光素子413b及び第二受光素子423bを備え、第一受光素子413bは、第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタ412bと、第三波長帯の光の透過する第三バンドパスフィルタ432bとを切替可能に有し、第二受光素子423bは、第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタ422bを有する。
これによれば、受光素子の総数を削減することができる。また、第一検知光及び第二検知光においては、位置が固定された一つの第一受光素子413bで測定されるので、光軸ズレを抑制することができ、より正確な測定が可能となる。
[変形例3]
上記実施の形態では、各受光素子と、各バンドバスフィルタとが一対一で設けられている場合を例示した。この変形例3では、第一検知光、第二検知光及び参照光を一つの受光素子で測定する場合について説明する。図12は、変形例3に係る受光部40cの概略構成を示す模式図である。なお、以降の説明において、上記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図12に示すように、第一受光素子413cは、レンズ411cを有しており、このレンズ411cが第一受光素子413cの光軸上に配置されている。また、第一受光素子413cは、第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタ412cと、第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタ422cと、第三波長帯の光を透過する第三バンドパスフィルタ432cとを有している。第一バンドパスフィルタ412cと、第二バンドパスフィルタ422cと、第三バンドパスフィルタ432cとは、第一受光素子413cの光軸上で切り替わるように設けられている。具体的には、制御部4によって制御される切替機構(図示省略)によって、第一バンドパスフィルタ412cと第二バンドパスフィルタ422cと第三バンドパスフィルタ432cとが、光軸上で切り替わって配置される。
つまり、第一バンドパスフィルタ412cが光軸上に配置されている場合には、第一波長帯の光(第一検知光)が第一受光素子413cに入射されるので、第一受光素子413cが第一電気信号(第一測定結果)を出力する。また、第二バンドパスフィルタ422cが光軸上に配置されている場合には、第二波長帯の光(参照光)が第一受光素子413cに入射されるので、第一受光素子413cが第二電気信号(第二測定結果)を出力する。さらに、第三バンドパスフィルタ432cが光軸上に配置されている場合には、第三波長帯の光(第二検知光)が第一受光素子413cに入射されるので、第一受光素子413cが第三電気信号(第三測定結果)を出力する。つまり、一つの第一受光素子413cであっても、第一検知光、第二検知光及び参照光を確実に測定することができる。
変形例3によれば、受光部40cは、第一受光素子413cを備え、第一受光素子413cは、第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタ412cと、第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタ422cと、第三波長帯の光の透過する第三バンドパスフィルタ432cとを切替可能に有している。
これによれば、受光素子の総数を削減することができる。また、第一検知光、第二検知光及び参照光においては、位置が固定された一つの第一受光素子413cで測定されるので、光軸ズレを抑制することができ、より正確な測定が可能となる。
(その他)
以上、本発明に係る成分検知センサについて、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、光源22がLED光源である場合を例示したが、光源は半導体レーザ素子又は有機EL素子などでもよい。
また、上記実施の形態では、第一検知光をなす第一波長帯と、参照光をなす第二波長帯と、第二検知光をなす第三波長帯とを含む連続した光を1つの光源22が発する場合を例示して説明した。しかしながら、複数の光源を設け、1つの光源が第一検知光を発し、また別の光源が第二検知光を発し、さらに別の光源が参照光を発するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、信号処理回路50に備わる光源制御部51、第一信号処理部531、第二信号処理部532、第三信号処理部533及び演算部56がそれぞれ専用のマイクロコントローラからなる場合を例示して説明したが、信号処理回路は、全体として1つのマイクロコントローラで実現されてもよい。
また、上記実施の形態では、成分検知センサ100が浴室Bに設置されている場合を例示した。しかし、石鹸成分が存在しうる場所であれば、如何なる場所に成分検知センサを配置することが可能である。例えば、その他の設置箇所としては、例えば、キッチン、洗濯場、洗車場などが挙げられる。
また、上記実施の形態では、成分検知センサ100がラウリン酸を検出する場合を例示した。しかしながら、成分検知センサは、検出対象となる成分に基づいて、第一検知光の第一波長帯及び参照光の第二波長帯を選択すれば、ラウリン酸以外の界面活性剤成分を検出することも可能であるし、界面活性剤成分以外の炭素化合物成分を検出することも可能である。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。