JP7050402B2 - 車両構造 - Google Patents
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Description
このような構成によれば、車両の前突が発生し、その衝突荷重が車両の前部に入力した場合に、この衝突荷重の一部を、エプロンメンバを介してフロントピラーに伝達させることができる。
高さ方向または上下高さ斜め方向に起立する縦壁部と前記傾斜状上壁部とが交差して繋がった部位として車両前後方向に延びる稜線部が設けられている、車両構造であって、前記傾斜状上壁部のうち、前記稜線部の車両後方側の延長線上に設けられ、かつ前端部が前記稜線部に繋がり、または近接するようにして車両前後方向に延びるビード部を、さらに備えていることを特徴としている。
第1に、フロントピラーに設けられている稜線部は、車両前方側からの荷重入力に対する強度が高い部位であるのに対し、この稜線部の車両後方側の延長線上に設けられているビード部も、前記稜線部と同様に、車両前方側からの荷重入力に対する強度が高い部位である。このため、車両の前突が発生し、その衝突荷重がエプロンメンバからフロントピラーに入力した際には、この衝突荷重が前記稜線部およびビード部を介して車両後方側に効果的に伝達される。したがって、衝突荷重に起因するフロントピラーの変形、ひいては車室の変形を抑制することができる。
第2に、前記したように、稜線部およびビード部を利用して衝突荷重を車両後方側に効果的に伝達させることができるため、フロントピラーの形状変化部分や、フロントピラー構成部品の接続部などの剛性変化部分に、車幅方向の荷重が集中する現象が生じ難くなる。その結果、フロントピラーの不当な変形を一層抑制することが可能となる。
第3に、前記した稜線部およびビード部は、フロントピラーの構成部材を利用して設けることができ、これらを設けるための手段として別部材をさらに追加する必要はない。したがって、重量増加を生じさせず、軽量化を促進する上で好ましく、また製造コストを廉価にすることも可能である。
ただし、図1においては、図4(b),(c)の仮想線で示すサイドアウタパネル11(車両の側面部の最外装パネル)を省略している。
また、図1は、車両の右側部分のみを示しているが、車両の左側部分は、右側部分の構成と対称であり、その説明は省略する。
以降において、「リインフォース」は、「R/F」と適宜略称する。
図示は省略するが、エプロンメンバ2の前端部は、車両に別途設けられているフロントサイドメンバに接続部材を介して接続されている。フロントサイドメンバは、車両の前部のうち、エプロンメンバ2よりも低い位置において車両前後方向に延びる車体骨格部材である。車両の前突が発生し、フロントサイドメンバの前部に衝突荷重が入力すると、その一部は、前記接続部材を介してエプロンメンバ2の前部に入力する。前記接続部材は、衝突荷重をエプロンメンバ2に伝達する役割を果たすが、これに加え、車両の前突が発生した際にフロントサイドメンバが上方に曲げ変形を生じることを抑制する役割をも果たす部材(いわゆる、モーメントキャンセラ)である。
稜線部31aは、フロントピラー・インナパネル3Aの車両前後方向の全長域に設けられている。これに対し、稜線部31bは、稜線部31aの延長線上に位置するようにしてフロントピラー・アッパ・R/F3Bの前端寄り領域に設けられている。
一方、エプロンメンバ2には、縦壁部23と上部屈曲片部24とが交差して繋がった稜線部25が設けられており、この稜線部25の後端の車両後方側に稜線部31が位置するように設定されている。
ビード部32は、たとえば図1の符号Laで示す範囲にわたって設けられ、フロントピラー3からセンタピラー4の上方の位置まで延びている。
これに対し、傾斜状上壁部30a,30bの一側部に設けられている稜線部31は、車両前方側からの荷重入力に対する強度が高い部位である。また、ビード部32は、稜線部31と同様に、車両前方側からの荷重入力に対する強度が高い部位である。したがって、前記した衝突荷重Fについては、稜線部31およびビード部32を介して車両後方側に効果的に伝達させることが可能である。その結果、衝突荷重Fに起因するフロントピラー3の変形、ひいては車室の変形を抑制することができる。
これに対し、本実施形態によれば、そのような虞を適切に防止または抑制することが可能である。また、本実施形態におけるビード部32は、センタピラー4の上方まで延びて設けられているため、荷重伝達性が一層よく、フロントピラー3の変形、および車室の変形を防止する上でより好ましいものとなる。
ビード部は、上述の実施形態のように、センタピラーの上方位置まで延設されていることが好ましいが、これに限定されず、センタピラーの上方位置まで到達しない構成とされていてもよい。なお、ビード部をセンタピラーの上方位置よりもさらに車両後方側の位置まで連続または断続的に延設した構成とすることもできる。
ビード部は、上向き突出状に限定されず、たとえば下向き突出状、あるいは棚状(上下高低段差を有する段差部状)とすることも可能である。
2 エプロンメンバ
3 フロントピラー
30(30a~30c) 傾斜状上壁部
31(31a,31b) 稜線部
32(32b,32c) ビード部
33a,33b 縦壁部
Claims (1)
- 後上がり状に傾斜する傾斜状上壁部を有するフロントピラーと、
このフロントピラーよりも車両前方側に位置して車両前後方向に延び、かつ後部が前記フロントピラーの前記傾斜状上壁部の前部または下側領域に接続されているエプロンメンバと、
を備えており、
前記フロントピラーには、このフロントピラーの上下高さ方向または上下高さ斜め方向に起立する縦壁部と前記傾斜状上壁部とが交差して繋がった部位として車両前後方向に延びる稜線部が設けられている、車両構造であって、
前記傾斜状上壁部のうち、前記稜線部の車両後方側の延長線上に設けられ、かつ前端部が前記稜線部に繋がり、または近接するようにして車両前後方向に延びるビード部を、さらに備えていることを特徴とする、車両構造。
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