JP7043756B2 - 感光性樹脂組成物、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、ポリマーおよびポリマーの製造方法 - Google Patents
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Description
検討の一例として、主鎖にマレイミド構造を含むポリマーを用いた感光性樹脂組成物が挙げられる。具体的には、特許文献1の実施例には、樹脂として、メタクリル酸、スチレン、メタクリル酸グリシジル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルメタクリレートおよびN-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミドから重合された樹脂を用いて、感光性樹脂組成物を調製したことが記載されている。
しかし、本発明者らの知見によれば、従来の感光性樹脂組成物は、露光・現像処理後のパターンの残膜が必ずしも満足いくものではなかった。具体的には、例えばポジ型の感光性樹脂組成物の場合、露光・現像処理後にパターンとして残膜すべき未露光部分が、実際には溶解してしまい、満足にパターンを形成できない場合があった。
また、従来の感光性樹脂組成物は、塗膜を形成した際、表面にクラック(割れ)が生じる場合があった。
下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを含むポリマーを含む、感光性樹脂組成物であって、
前記ポリマーが、さらに、後掲の化学式(3)で表される構造単位を含む感光性樹脂組成物
が提供される。
Rは、1価の置換基を表し、
mは、1~3の整数を表し、
nは、0~4の整数を表す。
ただし、m+nは、5以下である。
一般式(2)において、
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、または、カルボキシル基以外の1価の有機基を表し、
nは、0~2の整数を表す。
前記感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂膜を形成する工程、
前記感光性樹脂膜を露光する工程、
前記感光性樹脂膜を現像する工程
を含む、パターン形成方法
が提供される。
前記パターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法
が提供される。
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタアクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを含むポリマーを含む。
Rは、1価の置換基を表し、
mは、1~3の整数を表し、
nは、0~4の整数を表す。
ただし、m+nは、5以下である。
一般式(2)において、
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、または、カルボキシル基以外の1価の有機基を表し、
nは、0~2の整数を表す。
クラックの発生について、その要因は色々と考えられるが、一つには樹脂の機械的強度が関係していると考えられる。本発明者らの知見によれば、一般式(1)のモノマー単独(または一般式(2)のモノマー単独)では高分子量の(十分な鎖長の)ポリマーを得ることが簡単ではなく、工業的には短い鎖長のポリマーしか得られない。短い鎖長のポリマーは機械的強度が不十分であり、加熱、冷却、現像などの環境変化によりクラックを生じやすい。一方、一般式(1)のモノマーと一般式(2)のモノマーは共重合しやすく、容易に高分子量の(鎖長が長い)ポリマーを得ることができる。すなわち、ポリマーの機械的強度を十分強くすることができ、クラックの低減に寄与すると推定される。
また、残膜性については、一般式(1)で表される構造単位中のフェノール構造が、感光剤(後述するジアゾキノン化合物等)と相互作用することで、現像液への溶解が適度に抑制されることで残膜性が向上するものと推定される。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを含むポリマーを含む。なお、本発明は、このポリマーに関する発明でもある。
以下、このポリマーのことを「特定ポリマー」とも表記する。
Rは、1価の置換基を表し、
mは、1~3の整数を表し、
nは、0~4の整数を表す。
ただし、m+nは、5以下である。
一般式(2)において、
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、または、カルボキシル基以外の1価の有機基を表し、
nは、0~2の整数を表す。
Rの1価の置換基は、任意のものであってよく、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、1価の有機基などが挙げられる。
Rが1価の有機基である場合、この有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基などが挙げられる。これらは、さらに他の置換基(ヒドロキシ基やハロゲン原子など)によって置換されていてもよい。
上記アルキル基としては、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1~20個のアルキル基、好ましくは炭素数1~12個の直鎖及び分岐アルキル基を挙げることができる。
上記シクロアルキル基としては、例えば炭素数3~8のシクロアルキル基を挙げることができる。
上記アルコキシ基としては、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1~10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1~6の直鎖及び分岐アルコキシ基、炭素数3~8の環状アルコキシ基を挙げることができる。
nは、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
mは、好ましくは1である。
特定ポリマーの全構造単位中、一般式(1)で表される構造単位の含有量は、好ましくは5~40モル%、より好ましくは5~30モル%である。
なお、特定ポリマー中の一般式(1)で表される構造単位の含有量は、ポリマー合成(重合)における仕込みモノマー量や残存モノマー量などから求めることもできるし、13C-NMR測定結果のピーク面積から求めることもできる。他の構造単位についても同様である。
R1、R2、R3およびR4の1価の有機基として具体的には、一般式(1)におけるRが1価の有機基である場合と同様のものを挙げることができる。ただし、1価の有機基としてカルボキシル基は除く。
R1、R2、R3およびR4として、好ましくは水素原子である。
nは、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
ここで、「架橋性基」とは、典型的には、加熱処理によって架橋構造を形成できる熱架橋性基のことをいう。具体的には、エポキシ基、オキセタニル基、酸無水物基、エチレン性不飽和二重結合を含む基などが挙げられる。このよう架橋性基は、加熱処理等によって、互いに架橋構造を形成したり、自己重合したり、架橋剤を介して架橋構造を形成し得るものである。
特定ポリマーの全構造単位中、一般式(2)で表される構造単位の含有量は、好ましくは10~95モル%、より好ましくは20~60モル%である。
残膜性は現像液への「溶けにくさ」、現像性は現像液への「溶けやすさ」に関係するため、両立しがたい性能であるが、おそらくは、マレイミドがカルボン酸より弱い(マイルドな)ブレンステッド酸であり、適度なアルカリ溶解性を有すること等により、残膜性および現像性が適度な具合に調整されるものと推定される。
また、化学式(3)の構造単位は、一般式(1)の構造単位に比べて、置換基が無い分、モノマーの重合性が高く、高分子量のポリマーを得やすいというメリットも期待できる。
Rcの環状構造を含む1価の有機基としては、単環または多環のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等を挙げることができる。これらは、さらに他の置換基(アルキル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子など)によって置換されていてもよい。
Rcとしては、特にアリール基が、クラックの更なる低減や、現像性の向上といった観点で好ましい。
Rcのシクロアルキル基としては、例えば炭素数3~8の単環のシクロアルキル基が挙げられる。
Rcのアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基など、炭素数6~10のものが挙げられる。
Rcのアラルキル基としては、例えばベンジル基、ナフチルメチル基などの炭素数7~11のものが挙げられる。
ただし、特定ポリマーは、好ましくは、オキセタニル基を有する構造単位を含まない。特定ポリマーが、オキセタニル基を有する構造単位を含まないことにより、現像性の良化などが期待できる。
また、特定ポリマーの分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、典型的には1.2~5.0、好ましくは1.5~3.0である。
なお、MwやMnは、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めることができる。
アルカリ溶解速度の測定方法は、後述の実施例を参照されたい。
特定ポリマーは、公知のポリマー合成の手法を適宜適用して製造することができるが、例えば、以下の各工程を経ることで製造することができる。
少なくとも下記一般式(m2)で表されるモノマーおよび重合開始剤を含む第1溶液を、反応容器中に仕込む仕込み工程と、
上記第1溶液を昇温して重合反応を開始する開始工程と、
少なくとも下記一般式(m1)で表されるモノマーを含み、下記一般式(m2)で表されるモノマーを含まない第2溶液を、上記反応容器中に加える追添工程。
一般式(m2)におけるR1、R2、R3、R4およびnの定義は、一般式(2)におけるものと同様である。
第1溶液は、少なくとも一般式(m2)で表されるモノマーおよび重合開始剤を含むが、その他の成分を含んでいてもよい。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、例えば、公知のアゾ化合物開始剤や有機過酸化物開始剤を用いることができる。
その他の成分としては、一般式(m1)で表されるモノマー、前述の一般式(3)で表される構造単位に対応するモノマー、前述の一般式(4)で表される構造単位に対応するモノマー、分子量調整剤、連鎖移動剤(例えば公知のチオール化合物)などを含むことができる。
上記成分は、適当な有機溶剤を溶媒として均一に混合・溶解される。この有機溶剤としては、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤などを用いることができる。より具体的には、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。有機溶剤として2種以上の溶剤を混合して用いてもよい。
また、第1溶液は、窒素バブリング等により系内の溶存酸素を低減させることが好ましい。
第1溶液を、反応容器中で昇温することで、第1溶液中の重合開始剤が開裂し、重合反応が開始する。昇温については、重合開始剤の開裂性によるが、例えば50~90℃に昇温する。
追添工程における第2溶液は、一般式(m1)で表されるモノマーを含み、下記一般式(m2)で表されるモノマーを含まない限り、特に限定はされず、前述の一般式(3)で表される構造単位に対応するモノマーや、前述の一般式(4)で表される構造単位に対応するモノマーなどを追加で含んでいてもよい。また、追加の重合開始剤、連鎖移動剤、分子量調整剤などを含んでいてもよい。これら成分を、第1溶液と同様、適当な有機溶剤により均一に混合・溶解させることで、第2溶液を得ることができる。
第2溶液は、例えば、1~24時間かけて、反応容器に滴下される。
以上のような各工程により、特定ポリマーを含む溶液を得ることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、少なくとも特定ポリマー(化学式(1)で表される構造単位と、一般式(2)で表される構造単位とを含むポリマー)を含むが、それ以外のポリマーを含んでもよい。
このようなポリマーとしては、公知のアルカリ可溶性樹脂、例えばノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸などを挙げることができる。これらの中でもノボラック樹脂が、コスト、入手性、上記のポリマーとの相溶性などの観点で好ましい。
感光性樹脂組成物がこのようなポリマーを含む場合、その量は、上記のポリマー100質量部に対して好ましくは1~30質量部、より好ましくは3~20質量部である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは感光剤を含む。
感光剤は、g線、i線、深紫外線などの光照射により酸を発生するものである。
ジアゾキノン化合物としては、例えば、以下に示すもののうち、1種または2種以上の化合物を使用することができる。
ジアゾキノン化合物のQとしては、下式(a)または下式(b)を含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の透明性を向上することができる。したがって、感光性樹脂組成物の外観をよくすることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤を含むことが好ましい。これにより、基板に対する密着性を高めることができる。
感光性樹脂組成物がシランカップリング剤を含む場合、その量は、ポリマー(特定ポリマーだけでなく、それ以外のポリマーも含む)100質量部に対し、好ましくは0.1~30質量部であり、より好ましくは1~20質量部である。上記範囲内とすることで、密着性と、感光性樹脂組成物の保存性とを両立することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤を含むことにより、感光性樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂膜を得る際の塗布性が良好となる。例えば、回転塗布の際に膜上にできる放射線状のストリエーションを低減することができる。
界面活性剤としては、特に非イオン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤を使用する場合、その量は、ポリマー(特定ポリマーだけでなく、それ以外のポリマーも含む)100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、上記の種々の成分(および、場合によっては以下に示すその他成分)を、溶剤に溶解または分散させたものである。
溶剤は、有機溶剤であることが好ましい。有機溶剤としては、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル-1,3-ブチレングリコールアセテート、1,3-ブチレングリコール-3-モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル及びメチル-3-メトキシプロピオネート等が挙げられる。
溶剤の使用量は、感光性樹脂組成物の不揮発成分の濃度が、好ましくは3~50質量%、より好ましくは5~40質量%、より好ましくは10~30質量%となる量で用いられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記以外の種々の成分を含んでもよい。たとえば、溶解促進剤、酸化防止剤、フィラー、光重合開始剤、増感剤等の成分を、本発明の効果を損なわない範囲でさらに含んでいてもよい。
なお、本実施形態の感光性樹脂組成物は、架橋剤を含んでいてもいなくてもよいが、好ましくは、架橋剤を含まない。
また、特定ポリマーは、その構造上、紫外線の吸収が少なく、高い紫外線透過率を有する。すなわち、照射光が無駄に吸収されることが無い。このことにより、組成物の高感度化や、パターン形状の良化などが期待できる。
上述の感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法の実施形態について説明する。
本実施形態のパターン形成方法は、上述の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂膜を形成する工程、感光性樹脂膜を露光する工程および感光性樹脂膜を現像する工程を含む。
感光性樹脂膜は、典型的には、適当な基板上に感光性樹脂組成物を供することで形成される。基板は特に限定されず、例えばシリコンウエハ、セラミック基板、アルミ基板、SiCウエハー、GaNウエハー、銅張積層板などが挙げられる。基板は、未加工の基板以外に、例えば半導体素子または表示体素子が表面に形成された基板も含む。接着性の向上のため、基板表面をシランカップリング剤などの接着助剤で処理しておいてもよい。
感光性樹脂組成物を基板に供する方法としては、スピナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング、インクジェット法などが挙げられる。これらの中で好ましくは回転塗布である。
なお、感光性樹脂組成物を基板に供した後、基板をホットプレートで加熱することが好ましい(プリベーク)。プリベークの温度は、通常80~140℃、好ましくは90~120℃である。また、プリベークの時間は、通常30~600秒、好ましくは30~300秒程度である。
感光性樹脂膜の厚さは、例えば、0.1~100μmの間で適宜調整される。
露光用の活性光線を、適当なフォトマスクを介して感光性樹脂膜に照射することで、フォトマスクのパターンを反映した潜像を感光性樹脂膜に形成することができる。
露光用の活性光線としては、例えばX線、電子線、紫外線、可視光線などが使用できる。波長でいうと200~500nmの活性光線が好ましい。パターンの解像度と取り扱い性の点で、光源は水銀ランプのg線、h線又はi線であることが好ましく、特にi線が好ましい。また、2つ以上の光線を混合して用いてもよい。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション又はステッパ-が好ましい。
なお、露光後、必要に応じて、感光性樹脂膜を再度加熱してもよい(露光後加熱:Post Exposure Bake)。その温度は、例えば80~150℃、好ましくは90~120℃である。また、時間は、例えば30~600秒、好ましくは30~300秒である。
現像は、現像液を用いて、例えば浸漬法、パドル法、回転スプレー法などの方法により行うことができる。現像により、塗膜から、露光部(ポジ型の場合)又は未露光部(ネガ型の場合)が溶出除去され、パターニングされた樹脂膜を得ることができる。
現像液は、好ましくはアルカリ水溶液が用いられる。具体的には、(i)水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ水溶液、(ii)エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン水溶液、(iii)テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩の水溶液などが挙げられる。
現像液には、例えばメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や、界面活性剤などが添加されていてもよい。
現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が好ましい。この水溶液におけるテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの濃度は、好ましくは0.1~10質量%であり、更に好ましくは0.3~5質量%である。
また、現像処理後、全面露光を行ったり、ポストベーク処理を行ったりしてもよい。
全面露光の照射量は例えば1~500mJ/cm2の間で調整される。また、ポストベーク処理については、例えば100~200℃で5~15分間行うことができる。
上述のパターン形成方法は、電子デバイスの製造に応用することができる。
例えば、上述の方法で得られたパターンをエッチングマスクとして、半導体基板を選択的にエッチングすることで、半導体基板を加工することができる。すなわち、上述のパターン形成方法を含む工程により、電子デバイスを製造することができる。
本実施形態の特定ポリマーは、アリール部位や、ノルボルナン骨格など、エッチング耐性が大きな構造を多く含んでいる。よって、エッチングマスクに好ましく適用される。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
前掲の一般式(1)で表される構造単位と、前掲の一般式(2)で表される構造単位とを含むポリマーを含む、感光性樹脂組成物。
前掲の一般式(1)において、
Rは、1価の置換基を表し、
mは、1~3の整数を表し、
nは、0~4の整数を表す。
ただし、m+nは、5以下である。
前掲の一般式(2)において、
R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 は、それぞれ独立に、水素原子、または、カルボキシル基以外の1価の有機基を表し、
nは、0~2の整数を表す。
2.
1.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリマーが、オキセタニル基を有する構造単位を含まないポリマーを含む感光性樹脂組成物。
3.
1.または2.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前掲の一般式(2)で表される構造単位が、架橋性基を含まない構造単位を含む感光性樹脂組成物。
4.
1.~3.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリマーが、さらに、前掲の化学式(3)で表される構造単位を含む感光性樹脂組成物。
5.
1.~3.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリマーが、さらに、前掲の一般式(4)で表される構造単位を含む感光性樹脂組成物。
前掲の一般式(4)において、R c は、環状構造を含む1価の有機基を表す。
6.
1.~5.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前掲の一般式(1)で表される構造単位が、前掲の化学式(1-1)で表される構造単位を含む感光性樹脂組成物。
7.
1.~6.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリマーの重量平均分子量が10000以上である感光性樹脂組成物。
8.
1.~7.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、ノボラック樹脂を含む感光性樹脂組成物。
9.
1.~8.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂膜を形成する工程、
前記感光性樹脂膜を露光する工程および
前記感光性樹脂膜を現像する工程
を含む、パターン形成方法。
10.
9.に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
11.
前掲の一般式(1)で表される構造単位と、前掲の一般式(2)で表される構造単位とを含むポリマー。
前掲の一般式(1)において、
Rは、1価の置換基を表し、
mは、1~3の整数を表し、
nは、0~4の整数を表す。
ただし、m+nは、5以下である。
前掲の一般式(2)において、
R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 は、それぞれ独立に、水素原子、または、カルボキシル基以外の1価の有機基を表し、
nは、0~2の整数を表す。
12.
11.に記載のポリマーであって、
オキセタニル基を有する構造単位を含有しないポリマー。
13.
11.または12.に記載のポリマーであって、
前掲の一般式(2)で表される構造単位が、架橋性基を含まない構造単位を含むポリマー。
14.
11.~13.のいずれか1つに記載のポリマーであって、
さらに、前掲の化学式(3)で表される構造単位を含むポリマー。
15.
11.~14.のいずれか1つに記載のポリマーであって、
さらに、前掲の一般式(4)で表される構造単位を含むポリマー。
前掲の一般式(4)において、R c は、環状構造を含む1価の有機基を表す。
16.
11.~15.のいずれか1つに記載のポリマーであって、
前掲の一般式(1)で表される構造単位が、前掲の化学式(1-1)で表される構造単位を含むポリマー。
17.
11.~16.のいずれか1つに記載のポリマーであって、
重量平均分子量が10000以上であるポリマー。
18.
11.~17.のいずれか1つに記載のポリマーの製造方法であって、
少なくとも前掲の一般式(m2)で表されるモノマーおよび重合開始剤を含む第1溶液を、反応容器中に仕込む仕込み工程と、
前記第1溶液を昇温して重合反応を開始する開始工程と、
少なくとも前掲の一般式(m1)で表されるモノマーを含み、前掲の一般式(m2)で表されるモノマーを含まない第2溶液を、前記反応容器中に加える追添工程と
を含む、ポリマーの製造方法。
前掲の一般式(m1)において、
Rは、1価の置換基を表し、
mは、1~3の整数を表し、
nは、0~4の整数を表す。
ただし、m+nは、5以下である。
前掲の一般式(m2)において、
R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 は、それぞれ独立に、水素原子、または、カルボキシル基以外の1価の有機基を表し、
nは、0~2の整数を表す。
(合成例1:ポリマー1の合成)
反応容器内に、2-ノルボルネン(75質量%トルエン溶液、21.3g、0.169mol)、マレイミド(8.9g、0.092mol)、N-フェニルマレイミド(15.9g、0.092mol)、和光純薬株式会社製の重合開始剤V-601(2.6g,0.011mol)及びメチルエチルケトン(以下MEKと略記、他の合成例でも同様)19.3gを加え、撹拌・溶解させた。
次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温した。内温が60℃に到達したところで、マレイミド(7.5g、0.077mol)、4-ヒドロキシフェニルマレイミド(10.7g、0.056mol)およびN-フェニルマレイミド(13.4g、0.077mol)をMEK34.4g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル16.02gの混合溶剤に溶解させた溶液を6時間かけて添加した。
その後、70℃に昇温しさらに3時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK100gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量の純水/メタノール混合液に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取し、さらに純水で洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。
得られたポリマーの収得量は56.4g、収率は75%であった。また、得られたポリマーは、重量平均分子量Mwが14,900であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.17、アルカリ溶解速度は8,000Å/secであった。
反応容器内に、2-ノルボルネン(75%質量トルエン溶液、21.0g、0.167mol)、マレイミド(5.2g、0.054mol)、N-フェニルマレイミド(9.3g、0.054mol)、和光純薬株式会社製の重合開始剤V-601(2.6g,0.011mol)及びMEK12.3gを加え、撹拌・溶解させた。
次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温した。内温が60℃に到達したところで、マレイミド(11.1g、0.114mol)、4-ヒドロキシフェニルマレイミド(21.1g、0.112mol)、およびN-フェニルマレイミド(10.1g、0.058mol)をMEK25.8g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル31.7gの混合溶剤に溶解させた溶液を6時間かけて添加した。
その後、70℃に昇温しさらに3時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK100gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量の純水/メタノール混合液に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しさらに純水で洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。
得られたポリマーの収得量は45.4g、収率は61%であった。また、得られたポリマーは、重量平均分子量Mwが11,000であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.98、アルカリ溶解速度は14,800Å/secであった。
反応容器内に、2-ノルボルネン(75質量%トルエン溶液、21.0g、0.167mol)、マレイミド(2.3g、0.023mol)、N-シクロヘキシルマレイミド(4.1g、0.023mol)、和光純薬株式会社製の重合開始剤V-601(2.6g,0.011mol)及びMEK6.9gを加え、撹拌・溶解させた。
次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温した。内温が60℃に到達したところで、マレイミド(14.0g、0.144mol)、4-ヒドロキシフェニルマレイミド(10.6g、0.056mol)、およびN-シクロヘキシルマレイミド(25.9g、0.144mol)をMEK47.0g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル15.8gの混合溶剤に溶解させた溶液を6時間かけて添加した。
その後、70℃に昇温しさらに3時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK100gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量の純水/メタノール混合液に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しさらに純水で洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。
得られたポリマーの収得量は62.0g、収率は83%であった。また、得られたポリマーは、重量平均分子量Mwが14,700であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.12、アルカリ溶解速度は1,700Å/secであった。
反応容器内に、2-ノルボルネン(75質量%トルエン溶液、19.0g、0.151mol)、ノルボルネンカルボン酸(60質量%MEK溶液、23.2g、0.101mol)、N-フェニルマレイミド(23.9g、0.138mol)、和光純薬株式会社製の重合開始剤V-601(2.3g,0.010mol)及びMEK18.4gを加え、撹拌・溶解させた。
次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温し、内温が60℃に到達したところで、4-ヒドロキシフェニルマレイミド(9.5g、0.050mol)、およびN-フェニルマレイミド(11.0g、0.064mol)をMEK28.3g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.3gの混合溶剤に溶解させた溶液を6時間かけて添加した。
その後、70℃に昇温しさらに3時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK100gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量の純水/メタノール混合液に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しさらに純水で洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。
得られたポリマーの収得量は43.4g、収率は58%であった。また、得られたポリマーは、重量平均分子量Mwが9,700であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.96、アルカリ溶解速度は430Å/secであった。
反応容器内に、2-ノルボルネン(75質量%トルエン溶液、21.3g、0.169mol)、和光純薬株式会社製の重合開始剤V-601(2.6g,0.011mol)及びMEK16.5gを加え、撹拌・溶解させた。
次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温した。内温が70℃に到達したところで、マレイミド(16.4g、0.169mol)、4-ヒドロキシフェニルマレイミド(10.7g、0.056mol)、およびN-フェニルマレイミド(29.3g、0.169mol)をMEK74.7g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル16.0gの混合溶剤に溶解させた溶液を4時間かけて添加した。
その後、80℃に昇温しさらに3時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK62.5gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量の純水/メタノール混合液に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しでさらに純水で洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。
得られたポリマーの収得量は62.5g、収率は83%であった。また、得られたポリマーは、重量平均分子量Mwが6,800であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.82、アルカリ溶解速度は7,800Å/secであった。
反応容器内に、ノルボルネンカルボン酸(44.4g、0.321mol)、N-フェニルマレイミド(31.0g、0.179mol)、和光純薬株式会社製の重合開始剤V-601(7.4g,0.032mol)及びMEK29.6gを加え、撹拌・溶解させた。
次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温した。内温が70℃に到達したところで、N-フェニルマレイミド(24.6g、0.142mol)をMEK63.1gに溶解させた溶液を4時間かけて添加した。
その後、70℃で3時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK133.3gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量の純水/メタノール混合液に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しでさらに純水で洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。
得られたポリマーの収得量は65.7g、収率は66%であった。また、得られたポリマーは、重量平均分子量Mwが6,800であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.91、アルカリ溶解速度は4,000Å/secであった。
反応容器内に、ノルボルネンカルボン酸(28.1g、0.203mol)、N-フェニルマレイミド(30.1g、0.174mol)、和光純薬株式会社製の重合開始剤V-601(7.8g,0.034mol)及びMEK18.7gを加え、撹拌・溶解させた。
次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温した。内温が70℃に到達したところで、マレイミド(13.2g、0.136mol)、N-フェニルマレイミド(28.7g、0.165mol)をMEK73.5gに溶解させた溶液を4時間かけて添加した。
その後、80℃に昇温しさらに3時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK133.3gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量の純水/メタノール混合液に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しでさらに純水で洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。
得られたポリマーの収得量は88.3g、収率は88%であった。また、得られたポリマーは、重量平均分子量Mwが7,800であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.20、アルカリ溶解速度は3,600Å/secであった。
反応容器内に、ノルボルネンカルボン酸(30.7g、0.222mol)、N-フェニルマレイミド(14.4g、0.083mol)、和光純薬株式会社製の重合開始剤V-601(5.1g,0.022mol)及びMEK20.5gを加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温した。内温が70℃に到達したところで、N-フェニルマレイミド(16.4g、0.094mol)、4-ヒドロキシフェニルマレイミド(8.4g、0.044mol)をMEK41.9g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル12.6gの混合溶剤に溶解させた溶液を4時間かけて添加した。
その後、80℃に昇温しさらに3時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK100gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量の純水/メタノール混合液に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しでさらに純水で洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。
得られたポリマーの収得量は58.5g、収率は78%であった。また、得られたポリマーは、重量平均分子量Mwが5,100であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.93、アルカリ溶解速度は28,800Å/secであった。
NB:2-ノルボルネン
NC:5-ノルボルネン-2-カルボン酸
MI:マレイミド
PMI:N-フェニルマレイミド
CMI:N-シクロヘキシルマレイミド
PhOHMI:N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミド
装置:東ソー(株)社製 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置 HLC-8320GPC
カラム:東ソー(株)社製 TSK-GEL Supermultipore HZ-M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶剤:THF
試料濃度:2.0mg/mL
(1)まず、得られたポリマーを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:プロピレングリコールモノメチルエーテル=80:20(質量比)の混合溶媒に固形分25質量%になるように溶解させた溶液を調製した。
(2)上記溶液を、シリコンウエハ上にスピン塗布した後、100℃、120秒の条件で熱処理して、膜厚Hが2.0μmのポリマー膜を得た。
(3)上記ポリマー膜を、23℃で0.5質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液に含浸させ、視覚的にポリマー膜が消去するまでの時間Tを測定した。これにより得られた測定値に基づいて、膜厚H/時間Tを溶解速度(Å/sec)として算出した。
(実施例1)
合成例1により合成されたポリマー1、4,4’-(1-{4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノールと1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製:PA-15)、KBM-403(信越シリコーン社製)およびF-556(DIC株式会社製)を、表2に示した質量部で準備し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=80:20(質量比)の混合溶媒に固形分20質量%となるよう溶解した。これを、孔径0.2μmのPTFEフィルターで濾過して、ポジ型の感光性樹脂組成物を調製した。
(実施例2~6、比較例1~3)
各成分およびその量(質量部)を、表2に記載のようにした以外は、実施例1と同様にして、ポジ型の感光性樹脂組成物を調製した。
なお、実施例6のノボラック樹脂として、PR-54919(住友ベークライト社製のm・p-クレゾールノボラック樹脂)を用いた。
(薄膜パターンの形成)
次のようにして薄膜パターンを形成した。まず、得られた感光性樹脂組成物を、4インチシリコンウェハー上に回転塗布し(回転数300~2500rpm)、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約2μm厚の薄膜Aを得た。
この薄膜Aに、キヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA-501F)を用いて、g/h/iブロードバンド光を、直径10μmのホールパターンマスクを介して露光した。露光量は300mJ/cm2とした。
その後、23℃で、現像液として水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を用いて現像処理を行い、パターン付き薄膜Bを得た。現像液の濃度及び現像時間は、各ポリマーの現像速度に適した条件とすべく、表2記載のようにした。
この薄膜Bを、PLA-501Fにて300mJ/cm2でブロードバンド光を全面露光した後、ホットプレート上で150℃、10分間加熱することによりポストベーク処理し、パターン付き薄膜Cを得た。
上述の薄膜パターンの形成により得られた薄膜A、薄膜Bおよび薄膜Cの膜厚から、以下の式より残膜率を算出した。
現像後残膜率(%)=〔薄膜Bの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
ポストベーク後残膜率(%)=〔薄膜Cの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
上述の薄膜パターン形成において、塗膜表面に割れが見られるか評価した。評価基準は以下の3段階評価とした。
3:ポストベーク後(薄膜C)にも割れがなく良好。
2:現像後またはポストベーク後(薄膜B、C)に割れが見られる。
1:組成物の塗布直後(薄膜A)に割れが見られる。
現像後の直径10μmホールパターンについて、以下基準で評価した。
3:残渣が見られなかった。
2:残渣は見られたもののパターン形成可能であった。
1:膜が完全に溶解してしまったり、解像性が低かったりして、評価不能であった。
ポストベーク前とポストベーク後の直径10μmホールパターンについて、以下基準で評価した。
2:形状に変化が見られなかった。
1:パターンの変形や、CD(クリティカルディメンジョン)に顕著な変化がみられた。
コーニング社製の1737ガラス基板(縦100mm、横100mm)を用い、露光・現像をしない以外は、上述の(薄膜パターンの形成)と同様の操作を行った。これにより、パターンのない薄膜をガラス基板上に得た。
この薄膜について、光の波長400nmにおける透過率(%)を、紫外-可視光分光光度計を用いて測定し、膜厚3μmに換算した数値を透過率とした。
Claims (8)
- 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリマーが、オキセタニル基を有する構造単位を含まないポリマーを含む感光性樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記一般式(2)で表される構造単位が、架橋性基を含まない構造単位を含む感光性樹脂組成物。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリマーの重量平均分子量が10000以上である感光性樹脂組成物。 - 請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、ノボラック樹脂を含む感光性樹脂組成物。 - 請求項1~6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂膜を形成する工程、
前記感光性樹脂膜を露光する工程および
前記感光性樹脂膜を現像する工程
を含む、パターン形成方法。 - 請求項7に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
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