JP7042399B2 - リアクトル - Google Patents
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Description
巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内外に配置されて、閉磁路を形成するように組み付けられる複数のコア片を含む磁性コアと、
前記コイルと前記磁性コアとを含む組物を収納するケースとを備え、
前記磁性コアは、前記巻回部外に配置される部分を含む二つの外側コア片を備え、
前記ケースは、その内壁面において各外側コア片の外端面に対向する第一の対向面及び第二の対向面と、前記第一の対向面及び前記第二の対向面の少なくとも一方に設けられ、前記ケースの開口側から前記ケースの内底面側に向かって両対向面間の間隔が狭くなるように傾斜するケース傾斜面とを備え、
前記外側コア片の外端面側に設けられ、前記ケース傾斜面に面接触するコア傾斜面を備える。
最初に、本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るリアクトルは、
巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内外に配置されて、閉磁路を形成するように組み付けられる複数のコア片を含む磁性コアと、
前記コイルと前記磁性コアとを含む組物を収納するケースとを備え、
前記磁性コアは、前記巻回部外に配置される部分を含む二つの外側コア片を備え、
前記ケースは、その内壁面において各外側コア片の外端面に対向する第一の対向面及び第二の対向面と、前記第一の対向面及び前記第二の対向面の少なくとも一方に設けられ、前記ケースの開口側から前記ケースの内底面側に向かって両対向面間の間隔が狭くなるように傾斜するケース傾斜面とを備え、
前記外側コア片の外端面側に設けられ、前記ケース傾斜面に面接触するコア傾斜面を備える。
上記のリアクトルでは、ケースの内壁面のうち、両外側コア片の外端面を挟むように配置される第一の対向面及び第二の対向面の少なくとも一方にケース傾斜面が設けられ、このケース傾斜面と外側コア片側のコア傾斜面とが面接触する。この面接触によって、両外側コア片を互いに近接する方向に押し付ける力(以下、押付力と呼ぶことがある)が両外側コア片に作用する。上記のリアクトルに備えられる磁性コアが、両外側コア片間に介在されるコア片を含む場合には、上述の押付力によって外側コア片間に挟まれた状態が維持されると共に、隣り合うコア片同士が接触した状態が維持される。このようなリアクトルは、隣り合うコア片同士が接着剤等で接合されていなくても、上記コア片同士の接触状態を適切に維持できる。特に、上記のリアクトルでは、上述の面接触によって、外側コア片における押付力が作用する領域を広く確保できるため、コア片同士の接触状態が変化し難い。従って、上記のリアクトルは、接着剤等による接合がなされていなくても、隣り合うコア片同士の接触状態を長期に亘り適切に維持できる。ひいては、コア片間からの漏れ磁束に起因する特性の低下、コア片間に隙間が生じることに起因する騒音や振動等も防止できる。ケースの両対向面がそれぞれケース傾斜面を備えると共に、両外側コア片側にそれぞれコア傾斜面を備える場合には、各外側コア片への押付力を均一的にし易く、コア片同士の接触状態をより適切に維持し易い。
上記のリアクトルでは、上述のようにコア片同士を接合する接着剤を不要にできるため、接着剤の塗布工程や固化工程等を省略できる。また、コイルと磁性コアとを組み付けた状態で、ケース傾斜面にコア傾斜面を滑らせるようにして上記組物をケースに収納すれば、上述の押付力を自動的に発生できる。更に、磁性コアを所定の形状に組み付けた状態を容易にかつ自動的に保持できる。これらの点から、上記のリアクトルは製造性に優れる。
前記外側コア片の外端面に直接設けられる前記コア傾斜面を備える形態が挙げられる。
前記外側コア片の外端面の全体に設けられる前記コア傾斜面を備える形態が挙げられる。
前記ケースは、前記内壁面から前記ケースの内側に向かって張り出した突出部を有し、
前記外側コア片は、前記突出部が嵌められるスリット部を有し、
前記ケース傾斜面は、前記突出部に設けられ、
前記コア傾斜面は、前記スリット部を形成する内周面に設けられる形態が挙げられる。
前記外側コア片に着脱可能であり、前記外側コア片の外端面の少なくとも一部に面接触する樹脂部材を備え、
前記樹脂部材に設けられる前記コア傾斜面を備える形態が挙げられる。
前記外側コア片と前記樹脂部材とは互いに嵌め合わされる係合部を有し、前記樹脂部材は、前記係合部によって前記外側コア片に取り付けられる形態が挙げられる。
前記ケース傾斜面及び前記コア傾斜面における前記ケースの深さ方向に対する傾斜角度が10°以下である形態が挙げられる。
前記ケース内に充填され、前記組物を埋設する封止樹脂を備える形態が挙げられる。
前記複数のコア片のうち、隣り合う前記コア片に互いに嵌め合わされる凹部及び凸部を備える形態が挙げられる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
図1,図2を参照して、実施形態1のリアクトル1Aを説明する。
図1は、ケース4についてはその深さ方向に平行な平面で切断した断面を示す。また、図1ではケース4の収納物のうち、組物10については外観を示し、封止樹脂9については二点鎖線で仮想的に示す。これらの点は、後述の図3、図6、図8についても同様である。
図2に示すケース4の一部は外観を示し、他部はケース4を切り欠いた断面を示す。
図2及び後述する図において傾斜角度θは分かり易いように大きく示し、後述する数値範囲を満たさないことがある。
〈概要〉
実施形態1のリアクトル1Aは、図1に示すように、巻回部を有するコイル2と、巻回部の内外に配置される磁性コア3と、コイル2と磁性コア3とを含む組物10を収納するケース4とを備える。本例のコイル2は一対の巻回部2a,2bを有し、各巻回部2a,2bは各軸が平行し、巻回部2a,2bが隣り合って並ぶように配置される。磁性コア3は、閉磁路を形成するように組み付けられる複数のコア片を含む。特に、磁性コア3は、巻回部2a,2b外に配置される部分を含む二つの外側コア片32A,32Aを備える。本例のリアクトル1Aでは、ケース4の深さ方向(図1,図2では上下方向)に対して巻回部2a,2bが上下に並ぶように、組物10がケース4内に収納される(以下、この収納形態を縦積み形態と呼ぶことがある)。本例では巻回部2aがケース4の底部40側に位置する。また、本例のリアクトル1Aは、ケース4内に充填され、組物10を埋設する封止樹脂9を備える。このようなリアクトル1Aは、代表的には、ケース4の底部40がコンバータケース等の設置対象(図示せず)に取り付けられて使用される。この設置状態は例示であり、リアクトル1Aの設置方向は適宜変更できる。
本例のコイル2は、巻線が螺旋状に巻回されてなる筒状の巻回部2a,2bを備える。一対の巻回部2a,2bを備えるコイル2として、以下の形態が挙げられる。
(α)独立した2本の巻線によってそれぞれ形成される巻回部2a,2bと、巻回部2a,2bから引き出される巻線の両端部のうち、一方の端部同士を接続する接続部とを備える。
(β)1本の連続する巻線から形成される巻回部2a,2bと、巻回部2a,2b間に渡される巻線の一部からなり、巻回部2a,2bを連結する連結部とを備える。
上述のいずれの形態も、各巻回部2a,2bから延びる巻線の端部は、ケース4外に引き出されて、電源等の外部装置が接続される箇所として利用される。形態(α)の接続部は、巻線の端部同士が溶接や圧着等によって直接接合される形態、適宜な金具等を介して間接的に接続される形態が挙げられる。なお、図1,図2及び後述の図では、説明の便宜上、巻回部2a,2bのみ示し、巻線の端部、接続部や連結部を省略している。
本例の磁性コア3は、四つの柱状のコア片を備え、これらコア片が枠状(環状)に組み付けられる。詳しくは、本例の磁性コア3は、図2に示すように、主として巻回部2a,2b内にそれぞれ配置される二つの内側コア片31,31と、実質的にその全体が巻回部2a,2b外に配置される二つの外側コア片32A,32Aとを備える。各内側コア片31,31において両端部を除く中間部は巻回部2a,2b内に収納され、両端部は巻回部2a,2bから突出されて、外側コア片32A,32Aとの接続箇所として利用される(図1)。各内側コア片31,31は、巻回部2a,2bの配置状態に倣って、各軸が平行するように配置される。両内側コア片31,31の一端部間を渡るように一方の外側コア片32Aが配置され、他端部間を渡るように他方の外側コア片32Aが配置されて四角枠状をなし、閉磁路を形成する。本例の磁性コア3は、隣り合うコア片間にギャップ材を有しておらず、コア片31,32A同士が直接接触する(図1)。
本例の二つの内側コア片31,31はそれぞれ、巻回部2a,2bの内周形状に概ね対応した直方体状であり、同一形状、同一の大きさである。本例では、一つの巻回部2a又は2bに収納されるコア片の個数が一つのみであり、コア片の総数が少ない。そのため、本例の磁性コア3は、組立時間を短縮できる。
本例の二つの外側コア片32A,32Aはそれぞれ、概ね直方体状であり、同一形状、同一の大きさである。以下、代表して一つの外側コア片32Aを説明する。
コア片は、軟磁性材料を含む成形体、代表的には軟磁性材料を主体とする成形体等が挙げられる。軟磁性材料は、鉄や鉄合金(例、Fe-Si合金、Fe-Ni合金等)といった金属、フェライト等の非金属等が挙げられる。上記成形体は、軟磁性材料からなる粉末や、更に絶縁被覆を備える被覆粉末等が圧縮成形されてなる圧粉成形体、軟磁性粉末と樹脂とを含む流動性の混合体を固化させた複合材料の成形体、フェライトコア等の焼結体、電磁鋼板等の板材が積層されてなる積層体等が挙げられる。
本例のリアクトル1Aは、樹脂等の絶縁材料からなり、コイル2と磁性コア3との間に介在されて、両者の電気的絶縁性を高めることに寄与する介在部材を備える。本例の介在部材は、巻回部2a,2bの一端面と一方の外側コア片32Aの内端面32iとの間に介在されるフランジ部材5と、巻回部2a,2bの他端面と他方の外側コア片32Aの内端面32iとの間に介在されるフランジ部材5とを備える。両フランジ部材5,5は同一形状、同一の大きさであるため、以下、代表して一つのフランジ部材5を説明する。
ケース4は、組物10の機械的保護、外部環境からの保護(防食性の向上)等に機能する。本例のケース4は、組物10の実質的に全体を収納可能な形状及び大きさを有する内部空間を備えており、上記保護機能をより得易い。特に、実施形態1のリアクトル1Aに備えられるケース4は、内壁面41iにケース傾斜面43を備えて、磁性コア3が所定の形状(本例では環状)に組み付けられた状態、換言すれば隣り合うコア片同士が接触した状態を維持する機能も有する。
コア傾斜面33,33をなす各外側コア片32A,32Aの外端面32o,32oと、各ケース傾斜面43,43をなす第一の対向面4a、第二の対向面4bとは、実質的に等しい傾斜角度θを有し(図2)、かつ逆向きに傾斜することで面接触する(図1)。この面接触によって、両外側コア片32A,32Aには、互いに近接方向に押し付ける力が作用する。上記押付力によって、磁性コア3をなす隣り合うコア片(本例では内側コア片31と外側コア片32A)が接着剤等で接合されていなくても、隣り合うコア片同士が接触した状態を維持できる。そのため、磁性コア3は、環状に組み付けられた状態が維持される。本例では、両外側コア片32A,32Aが内側コア片31,31を挟んだ状態が維持される。特に、上記押付力は、組物10をケース4内に収納することで自動的に発現できる。
封止樹脂9は、ケース4内に充填されて組物10を覆う。このような封止樹脂9は、組物10の一体化、組物10の機械的保護及び外部環境からの保護(防食性の向上)、組物10とケース4との間の電気的絶縁性の向上、組物10とケース4との一体化によるリアクトル1Aの強度や剛性の向上といった種々の機能を奏する。封止樹脂9の材質によっては放熱性の向上も期待できる。本例の封止樹脂9は、上述のように組物10の実質的に全体を埋設するため、上述の一体化機能、保護機能等をより得易い。
実施形態1のリアクトル1Aは、例えば、コイル2と、磁性コア3と、必要に応じて介在部材(本例ではフランジ部材5)とを組み付けて組物10を作製する工程と、組物10をケース4内に収納する工程とを備える製造方法によって製造することが挙げられる。封止樹脂9を備える場合には、上記製造方法は、更に、ケース4内に封止樹脂9を充填して組物10をケース4内に埋設する工程を備えることが挙げられる。組物10をケース4内に収納する際には、上述のように組物10のコア傾斜面33,33をケース傾斜面43,43に滑らせるように移動させれば、組物10をケース4内の所定の位置に自動的に位置決めできつつ、ケース4内に収納できる。ケース傾斜面43を組物10に対するガイドとして機能させることで、収納作業も容易に行える。更に、この収納作業により、上述の面接触状態も自動的に形成できる。
実施形態1のリアクトル1Aは、電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品、例えば種々のコンバータや電力変換装置の構成部品等に利用できる。コンバータの一例として、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC-DCコンバータ)や、空調機のコンバータ等が挙げられる。
実施形態1のリアクトル1Aは、コア傾斜面33とケース傾斜面43とを備えて、両者が面接触することで、上述のように両外側コア片32A,32Aを互いに近接する方向に押し付ける力を両外側コア片32A,32Aに作用させられる。このような実施形態1のリアクトル1Aは、接着剤等で接合されていなくても隣り合うコア片同士が接触した状態を長期に亘り適切に維持できる。コア片同士の接触状態を維持できることで、実施形態1のリアクトル1Aは、コア片間からの漏れ磁束に起因する特性の低下、コア片間に隙間が生じることに起因する騒音や振動等も防止できる。
(1)ケース4が金属製であり、樹脂製のケースに比較して、ケース傾斜面43が製造過程で摩滅したり、リアクトル1Aの使用時に変形したりし難い。そのため、上述の面接触による押付力を長期に亘り外側コア片32Aに作用できる。
(2)封止樹脂9を備えており、封止樹脂9によっても組物10を一体化できる。
(3)両外側コア片32A,32Aの外端面32o,32oにそれぞれコア傾斜面33,33を備えると共に、各外端面32o,32oの全面をコア傾斜面33,33とする。かつ、ケース4の両対向面4a,4bにそれぞれケース傾斜面43,43を備える。そのため、各外側コア片32A,32Aへの押付力を均一的にし易い。
図3~図5を参照して、実施形態2のリアクトル1Bを説明する。
図5は、図3に示すケース4Bについて、その深さ方向に平行な平面であって、巻回部2a,2bの軸方向に直交する平面で切断した断面を示す。
図6、図7を参照して、実施形態3のリアクトル1Cを説明する。
実施形態3のリアクトル1Cの基本的構成は、実施形態1のリアクトル1Aと同様であり、コイル2と、二つの外側コア片32C,32Cを含む磁性コア3と、組物10を収納するケース4とを備える。また、リアクトル1Cは、各外側コア片32C,32Cの外端面32o,32o側にコア傾斜面33,33を備える。ケース4は、対向面4a,4bに設けられたケース傾斜面43,43を備える。実施形態3のリアクトル1Cにおける実施形態1との相違点の一つは、各外側コア片32C,32Cに取り付けられる樹脂部材6C,6Cを備え、各コア傾斜面33,33が各樹脂部材6C,6Cに設けられており、外側コア片32Cに直接設けられていない点にある。以下、実施形態1との相違点を詳細に説明し、実施形態1と重複する構成及びその効果については詳細な説明を省略する。本例では、各外側コア片32C,32Cの形状及び大きさが同一であり、各樹脂部材6C,6Cの形状及び大きさが同一であるため、代表して一方について説明する。なお、ケース4の構成は、実施形態1で説明した構成と同様である。
図8を参照して、実施形態4のリアクトル1Dを説明する。
実施形態4のリアクトル1Dの基本的構成は、実施形態3のリアクトル1Cと同様であり、コイル2と、二つの外側コア片32D,32Dを含む磁性コア3と、各外側コア片32D,32Dの外端面32o,32oの少なくとも一部に面接触する樹脂部材6D,6Dと、樹脂部材6D,6Dを含む組物10を収納するケース4とを備える。樹脂部材6Dは、外端面32oの少なくとも一部に面接触する内側面6iと、内側面6iとは反対側に位置し、傾斜角度θを有する傾斜面とを備える。この傾斜面がコア傾斜面33をなす。実施形態4のリアクトル1Dにおける実施形態3との相違点の一つは、外側コア片32Dと樹脂部材6Dとが係合部を有しておらず、樹脂部材6Dが外側コア片32Dに対してケース4の深さ方向の配置位置を変更可能な点が挙げられる。以下、実施形態3との相違点を詳細に説明し、実施形態3と重複する構成及びその効果については詳細な説明を省略する。本例では、各外側コア片32D,32Dの形状及び大きさが同一であり、各樹脂部材6D,6Dの形状及び大きさが同一であるため、代表して一方について説明する。なお、ケース4の構成は、実施形態1で説明した構成と同様である。
図9を参照して、磁性コア3の別例を説明する。
実施形態1では、磁性コア3として、隣り合うコア片の接触面、ここでは内側コア片31の端面及び外側コア片32Aの内端面32iがいずれも、平坦な平面からなる場合を説明した。磁性コア3の別例として、複数のコア片のうち、隣り合うコア片に互いに嵌め合わされる凹部及び凸部を備えることが挙げられる。図9に示す磁性コア3は、外側コア片32Eの内端面32iに内側コア片31,31の端面側の領域がそれぞれ嵌め込まれる凹部321,321を備える。内側コア片31の端面側の領域が凸部をなす。
例えば、上述の実施形態1等のリアクトルに対して、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
この場合でも、ケース傾斜面とコア傾斜面との面接触によって、上述の近接方向の押付力を両外側コア片に作用させられて、コア片同士の接触状態を維持できる。
この場合、実施形態3,4よりも樹脂部材の個数を低減でき、組物の組立工程数を少なくできる点から製造性に優れる。
例えば、各外側コア片はU字状のコア片であること、E字状のコア片であること、一方の外側コア片がE字状のコア片であり、他方の外側コア片がI字状であること等が挙げられる。U字状のコア片は、巻回部内に収納される二つの脚部と、両脚部を繋ぎ、巻回部外に配置される連結部とを備えることが挙げられる。E字状のコア片は、巻回部内に収納される一つの中央脚と、この中央脚を挟み、巻回部外に配置される二つの側脚と、中央脚及び側脚を繋ぎ、巻回部外に配置される連結部とを備えることが挙げられる。E字状のコア片を備える場合には、巻回部を一つ備えるものが挙げられる。そして、上記連結部に外端面を備える。いずれの場合も、コア片の総数を少なくでき、組物の組立工程数を少なくできる点から製造性に優れる。
又は、例えば、一つの巻回部内に収納されるコア片の個数を複数とする。この形態は後述するギャップ材を多く含む場合等に利用することが挙げられる。
又は、例えば、内側コア片の外周形状が巻回部の内周形状に非相似である。
又は、外側コア片にコア傾斜面を有する突出部を有し、ケースにケース傾斜面を有するスリット部を有する。
ギャップ材は、コア片の端面に面接触可能な形状及び大きさを有する板材等が挙げられる。ギャップ材の構成材料は、アルミナや樹脂等の非磁性材料、樹脂と磁性粉末とを含む複合材料の成形板であってコア片よりも比透磁率が低いもの等が挙げられる。隣り合うコア片がギャップ材を介して面接触していれば、上述のコア傾斜面とケース傾斜面との面接触によって近接方向の押付力が外側コア片に作用することで、両外側コア片に挟まれるコア片及びギャップ材が接触した状態を維持できる。
10 組物
2 コイル、2a,2b 巻回部
3 磁性コア
31 内側コア片
32A,32B,32C,32D,32E 外側コア片
32o 外端面、32i 内端面、32u 上面、32d 下面、32s 側面
321 凹部、326 切欠部、33 コア傾斜面、34 スリット部
4,4B ケース
4a 第一の対向面、4b 第二の対向面、40 底部、40i 内底面
41 側壁部、41i 内壁面、43 ケース傾斜面、44 突出部
5 フランジ部材、5h 貫通孔
6C,6D 樹脂部材、6i 内側面、60 本体、63 係合凸部
9 封止樹脂
Claims (14)
- 一対の巻回部を有するコイルと、
前記一対の巻回部の内外に配置されて、閉磁路を形成するように枠状に組み付けられる複数のコア片を含む磁性コアと、
前記コイルと前記磁性コアとを含む組物を収納するケースとを備え、
前記組物は、前記ケースの深さ方向に前記一対の巻回部が上下に並ぶように前記ケースに収納され、
前記磁性コアは、前記一対の巻回部外に配置される部分を含む二つの外側コア片と、前記一対の巻回部内にそれぞれ配置される内側コア片とを備え、
前記ケースは、その内壁面において各外側コア片の外端面に対向する第一の対向面及び第二の対向面と、前記第一の対向面及び前記第二の対向面の少なくとも一方に設けられ、前記ケースの開口側から前記ケースの内底面側に向かって両対向面間の間隔が狭くなるように傾斜するケース傾斜面とを備え、
前記外側コア片の外端面側に設けられ、前記ケース傾斜面に面接触するコア傾斜面を備えるリアクトル。 - 前記外側コア片の外端面に直接設けられる前記コア傾斜面を備える請求項1に記載のリアクトル。
- 前記外側コア片の外端面の全体に設けられる前記コア傾斜面を備える請求項2に記載のリアクトル。
- 前記ケースは、前記内壁面から前記ケースの内側に向かって張り出した突出部を有し、
前記外側コア片は、前記突出部が嵌められるスリット部を有し、
前記ケース傾斜面は、前記突出部に設けられ、
前記コア傾斜面は、前記スリット部を形成する内周面に設けられる請求項2に記載のリアクトル。 - 前記外側コア片に着脱可能であり、前記外側コア片の外端面の少なくとも一部に面接触する樹脂部材を備え、
前記樹脂部材に設けられる前記コア傾斜面を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。 - 巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内外に配置されて、閉磁路を形成するように組み付けられる複数のコア片を含む磁性コアと、
前記コイルと前記磁性コアとを含む組物を収納するケースとを備え、
前記磁性コアは、前記巻回部外に配置される部分を含む二つの外側コア片を備え、
前記ケースは、その内壁面において各外側コア片の外端面に対向する第一の対向面及び第二の対向面と、前記第一の対向面及び前記第二の対向面の少なくとも一方に設けられ、前記ケースの開口側から前記ケースの内底面側に向かって両対向面間の間隔が狭くなるように傾斜するケース傾斜面と、前記内壁面から前記ケースの内側に向かって張り出した突出部とを備え、
前記外側コア片は、前記外側コア片の外端面に直接設けられ、前記ケース傾斜面に面接触するコア傾斜面と、前記突出部が嵌められるスリット部とを備え、
前記ケース傾斜面は、前記突出部に設けられ、
前記スリット部を形成する内周面に設けられる前記コア傾斜面を備えるリアクトル。 - 前記外側コア片に着脱可能であり、前記外側コア片の外端面の少なくとも一部に面接触する樹脂部材を備え、
前記樹脂部材に設けられる前記コア傾斜面を備える請求項6に記載のリアクトル。 - 巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内外に配置されて、閉磁路を形成するように組み付けられる複数のコア片を含む磁性コアと、
前記コイルと前記磁性コアとを含む組物を収納するケースと、
樹脂部材とを備え、
前記磁性コアは、前記巻回部外に配置される部分を含む二つの外側コア片を備え、
前記ケースは、その内壁面において各外側コア片の外端面に対向する第一の対向面及び第二の対向面と、前記第一の対向面及び前記第二の対向面の少なくとも一方に設けられ、
前記ケースの開口側から前記ケースの内底面側に向かって両対向面間の間隔が狭くなるように傾斜するケース傾斜面とを備え、
前記樹脂部材は、前記外側コア片に着脱可能であり、前記外側コア片の外端面の少なくとも一部に面接触する面と、前記ケース傾斜面に面接触するコア傾斜面とを備えるリアクトル。 - 前記外側コア片の外端面に直接設けられる前記コア傾斜面を備える請求項8に記載のリアクトル。
- 前記外側コア片の外端面の全体に設けられる前記コア傾斜面を備える請求項9に記載のリアクトル。
- 前記外側コア片と前記樹脂部材とは互いに嵌め合わされる係合部を有し、前記樹脂部材は、前記係合部によって前記外側コア片に取り付けられる請求項5及び請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記ケース傾斜面及び前記コア傾斜面における前記ケースの深さ方向に対する傾斜角度が10°以下である請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記ケース内に充填され、前記組物を埋設する封止樹脂を備える請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記複数のコア片のうち、隣り合う前記コア片に互いに嵌め合わされる凹部及び凸部を備える請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のリアクトル。
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