JP6932996B2 - 立体造形物の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
また、セラミックスラリー中に含まれるバインダ量を少なくしながら、薄いシートを成形できるセラミックグリーン体シートの製造装置が提供されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明の立体造形物の製造方法は、無機粒子を含む第一の液体材料からなる層の所定領域を硬化させる硬化工程を繰り返して積層することにより立体造形を行う立体造形物の製造方法であって、前記第一の液体材料を層形成領域に供給する際に前記第一の液体材料の粘度を低下させる工程、及び前記第一の液体材料を供給する前記層形成領域を加熱する工程、の少なくともいずれかの工程を含み、更に必要に応じて、層形成工程、層乾燥工程、除去工程、焼結工程、その他の工程を含む。
本発明の立体造形物の製造方法は、従来の成形体の製造方法では、硬度の高い粒子は相対的に比重が高く、スラリー中に分散させても、粒子が重力により沈降してスラリー中で粒子濃度が不均一になりやすく、スラリー中に有機化合物を加えて粒子の分散安定性を確保する必要があるが、比重が高い粒子の分散安定性を確保するためにスラリーに加える有機材料は高い粘性が求められ、スラリー中の粘度が上がってしまい、また、相対密度を高くするためにはスラリー中の粒子を高密度にする必要があるが、スラリーの粘度も高くなってしまうという問題があるという知見に基づくものである。
また、本発明の立体造形物の製造方法は、従来のセラミックグリーン体シートの製造装置では、スラリーの粘度が高いと薄膜シート状に成形することが困難になり、高精度な立体造形物を得るには、シートの膜厚を薄くし、多数の層を積層する必要があるが、高粘度のスラリーは薄膜シート状に成形すると、成形材とスラリーとの相互作用により、薄膜の表面粗さが悪化し、精度のよい立体造形物が得られないという問題があるという知見に基づくものである。また、スラリータンク内の加熱、もしくはスラリーダム全体を加熱することでスラリータンク内、スラリーダム内で高比重の粒子が沈降した結果、スラリー中の粒子濃度が不均一になるという問題があるという知見に基づくものである。
本発明の立体造形物の製造装置は、無機粒子を含む第一の液体材料からなる層を形成する層形成手段と、前記第一の液体材料からなる層の所定領域を硬化させる硬化手段と、前記第一の液体材料を層形成領域に供給する際に前記第一の液体材料の粘度を低下させる手段、及び前記第一の液体材料を供給する前記層形成領域を加熱する手段、の少なくともいずれかの手段を有し、更に必要に応じて、層乾燥手段、除去手段、焼結手段、その他の手段を有する。
本発明では、粘度が高いスラリーをシート状に成形加工する場所に供給する工程において、熱エネルギー等を加えてスラリーを成形可能な粘度に調整することにより目視では表面に凹凸を認識できない1μm以上100μm以下の薄膜シート状を成形することができる。加熱されたスラリーにより形成された薄膜シートは、溶媒の揮発性が高まり、無機粒子が沈降する前に有機化合物と無機粒子とを含むシートを形成できる。また溶媒の乾燥時間を早くでき、生産性を向上することができる。グリーン体シートに有機化合物Aと反応性を示す材料を選択的に塗布して硬化することが好ましい。グリーン体シートが熱を保持することにより液との反応性を上げて、より強固なグリーン体を得ることもできる。
以上の工程により薄膜シートを複数積層して表面荒れの少ない、無機粒子の体積比率が50体積%以上のグリーン体を得ることができる。得られたグリーン体は焼結処理を行い、高硬度な無機粒子の相対密度が90%以上の複雑形状を持つ高硬度の立体造形物を得ることができる。
なお、前記グリーン体とは、造形後、焼結前の立体造形物を意味する。また、前記グリーン体シートとは、第一の液体材料からなる層を形成し、揮発性の溶媒を揮発させた後に硬化した層を意味する。
前記層形成工程は、無機粒子を含む第一の液体材料からなる層を形成する工程である。
前記層形成手段は、無機粒子を含む第一の液体材料からなる層を形成する手段である。
前記層形成工程は、前記層形成手段により好適に実施することができる。
前記層形成手段としては、前記第一の液体材料を層形成領域に供給する際に前記第一の液体材料の粘度を低下させる手段、及び前記第一の液体材料を供給する前記層形成領域を加熱する手段、の少なくともいずれかの手段を有する。
前記第一の液体材料の粘度を低下させる工程は、前記第一の液体材料の粘度を低下させる手段により好適に実施することができる。
前記第一の液体材料を供給する前記層形成領域を加熱する工程は、前記第一の液体材料を供給する前記層形成領域を加熱する手段により好適に実施することができる。
前記第一の液体材料の粘度を低下させる工程としては、熱エネルギーを付与する方法、溶媒などを添加して粘度を下げる方法などが挙げられる。
前記熱エネルギーを付与する方法としては、第一の液体材料を付与する付与手段(例えば、ノズル等)を加熱することにより行うことができる。
前記加熱の温度範囲は30℃以上100℃以下が好ましい。
前記溶媒などを添加する方法としては、第一の液体材料を付与する過程で、サブの容器を設けて揮発性の溶媒を混合し粘度を低下させることができる。
また、スラリーが乾燥工程を経て乾燥して安定になった状態での表面粗さ(Ra)としては、0.1μm以上10μm以下が好ましい。スラリーの状態が安定であると、積層時ごとのばらつきを小さくすることができる。
前記表面粗さ(Ra)の測定は、以下のようにして行うことができる。前記スラリー材料層は、第一の液体材料(スラリー)層を形成し、必要に応じて溶剤の除去などを施し、第二の液体材料を付与する前の状態にする。このときの第一の液体材料からなる層について、レーザー顕微鏡(装置名:VK−X250、株式会社キーエンス製)を用いて層表面の5箇所を任意に選択して測定する。20倍の対物レンズを用い、得られた測定値から平均値を求め、表面粗さ(Ra)とする。
前記第一の液体材料は、無機粒子を含み、溶媒、及び有機化合物Aを含むことが好ましく、更に必要に応じて、モノマー、重合開始剤、光増感剤、及びその他の成分を含む。
前記無機粒子は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高硬度の性質を有するものを選択することにより、高硬度な立体造形物を造形することができる。
前記無機粒子としては、例えば、金属粒子、セラミックス粒子などが挙げられる。
前記金属粒子としては、例えば、炭化タングステン・カーバイド、超硬合金(WC−Co、炭化タングステン・カーバイドとコバルトとの合金、炭化チタンや炭化タンタルを添加する場合もある)、炭素鋼、クロム鋼、マンガン鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロム鋼、アルミニウムクロムモリブデン鋼、ステンレス鋼、インコネル、ハステロイ等の粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭化タングステン・カーバイドが好ましい。
前記セラミックス粒子として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ファインセラミックスと呼ばれる炭化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等の粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジルコニア粒子、窒化ケイ素粒子が好ましい。
前記有機化合物Aとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂などが挙げられる。前記水溶性樹脂における水溶性とは、室温(25℃)において、水に対して10質量%以上溶解することを意味する。
前記有機化合物Aは、熱可塑性を示す樹脂であることが好ましい。
前記溶媒としては、前記有機化合物Aを溶解することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、メタノール、エタノール、トルエン(沸点:110.6℃)等の極性溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリーン体シート又はグリーン体造形の生産性を向上する点から、沸点が低い有機溶剤が好ましく、沸点が80℃以下である有機溶剤がより好ましい。
前記沸点が80℃以下である有機溶剤としては、例えば、エタノール(沸点:78.37℃)、メタノール(沸点:64.7℃)、酢酸エチル(沸点:77.1℃)、アセトン(沸点:56℃)、塩化メチレン(沸点:39.6℃)などが挙げられる。
前記モノマーとしては、例えば、不飽和炭素−炭素結合を1つ以上有する化合物などが挙げられる。
前記不飽和炭素−炭素結合を1つ以上有する化合物としては、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、光(特に波長域220nm以上400nm以下の紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
前記蛍光増白剤(増感剤)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレンなどが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、可塑剤、焼結助剤などが挙げられる。前記第一の液体材料が、前記分散剤を含むと、前記無機粒子の分散性を改善し、静止時の沈降を抑制することができる点から好ましく、グリーン体シート又はグリーン体を造形する際に無機粒子が連続して存在しやすくなる。また、前記可塑剤を含むと、前記第一の液体材料からなるグリーン体シート又はグリーン体前駆体が乾燥した際に亀裂が入りにくくなる点から好ましい。前記焼結助剤を含むと、得られた積層造形物につき焼結処理を行う場合において、より低温での焼結が可能となる点から好ましい。
前記付与手段は、スラリー301を維持する容器部302、スラリー301を吐出するノズル303、スラリー材料301の供給量を一定に保つためのシャッター機構304を有する。前記ノズル303には、スラリー301を吐出するまでの間に薄層を形成することができる粘度に調整するための加熱機構305を有する。前記ノズル303から前記加熱機構305の加熱装置により成形に適した粘度に調整されたスラリー滴307を吐出することができる。加熱機構305は温度を任意に規定することが可能である。
前記断熱機構306の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グラスウール、ロックウール、ウレタンフォーム、フェノールフォームなどが挙げられる。
図3は、前記有機化合物Aが熱可塑性樹脂である場合のスラリー粘度とスラリー温度との関係の一例を示す模式図である。
熱可塑性樹脂を使った351はスラリーの粘度と温度との関係を示すグラフである。352はスラリー内に前記高比重の無機粒子を分散維持させるために必要な粘度を示す。353は表面凹凸が目視で観測できない薄膜シート状に成形できるスラリーの粘度を示す。無機粒子を分散させるには比較的高い粘度352の方が沈降しづらく分散安定性を維持しやすい。前記ノズル303と加熱機構305により前記スラリーは熱エネルギーを与えられ比較的低い粘度353となる。粘度353まで低下したときにスラリー層が形成される。
スラリーの粘度が下がることでスラリー層を形成するためのブレードとスラリーとの相互作用が低減し、表面は目視にて凹凸が確認できない程度にシート状に成形することができる。
前記付与手段は、スラリー308を維持する容器部309、スラリー308を一旦保管させるためのサブ容器310を有する。サブ容器310にはスラリー308の量を一定に保つためのシャッター機構311を有する。サブ容器310には溶媒を供給するための溶媒保管容器312と溶媒を供給するためのチューブ313がつながっている。314は供給された溶媒を表す。サブ容器310内においてスラリー308と溶媒314を混合させるための攪拌機構315を有する。サブ容器内310において、攪拌機構315でスラリー308と溶媒314を攪拌させて、スラリー308の粘度を成形に適した粘度に調整する。攪拌後のスラリー308は供給量を一定にするためのシャッター機構316で一定量がノズル317を通じて所定位置に付与される。その際にポンプ318でチューブ319を通じて空気圧を加えられることによりスラリー308を吐出する。
サブ容器310内で溶媒314と攪拌し成形に適した粘度に調整されたスラリー滴320を吐出することができる。
[測定条件]
使用ロータ コーン 1°34’×R24
予熱時間 1分間
測定時間 3分間
前記第一の液体材料を支持体や形成した層上に配置させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、第一の液体材料(スラリー)を薄層に配置させる方法としては、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、前記スラリーをブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、前記層の表面を押圧部材を用いて押圧して薄層に拡げる方法、公知の粉末積層造形装置を用いる方法などが好適に挙げられる。
前記支持体(液体材料層保持手段)としては、前記第一の液体材料を載置することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記第一の液体材料の載置面を有する台、特開2000−328106号公報の図1に記載の装置におけるベースプレート、などが挙げられる。前記支持体の表面、即ち、前記第一の液体材料を載置する載置面としては、例えば、平滑面であってもよいし、粗面であってもよく、また、平面であってもよいし、曲面であってもよい。
前記層乾燥工程は、前記層形成工程後、かつ前記硬化工程前において、得られた第一の液体材料からなる層(スラリー層)を乾燥させる工程であり、層乾燥手段により行われる。もちろん自然乾燥を行ってもよい。前記層乾燥工程において、前記スラリー層中に含まれる水分(溶媒)を揮発させることができる。なお、前記層乾燥工程としては、スラリー層から溶媒をすべて除去せず、半乾燥状態とすることが好ましい。前記層乾燥手段としては、例えば、公知の乾燥機などが挙げられる。
前記硬化工程は、無機粒子を含む第一の液体材料からなる層の所定領域を硬化させる工程である。
前記硬化手段は、前記第一の液体材料からなる層の所定領域を硬化させる手段である。
前記硬化工程は、前記硬化手段により好適に実施することができる。
また、前記硬化工程としては、前記第一の液体材料からなる層に、第二の液体材料を付与する工程と、前記第二の液体材料を付与した前記第一の液体材料からなる層に活性エネルギー線を照射する照射工程と、を含むことが好ましい。
前記電子線としては、前記立体造形用組成物中の粒子が溶融するエネルギーの電子線を照射するが、目的に応じて適宜選択することができる。
第一の液体材料及び/又は第二の液体材料がモノマー等を含む活性エネルギー線硬化型組成物である場合は、前記800nm以上の波長を有する赤外線の照射に加えて、前記モノマーの重合反応に必要な、例えば、紫外線やレーザなどの活性エネルギー線を、少なくともスラリー材料層の第二の液体材料の付与された所定の領域に照射する。また、前記紫外線照射は、第二の液体材料の滴下と交互に行うことや、スラリー積層毎に行うこと、又は複数のスラリー材料層に対して一度に行ってもよい。
紫外線照射工程及び紫外線照射手段としては、例えば、紫外線発光ダイオード(UV−LED)や紫外線レーザダイオード(UV−LD)などを用いることができる。
前記第二の液体材料は、有機化合物Bを含み、水性媒体を含むことが好ましく、更に必要に応じて、モノマー、重合開始剤、光増感剤、及びその他の成分を含む。
前記重合開始剤としては、前記第一の液体材料における重合開始剤と同様のものを用いることができる。
前記光増感剤としては、前記第一の液体材料における光増感剤と同様のものを用いることができる。
前記有機化合物Bとしては、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物であれば、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂などが挙げられる。
前記水溶性樹脂における水溶性とは、室温(25℃)において、水に対して10質量%以上溶解することを意味する。
前記塩基性官能基としては、例えば、アミノ基などが挙げられる。
前記アミノ基を有する有機化合物Bとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸性官能基との反応性の点から、カチオン密度が高いポリエチレンイミンが好ましい。
前記有機化合物Bの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の熱分析装置を選択することができ、例えば、DSC−200(セイコーインスツル株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記水性媒体としては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。なお、前記水性媒体は、前記水が前記アルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。
前記その他の成分としては、例えば、界面活性剤、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤などが挙げられる。
前記第二の液体材料は、各種の積層造形物、構造体の簡便かつ効率的な製造に好適に用いることができ、後述する本発明の立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置に特に好適に用いることができる。
前記除去工程は、前記層形成工程と前記硬化工程とを順次繰り返して形成した立体造形物を液体に浸漬して未硬化のスラリーを除去する工程である。
前記除去手段は、前記層形成工程と前記液体材料付与工程とを順次繰り返して形成した立体造形物を液体に浸漬して未硬化のスラリーを除去する手段である。
前記液体としては、例えば、水などが挙げられる。
前記焼結工程は、積層後の立体造形物を焼結する工程であり、焼結手段により行われる。前記焼結工程を行うことにより、前記硬化物を一体化された成形体(焼結体)とすることができる。前記焼結手段としては、例えば、公知の焼結炉などが挙げられる。
前記レーザー照射におけるレーザーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CO2レーザー、Nd−YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザーなどが挙げられる。前記レーザー照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、小型レーザーを用いる場合、前記粉末材料を溶融することができないため、併用する接着剤(例えば、ポリエステル系接着剤)を混在させて、レーザー照射により接着剤を溶融させて造形することが好ましい。その場合、CO2レーザーを用いることが好ましい。照射条件としては、例えば、レーザー出力15W、波長10.6μm、ビーム径0.4mm程度が好ましい。
前記電子線照射としては、前記第一の液体材料中の無機粒子が溶融するエネルギーの電子線を照射すること以外の制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。電子線を照射する際には、前記第一の液体材料は真空環境下で扱われる必要がある。前記電子線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、出力1,500W、ビーム径0.1mm、真空度1.0×10−5mbar程度が好ましい。
前記その他の工程としては、例えば、表面保護工程、塗装工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、表面保護手段、塗装手段などが挙げられる。
前記表面保護工程は、前記硬化工程、又は前記焼結工程において形成した立体造形物に保護層を形成する工程である。前記表面保護工程を行うことにより、前記立体造形物を、例えば、そのまま使用等することができる耐久性等を前記立体造形物の表面に与えることができる。
前記保護層としては、例えば、耐水性層、耐候性層、耐光性層、断熱性層、光沢層などが挙げられる。
前記表面保護手段としては、公知の表面保護処理装置、例えば、スプレー装置、コーティング装置などが挙げられる。
前記塗装工程は、前記立体造形物に塗装を行う工程である。この塗装工程を行うことにより、前記立体造形物に所望の色に着色させることができる。前記塗装手段としては、公知の塗装装置、例えば、スプレー、ローラ、刷毛等による塗装装置などが挙げられる。
201は立体造形開始のトリガである。202はスラリー中の粒子を分散させるために前記容器内を攪拌させる工程である。203において、スラリーの撹拌を開始して、規定の時間撹拌したことを判断する。規定撹拌時間が経過していない場合は、202に戻る。204では規定時間の撹拌が終了後、前記スラリーを成形するブレードをステージから所望の位置に移動する。ステージとブレードとの距離、平面での位置などはあらかじめ設定された位置に移動する。205はスラリー供給路の加熱の開始を表す。206において、スラリーの供給路が規定温度に到達したことを確認して207でスラリーを供給する。規定温度に到達していない場合は、205に戻る。スラリーの供給を開始した後、208においてスラリーの供給時間を判断する。規定時間が経過していない場合は、207に戻る。規定時間供給終了後209、前記ブレードを用いて、吐出されたスラリーのコートを開始210する。211においてブレードが規定の位置まで移動しコートを終了した後、前記スラリーと反応する有機化合物Bをスライスされた層状のデータを元に立体造形物を得たい部分に吐出できるように移動212する。移動後、有機化合物Bを吐出213し、スラリーを硬化させる。その後、残りの積層データを確認し、残データが存在する場合214は、前記204の工程から213までを繰り返す。残りの積層データがない場合は立体造形を終了215する。
102は前記第一の液体材料(スラリー)を格納する容器である。スラリーは揮発性の溶媒を含むため、スラリーの粒子濃度、有機化合物濃度が変化しないように密閉されている。
103は格納容器内にあるスラリーである。104は容器内にあるスラリーの保管時の分散安定性を維持するための分散装置である。必要に応じて、スラリーを物理的に撹拌し、スラリー中の無機粒子を分散させることが好ましい。105はスラリーを要求に応じて押し出す圧力供給機構である。106はスラリーを成形部にまで搬送するノズルである。107は容器内から吐出されたスラリーである。108は吐出されてステージ101に着弾したスラリーを平滑にするための移動するブレードである。109は前記成形用ブレードの移動方向を示す。立体造形の要求に応じて、必要があれば撹拌機構104を一定時間回転し、スラリー103中の無機粒子を分散させる。その後、圧力機構105で容器内に圧をかけてノズル106を通じてステージ101上に供給する。
111は前記成形用ブレードであり、ステージ上に吐出されたスラリーを薄膜層状に成形する。112は成形されたスラリー層を表す。薄膜シートの平均厚みは、1μm以上100μm以下が積層方向の精度面から好ましい。113は成形されたスラリーから前記溶媒が揮発している様子を模式的に示す。シート成形時の温度及び湿度が影響するため、シート成形部の環境は一定に制御されていることが好ましい。
121は、前記第二の液体材料を吐出する機構である。機構121としては、画像の印刷に使われるインクジェットヘッドなどを好適に用いることができる。122は、粒子化された前記第二の液体材料である。123は前記スラリー中の有機化合物Aと前記第二の液体材料が反応し、硬化した様子を模式的に示す。成形後には、支持体を下に下げることにより、ブレードと成形したシートとの間隔を広げて、シート層の上に同じ平均厚みにて第一の液体材料からなる層を積層することができる。
前記立体造形物は、本発明の立体造形物の製造方法により製造される立体造形物における焼結体の相対密度が、90%以上であることが好ましく、95%以上が好ましい。
前記焼結体の相対密度は、アルキメデス法を用いて、見かけ密度の測定を行い、試料の重量を測定する。次に、試料を細い針金を用いて縛り、天秤の釣鐘具のフックにかけて質量を測った後、試料全体を高純水につけて質量を測って見かけ密度を求める。見かけ密度をそれぞれの粒子の真密度で割り、相対密度を算出することができる。
前記真密度は、無機粒子の粉末を液体置換法により測定することができる。
第一の液体材料(スラリー)中における前記無機粒子の体積平均粒径は、装置名:LA−920(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。LA−920の測定の際にLA−920専用アプリケーション(Ver.3.32)(株式会社堀場製作所製)を用いて解析を行った。具体的にはクロロホルムで光軸調整した後、バックグラウンドを測定した。その後、循環を開始し前記第一の液体材料(スラリー)を滴下した。透過率が安定したことを確認した後に超音波を下記条件で照射した。照射した後に透過率の値が70%以上95%以下の範囲となる条件で体積平均粒径を測定した。体積平均粒径の測定再現性の点から、前記LA−920の透過率の値が70%以上95%以下となる条件で測定した。また、超音波照射後に透過率が前記値から外れた場合は再度測定を行った。前記透過率の値を得るために前記第一の液体材料(スラリー)の滴下量を調節した。なお、測定及び解析条件は、以下のように設定した。
−測定及び解析条件−
・データ取り込み回数:15回
・相対屈折率:1.20
・循環:5
・超音波強度:7
前記スラリー粘度は、RE500型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、下記測定条件により測定した。恒温水槽の温度設定を行い、温度が一定になったら測定を開始した。カップの中にスラリーを適量マイクロピペットにて量りとり、カップの中に入れて広げた。予熱終了後、コーンが回転するため測定範囲の回転数であることに注意して測定した。
−測定条件−
・使用ロータ コーン 1°34’×R24
・予熱時間 1分間
・測定時間 3分間
<第一の液体材料(スラリー)1の調製>
無機粒子(ジルコニア粒子、商品名:TZ−3Y−E、東ソー株式会社製、比重:6、体積平均粒径:200nm以上300nm以下)30.0質量%、重量平均分子量(Mw)が800,000であるポリアクリル酸(PAA、株式会社日本触媒製、AS−58)5.0質量%、可塑剤としてのフタル酸ベンジルブチル10.0質量%、セラミックス分散剤(マリアリム、日油株式会社製、AKM−0531)1.5質量%、及びエタノール60.0質量%を混合し、直径3mmのジルコニアビーズにて3時間ビーズミル分散することで第一の液体材料(スラリー)1を調製した。
<第一の液体材料(スラリー)2〜12の調製>
第一の液体材料(スラリー)の調製例1において、組成を下記表1及び表2のように変更した以外は、第一の液体材料(スラリー)の調製例1と同様にして、第一の液体材料(スラリー)2〜12を調製した。
・ジルコニア粒子:東ソー株式会社製、商品名TZ−3Y−E、比重:6、体積平均粒径:200nm〜300nm
・ジルコニア微小ビーズ:東ソー株式会社製、商品名TZ−B 30、比重:6、体積平均粒径:20μm〜38μm
・微粒タングステン・カーバイド粉粒子:日本新金属株式会社製、WC粒子、商品名:WC−F(C)、比重:14、体積平均粒径:450nm〜750nm
・窒化ケイ素粒子:デンカ株式会社製、商品名:SN−9、比重:3、体積平均粒径:4μm
<第二の液体材料1の調製>
水87.5質量%、重量平均分子量(Mw)が1,800であるポリエチレンイミン(PEI、商品名:SP−200、株式会社日本触媒製)12.0質量%、及び界面活性剤としてTween20(東京化成工業株式会社製)0.5質量%を、ホモミキサーを用いて30分間分散させて、第二の液体材料を調製した。
<第二の液体材料2の調製>
第二の液体材料の調製例1において、組成を下記表3のように変更した以外は、第二の液体材料の調製例1と同様にして、第二の液体材料2を調製した。
第一の液体材料(スラリー)1及び第二の液体材料1を用いて、サイズ(長さ70mm×幅12mm)の断面データにより、以下(1)〜(3)のようにして、グリーン体の立体造形物1を作製した。
立体造形物の作製における(1)において、25℃環境にて、得られた第一の液体材料からなる層の表面を手で触ってスラリーが付着しない程度に乾燥するためにかかる時間を測定し、下記評価基準に基づいて、「生産性」を評価した。
[評価基準]
○:6分間未満
△:6分間以上12分間未満
×:12分間以上
(3)前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、硬化した前記スラリー1からなる薄層を順次積層してグリーン体の立体造形物を得た。常温放置にて乾燥し、溶媒を揮発させた後、グリーン体の立体造形物を水中に浸漬することにより、硬化していないスラリー成分を除去した。型崩れを生ずることなく取り出すことができた。
実施例1において、下記表4に示す第一の液体材料(スラリー)及び第二の液体材料を使用した以外は、実施例1と同様にして、グリーン体の立体造形物2〜9を得た。
実施例1において、下記表4に示す第一の液体材料(スラリー)及び第二の液体材料を使用し、供給時にノズルを加熱しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、グリーン体の立体造形物10〜11を得た。比較例3及び比較例4については、立体造形物を造形できなかった。
また、得られたグリーン体の立体造形物1〜11について、以下のようにして、「グリーン体中の無機粒子の体積比率」、「グリーン体の硬度」、及び「除去性」を評価した。結果を下記表4に示す。
試料台に紙テープを用いてグリーン体を固定した。断面試料作製装置(装置名:SM−09010 Cross−section Polisher、日本電子株式会社製)を用いて、以下の条件により断面の仕上げを行った。
・加速電圧:5.0kV
・加工距離:50μm
・イオン電流:130μA
・加工時間:8hr
・使用ガス:Ar
導電処理としてオスミウム(Os)をコートした。
得られた試料について、FIB−SEMクロスビーム装置(装置名:NVision40、Carl Zeiss(セイコーインスツル(SII)株式会社製)を用いて、下記の観測条件により試料の断面の観察を行った。
・加速電圧:2.5kV
・導電処理:Os
・Aperture:30μm
・W.D:3.0mm
・EsB Grid:1,500V
・倍率:1,000〜20,000
・検出器:EsB
・試料傾斜:0゜
得られたモノクロ画像を画像加工ソフト(Adobe Photoshop CS3 、アドビシステムズ株式会社製)にて2値化処理して画素をカウントすることにより、グリーン体の無機粒子の体積比率を算出し、下記評価基準にて評価した。
[評価基準]
◎:55体積%以上
○:50体積%以上55体積%未満
△:45体積%以上50体積%未満
×:45体積%未満
グリーン体の立体造形物を水中に浸漬することにより、硬化していないスラリー成分を除去し、マイクロゴム硬度計(装置名:MD−1 capa、高分子計器株式会社製)を用いて、グリーン体の硬度を測定し、下記評価基準に基づいて、「グリーン体の硬度」を評価した。
高純水に5分間立体造形物を浸漬し、グリーン体の硬度を測定した。試料を台の上のせる。圧子を試料から15mm程度の位置まで近づけて測定を開始した。
[評価基準]
○:60度以上
△:30度以上60度未満
×:30度未満
高純粋水に立体造形物を5分間浸漬し、除去を開始して所望の形状を分離するのにかかった時間を測定し、下記評価基準に基づいて、「除去性」を評価した。
[評価基準]
○:10分間以内である
△:10分間超30分間以下である
×:30分間超である
(4)無機粒子としてジルコニア粒子を用いた実施例1〜4、比較例1における立体造形物は、空気環境下、1,500℃での焼結処理を行った。
無機粒子としてジルコニア微小ビーズを用いた比較例2における立体造形物は、空気環境下、1,500℃での焼結処理を行った。
無機粒子として微粒タングステン・カーバイド粉粒子を用いた実施例4〜6における立体造形物は、真空下で、1,400℃での焼結処理を行った。
無機粒子として窒化ケイ素粒子を用いた実施例7〜9における立体造形物は、窒素雰囲気下、1,800℃での焼結処理を行った。
これらの立体造形物の焼結体は完全に一体化された構造体であり、硬質の床に叩きつけても破損等が生じなかった。
アルキメデス法を用いて、見かけ密度の測定を行った。まず、試料の重量を測定した。次に試料を細い針金を用いて縛り、天秤の釣鐘具のフックにかけて質量を測った後、試料全体を高純水につけて質量を測って見かけ密度を求めた。見かけ密度をそれぞれの粒子の真密度で割り、相対密度を算出し、下記評価基準に基づいて、「焼結体の相対密度」を評価した。なお、前記真密度は、液体置換法により測定した。
[評価基準]
◎:95%以上100%以下
○:90%以上95%未満
△:85%以上90%未満
×:85%未満
セラミックス粒子(ジルコニア粒子、ジルコニア微小ビーズ、窒化ケイ素粒子)を用いた立体造形物の曲げ強度は、ISO−6871に基づいて、「焼結後の曲げ強度」を測定し、金属粒子(タングステン・カーバイド粉粒子)を用いた立体造形物はJIS−T6123に基づいて、焼結後の曲げ強度を測定し、下記評価基準に基づいて、「焼結体の強度」を評価した。なお、前記測定は、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いた。
[ジルコニア粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、800MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、400MPa以上800MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、400MPa未満
[ジルコニア微小ビーズを用いた場合の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、800MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、400MPa以上800MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、400MPa未満
[タングステン・カーバイド粉粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後の耐力が、2,000MPa以上
△:焼結後の耐力が、1,000MPa以上2,000MPa未満
×:焼結後の耐力が、1,000MPa未満
[窒化ケイ素粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、600MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、300MPa以上600MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、300MPa未満
得られた焼結体の立体造形物について、表面を目視により観察して、下記評価基準に基づいて、「表面粗さ」を評価した。
[評価基準]
○:目視にて分かる表面形状の変形が確認できない
△:目視にて若干の表面形状の変形が確認できる
×:目視にて表面形状の変形がすぐに確認できる
<第一の液体材料(スラリー)13〜17の調製>
第一の液体材料(スラリー)の調製例1において、組成を下記表5のように変更した以外は、第一の液体材料(スラリー)の調製例1と同様にして、第一の液体材料(スラリー)13〜17を調製した。
・ジルコニア粒子:東ソー株式会社製、商品名:TZ−3Y−E
・アルミナ粒子:西村陶業株式会社製、商品名:N−9000NS
・ポリアクリル酸:株式会社日本触媒製、商品名:AS−58
・変性ポリビニルアルコール:日本合成化学工業株式会社製、商品名:OKS−8125
・セラミックス分散剤:日油株式会社製、マリアリム、AKM−0531
<第二の液体材料3〜4の調製>
第二の液体材料の調製例1において、組成を下記表6のように変更した以外は、第二の液体材料の調製例1と同様にして、第二の液体材料3〜4を調製した。
・ポリアリルアミン(PAA):株式会社ニットーボーメディカル製、商品名:PAA−01、重量平均分子量(Mw):1,600
・ポリエチレンイミン(PEI):株式会社日本触媒製、商品名:SP−200、重量平均分子量(Mw):1,800
・Tween20:東京化成工業株式会社製
第一の液体材料(スラリー)13及び第二の液体材料3を用いて、サイズ(長さ70mm×幅12mm)の断面データにより、以下(1)〜(4)のようにして、グリーン体の立体造形物12を作製した。
(4)前記(1)〜(3)の操作を所定の3mmの層平均厚みになるまで繰返し、硬化した前記スラリー1からなる薄層を順次積層してグリーン体の立体造形物を得た。常温放置にて乾燥し、溶媒を揮発させた後、グリーン体の立体造形物を水中に浸漬することにより、硬化していないスラリー成分を除去した。型崩れを生ずることなく取り出すことができた。
実施例10において、下記表8に示す第一の液体材料(スラリー)及び第二の液体材料に変更し、かつ下記表7に示す層乾燥工程の条件に変更した以外は、実施例10と同様にして、グリーン体の立体造形物13〜33を得た。
(5)無機粒子としてジルコニア粒子を用いた実施例10〜20、実施例22〜26、及び比較例5〜9における立体造形物は、空気環境下、1,500℃での焼結処理を行った。
無機粒子としてアルミナ粒子を用いた実施例21における立体造形物は、空気環境下、1,600℃での焼結処理を行った。
これらの立体造形物の焼結体は完全に一体化された構造体であり、硬質の床に叩きつけても破損等が生じなかった。
なお、前記焼結体の強度の評価におけるアルミナ粒子を用いた場合の評価基準を以下に示す。
[アルミナ粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、600MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、500MPa以上600MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、500MPa未満
[評価基準]
○:空隙率が、0.5%以下
△:空隙率が、0.5%以上1.0%未満
×:空隙率が、1.0%以上
[評価基準]
○:2つとも「○」の場合
△:1つだけ「○」の場合
×:1つも「○」が無い場合
<1> 無機粒子を含む第一の液体材料からなる層の所定領域を硬化させる硬化工程を繰り返して積層することにより立体造形を行う立体造形物の製造方法であって、
前記第一の液体材料を層形成領域に供給する際に前記第一の液体材料の粘度を低下させる工程、及び前記第一の液体材料を供給する前記層形成領域を加熱する工程、の少なくともいずれかの工程を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<2> 前記第一の液体材料の粘度を低下させる工程が、熱エネルギーを付与する工程である前記<1>に記載の立体造形物の製造方法である。
<3> 前記第一の液体材料を前記層形成領域に供給した後、前記硬化工程前に、層乾燥工程をさらに含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<4> 前記層乾燥工程が、第一の加熱工程と、前記第一の加熱工程よりも高い温度の熱源を用いて加熱を行う第二の加熱工程と、を含む前記<3>に記載の立体造形物の製造方法である。
<5> 前記層乾燥工程前に、前記層形成領域に供給した前記第一の液体材料を、層厚が50μm以下となるように層を形成する工程を含む前記<3>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<6> 前記第一の液体材料における前記無機粒子の体積平均粒径が、5μm未満である前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<7> 前記第一の液体材料の25℃における粘度が、50mPa・s以上である前記<1>から<6>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<8> 前記第一の液体材料における前記無機粒子の体積比率が、5体積%以上である前記<1>から<7>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<9> 前記第一の液体材料が有機化合物Aをさらに含み、
前記硬化工程が、前記第一の液体材料からなる層に、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物Bを含む第二の液体材料を付与する工程である前記<1>から<8>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<10> 前記硬化工程が、前記第一の液体材料からなる層に、第二の液体材料を付与する工程と、
前記第二の液体材料を付与した前記第一の液体材料からなる層に活性エネルギー線を照射する照射工程と、を含み、
前記第一の液体材料、及び前記第二の液体材料の少なくともいずれかが、モノマーを含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<11> 前記有機化合物Aが、酸性官能基を有し、
前記有機化合物Bが、塩基性官能基を有する前記<9>に記載の立体造形物の製造方法である。
<12> 前記第一の液体材料が、さらに、沸点が80℃以下の溶媒を含む前記<1>から<11>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<13> さらに、積層後の立体造形物を焼結する焼結工程を含み、
前記焼結により得られる焼結体の相対密度が、90%以上である前記<1>から<12>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<14> 第一の液体材料供給手段を用いて第一の液体材料を液体材料層保持手段上に供給する供給工程と、
前記液体材料層保持手段上に前記第一の液体材料からなる層を形成する層形成工程と、
前記第一の液体材料からなる層の所定領域を硬化させる硬化工程と、を繰り返して積層することにより立体造形を行う立体造形物の製造方法であって、
前記供給工程、及び前記層形成工程の少なくともいずれかにおいて、前記第一の液体材料供給手段、及び前記液体材料層保持手段の少なくともいずれかが加熱されていることを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<15> 前記層形成工程後、かつ前記硬化工程前に、層乾燥工程をさらに含み、
前記層乾燥工程が、第一の加熱工程と、前記第一の加熱工程よりも高い温度の熱源を用いて加熱を行う第二の加熱工程と、を含む前記<14>に記載の立体造形物の製造方法である。
<16> 前記<1>から<15>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法により製造される立体造形物における焼結体の相対密度が、90%以上であることを特徴とする立体造形物である。
<17> 無機粒子を含む第一の液体材料からなる層を形成する層形成手段と、
前記第一の液体材料からなる層の所定領域を硬化させる硬化手段と、
前記第一の液体材料を層形成領域に供給する際に前記第一の液体材料の粘度を低下させる手段、及び前記第一の液体材料を供給する前記層形成領域を加熱する手段、の少なくともいずれかの手段を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<18> 層乾燥手段をさらに有する前記<17>に記載の立体造形物の製造装置である。
<19> 除去手段をさらに有する前記<17>から<18>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<20> 焼結手段をさらに有する前記<17>から<19>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<21> 前記第一の液体材料における前記無機粒子の体積平均粒径が、5μm未満である前記<17>から<20>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<22> 前記第一の液体材料の25℃における粘度が、50mPa・s以上である前記<17>から<21>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
112 第二の液体材料
Claims (17)
- 無機粒子を含む第一の液体材料からなる層の所定領域を硬化させる硬化工程を繰り返して積層することにより立体造形を行う立体造形物の製造方法であって、
前記第一の液体材料を、前記第一の液体材料を貯留する容器から、前記第一の液体材料を保管する前記容器とは異なる領域に、供給する工程と、
前記第一の液体材料を前記領域から層形成領域に供給する際に、前記領域において前記第一の液体材料の粘度を低下させる工程と、を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。 - 前記第一の液体材料の粘度を低下させる工程が、熱エネルギーを付与する工程である請求項1に記載の立体造形物の製造方法。
- 前記第一の液体材料を前記層形成領域に供給した後、前記硬化工程前に、層乾燥工程をさらに含む請求項1から2のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 前記層乾燥工程が、第一の加熱工程と、前記第一の加熱工程よりも高い温度の熱源を用いて加熱を行う第二の加熱工程と、を含む請求項3に記載の立体造形物の製造方法。
- 前記層乾燥工程前に、前記層形成領域に供給した前記第一の液体材料を、層厚が50μm以下となるように層を形成する工程を含む請求項3から4のいずれかに記載に立体造形物の製造方法。
- 前記第一の液体材料における前記無機粒子の体積平均粒径が、5μm未満である請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 前記第一の液体材料の25℃における粘度が、50mPa・s以上である請求項1から6のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 前記第一の液体材料における前記無機粒子の体積比率が、5体積%以上である請求項1から7のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 前記第一の液体材料が有機化合物Aをさらに含み、
前記硬化工程が、前記第一の液体材料からなる層に、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物Bを含む第二の液体材料を付与する工程である請求項1から8のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。 - 前記硬化工程が、前記第一の液体材料からなる層に、第二の液体材料を付与する工程と、
前記第二の液体材料を付与した前記第一の液体材料からなる層に活性エネルギー線を照射する照射工程と、を含み、
前記第一の液体材料、及び前記第二の液体材料の少なくともいずれかが、モノマーを含む請求項1から8のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。 - 前記有機化合物Aが、酸性官能基を有し、
前記有機化合物Bが、塩基性官能基を有する請求項9に記載の立体造形物の製造方法。 - 前記第一の液体材料が、沸点が80℃以下の溶媒をさらに含む請求項1から11のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 積層後の立体造形物を焼結する焼結工程をさらに含み、
前記焼結により得られる焼結体の相対密度が、90%以上である請求項1から12のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。 - 前記領域が、前記第一の液体材料を吐出する第一の液体材料供給手段、及び前記容器とは異なる他の容器の少なくともいずれかである、請求項1から13のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 第一の液体材料供給手段を用いて第一の液体材料を液体材料層保持手段上に供給する供給工程と、
前記液体材料層保持手段上に前記第一の液体材料からなる層を形成する層形成工程と、
前記第一の液体材料からなる層の所定領域を硬化させる硬化工程と、を繰り返して積層することにより立体造形を行う立体造形物の製造方法であって、
前記供給工程において、
前記第一の液体材料を、前記第一の液体材料を貯留する容器から、前記第一の液体材料を保管する前記容器とは異なる前記第一の液体材料供給手段に、供給し、前記第一の液体材料供給手段を加熱することを特徴とする立体造形物の製造方法。 - 前記層形成工程後、かつ前記硬化工程前に、層乾燥工程をさらに含み、
前記層乾燥工程が、第一の加熱工程と、前記第一の加熱工程よりも高い温度の熱源を用いて加熱を行う第二の加熱工程と、を含む請求項15に記載の立体造形物の製造方法。 - 無機粒子を含む第一の液体材料からなる層を形成する層形成手段と、
前記第一の液体材料からなる層の所定領域を硬化させる硬化手段と、
前記第一の液体材料を、前記第一の液体材料を貯留する容器から、前記第一の液体材料を保管する前記容器とは異なる領域に、供給する手段と、
前記第一の液体材料を層形成領域に供給する際に、前記領域において前記第一の液体材料の粘度を低下させる手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。
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