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JP6923398B2 - クッションおよび車椅子 - Google Patents

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JP6923398B2
JP6923398B2 JP2017171918A JP2017171918A JP6923398B2 JP 6923398 B2 JP6923398 B2 JP 6923398B2 JP 2017171918 A JP2017171918 A JP 2017171918A JP 2017171918 A JP2017171918 A JP 2017171918A JP 6923398 B2 JP6923398 B2 JP 6923398B2
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Description

この発明は、腰を掛ける部位に用いられるクッションに関するものである。
一般的な折りたたみ式の車椅子は、ビニルレザーやナイロンシート等のスリングシートと呼ばれる薄いシートで座部が形成されることが多い。このため、スリングシートからなる座部に直接に座ると、その重みによってスリングシートが下方へ撓んで、臀部が沈み込んでしまうため、骨盤が後方や左右に傾斜したり、旋回したりして、安定した座位の姿勢を保つのが難しいという問題がある。また、スリングシートから成る背もたれにおいても、臀部を後方側からしっかりと支える機能がないために、骨盤を安定させる効果は得られない。このため、座シートも背シートもスリングシートの車いすに座ると、誰でもこのような問題が発生し、とりわけ座る機能が低下している高齢者や車いす利用者にとっては深刻な問題である。
そこで、座ったときに姿勢を安定させるために、例えば、特許文献1に開示の車椅子用クッションが提案されている。特許文献1の車椅子用クッションは、着座時に臀部が載る部分を凹ませると共に、着座時に大腿部が載る部分を凹ませることで、臀部および大腿部を保持して、着座時の安定性向上を図っている。
特開2015−181912号公報
特許文献1の車椅子用クッションは、臀部を支持する部分が凹んでいるので、使用者が座った状態から立つ際に、臀部を上方に持ち上げて凹みから抜け出る必要がある。このため、使用者が座った状態から立つ際に、自身を上方に持ち上げる力が大きく必要となり、立ち上がり難くなる弊害が指摘される。車椅子を利用する使用者は、筋力が落ちていることもあり、自ら立ち上がろうとすることを諦めて、ますます筋力が低下する悪循環に陥ることで、使用者の自立という側面から重大な問題になっている。
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、着座状態から立ち易くすることができるクッションを提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明のクッションは、
着座した人の臀部を支持するベースサポートと、
着座した人の大腿部を支持するフロントサポートと、を備え、
前記フロントサポートは、
前記ベースサポートの前側に連なるように設けられ、該ベースサポートから前側へ向かうにつれて高くなるように傾斜する後方支持部と、
前記後方支持部の前側に連なるように設けられ、該フロントサポートの頂部から前側に向かうにつれて低くなるように傾斜する前方支持部と、を有していることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、フロントサポートで使用者の荷重変化を誘導して、使用者が着座した状態から立ち上がり易くすることができる。
請求項2に係る発明では、前記前方支持部は、前記後方支持部よりも傾斜が緩く形成されていることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、フロントサポートにおいて傾斜が比較的緩い前方支持部によって、足底へのスムーズな荷重移動を可能とすることで、使用者の立ち上がりを安定してサポートできる。
請求項3に係る発明では、前記後方支持部は、前記ベースサポート側の傾斜よりも前記フロントサポートの頂部側の傾斜が緩く形成されていることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、フロントサポートの頂部付近に形成された後方支持部の比較的緩い傾斜によって、使用者の立ち上がりを好適にサポートできる。
請求項4に係る発明では、前記ベースサポートの側方および後方を囲んで、該ベースサポートから立ち上がるように形成されたサイドサポートを有し、
前記サイドサポートは、前記後方支持部の横側まで延在するように形成されていることを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、後方支持部の側方まで延びるサイドサポートによって、大腿部の根元部分を横から支持することができる。また、着座した使用者を周りから支持して、着座した状態における姿勢の安定性を向上することができる。
請求項5に係る発明では、前記フロントサポートは、該フロントサポートの上面をなす上層部と、該上層部の下側に配置され、該上層部よりも硬く構成された下層部とを備え、
前記下層部は、前記フロントサポートの頂部に対応する位置に少なくとも配置されていることを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、比較的硬い下層部を設けることで、大腿部からフロントサポートにかかる荷重を適切に支持できる。
請求項6に係る発明では、前記フロントサポートの左右方向中央部に設けられた逃げ部を備え、
前記逃げ部は、前記ベースサポートの前側に連ねて、少なくとも前記フロントサポートの頂部または該頂部近傍までにかけて該フロントサポートの上面より凹むように形成されていることを要旨とする。
請求項6に係る発明によれば、逃げ部によって、着座した使用者の股間部への圧迫を回避できる。
本発明に係るクッションによれば、使用者が着座状態から立ち上がり易くすることができる。
本発明の好適な実施例に係るクッションを示す斜視図である。 実施例のクッションを、図1と別の角度から示す斜視図である。 実施例のクッションを示す正面図である。 実施例のクッションを示す背面図である。 実施例のクッションを示す平面図である。 実施例のクッションを示す底面図である。 実施例のクッションを示す右側面図である。 図5のA−A線で破断した端面図である。 図5のB−B線で破断した端面図である。 図5のC−C線で破断した端面図である。 実施例のクッションから立ち上がるときを示す説明図である。 実施例のクッションから立ち上がるときを示す説明図である。 別実施例のクッションを示す斜視図である。 別実施例のクッションを示す平面図である。 別実施例のクッションを示す底面図である。 別実施例のクッションを図5のA−A線に対応する部位で破断した端面図である。 別実施例のクッションを図5のC−C線に対応する部位で破断した端面図である。 別実施例のクッションの形状的な特徴部分を示す正面図である。 別実施例のクッションの形状的な特徴部分を示す背面図である。 別実施例のクッションの形状的な特徴部分を示す平面図である。 別実施例のクッションの形状的な特徴部分を示す底面図である。 別実施例のクッションの形状的な特徴部分を示す右側面図である。 別実施例のクッションの形状的な特徴部分を図5のA−A線に対応する部位で破断した端面図である。 別実施例のクッションの形状的な特徴部分を図5のB−B線に対応する部位で破断した端面図である。 別実施例のクッションの形状的な特徴部分を図5のC−C線に対応する部位で破断した端面図である。
次に、本発明に係るクッションにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、本発明に係るクッションは、車椅子の座部に載せて用いることに適しているが、これに限らず、通常の椅子やソファーなどの家具などに適用してもよく、介護、福祉、家具等の分野で好適に用いることができる。また、本発明に係るクッションは、既存の座部に載せて用いるだけでなく、座部自体を本発明に係るクッションで構成してもよい。
図1および図2に示すように、実施例に係るクッション10は、着座した使用者(人)の臀部を下から支持するベースサポート12と、着座した使用者の大腿部を支持するフロントサポート14とを備えている。また、クッション10は、ベースサポート12の周囲に立ち上がるサイドサポート16を備えている。クッション10は、ベースサポート12およびフロントサポート14が座面となり、サイドサポート16が使用者を後および/または横から支持する壁面となる。
前記クッション10は、布や樹脂シートなどの表皮材で、全体または底面等の所定面を除く外面を覆うように構成してもよい。図5に示すように、実施例のクッション10は、ベースサポート12におけるサイドサポート16との境界部に、上下に貫通する取付孔18を設け、取付孔18に紐等の取付具を通して表皮材を引っ張ることで、外面を被覆する表皮材を展張させ得るようになっている。なお、図6の符号20は、クッション10の底面を凹ませて形成した収容部であり、取付孔18を通した取付具を収容部20に収容して、取付具が邪魔にならないようにしてある。
図1および図5に示すように、ベースサポート12は、フロントサポート14およびサイドサポート16に囲われて、相対的にすり鉢状に形成されており、フロントサポート14と比べて低くなっている。ベースサポート12は、上面が前後方向および左右方向に亘って平坦に形成されており、実施例では上面が水平になっている(図8および図9参照)。
図1、図5および図8に示すように、フロントサポート14は、ベースサポート12の前側に、該ベースサポート12に連なるように設けられている。フロントサポート14は、該フロントサポート14で最も高い頂部26の後側に設けられた後方支持部22と、頂部26の前側に設けられた前方支持部24とを備えている。フロントサポート14は、ベースサポート12の前側に連なるように設けられ、該ベースサポート12から前側へ向かうにつれて高くなるように傾斜する後方支持部22を有している。また、フロントサポート14は、後方支持部22の前側に連なるように設けられ、該フロントサポート14の頂部26から前側に向かうにつれて低くなるように傾斜する前方支持部24を有している。このように、フロントサポート14の上面は、前後方向において、上方へ凸となるように変化する隆起形状で形成されている。また、フロントサポート14の上面は、左右方向において、同じ高さで基本的に形成されており、前後方向の同じ位置において左右方向に水平になっている(図10参照)。ここで、フロントサポート14の上面は、前後方向において、曲線、または曲線と直線との組み合わせで構成されており、角のないなだらかな面になっている(図8参照)。なお、フロントサポート14の頂部26とベースサポート12の上面との高低差は、3cm以上あることが好ましく、より好ましい前記高低差は、3cm〜10cmの範囲である。
図8に示すように、フロントサポート14は、前方支持部24の傾斜が後方支持部22の傾斜よりも緩くなるように形成されている。ここで、後方支持部22と前方支持部24との間で対比される傾斜は、それぞれの支持部22,24の主要部または主要部の接線を指し、他の部位との繋ぎ目や縁などの傾向が異なる部位を対比するものではない。具体的には、後方支持部22の主要部は、頂部26とベースサポート12の上面との間の高低差を第1高さHとした場合、第1高さHの1/2の位置にあたる後方支持部22の中央点を指す。後方支持部22の中央点における面の傾きまたは中央点に引いた接線と水平線とがなす仰角を、後方支持部22の主要部の角度(後方傾斜角度α)と規定する。また、前方支持部24の主要部は、頂部26と前方支持部24の前端との間の高低差を第2高さHとした場合、第2高さHの1/2の位置にあたる前方支持部24の中央点を指す。ここで、前方支持部24の前端とは、例えば、頂部26からなだらかに下方傾斜する前方支持部24において、上方に指向する面から前方に指向する面に切り替わる位置を便宜的に規定し、当該位置(上方に指向する面から前方に指向する面に切り替わる位置)が湾曲しているならば、当該位置に引いた接線が水平線に対して45°になる位置をいう。そして、前方支持部24の中央点における面の傾きまたは中央点に引いた接線と水平線とがなす仰角を、前方支持部24の主要部の角度(前方傾斜角度β)と規定する。
図8に示すように、後方支持部22は、その主要部の上面に沿う接線と水平面とがなす後方傾斜角度αを、45°以下になるように設定することが好ましく、前方支持部24の主要部上面に沿う接線と水平面がなす前方傾斜角度βが、後方傾斜角度αより小さく設定される。フロントサポート14は、上面全体の傾斜が一定であることに限定されず、前後方向において傾斜角度が変化してもよい。後方支持部22は、ベースサポート12から緩い傾斜で立ち上がった後に、主要部で急激に立ち上がり、頂部26に向けて緩い傾斜で連なるようになっている。前方支持部24は、頂部26に連なる主要部が、後方支持部22の主要部よりも緩く下降しており、頂部26近傍と比べて、該前方支持部24の前縁近傍の傾斜が徐々にきつくなっている。
図8に示すように、フロントサポート14は、その頂部26が、使用者の体格等や着座時に支持する大腿部の前後位置等に応じて、適宜位置に配置された隆起形状で形成されている。実施例では、頂部26がフロントサポート14の前後方向中央部に配置されており、頂部26が着座した使用者の大腿部を下側から受けて、大腿部の荷重を主に支持するようになっている。
図1および図5に示すように、サイドサポート16は、ベースサポート12の後方および側方に立ち上がるように形成されて、ベースサポート12を囲っている。サイドサポート16は、内面がベースサポート12から外方へ向かうにつれて外方へ傾斜するように形成されて、ベースサポート12に連なる基部と比べて上部開口が広くなっている(図8および図9参照)。また、サイドサポート16は、フロントサポート14の頂部26よりも高く形成されている。クッション10は、フロントサポート14の前方支持部24と、サイドサポート16の内面とにより、着座する使用者の臀部位置を、上方から下方へ向かうにつれてベースサポート12に案内するように形成されている。
図1および図5に示すように、サイドサポート16は、ベースサポート12の後方に立ち上がる後壁部16aと、ベースサポート12の左右の側方にそれぞれ立ち上がる側壁部16b,16bとを有している。後壁部16aは、内面が円弧状になるように左右方向へ延在している。側壁部16bは、ベースサポート12の側方から後方支持部22の側方までに亘って配置され、着座した使用者の臀部の横側だけでなく、大腿部の根元部分横側にも延在するように設定されている。また、側壁部16bは、後壁部16aに連なる後部から前方へ向かうにつれて低くなるように形成されて、フロントサポート14の頂部26または頂部26近傍まで亘って設けられている。実施例では、前方支持部24の側方に側壁部16bが設けられず、クッション10の前側部分における左右方向全体が前方支持部24の上面で構成されている。
図1、図2および図5に示すように、クッション10は、フロントサポート14の左右方向中央部に設けられた逃げ部28を備えている。逃げ部28は、ベースサポート12の前側に連ねて、少なくともフロントサポート14の頂部26または頂部26近傍までかけてフロントサポート14の上面より凹むように形成されている(図9参照)。逃げ部28は、着座した使用者の股間部に対応するように形成されて、上面がベースサポート12の上面から後方支持部22よりも緩い傾斜で立ち上がった後に、頂部26側で急激に立ち上がることで、後方支持部22よりも大きく凹むように形成されている。
前記クッション10は、弾性を有する発泡体から構成されている。前記発泡体としては、例えば、柔らかくて復元性を有する軟質発泡体や、硬くて復元性が無い硬質発泡体と前記軟質発泡体との中間的な性状で、ある程度の復元性を有する半硬質発泡体などを用いることができ、弾性を有していれば、硬質の発泡体も使用可能である。発泡体としては、ウレタン系やオレフィン系などの発泡体を用いることができ、これらの中でも軟質のポリウレタンフォームが好適である。また、発泡体は、連続気泡型のポリウレタンフォームを採用することで、通気性がよくなる等のメリットがあるが、独立気泡型でもよく、独立気泡と連続気泡とが混在するものであってもよい。クッションは、モールド成形により形成しても、スラブ発泡により得られるブロック体を加工して形成することなどが可能であり、製造効率などの観点からモールド成形が好ましい。
図8および図10に示すように、クッション10は、硬さが異なる発泡体30,32を組み合わせて構成されている。クッション10は、着座する使用者に触れる部位が比較的柔らかい第1発泡体30で構成される一方で、第1発泡体30よりも硬い第2発泡体32が第1発泡体30の下側に配置されている。具体的には、フロントサポート14は、該フロントサポート14の上面をなす上層部が第1発泡体30で構成されると共に、上層部の下側に配置される下層部が第2発泡体32で構成されて、下層部が上層部よりも硬くなっている。下層部をなす第2発泡体32は、上面と比べて下面が大きく形成された略台形形状に形成され、フロントサポート14の底面に開口するように形成された凹部34に嵌め込まれている。ここで、下層部は、フロントサポート14の頂部26に対応する位置に少なくとも配置されており、実施例では、下層部が左右に離して2箇所に配置されて、着座時の使用者の大腿部の荷重をそれぞれ受けるようになっている。このように、実施例のクッション10は、ベースサポート12およびサイドサポート16が第1発泡体30の1層で構成されているのに対して、フロントサポート14の頂部26に対応する部位が第1発泡体30と第2発泡体32との上下2層で構成されている。
前記クッション10は、着座しようする使用者の臀部をサイドサポート16によってベースサポート12に向けて案内することができる。具体的には、大腿部がフロントサポート14に当たってフロントサポート14に支持されたもとで、後座骨結節がベースサポート12に載る。また、座骨がベースサポート12に載せる過程で、サイドサポート16によって後座骨結節の着座位置が誘導される。そして、ベースサポート12に臀部を載せると、サイドサポート16および後方支持部22によって骨盤を包み込むようにして、臀部を適切な位置に位置決めし得ると共に、当該適切な位置からずれないように移動規制することができる。ここで、クッション10は、弾力性を有する発泡体で構成しているので、使用者の体格に合わせて変形し、ある程度の体格差をカバーすることができる。
前記クッション10は、使用者の着座状態において、ベースサポート12とフロントサポート14とに体重を分散して支持することができる。また、クッション10は、ベースサポート12、フロントサポート14およびサイドサポート16によって、骨盤周囲の皮膚に広く接するので、使用者に与える負荷を軽減することができる。
図11および図12は、車椅子に実施例に係るクッション10を載せた際に、使用者の姿勢と大腿骨36の関係を模式的に示す説明図である。図11(a)に示すように、使用者が車椅子のフットレストに足を載せた状態では、大腿部が後方支持部22の頂部26近傍で支持されると共に、姿勢が後傾(体幹後傾位)して、座骨部がベースサポート12で主に支持される。この際に、脱力してもサイドサポート16により支持されて、姿勢を安定させることができる。また、座骨部と大腿部とでほぼ均等に体重を支持して、足底にはある程度の荷重しかかかっていない状態にある。
図11(b)に示すように、使用者がフットレストから足を降ろした状態でも、大腿部の支持部位が後方支持部22の頂部26側にずれるものの、通常の姿勢で座骨部がベースサポート12で主に支持される。この際に、脱力してもサイドサポート16により支持されて、姿勢を安定させることができる。また、大腿部への荷重が増えて、座骨部および足裏への荷重が減少し、前傾した上体の重みで骨盤が前傾し、座骨結節が後方へずれる。
図11(c)に示すように、使用者がフットレストから足を降ろした状態で身体を前傾すると、大腿部の支持部位がフロントサポート14の頂部26に移り、大腿部がベースサポート12より高いフロントサポート14に支持されることで、自然と臀部がベースサポート12から持ち上がる。臀部がベースサポート12から離れたことで、大腿部に荷重が集中し、前方支持部24の前下がり傾斜に誘導されて大腿部の支持部位が前方へ移動開始する。
図12(a)に示すように、図11(c)よりも体を前傾させると、頂部26から前方支持部24に大腿部の支持部位が移り、更に臀部(骨盤)が上昇することになる。大腿部の支持部位が、前方支持部24の前下がり傾斜に誘導されて前方へ移動していき、足裏への荷重が増え始める。
図12(b)に示すように、図12(a)よりも体を前傾させると、大腿部の支持部位が前方支持部24の前側へ移り、更に臀部(骨盤)が上昇すると共に足底への荷重が増すことになる。大腿部の支持部位が、前方支持部24の前下がり傾斜に誘導されて更に前方へ移動していき、足裏への荷重が更に増える。また、上体の重みで骨盤が更に前傾していく。
図12(c)に示すように、図12(b)よりも体を前傾させると、大腿部の支持部位が更に前方支持部24の前側へ移り、更に臀部(骨盤)が上昇すると共に足部への重心移動が完了することになる。足部へほとんど荷重が移動し、大腿部への荷重がわずかになる。このように、クッション10は、上体を前傾するにつれて座骨への荷重が「0」に近づくように小さくなり、臀部が自然に持ち上がる。これに対して、従来のクッションは、上体を前傾していっても座骨への荷重が、大腿部等の周辺の支持部位よりも小さくなることはなく、本開示に係るクッション10と大きく相違している。
前記クッション10によれば、立ち上がり動作において、体幹の前傾運動により股関節骨頭を中心に骨盤が前傾し、座骨結節がベースサポート12から離れ、荷重位置を大腿骨近位部に移動させることができる。また、体幹前傾運動により上体の重心が前方へ移動することに伴い、大腿部の支持部位も前方へ移動させることができる。そして、大腿部の支持部位の前方移動に伴って、足部への荷重を徐々に増加させて、大腿部をクッション10から離れるように誘導できる。このように、前記クッション10によれば、上体の移動(前傾または後傾)だけで、荷重を受ける支持面を変化させることができる。例えば、上体の後傾時にベースサポート12で荷重を主に受けて、姿勢を安定しつつ体圧分散することができ、上体の前傾時にフロントサポート14で荷重を主に受けて、立ち上がり動作をサポートすることができる。クッション10は、隆起したフロントサポート14に、着座した使用者の体圧が分散しているので、着座した姿勢において上体の前傾・後傾に伴う骨盤の前傾・後傾が容易である。
前記クッション10は、上体を前傾するだけでフロントサポート14により臀部の持ち上げを助け、フロントサポート14の傾斜によって自然な荷重移動を助けることで、筋力が低下した使用者であってもとても立ち上がり易い。しかも、上体を前傾しても、大腿部がフロントサポート14によって支持されているので、使用者に安心感を与えることができ、上体前傾時の使用者の恐怖心をなくして、使用者の積極的な立ち上がりを促すことができる。このように、クッション10によれば、使用者の自発的・自律的な立ち上がりに繋がり、自立した生活を形成することに寄与することができ、また介助者等の補助者の負担を軽減することができる。
ここで、前方支持部24は、比較的緩い傾斜になっているので、荷重移動をスムーズおよび緩やかにすることができ、立ち上がり動作を安定させることができる。後方支持部22は、該後方支持部22において頂部26に連なる部分よりもベースサポート12に近い中央点を比較的急な傾斜にすることで、着座時の安定性を増すことができる。そして、後方支持部22は、フロントサポート14の頂部26に連なる部分の傾斜が、該後方支持部22の中央点よりも緩く形成されているので、頂部26の乗り越える荷重移動を妨げることを抑えて、立ち上がり動作の負担をより少なくすることができる。
前記クッション10は、サイドサポート16の側壁部16bが後方支持部22の横側まで延びているので、着座した使用者の大腿部が外方へ開かないように位置規制することができる。このように、側壁部16bによって、足部に荷重が安定して移るように大腿部の姿勢を規定したもとで、立ち上がり動作を行わせることができるので、立ち上がり動作をより安定させることができる。しかも、側壁部16bは、前方支持部24まで延びていないので、着座した人の圧迫感を減らすことができると共に、ある程度の大腿部の動作を許容し得る。
前記フロントサポート14は、上層部を比較的柔らかく形成する一方で、下層部を比較的硬く形成しているので、柔らかい上層部により皮膚への負担を軽減しつつ、立ち上がりに際してかかる荷重を適切に受け止めることができる。具体的には、立ち上がり初期にフロントサポート14の頂部26に荷重がかかるが、下層部の存在により頂部26が大きく潰れることがなく、大腿部を支えることができる。これにより、上体の前傾に伴うフロントサポート14による荷重の移動を安定して誘導することができ、立ち上がり動作を適切にサポートできる。
前記フロントサポート14には、使用者の股間部に対応する位置を凹ませて逃げ部28が設けられているので、隆起形状のフロントサポート14であっても、股間部への圧迫をなくすことができる。逃げ部28は、フロントサポート14の頂部26までに亘って形成されているので、例えば使用者がおむつをしている場合であっても、逃げ部28におむつを受け入れて、使用者への圧迫を回避し得る。
実施例のクッション10によれば、フロントサポート14によって、臀部で支える体重が大腿部に分散して荷重されることにより、着座した状態での姿勢の安定性を向上することができる。また、大腿部に合わせた凹部を設けた従来のクッションのように、フロントサポート14が大腿部を完全に保持する構成ではないので、運動性を確保することができる。このように、クッション10は、着座した状態での安定性と運動性とを両立できると共に、立ち上がりを楽に行えるようにサポートできる。
前記クッション10は、フロントサポート14がベースサポート12よりも隆起しているので、使用者が座る途中に、大腿部がフロントサポート14で支持されることになり、これにより下肢への負担を軽減することができる。しかも、ベースサポート12に向けて傾斜する後方支持部22により、着座時に座骨を適正な位置へ誘導することができる。そして、着座時に、後方支持部22と後壁部16aと挟まれて支持されるので、所謂仙骨座りになることを防止できる。また、サイドサポート16および後方支持部22によって、着座した使用者の臀部を包み込むように支えるので、骨盤を安定させることができる。ベースサポート12で座骨を支え、フロントサポート14で大腿部を支え、更にサイドサポート16で臀部を支えるように、広い面で体重を支持するので、体圧を分散させることができる。このように、本開示のクッション10によれば、食事などの上体を前傾した座位での機能的活動時において、姿勢保持をサポートすることができる。
図13〜図17は、別実施例のクッション40を示している。別実施例のクッション40は、取付孔および収容部を有さず、単一の発泡体で構成されている点が、前記実施例と異なっている。なお、図13〜図17以外の別実施例の形状は、図2〜図4、図7、図9に示す実施例と同じである。
図18〜図25は、別実施例のクッション40の形状的な特徴部分であるフロントサポート14を判り易く実線で表し、その他の部分を破線で示したものである。図18〜図25では、実施例と同様にフロントサポート14を2層で構成している。なお、図13〜図17において、実施例の各部と対応する構成には同じ符号を付して説明を省略する。
前述した実施例および別実施例のクッション10,40は、右側面と左側面とが同じである。また、前述したクッション10,40は、左右方向中央を前後に通る仮想線を挟んで左右対称な形状になっているが、左右非対称であってもよい。また、図において、各面の表面に表した細線は、面の変化を判り易くするために示したものであって、模様を表すものではない。
前述した実施例に限らず、例えば以下のように変更してもよい。
(1)別体を形成した各部を接着等により組み合わせて、クッションを構成してもよい。
(2)硬質な板材など、全体の変形を防止する撓み防止材を組み合わせてもよい。このような撓み防止材を備えることで、車椅子等の座面が撓み易い場合に変形を抑えることができる。
(3)実施例では、フロントサポートを複層で構成したが、ベースサポートまたはサイドサポートを複層構造としてもよい。また、2層に限らず、3層以上であってもよい。
(4)フロントサポートは、頂部を前後方向に平坦な面で構成してもよい。
12 ベースサポート,14 フロントサポート,16 サイドサポート,
22 後方支持部,24 前方支持部,26 頂部,28 逃げ部

Claims (6)

  1. 着座した人の臀部を支持する水平面を有するベースサポートと、
    着座した人の大腿部を支持するフロントサポートと、を備え、
    前記フロントサポートは、
    前記ベースサポートの前側に連なるように設けられ、該ベースサポートから前側へ向かうにつれて高くなるように傾斜する後方支持部と、
    前記後方支持部の前側に連なるように設けられ、該フロントサポートの頂部から前側に向かうにつれて低くなるように傾斜する前方支持部と、を有し
    前記前方支持部は、前記後方支持部よりも傾斜が緩く形成されている
    ことを特徴とするクッション。
  2. 着座した人の臀部を支持するベースサポートと、
    着座した人の大腿部を支持するフロントサポートと、
    前記ベースサポートの側方および後方を囲んで、該ベースサポートから立ち上がるように形成されたサイドサポートと、を備え、
    前記フロントサポートは、
    前記ベースサポートの前側に連なるように設けられ、該ベースサポートから前側へ向かうにつれて高くなるように傾斜する後方支持部と、
    前記後方支持部の前側に連なるように設けられ、該フロントサポートの頂部から前側に向かうにつれて低くなるように傾斜する前方支持部と、を有し、
    前記前方支持部は、前記後方支持部よりも傾斜が緩く形成され
    前記サイドサポートは、前記後方支持部の横側まで延在するように形成されている
    ことを特徴とするクッション。
  3. 着座した人の臀部を支持するベースサポートと、
    着座した人の大腿部を支持するフロントサポートと、
    前記フロントサポートの左右方向中央部に設けられた逃げ部と、を備え、
    前記フロントサポートは、
    前記ベースサポートの前側に連なるように設けられ、該ベースサポートから前側へ向かうにつれて高くなるように傾斜する後方支持部と、
    前記後方支持部の前側に連なるように設けられ、該フロントサポートの頂部から前側に向かうにつれて低くなるように傾斜する前方支持部と、を有し、
    前記前方支持部は、前記後方支持部よりも傾斜が緩く形成され、
    前記逃げ部は、前記ベースサポートの前側に連ねて、少なくとも前記フロントサポートの頂部または該頂部近傍までにかけて該フロントサポートの上面より凹むように形成されている
    ことを特徴とするクッション。
  4. 前記後方支持部は、前記ベースサポート側の傾斜よりも前記フロントサポートの頂部側の傾斜が緩く形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のクッション。
  5. 前記フロントサポートは、該フロントサポートの上面をなす上層部と、該上層部の下側に配置され、該上層部よりも硬く構成された下層部とを備え、
    前記下層部は、前記フロントサポートの頂部に対応する位置に少なくとも配置されている請求項1〜4の何れか一項に記載のクッション。
  6. クッションを備える車椅子であって、
    前記クッションは、
    着座した人の臀部を支持するベースサポートと、
    着座した人の大腿部を支持するフロントサポートと、を備え、
    前記フロントサポートは、
    前記ベースサポートの前側に連なるように設けられ、該ベースサポートから前側へ向かうにつれて高くなるように傾斜する後方支持部と、
    前記後方支持部の前側に連なるように設けられ、該フロントサポートの頂部から前側に向かうにつれて低くなるように傾斜する前方支持部と、を有し、
    前記前方支持部は、前記後方支持部よりも傾斜が緩く形成されている
    ことを特徴とする車椅子。
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