JP6921046B2 - 焼結軸受の製造方法 - Google Patents
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Description
この原料粉末生成工程P1では、後述する複数種の粉末を混合することにより、焼結軸受4の作製用材料である原料粉末10[図5(a)参照]を均一化する。本実施形態で使用する原料粉末10は、部分拡散合金粉を主原料とし、これに低融点金属粉および固体潤滑剤粉を配合した混合粉末である。この原料粉末10には、必要に応じて各種成形潤滑剤(例えば、離型性向上のための潤滑剤)を添加しても良い。以下、上記の各粉末について詳細に述べる。
図4に示すように、部分拡散合金粉11としては、鉄粉12の表面に銅粉13が部分拡散したFe−Cu部分拡散合金粉が使用され、本実施形態では、鉄粉12の表面に、鉄粉12よりも平均粒径が小さい多数の銅粉13を部分拡散させたFe−Cu部分拡散合金粉が使用される。この部分拡散合金粉の拡散部分はFe−Cu合金を形成しており、図4中の部分拡大図に示すように、合金部分は鉄原子12aと銅原子13aとが相互に結合し、配列した結晶構造を有する。部分拡散合金粉11としては、平均粒度145メッシュ以下(平均粒径106μm以下)の粒子のみが使用される。
低融点金属粉としては、融点が700℃以下の金属粉、例えば錫、亜鉛、リン等の粉末が使用される。本実施形態では、これらの中でも銅と鉄に拡散し易く(相性が良く)、また単粉で使用できる錫粉14(図6参照)、特にアトマイズ錫粉を使用する。錫粉(アトマイズ錫粉)14としては、平均粒径5〜63μmのものが好ましく使用され、平均粒径20〜45μmのものが一層好ましく使用される。錫粉14は、原料粉末10に対して0.5〜3.0質量%配合される。
固体潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデン等の粉末を一種又は二種以上使用することができる。本実施形態では、コストを考えて黒鉛粉、特に鱗片状黒鉛粉を使用する。黒鉛粉は、原料粉末10に対して0.3〜1.5質量%配合される。
この圧縮成形工程P2では、図5(a)(b)に示すような成形金型20を使用して原料粉末10を圧縮成形することにより、図1等に示す焼結軸受4に近似した形状(略完成品形状)をなしたリング状の圧粉体4’を得る。成形金型20は、主要な構成として、同軸配置されたコア21、上下パンチ22,23およびダイ24を有する。成形金型20は、例えばカム式成形プレス機のダイセットにセットされる。
焼結工程P3では、圧粉体4’に焼結処理を施すことで焼結体を得る。本実施形態における焼結条件は、黒鉛粉に含まれる炭素が鉄と反応しない(炭素の拡散が生じない)条件とする。鉄−炭素の平衡状態では723℃に変態点があり、これを超えると鉄と炭素の反応が開始されて鉄組織中にパーライト相(γFe)が形成されるが、焼結では900℃を超えてから炭素(黒鉛)と鉄の反応が始まり、パーライト相が形成される。パーライト相はHV300以上と高硬度であることから、これが焼結軸受4の鉄組織中に存在していれば軸受面4aの耐摩耗性を高め、高面圧下での軸受面4aの摩耗を抑制して軸受寿命を向上させることができる。
以上のようにして得られた焼結体4”は、サイジング工程P4においてサイジングが施される。これにより、焼結体4”が仕上がり形状・寸法に仕上げられる。なお、サイジングは必要に応じて施せば足り、必ずしも施す必要はない。すなわち、焼結工程P3で得られた焼結体4”の各部が所望の形状・寸法等に仕上がっていれば、サイジング工程P4を省略しても構わない。
各部が仕上がり形状・寸法に仕上げられた焼結体4”は、含油工程P5において、その内部気孔に真空含浸等の手法により、上述した潤滑油(あるいは液状グリース)が含浸させられる。これにより、図1に示す焼結軸受4が完成する。用途によってはこの含油工程P5を省略し、無給油下で使用する焼結軸受とすることもできる。
2 ハウジング
3 軸
4 焼結軸受
4’ 圧粉体
4” 焼結体
4a 軸受面
10 原料粉末
11 部分拡散合金粉
12 鉄粉
13 銅粉
14 錫粉(低融点金属粉)
16 青銅相
17 Fe−Cu−Sn合金
20 成形金型
αFe フェライト相
γFe パーライト相
M モータ部
P1 原料粉末生成工程
P2 圧縮成形工程
P3 焼結工程
W 錘
Claims (11)
- 支持すべき軸との間に軸受隙間を形成する軸受面を内周に有し、鉄を主成分とし、その次に銅を多く含む焼結体からなり、前記焼結体がさらに低融点の元素として錫を含有し、残部を固体潤滑剤および不可避的不純物とする焼結軸受の製造方法であって、
鉄粉の表面に、当該鉄粉よりも小粒径でかつ平均粒径が5μm以上20μm以下の複数の銅粉を部分拡散させてなり、銅の含有量が10〜30質量%の部分拡散合金粉を主原料とし、これに前記低融点の元素の粉末と、固体潤滑剤粉とを配合した原料粉末を圧縮成形して圧粉体を得る圧縮成形工程と、
圧粉体を銅の融点よりも低温の820℃以上900℃以下で焼結して焼結体を得る焼結工程と、を含み、
銅源として、前記部分拡散合金粉の銅粉のみを用いた
ことを特徴とする焼結軸受の製造方法。 - 炭素を含むガス雰囲気下で圧粉体を焼結する請求項1に記載の焼結軸受の製造方法。
- 支持すべき軸との間に軸受隙間を形成する軸受面を内周に有し、鉄を主成分とし、その次に銅を多く含む焼結体からなり、前記焼結体がさらに低融点の元素として錫を含有し、残部を固体潤滑剤および不可避的不純物とする焼結軸受の製造方法であって、
鉄粉の表面に、当該鉄粉よりも小粒径でかつ平均粒径が5μm以上20μm以下の複数の銅粉を部分拡散させてなり、銅の含有量が10〜30質量%の部分拡散合金粉を主原料とし、これに前記低融点の元素の粉末と、固体潤滑剤粉とを配合した原料粉末を圧縮成形して圧粉体を得る圧縮成形工程と、
炭素を含むガス雰囲気下で圧粉体を銅の融点よりも低温で焼結して焼結体を得る焼結工程と、を含み、
銅源として、前記部分拡散合金粉の銅粉のみを用いた
ことを特徴とする焼結軸受の製造方法。 - 支持すべき軸との間に軸受隙間を形成する軸受面を内周に有し、鉄を主成分とし、その次に銅を多く含む焼結体からなり、前記焼結体がさらに低融点の元素として錫を含有し、残部を固体潤滑剤および不可避的不純物とする焼結軸受の製造方法であって、
鉄粉の表面に、当該鉄粉よりも小粒径でかつ平均粒径が5μm以上20μm以下の複数の銅粉を部分拡散させてなり、銅の含有量が10〜30質量%の部分拡散合金粉を主原料とし、これに前記低融点の元素の粉末と、固体潤滑剤粉と、単体銅粉とを配合し、前記部分拡散合金粉の割合を50質量%以上とした原料粉末を圧縮成形して圧粉体を得る圧縮成形工程と、
圧粉体を銅の融点よりも低温の820℃以上900℃以下で焼結して焼結体を得る焼結工程と、を含み、
銅源として、前記部分拡散合金粉の銅粉と前記単体銅粉のみを用いた
ことを特徴とする焼結軸受の製造方法。 - 炭素を含むガス雰囲気下で圧粉体を焼結する請求項4に記載の焼結軸受の製造方法。
- 支持すべき軸との間に軸受隙間を形成する軸受面を内周に有し、鉄を主成分とし、その次に銅を多く含む焼結体からなり、前記焼結体がさらに低融点の元素として錫を含有し、残部を固体潤滑剤および不可避的不純物とする焼結軸受の製造方法であって、
鉄粉の表面に、当該鉄粉よりも小粒径でかつ平均粒径が5μm以上20μm以下の複数の銅粉を部分拡散させてなり、銅の含有量が10〜30質量%の部分拡散合金粉を主原料とし、これに前記低融点の元素の粉末と、固体潤滑剤粉と、単体銅粉とを配合し、前記部分拡散合金粉の割合を50質量%以上とした原料粉末を圧縮成形して圧粉体を得る圧縮成形工程と、
炭素を含むガス雰囲気下で圧粉体を銅の融点よりも低温で焼結して焼結体を得る焼結工程と、を含み、
銅源として、前記部分拡散合金粉の銅粉と前記単体銅粉のみを用いた
ことを特徴とする焼結軸受の製造方法。 - 前記原料粉末に、さらに単体鉄粉を配合した請求項4〜6の何れか1項に記載の焼結軸受の製造方法。
- 平均粒径106μm以下の部分拡散合金粉を使用する請求項1〜7の何れか一項に記載の焼結軸受の製造方法。
- 低融点金属粉としての錫粉を0.5〜3.0質量%配合すると共に、固体潤滑剤粉としての黒鉛粉を0.3〜1.5質量%配合した原料粉末を使用する請求項1〜8の何れか一項に記載の焼結軸受の製造方法。
- 部分拡散合金粉の鉄粉として還元鉄粉を使用する請求項1〜9の何れか一項に記載の焼結軸受の製造方法。
- 焼結体に、40℃の動粘度が10〜50mm2/sの潤滑油を含浸させる含油工程をさらに含む請求項1〜10の何れか一項に記載の焼結軸受の製造方法。
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