JP6914881B2 - 遠心圧縮機及びメカニカルシール - Google Patents
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Description
上記課題を解決するメカニカルシールは、ハウジング内を区画する仕切壁に形成されたシャフト挿通孔に設けられ、前記シャフト挿通孔と該シャフト挿通孔に挿通されるシャフトとの間をシールするメカニカルシールであって、前記シャフトと一体的に回転する回転環と、前記回転環に対して前記シャフトの軸線方向で対向配置されるとともに前記シャフトを取り囲んだ状態で前記シャフト挿通孔に固定される固定環と、を備え、前記回転環における前記固定環側の端面は、前記固定環と摺動する平坦面状の回転側摺動面を有し、前記固定環における前記回転環側の端面は、前記回転側摺動面と摺動する平坦面状の固定側摺動面を有しており、前記固定側摺動面には、正圧発生溝、負圧発生溝、前記正圧発生溝に連通する第1連通溝、及び前記負圧発生溝に連通する第2連通溝が形成され、前記第1連通溝及び前記第2連通溝は、前記固定側摺動面の摺動面径方向の外部に連通しており、前記正圧発生溝は、前記第1連通溝から前記回転環の回転方向に向けて延びるとともに前記正圧発生溝における前記第1連通溝とは反対側の端部に正圧段差面を有し、前記負圧発生溝は、前記第2連通溝から前記回転環の回転方向とは逆方向に向けて延びるとともに前記負圧発生溝における前記第2連通溝とは反対側の端部に負圧段差面を有し、前記固定側摺動面は、前記正圧段差面に対して前記回転環の回転方向で連続する正圧平坦面と、前記負圧段差面に対して前記回転環の回転方向とは逆方向で連続する負圧平坦面と、を有し、前記負圧平坦面、前記固定側摺動面における前記負圧平坦面に対して前記シャフトの径方向外側で重なる部位、及び前記固定側摺動面における前記負圧平坦面に対して前記シャフトの径方向内側で重なる部位の少なくとも一方には、前記固定側摺動面よりも前記シャフトの径方向外側に位置し、且つ前記回転環の回転方向に対して交差する交差溝が形成されており、前記交差溝は、当該メカニカルシールに供給されるオイルを前記固定側摺動面の摺動面径方向の外部に戻すポンピング作用を発生させるように前記シャフトの径方向に対して斜交している。
上記メカニカルシールにおいて、前記固定側摺動面には、前記交差溝における前記シャフトの径方向外側の端部に連通する圧力開放溝が形成されているとよい。
上記メカニカルシールにおいて、前記交差溝は、前記負圧平坦面に形成されているとよい。
複数の交差溝97は、回転環81と固定環91との相対回転摺動によりオイルを外周側に戻すポンピング作用を発生させるため、回転側摺動面82と負圧平坦面92bとの間を通過してシール面92sに向けて流れ込もうとするオイルは、ポンピング作用によって外周側に戻され、環状溝96へ排出される。したがって、オイルが回転側摺動面82と負圧平坦面92bとの間を通過してシール面92sに向けて流れ込んでしまうことが抑制される。
(1)負圧平坦面92bには、シール面92sよりも高速側シャフト31の径方向外側に位置し、且つ回転環81の回転方向に対して交差する交差溝97が複数形成されている。また、固定側摺動面92には、複数の交差溝97における高速側シャフト31の径方向外側の端部に連通する圧力開放溝としての環状溝96が形成されている。これによれば、複数の交差溝97は、回転環81と固定環91との相対回転摺動によりオイルを外周側に戻すポンピング作用を発生させるため、回転側摺動面82と負圧平坦面92bとの間を通過してシール面92sに向けて流れ込もうとするオイルをポンピング作用によって外周側に戻し、環状溝96へ排出することができる。したがって、オイルが回転側摺動面82と負圧平坦面92bとの間を通過してシール面92sに向けて流れ込んで、増速機室13c内のオイルが回転側摺動面82とシール面92sとの間を介してインペラ室15b内へ洩れ出してしまうことを抑制することができる。
○ 図6に示すように、交差溝97が、固定側摺動面92における負圧平坦面92bに対して高速側シャフト31の径方向外側で重なる部位に形成されていてもよい。固定側摺動面92における負圧平坦面92bに対して高速側シャフト31の径方向外側で重なる部位には、交差溝97が複数形成されている。複数の交差溝97は、固定側摺動面92における負圧平坦面92bに対して高速側シャフト31の径方向外側であって、且つ環状溝96よりも高速側シャフト31の径方向内側に位置している。複数の交差溝97における高速側シャフト31の径方向外側の端部は、環状溝96に連通している。これによれば、複数の交差溝97は、回転環81と固定環91との相対回転摺動によりオイルを外周側に戻すポンピング作用を発生させるため、回転側摺動面82と負圧平坦面92bとの間を通過してシール面92sに向けて流れ込もうとするオイルをポンピング作用によって外周側に戻し、環状溝96へ排出することができる。したがって、オイルが回転側摺動面82と負圧平坦面92bとの間を通過してシール面92sに向けて流れ込んで、増速機室13c内のオイルが回転側摺動面82とシール面92sとの間を介してインペラ室15b内へ洩れ出してしまうことを抑制することができる。
○ 実施形態において、交差溝97の数は適宜変更してもよい。例えば、負圧平坦面92bに、交差溝97が1本だけ形成されていてもよい。
○ 実施形態において、各連通溝93の深さが環状溝96の深さよりも深くてもよい。また、各連通溝93の深さが環状溝96の深さよりも浅くてもよい。
○ 実施形態において、回転環81が、高速側シャフト31とは別部材であってもよい。
Claims (5)
- 低速側シャフトと、
高速側シャフトに取り付けられたインペラと、
前記低速側シャフトの動力を前記高速側シャフトに伝達する増速機と、
前記インペラを収容するインペラ室、及び前記増速機を収容する増速機室が形成されたハウジングと、
前記インペラ室と前記増速機室とを仕切る仕切壁と、
前記仕切壁に形成されるとともに前記高速側シャフトが挿通されるシャフト挿通孔と、
前記増速機にオイルを供給するオイル供給通路と、
前記シャフト挿通孔に設けられるメカニカルシールと、を備え、
前記メカニカルシールは、
前記高速側シャフトと一体的に回転する回転環と、前記回転環に対して前記高速側シャフトの軸線方向で対向配置されるとともに前記高速側シャフトを取り囲んだ状態で前記シャフト挿通孔に固定される固定環と、を備え、
前記回転環における前記固定環側の端面は、前記固定環と摺動する平坦面状の回転側摺動面を有し、前記固定環における前記回転環側の端面は、前記回転側摺動面と摺動する平坦面状の固定側摺動面を有しており、前記固定側摺動面は、前記回転側摺動面とのシール面を有し、
前記固定側摺動面には、正圧発生溝、負圧発生溝、前記正圧発生溝に連通する第1連通溝、及び前記負圧発生溝に連通する第2連通溝が形成され、前記正圧発生溝、前記負圧発生溝、前記第1連通溝、及び前記第2連通溝は、前記シール面よりも前記高速側シャフトの径方向外側に位置し、
前記第1連通溝及び前記第2連通溝は、前記固定環の外周側に連通しており、
前記正圧発生溝は、前記第1連通溝から前記回転環の回転方向に向けて延びるとともに前記正圧発生溝における前記第1連通溝とは反対側の端部に正圧段差面を有し、
前記負圧発生溝は、前記第2連通溝から前記回転環の回転方向とは逆方向に向けて延びるとともに前記負圧発生溝における前記第2連通溝とは反対側の端部に負圧段差面を有し、
前記固定側摺動面は、前記正圧段差面に対して前記回転環の回転方向で連続する正圧平坦面と、前記負圧段差面に対して前記回転環の回転方向とは逆方向で連続する負圧平坦面と、を有している遠心圧縮機であって、
前記負圧平坦面、前記固定側摺動面における前記負圧平坦面に対して前記高速側シャフトの径方向外側で重なる部位、及び前記固定側摺動面における前記負圧平坦面に対して前記高速側シャフトの径方向内側で重なる部位の少なくとも一方には、前記シール面よりも前記高速側シャフトの径方向外側に位置し、且つ前記回転環の回転方向に対して交差する交差溝が形成されており、
前記固定側摺動面には、前記交差溝における前記高速側シャフトの径方向外側の端部に連通する圧力開放溝が形成されていることを特徴とする遠心圧縮機。 - 前記交差溝は、前記負圧平坦面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
- ハウジング内を区画する仕切壁に形成されたシャフト挿通孔に設けられ、前記シャフト挿通孔と該シャフト挿通孔に挿通されるシャフトとの間をシールするメカニカルシールであって、
前記シャフトと一体的に回転する回転環と、前記回転環に対して前記シャフトの軸線方向で対向配置されるとともに前記シャフトを取り囲んだ状態で前記シャフト挿通孔に固定される固定環と、を備え、
前記回転環における前記固定環側の端面は、前記固定環と摺動する平坦面状の回転側摺動面を有し、前記固定環における前記回転環側の端面は、前記回転側摺動面と摺動する平坦面状の固定側摺動面を有しており、
前記固定側摺動面には、正圧発生溝、負圧発生溝、前記正圧発生溝に連通する第1連通溝、及び前記負圧発生溝に連通する第2連通溝が形成され、
前記第1連通溝及び前記第2連通溝は、前記固定側摺動面の摺動面径方向の外部に連通しており、
前記正圧発生溝は、前記第1連通溝から前記回転環の回転方向に向けて延びるとともに前記正圧発生溝における前記第1連通溝とは反対側の端部に正圧段差面を有し、
前記負圧発生溝は、前記第2連通溝から前記回転環の回転方向とは逆方向に向けて延びるとともに前記負圧発生溝における前記第2連通溝とは反対側の端部に負圧段差面を有し、
前記固定側摺動面は、前記正圧段差面に対して前記回転環の回転方向で連続する正圧平坦面と、前記負圧段差面に対して前記回転環の回転方向とは逆方向で連続する負圧平坦面と、を有し、
前記負圧平坦面、前記固定側摺動面における前記負圧平坦面に対して前記シャフトの径方向外側で重なる部位、及び前記固定側摺動面における前記負圧平坦面に対して前記シャフトの径方向内側で重なる部位の少なくとも一方には、前記固定側摺動面よりも前記シャフトの径方向外側に位置し、且つ前記回転環の回転方向に対して交差する交差溝が形成されており、
前記交差溝は、当該メカニカルシールに供給されるオイルを前記固定側摺動面の摺動面径方向の外部に戻すポンピング作用を発生させるように前記シャフトの径方向に対して斜交していることを特徴とするメカニカルシール。 - 前記固定側摺動面には、前記交差溝における前記シャフトの径方向外側の端部に連通する圧力開放溝が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のメカニカルシール。
- 前記交差溝は、前記負圧平坦面に形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のメカニカルシール。
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