JP6914782B2 - トナー - Google Patents
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Description
結着樹脂と1価の脂肪族アルコールを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記結着樹脂が、エステル基含有オレフィン系共重合体を有し、
前記エステル基含有オレフィン系共重合体が、
下記式(1)で示されるモノマーユニットY1と、
下記式(2)で示されるモノマーユニットおよび下記式(3)で示されるモノマーユニットの群から選択される少なくとも1種のモノマーユニットY2と、
を有し、
前記エステル基含有オレフィン系共重合体のエステル基濃度が、エステル基含有オレフィン系共重合体の全質量に対して2質量%以上18質量%以下であり、前記1価の脂肪族アルコールの炭素数が、12以上30以下であり、前記結着樹脂に含まれる前記エステル基含有オレフィン系共重合体の含有量が、前記結着樹脂と前記1価の脂肪族アルコールとの全質量に対して50質量%以上であることを特徴とするトナー。
本発明においてエステル基含有オレフィン系共重合体とは、ポリオレフィン骨格に、共重合等の手段でエステル基モノマーユニットを導入した高分子である。具体的には下記式(1)で示されるモノマーユニットY1と、下記式(2)で示されるモノマーユニットおよび下記式(3)で示されるモノマーユニットの群から選択される少なくとも1種のモノマーユニットY2を有する。
ここで、Nはエステル基含有オレフィン系共重合体の1分子当りのエステル基数の平均であり、44はエステル基[−C(=O)O−]の式量である。又、数平均分子量とは、エステル基含有オレフィン系共重合体の数平均分子量である。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い測定することができる。
装置 :HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
カラム:TSKgel GMHHR−H HT(7.8cm I.D×30cm)2連(東ソー社製)
検出器:高温用RI
温度 :135℃
溶媒 :トルエン
流速 :1.0mL/min
試料 :0.1%の試料を0.4mL注入
試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算をすることによって算出する。
本発明のトナー粒子は、1価の脂肪族アルコールを含有し、1価の脂肪族アルコールの炭素数が、12以上30以下である必要である。
本発明のトナー粒子は、酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の酸基含有オレフィン系共重合体を結着樹脂として含むことが好ましい。酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の酸基含有オレフィン系共重合体を含有することによって、前記酸基含有オレフィン系共重合体のカルボキシル基が脂肪族アルコールの水酸基と水素結合を形成する。その水素結合によって、トナー粒子中での脂肪族アルコールの分散性がより良好になる。その結果、脂肪族アルコールが、トナー中に均一に存在し易くなり、定着時に紙表面の水酸基と水素結合をより形成し易くなり、定着物が消しゴムで消えにくくなる。
・溶剤:トルエン−エチルアルコール混液(2:1)を、使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
・フェノールフタレイン溶液:フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mLに溶かす。
・0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液:水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
試料として樹脂1〜20gを正しくはかりとり、これに前記溶剤100mL及び指示薬として前記フェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを前記0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
次の式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
本発明において、酸基含有オレフィン系共重合体のメルトフローレートが200g/10分以下であることが好ましく、それより大きい場合は保管時にブロッキングしてしまう場合がある。また、酸基含有オレフィン系共重合体は、メルトフローレートが10g/10分以上であることがトナーと紙との密着性の観点から好ましい。メルトフローレートが10g/10分未満の場合、トナー中に存在する前記エステル基含有オレフィン系共重合体と相溶し難くなり、その結果としてトナー全体で見ると紙との密着性が低下する。なお酸基含有オレフィン系共重合体のメルトフローレートは、前出の前記エステル基含有オレフィン系共重合体のメルトフローレートと同様な方法で測定することが可能である。
本発明のトナーにおいては、結着樹脂として、前記エステル基含有オレフィン系共重合体や前記オレフィン系酸基含有共重合体以外に、他の重合体を併用してもよい。具体的には、下記の重合体などを用いることが可能である。ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。
また、本発明のトナー粒子は、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素化合物を、結着樹脂と1価の脂肪族アルコール100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下含有することが好ましい。更に、10質量部以上30質量部以下含有することが低温定着性の観点からより好ましい。
また、本発明のトナーは、シリコーンオイルを離型剤として含有することが好ましい。アルキルワックスなどのトナーに一般に使用される離型剤は、前記エステル基含有オレフィン系共重合体に相溶してしまいやすく、離型効果が得られにくい。また、シリコーンオイルを添加することによってトナー中の顔料分散性が良化し、高濃度の画像が得られやすくなる。
本発明のトナーは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
本発明のトナーの製造方法は、懸濁重合法、混練粉砕法、乳化凝集法、及び溶解懸濁法などの公知のトナーの製造方法で実施することが可能であり、いずれかの方法に限定されるものではない。
溶解懸濁法とは樹脂、着色剤及び離形剤等を有機溶媒に溶解又は分散させ、得られた溶液又は分散液を水等の貧溶媒中に、トナー粒子の大きさ程度に分散させ、その状態で有機溶媒を留去してトナーを製造する方法である。溶解懸濁法では樹脂溶解工程、造粒工程、脱溶剤工程、洗浄乾燥工程を経てトナーが製造される。
前記樹脂溶解工程は、例えば、有機溶媒に本発明のエステル基含有オレフィン系共重合体および1価の脂肪族アルコールを加熱溶解させ樹脂溶解液を調製する工程である。必要に応じて、前記樹脂溶解液にその他の樹脂、可塑剤、着色剤及び離形剤などを溶解または分散させて樹脂組成物を製造する工程である。
前記造粒工程は、得られた樹脂組成物を水系媒体に所定のトナー粒子径になるように分散剤を用いて分散させて、分散体(造粒物)を調製する工程である。水系媒体は、主に水が用いられる。また、前記水系媒体は、1価の金属塩を1質量%以上、30質量%以下含有することが好ましい。1価の金属塩を含有していることにより、樹脂組成物中の有機溶媒が水系媒体中へ拡散することが抑制され、得られたトナー粒子に含まれる樹脂の結晶性が高まることによりトナーのブロッキング性が良好になり易く、かつトナーの粒度分布が良好になり易い。
脱溶剤工程では、得られた分散体から有機溶媒を除去する工程である。有機溶媒の除去は撹拌を行いながら、行うことが好ましい。また、必要に応じて加熱、減圧をすることで有機溶媒の除去速度を制御することもできる。
前記脱溶剤工程の後に、水等で複数回洗浄し、トナー粒子をろ過及び乾燥する洗浄乾燥工程を実施してもよい。また、分散剤にリン酸三カルシウムなどの酸性条件で溶解する分散剤を使用した場合は、塩酸などで洗浄後に水洗することが好ましい。洗浄を行うことで造粒のために使用した分散剤を除去し、トナー特性を向上させることができる。洗浄後、ろ過乾燥を行うことでトナーを得ることができる。得られたトナーは必要に応じてシリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機微粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機微粒子や樹脂粒子は、帯電助剤、流動性助剤、クリーニング助剤等の外添剤として機能する。
乳化凝集法とは、目的の粒子径に対して、十分に小さい樹脂微粒子分散液を前もって準備し、その樹脂微粒子を水系媒体中で凝集することによりトナー粒子を製造する製造方法である。
乳化凝集法においては、初めに樹脂微粒子を準備する。樹脂微粒子は公知の方法で製造できるが、以下の方法で作成することが好ましい。
凝集工程とは、上述の樹脂微粒子分散液に、着色剤微粒子分散液や、離型剤微粒子分散液を混合し、混合液を調製し、ついで、調製された混合液中に含まれる粒子を凝集し、凝集体を形成させる工程である。凝集体を形成させる方法としては、例えば凝集剤を前記混合液中に添加・混合し、温度を上げたり、機械的動力等を適宜加えたりする方法が好適に例示できる。
融合工程とは、前記凝集体を、前記エステル基含有オレフィン系共重合体の融点以上に加熱し融合することで、凝集体表面を平滑化した粒子を製造する工程である。一次融合工程に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤等を適宜投入することができる。
冷却工程とは、前記粒子を含む水系媒体の温度を、前記エステル基含有オレフィン系共重合体の結晶化温度より低い温度まで冷却する工程である。冷却を結晶化温度より低い温度まで行わないと、粗大粒子が発生してしまう。具体的な冷却速度は0.1〜50℃/分である。
前記工程を経て作製した粒子を、洗浄、ろ過、繰り返すことによりトナー中の不純物を除去することができる。具体的にはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びそのNa塩などのキレート剤を含有した水溶液を用いてトナーを洗浄し、さらに純水で洗浄することが好ましい。純水での洗浄はろ過を複数回繰り返すことによりトナー中の金属塩や界面活性剤などを除くことができる。ろ過の回数は3〜20回が製造効率の点から好ましく、3〜10回がより好ましい。
前記工程で得た粒子の乾燥を行い、必要に応じて、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
・トルエン(和光純薬製)300g
・エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−A(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:8質量%、酸価=0mgKOH/g、重量平均分子量:110000、メルトフローレート:12g/10分、融点:86℃、破断伸度=700%、(l+m+n)/Z1=1.00)75g
・1価の脂肪族アルコールA(炭素数18、融点:59℃)5g
・酸基含有オレフィン系共重合体A((エチレン−メタクリル酸共重合体、メルトフローレート:60g/10分、融点=90℃、酸価=90mgKOH/g)20g
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
1価の脂肪族アルコールAを1価の脂肪族アルコールB(炭素数12、融点24℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子2分散液を得た。得られた樹脂微粒子2の体積基準のメジアン径は、0.24μmであった。
1価の脂肪族アルコールAを1価の脂肪族アルコールC(炭素数30、融点86℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子3分散液を得た。得られた樹脂微粒子3の体積基準のメジアン径は、0.51μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−B(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:10質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:75℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子4分散液を得た。得られた樹脂微粒子4の体積基準のメジアン径は、0.39μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−C(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:14質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:20g/10分、融点:69℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子4分散液を得た。得られた樹脂微粒子4の体積基準のメジアン径は、0.29μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−D(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:3質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:75g/10分、融点:96℃、破断伸度=460%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子6分散液を得た。得られた樹脂微粒子6の体積基準のメジアン径は、0.35μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体Aを78g、1価の脂肪族アルコールAを2gに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子7分散液を得た。得られた樹脂微粒子7の体積基準のメジアン径は、0.22μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体Aを60g、1価の脂肪族アルコールAを20gに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子8分散液を得た。得られた樹脂微粒子8の体積基準のメジアン径は、0.67μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体Aを70g、1価の脂肪族アルコールAを10gに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子9分散液を得た。得られた樹脂微粒子9の体積基準のメジアン径は、0.49μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体Aを50g、1価の脂肪族アルコールAを30gに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子10分散液を得た。得られた樹脂微粒子10の体積基準のメジアン径は、0.53μmであった。
1価の脂肪族アルコールAを1価の脂肪族アルコールD(炭素数16、融点50℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子11分散液を得た。得られた樹脂微粒子11の体積基準のメジアン径は、0.30μmであった。
1価の脂肪族アルコールAを1価の脂肪族アルコールE(炭素数26、融点79℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子12分散液を得た。得られた樹脂微粒子12の体積基準のメジアン径は、0.44μmであった。
1価の脂肪族アルコールAを1価の脂肪族アルコールF(炭素数22、融点69℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子13分散液を得た。得られた樹脂微粒子13の体積基準のメジアン径は、0.44μmであった。
・トルエン(和光純薬製)300g
・エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−E(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:10質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:200g/10分、融点:75℃、破断伸度=210%、(l+m+n)/Z1=1.00)95g
・1価の脂肪族アルコールA(炭素数18、融点:59℃)5g
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−アクリル酸エチル共重合体EEA−A(R1=H、R4=H、R5=C2H5、エステル基濃度:11質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:20g/10分、融点:91℃、破断伸度=900%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子15分散液を得た。得られた樹脂微粒子15の体積基準のメジアン径は、0.41μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−アクリル酸メチル共重合体EMA−A(R1=H、R4=H、R5=CH3、エステル基濃度:7質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:87℃、破断伸度=800%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子16分散液を得た。得られた樹脂微粒子16の体積基準のメジアン径は、0.52μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−メタクリル酸メチル共重合体EMMA−A(R1=H、R4=CH3、R5=CH3、エステル基濃度:8質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:7g/10分、融点:89℃、破断伸度=750%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子17分散液を得た。得られた樹脂微粒子17の体積基準のメジアン径は、0.60μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル−吉草酸ビニル共重合体EVA−F(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:7質量%、吉草酸ビニルに由来するモノマーユニット(式(4))比率:6質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:14g/10分、融点:83℃、破断伸度=750%、(l+m+n)/Z1=0.94)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子18分散液を得た。得られた樹脂微粒子18の体積基準のメジアン径は、0.48μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−G(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:1質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:3g/10分、融点:105℃、破断伸度=600%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子14分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子19分散液を得た。得られた樹脂微粒子19の体積基準のメジアン径は、5.45μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−H(R1=H、R2=H、R3=CH3、エステル基濃度:21質量%、酸価=0mgKOH/g、メルトフローレート:2g/10分、融点:40℃、破断伸度=870%、(l+m+n)/Z1=1.00)に変更した以外は樹脂微粒子14分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子20分散液を得た。得られた樹脂微粒子20の体積基準のメジアン径は、6.67μmであった。
1価の脂肪族アルコールAを1価の脂肪族アルコールG(炭素数10、融点6℃)に変更した以外は樹脂微粒子14分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子21分散液を得た。得られた樹脂微粒子21の体積基準のメジアン径は、5.81μmであった。
1価の脂肪族アルコールAを使用しなかった以外は樹脂微粒子13分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子22分散液を得た。得られた樹脂微粒子22の体積基準のメジアン径は、5.51μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aをポリエステル樹脂A[組成(モル比)〔ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:イソフタル酸:テレフタル酸=100:50:50〕、数平均分子量(Mn)=4,600、重量平均分子量(Mw)=16,500、ピーク分子量(Mp)=10,400、ガラス転移温度(Tg)=70℃、酸価=13mgKOH/g]に変更し、N,N−ジメチルアミノエタノール4.4gをイオン交換水とともに加えた以外は樹脂微粒子13分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子23分散液を得た。得られた樹脂微粒子23の体積基準のメジアン径は、0.22μmであった。
・着色剤 10.0質量%
(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.5質量%
・イオン交換水 88.5質量%
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の濃度10%の水系分散液(着色剤微粒子分散液)を調製した。得られた着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.20μmであった。
・脂肪族炭化水素化合物(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製)20.0質量%
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0質量%
・イオン交換水 79.0質量%
以上を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。分散処理の条件は、以下のようにした。
・ローター外径3cm
・クリアランス0.3mm
・ローター回転数19000r/min
・スクリーン回転数19000r/min
分散処理後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、脂肪族炭化水素化合物微粒子の濃度20%の水系分散液(脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液)を得た。前記脂肪族炭化水素化合物微粒子の体積分布基準の50%粒径(d50)は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.15μmであった。
・シリコーンオイル 20.0質量%
(ジメチルシリコーンオイル 信越化学製:KF96−50CS)
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0質量%
・イオン交換水 79.0質量%
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、シリコーンオイルを分散させてなるシリコーンオイルの濃度20%の水系分散液を調製した。得られたシリコーンオイル乳化液中のシリコーンオイル粒子の体積基準のメジアン径を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.09μmであった。
・樹脂微粒子1分散液 500g
・着色剤微粒子分散液 80g
・脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液 150g
・シリコーンオイル乳化液 50g
・イオン交換水 160g
前記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、10%硫酸マグネシウム水溶液60gを添加した。続いてホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで73℃まで加熱した。73℃で20分保持した後、形成された凝集粒子の体積平均粒径を、コールターマルチサイザーIIIを用い、体積平均粒径が約6.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子2とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナー2の体積基準のメジアン径は5.5μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子3とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.0μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子4とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.6μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子5とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子6とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子7とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子8とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は6.0μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子9とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.6μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子10とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子11とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.3μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子12とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.0μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子13とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の添加量を50gとした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
シリコーンオイル乳化液の添加量を100gとした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.6μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子14とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.9μmであった。
樹脂微粒子1分散液500gを、樹脂微粒子1分散液375gと樹脂微粒子23分散液125gとに変更した以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は6.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子15とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子16とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.8μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子17とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.0μmであった。
樹脂微粒子1分散液500gを、樹脂微粒子1分散液250gと樹脂微粒子15分散液250gとに変更した以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子18とした以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子19とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は12.5μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子20とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は.10.9μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子21とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は10.3μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子22とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は11.1μmであった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子23とし、脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の添加量を50gとし、シリコーンオイル乳化液を使用せず、凝集工程の温度を60℃にした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーの体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
前記トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合し、二成分現像剤を調製した。市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)を使用し、受像紙(64g/m2)上に未定着のトナー画像(0.6mg/cm2)を形成した。市販のフルカラーデジタル複写機(imageRUNNER ADVANCE C5051、キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを246mm/秒に設定し、前記未定着画像を定着させたときの様子を目視にて評価した。
A:120℃以下の温度で定着が可能。
B:120℃より高く、140℃以下の温度で定着が可能。
C:140℃より200℃以下の温度で定着が可能、または定着可能な温度領域がない。
低温定着性の評価法と同様の手法でトナーを定着させ、定着可能な最高温度における定着物を、消しゴム(製品名:MONO,トンボ鉛筆社製)を用いて、300gの荷重をかけて3回こすることで消去耐性を試験した。
A:消しゴムで消去されず。
B:消しゴムで消去することで画像の濃度が低下する。
C:消しゴムで消去される。
フェライトキャリア225gと前記トナー25gを混合させ、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5051の現像器に充填させたものを空回転(トナー無補給)し現像剤にストレスを与えた後の画像評価を行った。この評価は低印字率、つまりはトナーの入れ替わりがほとんど無い状態での耐久性を促進的に評価する目的で行っている。具体的な手法としては高温多湿環境下(42℃/41%Rh)においてimageRUNNER ADVANCE用の現像空回転治具により370rpmの速さで5時間空回転させた。途中サンプリングを行い、1時間空回転した時点での帯電量をQ1、5時間空回転した時点での帯電量をQ5とし、Q1/Q5の値をチャージアップの評価指標とした。
A:Q1/Q5が80%以上
B:Q1/Q5が60%以上80%以下
C:Q1/Q5が60%未満
トナーを、温度50℃湿度50%RHの恒温恒湿槽中で3日静置し、目視によりブロッキングの程度を評価した。
A:ブロッキングが発生しないか、ブロッキングが発生しても軽い振動により容易に分散する
B:ブロッキングが発生するが、振動し続けると分散する
C:ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない
Claims (10)
- 結着樹脂と1価の脂肪族アルコールを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記結着樹脂が、エステル基含有オレフィン系共重合体を有し、
前記エステル基含有オレフィン系共重合体が、
下記式(1)で示されるモノマーユニットY1と、
下記式(2)で示されるモノマーユニットおよび下記式(3)で示されるモノマーユニットの群から選択される少なくとも1種のモノマーユニットY2と、
を有し、
前記エステル基含有オレフィン系共重合体のエステル基濃度が、エステル基含有オレフィン系共重合体の全質量に対して2質量%以上18質量%以下であり、
前記1価の脂肪族アルコールの炭素数が、12以上30以下であり、
前記結着樹脂に含まれる前記エステル基含有オレフィン系共重合体の含有量が、前記結着樹脂と前記1価の脂肪族アルコールとの全質量に対して50質量%以上である
ことを特徴とするトナー。
(式中、R1はHまたはCH3であり、R2はHまたはCH3であり、R3はCH3またはC2H5であり、R4はHまたはCH3であり、R5はCH3またはC2H5である。) - 前記1価の脂肪族アルコールの含有量が、前記結着樹脂と1価の脂肪族アルコールの質量の総和に対して1質量%以上20質量%以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記1価の脂肪族アルコールの融点が、50℃以上80℃以下である請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記1価の脂肪族アルコールが、直鎖の脂肪族アルコールである請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記エステル基含有オレフィン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子が、酸価50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下のオレフィン系酸基含有共重合体を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記エステル基含有オレフィン系共重合体のメルトフローレートが、5g/10分以上30g/10分以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子は、脂肪族炭化水素化合物を含有しており、前記脂肪族炭化水素化合物の融点が、50℃以上100℃以下であり、前記脂肪族炭化水素化合物の含有量が、前記結着樹脂と前記1価の脂肪族アルコールの総和100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記エステル基含有オレフィン系共重合体のエステル基濃度が、エステル基含有オレフィン系共重合体の全質量に対して3質量%以上10質量%以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子は、シリコーンオイルを含有しており、前記シリコーンオイルの含有量が、前記結着樹脂と前記1価の脂肪族アルコールの総和100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載のトナー。
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