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JP6902542B2 - 注射デバイス - Google Patents

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JP6902542B2 JP2018527137A JP2018527137A JP6902542B2 JP 6902542 B2 JP6902542 B2 JP 6902542B2 JP 2018527137 A JP2018527137 A JP 2018527137A JP 2018527137 A JP2018527137 A JP 2018527137A JP 6902542 B2 JP6902542 B2 JP 6902542B2
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Description

本発明は、注射デバイスに関する。
自動注射器などの注射デバイスは、患者の注射部位に薬剤を投薬するために当技術分野で知られている。そのような注射デバイスは、通常、本体とキャップとを含む。本体内には、針シリンジが位置する。キャップは、針シリンジの針を保護するために、本体に取り外し可能に取り付けられる。薬剤を投薬するために、キャップが最初に本体から外され、針を露出させる。次いで、針が、薬剤を投薬するために、注射部位において患者の身体に挿入される。
注射デバイスの輸送および収納中、キャップが誤って本体から取り外されないことを保証するために、キャップが十分な力で本体上に保持されることが重要である。このことは、針が滅菌状態を保ち、鋭利な針が負傷を引き起こすことも防止することを保証する。しかしながら、特に患者が高齢者または虚弱である場合、本体からキャップを取り外すために必要とされる引っ張り動作によって、キャップの取り外しが、患者にとって困難になることがある。
本発明の目的は、改善された注射デバイスを提供することである。
本発明によれば、注射デバイスであって:一端に針を有するシリンジを保持するための本体と;この本体に取り外し可能に取り付けられるキャップであって、前記針を受けるためのニードルシールドを有するキャップと;ニードルシールドを本体から離れるように付勢するように本体の長手方向に本体に対して摺動可能なアクチュエータとを含む注射デバイスが提供される。
ニードルシールドを本体から離れるように付勢するための、本体に対するアクチュエータの摺動運動は、特に使用者が高齢者または虚弱である場合、ニードルシールドを本体から離れるように引っ張るよりも、使用者が実行しやすい。したがって、摺動可能なアクチュエータは、本体からのキャップの取り外しを容易にする。本体から離れるようにキャップを引っ張ることと比較して、本体に対するアクチュエータの摺動は、本体からのニードルシールドのより制御された分離も可能にする。
アクチュエータの少なくとも一部は、アクチュエータが本体に対して摺動され、ニードルシールドを本体から離れるように付勢するとき、本体から延びる。アクチュエータの前記一部は、薬剤が患者の注射部位に投薬される前に、患者の注射部位に対して設置される。アクチュエータの前記一部は、ニードルスリーブを含む。ニードルスリーブは、シリンジが本体内で保持されているとき前記針を遮蔽するための伸長位置と、前記針がニードルスリーブの端を越えて軸方向に延びる後退位置との間で、本体に対して可動である。アクチュエータは、アクチュエータが本体に対して摺動され、ニードルシールドを本体から離れるように付勢するとき、ニードルスリーブは伸長位置に動くように構成される。
一実施形態では、アクチュエータは、ニードルシールドを本体から離れるように付勢するように注射デバイスの遠位端に向かって摺動可能である。
細長い部材は、本体内で摺動可能に受けられる。これによって、注射デバイスはコンパクトであることが可能になり、注射デバイスは収納および輸送するのが容易である。アクチュエータは、細長い部材を含むことができる。この細長い部材は、スリーブまたは部分的スリーブの形態をとることができる。
注射デバイスは、アクチュエータへのアクセスを提供するためのアパーチャを含むことができる。したがって、アクチュエータの一部は、アパーチャを通してアクセス可能とすることができ、その結果、使用者は、アクチュエータの前記一部に対して力を及ぼし、本体に対してアクチュエータを摺動させ、ニードルシールドを本体から離れるように付勢することができる。アパーチャは、細長いスロットを含むことができる。この細長いスロットは、本体の長手方向に延びることができる。
アクチュエータは、グリップ部分を含むことができる。したがって、使用者は、グリップ部分に対して力を及ぼし、アクチュエータを本体に対して摺動させることができる。グリップ部分は、ニードルシールドを本体から離れるように付勢するように、本体に対して摺動可能とすることができる。グリップ部分は、溝を含むことができる。したがって、使用者は、指または指の爪を溝に挿入して、アクチュエータを本体に対して摺動させることができる。一代替実施形態では、グリップ部分は突出部を含む。突出部は、突出部がアパーチャ内で摺動可能であるように、アパーチャへと延びることができる。したがって、使用者は、突出部に対して力を及ぼし、アクチュエータを本体に対して摺動させ、ニードルシールドを本体から離れるように付勢することができる。一実施形態では、突出部はアパーチャから延び、したがって、突出部が本体の周囲壁から突き出す。一実施形態では、グリップ部分は、トリガボタンを含む。
アパーチャは、アパーチャ内での突出部の摺動運動の範囲を制限するように配置される。したがって、本体に対するアクチュエータの摺動運動の範囲は、アクチュエータが本体からあまりにも遠く延びるまたは本体から分離されるのを防止するために制限される。そのような一実施形態では、アパーチャは、第1および第2の止め具を形成する第1および第2の端部を含む。
一実施形態では、アクチュエータは、アクチュエータの第1の部分が本体内のアパーチャを通して検査される第1の位置と、アクチュエータの第2の部分が本体内のアパーチャを通して検査される第2の位置との間で本体に対して摺動可能であり、アクチュエータの第1および第2の部分は異なる性質を有する。そのような一実施形態では、アクチュエータの第1および第2の部分は、アパーチャを通して検査される、異なる色および/または異なるテキストなどの、異なる視覚的性質を有する。これによって、使用者は、ニードルシールドが本体から離れるように付勢されたかどうかを観察することが可能になる。
キャップは、肩部を含むことができ、アクチュエータは肩部に対して付勢され、ニードルシールドを本体から離れるように付勢するように構成される。
キャップは、指穴を含むことができる。したがって、使用者は、指を指穴に挿入し、キャップを把持して、一方の手でキャップを本体から離れるように引っ張りながら、他方の手でアクチュエータに対して力を及ぼし、本体に対してアクチュエータを摺動させ、その結果、本体からのキャップの取り外しが容易になる。
一実施形態では、注射デバイスは、アクチュエータが本体の長手方向に本体に対して所定の位置に保持されるロック状態と、アクチュエータが本体の長手方向に本体に対して可動であるロック解除状態との間で可動であるアクチュエータロックを含む。
キャップは、1つまたはそれ以上のフランジ付部分を含むことができる。このフランジ付部分は、使用者がフランジ付部分を把持することを可能にするように構成される。したがって、使用者は、一方の手でフランジ付部分または各フランジ付部分を把持し、キャップを本体から離れるように引っ張りながら、他方の手でアクチュエータに対して力を及ぼし、本体に対してアクチュエータを摺動させ、その結果、本体からのキャップの取り外しが容易になる。
注射デバイスは、一端に針を有し、本体内で受けられるシリンジをさらに含むことができ、ニードルシールドは、キャップが本体に取り付けられるとき、このシリンジと摩擦係合する。摩擦が、ニードルシールドをシリンジ上に保つ助けとなり得る。シリンジは、薬剤を含むことができる。
一実施形態では、キャップは、外側キャップをさらに含む。ニードルシールドは、外側キャップ内に受けられる。
一実施形態では、注射デバイスは自動注射器である。
本発明によれば、キャップを注射デバイスの本体から取り外す方法であって、この本体は、一端に針を有するシリンジを保持し、キャップは、本体に取り外し可能に取り付けられ、針を受けるためのニードルシールドを有し:アクチュエータの少なくとも一部が本体から延びてニードルシールドを本体から離れるように付勢するように、本体の長手方向に本体に対してアクチュエータを摺動させることであって、アクチュエータの前記一部は、前記針を遮蔽するための伸長位置と、前記針がニードルスリーブの端部を越えて軸方向に延びる後退位置との間で本体に対して可動なニードルスリーブを含み、本体に対してアクチュエータを摺動させ、ニードルシールドを本体から離れるように付勢することによって、ニードルスリーブが伸長位置に動く、摺動させることを含む方法も提供される。
本発明のこれらおよび他の態様は、以下に記載の実施形態から明らかであり、これを参照して説明することになる。
本発明の実施形態について、以下、単に例として、添付の図面を参照して述べる。
キャップが自動注射器の本体に取り付けられた、本発明を実施する自動注射器の概略側面図である。 キャップが本体から取り外された、図1Aの自動注射器の概略側面図である。 キャップが自動注射器の本体に取り付けられている、第1の実施形態による自動注射器の概略断側面図である。 キャップが部分的に本体から取り外されている、図2の自動注射器の概略断側面図である。 キャップが部分的に本体から取り外されている、図2の自動注射器の概略断上面図である。
薬物送達デバイスは、本明細書に記載のように、薬剤を患者に注射するように構成される。たとえば、送達は、皮下であっても、筋肉内であっても、静脈内であってもよい。そのようなデバイスは、患者または看護師もしくは医師などの介護者によって動作され、さまざまなタイプの安全シリンジ、ペン型注射器、または自動注射器を含むことができる。デバイスは、使用前に封止されたアンプルを穿孔することを必要とするカートリッジベースのシステムを含むことができる。これらのさまざまなデバイスを用いて送達される薬剤の量は、約0.5mlから約2mlの範囲に及ぶことがある。さらに別のデバイスは、「大」量の薬剤(通常、約2mlから約10ml)を送達するためにある期間(たとえば、約5、15、30、60、または120分)にわたって患者の皮膚に付着するように構成された大容積デバイス(「LVD」)またはパッチポンプを含むことができる。
特定の薬剤と組み合わせて、本記載のデバイスはまた、必要とされる仕様内で動作するためにカスタマイズされる。たとえば、デバイスは、特定の期間(たとえば、自動注射器の場合は約3から約20秒、LVDの場合は約10分から約60分)内で薬剤を注射するようにカスタマイズされる。他の仕様は、低いレベルもしくは最小レベルの不快感、または人的要因、貯蔵寿命、満期、生体適合性、環境についての考慮事項などに関連する特定の条件を含む。そのような変形形態は、たとえば、約3cPから約50cPの粘度の範囲に及ぶ薬物などのさまざまな要因により、生じることがある。したがって、薬物送達デバイスは、約25から約31ゲージのサイズの範囲に及ぶ中空針を含むことが多い。一般的なサイズは、27および29ゲージである。
本明細書に記載の送達デバイスは、1つまたはそれ以上の自動化された機能も含むことができる。たとえば、針の挿入、薬剤の注射、および針の後退のうちの1つまたはそれ以上が自動化可能である。1つまたはそれ以上の自動化ステップのためのエネルギーは、1つまたはそれ以上のエネルギー源によって提供可能である。エネルギー源は、たとえば、機械的エネルギー、空気エネルギー、化学エネルギー、または電気エネルギーを含む。たとえば、機械的エネルギー源は、ばね、てこ、エラストマー、またはエネルギーを貯蔵もしくは解放するための他の機械的機構を含む。1つまたはそれ以上のエネルギー源は、単一のデバイスへと連結可能である。デバイスは、ギア、弁、またはエネルギーをデバイスの1つもしくはそれ以上の構成要素の動きへと変換するための他の機構をさらに含むことができる。
自動注射器の1つまたはそれ以上の自動化された機能は各々、起動機構を介して起動される。そのような起動機構は、ボタン、レバー、ニードルスリーブ、または他の起動構成要素のうちの1つまたはそれ以上を含む。自動化された機能の起動は、1ステッププロセスまたは複数ステッププロセスである。すなわち、使用者は、自動化された機能を引き起こすために、1つまたはそれ以上の起動構成要素を起動することを必要とすることがある。たとえば、1ステッププロセスでは、使用者は、薬剤の注射を引き起こすために、本体に対してニードルスリーブを押し下げる。他のデバイスが、自動化された機能の複数ステップ起動を必要とすることがある。たとえば、使用者は、注射を引き起こすために、ボタンを押し下げ、ニードルシールドを後退させることが必要とされる。
さらに、1つの自動化された機能の起動が、1つまたはそれ以上のその後の自動化された機能を起動し、それによって、起動シーケンスを形成することができる。たとえば、第1の自動化された機能を起動すると、針の挿入、薬剤の注射、および針の後退のうちの少なくとも2つを起動することができる。デバイスによっては、1つまたはそれ以上の自動化された機能が行われるように、ステップの特定のシーケンスをも必要とする。他のデバイスは、独立したステップのシーケンスとともに動作する。
いくつかの送達デバイスは、安全シリンジ、ペン型注射器、または自動注射器の1つまたはそれ以上の機能を含むことができる。たとえば、送達デバイスは、薬剤を自動的に注射するように構成された機械的エネルギー源(通常、自動注射器において見られる)と、用量設定機構(通常、ペン型注射器において見られる)とを含む。
本開示のいくつかの実施形態によれば、例示的な薬物送達デバイス10が図1Aおよび図1Bに示されている。デバイス10は、上記で説明されたように、薬剤を患者の身体に注射するように構成される。デバイス10はハウジング11を含み、ハウジング11は、通常、注射されることになる薬剤を含むリザーバ(たとえば、シリンジ)と、送達プロセスの1つまたはそれ以上のステップを容易にするために必要とされる構成要素とを含む。デバイス10は、ハウジング11に着脱可能に取り付け可能なキャップアセンブリ12も含むことができる。通常、使用者は、デバイス10を動作可能にする前に、キャップ12をハウジング11から取り外ししなければならない。
図示のように、ハウジング11は、実質的に円筒状であり、長手方向軸A−Aに沿って実質的に一定の直径を有する。ハウジング11は、遠位領域Dと、近位領域Pとを有する。用語「遠位」は、注射の部位に比較的近い場所を指し、用語「近位」は、注射部位から比較的離れた場所を指す。
デバイス10は、ハウジング11に対するスリーブ19の動きを可能にするために、ハウジング11に連結されたニードルスリーブ19も含むことができる。たとえば、スリーブ19は、長手方向軸A−Aと平行な長手方向に動くことができる。具体的には、近位方向のスリーブ19が動くと、針17がハウジング11の遠位領域Dから延びることができる。
針17の挿入は、いくつかの機構を介して行われる。たとえば、針17は、ハウジング11に対して固定的に位置し、最初は、拡張されたニードルスリーブ19内に位置する。スリーブ19の遠位端を患者の身体に当て、ハウジング11を遠位方向に動かすことによるスリーブ19の近位運動によって、針17の遠位端があらわになる。そのような相対運動によって、針17の遠位端が患者の身体へと延びることができる。そのような挿入は、患者がスリーブ19に対してハウジング11を手で動かすことによって針17が手動で挿入されるので、「手動」挿入と呼ばれる。
挿入の別の形態は、「自動化された」ものであり、それによって、針17は、ハウジング11に対して動く。そのような挿入は、スリーブ19の動きによって、またはたとえばボタン13などの別の起動の形態によってトリガすることができる。図1Aおよび図1Bに示すように、ボタン13は、ハウジング11の近位端に位置する。しかしながら、他の実施形態では、ボタン13は、ハウジング11のある側面上に位置する。
他の手動または自動化された機能は、薬物の注射、または針の後退、または両方を含む。注射は、薬剤をシリンジ18から針17に通過させるために、栓すなわちピストン14がシリンジ18内の近位の場所からシリンジ18内のより遠位の場所に動かされるプロセスである。いくつかの実施形態では、デバイス10が起動される前、駆動ばね(図示せず)は圧縮下にある。駆動ばねの近位端は、ハウジング11の近位領域P内に固定可能であり、駆動ばねの遠位端は、ピストン14の近位表面に圧縮力を加えるように構成可能である。起動に続いて、駆動ばね内に貯蔵されたエネルギーの少なくとも一部は、ピストン14の近位表面に加えられる。この圧縮力は、ピストン14を遠位方向に動かすようにピストン14に対して作用することができる。そのような遠位運動は、シリンジ18内の液体薬剤を圧縮し、その液体薬剤を針17から押し出すように作用する。
注射に続いて、針17は、スリーブ19またはハウジング11内で後退可能である。使用者がデバイス10を患者の身体から取り外すので、スリーブ19が遠位方向に動くとき、後退が行われる。これが行われるのは、針17がハウジング11に対して依然として固定的に位置するからである。スリーブ19の遠位端が針17の遠位端を越えて動き、針17が覆われると、スリーブ19をロックすることができる。そのようなロッキングは、ハウジング11に対するスリーブ19の近位運動をロックすることを含む。
別の形態の針の後退は、針17がハウジング11に対して動かされる場合に行われる。そのような動きは、ハウジング11内のシリンジ18がハウジング11に対して近位方向に動かされる場合に行われる。この近位運動は、遠位領域D内に位置する後退ばね(図示せず)を使用することによって達成可能である。圧縮された後退ばねは、起動されると、シリンジ18を近位方向に動かすのに十分な力をシリンジ18に供給することができる。十分な後退に続いて、針17とハウジング11との相対運動を、ロッキング機構でロックすることができる。さらに、ボタン13またはデバイス10の他の構成要素を、必要に応じてロックすることができる。
次に図2〜図4を参照すると、第1の実施形態による注射デバイス20が示されている。注射デバイス20は、上記で図1Aおよび図1Bに関して説明された自動注射器10に類似した機能を有する自動注射器20の形をとり、同じ機能は同じ参照番号を保有する。違いは、上記で説明された自動注射器10のキャップ12が省略され、代替キャップ21に置き換えられており、自動注射器20がアクチュエータ26をさらに含むということである。
第1の実施形態の自動注射器20のキャップ21は、ニードルシールド22と、外側キャップ23とを含む。ニードルシールド22は、外側キャップ23内に受けられる。ニードルシールド22は、外側キャップ23に対して固定される。たとえば、ニードルシールド22および外側キャップ23は、圧力嵌め連結、形態嵌め(form−fit)連結、または接着連結で、取り付けられる。代替的に、ニードルシールド22と外側キャップ23は、一体的に形成される。
外側キャップ23は、指グリップ部分24と、スリーブ25とを含む。指グリップ部分24は、自動注射器20の近位端Pの近くに設置された指穴24Aを含む。使用者は、外側キャップ23を本体11から離れるように引っ張るために、指を指穴24Aに通す。さらに、指グリップ部分24は、自動注射器20の中心軸A−Aから離れるように径方向に延びる複数のフランジ付部分24Bを含む。使用者は、外側キャップ23を本体11から離れるように引っ張るために、フランジ付部分24Bを把持する。
外側キャップ23のスリーブ25は、キャップ21が本体11に取り付けられているとき、指グリップ部分24から自動注射器20の近位端Pの方へ延びる。スリーブ25は、ニードルシールド22を受けるための管状端部部分25Aと、肩部25Bとを含む。管状端部部分25Aは、ニードルシールド22が針17を受け、針17と本体11の開いた遠位端11Aに当接する肩部25Bの一部分とを遮蔽するように、本体11の開いた遠位端11A内で受けられるように構成される。
例示的な一実施形態(図示せず)では、肩部25Bは、意図的でない本体11からのキャップ21の取り外しを防止するためのロックを含むことができる。そのような一実施形態では、ロックは、本体11の開いた遠位端11Aに設置されたロック突起(図示せず)に対応する少なくとも1つの凹部(図示せず)を含む。ロック突起は、凹部と係合して、キャップ21が意図せずに本体11から取り外されることを防止する。アクチュエータ26は、自動注射器20の本体11内に受けられ、自動注射器20の中心軸A−Aの方向に本体11に対して摺動可能である。本体11は、本体11の周囲壁内にアパーチャ11Bを含む。アクチュエータは、グリップ部分27を含む。使用者は、グリップ部分27に対して力を及ぼし、アクチュエータ26を本体11に対して摺動させることができる。本実施形態では、グリップ部分27は、本体11内のアパーチャ11Bから延びる突出部27の形態をとる。
アクチュエータ26は、突出部27が、本体11の開いた遠位端11Aに向かって摺動されると、前記開いた遠位端11Aから延びる細長い部材28をさらに含む(図4に示される)。細長い部材28は、自動注射器20の中心軸A−Aのまわりで部分的に向かい合う部分的スリーブの形態をとる。細長い部材28は、本体11の内部で突出部27から延びて、キャップ21が本体11に取り付けられるとき、外側キャップ23の肩部25Bに当接する。代替実施形態(図示せず)では、細長い部材は、スリーブ/管状要素または本体内で摺動可能に受けられる1つもしくはそれ以上のアームの形態をとる。細長い部材28は、略円筒状であってよい。
アクチュエータ26は、自動注射器20の中心軸A−Aの方向における本体11に対する突出部27の直線運動により、それに応じて突出部27に対して固定された細長い部材28が動くように構成される。突出部27と細長い部材28は、一体的に形成される。一代替実施形態(図示せず)では、突出部は、細長い部材に付着される。
アクチュエータ26が第1の位置(図2に示される)にあるとき、突出部27は、自動注射器20の近位端Pの近くに設置され、したがって、アクチュエータ26の細長い部材28は本体11の開いた遠位端11Aへと引き込まれる。
キャップ21は、最初は、針17がニードルシールド22内に完全に受けられ(図2に示す)、アクチュエータ26が第1の位置にあるように、本体11に取り付けられる。したがって、針17は、針17を滅菌状態に保ち、針17が患者の負傷を引き起こすのを防止するために、ニードルシールド22によって覆われる。そのうえ、細長い部材28は、外側キャップ23の肩部25Bに当接する。一実施形態では、細長い部材28は、簡単なやり方で解放される圧力嵌め連結または形態嵌め連結によって、肩部25Bと係合する。
薬剤を注射するために、キャップ21は、最初に、本体11から取り外される。本体11からのキャップ21の取り外しは、患者が、自動注射器20の遠位端Dに向かって(図2における矢印「F」の方向に)本体11に対して突出部27を付勢するようにアクチュエータ26の突出部27に対して力を及ぼすことによって達成される。これによって、細長い部材28がキャップ21に対して付勢され、したがって、細長い部材28およびキャップ21は、本体11の開いた遠位端11Aから付勢される。より具体的には、細長い部材28が、突出部27と同じ方向に直線的に動き、したがって、細長い部材28は、外側キャップ23の肩部25Bに対して付勢され、外側キャップ23を本体11の開いた遠位端11Aから付勢する力を外側キャップ23に対して及ぼす。したがって、外側キャップ23に対して固定されたニードルシールド22は、ニードルシールド22が針17から離れるように動くように、本体11の開いた遠位端11Aから付勢される。しかしながら、代替実施形態(図示せず)では、細長い部材28は、代わりに、キャップ21を本体11の開いた遠位端11Aから離れるように動かすために、キャップ21の別の部材、たとえばニードルシールド22またはスリーブ25の管状端部部分25Aに対して付勢されることを理解されたい。
患者は、アクチュエータ26が第2の位置に到達する(図3および図4に示される)まで、突出部27に対して力を引き続き及ぼし、突出部27は、第1の位置よりも自動注射器20の遠位端Dの近くに設置され、ニードルシールド22は針17から分離される。アクチュエータ26が第2の位置にあるとき、キャップ21が本体11から取り外され、外側キャップ23の管状部分25Aは、細長い部材28上に受けられる。したがって、キャップ21は、単に外側キャップ23を細長い部材28から離れるように引っ張るだけで針17へのアクセスを提供するように容易に取り外される。アクチュエータが第2の位置にあるときのキャップ21と細長い部材28との間の摩擦は、アクチュエータが第1の位置にあるときのキャップ21と本体11と針17との間の摩擦よりも小さい。そのような一実施形態では、アクチュエータ26が第2の位置にあるときに細長い部材28からキャップ21を取り外すためよりも、アクチュエータ26が第1の位置にあるときに本体11からキャップ21を取り外すために必要とされるための方が、必要とされる力は小さい。
場合により、キャップ21は、クリップ(図示せず)によって細長い部材28上に保たれる。したがって、ニードルシールド22が針17から分離された後、使用者は、細長い部材28からキャップ21のクリップを外して(unclip)、針17へのアクセスを提供する。
キャップ21が本体11および細長い部材28から取り外された状態で、細長い部材28は、患者の注射部位に押し付けられる。次いで、投薬ボタン13は、投薬機構(図示せず)に、針17を注射部位に向かって動かし、注射部位に薬剤を投薬するために押される。一代替実施形態(図示せず)では、投薬機構は、細長い部材が注射部位に押し付けられるとき、注射部位に向かっての針の動きおよび/または薬剤の投薬が自動的に行われるように構成される。さらに別の実施形態では、キャップが細長い部材から取り外された後、使用者は、次いで、アクチュエータを第1の位置まで後ろに摺動させ、したがって、細長い部材は、本体の開いた遠位端へと引き込まれる。次いで、本体の開いた遠位端が患者の注射部位に押し付けられ、次いで、針が、注射部位に薬剤を投薬するために注射部位に向かって動かされる。
アクチュエータ26を第2の位置に向かって動かすために突出部27が摺動されるとき本体11の開いた遠位端11Aから延びる細長い部材28の一部は、ニードルスリーブ30を含む。ニードルスリーブ30は、針17を遮蔽するための伸長位置と、針17がニードルスリーブ30の端部を越えて軸方向に延びる後退位置との間で、本体11に対して可動である。針17は、キャップ21が本体11から取り外されたとき、本体11の開いた遠位端11Aを越えて延びる。薬剤を注射するために、ニードルスリーブ30の遠位端が患者の注射部位に押し付けられ、これによって、ニードルスリーブ30が伸長位置から後退位置に動き、したがって、針17が注射部位に入る。一実施形態では、ニードルスリーブ30は、ニードルスリーブ30が伸長位置にあるとき、針17の長手方向軸のまわりに完全に延びる。一代替実施形態では、ニードルスリーブ30は、ニードルスリーブ30が伸長位置にあるとき、針17の長手方向軸のまわりに部分的に延びる。
本体11からキャップ21を取り外すための本体11に対する突出部27の摺動運動は、特に使用者が高齢者または虚弱である場合、キャップが本体から離れるように手動で引っ張られることを必要とする注射デバイスと比較して、使用者が実行しやすい。さらに、アクチュエータ26は、針17からのニードルシールド22の滑らかで制御された分離を可能にする。
アクチュエータ26は、ニードルシールド22が針17を覆っており、注射の前に取り外されなければならないことを患者に示すために、アクチュエータ26が第1の位置にあるとき本体11内のアパーチャ11Bを通して検査される視覚的インジケータを含むことができる。一実施形態では、細長い部材28の第1の部材28Aは、アクチュエータ26が第1の位置にあるときアパーチャ11Bを通して視認可能であり、細長い部材28の第2の部材28Bは、アクチュエータ26が第2の位置にあるときアパーチャ11Bを通して視認可能である。細長い部材28の第1および第2の部材28A、28Bは、異なる性質を有する、たとえば、目に見えて異なる、または異なるテクスチャを有する。たとえば、細長い部材28の第1および第2の部材28A、28Bは、異なる色とすることができる、異なる記号もしくは図がその上に付けられている、または異なるテキストもしくは点字を含むことができる。アクチュエータ26の位置に応じて、細長い部材28の第1または第2の部材28A、28Bのうちの1つは、視認可能である、および/または本体11内のアパーチャ11Bを通して検査される。
例示的な一実施形態(図示せず)では、注射デバイス20は、意図的でない本体11に対するアクチュエータ26の動きを防止するように構成されたアクチュエータロック(図示せず)を含む。そのような一実施形態では(図示せず)、アクチュエータロックは、アクチュエータ26が本体11に対して第1の位置に保持されるロック状態から、本体11からキャップ21を取り外すためにアクチュエータ26が第1の位置から第2の位置に可動であるロック解除状態に可動である。アクチュエータロックは、アクチュエータ26と係合するロック部材(図示せず)を含むことができる。ロック部材は、たとえば、アクチュエータ26を本体11に対して所定の位置に保持するためにアクチュエータ26と係合するラッチまたは可動ピンを含むことができる。一実施形態では、アクチュエータロックは、アクチュエータ26を本体11に対して所定の位置に保持するための電子的に作動されるラッチを含む。
アパーチャ11Bは、本体11内のスロット11Bの形態をとる。自動注射器20の中心軸A−Aの方向におけるスロット11Bの長さは、本体11に対する突出部27の動きの範囲を制限する。これは、スロット11Bが、第1および第2の止め具29A、29Bを形成する第1および第2の端29A、29Bを含むからである。突出部27が第1の位置にあるとき、突出部27はスロット11Bの第1の端部29Aに当接し、突出部27が第2の位置にあるとき、突出部27はスロット11Bの第2の端部29Bに当接する。
本体11からキャップ21を取り外すために、使用者は、さらに、本体11からキャップ21を引っ張ることができる。たとえば、使用者は、指を指グリップ部分24の指穴24Aへと挿入し、および/または指グリップ部分24のフランジ付部分24Bを把持して、本体11の開いた遠位端11Aから離れるように外側キャップ23を引っ張る。これは、突出部27が本体11の開いた遠位端11Aに向かって摺動されると同時に、またはその後で、実行される。
上記で説明された実施形態では、細長い部材28は、アクチュエータ26が自動注射器20の遠位端Dに向かって摺動されるとき、本体11の開いた遠位端11Aから延びる。したがって、細長い部材28は、患者の注射部位に押し付けられる。しかしながら、一代替実施形態(図示せず)では、細長い部材は、突出部が本体の開いた遠位端に向かって摺動されるとき、本体の前記開いた遠位端に向かって付勢されるが、前記開いた遠位端から延びない。たとえば、細長い部材は、代わりに、突出部が本体の開いた遠位端に対して摺動されるとき、スリーブの肩部の代わりにスリーブの管状端部部分に対して付勢される。そのような代替実施形態では、本体の開いた遠位端は、薬剤が投薬される前に注射部位に押し付けられる。
上記で説明された実施形態では、針は、針が注射部位に対して動かされるように、投薬機構によって本体に対して動かされる。しかしながら、代替実施形態(図示せず)では、針は、本体に対して動かないままである。一代替実施形態(図示せず)では、ニードルシールドが取り外され、本体の開いた遠位端が注射部位に押し付けられると、細長い部材は、本体の開いた遠位端へと引き込み可能である。針は、本体の開いた遠位端から突き出し、したがって、注射部位に貫入する。
上記で説明された実施形態では、アクチュエータ26が第1の位置から第2の位置に動かされると、ニードルシールド22は針17から分離されるが、キャップ21は、依然として細長い部材28上に保たれる。次いで、キャップ21が、使用者によって細長い部材28から取り外される。しかしながら、一代替実施形態(図示せず)では、アクチュエータは、アクチュエータが第1の位置から第2の位置に動かされるとキャップが本体および細長い部材から完全に取り外されるように構成される。そのような一実施形態では、細長い部材は、アクチュエータが第1の位置から第2の位置に動かされるとき、ニードルシールドおよび/または外側キャップのスリーブの管状端部部分に対して付勢される。ニードルシールドは、ニードルシールドおよび外側キャップのうちの一方が細長い部材によって本体から離れるように付勢される場合、ニードルシールドおよび外側キャップのうちの他方も本体から離れるように付勢されるように、外側キャップに固定的に固着される。
上記で説明された実施形態では、ニードルシールド22は、外側キャップ23に対して固定される。しかしながら、一代替実施形態(図示せず)では、ニードルシールド22は、外側キャップ23に対して中心軸A−Aの方向に可動である。たとえば、ニードルシールド22は、外側キャップ23内に摺動可能に受けられる。そのような一実施形態では、細長い部材28は、アクチュエータ26が第1の位置から第2の位置に動かされるとき、ニードルシールド22に対して付勢され、したがって、ニードルシールド22は、エンドキャップ23に対して摺動され、針17から離れるように動く。次いで、キャップ21が、患者によって本体11から取り外される。
上記で説明された実施形態では、自動注射器20は1つの突出部27を含むが、代替実施形態(図示せず)では、自動注射器は複数の突出部を含み、使用者は、本体からキャップを取り外すために、本体に対して突出部のうちの1つまたはそれ以上を摺動させる。そのような一実施形態では、自動注射器は本体内に複数のアパーチャを含み、各突出部は、それぞれのアパーチャ内に摺動可能に受けられる。各突出部は、単一の細長い部材から延びる。代替的に、自動注射器は、複数の細長い部材を含み、各突出部は、対応する細長い部材から延びる。
上記で説明された実施形態では、グリップ部分27は、突出部27の形態をとる。しかしながら、代替実施形態(図示せず)では、グリップ部分は、代わりに、細長い部材内の溝または凹部の形態をとる。溝または凹部は、本体内のアパーチャを通してアクセス可能である。したがって、使用者は、ニードルシールドが本体から離れるように付勢されるように、本体に対してアクチュエータを摺動させるために、指または指の爪を溝または凹部に挿入して、細長い部材に対して力を及ぼす。
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、1つまたはそれ以上の薬学的に活性な化合物を説明するために本明細書において使用される。以下に説明されるように、薬物または薬剤は、1つまたはそれ以上の疾患を処置するための、さまざまなタイプの製剤の少なくとも1つの低分子もしくは高分子、またはその組み合わせを含むことができる。例示的な薬学的に活性な化合物は、低分子;ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえばホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素);炭水化物および多糖類;ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(裸およびcDNAを含む)、RNA、アンチセンスDNAおよびRNAなどのアンチセンス核酸、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドを含むことができる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに組み込むことができる。これらの薬物の1つまたはそれ以上の混合物もまた、企図される。
用語「薬物送達デバイス」は、薬物をヒトまたは動物の体内に投薬するように構成されたあらゆるタイプのデバイスまたはシステムを包含するものである。限定されることなく、薬物送達デバイスは、注射デバイス(たとえばシリンジ、ペン型注射器、自動注射器、大容量デバイス、ポンプ、かん流システム、または眼内、皮下、筋肉内、もしくは血管内送達にあわせて構成された他のデバイス)、皮膚パッチ(たとえば、浸透圧性、化学的、マイクロニードル)、吸入器(たとえば鼻用または肺用)、埋め込み(たとえば、コーティングされたステント、カプセル)、または胃腸管用の供給システムとすることができる。ここに説明される薬物は、針、たとえば小ゲージ針を含む注射デバイスで特に有用であることができる。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスで使用するように適用された主要パッケージまたは「薬物容器」内に含むことができる。薬物容器は、たとえば、カートリッジ、シリンジ、リザーバ、または1つまたはそれ以上の薬学的に活性な化合物の保存(たとえば短期または長期保存)に適したチャンバを提供するように構成された他の容器とすることができる。たとえば、一部の場合、チャンバは、少なくとも1日(たとえば1日から少なくとも30日まで)の間薬物を保存するように設計することができる。一部の場合、チャンバは、約1カ月から約2年の間薬物を保存するように設計することができる。保存は、室温(たとえば約20℃)または冷蔵温度(たとえば約−4℃から約4℃まで)で行うことができる。一部の場合、薬物容器は、薬物製剤の2つまたはそれ以上の成分(たとえば薬物および希釈剤、または2つの異なるタイプの薬物)を別々に、各チャンバに1つずつ保存するように構成された二重チャンバカートリッジとすることができ、またはこれを含むことができる。そのような場合、二重チャンバカートリッジの2つのチャンバは、ヒトまたは動物の体内に投薬する前、および/または投薬中に薬物または薬剤の2つまたはそれ以上の成分間で混合することを可能にするように構成することができる。たとえば、2つのチャンバは、これらが(たとえば2つのチャンバ間の導管によって)互いに流体連通し、所望の場合、投薬の前にユーザによって2つの成分を混合することを可能にするように構成することができる。代替的に、またはこれに加えて、2つのチャンバは、成分がヒトまたは動物の体内に投薬されているときに混合することを可能にするように構成することができる。
本明細書において説明される薬物送達デバイスおよび薬物は、数多くの異なるタイプの障害の処置および/または予防に使用することができる。例示的な障害は、たとえば、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病に伴う合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症を含む。さらなる例示的な障害は、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチである。
糖尿病または糖尿病に伴う合併症の処置および/または予防のための例示的な薬物は、インスリン、たとえばヒトインスリン、またはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、GLP−1類似体もしくはGLP−1受容体アゴニスト、またはその類似体もしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)阻害剤、または薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、またはそれらの任意の混合物を含む。本明細書において使用される用語「誘導体」は、元の物質と構造的に十分同様のものであり、それによって同様の機能または活性(たとえば治療効果性)を有することができる任意の物質を指す。
例示的なインスリン類似体は、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
例示的なインスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。例示的なGLP−1、GLP−1類似体およびGLP−1受容体アゴニストは、たとえば:リキシセナチド(Lixisenatide)/AVE0010/ZP10/リキスミア(Lyxumia)、エキセナチド(Exenatide)/エクセンディン−4(Exendin−4)/バイエッタ(Byetta)/ビデュリオン(Bydureon)/ITCA650/AC−2993(アメリカドクトカゲの唾液腺によって産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(Liraglutide)/ビクトザ(Victoza)、セマグルチド(Semaglutide)、タスポグルチド(Taspoglutide)、シンクリア(Syncria)/アルビグルチド(Albiglutide)、デュラグルチド(Dulaglutide)、rエクセンディン−4、CJC−1134−PC、PB−1023、TTP−054、ラングレナチド(Langlenatide)/HM−11260C、CM−3、GLP−1エリゲン、ORMD−0901、NN−9924、NN−9926、NN−9927、ノデキセン(Nodexen)、ビアドール(Viador)−GLP−1、CVX−096、ZYOG−1、ZYD−1、GSK−2374697、DA−3091、MAR−701、MAR709、ZP−2929、ZP−3022、TT−401、BHM−034、MOD−6030、CAM−2036、DA−15864、ARI−2651、ARI−2255、エキセナチド(Exenatide)−XTENおよびグルカゴン−Xtenである。
例示的なオリゴヌクレオチドは、たとえば:家族性高コレステロール血症の処置のためのコレステロール低下アンチセンス治療薬である、ミポメルセン(mipomersen)/キナムロ(Kynamro)である。
例示的なDPP4阻害剤は、ビルダグリプチン(Vildagliptin)、シタグリプチン(Sitagliptin)、デナグリプチン(Denagliptin)、サキサグリプチン(Saxagliptin)、ベルベリン(Berberine)である。
例示的なホルモンは、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンなどの、脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストを含む。
例示的な多糖類は、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩を含む。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。ヒアルロン酸誘導体の例としては、HylanG−F20/Synvisc、ヒアルロン酸ナトリウムがある。
本明細書において使用する用語「抗体」は、免疫グロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。免疫グロブリン分子の抗原結合部分の例は、抗原を結合する能力を保持するF(ab)およびF(ab’)フラグメントを含む。抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、組換え型、キメラ型、非免疫型またはヒト化、完全ヒト型、非ヒト型(たとえばマウス)、または一本鎖抗体とすることができる。いくつかの実施形態では、抗体はエフェクター機能を有し、補体を固定することができる。いくつかの実施形態では、抗体は、Fc受容体と結合する能力が低く、または結合することはできない。たとえば、抗体は、アイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは変異体とすることができ、Fc受容体との結合を支持せず、たとえば、これは、突然変異したまたは欠失したFc受容体結合領域を有する。
用語「フラグメント」または「抗体フラグメント」は、全長抗体ポリペプチドを含まないが、抗原と結合することができる全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を依然として含む、抗体ポリペプチド分子(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)由来のポリペプチドを指す。抗体フラグメントは、全長抗体ポリペププチドの切断された部分を含むことができるが、この用語はそのような切断されたフラグメントに限定されない。本発明に有用である抗体フラグメントは、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、直鎖抗体、二重特異性、三重特異性、および多重特異性抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)などの単一特異性または多重特異性抗体フラグメント、ミニボディ、キレート組換え抗体、トリボディまたはバイボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュラー免疫薬(SMIP)、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体を含む。抗原結合抗体フラグメントのさらなる例は、当技術分野で知られている。
用語「相補性決定領域」または「CDR」は、特異的抗原認識を仲介する役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。用語「フレームワーク領域」は、CDR配列ではなく、CDR配列の正しい位置決めを維持して抗原結合を可能にする役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、通常、当技術分野で知られているように、抗原結合に直接的に関与しないが、特定の抗体のフレームワーク領域内の特定の残基が、抗原結合に直接的に関与することができ、またはCDR内の1つまたはそれ以上のアミノ酸が抗原と相互作用する能力に影響を与えることができる。
例示的な抗体は、アンチPCSK−9mAb(たとえばアリロクマブ(Alirocumab))、アンチIL−6mAb(たとえばサリルマブ(Sarilumab))、およびアンチIL−4mAb(たとえばデュピルマブ(Dupilumab))である。
本明細書において説明される化合物は、(a)化合物または薬学的に許容されるその塩、および(b)薬学的に許容される担体を含む医薬製剤において使用することができる。化合物はまた、1つまたはそれ以上の他の医薬品有効成分を含む医薬製剤、または存在する化合物またはその薬学的に許容される塩が唯一の有効成分である医薬製剤において使用することもできる。したがって、本開示の医薬製剤は、本明細書において説明される化合物および薬学的に許容される担体を混合することによって作られる任意の製剤を包含する。
本明細書において説明される任意の薬物の薬学的に許容される塩もまた、薬物送達デバイスにおける使用に企図される。薬学的に許容される塩は、たとえば酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩は、たとえば、HClまたはHBr塩である。塩基性塩は、たとえば、アルカリもしくはアルカリ土類金属、たとえばNa+、もしくはK+、もしくはCa2+、またはアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1からR4は互いに独立して:水素、場合により置換されたC1〜C6−アルキル基、場合により置換されたC2〜C6−アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10−アリル基、または場合により置換されたC6〜C10−ヘテロアリール基を意味する)から選択されるカチオンを有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、当業者に知られている。
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物またはメタノラート(methanolate)またはエタノラート(ethanolate)などのアルカノラート(alkanolate)である。
当業者は、本明細書に記載の物質、配合物、装置、方法、システム、および実施形態のさまざまな構成要素の修正(追加および/または除去)が、そのような修正およびそのあらゆる均等物を包含する本発明の全範囲および趣旨から逸脱することなく、なされることを理解するであろう。

Claims (13)

  1. 注射デバイスであって:
    一端に針を有するシリンジを保持するための本体と;
    該本体に取り外し可能に取り付けられるキャップであって、前記針を受けるためのニードルシールドを有するキャップと;
    ニードルシールドを本体から離れるように付勢するように本体の長手方向に本体に対して摺動可能なアクチュエータと
    を含み、
    ここで、アクチュエータが本体に対して摺動され、ニードルシールドを本体から離れるように付勢するとき、アクチュエータの少なくとも一部は本体から延び、アクチュエータの前記一部は、シリンジが本体内で保持されているとき前記針を遮蔽するための伸長位置と、前記針がニードルスリーブの端を越えて軸方向に延びる後退位置との間で本体に対して可動なニードルスリーブを含み、アクチュエータは、該アクチュエータが本体に対して摺動され、ニードルシールドを本体から離れるように付勢するとき、ニードルスリーブが伸長位置に動くように構成される前記注射デバイス。
  2. 注射デバイスは、アクチュエータが本体の長手方向に本体に対して所定の位置に保持されるロック状態と、アクチュエータが本体の長手方向に本体に対して可動であるロック解除状態との間で可動であるアクチュエータロックを含む、請求項1に記載の注射デバイス。
  3. アクチュエータはグリップ部分を含む、請求項1または2に記載の注射デバイス。
  4. 本体は、グリップ部分へのアクセスを提供するためのアパーチャを含む、請求項3に記載の注射デバイス。
  5. グリップ部分は、突出部がアパーチャ内で摺動可能であるように、アパーチャへと延びる突出部を含む、請求項4に記載の注射デバイス。
  6. アパーチャは、該アパーチャ内での突出部の摺動運動の範囲を制限するように配置される、請求項5に記載の注射デバイス。
  7. アクチュエータは、該アクチュエータの第1の部分が本体内のアパーチャを通して検査される第1の位置と、アクチュエータの第2の部分が本体内のアパーチャを通して検査される第2の位置との間で本体に対して摺動可能であり、アクチュエータの第1および第2の部分は異なる視覚的性質を有する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  8. キャップは肩部を含み、アクチュエータは、肩部に対して付勢され、ニードルシールドを本体から離れるように付勢するように構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  9. キャップは、該キャップが本体から離れるように引っ張られるのを容易にするために使用者が把持するように構成された指穴および/または少なくとも1つのフランジ付部分を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  10. 一端に針を有し本体内で受けられるシリンジを含み、キャップが本体に取り付けられるとき、ニードルシールドはシリンジと摩擦係合する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  11. シリンジは薬剤を含む、請求項10に記載の注射デバイス。
  12. 注射デバイスは自動注射器である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  13. キャップを注射デバイスの本体から取り外す方法であって、本体は、一端に針を有するシリンジを保持し、キャップは、本体に取り外し可能に取り付けられ、針を受けるためのニードルシールドを有し:
    アクチュエータの少なくとも一部が本体から延びてニードルシールドを本体から離れるように付勢するように、本体の長手方向に本体に対してアクチュエータを摺動させることを含み、
    ここで、アクチュエータの前記一部は、前記針を遮蔽するための伸長位置と、前記針がニードルスリーブの端部を越えて軸方向に延びる後退位置との間で本体に対して可動なニードルスリーブを含み、本体に対してアクチュエータを摺動させ、ニードルシールドを本体から離れるように付勢することによって、ニードルスリーブが伸長位置に動く、前記方法。
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