JP6996241B2 - 化合物半導体装置及びその製造方法、電源装置、高周波増幅器 - Google Patents
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Description
特に、GaN、AlN、InNやこれらの混晶に代表される窒化物半導体からなる化合物半導体装置は、その優れた材料特性から高出力電子デバイスや短波長発光デバイスとして非常に注目を浴びている。
そこで、オフリーク電流の増加を抑制するために、図13に示すように、バックバリア層を有するGaN-HEMTが提案されている。
本発明は、オフリーク電流の増加、相互コンダクタンスの低下及びオン抵抗の増加を抑制することを目的とする。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかる化合物半導体装置及びその製造方法について、図1、図2を参照しながら説明する。
ここでは、窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタ、具体的には、GaN系HEMT(GaN-HEMT)を例に挙げて説明する。
本実施形態のGaN-HEMTは、図1に示すように、半絶縁性SiC基板1上に、i-GaN電子走行層2を含む半導体積層構造3、具体的には、i-GaN電子走行層2、i-AlGaN電子供給層4を含む半導体積層構造3を備える。なお、図1では2DEGを点線で示している。
また、本GaN-HEMTは、半導体積層構造3上に設けられたソース電極5及びドレイン電極6を備える。つまり、ソース電極5及びドレイン電極6は半導体積層構造3上に互いに離れて設けられている。
また、本GaN-HEMTは、ショットキーゲート電極7とドレイン電極6の間の半導体積層構造3上に絶縁膜8、金属層9を積層させてなるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造10を備える。
つまり、ショットキーゲート電極7とドレイン電極6の間の半導体積層構造3上に、絶縁膜8としてのSiN膜を介して、ショットキーゲート電極7を構成する金属材料と同一の金属材料からなる金属層9が設けられている。
そして、ショットキーゲート電極7と金属層9は電気的に接続されており、同電位になっている。つまり、異なる構成を有するショットキーゲート電極7とMIS構造のゲート電極9が直列に接続されている。このように、本GaN-HEMTは、同電位のデュアルゲートを有するGaN-HEMTである。
また、本GaN-HEMTは、MIS構造10を構成する金属層9の下方に設けられ、伝導帯の底のエネルギーがi-GaN電子走行層2に沿う方向の両側に隣接する領域よりも高くなっているi-AlGaNバックバリア領域11を備える。
また、本実施形態では、i-AlGaNバックバリア領域11は、ショットキーゲート電極7の下方には設けられておらず、MIS構造10を構成する金属層9の下方にのみ設けられている。つまり、i-AlGaNバックバリア領域11は、ショットキーゲート電極7の下方には設けられておらず、MIS構造のゲート電極9の下方には設けられている。
なお、i-AlGaNバックバリア領域11の下側部分に連なるように薄いi-AlGaN層があっても良い。この場合も、i-AlGaNバックバリア領域11は、伝導帯の底のエネルギーがi-GaN電子走行層2に沿う方向の両側に隣接する領域(ここではi-GaN電子走行層2)よりも高くなる。
つまり、上述のように、ショットキーゲート電極7とMIS構造10(MIS構造のゲート電極9)を設け、これらを同電位とし、寄生抵抗・チャネル抵抗低減のため、バックバリア領域11を必要最低限の場所、即ち、MIS構造10を構成する金属層(MIS構造のゲート電極)9の直下にのみ設けている。
また、ショットキーゲート電極7のオフ時には、MIS構造のゲート電極9の直下に設けられたバックバリア領域11でしっかりとピンチオフされるため、オフ電流(オフ時のリーク電流)も充分低減させることが可能となる。
次に、本実施形態にかかるGaN-HEMTの製造方法について、図2を参照しながら説明する。
まず、図2(A)に示すように、半絶縁性SiC基板1上に、例えば有機金属気相成長(MOVPE;Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて、i-GaNバッファ層12、バックバリア領域11となるi-AlGaN層11Xを順次堆積させる。
これにより、i-AlGaNバックバリア領域11が形成される。
なお、この際、下地のi-GaN層12を少し削っても良いし、i-AlGaN層11Xを少し残しても良い。
なお、i-AlGaN電子供給層4上にi-GaNキャップ層(例えば厚さ約5nm)を堆積させても良い。
これにより、i-GaN電子走行層2でi-AlGaNバックバリア領域11が埋め込まれて、内部にi-AlGaNバックバリア領域11を有するi-GaN電子走行層2が形成され、その上にi-AlGaN電子供給層4が積層されて、半導体積層構造3が形成される。
なお、ここまでの工程を、キャリア走行層2を含む半導体積層構造3を形成する工程という。
なお、i-GaNキャップ層を堆積させた場合には、例えばフォトリソグラフィを用いて、ソース電極・ドレイン電極形成予定領域に開口部を有するレジストマスクを設け、例えば塩素系ガスを用いたドライエッチングによって、i-AlGaN電子供給層4を露出させる。この際、i-AlGaN電子供給層4を少し削っても良い。
なお、この工程を、半導体積層構造3上にソース電極5及びドレイン電極6を形成する工程という。
次に、図2(D)に示すように、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、全面にSiNを約2nmから約1000nmの間、例えば約100nm堆積させてSiN膜(絶縁膜)8を形成する。
なお、形成方法は、ALD(Atomic Layer Deposition)法やスパッタ法などでも良い。また、この工程を、半導体積層構造3上に絶縁膜8を形成する工程という。
次に、図2(D)に示すように、例えばフォトリソグラフィを用いて、ショットキーゲート電極形成予定領域に開口部を有するレジストマスク(図示せず)を形成し、例えば弗素系ガスを用いたドライエッチングによって、ショットキーゲート電極形成予定領域のSiN膜8を除去する。
なお、この工程を、ソース電極5とドレイン電極6の間の半導体積層構造3上にショットキーゲート電極7を形成する工程という。また、この工程を、絶縁膜8上に金属層9を積層させてショットキーゲート電極7とドレイン電極6の間にMIS構造10を形成する工程という。
したがって、本実施形態にかかる化合物半導体装置及びその製造方法は、オフリーク電流の増加、相互コンダクタンスの低下及びオン抵抗の増加を抑制することができるという効果を有する。
特に、上述のように、GaN-HEMTにおいて、バックバリア領域11を必要最低限の場所(MIS構造10を構成する金属層9の直下)にのみ配置することによって、低いオン抵抗、良好なピンチオフ性能、高い相互コンダクタンスを満たすGaN-HEMTデバイスの実現が可能となる。このトランジスタは、例えば高周波増幅器やスイッチング半導体素子に用いることができる。
また、例えば、上述の実施形態では、SiC基板を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、サファイア基板、Si基板、GaAs基板などの半導体基板等の他の基板を用いても良い。また、上述の実施形態では、半絶縁性の基板を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、n型導電性やp型導電性の導電性の基板を用いても良い。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる化合物半導体装置及びその製造方法について、図3、図4を参照しながら説明する。
つまり、本GaN-HEMTは、図3に示すように、ショットキーゲート電極7のドレイン電極6側の部分7Xが、絶縁膜8(ここではSiN膜)上に設けられており、かつ、ドレイン電極6の側へ向けて延びている。
なお、図3ではバッファ層12を備える場合を例示しているが、バッファ層12を備えないものとしても良い。
次に、本実施形態にかかるGaN-HEMTの製造方法について、図4を参照しながら説明する。
まず、図4(A)に示すように、上述の第1実施形態の場合と同様に、半絶縁性SiC基板1上に、例えばMOVPE法を用いて、i-GaNバッファ層12、バックバリア領域11となるi-AlGaN層11Xを順次堆積させる。
これにより、i-AlGaNバックバリア領域11が形成される。
これにより、i-GaN電子走行層2でi-AlGaNバックバリア領域11が埋め込まれて、内部にi-AlGaNバックバリア領域11を有するi-GaN電子走行層2が形成され、その上にi-AlGaN電子供給層4が積層されて、半導体積層構造3が形成される。
なお、ここまでの工程を、キャリア走行層2を含む半導体積層構造3を形成する工程という。
次に、図4(D)に示すように、上述の第1実施形態の場合と同様に、例えばフォトリソグラフィ及び蒸着・リフトオフの技術を用いて、ソース電極・ドレイン電極形成予定領域のそれぞれのi-AlGaN電子供給層4上に、例えばTi(約20nm)/Al(約200nm)からなるソース電極5及びドレイン電極6を形成する。
なお、この工程を、半導体積層構造3上にソース電極5及びドレイン電極6を形成する工程という。
次に、図4(D)に示すように、上述の第1実施形態の場合と同様に、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、全面にSiNを約2nmから約1000nmの間、例えば約100nm堆積させてSiN膜(絶縁膜)8を形成する。
なお、この工程を、半導体積層構造3上に絶縁膜8を形成する工程という。
次に、図4(D)に示すように、上述の第1実施形態の場合と同様に、例えばフォトリソグラフィを用いて、ショットキーゲート電極形成予定領域に開口部を有するレジストマスク(図示せず)を形成し、例えば弗素系ガスを用いたドライエッチングによって、ショットキーゲート電極形成予定領域のSiN膜8を除去する。
このようにして、本実施形態にかかるGaN-HEMTを製造することができる。
特に、上述のように、GaN-HEMTにおいて、バックバリア領域11を必要最低限の場所(MIS構造10を構成する金属層9の直下)にのみ配置することによって、低いオン抵抗、良好なピンチオフ性能、高い相互コンダクタンスを満たすGaN-HEMTデバイスの実現が可能となる。このトランジスタは、例えば高周波増幅器やスイッチング半導体素子に用いることができる。
また、例えば、上述の実施形態では、SiC基板を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、サファイア基板、Si基板、GaAs基板などの半導体基板等の他の基板を用いても良い。また、上述の実施形態では、半絶縁性の基板を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、n型導電性やp型導電性の導電性の基板を用いても良い。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態にかかる化合物半導体装置及びその製造方法について、図5、図6を参照しながら説明する。
つまり、本GaN-HEMTは、図5に示すように、バックバリア領域11がi-InGaN(InGaN)からなる。つまり、本GaN-HEMTは、i-InGaNバックバリア領域(InGaNバックバリア領域)11を備える。
なお、その他の構成及び製造方法については、上述の第1実施形態の場合と同様である。
したがって、本実施形態にかかる化合物半導体装置及びその製造方法は、オフリーク電流の増加、相互コンダクタンスの低下及びオン抵抗の増加を抑制することができるという効果を有する。
例えば、電子走行層(キャリア走行層)2がGaNからなり、バックバリア領域11が、AlGaN(i-AlGaN)、InGaN(i-InGaN)、AlN(i-AlN)、p-GaN、p-AlGaN又はこれらの積層構造からなるものとすれば良い。例えば、図6に示すように、バックバリア領域11が、p-GaNからなるものとしても良い。つまり、p-GaNバックバリア領域11を備えるものとしても良い。
また、本実施形態は、上述の第1実施形態の変形例として説明しているが、これに限られるものではなく、上述の第2実施形態の構成において、本実施形態及びその変形例のように、バックバリア領域11を構成する材料を変えても良い。
また、例えば、上述の実施形態及びその変形例では、SiC基板を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、サファイア基板、Si基板、GaAs基板などの半導体基板等の他の基板を用いても良い。また、上述の実施形態及びその変形例では、半絶縁性の基板を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、n型導電性やp型導電性の導電性の基板を用いても良い。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態にかかる化合物半導体装置及びその製造方法について、図7、図8を参照しながら説明する。
つまり、本化合物半導体装置は、InGaN-HEMTであり、図7に示すように、i-GaNバッファ層12、i-InGaN電子走行層(キャリア走行層)2、i-AlGaN電子供給層(キャリア供給層)4を含む半導体積層構造3を備え、i-GaNバッファ層12内にi-AlGaNバックバリア領域11が埋め込まれている。
この場合、本化合物半導体装置の製造方法の半導体積層構造を形成する工程において、i-InGaN電子走行層(キャリア走行層)2の下側にi-GaNバッファ層(GaN層)12を形成するとともに、i-GaNバッファ層12内に埋め込まれるようにバックバリア領域11を形成し、バックバリア領域11を、AlGaNからなるものとすれば良い。
次に、図8(B)に示すように、上述の第1実施形態の場合と同様に、例えばフォトリソグラフィを用いて、バックバリア領域形成予定領域(MIS構造形成予定領域の下方の領域)にレジストを残し、例えば塩素系ガスを用いたドライエッチングによって、i-AlGaN層11Xを除去する。
次に、図8(C)に示すように、再び、MOVPE法を用いて、i-GaNバッファ層12の上側部分12B、i-InGaN電子走行層2、i-AlGaN電子供給層4(例えば厚さ約20nm)を順次堆積させる。
これにより、i-GaNバッファ層12でi-AlGaNバックバリア領域11が埋め込まれて、内部にi-AlGaNバックバリア領域11を有するi-GaNバッファ層12が形成され、その上に、i-InGaN電子走行層2、i-AlGaN電子供給層4が積層されて、半導体積層構造3が形成される。
なお、ここまでの工程を、キャリア走行層2を含む半導体積層構造3を形成する工程という。
次に、図8(D)に示すように、上述の第1実施形態の場合と同様に、例えばフォトリソグラフィ及び蒸着・リフトオフの技術を用いて、ソース電極・ドレイン電極形成予定領域のそれぞれのi-AlGaN電子供給層4上に、例えばTi(約20nm)/Al(約200nm)からなるソース電極5及びドレイン電極6を形成する。
なお、この工程を、半導体積層構造3上にソース電極5及びドレイン電極6を形成する工程という。
次に、図8(D)に示すように、上述の第1実施形態の場合と同様に、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、全面にSiNを約2nmから約1000nmの間、例えば約100nm堆積させてSiN膜(絶縁膜)8を形成する。
なお、この工程を、半導体積層構造3上に絶縁膜8を形成する工程という。
次に、図8(D)に示すように、上述の第1実施形態の場合と同様に、例えばフォトリソグラフィを用いて、ショットキーゲート電極形成予定領域に開口部を有するレジストマスク(図示せず)を形成し、例えば弗素系ガスを用いたドライエッチングによって、ショットキーゲート電極形成予定領域のSiN膜8を除去する。
なお、この工程を、ソース電極5とドレイン電極6の間の半導体積層構造3上にショットキーゲート電極7を形成する工程という。また、この工程を、絶縁膜8上に金属層9を積層させてショットキーゲート電極7とドレイン電極6の間にMIS構造10を形成する工程という。
なお、その他の構成及び製造方法については、上述の第1実施形態の場合と同様である。
したがって、本実施形態にかかる化合物半導体装置及びその製造方法は、オフリーク電流の増加、相互コンダクタンスの低下及びオン抵抗の増加を抑制することができるという効果を有する。
つまり、キャリア走行層2が、InGaN(i-InGaN)からなり、キャリア走行層2の下側にGaN層(i-GaN層)12を備え、バックバリア領域11が、GaN層12内に埋め込まれており、AlGaN(i-AlGaN)、AlN(i-AlN)、p-GaN、p-AlGaN又はこれらの積層構造からなるものとすれば良い。
また、例えば、上述の実施形態及びその変形例では、SiC基板を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、サファイア基板、Si基板、GaAs基板などの半導体基板等の他の基板を用いても良い。また、上述の実施形態及びその変形例では、半絶縁性の基板を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、n型導電性やp型導電性の導電性の基板を用いても良い。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態にかかる化合物半導体装置及びその製造方法、電源装置について、図9、図10を参照しながら説明する。
以下、ディスクリートパッケージを例に挙げて説明する。
そして、ステージ30上に搭載された半導体チップ34のゲートパッド31、ソースパッド32及びドレインパッド33は、それぞれ、ゲートリード37、ソースリード39及びドレインリード38に、Alワイヤ36によって接続されており、これらが樹脂封止されている。
次に、本実施形態にかかる化合物半導体装置(ディスクリートパッケージ)の製造方法について説明する。
次に、例えばAlワイヤ36を用いたボンディングによって、半導体チップ34のゲートパッド31をゲートリード37に接続し、ドレインパッド33をドレインリード38に接続し、ソースパッド32をソースリード39に接続する。
このようにして、化合物半導体装置(ディスクリートパッケージ)を作製することができる。
なお、ここでは、半導体チップ34の各パッド31~33を、ワイヤボンディングのためのボンディングパッドとして用いたディスクリートパッケージを例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、他の半導体パッケージであっても良い。例えば、半導体チップの各パッドを、例えばフリップチップボンディングなどのワイヤレスボンディングのためのボンディングパッドとして用いた半導体パッケージであっても良い。また、ウエハレベルパッケージであっても良い。また、ディスクリートパッケージ以外の半導体パッケージであっても良い。
以下、サーバに用いられる電源装置に備えられるPFC(power factor correction)回路に、上述の半導体パッケージに含まれるHEMTを用いる場合を例に挙げて説明する。
ここでは、本PFC回路は、回路基板上に、ダイオードブリッジ56、チョークコイル52、第1コンデンサ54、上述の半導体パッケージに含まれるトランジスタ51、ダイオード53、及び、第2コンデンサ55が実装されて構成されている。
なお、ここでは、上述の化合物半導体装置(HEMTを含む半導体パッケージ)を、サーバに用いられる電源装置に備えられるPFC回路に用いる場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、上述の化合物半導体装置(HEMTを含む半導体パッケージ)を、サーバ以外のコンピュータなどの電子機器(電子装置)に用いても良い。また、上述の化合物半導体装置(半導体パッケージ)を、電源装置に備えられる他の回路(例えばDC-DCコンバータなど)に用いても良い。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態にかかる高周波増幅器について、図11を参照しながら説明する。
本高周波増幅器は、図11に示すように、ディジタル・プレディストーション回路41と、ミキサー42a,42bと、パワーアンプ43とを備えて構成される。なお、パワーアンプを、単にアンプともいう。
ミキサー42a,42bは、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号をミキシングするものである。
パワーアンプ43は、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅するものであり、上述の各実施形態及び変形例のいずれかの化合物半導体装置、即ち、HEMTを含む半導体チップを備える。なお、半導体チップをHEMTチップ又はトランジスタチップともいう。
したがって、本実施形態にかかる高周波増幅器によれば、上述の各実施形態及び変形例にかかる化合物半導体装置を、パワーアンプ43に適用しているため、信頼性の高い高周波増幅器を実現することができるという利点がある。
[その他]
なお、本発明は、上述した各実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
(付記1)
キャリア走行層を含む半導体積層構造と、
前記半導体積層構造上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に設けられたショットキーゲート電極と、
前記ショットキーゲート電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に絶縁膜、金属層を積層させてなるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造と、
前記MIS構造を構成する前記金属層の下方に設けられ、伝導帯の底のエネルギーが前記キャリア走行層に沿う方向の両側に隣接する領域よりも高くなっているバックバリア領域とを備えることを特徴とする化合物半導体装置。
前記バックバリア領域は、前記キャリア走行層内に埋め込まれていることを特徴とする、付記1に記載の化合物半導体装置。
(付記3)
前記キャリア走行層は、GaNからなり、
前記バックバリア領域は、AlGaN、InGaN、AlN、p-GaN、p-AlGaN又はこれらの積層構造からなることを特徴とする、付記1又は2に記載の化合物半導体装置。
前記キャリア走行層は、InGaNからなり、
前記バックバリア領域は、AlGaN、GaN、AlN、p-GaN、p-AlGaN又はこれらの積層構造からなることを特徴とする、付記1又は2に記載の化合物半導体装置。
前記キャリア走行層は、InGaNからなり、
前記キャリア走行層の下側にGaN層を備え、
前記バックバリア領域は、前記GaN層内に埋め込まれており、AlGaN、AlN、p-GaN、p-AlGaN又はこれらの積層構造からなることを特徴とする、付記1に記載の化合物半導体装置。
前記ショットキーゲート電極と前記金属層は電気的に接続されていることを特徴とする、付記1~5のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
(付記7)
前記ショットキーゲート電極と前記金属層は一体となっていることを特徴とする、付記1~5のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
トランジスタを備え、
前記トランジスタは、
キャリア走行層を含む半導体積層構造と、
前記半導体積層構造上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に設けられたショットキーゲート電極と、
前記ショットキーゲート電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に絶縁膜、金属層を積層させてなるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造と、
前記MIS構造を構成する前記金属層の下方に設けられ、伝導帯の底のエネルギーが前記キャリア走行層に沿う方向の両側に隣接する領域よりも高くなっているバックバリア領域とを備えることを特徴とする電源装置。
入力信号を増幅するアンプを備え、
前記アンプは、トランジスタを含み、
前記トランジスタは、
キャリア走行層を含む半導体積層構造と、
前記半導体積層構造上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に設けられたショットキーゲート電極と、
前記ショットキーゲート電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に絶縁膜、金属層を積層させてなるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造と、
前記MIS構造を構成する前記金属層の下方に設けられ、伝導帯の底のエネルギーが前記キャリア走行層に沿う方向の両側に隣接する領域よりも高くなっているバックバリア領域とを備えることを特徴とする高周波増幅器。
キャリア走行層を含む半導体積層構造を形成する工程と、
前記半導体積層構造上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上にショットキーゲート電極を形成する工程と、
前記半導体積層構造上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に金属層を積層させて前記ショットキーゲート電極と前記ドレイン電極の間にMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造を形成する工程とを含み、
前記半導体積層構造を形成する工程において、伝導帯の底のエネルギーが前記キャリア走行層に沿う方向の両側に隣接する領域よりも高くなっているバックバリア領域を形成し、
前記MIS構造を形成する工程において、前記バックバリア領域の上方に、前記MIS構造を構成する前記金属層を形成することを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
前記ショットキーゲート電極を形成する工程と前記MIS構造を形成する工程を同一工程で行なうことを特徴とする、付記10に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記ショットキーゲート電極と前記金属層を一体形成することを特徴とする、付記11に記載の化合物半導体装置の製造方法。
前記半導体積層構造を形成する工程において、前記キャリア走行層内に埋め込まれるように前記バックバリア領域を形成することを特徴とする、付記10~12のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記14)
前記キャリア走行層は、GaNからなり、
前記バックバリア領域は、AlGaN、InGaN、AlN、p-GaN、p-AlGaN又はこれらの積層構造からなることを特徴とする、付記10~13のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
前記キャリア走行層は、InGaNからなり、
前記バックバリア領域は、AlGaN、GaN、AlN、p-GaN、p-AlGaN又はこれらの積層構造からなることを特徴とする、付記10~13のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
前記キャリア走行層は、InGaNからなり、
前記半導体積層構造を形成する工程において、前記キャリア走行層の下側にGaN層を形成するとともに、前記GaN層内に埋め込まれるように前記バックバリア領域を形成し、
前記バックバリア領域は、AlGaN、AlN、p-GaN、p-AlGaN又はこれらの積層構造からなることを特徴とする、付記10~12のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
2 電子走行層(キャリア走行層;i-GaN電子走行層;i-InGaN電子走行層)
3 半導体積層構造
4 電子供給層(キャリア供給層;i-AlGaN電子供給層)
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 ショットキーゲート電極
7X ショットキーゲート電極のドレイン電極側の部分
8 絶縁膜(SiN膜)
9 金属層
10 MIS構造
11 バックバリア領域(i-AlGaNバックバリア領域;i-InGaNバックバリア領域;p-GaNバックバリア領域)
11X i-AlGaN層
12 バッファ層(i-GaNバッファ層)
12A i-GaNバッファ層の下側部分
12B i-GaNバッファ層の上側部分
30 ステージ
31 ゲートパッド
32 ソースパッド
33 ドレインパッド
34 半導体チップ
35 ダイアタッチ剤
36 ボンディングワイヤ
37 ゲートリード
38 ドレインリード
39 ソースリード
40 封止樹脂
41 ディジタル・プレディストーション回路
42a,42b ミキサー
43 パワーアンプ
51 HEMT
52 チョークコイル
53 ダイオード
54 第1コンデンサ
55 第2コンデンサ
56 ダイオードブリッジ
Claims (10)
- キャリア走行層を含む半導体積層構造と、
前記半導体積層構造上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に設けられたショットキーゲート電極と、
前記ショットキーゲート電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に絶縁膜、金属層を積層させてなるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造と、
前記MIS構造を構成する前記金属層の直下にその全体が収まるように設けられ、伝導帯の底のエネルギーが前記キャリア走行層に沿う方向の両側に隣接する領域よりも高くなっているバックバリア領域とを備えることを特徴とする化合物半導体装置。 - 前記バックバリア領域は、前記キャリア走行層内に埋め込まれていることを特徴とする、請求項1に記載の化合物半導体装置。
- 前記キャリア走行層は、GaNからなり、
前記バックバリア領域は、AlGaN、InGaN、AlN、p-GaN、p-AlGaN又はこれらの積層構造からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物半導体装置。 - 前記キャリア走行層は、InGaNからなり、
前記バックバリア領域は、AlGaN、GaN、AlN、p-GaN、p-AlGaN又はこれらの積層構造からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物半導体装置。 - 前記キャリア走行層は、InGaNからなり、
前記キャリア走行層の下側にGaN層を備え、
前記バックバリア領域は、前記GaN層内に埋め込まれており、AlGaN、AlN、p-GaN、p-AlGaN又はこれらの積層構造からなることを特徴とする、請求項1に記載の化合物半導体装置。 - 前記ショットキーゲート電極と前記金属層は電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
- 前記ショットキーゲート電極と前記金属層は一体となっていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
- トランジスタを備え、
前記トランジスタは、
キャリア走行層を含む半導体積層構造と、
前記半導体積層構造上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に設けられたショットキーゲート電極と、
前記ショットキーゲート電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に絶縁膜、金属層を積層させてなるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造と、
前記MIS構造を構成する前記金属層の直下にその全体が収まるように設けられ、伝導帯の底のエネルギーが前記キャリア走行層に沿う方向の両側に隣接する領域よりも高くなっているバックバリア領域とを備えることを特徴とする電源装置。 - 入力信号を増幅するアンプを備え、
前記アンプは、トランジスタを含み、
前記トランジスタは、
キャリア走行層を含む半導体積層構造と、
前記半導体積層構造上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に設けられたショットキーゲート電極と、
前記ショットキーゲート電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上に絶縁膜、金属層を積層させてなるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造と、
前記MIS構造を構成する前記金属層の直下にその全体が収まるように設けられ、伝導帯の底のエネルギーが前記キャリア走行層に沿う方向の両側に隣接する領域よりも高くなっているバックバリア領域とを備えることを特徴とする高周波増幅器。 - キャリア走行層を含む半導体積層構造を形成する工程と、
前記半導体積層構造上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極の間の前記半導体積層構造上にショットキーゲート電極を形成する工程と、
前記半導体積層構造上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に金属層を積層させて前記ショットキーゲート電極と前記ドレイン電極の間にMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造を形成する工程とを含み、
前記半導体積層構造を形成する工程において、伝導帯の底のエネルギーが前記キャリア走行層に沿う方向の両側に隣接する領域よりも高くなっているバックバリア領域を形成し、
前記MIS構造を形成する工程において、前記バックバリア領域の全体が前記MIS構造を構成する前記金属層の直下に収まるように、前記MIS構造を構成する前記金属層を形成することを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
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